JP2019151214A - 船外機およびプロペラユニット用のダンパー部材 - Google Patents

船外機およびプロペラユニット用のダンパー部材 Download PDF

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純弥 尾上
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俊雄 鈴木
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Kenji Yukishima
賢司 雪嶋
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Noriyuki Natsume
典之 夏目
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Manabu Yamamoto
学 山本
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紘真 有賀
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Abstract

【課題】ブッシュの摩耗量の増大を抑制することにより、ダンパー部材の交換頻度の増大を抑制することが可能な船外機およびプロペラユニット用のダンパー部材を提供する。【解決手段】この船外機100は、プロペラシャフト5とプロペラユニット6とを備える。プロペラユニット6は、ダンパー部材10と筒状部20と羽根部30とを含む。ダンパー部材10は、プロペラシャフト5の周囲に固定され、筒状部20の内周面50bの筒方押圧面52aを周方向に押圧するブッシュ方押圧面62aを有するブッシュ60と、筒状部20の内周面50bに弾性変形可能に係合する弾性部材11と、ブッシュ60とは別個に形成され、ブッシュ方押圧面62aと筒方押圧面52aとの間に配置されている補強部材70とを有する。【選択図】図7

Description

この発明は、船外機およびプロペラユニット用のダンパー部材に関する。
従来、プロペラシャフトの周囲に固定されたブッシュを備えたプロペラユニット用のダンパー部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、プロペラシャフトと一体的に回転するブッシュと、弾性材料により構成され、ブッシュの周囲に配置されたプロペラダンパーとを備える船舶推進器用のプロペラが開示されている。このプロペラのブッシュには、外方に突出する第1突起が設けられている。また、プロペラには、プロペラダンパーを介してブッシュを取り囲むとともに内方に突出する第2突起を有するプロペラ筒部が設けられている。そして、プロペラ筒部は、第1突起と第2突起とが周方向に離れた非接触位置と、プロペラダンパーが弾性変形することにより第1突起と第2突起とが接触する接触位置との間で、ブッシュに対して回動可能に構成されている。そして、プロペラダンパーは、第1突起と第2突起とが接触した状態で、プロペラシャフトを介したエンジンからの回転運動を、羽根部が設けられたプロペラ筒部に伝達するように構成されている。これにより、このプロペラでは、羽根部によって推進力が生じる。
特開2015−217893号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたプロペラでは、ブッシュの第1突起とプロペラ筒部の第2突起とが周方向に離れた非接触位置と、プロペラダンパーの弾性変形により第1突起と第2突起とが接触する接触位置との間で移動される。このため、第1突起と第2突起とが接触する際に、第1突起の接触部分と第2突起の接触部分とが擦れ合う。たとえば、第1突起と第2突起とが接触した状態で、羽根部に生じる負荷のバランスが崩れることによって、羽根部からの振動(衝撃)が第1突起と第2突起とに伝わり、第1突起の接触部分と第2突起の接触部分とが擦れ合う。ここで、一般的に、ブッシュおよびプロペラダンパーは、プロペラに対して交換が可能な部品である。したがって、ブッシュの第1突起が第2突起との擦れに起因して摩耗して変形した際に、ブッシュ(およびプロペラダンパー)を交換する必要が生じる。特に、比較的推進力の大きい推進器(船外機)では、羽根部からの振動が大きくなりやすく、また、特殊な形状を有する船体に取付けられる推進器(船外機)用のプロペラでは、羽根部に生じる負荷のバランスが崩れやすく、羽根部からの振動が大きくなるため、ブッシュの摩耗量が増大してブッシュの寿命が短くなり、ブッシュ(およびプロペラダンパー)の交換頻度が増大すると考えられる。このため、従来、ブッシュの摩耗量の増大を抑制することにより、ブッシュおよびプロペラダンパー(プロペラユニット用のダンパー部材)の交換頻度が増大するのを抑制することが可能な船外機およびプロペラユニット用のダンパー部材が望まれていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ブッシュの摩耗量の増大を抑制することにより、ダンパー部材の交換頻度の増大を抑制することが可能な船外機およびプロペラユニット用のダンパー部材を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船外機は、プロペラシャフトと、プロペラシャフトに配置されたプロペラユニットとを備え、プロペラユニットは、プロペラシャフトの周囲に配置されたダンパー部材と、ダンパー部材の周囲に配置され、ダンパー部材に係合する筒状部と、筒状部の径方向の外方に配置された羽根部とを含み、ダンパー部材は、プロペラシャフトの周囲に固定され、筒状部の内面の第1押圧面を周方向に押圧する第2押圧面を有するブッシュと、ブッシュの第2押圧面とは軸線方向に異なる部分の周囲に配置され、筒状部の内面に弾性変形可能に係合する弾性部材と、ブッシュとは別個に形成され、第1押圧面と第2押圧面との間に配置されている補強部材とを有する。
