JP2009270792A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】パラレルフロー型熱交換器を、着霜が生じても熱交換効率の低下につながりにくい構造とする。
【解決手段】熱交換器1は、間隔を置いて平行に配置された2本のヘッダパイプ2、3と、ヘッダパイプ2、3の間に所定ピッチで複数配置され、内部に設けた垂直な冷媒通路5をヘッダパイプの内部に連通させた偏平チューブ4と、偏平チューブ4間に配置されたコルゲートフィン6を備える。コルゲートフィン6はそれを通過する気流の風上側に偏平チューブ4同士の間から突き出しており、突き出し部分6aの襞の折り曲げ箇所に切除部9が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明はパラレルフロー型の熱交換器に関する。
2本のヘッダパイプの間に複数の偏平チューブを配置して偏平チューブ内部の冷媒通路をヘッダパイプの内部に連通させるとともに、偏平チューブ間にコルゲートフィン等のフィンを配置したパラレルフロー型の熱交換器はカーエアコンや建物用空気調和機の室外側ユニットなどに広く利用されている。その例を特許文献1に見ることができる。
従来のパラレルフロー型熱交換器の一例を図6に示す。熱交換器1は、2本の水平なヘッダパイプ2、3を上下に間隔を置いて平行に配置し、ヘッダパイプ2、3の間に垂直な偏平チューブ4を所定ピッチで複数配置する。偏平チューブ4はアルミニウム等熱伝導の良い金属を押出成型した細長い成型品であり、内部には冷媒を流通させる冷媒通路5が形成されている。偏平チューブ4は押出成型方向を垂直にする形で配置されるので、冷媒通路5の冷媒流通方向も垂直になる。各冷媒通路5はヘッダパイプ2、3の内部に連通する。なお図11において紙面上側が垂直方向の上側、紙面下側が垂直方向の下側であり、上側のヘッダパイプ2と下側のヘッダパイプ3の間に複数の偏平チューブ4が長手方向を垂直にして所定ピッチで配置された構成となっている。
ヘッダパイプ2、3と偏平チューブ4は溶着により固定される。冷媒通路5は図の奥行き方向に複数個並び、そのため偏平チューブ4はハーモニカのような断面を呈している。偏平チューブ4同士の間にはコルゲートフィン6が配置される。偏平チューブ4とコルゲートフィン6は溶着、ロウ付けなどにより固定される。偏平チューブ4の他、ヘッダパイプ2、3及びコルゲートフィン6も熱伝導の良い金属からなる。
ヘッダパイプ2、3の間に多数の偏平チューブ4を設け、偏平チューブ4間にコルゲートフィン6を設けた構造であるから、熱交換器1の放熱(吸熱)面積は大きく、効率的に熱交換を行うことができる。下側のヘッダパイプ(下部ヘッダパイプと称することもある)3の一端には冷媒流入口7が設けられ、上側のヘッダパイプ(上部ヘッダパイプと称することもある)2の一端には、冷媒流入口7と対角をなす位置に冷媒流出口8が設けられている。
特開平6−147785号公報
パラレルフロー型熱交換器を蒸発器として使用する場合、冷媒通路5を低温の冷媒が流れ、偏平チューブ4やコルゲートフィン6の表面温度が低下する。これにより、空気中の水分が偏平チューブ4やコルゲートフィン6の表面に霜となって付着するという現象(着霜現象)が起きる。着霜が生じると偏平チューブ4やコルゲートフィン6から空気への冷熱伝達が悪くなり、またコルゲートフィンの6の隙間が霜により狭められて空気が流れにくくなるので、風量が低下し熱交換効率が低下する。このため、パラレルフロー型熱交換器においては着霜にどのように対処するかが常に技術的課題となる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、パラレルフロー型熱交換器を、着霜が生じても熱交換効率の低下につながりにくい構造とすることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、間隔を置いて平行に配置された複数のヘッダパイプと、前記複数のヘッダパイプの間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路を前記ヘッダパイプの内部に連通させた偏平チューブと、前記偏平チューブ間に配置されたコルゲートフィンとを備えた熱交換器において、前記コルゲートフィンには、それを通過する気流の風上側の端部に切除部が設けられていることを特徴としている。
この構成によると、コルゲートフィンの風上側端部に切除部を設けたことにより、コルゲートフィンの風上側端部の縁の長さが拡張される。コルゲートフィンの風上側端部の縁は前縁効果により特に着霜が生じやすい箇所である。切除部を設ければ切除部の縁にも着霜し、風上側端部の着霜量が増大する。このため、コルゲートフィンの隙間が霜により狭められて空気が流れにくくなるまでの時間を、切除部を設けない場合よりも長くすることができる。言い換えれば、熱交換器が着霜によって目詰まりするまでの時間を長くすることができる。このように熱交換器を通過する空気の風量低下を抑制できるため、熱交換器全体としての熱交換効率を長期間にわたり維持することが可能となる。
