JP2019152385A - 流動焙焼炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が高い場合でも、ガスの流量を十分に大きくして、被焙焼物を十分に焙焼することができる流動焙焼炉を提供する。【解決手段】流動焙焼炉10は、下側から上側へ向けて流れるガスを用いて被焙焼物が焙焼される筒状炉心部11と、筒状炉心部11から流れ出るガスが導入される飛散物回収容器16と、が備えられている。飛散物回収容器16には、飛散物回収容器16内の温度を上げるための回収容器用ヒータ17が設けられている。この構成により、筒状炉心部11から被焙焼物が飛散した場合でも、被焙焼物を回収できる。また、飛散物回収容器16には回収容器用ヒータ17が設けられていることにより、回収された被焙焼物が未焙焼であっても、焙焼を行うことができる。よって流動焙焼炉10に投入された被焙焼物のほぼ全量の焙焼を行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、流動焙焼炉に関する。さらに詳しくは、高品位が要求される被焙焼物を焙焼可能な流動焙焼炉に関する。
一般的に、流動焙焼炉は、原料単独、もしくは流動媒体を用いてガスを供給しながら焙焼対象の粉状または粒状の原料をあたかも流体のように浮遊させることによって媒体との混合状態をつくり上げ、効率的に焙焼する装置である。焙焼対象の原料と流動媒体とを混合させた状態で焙焼することにより原料と流動媒体とが衝突しながら焙焼が進み、また、原料が流動層内に比較的長時間滞留できるため、効率的に焙焼することができる。
このような流動焙焼炉を用いて供給した原料に対する焙焼を確実に行うためには、ガスの流速を、原料(以下、本明細書において「被焙焼物」と称することがある)と流動媒体との混合物の空塔速度が、最小流動化速度以上、終末速度未満の範囲となるように正確に制御されなければならない。
ここで、「空塔速度」とは、ガス流量/炉内断面積で求められる実速度である。ここで「炉内断面積」は、炉芯の軸心に垂直な平面における炉内の面積をいう。また、「最小流動化速度」とは、被焙焼物と流動媒体との混合物である粉体等(本明細書で少なくとも粉体及び流体のいずれかを含んでいるものを「粉体等」と称することがある)が流動を始める最小の速度である。「終末速度」とは、流動層から粉体等が上昇して飛び出し始める速度をいう。
上記のように速度制御が正確に行われる必要があるのは、以下のような理由のためである。すなわち、供給するガスの流速が、原料と流動媒体との混合物の「最小流動化速度」未満であると、原料が流動化しないために焙焼が均一に進まず、原料の凝集が発生する等の問題が生じる。
一方で、ガスの流速がその混合物の「終末速度」以上であると、流速が速すぎて原料または流動媒体がガスと共に流されてしまい、効果的に焙焼を施すことができないという問題、または回収率が大きく低下するという問題が生じる。
つまり、流動焙焼では、ガス流量を適切な範囲内で制御して、原料を焙焼に足る時間、流動層内で流動化させることが必要となる。
特許文献1には、古砂ダストを流動焙焼炉の焙焼室内に供給し、その焙焼室内において流動焙焼させ、焙焼室内に形成される流動層の上部位置に開口する溢流口からオーバーフローさせて、再生処理ダストとして回収する技術が開示されている。ここで、古砂ダストは、鋳物古砂再生用の乾式再生機で発生したダストを集じんして得たものである。また、流動焙焼炉の底部には、珪砂がベース砂として収容されている。
また、特許文献2には、金属鉄源を流動焙焼炉で酸化焙焼する工程と、焙焼炉の溢流口より排出された粗粒子の酸化層を剥離する工程と、剥離工程後の酸化鉄と金属鉄粉を流動焙焼炉に循環する工程と、生成した微粉酸化鉄を焙焼ガスと共に流出させて焙焼ガス中より捕捉回収する工程とからなる高品位酸化鉄の製造方法が開示されている。
これらの特許文献1または2では、古砂ダストや酸化鉄が焙焼されているが、焙焼後にこれらの原料がどの程度均一に焙焼されているかについては言及されていない。
特開2000−42515号公報 特開昭61−236616号公報