この第1の局面による船外機では、上記のように、ダンパー部材に、ブッシュとは別個に形成され、第1押圧面と第2押圧面との間に配置されている補強部材を設ける。これにより、第1押圧面と第2押圧面とは補強部材が介された状態で、互いに押圧し合う。この結果、第1押圧面と第2押圧面とが直接接触して互いに擦れ合うことなく、第2押圧面と補強部材とが擦れ合う。このため、第1押圧面と第2押圧面とが直接接触して擦れ合う場合に比べて、第1押圧面(ブッシュ)の摩耗量の増大を抑制することができる。その結果、プロペラユニット用のダンパー部材の交換頻度の増大を抑制することができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、補強部材は、第1押圧面および第2押圧面のそれぞれに、相対移動可能に配置されている。このように構成すれば、第1押圧面と補強部材とが擦れ合うとともに、第2押圧面と補強部材とが擦れ合う。これにより、第1押圧面の摩擦量は、第1押圧面と第2押圧面とが直接的に接触して押圧し合う場合の第1押圧面と第2押圧面との摩擦量に比べて、第2押圧面と補強部材とが摩擦される分(摩擦量が分散される分)、小さくなる。その結果、第1押圧面(ブッシュ)の摩耗量の増大を、より一層抑制することができるので、プロペラユニット用のダンパー部材の交換頻度の増大を、より一層抑制することができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、補強部材を構成する材料の耐摩耗性は、ブッシュを構成する材料の耐摩耗性よりも高い。このように構成すれば、補強部材が摩耗する量を低減することができるので、補強部材の寿命をより長くすることができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、筒状部には、第1押圧面を有し、筒状部の内面から径方向の内方に突出する第1突出部が設けられており、ブッシュには、第2押圧面を有し、筒状部の内面に向かって突出する第2突出部が設けられており、補強部材は、第1突出部の周方向の側面としての第1押圧面と、第2突出部の周方向の側面としての第2押圧面との間に配置されている。このように構成すれば、第1突出部の周方向の側面と第2突出部の周方向の側面とが互いに押圧し合うことにより、ブッシュ(プロペラシャフト側)から筒状部(羽根部側)に、容易に回転力を伝達することができる。そして、第1突出部の周方向の側面と、ブッシュの比較的摩耗しやすい部分である第2突出部の周方向の側面との間に補強部材が配置されるので、ブッシュの摩耗量の増大を、効果的に抑制することができる。
この場合、好ましくは、ブッシュには、複数の第2突出部が設けられており、補強部材は、隣り合う第2突出部のうちの周方向の一方向の第2突出部に接触する第1部分と、周方向の他方向の第2突出部に接触する第2部分と、第1部分と第2部分とを接続する接続部分とを含む。ここで、補強部材の第1部分と第2部分とを別個に形成する場合には、第1部分と第2突出部との摩擦により、第1部分の配置位置が所望の配置位置から移動しやすい。また、第2部分と第2突出部との摩擦により、第2部分の配置位置が所望の配置位置から移動しやすいと考えられる。これに対して、本発明では、補強部材に、第1部分と第2部分とを接続する接続部分を設けることにより、第1部分の移動を接続部分を介して接続された第2部分により規制することができるとともに、第2部分の移動を接続部分を介して接続された第1部分により規制することができる。これにより、補強部材(第1部分および第2部分)が所望の配置位置から移動するのを抑制することができる。
上記接続部分を含む補強部材を備える船外機において、好ましくは、補強部材は、弾性部材が周方向の一方向に弾性変形した場合に、一方向の第2突出部の第2押圧面に接触して他方向の第2突出部の第2押圧面から離れるとともに、弾性部材が周方向の他方向に弾性変形した場合に、他方向の第2突出部の第2押圧面に接触して一方向の第2突出部の第2押圧面から離れるように構成されている。ここで、補強部材を、周方向の両側の第2突出部の第2押圧面の両方に固定する場合には、補強部材が一方向の第2突出部および他方向の第2突出部の両方から押圧されるか、または、補強部材が一方向の第2突出部および他方向の第2突出部の両方から引っ張られる状態になり、補強部材に比較的大きな応力が生じると考えられる。これに対して、上記のように、補強部材を、弾性部材が周方向の一方向に弾性変形した場合に、一方向の第2突出部の第2押圧面に接触して他方向の第2突出部の第2押圧面から離れるように構成すれば、補強部材が一方向の第2突出部および他方向の第2突出部の両方から押圧または引っ張られる状態にならないので、補強部材に比較的大きな応力が生じることを抑制することができる。
