JP2019152197A - ブローバイガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数本の連通路において正常に連通されていないことを判断することができる技術を提供する。【解決手段】 ブローバイガス処理装置は、過給機よりも上流側の吸気管とクランクケースとを連通する第1連通路と、第1連通路から分岐してインテークマニホールドに連通する第2連通路と、第2連通路上で第1連通路とインテークマニホールドとを連通する状態と遮断する状態とを切り替える弁装置と、過給機よりも上流側の吸気管とクランクケースとを連通する第3連通路と、吸気管に流入する吸気量を取得する取得部と、車両が減速しており、車両の内燃機関に燃料が供給されていない状況において、弁装置によって第1連通路とインテークマニホールドとを第2連通路を介して連通する状態での取得済みの吸気量を用いて、第1連通路と第3連通路の少なくとも一方の連通路において正常に連通していないことを判断する判断部と、を備えていてもよい。【選択図】 図2
Description
本明細書は、内燃機関内に発生するブローバイガスを処理するブローバイガス処理装置に関する。
特許文献1に、内燃機関の燃焼室からクランクケース内に漏出する燃焼ガス(即ちブローバイガス)を処理するブローバイガス処理装置が開示されている。ブローバイガス処理装置は、内燃機関のシリンダヘッドカバーと吸気管とを連通する連通路を備える。ブローバイガス処理装置は、連通路が接続されている位置よりも上流側の吸気管に配置されている空気量センサで検出される空気量を用いて、ブローバイガス処理装置の異常を判定する。
上記の技術では、ブローバイガス処理装置は、内燃機関のシリンダヘッドカバーと吸気管とを連通するブローバイガスのための連通路を備える。しかしながら、ブローバイガス処理装置が吸気管と内燃機関とを連通する複数本の連通路を備える構成は検討されていない。
本明細書は、複数本の連通路において正常に連通されていないことを判断することができる技術を提供する。
本明細書で開示される技術は、車両に搭載されている過給機と前記過給機の下流側に配置されるスロットルバルブとが配置されている吸気管にブローバイガスを送出するブローバイガス処理装置である。ブローバイガス処理装置は、前記過給機よりも上流側の前記吸気管と内燃機関のクランクケースとを連通する第1連通路と、前記第1連通路から分岐してインテークマニホールドに連通する第2連通路と、前記第2連通路に配置されており、前記第1連通路と前記インテークマニホールドとを連通する状態と遮断する状態とを切り替える弁装置と、前記過給機よりも前記上流側の前記吸気管と前記クランクケースとを連通する第3連通路と、前記吸気管と前記第3連通路とを連通しており、前記吸気管から流入する気体の流れを利用して、前記クランクケースの前記ブローバイガスを前記第3連通路に吸引するエゼクタと、前記吸気管の上流端から前記吸気管に流入する吸気量を取得する取得部と、前記車両が減速しており、前記車両の内燃機関に燃料が供給されていない状況において、前記弁装置によって前記第1連通路と前記インテークマニホールドとを前記第2連通路を介して連通する状態での取得済みの前記吸気量を用いて、前記第1連通路と前記第3連通路の少なくとも一方の連通路において正常に連通していないことを判断する判断部と、を備えていてもよい。
上記の構成では、吸気管とインテークマニホールド又は内燃機関が、第1連通路、第2連通路及び第3連通路を介して連通されている。車両が減速しており、車両の内燃機関に燃料が供給されていない状況では、スロットルバルブを介して内燃機関に供給される吸気量がほとんど変動しない。この状況において、第1連通路とインテークマニホールドとを前記第2連通路を介して連通しない状態から連通する状態に移行すると、内燃機関に供給される吸気量が増加する。しかしながら、第1連通路、第3連通路のいずれかの連通路において正常に連通していない場合、即ち、第1連通路、第3連通路のいずれかの連通路の中間位置あるいはその端部に亀裂や開口が形成されている場合、亀裂や開口から吸気されるため、吸気管の上端から内燃機関への吸気量がほとんど変動しない。これにより、取得済みの吸気量を用いて、第1連通路、第3連通路において正常に連通していないことを判断することができる。
ブローバイガス処理装置は、第1連通路の吸気管側の端に配置される絞り部をさらに備えていてもよい。この構成によれば、車両が減速しており、車両の内燃機関に燃料が供給されていない状況であって、第1連通路とインテークマニホールドとが第2連通路を介して連通している状態において、第3連通路を介した内燃機関への吸気量を増加させることができる。これにより、絞り部が配置されていない態様と比較して、第3連通路において正常に連通していない場合に、連通している場合と比較して吸気量を大きく変動させることができる。これにより、第3連通路において正常に連通していない場合に、適切に判断することができる。