上記構成の熱交換器において、前記切除部は、前記コルゲートフィンの襞の折り曲げ箇所に設けられていることが好ましい。
このような構成にすれば、切断や切削により切除部を形成する作業を容易に実行できる。
上記構成の熱交換器において、前記切除部は、前記コルゲートフィンの襞の折り曲げ箇所と折り曲げ箇所の中間の平面部に設けられていることが好ましい。
このような構成にすれば、切除部の数を多くし、コルゲートフィンの風上側端部の縁の長さをさらに拡張することができる。
上記構成の熱交換器において、前記コルゲートフィンの風上側端部は前記偏平チューブの風上側端部よりも風上側に突き出しており、この突き出し部分に前記切除部が設けられていることが好ましい。
このような構成にすれば、偏平チューブ同士の間よりも外側で着霜が生じるので、偏平チューブ同士の間が霜で狭められない。
上記構成の熱交換器において、前記切除部の少なくともいずれかは前記偏平チューブと前記コルゲートフィンの接触が始まる箇所、あるいはその箇所を越えてさらに風下側に達する深さを備えることが好ましい。
このような構成にすれば、深くて縁の長い切除部を得ることができる。
本発明によると、コルゲートフィンの風上側端部の縁を拡張することにより、コルゲートフィンの隙間が霜により狭められて空気が流れにくくなるまでの時間を長くすることができるので、熱交換器全体としての熱交換効率を長期間にわたり維持することができる。
以下本発明の第1実施形態を図1及び図2に基づき説明する。図1はパラレルフロー型熱交換器の部分斜視図、図2はパラレルフロー型熱交換器の垂直断面図である。図2の断面方向は図6の断面方向と直角である。なお、図6に示した従来構造の熱交換器と機能的に共通する要素には図6で用いたのと同じ符号を付し、説明は省略する。第2実施形態以下の実施形態についても同様とする。
熱交換器1のコルゲートフィン6は、それを通過する気流(図1に矢印で気流方向を示す)の風上側の端部が、偏平チューブ4の風上側端部よりも風上側に所定長さ突き出した形になっている。コルゲートフィン6の突き出し部分6aの襞の折り曲げ箇所、すなわち風上側から見て左または右のUターン箇所には切除部9が設けられている。切除部9は、頂点を偏平チューブ4の方に向けた二等辺三角形の切り欠きとなっており、偏平チューブ4とコルゲートフィン6の接触が始まる箇所(溶着またはロウ付けが始まる箇所)に達する深さを備える。切除部9は、偏平チューブ4とコルゲートフィン6の接触が始まる箇所を越えてさらに風下側まで達していてもよい。
このようにコルゲートフィン6の風上側端部に切除部9を設けたことにより、コルゲートフィン6の風上側端部の縁の長さが拡張される。この縁の箇所は前縁効果により特に着霜が生じやすい箇所である。切除部9を設ければ切除部9の縁にも着霜し、風上側端部の着霜量が増大する。このため、コルゲートフィン6の隙間が霜により狭められて空気が流れにくくなるまでの時間を、切除部9を設けない場合よりも長くすることができる。言い換えれば、熱交換器1が着霜によって目詰まりするまでの時間を長くすることができる。このように熱交換器1を通過する空気の風量低下を抑制できるため、熱交換器1全体としての熱交換効率を長期間にわたり維持することが可能となる。
コルゲートフィン6の風上側端部は偏平チューブ4の風上側端部よりも風上側に突き出しており、この突き出し部分6aに切除部9が設けられているので、着霜は偏平チューブ4同士の間よりも外側で生じ、偏平チューブ4同士の間が霜で狭められない。また、コルゲートフィン6の襞の折り曲げ箇所に切除部9が設けられているので、切断や切削により切除部を形成する作業を容易に実行できる。そして切除部9は、偏平チューブ4とコルゲートフィン6の接触が始まる箇所、あるいはその箇所を越えてさらに風下側に達する深さを備えるから、深くて縁の長い切除部9を得ることができる。
図3に本発明の第2実施形態を示す。図3はパラレルフロー型熱交換器の図2と同様の垂直断面図である。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、切除部9の形状である。すなわち第2実施形態では、幅の均一なスリットをもって切除部9とした。この形状の方が、第1実施形態の二等辺三角形よりも、コルゲートフィン6の風上側端部の縁の長さをさらに伸ばすことができる。
図4に本発明の第3実施形態を示す。図4はパラレルフロー型熱交換器の部分斜視図である。
