JP2019152363A - 熱交換器 - Google Patents
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Description
熱交換器10は、内部を流れる流体と外部を流れる空気との間で熱交換を行なうものである。具体的には、図1に概念を示すように、熱交換器10には、冷媒が流入出するための第1配管41及び第2配管42が取り付けられる。また、熱交換器10の近傍には、熱交換器10に風を送るためのファン6が配置される。ファン6は熱交換器10に向かう空気流を発生させ、その空気流が熱交換器10を通過する際に、熱交換器10と空気との間で熱交換が行なわれる。なお、熱交換器10は、空気から熱を奪う蒸発器としても、空気に熱を放出する凝縮器(放熱器)としても機能し、空気調和装置等に搭載できるものである。
(2−1)全体構成
熱交換器10は、図2に示すように、伝熱ユニット群15、第1ヘッダ21及び第2ヘッダ22を有する。
第1ヘッダ21は、図3に示すように、中空の部材で構成されており、ガス・液・気液二相の状態の冷媒が内部を流通可能に構成されている。そして、第1ヘッダ21は、伝熱ユニット30の上方で第1配管41と伝熱ユニット30とに接続する。また、第1ヘッダ21の下面には、伝熱ユニット30と接続するための接続面21Sが形成される。接続面21Sには、後述する伝熱流路部31の端部31eが挿入される連結孔が形成される。なお、図3は第3方向D3から見たときの第1ヘッダ21の断面状態を示している。第3方向D3の定義については後述する。
(2−3−1)
伝熱ユニット30は、図5に示すように、「第1方向D1」に延びる複数の伝熱流路部31及び複数の伝熱補助部32が、第1方向D1に対して傾斜又は直交する「第2方向D2」に並んで形成されるものである。ここでは、伝熱流路部31は略半円筒形状であり、伝熱補助部32は略平板形状である。また、伝熱流路部31は、図6に示すように、第2方向D2に所定のピッチPPで並ぶように形成される。そして、このような伝熱ユニット30が、第1方向D1及び第2方向D2のいずれとも異なる「第3方向D3」に複数配置されることで、図7に示すような伝熱ユニット群15が形成される。ここでは、伝熱ユニット群15は、少なくとも3以上の伝熱ユニット30が積層状に配置される。
本実施形態に係る伝熱ユニット30の具体的な形態について図9を用いて説明する。なお、図9は図7の一部拡大図である(図7の点線部に相当)。
熱交換器10が蒸発器として用いられるときには、ファン6により生じた空気流Wが図10に示すように第2方向D2に沿って流れる。この状態で、熱交換器10に、第2配管42から液相の冷媒Fが流入する。続いて、冷媒Fは、第2配管42から第2ヘッダ22に流入する。そして、冷媒Fは、第2ヘッダ22に接続された伝熱流路部31を経由して下方から上方に向けて流れる。冷媒Fは、伝熱流路部31を流れている間に空気流Wと熱交換を行う。これにより冷媒Fは蒸発して気相に変化する。そして、気相の冷媒Fが第1配管41から流出する。
伝熱ユニット30は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属材料から製造される。具体的には、まず、図5の断面形状に相当する型を用いて金属材料の押出成形が行なわれ、伝熱流路部31及び伝熱補助部32が一体的に形成される。続いて、伝熱補助部32の一部を切除して切欠部33が設けられる。例えば、切欠部33は、伝熱補助部32の複数箇所を打ち抜きによって切除することによって形成される。
(4−1)
以上説明したように、本実施形態に係る熱交換器10は、第1方向D1に延びる伝熱流路部31及び伝熱補助部32が第1方向D1に対して傾斜又は直交する第2方向D2に並んで形成される伝熱ユニット30を有する。ここで、伝熱ユニット30は、第1方向D1及び第2方向D2のいずれとも異なる第3方向D3に複数配置され、伝熱ユニット群15を形成する。
また、本実施形態に係る熱交換器10は、図9に示すように、第1方向D1から見たときに、隣接する伝熱ユニット30a,30bにおける第1位置La,Lbが重複しないように配置されている。換言すると、隣接する伝熱ユニット30a,30b間の風路で、第1膨出部30pa,30pbが千鳥状に配置されている。そのため、図11に示すように膨出部同士が近接する構成に比して、隣接する伝熱ユニット31a,31b間の風路の流路断面積を増加させることができる。したがって、熱交換器10を低い温度環境(例えば摂氏7度以下)で蒸発器として用いたときに、着霜による風路閉塞をさらに抑制することができる。