前記判断部は、前記第1連通路、前記第3連通路が正常に連通している状態の前記吸気量に対する前記取得済みの前記吸気量の変化が第1範囲内である場合に、前記第1連通路の前記第2連通路との分岐点よりも前記吸気管側と、前記第3連通路との少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを判断し、前記変化が第2範囲内である場合に、前記第1連通路の前記第2連通路との分岐点よりも前記クランクケース側が正常に連通していないことを判断してもよい。この構成によれば、吸気量の変化に基づいて、正常に連通していない箇所を特定することができる。
上記のブローバイガス処理装置を実現するためのコンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記のブローバイガス処理装置を実現するための制御方法も新規で有用である。
図面を参照して、本実施例のブローバイガス処理装置10を説明する。図1に示すように、ブローバイガス処理装置10は、自動車等の車両に搭載される吸排気システム2に接続される。吸排気システム2は、吸気管4を介して大気からエンジン50に空気を供給し、エンジン50内で燃焼された後の排気を、排気管62を介して大気に排出する。なお、排気管62には、排気を浄化する触媒(図示省略)が配置されている。
吸気管4には、エアクリーナ5、エアフロメータ3、過給機6及びスロットルバルブ7が上流側から順に配置されている。エアクリーナ5は、エアクリーナ5内を通過する空気中の異物を除去する。過給機6は、例えばターボチャージャである。過給機6は、エンジン50から排気管62に排出された排気を利用して作動される。過給機6は、吸気管4内の空気を圧送する。スロットルバルブ7は、例えばバタフライ弁を含む。スロットルバルブ7によって、吸気管4の開度が調整される。エアフロメータ3は、エアクリーナ5を介して吸気管4の上流端から吸気管4に吸気される空気量を検出する。エアフロメータ3は、例えばホットワイヤ式のエアフロメータである。
過給機6及びスロットルバルブ7は、エンジン制御ユニット(以下ではECU(Engine Control Unitの略)と呼ぶ)40によって制御される。ECU40は、車両の走行状態に応じて、スロットルバルブ7を制御することによって、エンジン50に吸気される空気量を調整する。
吸気管4は、その下流端に、インテークマニホールド8を備える。吸気管4は、インテークマニホールド8を介してエンジン50の1個以上の燃焼室51のそれぞれに連通している。インテークマニホールド8は、吸気管4から流入する空気を、エンジン50の1個以上の燃焼室51のそれぞれに空気を供給する。
(エンジンの構成)
エンジン50は、クランクシャフト52、シリンダ53、ピストン54、クランクケース56、バルブ63、カムシャフト64等を備える。エンジン50は、ECU40によって制御される。ECU40は、図示省略した燃料タンクから燃料ポンプ、インジェクタ等を介して、シリンダ53とピストン54とによって画定される燃焼室51に燃料を供給する。これにより、燃焼室51に供給される空気を利用して、燃料が燃焼される。この結果、ピストン54が上下運動し、クランクシャフト52が回転する。クランクシャフト52は、クランクケース56内に収容されている。なお、クランクケース56には、エンジンオイル58が貯留されている。
エンジン50は、クランクシャフト52、シリンダ53、ピストン54、クランクケース56、バルブ63、カムシャフト64等を備える。エンジン50は、ECU40によって制御される。ECU40は、図示省略した燃料タンクから燃料ポンプ、インジェクタ等を介して、シリンダ53とピストン54とによって画定される燃焼室51に燃料を供給する。これにより、燃焼室51に供給される空気を利用して、燃料が燃焼される。この結果、ピストン54が上下運動し、クランクシャフト52が回転する。クランクシャフト52は、クランクケース56内に収容されている。なお、クランクケース56には、エンジンオイル58が貯留されている。
エンジン50の上方には、カムシャフト64とバルブ63が配置されている。カムシャフト64は、エンジン50の収容室66内に配置されている。収容室66は、エンジン50の上端に位置する。クランクケース56と同期して回転するカムシャフト64によってバルブ63が開閉されることによって、インテークマニホールド8と燃焼室51とが連通され、燃焼室51に空気が導入される。また、別のバルブ63が開閉されることによって、燃焼室51と排気管62とが連通され、燃焼後の気体が排気管62から排出される。収容室66は、クランクケース56と流路60を介して連通している。