二次電池の材料として多く用いられる酸化ニッケル(NiO)は、焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が非常に厳しい。酸化ニッケルは、硫酸ニッケル(NiSO)を含有する水溶液にアルカリを添加し、中和して水酸化ニッケル(Ni(OH))を得、その水酸化ニッケルを焙焼して製造される。焙焼後の酸化ニッケルに含まれる不純物の硫黄品位が、例えば100ppmを超えるような高さだと、電池の特性を低下させる等の影響が生じるなど好ましくない。特許文献1等で開示されている従来の流動焙焼炉での焙焼は、焙焼後の被焙焼物の純度を上げる必要性はそれほど高くなく、特許文献1で開示されている構成では、焙焼後の被焙焼物の純度を上げることが困難であった。具体的には、特許文献1で開示されている構成では、焙焼時の被焙焼物の飛散対策が不十分であり、流動用のガスと共に被焙焼物が流れ出る可能性を考慮すると、ガスの流量を最小流動化速度に近く設定する必要があった。このため焙焼が十分に行われず、被焙焼物の純度を上げることが困難であるという問題がある。
また、酸化ニッケルは、焙焼する際に水蒸気が発生することから、焙焼により莫大な体積のガスが発生する。この点でもガスの流量を抑える必要があり、これに伴い被焙焼物の純度を上げることができないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が高い場合でも、ガスの流量を十分に大きくして、被焙焼物を十分に焙焼することができる流動焙焼炉を提供することを目的とする。
本発明者らは、この問題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、流動焙焼炉に筒状炉心部から流れ出るガスが導入される被焙焼物回収容器を備えることにより、焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が高い場合でも、被焙焼物を均一に焙焼することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
第1発明の流動焙焼炉は、下側から上側へ向けて流れるガスを用いて被焙焼物が焙焼される筒状炉心部と、該筒状炉心部から流れ出るガスが導入される飛散物回収容器と、が備えられ、該飛散物回収容器には、該飛散物回収容器内の温度を上げるための回収容器用ヒータが設けられていることを特徴とする。
第2発明の流動焙焼炉は、第1発明において、前記回収容器用ヒータは、前記回収容器用ヒータの設定温度を、前記筒状炉心部の炉芯部用ヒータの設定温度の−50℃以上+200℃以下としたことを特徴とする。
第1発明によれば、流動焙焼炉に筒状炉心部から流れ出るガスが導入される飛散物回収容器が設けられていることにより、筒状炉心部から被焙焼物が飛散した場合でも、被焙焼物を回収できる。また、飛散物回収容器には回収容器用ヒータが設けられていることにより、回収された被焙焼物が未焙焼であっても、比較的小さな熱量で焙焼を行うことができる。よって流動焙焼炉に投入された被焙焼物のほぼ全量の焙焼を行うことができる。
第2発明によれば、回収容器用ヒータの設定温度を、筒状炉心部の炉芯部用ヒータの設定温度の−50℃以上+200℃以下としたことにより、より確実に回収された被焙焼物を焙焼することができる。
本発明の第1実施形態に係る流動焙焼炉の正面方向から見た断面図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための流動焙焼炉およびその運転方法を例示するものであって、本発明は流動焙焼炉およびその運転方法を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係る流動焙焼炉10の正面方向からの断面図を示す。図1において黒色の太線矢印は、流動用のガスの流れ方向を示している。本実施形態の流動焙焼炉10には、被焙焼物が焙焼される筒状炉心部11と、この筒状炉心部11から流れ出るガスが導入される飛散物回収容器16と、が備えられている。