また、本実施形態に係る伝熱ユニット30には、伝熱流路部31が複数形成されている。このような構成により、熱交換性能を高めることができる。ただし、本実施形態に係る伝熱ユニット30は、一組の伝熱流路部31及び伝熱補助部32から構成されるものであってもよい。
また、本実施形態に係る伝熱ユニット30には、第2方向D2に所定のピッチPPで伝熱流路部31が形成されている(図6参照)。このような構成により、風路内の熱流束分布の変動を抑えることができる。結果として、熱交換器10を低い温度環境(例えば摂氏7度以下)で蒸発器として用いたときに、着霜の局所的な発生を抑制できる。
また、本実施形態に係る熱交換器10は、第1方向D1に沿って上下から伝熱ユニット30に接続し、冷媒流路の一部を形成する第1ヘッダ21(上側ヘッダ)及び第2ヘッダ22(下側ヘッダ)をさらに備える。このような構成により、伝熱ユニット30の長手方向を鉛直方向に向けることができ、付着した水(結露水等)を容易に排出できる。また、組立性・加工性を高めることもできる。
また、本実施形態に係る熱交換器10は、各伝熱ユニット30を、金属材料の押出成形によって単一の部材から形成することができる。また、打ち抜きにより複数の切欠部33を一度に形成することができる。したがって、組立性・加工性の高い熱交換器10を提供できる。
(5−1)変形例A
本実施形態に係る熱交換器10は、伝熱ユニット30が、平面部31qに代えて、第1膨出部31pより小さく膨出する第2膨出部を有するものでもよい。この場合でも、上記と同様の議論が成立する。
また、本実施形態に係る伝熱流路部31は、上述したものに限られず、他の形態であってもよい。例えば、伝熱流路部31を第1方向D1からみたときの断面形状が、半円形状、楕円形状、扁平形状、翼型の上半分形状、及び/又は翼型の下半分形状のいずれか一つ又は任意の組み合わせであってもよい。要するに、熱交換器10は、熱交換性能を最適化する形状を採用することができる。
また、本実施形態に係る熱交換器10は、伝熱ユニット30が、第1方向D1から見て、第2方向D2の端部に伝熱補助部32g(第1伝熱補助部)を有するものでもよい。ここでは、伝熱補助部32gの第2方向D2における長さは、第2方向D2の所定のピッチPPよりも長くなるように形成される。換言すると、熱交換器10は、図12に示すように、第1方向D1からみたときに、伝熱ユニット30における第2方向D2の端部に、他の伝熱補助部32よりも長い伝熱補助部32g(第1伝熱補助部)が形成されるものでもよい。このような熱交換器10では、最風上側の伝熱流路部31gと隣接する伝熱補助部32gとの間の距離が長いので、最風上側の伝熱流路部31gから伝熱補助部32gへの伝熱量を下げることができる。これにより、伝熱ユニット30表面上の熱流束分布を均一化することができる。結果として、熱交換器10を低い温度環境(例えば摂氏7度以下)で蒸発器として用いたときに、風路の入口部に着霜が局所的に発生するのを抑制又は回避することができる。
また、本実施形態に係る熱交換器10は、第1方向D1からみたときに、伝熱ユニット30が直線状だけでなく波形状に加工されるものでもよい。伝熱ユニット30が直線状の場合は風路抵抗を抑えることができる。一方、伝熱ユニット30が波形状の場合は空気流と冷媒との熱交換量を増やすことができる。要するに、使用環境に応じて、熱交換性能が最適な熱交換器を提供できる。
また、本実施形態に係る熱交換器10は、第1方向D1からみたときに、伝熱ユニット30の第2方向D2の風上側の端部に断熱材Iが塗布されるものであってもよい(図14,15参照)。これにより、当該端部における温度の低下を抑えることができる。結果として、熱交換器10を低い温度環境(例えば摂氏7度以下)で蒸発器として用いたときに、着霜を抑制でき、風路閉塞を回避又は遅らせることができる。
また、本実施形態に係る熱交換器10では、空気流Wが生じる第2方向D2に少なくとも1回は冷媒流路が折り返されるものでもよい。例えば、図16に示すような冷媒流路を採るものであってもよい。なお、ここでは、第2ヘッダ22の内部が風上側の風上第2ヘッダ22Uと風下側の風下第2ヘッダ22Lとに区分けれ、第2配管42が風上第2ヘッダ22Uに接続され、第1配管41が風下第2ヘッダ22Lに接続される。
本実施形態に係る熱交換器10は、伝熱管とフィンとが一方向に並ぶベッセル型熱交換器(細径多管式熱交換器)への適用が可能であるが、これに限られるものではない。例えば、マイクロチャネル型熱交換器(扁平多穴管式熱交換器)への適用も可能である。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