エンジン50から排気管62に排出される気体の一部は、排気再循環システムの循環経路80を介して、過給機6よりも上流側であってエアフロメータ3よりも下流側に循環される。図示省略されているが、循環経路80の一端は、排気管62に連通している。循環経路80の他端は、吸気管4に連通している。循環経路80上には、循環経路80を開通させる状態と閉塞する状態とを切り替える弁装置82が配置されている。弁装置82は、ECU40によって開弁と閉弁とに切り替えられる。弁装置82は、開弁されることによって循環経路80を介して、排気管62と吸気管4とを連通させる一方、閉弁されることによって、排気管62と吸気管4との循環経路80を介した連通を遮断する。
(ブローバイガス処理装置の構成)
ブローバイガス処理装置10は、燃焼室51からシリンダ53とピストン54との微小な隙間を通過して、クランクケース56を漏出する気体(即ちブローバイガス)を吸気管4に送出する。
ブローバイガス処理装置10は、燃焼室51からシリンダ53とピストン54との微小な隙間を通過して、クランクケース56を漏出する気体(即ちブローバイガス)を吸気管4に送出する。
ブローバイガス処理装置10は、3本の連通路12、16、26と、PCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ28と、制御部42と、エゼクタ18と、絞り部14と、連通路70と、を備える。
連通路12は、エアフロメータ3と過給機6との間の吸気管4と収容室66とを連通している。これにより、吸気管4とクランクケース56とは、連通路12を介して連通されている。連通路12は、吸気管4とエンジン50とのそれぞれに接続されている管によって画定されている。連通路12の吸気管4側の端には、絞り部14が配置されている。絞り部14は、例えばオリフィス板を含む。絞り部14は、連通路12の最小流路面積(即ち連通路12の最小断面積)よりも小さい開口面積を有する開口を有する。なお、連通路12の流路面積が全長に亘って均一である場合、均一な流路面積が最小流路面積である。
連通路16は、エアフロメータ3と過給機6との間の吸気管4と収容室66とを連通している。連通路16は、連通路12よりも過給機6側で、吸気管4に接続されている。これにより、吸気管4とクランクケース56とは、連通路16を介して連通されている。連通路16は、吸気管4とエンジン50とのそれぞれに接続されている管によって画定されている。連通路16の中間位置には、エゼクタ18が配置されている。エゼクタ18は、スロットルバルブ7とエンジン50との間の吸気管4に連通している。連通路16では、エゼクタ18よりもクランクケース56側の上流側連通路16aとエゼクタ18よりも吸気管4側の下流側連通路16bとが、エゼクタ18によって互いに連通している。エゼクタ18の内部には、逆止弁18aが配置されている。逆止弁18aは、吸気管4から連通路16に気体が流れることを許容する一方、連通路16から吸気管4に気体が流れることを禁止する。この構成によれば、吸気管4内の圧力が負圧である場合に、連通路16からエゼクタ18を介して吸気管4に気体が流入することを防止することができる。
連通路26は、インテークマニホールド8と収容室66とを連通している。言い換えると、連通路26は、スロットルバルブ7よりもエンジン50側の吸気管4に接続されている。これにより、インテークマニホールド8(即ち吸気管4)とクランクケース56とは、連通路26を介して連通されている。連通路26は、吸気管4とエンジン50とのそれぞれに接続されている管によって画定されている。
連通路26のエンジン50側の端には、PCVバルブ28が配置されている。PCVバルブ28は、収容室66(即ちクランクケース56)と連通路26との連通と遮断とを切り替える。PCVバルブ28は、逆止弁を備える。PCVバルブ28は、収容室66から連通路26へ気体が流れるのを許容する一方、連通路26から収容室66へ気体が流れるのを禁止する。
連通路12の中間位置には、連通路70が連通路12から分岐して配置されている。連通路70の一端は、連通路12に連通しており、連通路70の他端は、インテークマニホールド8に連通している。連通路70上には、弁装置72が配置されている。弁装置72は、ECU40によって開弁と閉弁とに切り替えられる。弁装置72は、開弁されることによって連通路70を介して、連通路12とインテークマニホールド8とを連通させる一方、閉弁されることによって、連通路12とインテークマニホールド8との連通路70を介した連通を遮断する。なお、本実施例では、連通路12の連通路70との分岐点の上流側を「上流側連通路12a」と呼び、下流側を「下流側連通路12b」と呼ぶ。
制御部42は、ECU40に含まれている。制御部42は、CPUとROM,RAM等のメモリを含む。制御部42は、後述する正常判断処理を実行するためのコンピュータプログラム、及び正常判断処理で使用される範囲132、134及び基準変化量が予め格納されている。