第3実施形態は第1実施形態に次の構成を付加したものである。すなわち第3実施形態では、コルゲートフィン6の襞の折り曲げ箇所と折り曲げ箇所の中間の平面部にも切除部10を設けた。切除部10は頂角の広い二等辺三角形であって、一つの平面部に3個ずつ配置されている。
第3実施形態の構成によれば、切除部の数を多くし、コルゲートフィン6の風上側端部の縁の長さをさらに拡張することができる。なお、切除部10の形状を頂角の広い二等辺三角形としたのは単なる例示であり、それ以外の形状(例えば矩形や半円形)も採用可能である。また、平面部1個あたりの切除部10の数を3個としたのも単なる例示であり、それ以外の数であって構わない。さらに、切除部9を廃止し、切除部10のみとすることもできる。
図5に本発明の第4実施形態を示す。図5はパラレルフロー型熱交換器の部分水平断面図である。
第4実施形態は第3実施形態に次のような改変を加えたものである。すなわち、第3実施形態ではコルゲートフィン6の風上側端部を偏平チューブ4の風上側端部よりも風上側に突き出させ、突き出し部分6aに切除部9と切除部10を設けていたが、第4実施形態ではそのような突き出し部分6aを形成することなく切除部9と切除部10を設けた。この構成でも、コルゲートフィン6の風上側端部の縁の長さが拡張され、コルゲートフィン6の隙間が霜により狭められて空気が流れにくくなるまでの時間を、切除部9、10を設けない場合よりも長くすることができる。なお、切除部9を廃止し、切除部10のみとすることもできるし、切除部10を廃止し、切除部9のみとすることもできる。
第1実施形態から第4実施形態までのいずれの実施形態でも、コルゲートフィン6は気流通過方向において水平に延びているものとしたが、風上側が高く、風下側が低い(あるいはその逆)といった、傾斜付きの構成であってもよい。また本発明の効果は、熱交換器1を立てて使用する場合に限らず、熱交換器1を斜めにして使用する場合にも、あるいは水平にして使用する場合にも、等しく発揮される。
以上、本発明の各実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、本発明の適用対象は2本のヘッダパイプの間に偏平チューブを配置する形式のパラレルフロー型熱交換器に限られない。2本を超える数のヘッダパイプを備えるパラレルフロー型熱交換器、例えば、上部ヘッダパイプ、中間ヘッダパイプ、下部ヘッダパイプの3本のヘッダパイプを備え、側面形状が「く」の字になっているパラレルフロー型熱交換器にも本発明を適用できる。またヘッダパイプが垂直で偏平チューブが水平なパラレルフロー型熱交換器にも本発明を適用できる。
本発明はパラレルフロー型熱交換器に広く利用可能である。
第1実施形態に係る熱交換器の部分斜視図 第1実施形態に係る熱交換器の垂直断面図 第2実施形態に係る熱交換器の垂直断面図 第3実施形態に係る熱交換器の部分斜視図 第4実施形態に係る熱交換器の部分水平断面図 従来の熱交換器の概略構造を示す垂直断面図
符号の説明
1 熱交換器
2、3 ヘッダパイプ
4 偏平チューブ
5 冷媒通路
6 コルゲートフィン
6a 突き出し部
7 冷媒流入口
8 冷媒流出口
9 切除部
10 切除部

Claims (5)

  1. 間隔を置いて平行に配置された複数のヘッダパイプと、前記複数のヘッダパイプの間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路を前記ヘッダパイプの内部に連通させた偏平チューブと、前記偏平チューブ間に配置されたコルゲートフィンとを備えた熱交換器において、
    前記コルゲートフィンには、それを通過する気流の風上側の端部に切除部が設けられていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記切除部は、前記コルゲートフィンの襞の折り曲げ箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記切除部は、前記コルゲートフィンの襞の折り曲げ箇所と折り曲げ箇所の中間の平面部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記コルゲートフィンの風上側端部は前記偏平チューブの風上側端部よりも風上側に突き出しており、この突き出し部分に前記切除部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記切除部の少なくともいずれかは前記偏平チューブと前記コルゲートフィンの接触が始まる箇所、あるいはその箇所を越えてさらに風下側に達する深さを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器。
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