上記接続部分を含む補強部材を備える船外機において、好ましくは、補強部材は、複数設けられており、複数の補強部材は、第2突出部の周方向の両側面のそれぞれに、別個に設けられている。ここで、補強部材に、第2突出部の周方向の両側面同士を接続するように、第2突出部の径方向の外方の外周面を覆う部分を形成した場合に、第2突出部の両側面のいずれか一方に押圧力が生じた場合には、他方向の側面に接続される補強部材の外周面を覆う部分の形状を維持するために、外周面を覆う部分が押圧されたり、引っ張られる状態になると考えられる。このため、この補強部材では、外周面を覆う部分に応力が生じると考えられる。これに対して、本発明では、複数の補強部材を第2突出部の周方向の両側面のそれぞれに、別個に設けることにより、別個に設けられた複数の補強部材同士が押圧し合うこと、および、引っ張り合うことが抑制されるので、補強部材に応力が生じるのを抑制することができる。
上記第2突出部を有する補強部材を備える船外機において、好ましくは、補強部材は、第2突出部の第2押圧面、および、第2突出部の径方向の外周面の一部を覆うように配置されている。このように構成すれば、第2突出部の径方向の外周面の一部を覆うことにより、補強部材が第2突出部の周方向の側面および径方向の面の両方に接触させることができるので、補強部材を第2突出部の周方向の側面である第2押圧面のみを覆う部分からなるように構成する場合と異なり、補強部材が周方向のみならず径方向に対して所望の配置位置から移動するのを抑制することができる。
上記第2突出部を有する補強部材を備える船外機において、好ましくは、補強部材は、ブッシュの外周面および第2突出部の周方向の側面の少なくとも一部に沿った板形状を有するように形成されている。このように構成すれば、板形状の材料を成形することにより、補強部材を容易に形成することができる。
この場合、好ましくは、板形状の補強部材において、第1押圧面と第2押圧面とにより押圧される部分の厚みは、第2突出部の周方向に沿った長さよりも小さい。このように構成すれば、第1突出部と第2突出部との間に配置される補強部材の厚みが比較的大きい場合と異なり、第1突出部と第2突出部との間の可動範囲が小さくなるのを抑制することができる。この結果、プロペラユニット用のダンパー部材としての性能の低下を抑制しながら、ダンパー部材の交換頻度の増大を抑制することができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、補強部材を構成する金属材料の機械的強度は、ブッシュを構成する金属材料の機械的強度よりも大きい。このように構成すれば、補強部材の機械的強度が大きい分、ダンパー部材の寿命を長くすることができるので、ダンパー部材の交換頻度の増大を、より一層抑制することができる。
この場合、好ましくは、ブッシュは、真鍮を含み、補強部材は、ステンレス鋼を含む。このように構成すれば、補強部材の機械的強度を、ブッシュの機械的強度よりも、容易に大きくすることができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、補強部材は、耐摩耗性を有するメッキ加工が施されている。このように構成すれば、補強部材の耐摩耗性を向上させることができるので、ダンパー部材の寿命をより一層長くすることができる。この結果、ダンパー部材の交換頻度の増大を、さらに一層抑制することができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、ダンパー部材には、プロペラシャフトの軸線方向において、補強部材と弾性部材との間に、弾性部材よりも弾性率の低いスペーサ部材が設けられている。ここで、補強部材が弾性部材に軸線方向に当接するように配置されている場合には、補強部材が軸線方向の位置が所望の位置から移動してしまうと考えられる。また、弾性部材に補強部材が軸線方向に押圧する(食い込む)ことにより、弾性部材が周方向のみならず軸線方向に弾性変形することに起因して、弾性部材の寿命が短くなる場合があると考えられる。これに対して、本発明では、補強部材と弾性部材との間に、スペーサ部材を設けることにより、補強部材の弾性部材に近付く方向への移動を規制することができるとともに、補強部材の弾性部材への食い込みを抑制して、弾性部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、スペーサ部材は、ブッシュの周囲を取り囲む環形状を有する。このように構成すれば、複数のスペーサ部材をブッシュの周囲に別個に形成する場合と異なり、ダンパー部材の部品点数が増加するのを抑制することができる。また、スペーサ部材を環形状に形成することにより、ブッシュの周囲を取り囲むように、容易に配置することができる。
上記スペーサ部材が設けられている船外機において、好ましくは、スペーサ部材は、耐摩耗性を有するメッキ加工が施されている。このように構成すれば、スペーサ部材の耐摩耗性を向上させることができるので、スペーサ部材の寿命をより長くすることができる。
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、補強部材は、ダンパー部材に対して着脱可能に構成されている。このように構成すれば、ブッシュおよび弾性部材とは別個に、補強部材のみでも交換することができる。
この発明の第2の局面によるプロペラユニット用のダンパー部材は、プロペラシャフトの周囲に配置された筒状部と、筒状部の径方向の外方に配置された羽根部とを備え、筒状部の内面に係合するプロペラユニット用のダンパー部材であって、プロペラシャフトの周囲に固定され、筒状部の内面の第1押圧面を周方向に押圧する第2押圧面を有するブッシュと、ブッシュの第2押圧面とは軸線方向に異なる部分の周囲に配置され、筒状部の内面に弾性変形可能に係合する弾性部材と、ブッシュとは別個に形成され、第1押圧面と第2押圧面との間に配置されている補強部材とを有する。