21 第1ヘッダ(上側ヘッダ)
22 第2ヘッダ(下側ヘッダ)
30 伝熱ユニット
30a 伝熱ユニット(一の伝熱ユニット)
30b 伝熱ユニット(一方の側で隣接する伝熱ユニット)
30c 伝熱ユニット(他方の側で隣接する伝熱ユニット)
31 伝熱流路部
31p 第1膨出部
31q 平面部
32 伝熱補助部
32g 第2方向端部の伝熱補助部(第1伝熱補助部)
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
I 断熱材
L1 第1位置
L2 第2位置
Claims (11)
- 第1方向(D1)に延びる伝熱流路部(31)及び伝熱補助部(32)が前記第1方向に対して傾斜又は直交する第2方向(D2)に並んで形成される伝熱ユニット(30,30a,30b,30c)を有し、前記伝熱ユニットが前記第1方向及び前記第2方向のいずれとも異なる第3方向(D3)に複数配置される熱交換器(10)であって、
前記伝熱ユニットは、前記第2方向における第1位置(L1)で膨出して前記伝熱流路部を形成する第1膨出部(31p,31pa,31pb,31pc)と、前記第1膨出部が形成される向きとは反対向きで前記第1位置に形成される平面部(31q,31qa,31qb,31qc)又は前記第1膨出部より小さく膨出する第2膨出部と、を有し、
少なくとも一の伝熱ユニット(30a)が、
一方の側で隣接する伝熱ユニット(30b)とは、第1膨出部(31pa)が形成される面と、隣接する伝熱ユニットの第1膨出部(31pb)が形成される面とが対向する向きに配置され、
他方の側で隣接する他の伝熱ユニット(30c)とは、平面部(31qa)又は第2膨出部が形成される面と、他の伝熱ユニットの平面部(31qc)又は第2膨出部が形成される面とが対向する向きに配置される、
熱交換器。 - 隣接する伝熱ユニットにおける第1位置が前記第1方向視で重複しないように配置されている、
請求項1に記載の熱交換器。 - 前記伝熱流路部の前記第1方向視における断面形状が、半円形状、楕円形状、扁平形状、翼型の上半分形状、及び/又は翼型の下半分形状のいずれか一つ又は任意の組み合わせである、
請求項1又は2に記載の熱交換器。 - 前記伝熱ユニットには、前記伝熱流路部が複数形成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記伝熱ユニットには、前記第2方向に所定のピッチ(PP)で前記伝熱流路部が形成されている、
請求項4に記載の熱交換器。 - 前記伝熱ユニットには、前記第1方向視で前記第2方向の端部に前記伝熱補助部の一つである第1伝熱補助部(32g)が形成されており、
前記第1伝熱補助部の前記第2方向における長さが、前記第2方向の所定のピッチ(PP)よりも長い、
請求項5に記載の熱交換器。 - 前記伝熱ユニットには、前記第1方向視で前記第2方向の端部に前記伝熱補助部の一つである第1伝熱補助部が形成されており、
隣接する伝熱ユニットにおいて、第1伝熱補助部の前記第2方向における長さを異なるようにして、前記端部を千鳥状に配置している、
請求項1から6のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記伝熱ユニットは、前記第1方向視で直線状又は波形状に加工されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記第1方向視で、前記伝熱ユニットの前記第2方向の端部に断熱材(I)が塗布されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記伝熱ユニットに、前記第1方向に沿って上下から接続し、前記冷媒の流路の一部を形成する上側ヘッダ(21)及び下側ヘッダ(22)をさらに備える、
請求項1から9のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の熱交換器が搭載された空気調和装置。
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JPS59153493U (ja) * | 1983-03-31 | 1984-10-15 | 三菱重工業株式会社 | 熱交換器 |
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