JP2019151674A - ポリイミド、ポリイミドの製造方法、分離膜、分離膜の製造方法およびガス分離方法 - Google Patents

ポリイミド、ポリイミドの製造方法、分離膜、分離膜の製造方法およびガス分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストに製造可能な、新規な構造を有するポリイミドの提供を目的とする。【解決手段】本発明のポリイミドまたはその塩は、下記化学式(I)で表される構造を有することを特徴とする。前記化学式(I)中、Ar11、Ar12およびAr20はそれぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、Spは、スピロ環であり、さらなる置換基を有してもよく、nは、正の整数であり、重合度を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド、ポリイミドの製造方法、分離膜、分離膜の製造方法およびガス分離方法に関する。
ガス分離膜等の分野において、ポリイミドが利用されている(例えば、非特許文献1)。
Yampolskii et al, Macromolecules 2009, 42, 7881-7888
しかしながら、従来のポリイミドは、例えば、合成の工程数が多い、原料の価格が高い等の理由により、製造にコストがかかるという問題があった。
そこで、本発明は、低コストで製造可能な、新規構造を有するポリイミドの提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のポリイミドまたはその塩は、下記化学式(I)で表される構造を有することを特徴とする。
前記化学式(I)中、
Ar11、Ar12およびAr20は、それぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、
Spは、スピロ環または縮合環であり、さらなる置換基を有してもよく、
nは、正の整数であり、重合度を示す。
Ar11およびAr12は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明のポリイミドまたはその塩の製造方法は、
スピロ環または縮合環を有する芳香族ポリアミンと、無水物基を複数有するカルボン酸無水物とを縮合反応させる縮合反応工程を含むことを特徴とする。
本発明の分離膜は、本発明のポリイミドまたはその塩を含むことを特徴とする。
本発明の分離膜の製造方法(1)は、
ポリイミドまたはその塩を成膜する成膜工程を含み、
前記ポリイミドまたはその塩が、本発明のポリイミドまたは塩であることを特徴とする。
本発明の分離膜の製造方法(2)は、
ポリイミドまたはその塩を調製する調製工程と、
前記ポリイミドまたはその塩を成膜する成膜工程とを含み、
前記調製工程においてポリイミドまたはその塩を調製する方法が、本発明の方法であることを特徴とする。
本発明のガス分離方法は、
複数種類のガスを含む混合ガスにより、ガス分離膜に圧力をかけ、前記複数種類のガスのうち少なくとも1つを選択的にガス分離膜を透過させる工程を含み、
前記ガス分離膜は、本発明のガス分離膜であることを特徴とする。
本発明によれば、低コストで製造可能な、新規構造を有するポリイミドを提供することができる。さらに、本発明によれば、低コストで製造可能なポリイミドの新規製造方法、ポリイミドを用いた分離膜、前記分離膜の製造方法およびガス分離方法を提供することができる。
図1は、DFT算出により得られた空間充填モデルを示し、図1(a)は、SBI(スピロビスインダン)−二無水物(An1)を示し、図1(b)は、DAS−ジアミンモノマー(スピロビスインダンジアミン)(3)を示す。 図2は、77KでのDAS−PI系ポリイミド粉末のN吸着(充填)および脱着(空)等温線を示す。 図3は、DAS−PIとPIM−PIおよびそれらのモノマーとの間の構造的相違を示す。 図4は、低圧N2吸着データから算出した細孔幅分布を示す。 図5は、DAS−PI膜のWAXDパターンを示す。 図6は、DAS−PI膜のTGAパターンを示す。 図7は、CO/CH青:DAS−PI1、赤:DAS−PI2、緑:DAS−PI3および黒:1〜5(1:PIM−PI3、2:PIM−6FDA−OH、3:6FDA−DATRI、4:6FDA−SBFおよび5:6FDA−BSBF)の、ロブソン上限に対する、ガス透過性(P)とガスペア選択性(α)との関係を示す。
以下、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
[1.ポリイミド]
本発明のポリイミドまたはその塩は、前述のように、下記化学式(I)で表される構造を有することを特徴とする。
前記化学式(I)中、
Ar11、Ar12およびAr20は、それぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、
Spは、スピロ環または縮合環であり、さらなる置換基を有してもよく、
nは、正の整数であり、重合度を示し、
Ar11およびAr12は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明のポリイミドは、スピロ環を有する芳香族ポリアミンと複数の無水フタル酸基を含む芳香族カルボン酸無水物との縮合物であるポリイミドまたはその塩であるといえる。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(I)で表される構造は、下記化学式(Ia)で表される構造である。
前記化学式(Ia)中、
Ar21およびAr22は、それぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、
Lは、連結基または共有結合であり、
Ar11、Ar12、Spおよびnは、前記化学式(I)と同一である。
Ar11およびAr12は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記式(I)および(Ia)中、Ar11、Ar12、Ar20、Ar21およびAr22において、「芳香環」は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等であり、「芳香族複素環」は、例えば、ピリジン環、チオフェン環、ピロール環、フラン環等である。前記非芳香環は、例えば、シクロアルカン環であり、その例としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等があげられる。Lにおいて、「連結基」は、例えば、アルキレン基、不飽和炭化水素基、エーテル基、チオエーテル基、エステル基、スルホニル基、カルボニル基等であってもよい。前記アルキレン基は、例えば、直鎖状でも分枝状でもよい。前記アルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、例えば、1〜25、1〜13、または1〜7である。前記アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、2,2−プロピレン基等があげられる。前記不飽和炭化水素基は、直鎖状でも分枝状でもよい。前記不飽和炭化水素基の炭素数は、特に限定されないが、例えば、2〜25、2〜13、または2〜7である。前記不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニレン基、ビニリデン基、エチニレン基等があげられる。前記アルキレン基は、例えば、少なくとも1個の水素がハロゲンで置換されていてもよいし、全ての水素がハロゲンで置換されていてもよいが、後者が好ましい。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられるが、フッ素が好ましい。前記アルキレン基は、例えば、全ての水素がフッ素で置換されたペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。前記ペルフルオロアルキレン基の具体例としては、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、ビス(ペンタフルオロエチル)メチレン基等があげられる。前記Lは、例えば、ビス(ペルフルオロアルキル)メチレン基であることが好ましい。前記ペルフルオロアルキル基は、例えば、炭素数1〜6の直鎖または分枝状ペルフルオロアルキル基である。ビス(ペルフルオロアルキル)メチレン基の具体例としては、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、ビス(ペンタフルオロエチル)メチレン基等があげられる。前記重合度nは、正の整数であれば特に限定されない。nの下限は、具体的には、例えば、60以上、70以上、95以上である。nの上限は、具体的には、例えば、96以下、80以下、70以下である。前記重合度nは、例えば、60〜96の範囲である。
本発明において、Ar11、Ar12、Ar20、Ar21、Ar22およびSpは、それぞれ、例えば、置換基を有してもよい。「置換基」としては、特に限定されず、例えば、アルキル基、アルコキシ基、第一級〜第三級アミン、カルボン酸、カルボン酸エステル、不飽和脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、水酸基(−OH)、メルカプト基(−SH)、アルキルチオ基(−SRおよびRは、それぞれ、アルキル基)、シアノ基等があげられる。前記置換基は、複数の場合、同一でも異なってもよい。