(ブローバイガス処理装置の動作)
以下に、ブローバイガス処理装置10の動作について説明する。以下の説明では、連通路12、16、70が正常に連通している状態における動作を説明する。エンジン50が動作している一方、過給機6が動作していない状況では、エンジン50の動作によって、吸気管4内に負圧が発生する。その結果、吸気管4内とクランクケース56内との間の圧力差によって、PCVバルブ28及び連通路26を介して、収容室66(即ちクランクケース56)内のブローバイガスが、インテークマニホールド8に流入する。このため、エンジン50が動作している一方、過給機6が動作していない状況では、クランクケース56内は、負圧で維持される。
以下に、ブローバイガス処理装置10の動作について説明する。以下の説明では、連通路12、16、70が正常に連通している状態における動作を説明する。エンジン50が動作している一方、過給機6が動作していない状況では、エンジン50の動作によって、吸気管4内に負圧が発生する。その結果、吸気管4内とクランクケース56内との間の圧力差によって、PCVバルブ28及び連通路26を介して、収容室66(即ちクランクケース56)内のブローバイガスが、インテークマニホールド8に流入する。このため、エンジン50が動作している一方、過給機6が動作していない状況では、クランクケース56内は、負圧で維持される。
一方、エンジン50が動作しており、過給機6が動作している状況では、過給機6の動作によって、過給機6よりも下流側の吸気管4内が大気圧よりも高くなる、即ち正圧になる一方、過給機6よりも上流側の吸気管4内は大気圧となる。この状況では、エゼクタ18に正圧の空気が流入する。この結果、上流側連通路16aを介して、収容室66(即ちクランクケース56)内のブローバイガスが、下流側連通路16bに流入する。下流側連通路16bに流入したブローバイガスは、下流側連通路16bを通過して、吸気管4に流入する。このため、エンジン50が動作しており、過給機6が動作している状況では、クランクケース56内は、負圧で維持される。即ち、エンジン50が動作している間、クランクケース56内は、負圧で維持される。
エンジン50が動作しており、過給機6が動作している状況では、クランクケース56内の圧力と過給機6よりも上流側の吸気管4内の圧力(即ち大気圧)とを圧力差によって、連通路12を介して、空気がクランクケース56に導入される。
また、ブローバイガス処理装置10では、排気再循環システムによって、排気が吸気管4に供給されている状況において、エンジン50に供給される酸素量が少ない低酸素状態である場合に、ECU40の制御部42が、弁装置72を開弁することによって、吸気管4から上流側連通路12a及び連通路70を介して空気が供給される。なお、低酸素状態は、車両の減速時であって、吸気管4からエンジン50に供給される空気が少ない状態を含む。
(正常判断処理)
次いで、図2〜図5を参照して、制御部42が実行する正常判断処理を説明する。正常判断処理では、連通路12、16、70が正常に連通していないことが判断される。連通路12、16、70が正常に連通していない状態は、連通路12、16、70を画定する管に亀裂や開口が形成されるか、連通路12、16、70の少なくともいずれかと連通路12、16、70の端における他の部材との接続部分に亀裂や開口が形成されることによって、連通路12、16、70の少なくともいずれかが亀裂や開口を介して大気に連通する状態を含む。
次いで、図2〜図5を参照して、制御部42が実行する正常判断処理を説明する。正常判断処理では、連通路12、16、70が正常に連通していないことが判断される。連通路12、16、70が正常に連通していない状態は、連通路12、16、70を画定する管に亀裂や開口が形成されるか、連通路12、16、70の少なくともいずれかと連通路12、16、70の端における他の部材との接続部分に亀裂や開口が形成されることによって、連通路12、16、70の少なくともいずれかが亀裂や開口を介して大気に連通する状態を含む。
制御部42は、エンジン50が始動されると、正常判断処理を定期的に実行する。図2に示すように、S12において、まず、制御部42は、減速フューエルカット状態であるか否かを判断する。減速フューエルカット状態は、車両が減速されており、エンジン50に燃料が供給されていない状態である。制御部42は、ECU40から車両の車速と、燃料が供給されているか否かを示す情報(例えばインジェクタが動作しているか否か)を取得し、車両の車速が徐々に減少しており、かつ、燃料が供給されていないと判断される場合に、減速フューエルカット状態であると判断する(S12でYES)。制御部42は、車両の車速が徐々に減少していないか、あるいは、燃料が供給されていると判断される場合に、減速フューエルカット状態でないと判断し(S12でNO)、正常判断処理を終了する。なお、減速フューエルカット状態では、弁装置72は閉弁されている。
