JP2019152063A - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でドアを任意の開位置で適切に保持する。【解決手段】車両用ドア開閉装置の支持部材は、軸方向に相対移動が可能な筒状の第1ハウジングおよび第2ハウジングと、第1ハウジング内に回転可能に支持されたスピンドルを有しスピンドルの回転運動と第1ハウジングおよび第2ハウジングの相対移動とを相互に変換可能な運動変換機構と、スピンドルを回転させるモータと、スピンドルの回転に対するブレーキ力を発生可能なブレーキ部材と、軸方向の付勢力をブレーキ部材に付与することによりブレーキ力を発生させるスプリングと、モータの回転力をスプリングの付勢力をキャンセルする軸方向の力に変換可能な力変換機構と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ドア開閉装置に関する。
従来、この種の車両用ドア開閉装置としては、伸縮を伴ってドアの開閉を支持する支持部材を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の支持部材は、軸方向に相対移動が可能に配置された円筒状の第1ハウジングおよび第2ハウジングと、第1ハウジング内に回転自在に支持されたスピンドルと、スピンドルを回転駆動するモータと、第2ハウジング内に同軸固定されスピンドルが挿入されるガイド管と、ガイド管に取り付けられスピンドルに螺合するスピンドルナットと、ガイド管の外周に配置される弾性部材としてのコイルスプリングと、を備える。また、支持部材には、モータからの動力をスピンドルに接続された接続部まで伝達する伝達経路に、ワンウェイクラッチとブレーキとを備えるクラッチ装置が設けられている。このクラッチ装置は、スピンドル側の接続部から入力された回転をブレーキにより制動し、モータ側から入力された回転を制動することなくスピンドル側の接続部に伝達することで、モータの停止時にスピンドルの回転を抑えてドアを保持するものとしている。
特表2014−534361号公報
しかしながら、上述した車両用ドア開閉装置では、支持部材がワンウェイクラッチを備える必要があり、装置構成が複雑となるだけでなく部品点数も増えてコストの増加に繋がってしまう。また、ワンウェイクラッチの遊びの分だけスピンドルが回転してからブレーキが作用することになるため、支持部材が収縮することがあり、任意の開位置で停止させたドアの位置が若干変化する場合がある。
本発明の車両用ドア開閉装置は、簡易な構成でドアを任意の開位置で適切に保持することを主目的とする。
本発明の車両用ドア開閉装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両用ドア開閉装置は、車体とドアとの間に介在され、伸縮を伴って前記ドアを開閉可能に支持する支持部材を備える車両用ドア開閉装置であって、前記支持部材は、軸方向に相対移動が可能な筒状の第1ハウジングおよび第2ハウジングと、前記第1ハウジング内に回転可能に支持されたスピンドルを有し、前記スピンドルの回転運動と前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングの相対移動とを相互に変換可能な運動変換機構と、前記スピンドルを回転させるモータと、前記スピンドルの回転に対するブレーキ力を発生可能なブレーキ部材と、軸方向の付勢力を前記ブレーキ部材に付与することにより前記ブレーキ力を発生させるスプリングと、前記モータの回転力を、前記スプリングの付勢力をキャンセルする軸方向の力に変換可能な力変換機構と、を備えることを要旨とする。
本発明の車両用ドア開閉装置では、スピンドルの回転に対するブレーキ力を発生可能なブレーキ部材と、軸方向の付勢力をブレーキ部材に付与することによりブレーキ力を発生させるスプリングと、モータの回転力をスプリングの付勢力をキャンセルする軸方向の力に変換可能な力変換機構と、を備える。これにより、スプリングでブレーキ部材に付勢力を付与する簡易な構成でスピンドルの回転に対するブレーキ力を発生させ、第1ハウジングおよび第2ハウジングの相対移動を制限してドアを保持することができる。また、モータの回転力を、スプリングの付勢力をキャンセルする軸方向の力に変換することで、ブレーキ力を解除することができる。このため、モータが停止するとスプリングの付勢力でブレーキ力が発生することになるから、任意の開位置で停止させたドアの位置が変化するのを抑制することができる。この結果、簡易な構成でドアを任意の開位置で適切に保持することができる。