本発明において、鎖状置換基は、例えば、アルキル基、不飽和脂肪族炭化水素基等の炭化水素基であり、特に限定されず、直鎖状でも分枝状でもよい。その炭素数は、特に限定されないが、例えば、1〜40、1〜32、1〜24、1〜18、1〜12、1〜6または1〜2であり、不飽和炭化水素基の場合、例えば、2以上である。本発明において、環状の基は、例えば、アリール基、ヘテロアリール基等であり、その環員数(環を構成する原子の数)は、特に限定されないが、例えば、5〜32、5〜24、6〜18、6〜12または6〜10である。置換基等に異性体が存在する場合、前記異性体の種類は、特に制限されず、例えば、単に「ナフチル基」という場合、1−ナフチル基でも2−ナフチル基でもよい。
本発明において、ポリイミド等の化合物に異性体が存在する場合、前記異性体の種類は、特に限定されず、いずれの異性体でもよい。前記異性体は、例えば、互変異性体または立体異性体(例えば、幾何異性体、配座異性体および光学異性体)等があげられる。ポリイミド等の化合物が塩を形成し得る場合、例えば、前記塩も本発明に含まれ、また、本発明に用いることができる。前記塩は、例えば、酸付加塩でも塩基付加塩でもよい。前記酸付加塩を形成する酸は、例えば、無機酸でも有機酸でもよく、前記塩基付加塩を形成する塩基は、例えば、無機塩基でも有機塩基でもよい。前記無機酸は、特に限定されず、例えば、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、次亜フッ素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜フッ素酸、亜塩素酸、亜臭素酸、亜ヨウ素酸、フッ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過フッ素酸、過塩素酸、過臭素酸、および過ヨウ素酸等があげられる。前記有機酸は、特に限定されず、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸および酢酸等があげられる。前記無機塩基は、特に限定されず、例えば、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等があげられ、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウム等があげられる。前記有機塩基は、特に限定されず、例えば、エタノールアミン、トリエチルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等があげられる。これらの塩の製造方法は、特に限定されず、例えば、前記化合物に、前記のような酸または塩基を、公知の方法により付加させる方法等で、製造できる。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(I)で表される構造は、下記化学式(IIx)で表される構造である。
前記化学式(IIx)中、
各Rは、それぞれ、水素原子もしくは置換基であるか、または、イミドのN原子に対する結合手であり、同一でも異なっていてもよく、
各Xは、それぞれ、O、SまたはSeであり、同一でも異なっていてもよく、
Ar20およびnは、前記化学式(I)と同一である。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(Ia)で表される構造は、下記化学式(IIxa)で表される構造である。
前記化学式(IIxa)中、
各Rは、それぞれ、水素原子もしくは置換基であるか、または、イミドのN原子に対する結合手であり、同一でも異なっていてもよく、
各Xは、それぞれ、O、S、またはSeであり、同一でも異なっていてもよく、
Ar21、Ar22、Lおよびnは、前記化学式(Ia)と同一である。
前記化学式(IIx)および(IIxa)中、各Rが、それぞれ、「置換基」である場合、前記置換基は、特に限定されず、例えば、前述の「置換基」の例示と同様である。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(I)で表される構造は、下記化学式(II)で表される構造である。
前記化学式(II)中、
Ar20およびnは、前記化学式(I)と同一である。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(Ia)で表される構造は、下記化学式(IIa)で表される構造である。
前記化学式(IIa)中、
Ar21、Ar22、Lおよびnは、前記化学式(Ia)と同一である。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(IIa)で表される構造は、下記化学式DAS−PI1で表される構造である。
前記化学式DAS−PI1中、
nは、前記化学式(IIa)と同一である。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(IIa)で表される構造は、下記化学式DAS−PI2で表される構造である。
前記化学式DAS−PI2中、
nは前記化学式(IIa)と同一である。
本発明のポリイミドまたはその塩において、例えば、前記化学式(IIa)で表される構造は、下記化学式DAS−PI3で表される構造である。
前記化学式DAS−PI3中、
nは前記化学式(IIa)と同一である。
本発明のポリイミドは、以下の構造を有するポリイミドを除く。
本発明のポリイミドを製造する方法は、特に限定されず、例えば、後述する本発明のポリイミドの製造方法により製造できる。
[2.ポリイミドの製造方法]
本発明のポリイミドの製造方法は、前述のとおり、スピロ環または縮合環を有する芳香族ポリアミンと、複数の無水物基を有するカルボン酸無水物とを縮合反応させる縮合反応工程を含む。
ポリイミドの製造方法として、例えば、前記非特許文献1等において、式S1の合成方法が報告されている。具体的に、下記式S1で合成されるポリイミドは、例えば、PIM−PIおよびKAUST−PIである。PIM−PIおよびKAUST−Piは、それぞれ、下記式S1において、Arconの部分が下記化学式で表されるポリイミドである。これらのポリイミドは、下記式S1に示すように、例えば、化合物A(歪み二無水物)と芳香族ジアミンとから合成される。しかしながら、下記式S1の合成経路は、例えば、工程が長い、合成の原料化合物が高価である等の制限がある。
これに対し、本発明のポリイミドの製造方法は、前述のとおり、スピロ環を有する芳香族ポリアミンと、複数の無水物基を有するカルボン酸無水物とを縮合反応させる縮合反応工程を含むことを特徴とする。前記縮合反応は、一例として、下記化学式S2に示すことができる。例えば、下記化学式S2に示すように、化合物B(スピロ環を有する芳香族ポリアミン)と、芳香族2無水化物(複数の無水物基を有するカルボン酸無水物)とを縮合することにより、容易にポリイミドを合成できる。なお、下記S2は、単なる例示であり、本発明をなんら限定しない。
一般的に、ポリイミド(PI)は、異なる種類の二無水物およびジアミンモノマーから、種々の重合手順を介して合成することができる。本発明のポリイミドの製造方法は、前記芳香族ポリアミンと前記カルボン酸無水物とを縮合反応に使用することが特徴であり、その他の工程および条件は、特に限定されず、例えば、従来のポリイミドの製造方法、または後述する実施例の製造方法等に準じて行える。前記縮合反応は、例えば、前記非特許文献1および国際公開第2015/129925号パンフレットに記載の縮合反応に準じて、または後述する実施例の製造方法に準じて行える。前記縮合反応に使用する芳香族ポリアミンおよびカルボン酸無水物は、例えば、その構造に基づいて、公知の方法等により調製してもよいし、可能であれば、市販品を入手してもよい。
本発明において、前記縮合反応は、特に限定されず、例えば、1段階重縮合手順でも重縮合手順でもよいが、1段階重縮合手順が好ましい。前記1段階重縮合手順は、1段階重縮合によって、芳香族ポリアミンおよびカルボン酸無水物からポリイミドを製造する方法である。前記2段階重縮合手順は、まず、芳香族ポリアミンおよびカルボン酸無水物からポリアミック酸前駆体を重縮合により合成し、次いで、ポリアミック酸前駆体から縮合反応によりポリイミドを製造する方法である。前記1段階重縮合手順は、ポリアミック酸前駆体がその場で脱水されるので、PIを形成する反応媒体からポリアミック酸前駆体を分離する必要がない。
前記1段階重縮合法の反応温度は、特に限定されないが、例えば、180℃以上、190℃以上、または200℃以上であってもよく、例えば、200℃以下、190℃以下、または185℃以下であってもよい。前記反応温度は、1段階重縮合手順を行うのに十分な高い温度であることが好ましい。前記1段階重縮合手順の反応時間は特に限定されないが、例えば、4時間以上、5時間以上、または6時間以上であってもよく、例えば7時間以下、6時間以下、または5時間以下であってもよい。
前記反応溶媒も、特に限定されないが、例えば、フェノール系溶媒、アミド系溶媒等があげられ、1種類のみ用いても複数種類併用してもよい。前記フェノール溶媒としては、例えば、フェノール(ヒドロキシベンゼン)、m−クレゾール、p−クレゾール等があげられる。前記アミド溶媒としては、例えば、NMP(N−メチルピロリドン)等があげられる。
製造したポリイミドの精製方法も特に限定されないが、例えば、再結晶、濾過、沈殿、粉砕等の公知の精製方法を適宜適用できる。前述のように、ポリアミック酸前駆体を分離する必要がない場合、例えば、カラムクロマトグラフィーを省略することができるので、短時間で簡便に精製を行うことができ、その結果、ポリイミドを低コストに製造できる。