S12でYESの場合、S14において、制御部42は、スロットルバルブ7を所定の開度に調整する。所定の開度は、減速フューエルカット状態において、インテークマニホールド8内の負圧の大きさが所定の範囲内で変化しても、スロットルバルブ7を通過する空気量が略変化しない程度の開度である。なお、このとき、スロットルバルブ7を通過する空気は、音速で流れている。
次いで、S16では、制御部42は、エアフロメータ3で検出される第1吸気量を取得する。次いで、S18では、制御部42は、弁装置72を閉弁から開弁に切り替える。これにより、吸気管4から上流側連通路12a及び連通路70を介して、インテークマニホールド8に空気が供給される。この結果、連通路12、16、70が正常に連通している状態では、エアフロメータ3を通過して吸気管4に吸入される吸気量が増加する。S20では、制御部42は、エアフロメータ3で検出される第2吸気量を取得する。次いで、S21では、制御部42は、制御部42は、弁装置72を開弁から閉弁に切り替える。次いで、S22では、制御部42は、吸気量変化率を算出する。具体的には、基準変化量に対する第2吸気量と第1吸気量との変化量の割合を算出する。基準変化量は、連通路12、16、70が正常に連通している状態における第2吸気量と第1吸気量との変化量であり、制御部42に予め格納されている。
図3は、エンジン50の回転数及び弁装置72及びスロットルバルブ7の開度(図3では「バルブ開度」)の経時変化を表すグラフである。図3の横軸は時刻を示し、縦軸はエンジン50の回転数及び弁装置72及びスロットルバルブ7の開度を示す。図4は、エアフロメータ3で検知される流量の経時変化を表すグラフである。図4の横軸は、図3の横軸と同様の時刻を示し、縦軸はエアフロメータ3で検出される吸気量を示す。
図3、図4に示されるように、時刻t1において、車両が減速フューエルカット状態(期間TL1)に至ると、エンジン50の回転数104は徐々に減少する。時刻t2において、スロットルバルブ7の開度が所定の開度に設定されると(S14)、エアフロメータ3で検出される吸気量が減少する。時刻t2から時刻t4の間の期間TL2において、第1吸気量及び第2吸気量が検出される。時刻t2と時刻t4との間の時刻t3よりも前に、第1吸気量が取得され(S16)、時刻t3で、弁装置72が閉弁から開弁に切り替えられる(S18)。これにより、連通路12、16、70が正常に連通している状態では、図4の吸気量112に示されるように、吸気量が上昇する。一方、連通路12、16、70が正常に連通していない状態では、吸気量114に示されるように、吸気量があまり上昇しない。S22では、吸気量変化D1又はD2が算出される。
図2に戻って、次いで、S24では、制御部42は、吸気量変化率が第2範囲132(図5参照)内であるか否かを判断する。図5に示すように、連通路12、16、70が正常に連通している状態では、流量変化率126で示されるように、S22で算出済みの変化量は、基準変化量に対してほとんど変化しない。一方、連通路12、16、70のいずれかが正常に連通していない状態では、亀裂や開口から空気が流入するために、流路変化率122、124で示されるように、基準変化量に対して実際の吸気量の変化が小さい。
変化率122に示されるように、上流側連通路12aと連通路16の少なくとも一方の連通路が正常に連通していない状態では、上流側連通路12aと連通路16の少なくとも一方の連通路の亀裂又は開口から吸入される空気がエンジン50に供給されるため、吸気管4の上流端からの吸気量が上昇しない。一方、変化率124に示されるように、下流側連通路12bが正常に連通していない状態では、下流側連通路12bの亀裂又は開口から吸入される空気がエンジン50に供給されるため、吸気管4の上流端からの吸気量が上昇しない。
第2範囲132内でない場合(S24でNO)、S26において、制御部42は、吸気量変化率が第1範囲134(図5参照)内であるか否かを判断する。第2範囲132外である場合(S24でNO)、S26において、制御部42は、吸気量変化率が第1範囲134内であるか否かを判断する。吸気量変化率が第1範囲134内でない場合(S26でNO)、正常判断処理を終了する。
一方、吸気量変化率が第1範囲134内である場合(S26でYES)、S28において、制御部42は、下流側連通路12bと連通路70の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを示す信号を、車両の表示部に送信して、正常判断処理を終了する。これにより、車両の表示部は、下流側連通路12bと連通路70の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを示す表示を行う。この結果、運転者は、下流側連通路12bと連通路70の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを認識することができる。