本発明の車両用ドア開閉装置において、前記力変換機構は、軸方向および周方向に対して斜めに延びる傾斜面と、径方向に突出し前記傾斜面に係合する係合突部とを有し、前記回転力により前記係合突部と前記傾斜面とを押し当てることで前記軸方向の力に変換するものとしてもよい。こうすれば、傾斜面と係合突部とによる簡易な構成で、回転力を軸方向の力に変換してブレーキ力を解除することができる。
本発明の車両用ドア開閉装置において、前記力変換機構は、前記傾斜面と当該傾斜面に係合する前記係合突部との組を、周方向に等間隔で複数組有するものとしてもよい。こうすれば、ブレーキ力を解除するための軸方向の力が周方向で偏るのを抑制することができるから、ブレーキ力を適切に解除することができる。
本発明の車両用ドア開閉装置において、前記力変換機構は、互いに向かい合うように延びると共に軸方向の一端で互いに接続された一対の前記傾斜面と、一対の前記傾斜面のそれぞれの軸方向の他端に接続され軸方向に対して平行に延びる一対の平行面とを有するものとしてもよい。こうすれば、例えば支持部材が停止している状態で外力が作用してスピンドルからの大きな回転力が力変換機構に伝達された際に、平行面で係合突部をガイドすることができるから、係合突部が外れるのを抑制することができる。
本発明の車両用ドア開閉装置において、内周面に前記傾斜面が形成されると共に前記スピンドルに対して軸方向に相対移動が可能で相対回転が不能に連結され、軸方向に変位して前記ブレーキ部材に係合可能な筒状部材と、軸方向に変位して前記ブレーキ部材に係合可能な筒状部材と、外周面に前記係合突部が形成され、前記筒状部材内に配置されて前記回転力により回転する回転部材と、を備え、前記スプリングは、前記筒状部材を介して前記ブレーキ部材に付勢力を付与し、前記モータの停止時には前記付勢力により前記筒状部材が前記ブレーキ部材に前記付勢力を伝達する伝達位置まで変位することで前記ブレーキ力が前記筒状部材を介して前記スピンドルに作用し、前記モータの回転時には前記軸方向の力により前記筒状部材が前記伝達位置から離間するように変位することで前記ブレーキ力が解除されるものとしてもよい。こうすれば、スプリングからの付勢力と、回転力から変換した軸方向の力とを筒状部材に作用させる簡易な構成で、ブレーキ力の発生と解除とを切り替えることができる。
車両用ドア開閉装置10の外観を示す外観図である。 支持部材20の構成を示す構成図である。 保持ユニット60の分解斜視図である。 出力側回転部材71の要部を示す断面斜視図である。 出力側ブレーキ板67の正面図である。 固定側ブレーキ板68の正面図である。 出力側回転部材71の正面図である。 底板69の正面図である。 係合部72と突部65aの係合状態を示す説明図である。 保持ユニット60の状態を示す断面図である。 保持ユニット60の状態を示す断面図である。 変形例の保持ユニット160の分解斜視図である。 変形例の出力側回転部材171の要部を示す断面斜視図である。 保持ユニット160の状態を示す断面図である。 保持ユニット160の状態を示す断面図である。
本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は車両用ドア開閉装置10の外観を示す外観図であり、図2は支持部材20の構成を示す構成図であり、図3は保持ユニット60の分解斜視図であり、図4は出力側回転部材71の要部を示す断面斜視図である。また、図5は出力側ブレーキ板67の正面図であり、図6は固定側ブレーキ板68の正面図であり、図7は出力側回転部材71の正面図であり、図8は底板69の正面図である。