非特許文献1等の公知文献では、二無水物と芳香族ジアミンを使用して、この重縮合法により高分子量PIを合成した。本発明のポリイミドの製造方法によれば、非特許文献1等の公知文献とは異なり、前述のとおり、スピロ環を有する芳香族ポリアミンを用いて、ポリイミドを製造することができる。前記スピロ環を有する芳香族ポリアミンは、例えば、反応スキームS2に示すスピロ環を有する芳香族ポリアミンである化合物Bであり、例えば、SBI(スピロビスインダン)−ジアミンと呼ばれる歪みジアミンである。前記SBIジアミンとしては、例えば、下記化学式3xまたは化学式3で表されるジアミンがあげられる。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記カルボン酸無水物は、1分子中に無水フタル酸基を2つ有する。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記カルボン酸無水物は、1分子中に無水フタル酸基を複数有する芳香族カルボン酸無水物である。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族ポリアミンは、1分子中にアミノ基を2つ有する。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族カルボン酸無水物は、1分子中に無水フタル酸基を2つ有する。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族ポリアミンは、下記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンである。
前記化学式(A)中、
Ar11およびAr12は、それぞれ、芳香環または芳香族複素環であり、さらなる置換基を有してもよく、
Spは、スピロ環または縮合環であり、さらなる置換基を有してもよく、
Ar11およびAr12は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族ポリアミンは、下記化学式3xで表される芳香族ポリアミンである。
前記化学式(IIxa)中、
各Rは、それぞれ、水素原子もしくは置換基であるか、または、イミドのN原子に対する結合手であり、同一でも異なっていてもよく、
各Xは、それぞれ、O、SまたはSeであり、同一でも異なっていてもよい。
前記化学式3x中、Rが、それぞれ、「置換基」である場合、前記置換基は、特に限定されず、例えば、前述の「置換基」の例示と同様である。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族ポリアミンは、下記化学式3で表される芳香族ポリアミンである。
前記ジアミン3xまたは3を取得する方法は、特に限定されないが、例えば、後述する実施例のスキーム2に記載の製造方法またはそれに準じた製造方法により製造してもよい。具体的には、例えば、下記スキーム1の方法でもよい。この方法によれば、例えば、2段階という少ない工程で、簡便に収率良く前記ジアミン3xまたは3を製造することができる。下記スキーム1中、化学式1xおよび2xにおいて、各Rは、それぞれ、化合物3xと同様である。また、化合物10xにおいて、Halは、ハロゲン原子であり、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、各Rは同一でも異なっていてもよい。
前記スキーム1において、工程iは、化合物1xと10xとを反応させて化合物2xを製造する。前記工程iの反応条件は、特に限定されず、例えば、公知の類似した反応等を参考にして適宜設定すればよい。前記工程iの反応温度は、特に限定されず、例えば、100℃以上、110℃以上、または115℃以上であってもよく、例えば、120℃以下または110℃以下であってもよい。前記工程iの反応時間は、特に限定されず、例えば、12時間以上、14時間以上、または16時間以上であってもよく、例えば、17時間以下、15時間以下、または13時間以下であってもよい。前記反応溶媒としては、特に限定されず、フェノール溶媒、アミド溶媒、スルホキシド溶媒等があげられ、1種類のみ用いても複数種類併用してもよい。前記フェノール溶媒としては、例えば、フェノール(ヒドロキシベンゼン)、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等があげられる。前記アミド溶媒としては、例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、DMA(ジメチルアセトアミド)等があげられる。前記スルホキシド溶媒としては、例えば、DMSO(ジメチルスルホキシド)等があげられる。前記工程iは、例えば、塩基等の存在下で行ってもよい。前記塩基も、特に限定されず、例えば、炭酸カリウム(KCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸セシウム(CsCO)等があげられる。
前記スキーム1において、工程iiは、化合物2xを還元して化合物3xを製造する。前記工程iiの反応条件も特に限定されないが、例えば、公知の類似した反応等を参考にして適宜設定すればよい。前記工程iiの反応温度は、特に限定されず、例えば、80℃以上、85℃以上、または90℃以上であってもよく、例えば、90℃以下、85℃以下、または80℃以下であってもよい。前記工程iiの反応時間は特に限定されず、例えば、8時間以上、12時間以上、または24時間以上であってもよく、例えば、24時間以下、15時間以下、または10時間以下であってもよい。前記反応溶媒は、特に限定されず、例えば、アルコール溶媒、エステル溶媒等があげられ、1種類のみ用いても複数種類併用してもよい。前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等があげられる。前記エステル溶媒としては、例えば、酢酸エチル等があげられる。前記工程iiにおいて、還元剤は特に限定されず、例えば、ヒドラジン、水素等があげられる。前記工程iiは、例えば、触媒等の存在下で行ってもよい。前記触媒も、特に限定されず、例えば、パラジウムカーボン(Pd/C)、Pdナノ粒子、Rhナノ粒子等があげられる。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族カルボン酸無水物は、下記化学式(B)で表される芳香族カルボン酸無水物である。
前記化学式(B)中
Ar20は、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよい。前記非芳香環は、特に限定されず、例えば、シクロアルカン環であってもよい。この場合、前記芳香族ポリアミンは、特に限定されないが、例えば、前記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンでもよいし、前記化学式3xまたは3で表される芳香族ポリアミンであってもよい。
前記式(B)で表される構造は、例えば、Ar20が非芳香環である場合、下記a)〜d)のいずれかで表される構造とすることができる。前記式(B)で表される構造は、例えば、Ar20が芳香環である場合、下記e)で表される構造とすることができる。この場合、前記芳香族ポリアミンは、特に限定されず、例えば、前記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンでもよいし、前記化学式3xまたは3で表される芳香族ポリアミンでもよい。前記本発明のポリイミドは、例えば、下記a)〜e)のいずれかで表される構造の酸無水物から製造されるポリイミドでもよい。この場合、前記芳香族ポリアミンは、特に限定されず、例えば、前記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンでもよいし、前記化学式3xまたは3で表される芳香族ポリアミンでもよい。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族カルボン酸無水物は、下記化学式(Ba)で表される芳香族カルボン酸無水物である。
前記化学式(Ba)中、
Ar21およびAr22は、それぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、
Lは、連結基または共有結合である。
この場合、前記芳香族ポリアミンは、特に限定されないが、例えば、前記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンでもよいし、前記化学式3xまたは3で表される芳香族ポリアミンであってもよい。
前記化学式(Ba)で表される構造は、例えば、下記a)〜i)のいずれかで表される構造があげられる。この場合、前記芳香族ポリアミンは、特に限定されず、例えば、前記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンでもよいし、前記化学式3xまたは3で表される芳香族ポリアミンでもよい。また、前記本発明のポリイミドは、例えば、下記a)〜i)のいずれかで表される構造の酸無水物から製造されるポリイミドでもよい。この場合、前記芳香族ポリアミンは、特に限定されず、例えば、前記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンでもよいし、前記化学式3xまたは3で表される芳香族ポリアミンでもよい。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族カルボン酸無水物は、下記化学式4a〜4cで表される芳香族カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも一つである。