S24において、第2範囲132内である場合(S24でYES)、S30において、制御部42は、上流側連通路12aと連通路16と連通路70の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを示す信号を、車両の表示部に送信して、正常判断処理を終了する。これにより、車両の表示部は、上流側連通路12aと連通路16と連通路70の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを示す表示を行う。この結果、運転者は、上流側連通路12aと連通路16と連通路70の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを認識することができる。
(効果)
上記の構成では、吸気管4とインテークマニホールド8又はエンジン50が、連通路12、16、26、70を介して連通されている。減速フューエルカット状態では、スロットルバルブ7を介してエンジン50に供給される吸気量がほとんど変動しない。この状況において、弁装置72を開弁すると、エンジン50に供給される吸気量が増加する。しかしながら、連通路12、16のいずれかの連通路において正常に連通していない場合、亀裂や開口から吸気されるため、吸気管4の上端からエアフロメータ3を通過してエンジン50に吸気される吸気量がほとんど変動しない。このため、S20で取得される第2吸気量を用いて、連通路12、16において正常に連通していないことを判断することができる。
上記の構成では、吸気管4とインテークマニホールド8又はエンジン50が、連通路12、16、26、70を介して連通されている。減速フューエルカット状態では、スロットルバルブ7を介してエンジン50に供給される吸気量がほとんど変動しない。この状況において、弁装置72を開弁すると、エンジン50に供給される吸気量が増加する。しかしながら、連通路12、16のいずれかの連通路において正常に連通していない場合、亀裂や開口から吸気されるため、吸気管4の上端からエアフロメータ3を通過してエンジン50に吸気される吸気量がほとんど変動しない。このため、S20で取得される第2吸気量を用いて、連通路12、16において正常に連通していないことを判断することができる。
また、ブローバイガス処理装置10は、絞り部14を備えている。絞り部14が配置されていない構成では、減速フューエルカット状態において、連通路16を介してエンジンに供給される吸気量が、連通路12を介して供給される吸気量と比較して小さい。この構成では、減速フューエルカット状態において、連通路16を介してエンジンに供給される吸気量を増加させることができる。これにより、絞り部14が配置されていない態様と比較して、連通路16において正常に連通していない場合に、連通している場合と比較して吸気量を大きく変動させることができる。これにより、連通路16において正常に連通していない場合に、適切に判断することができる。
(対応関係)
連通路12が「第1連通路」の一例であり、連通路70が「第2連通路」の一例であり、弁装置72が「弁装置」の一例であり、連通路16が「第3連通路」の一例である。下流側連通路16bが「第1連通路の第2連通路との分岐点よりも吸気管側」の一例であり、上流側連通路16aが「前記第1連通路の前記第2連通路との分岐点よりも前記クランクケース側」の一例である。
連通路12が「第1連通路」の一例であり、連通路70が「第2連通路」の一例であり、弁装置72が「弁装置」の一例であり、連通路16が「第3連通路」の一例である。下流側連通路16bが「第1連通路の第2連通路との分岐点よりも吸気管側」の一例であり、上流側連通路16aが「前記第1連通路の前記第2連通路との分岐点よりも前記クランクケース側」の一例である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(1)上記の実施例では、絞り部14は、連通路12の吸気管4側の端に配置されている。しかしながら、絞り部14の位置は、これに限定されず、連通路12の中間位置、あるいは、エンジン50側の端に配置されていてもよい。あるいは、連通路12には、絞り部14が配置されていなくてもよい。
(2)また、絞り部14は、オリフィス板以外に、連通路12を画定する管の内径が小さくされることによって、形成されていてもよい。
(3)上記の実施例では、正常判断処理において、吸気量変化率が算出されている(S22)。しかしながら、吸気量変化率が算出されていなくてもよい。この場合、第1吸気量と第2吸気量との吸気量変化D1、D2が算出され、吸気量変化D1、D2を用いて、正常に連通しているか否かが判断されてもよい。あるいは、第2吸気量を用いて、正常に連通しているか否かが判断されてもよい。この場合、第1吸気量が取得されなくてもよい(即ち、S16が実行されなくてもよい)。