流動焙焼炉10を構成する筒状炉心部11は、軸心を鉛直にした状態で設けられている。この筒状炉心部11の下部には固定層15が設けられている。固定層15は例えば球状のアルミナなどのセラミックスを充填したものを用いることができ、セラミックスはポーラスであってよく、高い充填率のものであってよい。そして被焙焼物が固定層15の下に落ち込まないように固定層15を何層かで構成してもよい。例えば固定層15の下側を球状のアルミナを用い、固定層15の上側をより小さな球状のアルミナを用いてもよい。この固定層15の下面には、筒状炉心部11の下部からガスを導入するためのガス導入管12が設けられている。このガス導入管12から太線矢印で示す向きにガスが供給されることで、固定層15の上に位置している流動媒体31および原料32が流動化して流動層が生じ、この流動層内で原料32が浮遊した状態で焙焼が行なわれる。
筒状炉心部11には、流動媒体31等を一定の温度に保持するための炉芯部用ヒータ13が設けられている。なおこの炉芯部用ヒータ13は原料32によっては設けられない場合もある。炉芯部用ヒータ13が用いられない場合は、例えば高温のガスを流して流動焙焼してもよい。
筒状炉心部11に供給する原料32は、筒状炉心部11の側部に設けられた原料投入管14により適宜投入される。そして原料投入管14は原料投入後、蓋またはバルブで閉じる。
流動焙焼炉10を構成する飛散物回収容器16は、筒状炉心部11と接続配管18により連結されている。筒状炉心部11から流れ出るガスは、この接続配管18を通じて飛散物回収容器16に導入される。
接続配管18の一方の端部は、流動焙焼のために導入されたガスが、筒状炉心部11から抜けやすいように、流動層の上側に位置する、筒状炉心部11の上部の側面に接続している。また接続配管18の他方の端部は、飛散物が飛散物回収容器16の中に滞留しやすいように、飛散物回収容器16の上部に接続している。なお接続配管18の筒状炉心部11への接続位置、および飛散物回収容器16への接続位置はこれらに限定されるものではない。例えば筒状炉心部11の上面に接続配管18を接続することもできる。また、飛散物回収容器16の上部の側面に接続したり、また飛散物の滞留が確保できる場合は、飛散物回収容器16の下面に接続する場合もある。
飛散物回収容器16には、飛散物回収容器16内の温度を上げるための回収容器用ヒータ17が設けられている。この回収容器用ヒータ17により飛散物回収容器16内の温度を上げ、飛散物回収容器16で集められた未焙焼の飛散物が焙焼される。回収容器用ヒータ17が設定できる温度は、炉芯部用ヒータ13が設定できる温度の−50℃以上から+200℃以下の範囲で任意に設定できることが好ましい。また回収容器用ヒータ17は、制御が容易であることから電気式ヒータであることが好ましい。
流動焙焼炉10に筒状炉心部11から流れ出るガスが導入される飛散物回収容器16が設けられていることにより、筒状炉心部11から被焙焼物が飛散した場合でも、被焙焼物を回収できる。また、飛散物回収容器16には回収容器用ヒータ17が設けられていることにより、回収された被焙焼物が未焙焼であっても、比較的小さな熱量で焙焼を行うことができる。よって流動焙焼炉10に投入された被焙焼物のほぼ全量の焙焼を行うことができる。
飛散物回収容器16の上面には、飛散物回収容器16に導入されたガスが導出されるための導出配管19が設けられている。
(第1実施形態に係る流動焙焼炉10の運転方法)
図1に示すように、流動焙焼炉10には、原料32と一緒に流動層を生じさせるための流動媒体31が装入されている。流動焙焼炉10にガス導入管12からガスが導入されるとともに、原料32があらかじめ定められた量だけ投入される。ガスの流速は、原料32と流動媒体31との混合物の「空塔速度」が、「最小流動化速度」以上で「終末速度」未満であるように調整する。本実施形態では、空塔速度は、終末速度に近い値とすることができる。
流動焙焼炉10は炉芯部用ヒータ13により加熱した状態にしておき、原料32を投入して焙焼することが好ましい。原料投入後、加熱すると時間がかかり効率が悪くなるからである。炉芯部用ヒータ13は電気式であることが、制御が容易である点で好ましい。また、図示していないが、ガスバーナなどはコスト面で安く、好ましい。