本発明のポリイミドの製造方法において、例えば、前記芳香族カルボン酸無水物は、前記化学式4a〜4cで表される芳香族カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも一つであり、前記芳香族ポリアミンは、化学式3xまたは3で表される芳香族ポリアミンである。
[3.分離膜]
本発明の分離膜は、前述のとおり、本発明のポリイミドまたはその塩を含む。本発明の分離膜は、特に限定されず、例えば、従来のポリイミドに代えて本発明のポリイミドを用いること以外は、ポリイミドを用いた一般的な分離膜と同様でもよい。本発明の分離膜の製造方法も特に限定されず、例えば、従来のポリイミドに代えて本発明のポリイミドを用いること以外は、ポリイミドを用いた一般的な分離膜の製造方法と同様でもよい。本発明の分離膜の使用方法も特に限定されず、例えば、ポリイミドを用いた一般的な分離膜の使用方法と同様でもよい。より具体的には、例えば、前記非特許文献1、WO2015/129925等に記載の使用方法に準じて、または後述する実施例の使用方法に準じてもよい。
本発明の分離膜は、例えば、多孔膜である。より具体的には、例えば、本発明の分離膜は、ポリイミドの分子自体が、分離対象物質(例えば、後述するガス)の分子を透過させ得る多孔構造を有していることにより、分離膜として使用できる。例えば、前記分離対象物質の分子サイズ、極性等により、本発明の分離膜に対する透過しやすさが異なるため、前記分離対象物質を分離できる。本発明の分離膜が多孔膜である場合、平均細孔径は、特に限定されず、例えば、0.6nm以上、1.4nm以上、または1.8nm以上であってもよく、例えば、2nm以下、1.4nm以下、または0.8nm以下であってもよい。前記平均細孔径の測定方法は特に限定されない。
本発明の分離膜において、例えば、前記分離膜は、ガス分離膜である。
本発明の分離膜は、例えば、HおよびCOの少なくとも一方が選択的にガス分離膜を透過する。しかし、本発明の分離膜は、これに限定されず、任意のガス分離膜であってもよい。具体的には、例えば、前記ガスとして、WO2015/129925に記載のように、二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素、窒素、有機蒸気又は有機物質、炭素数1〜4の炭化水素(メタン、エタン、エチレン又はアセチレン、プロパン、ブタンなど)、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン又はキセノンなど)、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、シロキサン(ヘキサメチルシクロトリシロキサンまたはオクタメチルシクロテトラシロキサン)、水蒸気、及び有機蒸気があげられる。なお、「有機蒸気」は、常温常圧下で液体である有機物質の気化ガスを意味する。このような有機物質の例としてメタノール、エタノール等のアルコール、トリメチルアミン等のアミン、アセトアルデヒド等のアルデヒド、炭素数5〜16の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、及びメチルクロライド、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
[4.分離膜の製造方法]
本発明の分離膜の製造方法は、特に限定されないが、例えば、前述した本発明の分離膜の製造方法(1)または(2)により製造することができる。本発明の分離膜の製造方法(1)は、本発明のポリイミドを用いること以外は特に限定されず、例えば、前述のとおり、従来のポリイミドに代えて本発明のポリイミドを用いること以外は、ポリイミドを用いた一般的な分離膜の製造方法と同様でもよい。また、本発明の分離膜の製造方法(2)は、本発明のポリイミドの製造方法を用いること以外は特に限定されず、例えば、ポリイミドを用いた一般的な分離膜の製造方法と同様でもよい。より具体的には、例えば、前記非特許文献1、WO2015/129925等に記載の製造方法に準じて、または後述する実施例の製造方法に準じてもよい。
本発明の分離膜の製造方法において、本発明のポリイミドを原料として前記膜を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、前記ポリイミドまたはその塩を溶媒に溶かして塗工し、前記溶媒を乾燥させて除去する方法(溶媒キャスト法)により製造できる。この溶媒キャスト法は、高分子量PI(ポリイミド)を製造するための非常に有益でより汎用性のある方法である。
前記溶媒は、特に限定されないが、極性溶媒が好ましく、例えば、ハロゲン化溶媒、エーテル溶媒、ケトン溶媒、アミド溶媒等があげられる。前記ハロゲン化溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロベンゼン等があげられる。前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)等があげられる。前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、シクロペンタノン等があげられる。
乾燥温度および乾燥時間も特に限定されないが、例えば、比較的低温(室温等)でゆっくりと乾燥させることが好ましい。前記乾燥温度は、例えば、60℃以上、100℃以上、または120℃以上であってもよく、例えば、120℃以下、100℃以下、または70℃以下であってもよい。前記乾燥時間は、特に限定されないが、例えば、24時間以上、48時間以上、または72時間以上であってもよく、例えば、96時間以下、72時間以下、または24時間以下であってもよい。
製造した前記ポリイミドまたはその塩の膜は、そのまま本発明の分離膜として用いてもよいが、例えば、後処理(洗浄等)をした後に、本発明の分離膜として用いてもよい。
前記洗浄用の溶媒は、特に限定されないが、例えば、アルコール溶媒等であってもよい。前記アルコール溶媒は、例えば、メタノール、エタノール等があげられる。前記洗浄の方法も特に限定されないが、例えば、前記ポリイミドまたはその塩の膜を、前記溶媒に、比較的低温(室温等)で浸漬させる方法でもよい。前記浸漬温度は、例えば、25℃以上または30℃以上であってもよく、例えば、30℃以下または25℃以下であってもよい。前記浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、24時間以上、48時間以上、または72時間以上であってもよく、例えば、96時間以下、48時間以下、または20時間以下であってもよい。
[5.ガス分離方法]
本発明のガス分離方法は、前述のとおり、複数種類のガスを含む混合ガスにより、ガス分離膜に圧力をかけ、前記複数種類のガスのうち少なくとも1つを選択的に前記ガス分離膜を透過させる工程を含み、前記ガス分離膜は、本発明のガス分離膜である。本発明のガス分離方法は、例えば、単一のガスにより、ガス分離膜に圧力をかけ、選択的に前記ガス分離膜を透過させる工程を含む。本発明のガス分離方法は、本発明のガス分離膜を用いること以外は特に限定されず、例えば、ポリイミドから形成された一般的なガス分離膜を用いた一般的なガス分離方法と同様でもよい。具体的には、例えば、前記[3.分離膜]で説明したとおりである。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例には限定されない。
[合成およびキャラクタリゼーション]
スキーム2:モノマーDAS(スピロビスインダンジアミン)(3)およびそのポリイミド(DAS−PI)の合成:I)求核置換、II)Pd/Cによる還元、III)ソルボサーマル共沸イミド化による1段階重合。
本実施例において、DAS(スピロビスインダンジアミン)モノマー(3)を、市販のTTSBI(1)および3,4−ジフルオロニトロベンゼンから合成した。第1工程は、ジニトロ−SBI誘導体(2)を生じる求核置換反応を含む。さらなる精製工程なしに、パラジウム/炭素(Pd/C)(スキーム2)によって、対応するアミン(3)に、良好な収率(84%)で還元された。次いで、スキーム2で示すように、目的のポリイミド(DAS−PI)を、DAS(3)および二無水物(4)から製造した。以下に、その製造方法を、具体的に説明する。それぞれの工程で得られた化合物は、H NMR、13C NMR、FT−IRおよびMALDI Massによりキャラクタライズした。なお、この容易な方法は、出発物質として3,4−ジフルオロニトロベンゼンを使用する大規模合成において潜在的な用途を有し、さらに、前記生成物を、追加の精製工程を伴わずに、優れた収率および純粋な形態で取得することができる。
[原料取得方法および生成物のキャラクタリゼーション方法]