実施例の車両用ドア開閉装置10は、図1に示すように、車体1とドア2との間に介在する2つの支持部材20,20Bを備え、支持部材20に内蔵するアクチュエータにより支持部材20を伸縮させることによってドア2を開閉するパワードア装置として構成されている。ドア2は、本実施例では、上端部がヒンジ4を介して車体1の後部に取り付けられ、ヒンジ4を支点として上下方向に回動可能な跳ね上げ式のバックドアとして構成されている。2つの支持部材20,20Bは、それぞれ車幅方向の左右両端に取り付けられており、ドア2を左右両端で支持する。支持部材20は、アクチュエータとしてのモータの回転運動を直動運動に変換することにより伸縮するよう構成されている。また、支持部材20Bは、アクチュエータを内蔵しておらず、支持部材20によるドア2の開閉をアシストするものであり、詳細な説明は省略する。
支持部材20は、図2に示すように、円筒形状の樹脂製の第1ハウジング30と、円筒形状の樹脂製の第2ハウジング40と、第1ハウジング30と第2ハウジング40とを互いに離間する方向に付勢するスプリング(圧縮コイルスプリング)22とを備える。支持部材20は、第1ハウジング30および第2ハウジング40を互いに重ね合わせた状態で軸方向に相対移動することによって伸縮する。第1ハウジング30および第2ハウジング40には、車体1およびドア2にそれぞれ固定されたボールスタッドの球頭部(図示略)が嵌合されるソケット31,41が設けられている。ソケット31,41とボールスタッドは、球継手を構成し、車体1およびドア2に対して支持部材20(第1ハウジング30および第2ハウジング40)の両端部を揺動可能に連結する。
支持部材20は、螺旋状の溝が軸方向のほぼ全域に亘って形成されたスピンドル32を備えており、スピンドル32を回転駆動する駆動ユニット50が第1ハウジング30内に収容されている。スピンドル32の先端部32a(第2ハウジング40側の端部)には、外周面から径方向外側に向かって突出した環状のストッパ34が設けられている。
第2ハウジング40内には、図2に示すように、第2ハウジング40の内径よりも小さな外径の円筒状に形成されたスピンドルガイド42を備える。スピンドルガイド42は、一端側が開口されると共に他端側が第2ハウジング40に同軸固定されている。第2ハウジング40の内周面とスピンドルガイド42の外周面との間の隙間には、上述したスプリング22が配置されている。また、スピンドルガイド42は、開口端からスピンドル32の先端部32aが挿入され、スピンドルガイド42に対するスピンドル32の軸方向の相対移動をガイドする。このスピンドルガイド42の開口端付近の内周面には、スピンドル32に螺合するスピンドルナット44が固定されている。スピンドル32とスピンドルナット44は、これらの相対的な回転運動と直動運動とを相互に変換する回転直動変換(運動変換)機構を構成する。
駆動ユニット50は、モータ52と、モータ52の回転を減速してスピンドル32に伝達する減速ギヤ(遊星歯車)54と、スピンドル32に対する回転方向のブレーキ力を発生させることでスピンドル32の回転位置の保持とその保持の解除とが可能な保持ユニット60とを備える。なお、モータ52は、永久磁石が取り付けられたロータと、三相コイルが巻回されたステータとを備える永久磁石式同期モータとして構成されている。
保持ユニット60は、図3に示すように、第1ハウジング30内に固定されるユニットケース61と、スピンドル32を回転自在に支持するベアリング62と、ベアリング62に隣接配置されたワッシャー63をスプリング受けとして配置されるスプリング64と、を備える。さらに、保持ユニット60は、モータ52の回転力が減速ギヤ54を介して伝達されて回転する軸状の入力側回転部材65と、保持力としてのブレーキ力を発生させる複数の出力側ブレーキ板67および固定側ブレーキ板68と、ユニットケース61に圧入される円環状の底板69と、スピンドル32の基端部32b(駆動ユニット50側の端部)が軸方向に相対移動が可能で相対回転が不能にスプラインにより嵌合されると共にスプリング64により軸方向に付勢される出力側回転部材71と、を備える。