(4)上記の実施例では、下流側連通路12bが正常に連通していないか、上流側連通路12aと連通路16の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないか、が区別して判断されている。しかしながら、連通路12、16、70の区別なく、連通路12、16、70のいずれかの連通路が正常に連通していないことを判断してもよい。この場合、S24〜S30の処理に替えて、S22で算出済みの吸気量変化率が閾値(例えば範囲132の上限値)よりも小さい場合に、連通路12、16、70のいずれかの連通路が正常に連通していないと判断してもよい。
(5)上記の実施例では、連通路70が正常に連通していないことが判断されている。しかしながら、連通路12とインテークマニホールド8との距離を近づけることによって、連通路70を短くすることができる。この構成では、連通路70の亀裂等が発生する可能性が高くない。この構成では、S28において、制御部42は、下流側連通路12bが正常に連通していないことを示す信号を、車両の表示部に送信してもよく、S30において、制御部42は、上流側連通路12aと連通路16の少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを示す信号を、車両の表示部に送信してもよい。
(6)上記の実施例では、連通路26が正常に連通していないことが判断されていない。しかしながら、連通路26が長い場合、連通路26が正常に連通しているか否かを判断してもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 :吸排気システム
3 :エアフロメータ
4 :吸気管
6 :過給機
7 :スロットルバルブ
8 :インテークマニホールド
10 :ブローバイガス処理装置
12 :連通路
12a :上流側連通路
12b :下流側連通路
14 :絞り部
16 :連通路
16a :上流側連通路
16b :下流側連通路
18 :エゼクタ
26 :連通路
28 :PCVバルブ
40 :ECU
42 :制御部
50 :エンジン
56 :クランクケース
62 :排気管
70 :連通路
72 :弁装置
80 :循環経路
132 :第2範囲
134 :第1範囲
3 :エアフロメータ
4 :吸気管
6 :過給機
7 :スロットルバルブ
8 :インテークマニホールド
10 :ブローバイガス処理装置
12 :連通路
12a :上流側連通路
12b :下流側連通路
14 :絞り部
16 :連通路
16a :上流側連通路
16b :下流側連通路
18 :エゼクタ
26 :連通路
28 :PCVバルブ
40 :ECU
42 :制御部
50 :エンジン
56 :クランクケース
62 :排気管
70 :連通路
72 :弁装置
80 :循環経路
132 :第2範囲
134 :第1範囲
Claims (4)
- 車両に搭載されている過給機と前記過給機の下流側に配置されるスロットルバルブとが配置されている吸気管にブローバイガスを送出するブローバイガス処理装置であって、
前記過給機よりも上流側の前記吸気管と内燃機関のクランクケースとを連通する第1連通路と、
前記第1連通路から分岐してインテークマニホールドに連通する第2連通路と、
前記第2連通路に配置されており、前記第1連通路と前記インテークマニホールドとを連通する状態と遮断する状態とを切り替える弁装置と、
前記過給機よりも前記上流側の前記吸気管と前記クランクケースとを連通する第3連通路と、
前記吸気管と前記第3連通路とを連通しており、前記吸気管から流入する気体の流れを利用して、前記クランクケースの前記ブローバイガスを前記第3連通路に吸引するエゼクタと、
前記吸気管の上流端から前記吸気管に流入する吸気量を取得する取得部と、
前記車両が減速しており、前記車両の内燃機関に燃料が供給されていない状況において、前記弁装置によって前記第1連通路と前記インテークマニホールドとを前記第2連通路を介して連通する状態での取得済みの前記吸気量を用いて、前記第1連通路と前記第3連通路の少なくとも一方の連通路において正常に連通していないことを判断する判断部と、を備える、ブローバイガス処理装置。 - 請求項1に記載のブローバイガス処理装置であって、
前記第1連通路の前記吸気管側の端に配置される絞り部をさらに備える、ブローバイガス処理装置。 - 請求項1又は2に記載のブローバイガス処理装置であって、