この発明の第2の局面によるプロペラユニット用のダンパー部材では、上記のように構成することにより、ブッシュの摩耗量の増大を抑制することにより、プロペラユニット用のダンパー部材の交換頻度の増大を抑制することが可能なプロペラユニット用のダンパー部材を提供することができる。
上記第2の局面によるプロペラユニット用のダンパー部材において、好ましくは、補強部材は、第1押圧面および第2押圧面のそれぞれに、相対移動可能に配置されている。このように構成すれば、第1押圧面と補強部材とが擦れ合うとともに、第2押圧面と補強部材とが擦れ合うので、第1押圧面の摩擦量は、第1押圧面と第2押圧面とが直接的に接触して押圧し合う場合の第1押圧面と第2押圧面との摩擦量に比べて、第2押圧面と補強部材とが摩擦される分(摩擦量が分散される分)、小さくなる。その結果、第1押圧面(ブッシュ)の摩耗量の増大を、より一層抑制することができるので、プロペラユニット用のダンパー部材の交換頻度の増大を、より一層抑制することができる。
上記第2の局面によるプロペラユニット用のダンパー部材において、好ましくは、補強部材を構成する材料の耐摩耗性は、ブッシュを構成する材料の耐摩耗性よりも高い。このように構成すれば、補強部材が摩耗する量を低減することができるので、補強部材の寿命をより長くすることができる。
本発明によれば、上記のように、ブッシュの摩耗量の増大を抑制することにより、プロペラユニット用のダンパー部材の交換頻度の増大を抑制することができる。
本発明の一実施形態による船外機全体の構成を示した側面図である。 本発明の一実施形態によるプロペラユニットの構造を示した断面図である。 本発明の一実施形態によるプロペラユニットの分解断面図である。 本発明の一実施形態による内方筒状部の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による内方筒状部を軸線方向に見た図である。 本発明の一実施形態による弾性部材および内方筒状部の構成を示した断面図である。 本発明の一実施形態による補強部材の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態によるダンパー部材の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による弾性部材が弾性変形していない状態のブッシュ方突出部、内方筒状部および補強部材の位置関係を示す図である。 本発明の一実施形態による弾性部材が一方向に弾性変形した状態のブッシュ方突出部、内方筒状部および補強部材の位置関係を示す図である。 本発明の一実施形態による弾性部材が他方向に弾性変形した状態のブッシュ方突出部、内方筒状部および補強部材の位置関係を示す図である。 本発明の一実施形態による内部スペーサ部材の構成を軸線方向に見た図である。 本発明の一実施形態による第1変形例によるダンパー部材の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による第2変形例によるダンパー部材の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による第3変形例によるダンパー部材の構成を示す断面図である。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
[船外機の構成]
図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による船外機100の構成について説明する。なお、下記の説明において、「前方」または「前進方向」と記載した場合は、図1中の「FWD」の方向を意味し、「後方」または「後進方向」と記載した場合は、図1中の「BWD」の方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態による船外機100は、船体101の後方部分に取り付けられている。船外機100は、エンジン1と、ドライブシャフト2と、シフトロッド3と、ギア部4と、プロペラシャフト5と、プロペラユニット6と、ブラケット7とを備える。そして、船外機100は、ブラケット7により、船体101に取り付けられている。
船外機100は、カウリング8aと、カウリング8aの下方側に設けられるケース部8bとを備える。エンジン1は、カウリング8a内に収納されている。ドライブシャフト2とシフトロッド3とギア部4とプロペラシャフト5とは、ケース部8bの内部に配置されている。また、プロペラユニット6は、ケース部8bの下方部分の後方に配置されている。ブラケット7は、ケース部8bの前方に配置されている。
エンジン1は、ガソリンや軽油などの燃料が爆発燃焼されることにより駆動される内燃機関により構成されている。ドライブシャフト2は、上下方向に延びるように配置されており、エンジン1の駆動(回転力)を伝達するように構成されている。ドライブシャフト2の上端部は、エンジン1のクランクシャフト(図示せず)に接続されている。そして、ドライブシャフト2の下端部は、ギア部4に接続されている。ギア部4は、プロペラシャフト5に接続されている。そして、ギア部4は、シフトロッド3の位置により、ギア同士のかみ合わせの状態が切り換えられ、ドライブシャフト2からの回転運動を、プロペラシャフト5に前進方向に推進力を生じさせる回転方向(矢印C1方向)の回転運動として伝達する状態、後進方向に推進力を生じさせる回転方向(矢印C2方向)の回転運動として伝達する状態、または、プロペラシャフト5に回転運動を伝達しない状態(ニュートラルの状態)との間で切り替えられるように構成されている。