筒状炉心部11に導入されたガスは、接続配管18を通って飛散物回収容器16に導入される。筒状炉心部11の炉芯部用ヒータ13により筒状炉心部11が加熱されると同時に、飛散物回収容器16の回収容器用ヒータ17により飛散物回収容器16内が加熱され、飛散物回収容器16内の未焙焼の被焙焼物が焙焼される。このとき、回収容器用ヒータ17の設定温度は、炉芯部用ヒータ13の設定温度の−50℃以上+200℃以下とすることが望ましい。
回収容器用ヒータ17は、回収容器用ヒータ17の設定温度を、筒状炉心部11の炉芯部用ヒータ13の設定温度の−50℃以上+200℃以下としたことにより、より確実に回収された被焙焼物を焙焼することができる。
流動焙焼が終了した後は、筒状炉心部11内から被焙焼物が回収されるとともに、飛散物回収容器16からも被焙焼物が回収される。
以下、本発明に関連する実験を行い、本発明の各実施形態の実施例を示して説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実験1)(飛散物回収容器16の効果の検証、原料:水酸化ニッケル)
<原料>
焙焼対象の原料(被焙焼物)32として、水酸化ニッケル(Ni(OH))を準備した。水酸化ニッケルは、平均粒径が23.3±1.0μmのものであり、あらかじめ真空中で170℃、4時間の真空加熱処理が行われ、含有水分が実質的に除去された。分析すると硫黄分が2.0±0.1重量%の割合で含まれていた。その他の不純物成分は、実質的に無視できる程度だった。
なお、以下の各実験においては、バッチ処理を行った。すなわち各原料32は所定量を流動焙焼炉10に装入し、次に空気をガスとして炉内下部から送り込んで流動化するとともに所定の温度に昇温し維持して流動焙焼を行い、焙焼後のガスは飛散物回収容器16を経てから排出するようにした。
<流動焙焼処理>
実験1の実施例1〜6では、図1に示す第1実施形態に係る流動焙焼炉10が用いられた。また、比較例1では、飛散物回収容器16のない焙焼炉が用いられた。実施例1〜6では、表1および表2に記載の設定温度で回収容器用ヒータ17が飛散物回収容器16を加熱した。なお、表1および表2における「飛散物回収容器の設定温度(℃)」の欄には、炉芯部用ヒータ13の設定温度との温度差が記載されている。これらの焙焼炉により、原料の水酸化ニッケルが焙焼され、焙焼された試料である酸化ニッケル(NiO)が筒状炉心部11および飛散物回収容器16から回収された。
投入原料の重量は、全て同一とし、筒状炉心部11での焙焼条件は全て同一条件とした。具体的には筒状炉心部11での焙焼温度(炉芯部用ヒータ13の設定温度)は900℃、焙焼時間は20分、ガスには空気が用いられた。所定の焙焼後炉が冷却され、炉内の被焙焼物が回収された。
<評価>
実施例1〜6、比較例1のそれぞれの処理において、焙焼により得られた試料の回収率、回収した試料中における酸化ニッケルの含有量、および、回収した試料中における硫黄の含有量が評価された。表1に燃焼により得られた試料の回収率の結果を、表2に回収した試料中における酸化ニッケルの含有量、回収した試料中における硫黄の含有量の結果を示す。なお、評価方法は以下の通りである。
[焙焼により得られた試料の回収率]
焙焼により得られた試料の回収率は、下記の数1により算出した。
(数1)
R=W/(W−S)×100
R:回収率[%]
:回収した試料の重量
:投入した原料32(今回はNi(OH))が全て焙焼された(今回はNiO)ときの重量
S:投入した原料32に含まれている硫黄の重量
[回収した試料中における酸化ニッケルの含有量の割合]
回収した試料中における酸化ニッケルの含有量の割合は、回収した試料中に含まれる酸化ニッケル(NiO)と水酸化ニッケル(Ni(OH))の含有量をそれぞれ算出し、それぞれの含有量の合計値に対するNiO含有量の割合(重量%)として算出した。
[回収した試料中における硫黄の含有量]
回収した試料中における硫黄の含有量は、硫黄分析装置(三菱化学株式会社製,型式:TOX−100)を用いて測定した。
Figure 2019152385
Figure 2019152385