入力側回転部材65は、外周面から径方向に突出する突部65aが周方向に等角度間隔で複数設けられている。本実施例では120度間隔で3つの突部65aが設けられている。出力側ブレーキ板67は、図5に示すように、外周に複数のスプライン溝67aが形成されており、出力側回転部材71は、図4,図7に示すように、内周にスプライン溝67aに嵌合する複数のスプライン突部71aが形成されている。即ち、出力側ブレーキ板67は、出力側回転部材71に対して相対回転が不能に係合される。また、固定側ブレーキ板68は、図6に示すように、内周に複数のスプライン溝68aが形成されており、底板69は図8に示すように、軸方向に突出した突出部の外周にスプライン溝68aに嵌合する複数のスプライン突部69aが形成されている。即ち、固定側ブレーキ板68は、底板69に対して相対回転が不能に係合される。上述したように、底板69は、第1ハウジング30内に固定されるユニットケース61に圧入されており、回転不能であるため、固定側ブレーキ板68も回転不能となる。なお、出力側回転部材71は、図4,図7に示すように、内部に出力側ブレーキ板67と対向する円環状の環状面71bが形成されている。このため、出力側回転部材71が底板69側に変位すると、環状面71bに押された出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68とが摩擦係合することにより、回転方向のブレーキ力が出力側回転部材71に伝達されることになる。
また、出力側回転部材71は、回転部材65の複数の突部65aがそれぞれ係合する複数(ここでは3つ)の係合部72が設けられている。図9は係合部72と突部65aの係合状態を示す説明図であり、図9(a)はモータ52の停止時の係合状態を示し、図9(b)はモータ52の回転時の係合状態を示す。なお、図9では、出力側回転部材71以外の保持ユニット60の他の構成の図示は省略する。係合部72は、図4,図9に示すように、軸方向および周方向に対して斜めに延びると共に軸方向の一端で接続された一対の傾斜面73と、一対の傾斜面73の各々の他端から軸方向に平行に延びる一対の平行面74とを有する。本実施例では、一対の傾斜面73と一対の平行面74とを有する係合部72と、その係合部72に係合する突部65aとの組を、計3組有するものとなる。図9(a)に示すように、モータ52が回転していない状態では、スプリング64の付勢力によって出力側回転部材71が軸方向の図中左側に押されて変位することにより、係合部72は突部65aが一対の傾斜面73の間の接続箇所に位置する状態となる。一方、図9(b)に示すように、モータ52が回転している状態では、回転部材65が回転することにより、突起65aが係合部72の一対の傾斜面73のうち回転方向に位置する傾斜面73に押し当てられて、モータ52の回転力を傾斜面73で受けて分力が生じることになる。これにより、モータ52の回転力を軸方向(図中右側)の力に変換することができる。本実施例では、モータ52の回転力から変換された軸方向の力がスプリング64の付勢力に打ち勝つものとなっている。このため、出力側回転部材71は、図中右側に押し返されるように変位しながら、入力側回転部材65と一体に回転可能となって、スピンドル32を回転させることができる。
次に、こうして構成された実施例の車両用ドア開閉装置10の動作について説明する。ドア2の開閉は、駆動ユニット50(モータ52)の駆動や操作者の手動によって行うことができる。駆動ユニット50の駆動によってドア2を開閉する場合、ドア2の開放は、モータ52を第1方向(正回転方向)に回転駆動することにより行われる。モータ52が第1方向に回転駆動されると、モータ52からのトルクが減速ギヤ54で増幅されて、入力側回転部材65と出力側回転部材71とを介してスピンドル32に順に伝達され、スピンドル32を第1方向に回転させる。スピンドル32が第1方向に回転すると、スピンドル32の回転運動が支持部材20を伸張させる方向のスピンドルナット46の直動運動に変換される。これにより、支持部材20が伸張して、ドア2を開放する。一方、ドア2の閉鎖は、モータ52を第2方向(逆回転方向)に回転駆動することにより行われる。モータ52が第2方向に回転駆動されると、モータ52からのトルクが減速ギヤ54で増幅されて入力側回転部材65と出力側回転部材71とを介してスピンドル32に伝達され、スピンドル32を第2方向に回転させる。スピンドル32が第2方向に回転すると、スピンドル32の回転運動が支持部材20を収縮させる方向のスピンドルナット46の直動運動に変換される。これにより、支持部材20が収縮して、ドア2を閉鎖する。