プロペラシャフト5は、前後方向に沿って延びるように配置されている。ここで、軸線Caとは、プロペラシャフト5により構成される軸線を意味している。そして、プロペラシャフト5は、ギア部4から伝達された回転力をプロペラユニット6に伝達するように構成されている。また、プロペラシャフト5は、たとえば、ステンレス鋼により構成されている。
(プロペラユニットの構成)
プロペラユニット6は、図1に示すように、プロペラシャフト5からの回転力を、ダンパー部材10を介して、筒状部20に伝達するように構成されている。そして、プロペラユニット6は、筒状部20と、筒状部20に一体的に形成された羽根部30とを回転させることにより、推進力を発生させるように構成されている。
図2に示すように、プロペラユニット6は、プロペラシャフト5の周囲を取り囲むように配置されている。そして、プロペラユニット6は、プロペラシャフト5の周囲に配置されたダンパー部材10と、ダンパー部材10の周囲に配置され、ダンパー部材10に係合する筒状部20と、筒状部20の径方向の外方に配置された羽根部30とを含む。筒状部20および羽根部30は、金属材料により構成されている。好ましくは、筒状部20および羽根部30は、たとえば、ステンレス鋼により構成されている。なお、ダンパー部材10は、特許請求の範囲の「プロペラユニット用のダンパー部材」の一例である。
なお、以下の説明では、単に「外方」と記載した場合には、軸線Caから径方向に遠ざかる方向を意味し、「内方」と記載した場合には、軸線Caに向かって径方向に近付く方向を意味するものとする。また、周方向とは、軸線Ca回りに沿った方向(矢印C1方向または矢印C2方向)を意味するものとする。また、軸線方向とは、軸線Caに沿った方向を意味するものとする。
〈筒状部の構成〉
図2および図3に示すように、筒状部20は、外方に設けられた外方筒状部40と、内方に設けられ、ダンパー部材10に係合する内方筒状部50とを含む。そして、外方筒状部40は、内方筒状部50を周方向に取り囲む筒状に形成されている。外方筒状部40の内周面40aと内方筒状部50の外周面50aとの間には、エンジン1からの排気、および、冷却水(排水)を通過させる通路41が設けられている。通路41は、後進方向の部分から水中に排気および排水可能に開口している。また、筒状部20には、外方筒状部40の内周面40aから内方筒状部50の外周面50aに亘って延びる複数(たとえば、3つ)のリブ42が設けられている。
また、プロペラユニット6には、ダンパー部材10および内方筒状部50の前方に配置されている前方スペーサ部材21と、ダンパー部材10の後方でかつ内方筒状部50の内方に配置されている後方スペーサ部材22とが設けられている。前方スペーサ部材21は、プロペラシャフト5の径が後方に向かって徐々に小さくなるテーパー部5aを取り囲むように配置されている。前方スペーサ部材21の内周面21aとテーパー部5aとが接触している。後方スペーサ部材22は、プロペラシャフト5の外周面5bに固定されている。前方スペーサ部材21および後方スペーサ部材22は共に、軸線Caを中心とする環形状に形成されている。後方スペーサ部材22の外周面22aは内方筒状部50のスペーサ配置部50cの内壁に対して平行に配置されており、スペーサ配置部50cの内壁と、外周面22aとの間には、隙間が設けられている。
また、少なくとも前方スペーサ部材21の表面、および、後方スペーサ部材22の外周面22aは、クロムメッキ加工(耐摩耗性メッキ加工、硬質クロムメッキ加工)が施されている。
また、プロペラユニット6には、後方スペーサ部材22の後方の面22bに接触するように配置されたワッシャ23と、ワッシャ23の後方の面23aに接触するように配置され、プロペラシャフト5の螺合部5cに締結されたナット24と、ナット24とプロペラシャフト5とを固定する固定部材25とが設けられている。そして、テーパー部5a、前方スペーサ部材21、ナット24および固定部材25により、プロペラシャフト5に対するプロペラユニット6の前後方向の配置位置が規制(固定)されている。
図4に示すように、内方筒状部50の前方部分には、プロペラシャフト5を環形状に取り囲むとともに、前方スペーサ部材21(図2参照)の外周面21bおよび外方に突出する支持部21cに接触するフランジ部51が設けられている。フランジ部51の内周面51aと前方スペーサ部材21の外周面21bとが接触している。また、前方スペーサ部材21の後方の面21dは、後述するブッシュ60および補強部材70の軸線方向の位置を規制する面として構成されている。
図5に示すように、本実施形態では、内方筒状部50には、筒方押圧面52aを有し、内方筒状部50の内周面50bから径方向の内方に突出する筒方突出部52が設けられている。たとえば、筒方突出部52は、複数(たとえば、3つ)設けられており、等角度間隔(たとえば、120度間隔)で配置されている。また、筒方突出部52の突出高さh1は、内周面50bから径方向の内方の頂面52bまでの長さである。また、筒方突出部52は、軸線方向に見た断面(ブッシュ方押圧面62aおよび頂面62bからなる断面)が、略台形形状に形成されている。なお、内周面50bは、特許請求の範囲の「筒状部の内面」の一例である。また、筒方突出部52は、特許請求の範囲の「第1突出部」の一例である。また、筒方押圧面52aは、特許請求の範囲の「第1押圧面、第1突出部の周方向の側面」の一例である。また、ブッシュ方押圧面62aは、特許請求の範囲の「第2押圧面、第2突出部の周方向の側面」の一例である。また、頂面62bは、特許請求の範囲の「第2突出部の径方向の外周面」の一例である。