3,3,3’3’−テトラメチル−1,1’スピロビス−(インダン−5,5’,6,6’−テトロール)は、和光純薬工業株式会社から入手した。4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)、3,3,’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3,’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)は、東京化成工業株式会社から入手した。3,4ジフルオロニトロベンゼンおよびm−クレゾールは、アルドリッチ社から入手した。イソキノリンは、ナカライテスク株式会社から入手した。入手した原料は、そのまま使用した。モノマーおよびポリマーの化学構造は、H NMR、13C NMR、FT−IRおよびMALDI MASSによりキャラクタライズした。Hおよび13C NMRスペクトルは、それぞれ、23℃で、ブルカー社製のAVANCE III 500(登録商標)NMR分光計で測定した。CDClおよびDMSO−dを溶媒として使用し、残留溶媒ピークを内部標準として使用した(H NMR:CDCl3 7.26ppm、DMSO−d 2.5ppm;13C NMR:CDCl 77.0ppm、DMSO−d 39.52ppm)。前記IRスペクトルは、4000〜500cm-1の範囲の減衰全反射(ATR)セルを備えたフーリエ変換赤外分光計(FTIR、株式会社島津製作所製、IRTracer−100(登録商標))で収集した。膜の結晶構造は、広角X線回折装置(WAXD,株式会社リガク製、RINT(登録商標)、日本)と200mAおよび40kVで作動する回転陽極Cu KαX線発生器と一緒に用いてキャラクタライズした。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、株式会社島津製作所製、800(登録商標)シリーズ)を使用して、ポリスチレン標準に対する合成ポリマーの分子量および多分散性指数を分析した。MALDI−TOF質量分析は、Microflexシステム(Microflex−ks II TM、ブルカー社)を用いて行った。熱重量分析(TGA、株式会社リガク製、Thermo plus EVO2(登録商標)、日本)を利用して、窒素雰囲気下、10℃/分のランプ速度で、膜を評価した。50mNの負荷で、バーコビッチ三面角錐ダイヤモンドチップ(半径100nm)を備えたナノインデンテーションテスター(ENT 2100(登録商標)、株式会社エリオニクス)を用いて、高分子膜の表面に対し、機械的特性試験を行った。各試料について、長方形の構成の20点を試験し、平均弾性率および硬度を、3つの異なる膜試料の測定値を用いてO−P法(Oliver and Pharr’s method)により算出した。膜の純粋ガス透過性は、室温で試験した。
[幾何学モデリング]
3,3,3’,3’−テトラメチル−8,8−ジアミノ−2,2’,3,3’−テトラヒドロ−1,1’−スピロビ[シクロペンタルブ|ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(3,3,3',3'tetramethyl-8,8-diamino-2,2',3,3'-tetrahydro-1,1'-spirobi[cyclopentalb|dibenzo[b,e][1,4]dioxine)(SBI−ジアミン),3および8,8’,9,9’−テトラヒドロ−9,9,9’,9’−テトラメチル−7,7’−スピロビス[7H−シクロペント[g]イソベンゾフロ[5,6−b][1,4]ベンゾジオキシン]−1,1’,3,3’−テトロン(8,8’,9,9’-Tetrahydro-9,9,9’,9’-tetramethyl-7,7’-spirobis[7H-cyclopent[g]isobenzofuro[5,6-b][1,4]benzodioxin]-1,1',3,3'-tetrone)(SBI−二無水物)(An1)の基底状態幾何構造は、6−31G(d)を基底系として、密度ハイブリッド関数(B3LYP)法によって、完全に最適化し、Gaussian09ソフトウェアパッケージを用いて算出した。
[膜製造]
合成膜の自立膜を、溶液キャスティング法および熱転相法により調製した。ポリマーDAS−PI1を、クロロホルムに溶解(5重量%/v)し、次いで、小型の5.0μm PTFE膜カートリッジを用いて精製した。前記溶液を、ガラスペトリ皿に注意深く移し、前記ガラスペトリ皿を被覆し、その後、前記溶媒を、室温で2日間にわたってゆっくりと蒸発させた。この乾燥等方性ポリマー膜(厚さ50〜60μm)を、メタノールに24時間浸漬し、風乾し、次いで、高真空下、120℃で24時間加熱した。DAS−PI2およびDAS−PI3の場合、それらをNMPに溶解(5重量%/v)し、次いで、小型の5.0μm PTFE膜カートリッジを用いて精製した。前記溶液を、ガラスペトリ皿に注意深く移し、格子状アルミニウム箔で覆い、その後、前記溶媒を70℃で3日間にわたってゆっくりと蒸発させた。この乾燥等方性ポリマー膜(厚さ50〜60μm)を、メタノールに24時間浸漬し、風乾し、次いで、高真空下、120℃で24時間加熱した。
[ガス分離測定]
膜の純粋ガス透過性を、室温(25℃)で、一定圧力可変容量法を用いて測定した。前記膜を、鋼製の網目状支持体を有するMillipore社製の市販の膜ホルダーに保持し、そしてゴム製のOリングを使用して適切に密封した。ガス透過圧は、データ取得システムに接続された圧力トランスミッタ(Keller社製 PAA 33X)によって記録した。透過室内の圧力増加の勾配(dp/dt)は、擬似定常状態で一定になった。ガス透過性(P)は、下記式に基づいて算出される。
前記式中、Pは、膜を通過するガスの透過性(バーラー(Barrer)換算:1バーラー=10-10cm(STP)cm・cm-2・s-1・cmHg-1)であり、Vは、透過体積(cm)であり、lは、膜の厚さ(cm)であり、Aは、膜の有効面積(cm)であり、pfは、供給圧力(cm−Hg)であり、pは、標準状態における圧力(76cm−Hg)であり、Tは、絶対動作温度(K)、Tは、標準状態における温度(273.15K)であり、(dp/dt)は、擬似定常状態での透過体積における圧力増加の勾配(cm−Hg/s)である。
ガスペアAおよびBの理想的な選択性(α)は、以下のように定義される:
前記式中、D/Dは、拡散選択性であり、S/Sは、溶解度選択性である。ガスの供給側圧力は4バールである。
[ポリイミドの製造方法]
ジニトロ−SBI(2)の合成:3,4−ジフルオロニトロベンゼン(0.126mol、20.04g)および3,3,3’3’−テトラメチル−1,1’スピロビス(インダン−5,5’、6,6’−テトロール)(0.0599mol、20.4g)を、N下で撹拌した。乾燥ジメチルホルムアミド(250mL)およびKCO(33g)を、ゆっくりと添加し、次いで、混合物を、室温で2時間撹拌し、その後、温度を徐々に110℃まで上昇させ、110℃を12時間維持した。生成物を単離し、蒸留水で洗浄し、乾燥し、メタノールから再結晶した(収率:95%)。H NMR(500MHz、CDCl):δ 1.32(s、6H、Me)、1.37(s、6H、Me)、2.18(d、2H、J=12.8Hz、CH)、2.33(d、2H、J=12.8Hz、CH)、6.35(s、2H、Ar−H)、6.69(s、2H、Ar−H)、6.82(d、1H、J=7.8Hz、Ar−H)、6.91(d、1H、J=7.8Hz、Ar−H)、7.62(d、1H、J=2.5Hz、Ar−H)、7.71(d、1H、J=2.5Hz、Ar−H)、7.77−7.82(m、2H、Ar−H)。13C−NMR(125MHz、CDCl)δ 30.06、31.39、31.4、43.38、43.42、57.12、59.06、109.99、110.02、110.04、110.06、111.87、111.92、112.13、112.21、116.19、116.26、119.95、140.38、140.44、140.5、140.54、142.13、143.56、145.95、145.99、146.35、146.38、147.55、147.6、148.57、148.59、148.99。MALDI Mass[M+]:m/z 577.874、ATR−IR(ν、cm−1):2947(str C−H)、1489(asym str、N=O)、1315(sym str、N=O)。
SBI−ジアミン(DAS)(3)の合成:エタノール(500mL)中の(2)(12g、0.020mol)の分散液に、10%パラジウム炭(1.0g)を加え、撹拌混合物に、ヒドラジン一水和物(10mL)を、85℃で15分間かけて滴下した。添加が完了した後、前記混合物を、85℃でさらに8時間撹拌した。次いで、前記溶液を濾過し、Pd−Cを除去した。粗生成物を95%エタノールおよび水から再結晶して、白色粉末を得た(収率84%)。H NMR(500MHz、DMSO−d6):δ 1.25(s、6H、Me)、1.32(s、6H、Me)、2.09(d、2H、J=12.9Hz、CH)、2.24(d、2H、J=12.9Hz、CH)、4.95(br、4H NH)、6.11〜6.14(m、3H、Ar−H)、6.17(s、1H、Ar−H)、6.20(s、1H、Ar−H)、6.25(s、1H、Ar−H)、6.55(d、1H、J=7.5Hz、Ar−H)、6.64(d、1H、J=7.5Hz、Ar−H)、6.77(s、1H、Ar−H)、6.82(s、1H、Ar−H)。13C−NMR(125MHz、DMSO−d6)δ 30.29、31.57、43.29、43.30、56.99、57.01、57.04、59.14、101.9、101.93、109.17、109.2、109.96、110.17、111.25、111.44、116.71、132.18、132.2、141.23、141.35、141.95、142.01、142.08、144.86、144.9、145.37、145.42、145.93、145.95、147.21、147.22、147.71。MALDI Mass[M+]:517.742。ATR−IR(ν、cm−1):3460(str NH)、2947(str C−H)、1641(NH)、1504(str NH)、1330(str C−N).