ここで、図10,図11は保持ユニット60の状態を示す断面図である。図10はモータ52が停止している際の状態であり、係合部72と突部65aの係合状態は図9(a)と同じである。また、図11はモータ52が回転駆動している際の状態であり、係合部72と突部65aの係合状態は図9(b)と同じである。
モータ52が停止している状態では、上述したように、スプリング64の付勢力によって出力側回転部材71が軸方向の図中左側(底板69側)に変位する。即ち、出力側回転部材71は、出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68とに付勢力を伝達する伝達位置まで変位して、出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68とを摩擦係合させる。これにより、回転方向のブレーキ力が出力側回転部材71に伝達されるから、スピンドル32の回転に対するブレーキ力を発生させることになる。したがって、例えばモータ52の回転駆動により支持部材20を伸張させてドア2を任意の位置まで開放してからモータ52を停止させると、スピンドル32にブレーキ力が作用してドア2を任意の開位置で保持することができる。また、モータ52を停止させていく際の回転力の低下により、傾斜面73を介して変換される軸方向の力(分力)も低下していくことになる。このため、スプリング64を押し返す力が徐々に弱くなっていくから、スプリング64の付勢力によって出力側回転部材71は徐々に押されて底板69側に変位していくことになる。これにより、モータ52を停止させると速やかにブレーキ力をスピンドル32に作用させてドア2を保持することができる。また、このようにしてドア2を開位置で保持している状態において、操作者の手動操作などにより急激にドア2が作動されることで過大な回転力がスピンドル32から出力側回転部材71に伝達される場合がある。その場合、係合部72と突部65aの係合状態は図9(b)の状態に急激に切り替わることになるが、係合部72は傾斜面73に繋がる平行面74を有するため、平行面74で突部65aが係合部72から外れるのを適切に防止することができる。
一方、モータ52が回転駆動している状態では、上述したように、モータ52の回転力を軸方向の力に変換してスプリング64を押し返すことができるから、出力側回転部材71は上述した伝達位置から離間するように変位し、出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68とに付勢力が伝達されないものとなる。これにより、出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68との摩擦係合が解除されてブレーキ力が発生しないため、スピンドル32の回転に対するブレーキ力を解除して、スピンドル32を回転させることができる。
以上説明した車両用ドア開閉装置10によれば、スプリング64により、出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68とを摩擦係合させる付勢力を付与することにより、スピンドル32の回転に対するブレーキ力を発生させて、第1ハウジング30および第2ハウジング40の相対移動を制限してドア2を保持することができる。また、モータ52の回転力を、入力側回転部材65と出力側回転部材71とによりスプリング64の付勢力をキャンセルする軸方向の力に変換することで、ブレーキ力を解除することができる。このため、簡易な構成でドア2を任意の開位置で適切に保持することができる。
また、入力側回転部材65と出力側回転部材71とは、モータ52の回転力により突部65aと傾斜面73とを押し当てることで軸方向の力に変換するから、簡易な構成で回転力を軸方向の力に変換してブレーキ力を解除することができる。
また、突部65aと傾斜面73(係合部72)との組を周方向に等間隔で複数組有するから、ブレーキ力を解除するための軸方向の力が周方向で偏るのを抑制してブレーキ力を適切に解除することができる。
また、入力側回転部材65と出力側回転部材71とは、一対の傾斜面73と、一対の傾斜面73のそれぞれに接続され軸方向に対して平行に延びる一対の平行面74とを有するから、突部65aが外れるのを適切に抑制することができる。