筒方押圧面52aは、弾性部材11が最大作動角θで弾性変形した状態(図6参照)において、後述するブッシュ方押圧面62a(図7参照)と互いに押圧し合うように配置されている。また、図2に示すように、筒方突出部52の後方の面52cは、ダンパー部材10および内部スペーサ部材80の軸線方向の位置を規制するように形成されている。
図6に示すように、内方筒状部50には、弾性部材11との溝部11aに嵌るように構成され、筒方突出部52の突出高さh1よりも低い突出高さh2(図5参照)を有する嵌合突出部53が設けられている。嵌合突出部53の数(たとえば、12個)は、筒方突出部52の数よりも多い。図4に示すように、複数の嵌合突出部53のうちの一部は、筒方突出部52から後方に向かって連続して延びるように形成されている。また、筒方突出部52および嵌合突出部53は共に、フランジ部51から後方に向かって延びるように形成されている。また、筒方突出部52の軸線方向の長さL1(図3参照)は、嵌合突出部53の軸線方向の長さL2よりも小さい。
(ダンパー部材の構成)
ダンパー部材10は、シフトの切替(ギア部4のかみ合わせの状態の変更)によるプロペラシャフト5から筒状部20への衝撃の伝達を抑制する(衝撃を吸収する)とともに、複数の羽根部30に掛かる負荷がアンバランスになることによる衝撃が、船外機100の本体(プロペラシャフト5、ギア部4およびエンジン1)に伝達されるのを抑制する(衝撃を吸収する)機能を有する。具体的には、図6に示すように、ダンパー部材10には、弾性部材11が設けられており、ダンパー部材10と筒状部20との周方向の相対位置が変化しながら弾性部材11が周方向に弾性変形することにより、衝撃が吸収される。また、ダンパー部材10は、内方筒状部50(筒状部20)に対して着脱可能に構成されており、船外機100に対して交換することが可能な部品である。
ここで、図7に示すように、本実施形態では、ダンパー部材10は、プロペラシャフト5の周囲に固定され、内方筒状部50の内周面50bの筒方押圧面52aを周方向に押圧するブッシュ方押圧面62aを有するブッシュ60と、ブッシュ60とは別個に形成され、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとの間に配置されている補強部材70とを含む。図6に示すように、弾性部材11は、ブッシュ60のブッシュ方押圧面62aとは軸線方向に異なる部分(後方部分)の周囲に配置され、内方筒状部50の内周面50bの嵌合突出部53に弾性変形可能に係合するように構成されている。
〈ブッシュの構成〉
ブッシュ60は、図2に示すように、プロペラシャフト5の外周面5bにスプライン結合されて固定されている。これにより、ブッシュ60は、プロペラシャフト5と一体的に回転するように構成されている。また、ブッシュ60は、たとえば、金属材料としての真鍮により構成されている。また、ブッシュ60には、筒状部分61と、筒状部分61の前方の部分から外方に突出するブッシュ方突出部62とが設けられている。また、ブッシュ60の表面(少なくとも、ブッシュ方押圧面62a、好ましくは、ブッシュ60の表面全体)には、クロムメッキ加工(耐摩耗性メッキ加工)が施されている。
筒状部分61は、プロペラシャフト5の外周面5bを覆うように、軸線Ca方向に延びる円筒状に形成されている。筒状部分61の内周面61aは、プロペラシャフト5の外周面5bにスプライン結合されている。筒状部分61の外周面61bには、弾性部材11が配置されている。
ブッシュ方突出部62は、図9に示すように、本実施形態では、ブッシュ方押圧面62aを有する。そして、ブッシュ方突出部62は、内方筒状部50の内周面50bに向かって突出するように構成されている。また、ブッシュ方突出部62は、周方向に幅(周方向両側のブッシュ方押圧面62a同士の距離)はW1である。また、図7に示すように、ブッシュ方突出部62の外周面である頂面62bと、内方筒状部50の内周面50bとの間には、隙間CL1が設けられている。また、ブッシュ方突出部62は、軸線方向に見た断面(ブッシュ方押圧面62aおよび頂面62bからなる断面)が、略台形状(略矩形状)に形成されている。
また、ブッシュ方突出部62は、複数設けられており、たとえば、筒方突出部52と同数(たとえば、3つ)設けられている。複数のブッシュ方突出部62は、等角度間隔(たとえば、120度間隔)に設けられている。
ここで、ダンパー部材10の最大作動角θは、筒状部20に対するブッシュ60の周方向の可動角範囲に対応する。すなわち、筒方突出部52に対するブッシュ方突出部62の相対角度の可動範囲が最大作動角θとなる。そして、最大作動角θは、補強部材70と筒方突出部52の周方向の筒方押圧面52aとの周方向の距離D1(図7参照)に基づく大きさとなる。なお、作動角とは、弾性部材11が弾性変形することによる筒状部20に対するブッシュ60の矢印C1方向または矢印C2方向の回動角度を意味する。また、距離D1とは、弾性部材11が周方向の一方に弾性変形した状態における補強部材70の当接面71bまたは72b(図7では当接面72b)と筒方押圧面52aとの距離を意味するものとする。