表1および表2に示すように、飛散物回収容器16が設けられた流動焙焼炉10での実施例1〜6では良好な結果が得られた。すなわち、回収率は全て高い値を示し、回収した試料中における酸化ニッケルの含有割合も全て99.3%以上であり、水酸化ニッケルをほとんど酸化ニッケルに焙焼できていることが分かる。また、回収した試料中の硫黄の含有量も極めて少なく、硫黄品位が低い高品質な酸化ニッケルが得られた。特に飛散物回収容器16から回収された試料はNiOの割合が高く高品質であった。これは、飛散物回収容器16により筒状炉心部11から飛散した被焙焼物が確実に回収され、焙焼されたためであると考えられる。
一方、飛散物回収容器16のない焙焼炉で焙焼された比較例1では実施例1〜6に対して、回収率は低くなった。これは、流動焙焼中に被焙焼物の一部が飛散したためと考えられる。
(実験2)(飛散物回収容器16の効果の検証、原料:銅精鉱)
<原料>
原料には表3に示す組成の南米産の銅精鉱を用いた。
Figure 2019152385
<流動焙焼処理>
実験2の実施例7〜12では、図1に示す第1実施形態に係る流動焙焼炉10が用いられた。また、比較例2では、飛散物回収容器16のない焙焼炉が用いられた。実施例7〜12では、表4および表5に記載の設定温度で回収容器用ヒータ17が飛散物回収容器16を加熱した。なお、表4および表5における「飛散物回収容器の設定温度(℃)」の欄には、炉芯部用ヒータ13の設定温度との温度差が記載されている。これらの焙焼炉により、原料の銅精鉱が焙焼され、焙焼後の試料が筒状炉心部11および飛散物回収容器16から回収された。
投入原料の重量は、全て同一とし、筒状炉心部11での焙焼条件は全て同一条件とした。具体的には焙焼温度(炉芯部用ヒータ13の設定温度)は900℃、焙焼時間は4.0時間、ガスには窒素が用いられた。所定の焙焼後炉が冷却され、炉内の被焙焼物が回収された。
<評価>
実施例7〜12、比較例2のそれぞれの処理において、焙焼により得られた試料の回収率、および焙焼後の銅精鉱中の砒素含有量が評価された。表4に燃焼により得られた試料の回収率の結果を、表5に焙焼後の銅精鉱中の砒素含有量の結果を示す。なお、評価方法は以下のとおりである。
[焙焼により得られた試料の回収率]
焙焼により得られた試料の回収率は、下記の数2により算出した。
(数2)
=W/W×100
:回収率[%]
:回収した試料の重量
:投入した原料(今回は銅精鉱)の重量
[実験前後の試料中の砒素含有量]
実験前後の試料について、砒素と硫黄をICPで分析した。
Figure 2019152385
Figure 2019152385
表4、表5に示すように、飛散物回収容器16が設けられた流動焙焼炉10での実施例7〜12では良好な結果が得られた。すなわち、実施例7〜12において、回収率は高くなった。これは、被焙焼物が飛散物回収容器16で焙焼されたためであると考えられる。また、回収された試料中の砒素は、0.1重量%以下であり、精鉱中の砒素と硫黄の含有量が大きく減少していることが分かったこのように精鉱中の砒素と硫黄が減少したため、鉱石中の銅含有率は10%以上増加したことに相当した。
一方、飛散物回収容器16のない焙焼炉で焙焼された比較例2では実施例7〜12に対して、回収率は低くなった。これは、流動焙焼中に被焙焼物の一部が飛散したためと考えられる。
10 流動焙焼炉
11 筒状炉心部
13 炉芯部用ヒータ
16 飛散物回収容器
17 回収容器用ヒータ

Claims (2)

  1. 下側から上側へ向けて流れるガスを用いて被焙焼物が焙焼される筒状炉心部と、
    該筒状炉心部から流れ出るガスが導入される飛散物回収容器と、が備えられ、
    該飛散物回収容器には、該飛散物回収容器内の温度を上げるための回収容器用ヒータが設けられている、
    ことを特徴とする流動焙焼炉。
  2. 前記回収容器用ヒータは、前記回収容器用ヒータの設定温度を、前記筒状炉心部の炉芯部用ヒータの設定温度の−50℃以上+200℃以下とした、
    ことを特徴とする請求項1記載の流動焙焼炉。
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