DAS−PI1の合成:SBI−ジアミン(3)(DAS)(1.03g、2mmol)および(4a)(0.88g、2mmol)を、m−クレゾール(10mL)に添加した。溶液を室温で3時間撹拌した後、イソキノリン(0.2mL)を加えた。次いで、溶液を徐々に180℃まで加熱し、5時間保持した。次いで、得られたポリマーをメタノール(200mL)中で沈殿させ、前記ポリマー中の残りのm−クレゾールをソックスレー抽出により除去した。前記ポリマーを乾燥し、次いで、クロロホルムに溶解し、メタノール中で2回再沈殿させた。最後に、前記ポリマーを、真空オーブン中、150℃で24時間乾燥させ、淡黄色フィラメントポリマーを得た(収率:94%)。H NMR(500MHz、CDCl3):δ 1.31(s、br、6H、Me)、1.35(s、br、6H、Me)、2.18(d、br、2H、J=12.7Hz、CH)、2.31(d、br、2H、J=12.7Hz、CH)、6.35(s、br、2H、Ar−H)、6.66(s、br、2H、Ar−H)、6.86〜6.94(m、br、6H、Ar−H)、7.86〜8.01(m、br、6H、Ar−H)。ATR−IR(高分子膜、ν、cm−1):2947(str C−H)、1759(asym str、C=O、イミド)、1728(sym str、C=O、イミド)、1327(C−N str)、721(アミド環変角)。分子量:Mw=95×10g/mol;PDI=1.4、Td=500°C(10%の質量損失)、BET表面積:SBET=345m/g。
DAS−PI2の合成:合成手順は、二無水物として(4a)の代わりに(4b)を使用したことを除いて、DAS−PI1についての記載と同様であり、ポリマーは、収率96%で黄色粉末として得られた。ATR−IR(高分子膜、ν、cm−1):2941(str C−H)、1776(asym str、C=O、イミド)、1724(sym str、C=O、イミド)、1319(C−N str)、736(アミド環変角)。Td=520°C。BET表面積:SBET=43m/g。
DAS−PI3の合成:合成手順は、二無水物として(4a)の代わりに(4c)を使用したことを除いて、DAS−PI1についての記載と同様であり、ポリマーは、92%の収率で濃黄色粉末として得られた。ATR−IR(高分子膜、ν、cm−1):2953(str C−H)、1778(asym str、C=O、イミド)、1722(sym str、C=O、イミド)、1321(C−N str)、740(アミド環変角)。Td=525°C。BET表面積:SBET=17m/g。
[実施例で作製したポリイミドおよびポリイミド膜(ガス分離膜)の特徴]
新たに合成したジアミン(DAS‐ジアミンモノマー(3))と公知のSBI−二無水物モノマー(An1)のSBI単位の幾何学的構造を比較した。両モノマーの基底状態の幾何学的構造を、6−31G(d)を基底系として、密度ハイブリッド関数(B3LYP)法により、完全に最適化し、Gaussian09Gソフトウエァパッケージを用いて算出した。それらの幾何学的最適化構造を図1に示す。アミンの導入は、SBI単位の構造にほとんど影響を与えなかった。言い換えれば、両モノマーは、約90°の歪角度を示した(図3)。この結果から、DAS−ジアミンモノマーが、微孔性ポリイミドの合成にとって、SBI−二無水物モノマーと同等の良好な前駆体であることがわかった。
この実施例では、前述のとおり、DAS−ジアミン(3)および市販の二無水物から、ポリイミド合成を行った。種々の二無水物(4)を選択し、(ヘキサフルオロイソプロピリデン)−ジフタル酸無水物(6FDA)(4a)等の剛直な二無水物構造、ビフェニル二無水物(BPDA)(4b)およびベンゾフェノン二無水物(BTDA)(4c)等のフレキシブルな二無水物を考慮して(スキーム2)、ポリマー特性に対するそれらの影響を調査した。前述のように、DASジアミン(3)と市販の二無水物(4)との間のソルボサーマル共沸イミド化反応による一段階重合を採用した。6FDA(4a)、BPDA(4b)、およびBTPA(4c)に由来して得られたポリイミドを、それぞれ、DAS−PI1、DAS−PI2、およびDAS−PI3という(スキーム2)。モノマーの分光学的データおよび構造から、新たに合成されたPI(ポリイミド)における5員イミド環の位置およびC−N結合の結合が、報告されたPIM−ポリイミドの構造とは異なることがわかった(比較構造を図3に示す)。前記合成ポリマーであるDAS−PIは、成膜するために有機溶媒中で良好な溶解性を有するのに十分な、高い分子量を有していた。合成ポリマーの分子量およびPDI(多分散指数)値を、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定した(表S1)。例えば、DAS−PI1は、高い分子量(9.5×10g/mol)および狭いPDI(1.4)を有する。さらに、通常の有機溶媒中でのそれらの溶解度チャートを表S2に示す。
合成ポリマーの分子充填および微孔性を理解するために、窒素吸着および脱着挙動を、77Kで実施した。また、Horvath−Kawazoe法によってN吸着データから算出した細孔径分布を、図2および図4に示した。等温線において、非常に低い相対圧力で、急速な窒素の取り込みが観察されるが、これは典型的な微孔性挙動を示している。
DAS−PIポリイミドの二無水物部分を6FDAからBTDAに変更すると、BET表面積が有意に減少した(表1)。推測通り、6FDAを含有するポリイミドは、嵩高いため、より高い自由体積を有する。
C(CF−単位を、BPDAおよびBTDAに由来するポリイミドと比較した。DAS−PI1は、高いBET表面積(345m/g)を示し、これは、6FDA−DATRI(68m/g)、PIM−6FDA−OH(225m/g)、6FDA−SBF(240m/g)等の6FDAに由来する、報告されているその他の微孔性PIよりも高い。このことから、硬質二無水物およびDAS−ジアミンの適切な組み合わせは、高表面積ポリイミドをもたらすと推測された。
XRD測定を実施して、DAS−PI膜中のポリマー鎖間充填を分析した(図5)。ピーク位置および対応するd間隔値を表2に示す。DAS−PI1膜は、2θ=11.39°および2θ=25.04°に2つの小さなピークを、ならびに2θ=15.1°および2θ=15.15°に中央の広いピークを示した。所定の2θからの算出されたd間隔値は、7.76Å、5.86Å、5.84Åおよび3.55Åであった。DAS−PI2のd間隔値は、それぞれ、11.68°、16.5°および23.85°の回折角から算出して7.57Å、5.36Åおよび3.72Åであった。最後に、DAS−PI3では、2θ=16.94°および2θ=25.71°から、それぞれ、5.22Åと3.46Åの2つのピークが算出された。これにより、DAS−PI1は、DAS−PI2およびDAS−PI3と比較して、より大きなd間隔を有すると推測できた。
ポリマーの機械的特性は、膜の形成における指標となるパラメーターであり、モジュール製造に必要とされる薄膜構造に変換するそれらの能力である。ナノインデンテーション解析により、合成DAS−PI膜が優れた機械的特性を有することがわかった。DAS−PIの平均弾性率および硬度を、表3に示し、表S3のいくつかのポリマー微孔性材料と比較した。DAS−PI膜は、240〜270MPaの範囲の硬度値および3〜4.5GPaの弾性率を有する。興味深いことに、これらの膜は、KAUST−PI1、PIM−PI1およびmatrimid(登録商標)等の従来のポリイミドと、かなり同程度の引張強度を示した(表S3)。ポリイミドの熱特性を、TGAおよび示差走査熱量測定(DSC)により調査した。DAS−PI2およびDAS−PI3膜は、525℃まで優れた熱安定性を示し(T、10%の質量損失)、DAS−PI1膜は、500℃まで熱安定性を示した(T、10%の質量損失)。400℃までは、ガラス転移温度(T)はみられなかった(表2、図6)。これは、DAS−PI3およびDAS−PI2が、それらの柔軟な骨格のために、DAS−PI1よりも機械的および熱的に、より依存性であることを示唆する。