〈補強部材〉
補強部材70は、図7に示すように、ブッシュ60とは別個に形成され、ブッシュ方突出部62(ダンパー部材10)の機械的強度を大きくする(補強する)機能を有する。具体的には、補強部材70は、筒方突出部52とブッシュ方突出部62との周方向の間に配置され、ブッシュ方押圧面62aとブッシュ60の外周面61bとに沿った板形状に形成されている。そして、補強部材70は、ブッシュ60または内方筒状部50に対して、固定部材または接着剤等により固定されておらず、補強部材70は、ダンパー部材10に対して可動および着脱可能に構成されている。
ここで、本実施形態では、補強部材70を構成する金属材料の機械的強度は、ブッシュ60を構成する金属材料の機械的強度よりも大きい。機械的強度とは、たとえば、耐摩耗性、硬度(ブレネル硬さおよびビッカース硬さ)、引張強さ、および、曲げ強度の少なくとも1つの強度である。具体的には、本実施形態では、補強部材70を構成する材料の耐摩耗性は、ブッシュ60を構成する材料の耐摩耗性よりも高い。具体的には、補強部材70は、たとえば、ブッシュ60を構成する真鍮よりも機械的強度を大きい金属材料としてのステンレス鋼により構成されている。
また、本実施形態では、補強部材70の表面(少なくとも当接面71a、71b、72aおよび72b)には、耐摩耗性のメッキ加工が施されている。たとえば、補強部材70には、クロムメッキ加工が施されている。好ましくは、補強部材70の表面全体が、耐摩耗性のメッキ加工が施されている。
図8に示すように、補強部材70は、複数設けられており、たとえば、ブッシュ方突出部62の数と同数(たとえば、3つ)設けられている。図9に示すように、複数の補強部材70は、ブッシュ方突出部62の周方向の両側のブッシュ方押圧面62aのそれぞれに、別個に設けられている。
ブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62aは、複数の補強部材70によって、覆われている一方、ブッシュ方突出部62の頂面62bの一部は、補強部材70に対して露出されている。言い換えると、本実施形態では、補強部材70は、ブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62a、および、ブッシュ方突出部62の径方向の外周面であるブッシュ60の外周面である頂面62bの一部を覆うように配置されている。図2に示すように、内部スペーサ部材80を基準として、補強部材70の軸線方向の高さh11は、ブッシュ方突出部62の軸線方向の高さh12と略同等である。略同等とは、たとえば、高さh11と高さh12との差異が、高さh12の30%以下の範囲内であることとする。
図7に示すように、補強部材70は、隣り合うブッシュ方突出部62のうちの周方向の一方向(矢印C2方向)のブッシュ方突出部62に接触する第1部分71と、周方向の他方向(矢印C1方向)のブッシュ方突出部62に接触する第2部分72と、第1部分71と第2部分72とを接続する接続部分73とを含む。そして、第1部分71と、第2部分72と、接続部分73とは、連続して形成(一体的に形成)されている。なお、第1部分71および第2部分72は、特許請求の範囲の「第1押圧面と第2押圧面とにより押圧される部分」の一例である。
第1部分71および第2部分72には、ブッシュ方押圧面62aに接触する当接面71aおよび72aが設けられているとともに、筒方押圧面52aに接触する当接面71bおよび72bが設けられている。また、後述するように、当接面71bおよび72bのうちの一方が筒方押圧面52aに接触している場合は、他方は筒方押圧面52aには接触していない。
ここで、本実施形態では、第1部分71は、ブッシュ方突出部62のうちのブッシュ方押圧面62aと頂面62bとの境界部分である角部62dに沿って形成されるとともに、頂面62bの周方向端部近傍の部分を覆う第1被覆部分71cを有する。また、第2部分72は、第1部分71と同様に、頂面62bの周方向端部近傍の部分を覆う第2被覆部分72cを有する。
また、第1被覆部分71cの外周面71dと内周面50bとの間、および、第2被覆部分72cの外周面72dと内周面50bとの間には、それぞれ、隙間CL2が形成されている。これにより、補強部材70は、径方向にブッシュ60および内方筒状部50に対して径方向に相対移動可能に構成されている。すなわち、本実施形態では、補強部材70は、筒方押圧面52aおよびブッシュ方押圧面62aのそれぞれに対して、径方向および周方向に相対移動可能に配置されている。
図7に示すように、本実施形態では、板形状の補強部材70において、ブッシュ方押圧面62aと筒方押圧面52aとにより押圧される部分である第1部分71および第2部分72の厚みt1は、ブッシュ方突出部62の周方向に沿った幅W1(図9参照)よりも小さい。また、厚みt1は、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとの距離D1よりも小さい。そして、補強部材70の接続部分73の厚みt2は、ブッシュ60の外周面61bと内方筒状部50の内周面50bとの間の距離D2よりも小さい。これにより、接続部分73と、筒方突出部52との径方向の間に、隙間CL3が形成されている。