また、出力側回転部材71は内周面に傾斜面73が形成されると共にスピンドル32にスプライン結合され、入力側回転部材65は外周面に突部65aが形成されモータ52の回転力により回転し、スプリング64は出力側回転部材71を介して出力側ブレーキ板67や固定側ブレーキ板68に付勢力を付与するように構成されている。これにより、スプリング64の付勢力と回転力から変換した軸方向の力とを、いずれも出力側回転部材71を介して作用させる簡易な構成でブレーキ力の発生と解除とを切り替えることができる。
実施例では、複数の出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68とによりブレーキ力を発生させるものとしたが、この構造に限られるものではない。図12は変形例の保持ユニット160の分解斜視図であり、図13は変形例の出力側回転部材171の要部を示す断面斜視図である。また、図14,図15は保持ユニット160の状態を示す断面図である。変形例の保持ユニット160では、実施例の保持ユニット60と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。変形例の保持ユニット160は、ユニットケース61よりも軸長が短いユニットケース161内にベアリング62とワッシャー63とスプリング64とが配置されると共に、入力側回転部材65の突部65aに係合する係合部72が設けられた出力側回転部材171が配置された状態で、底板169が圧入により取り付けられている。なお、入力側回転部材65の突部65aと、出力側回転部材171の係合部72との係合状態は、実施例と同様であるため説明を省略する。この変形例では、出力側回転部材171に底板169側に向かって円環状に突出する環状凸部176が設けられており、出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68は設けられていない。また、変形例では、モータ52が停止している状態では、スプリング64の付勢力により環状凸部176が底板169に押し付けられる位置まで出力側回転部材171を変位させることで、スピンドル32の回転方向に対するブレーキ力を発生させる(図14参照)。また、モータ52が回転している状態では、実施例と同様に回転力を軸方向の力に変換して環状凸部176が底板169から離間する位置に出力側回転部材171を変位させることで、ブレーキ力をキャンセルする。このため、実施例と同様な効果を奏するものとなる。また、変形例では、ブレーキ板を設けないため部品点数を抑えることができると共に、保持ユニット160の軸長を抑えてコンパクトな構成とすることができる。
実施例では、出力側回転部材71の係合部71に傾斜面73に接続された平行面74が設けられるものとしたが、これに限られず、平行面74が設けられないものとしてもよい。また、係合部72(傾斜面73、平行面74)と突部65aとの組を複数組有するものとしたが、これに限られず、一組としてもよいが偏りを防止するため複数組有するものが好ましい。
実施例では、傾斜面73が出力側回転部材71に設けられ、突部65aが入力側回転部材65に設けられるものとしたが、これに限られず、傾斜面が入力側回転部材65に設けられ、突部が出力側回転部材71に設けられるものなどとしてもよい。
実施例では、ドア2の開閉を支持する2つの支持部材20,20Bを備えるものとしたが、支持部材を1つだけ備えるものとしてもよいし、3つ以上備えるものとしてもよい。
実施例では、本発明の車両用ドア開閉装置を、車体1の後部に設けられたバックドアを開閉するものに適用したが、その他の車両用ドアの開閉に適用するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、支持部材20が「支持部材」に相当し、第1ハウジング30が「第1ハウジング」に相当し、第2ハウジング40が「第2ハウジング」に相当し、スピンドル32とスピンドルナット44とが「運動変換機構」に相当し、モータ52が「モータ」に相当し、出力側ブレーキ板67と固定側ブレーキ板68とが「ブレーキ部材」に相当し、スプリング64が「スプリング」に相当し、入力側回転部材65と出力側回転部材71とが「力変換機構」に相当する。傾斜面73が「傾斜面」に相当し、突部65aが「係合突部」に相当する。平行面74が「平行面」に相当する。出力側回転部材71が「筒状部材」に相当し、入力側回転部材65が「回転部材」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両用ドア開閉装置の製造産業などに利用可能である。