DAS−PI膜を、前述のとおり、ガス透過試験のために首尾よく調製した。DAS−ジアミン由来のDAS−PIの輸送特性を、類似の二無水物モノマーを使用して従来から報告されているPIの分離データと比較して、合成方法の効果を特定した(表S4)。H、N、O、CHおよびCOの純ガス透過測定を、25℃および4バールで実施した(表4)。ガス透過性の順序は、DAS−PI1>DAS−PI2>DAS−PI3である。DAS−PI1のこの高いガス透過性は、おそらく、FFV(自由体積分率)の増加に起因する。これは主に、ポリマー骨格自体の剛性およびゆがみ構造に起因する。さらに、6FDAの剛直なヘキサフルオロイソプロピル基の存在は、鎖の相互作用を減少させる、より無効な鎖充填を刺激した。このことは、BET表面積の結果からも裏付けられる。ここで、DAS−PI1のガス透過性データが、PIM−PI3、PIM−6FDA−OH、6FDA−SBF、6FDA−DATRI等の、骨格中に6FDAを有する公知のポリイミドと同等の範囲にあることは注目に値する(表S4)。DAS−PI1膜と比較して、DAS−PI2膜におけるガス透過性は減少している。さらに、DAS−PI3のガス透過性は、DAS−PIの中で最も低い値を示し、これは、上述のFFV結果と一致する。DAS−PI膜の二無水物の構造変化が、ガスペアの選択性に及ぼす影響は、表4に示すように容易に視覚化される。表面積がより小さく、その結果透過性がより低いにもかかわらず、DAS−PI2およびDAS−PI3膜は、DAS−PI1よりも高いガスペア選択性を有し、これにより、これらの膜において分子ふるい分け特性が増強されたことを確認した(表4)。例えば、DAS−PI3膜のCO/CH選択性測定値は、DAS−PI1より1.6倍高い(38対23)。同様に、DAS−PI3膜のH/CH選択性測定値は、DAS−PI1より2.7倍高い(61対22)。ここでの容易な合成方法によって製造されたDAS−PIのガス分離特性は、PIM−6FDA−OH、6FDA−SBF、6FDA−DATRI等の公知のその他のPIM−PIと同じ範囲にある(Robesonの上限、図7)。
DAS−PI1、DAS−PI2およびDAS−PI3のガス分離特性が互いに異なる理由は、例えば、次のように考えられる。二無水物部分の剛性は、ガス分離特性に影響を及ぼしうる。例えば、ガス透過性の順序は、DAS−PI1>DAS−PI2>DAS−PI3である。DAS−PI1のこの高いガス透過性は、おそらく、FFVの増加に起因する。これは、主に6FDA二無水物の剛性による。しかし、DAS−PI2およびDAS−PI3膜は、ポリマー構造におけるその可撓性二無水物部分のために、DAS−PI1よりも高いガスペア選択性および低い透過性を有する。これらの実験値から、実施形態に記載の二無水物およびSBIジアミンのすべてに由来する他の新しいDAS−PIのガス分離特性を予測することが可能である。しかし、この説明は予測し得る機構の一例であり、本発明を何ら限定するものではない。
要約すると、本実施例は、市販のTTSBIおよび3,4−ジフルオロニトロベンゼンから、2段階で、DASジアミンを大規模合成するための便利で汎用性のある方法を提供する。種々の微孔性ポリイミド(DAS−PI、すなわち、DAS−PI1、DAS−PI2、およびDAS−PI3)を、DASジアミンおよび市販の二無水物を基に合成した。得られたポリイミドであるDAS‐PI1、DAS‐PI2およびDAS‐PI3のガス分離性能、機械的安定性、および熱的安定性は、他のポリイミドと同等であった。具体的には、DAS−PI1、DAS−PI2およびDAS−PI3は、表2に示すように、かなり熱的に安定していた。かなり高い硬度と弾性率を示すDAS−PI1、DAS−PI2およびDAS−PI3は、表3および表S3に示すように、機械的に安定していた。DAS−PI1、DAS−PI2およびDAS−PI3は、表4および表S4に示すように、他のポリイミドと同等またはそれ以上のガス透過性と選択性を示した。
本実施例では、前述のとおり、他のポリイミドと同等のガス分離性能、機械的安定性および熱的安定性を示すDAS−PI1、DAS−PI2およびDAS−PI3を非常に簡便な合成法で製造することができた。この開発された費用効果の高い歪みDAS−ジアミン合成法は、KAUST−PIやPIM−SBI−TB等の他のジアミンモノマーや微孔性ポリイミドの効率的な合成に大きな潜在性を有する。
歪みジアミンモノマーは、高い気体分離性能を有するTB−ポリイミド[6]、6FDA−DATRI[4]および6FDA−SBF[5]等の微孔性ポリイミドを合成するための魅力的な前駆体である。また、これらは、PIM−SBI−TB等の他の微孔性ポリマーを合成するための汎用性のある前駆体である[7]。前記ガス分離性能は、ジアミンのさらなる官能化によって調整することができる。例えば、オルト官能化SBFジアミン系PIは、オルト官能基の立体障害によって引き起こされる無効な充填のために、それらの本来の類似体よりも高いガス透過性を有することが分かった[5]。これらの点に関して、本発明の製造方法から合成されるモノマーは、例えば、以下の通りである。式S2に示される経路2(歪みジアミン)から合成されるモノマーは、式S1に示される経路1(歪み二無水物)からのものよりも、微孔性ポリマーを製造するのに多用途性を有し得る。しかしながら、歪みジアミンの容易な合成は、イプチセンおよびSBI系ジアミンにおけるような、所望の位置での選択的アミン官能化が難しいため、あまり関心を集めていない。また、それらの報告されているジアミン合成法は、タイムリーなクロマトグラフィー精製手順を必要とする望ましくない副産物を欠点とする[7、8]。しかしならが、例えば、実施例に示すように、本発明によれば、歪みジアミンモノマー、そして微孔性ポリマーを合成するための費用効果の高い容易な方法が可能となる。本実施例によれば、ガス分離膜のための非常に優れた機械的および熱的弾性を有するPIM−ポリイミド、KAUST−ポリイミドおよびPIM−SBI−TBポリマーを調製するための効率的な経路としての、SBI−ジアミン前駆体合成のための汎用性のある方法を提供することができた。
しかし、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。
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以上、説明したとおり、本発明によれば、低コストに製造可能な、新規な構造を有するポリイミドを提供することができる。さらに、本発明によれば、ポリイミドを低コストに製造可能な新規な製造方法、ポリイミドを用いた分離膜、前記分離膜の製造方法、およびガス分離方法を提供することができる。本発明の用途は特に限定されず、任意の用途に広く使用可能であり、例えば、ポリイミドを用いた分離膜の用途と同様の用途に使用できる。

Claims (28)

  1. 下記化学式(I)で表される構造を有することを特徴とするポリイミドまたはその塩。
    前記化学式(I)中、
    Ar11、Ar12およびAr20は、それぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、
    Spは、スピロ環または縮合環であり、さらなる置換基を有してもよく、
    nは、正の整数であり、重合度を示す。
  2. 前記化学式(I)で表される構造が、下記化学式(Ia)で表される構造であることを特徴とする、請求項1記載のポリイミドまたはその塩。
    化学式(Ia)中、