前記判断部は、前記第1連通路、前記第3連通路が正常に連通している状態の前記吸気量に対する前記取得済みの前記吸気量の変化が第1範囲内である場合に、前記第1連通路の前記第2連通路との分岐点よりも前記吸気管側が正常に連通していないことを判断し、前記変化が第2範囲内である場合に、前記第1連通路の前記第2連通路との分岐点よりも前記クランクケース側と、前記第3連通路との少なくとも一方の連通路が正常に連通していないことを判断する、ブローバイガス処理装置。 - 車両に搭載されている過給機と前記過給機の下流側に配置されるスロットルバルブとが配置されている吸気管にブローバイガスを送出するブローバイガス処理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記ブローバイガス処理装置は、前記過給機よりも上流側の前記吸気管と内燃機関のクランクケースとを連通する第1連通路と、前記第1連通路から分岐してインテークマニホールドに連通する第2連通路と、前記第2連通路に配置されており、前記第1連通路と前記インテークマニホールドとを連通する状態と遮断する状態とを切り替える弁装置と、前記過給機よりも前記上流側の前記吸気管と前記クランクケースとを連通する第3連通路と、前記吸気管と前記第3連通路とを連通しており、前記吸気管を流れる吸気を加圧することによって、前記クランクケースの前記ブローバイガスを前記第3連通路に吸引するエゼクタと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記ブローバイガス処理装置のコンピュータに、以下の処理、即ち、
前記吸気管の上流端から前記吸気管に流入する吸気量を取得する処理と、
前記車両が減速しており、前記車両の内燃機関に燃料が供給されていない状況において、前記弁装置に、前記第1連通路と前記インテークマニホールドとを前記第2連通路を介して連通させる処理と、
前記車両が減速しており、前記車両の内燃機関に燃料が供給されていない状況において、前記弁装置に、前記第1連通路と前記インテークマニホールドとを前記第2連通路を介して連通させている状態での取得済みの前記吸気量を用いて、前記第1連通路と前記第3連通路の少なくとも一方の連通路において正常に連通していないことを判断する処理と、を実行させる、コンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018039877A JP2019152197A (ja) | 2018-03-06 | 2018-03-06 | ブローバイガス処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018039877A JP2019152197A (ja) | 2018-03-06 | 2018-03-06 | ブローバイガス処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019152197A true JP2019152197A (ja) | 2019-09-12 |
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ID=67948592
Family Applications (1)
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JP2018039877A Pending JP2019152197A (ja) | 2018-03-06 | 2018-03-06 | ブローバイガス処理装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019152197A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2021176500A1 (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-10 |
-
2018
- 2018-03-06 JP JP2018039877A patent/JP2019152197A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7287567B2 (ja) | 2020-03-02 | 2023-06-06 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の異常診断方法及び内燃機関の異常診断装置 |
US11913400B2 (en) | 2020-03-02 | 2024-02-27 | Nissan Motor Co., Ltd. | Abnormality diagnostic method for internal combustion engine and abnormality diagnostic device for internal combustion engine |
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