1 車体、2 ドア、4 ヒンジ、10 車両用ドア開閉装置、20,20B 支持部材、22 コイルスプリング、30 第1ハウジング、31 ソケット、32 スピンドル、32a 先端部、32b 基端部、34 ストッパ、40 第2ハウジング、41 ソケット、42 スピンドルガイド、44 スピンドルナット、50 駆動ユニット、52 モータ、54 減速ギヤ、60,160 保持ユニット、61,161 ユニットケース、62 ベアリング、63 ワッシャー、64 スプリング、65 入力側回転部材、65a 突部、67 出力側ブレーキ板、67a,68a スプライン溝、68 固定側ブレーキ板、69,169 底板、69a,71a スプライン突部、71b 環状面、71,171 出力側回転部材、72 係合部、73 傾斜面、74 平行面、176 環状凸部。

Claims (5)

  1. 車体とドアとの間に介在され、伸縮を伴って前記ドアを開閉可能に支持する支持部材を備える車両用ドア開閉装置であって、
    前記支持部材は、
    軸方向に相対移動が可能な筒状の第1ハウジングおよび第2ハウジングと、
    前記第1ハウジング内に回転可能に支持されたスピンドルを有し、前記スピンドルの回転運動と前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングの相対移動とを相互に変換可能な運動変換機構と、
    前記スピンドルを回転させるモータと、
    前記スピンドルの回転に対するブレーキ力を発生可能なブレーキ部材と、
    軸方向の付勢力を前記ブレーキ部材に付与することにより前記ブレーキ力を発生させるスプリングと、
    前記モータの回転力を、前記スプリングの付勢力をキャンセルする軸方向の力に変換可能な力変換機構と、
    を備える車両用ドア開閉装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドア開閉装置であって、
    前記力変換機構は、軸方向および周方向に対して斜めに延びる傾斜面と、径方向に突出し前記傾斜面に係合する係合突部とを有し、前記回転力により前記係合突部と前記傾斜面とを押し当てることで前記軸方向の力に変換する
    車両用ドア開閉装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドア開閉装置であって、
    前記力変換機構は、前記傾斜面と当該傾斜面に係合する前記係合突部との組を、周方向に等間隔で複数組有する
    車両用ドア開閉装置。
  4. 請求項2または3に記載の車両用ドア開閉装置であって、
    前記力変換機構は、互いに向かい合うように延びると共に軸方向の一端で互いに接続された一対の前記傾斜面と、一対の前記傾斜面のそれぞれの軸方向の他端に接続され軸方向に対して平行に延びる一対の平行面とを有する
    車両用ドア開閉装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置であって、
    内周面に前記傾斜面が形成されると共に前記スピンドルに対して軸方向に相対移動が可能で相対回転が不能に連結され、軸方向に変位して前記ブレーキ部材に係合可能な筒状部材と、
    外周面に前記係合突部が形成され、前記筒状部材内に配置されて前記回転力により回転する回転部材と、
    を備え、
    前記スプリングは、前記筒状部材を介して前記ブレーキ部材に付勢力を付与し、
    前記モータの停止時には前記付勢力により前記筒状部材が前記ブレーキ部材に前記付勢力を伝達する伝達位置まで変位することで前記ブレーキ力が前記筒状部材を介して前記スピンドルに作用し、前記モータの回転時には前記軸方向の力により前記筒状部材が前記伝達位置から離間するように変位することで前記ブレーキ力が解除される
    車両用ドア開閉装置。
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