    Ar21およびAr22は、それぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、
    Lは、連結基または共有結合であり、
    Ar11、Ar12、Spおよびnは、前記化学式(I)と同一である。
  3. 前記化学式(I)で表される構造が、下記化学式(IIx)で表される構造であることを特徴とする、請求項1記載のポリイミドまたはその塩。
    前記化学式(IIx)中、
    各Rは、それぞれ、水素原子もしくは置換基であるか、または、イミドのN原子に対する結合手であり、同一でも異なっていてもよく、
    各Xは、それぞれ、O、SまたはSeであり、同一でも異なっていてもよく、
    Ar20およびnは、前記化学式(I)と同一である。
  4. 前記化学式(Ia)で表される構造が、下記化学式(IIxa)で表される構造であることを特徴とする、請求項2記載のポリイミドまたはその塩。
    前記化学式(IIxa)中、
    各Rは、それぞれ、水素原子もしくは置換基であるか、または、イミドのN原子に対する結合手であり、同一でも異なっていてもよく、
    各Xは、それぞれ、O、S、またはSeであり、同一でも異なっていてもよく、
    Ar21、Ar22、Lおよびnは、前記化学式(Ia)と同一である。
  5. 前記化学式(I)で表される構造が、下記化学式(II)で表される構造であることを特徴とする、請求項1記載のポリイミドまたはその塩。
    前記化学式(II)中、
    Ar20およびnは、前記化学式(I)と同一である。
  6. 前記化学式(Ia)で表される構造が、下記化学式(IIa)で表される構造であることを特徴とする、請求項2記載のポリイミドまたはその塩。
    前記化学式(IIa)中、
    Ar21、Ar22、Lおよびnは、前記化学式(Ia)と同一である。
  7. 前記化学式(IIa)で表される構造が、下記化学式DAS−PI1で表される構造であることを特徴とする、請求項6記載のポリイミドまたはその塩。
    前記化学式DAS−PI1中、
    nは、前記化学式(IIa)と同一である。
  8. 前記化学式(IIa)で表される構造が、下記化学式DAS−PI2で表される構造であることを特徴とする、請求項6記載のポリイミドまたはその塩。
    前記化学式DAS−PI2中、
    nは前記化学式(IIa)と同一である。
  9. 前記化学式(IIa)で表される構造が、下記化学式DAS−PI3で表される構造であることを特徴とする、請求項6記載のポリイミドまたはその塩。
    前記化学式DAS−PI3中、
    nは前記化学式(IIa)と同一である。
  10. スピロ環または縮合環を有する芳香族ポリアミンと、複数の無水フタル酸基を含む芳香族カルボン酸無水物との縮合物であることを特徴とするポリイミドまたはその塩。
  11. スピロ環または縮合環を有する芳香族ポリアミンと、複数の無水物基を有するカルボン酸無水物とを縮合反応させる縮合反応工程を含むことを特徴とするポリイミドまたはその塩の製造方法。
  12. 前記芳香族ポリアミンが、1分子中にアミノ基を2つ有することを特徴とする請求項11記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
  13. 前記カルボン酸無水物が、1分子中に無水物基を2つ有することを特徴とする請求項11または12記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
  14. 前記カルボン酸無水物が、1分子中に無水フタル酸基を複数有する芳香族カルボン酸無水物であることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
  15. 前記芳香族カルボン酸無水物が、1分子中に無水フタル酸基を2つ有することを特徴とする請求項14記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
  16. 前記芳香族ポリアミンが、下記化学式(A)で表される芳香族ポリアミンであることを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
    前記化学式(A)中、
    Ar11およびAr12は、それぞれ、芳香環または芳香族複素環であり、さらなる置換基を有してもよく、
    Spは、スピロ環または縮合環であり、さらなる置換基を有してもよい。
  17. 前記芳香族ポリアミンが、下記化学式3で表される芳香族ポリアミンであることを特徴とする請求項11から16のいずれか一項に記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
  18. 前記カルボン酸無水物が、下記化学式(B)で表されるカルボン酸無水物であることを特徴とする請求項14から16のいずれか一項に記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
    前記化学式(B)中
    Ar20は、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよい。
  19. 前記カルボン酸無水物が、下記化学式(Ba)で表されるカルボン酸無水物であることを特徴とする請求項14から17のいずれか一項に記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
    前記化学式(Ba)中、
    Ar21およびAr22は、それぞれ、芳香環、芳香族複素環、非芳香環および非環状構造からなる群から選択される少なくとも一つを含む原子団であり、さらなる置換基を有してもよく、
    Lは、連結基または共有結合である。
  20. 前記芳香族カルボン酸無水物が、下記化学式4a〜4cで表される芳香族カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項14から17のいずれか一項に記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
  21. 前記芳香族ポリアミンが、請求項17記載の化学式3で表される芳香族ポリアミンであることを特徴とする請求項20記載のポリイミドまたはその塩の製造方法。
  22. 請求項1から10のいずれか一項に記載のポリイミドまたはその塩を含むことを特徴とする分離膜。
  23. 前記分離膜が、ガス分離膜であることを特徴とする請求項22記載の分離膜。
  24. およびCOの少なくとも一方が、選択的にガス分離膜を透過することを特徴とする請求項23記載の分離膜。
  25. ポリイミドまたはその塩を成膜する成膜工程を含み、
    前記ポリイミドまたはその塩が、請求項1から10のいずれか一項に記載のポリイミドまたは塩であることを特徴とする分離膜の製造方法。
  26. ポリイミドまたはその塩を調製する調製工程と、
    前記ポリイミドまたはその塩を成膜する成膜工程とを含み、
    前記調製工程においてポリイミドまたはその塩を調製する方法が、請求項11から21のいずれか一項に記載のポリイミドまたは塩の製造方法であることを特徴とする分離膜の製造方法。
  27. 複数種類のガスを含む混合ガスにより、ガス分離膜に圧力をかけ、前記複数種類のガスのうち少なくとも1つを選択的に前記ガス分離膜を透過させる工程を含み、
    前記ガス分離膜が、請求項22から24のいずれか一項に記載のガス分離膜であることを特徴とするガス分離方法。
  28. 単一のガスにより、ガス分離膜に圧力をかけ、選択的に前記ガス分離膜を透過させる工程を含む請求項27記載のガス分離方法。
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