ここで、本実施形態では、図7および図10に示すように、補強部材70は、ブッシュ60が矢印C1方向に移動するように、弾性部材11が周方向の一方向(矢印C2方向)に弾性変形した場合に、矢印C2方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62a(符号A1)に接触して矢印C1方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62a(符号A2)から離れるように構成されている。また、補強部材70は、弾性部材11が周方向の他方向(矢印C1方向)に弾性変形した場合に、矢印C1方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62a(符号A2)に接触して矢印C2方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62a(符号A1)から離れるように構成されている。
詳細には、図10に示すように、弾性部材11が弾性変形することにより、矢印C1方向に最大作動角θで、プロペラシャフト5(ブッシュ60)が筒状部20(内方筒状部50)に対して、周方向に相対移動した場合、補強部材70の第1部分71の当接面71bと、筒方突出部52の筒方押圧面52aとが、互いに接触する。この時、第2部分72の当接面72bは、筒方突出部52の筒方押圧面52aから離れて配置された状態となる。
そして、図7に示すように、第1部分71が、筒方突出部52とブッシュ方突出部62との間に配置されるとともに、当接面71aとブッシュ方押圧面62aとが互いに摺動(矢印f参照)し、当接面71bとブッシュ方押圧面62aとが互いに摺動(矢印f参照)する。これにより、補強部材70が筒方押圧面52aおよびブッシュ方押圧面62aに沿って移動する(隙間CL2が小さくなる)。
また、第2部分72の当接面72aが、ブッシュ方押圧面62aから離れることにより、当接面72aと、ブッシュ方押圧面62aとの間に、隙間CL4が形成される。なお、図11に示すように、弾性部材11が弾性変形することにより、矢印C2方向に最大作動角θで、プロペラシャフト5(ブッシュ60)が筒状部20(内方筒状部50)に対して、周方向に相対移動した場合も、上記の矢印C1方向に相対移動した場合と同様であるため、説明を省略する。
〈弾性部材の構成〉
弾性部材11は、たとえば、ゴムまたは樹脂などの弾性材料により構成されている。図2に示すように、弾性部材11の内周面11bは、たとえば、ブッシュ60の外周面61bに加硫接着により固定されている。これにより、弾性部材11の内周面11bは、ブッシュ60と一体的に回転する。
図8に示すように、弾性部材11の外周面11cには、軸線方向に沿って形成され、内方筒状部50の嵌合突出部53が嵌りこむ複数の溝部11aが設けられている。たとえば、溝部11aに対して嵌合突出部53が圧入された状態で配置されていることにより、溝部11aと内方筒状部50との相対位置が固定されている。そして、弾性部材11の溝部11aと内周面11bとが周方向に相対的に移動するような回転力がブッシュ60または内方筒状部50に加えられることにより、弾性部材11が周方向に弾性変形する。
〈内部スペーサ部材の構成〉
ダンパー部材10には、図8に示すように、ブッシュ60のブッシュ方突出部62および補強部材70よりも軸方向の後方の部分で、かつ、弾性部材11が配置されている部分よりも前方の部分の外周面61bに配置されている内部スペーサ部材80が設けられている。すなわち、補強部材70と弾性部材11との間に内部スペーサ部材80が配置されている。
ここで、本実施形態では、内部スペーサ部材80は、弾性部材11よりも弾性率が低い材料により構成されている。内部スペーサ部材80は、ゴムおよび樹脂材料よりも弾性率が低い金属材料により構成されており、たとえば、ステンレス鋼またはアルミニウム(またはアルミニウム合金)により構成されている。また、内部スペーサ部材80の表面には、耐摩耗性を有するメッキ加工(クロムメッキ加工)が施されている。
図12に示すように、内部スペーサ部材80は、ブッシュ60の周囲を取り囲む環形状を有するように形成されている。たとえば、内部スペーサ部材80は、円環形状の平板形状に形成されている。また、内部スペーサ部材80の外周面80aは、ブッシュ方突出部62の頂面62bよりも径方向の外方に配置され、かつ、弾性部材11の溝部11aよりも径方向の内方に配置されている。図2に示すように、内部スペーサ部材80は、厚みt2を有する。厚みt2は、補強部材70の軸線方向の長さL11(高さh11の大きさ)よりも小さく、厚みt1よりも小さい。
また、内部スペーサ部材80は、内部スペーサ部材80の前方の面81が補強部材70の後方の端部、および、内方筒状部50の後方の面52cに接触するように配置されている。また、内部スペーサ部材80は、内部スペーサ部材80の後方の面82が弾性部材11の前方の面11dに接触するように配置されている。
[ダンパー部材の動作]
次に、図6、図9、図10、および、図11を参照して、本実施形態による船外機100(ダンパー部材10)の動作について説明する。
プロペラシャフト5にエンジン1からの回転力が伝達されていない状態(図9参照)から、矢印C1方向にプロペラシャフト5にエンジン1からの回転力の伝達が開始されることにより、図10に示すように、プロペラシャフト5およびブッシュ60が一体的に矢印C1方向に回転する。
そして、ブッシュ60と、ブッシュ60の外周面61bに固定されている弾性部材11の内周面11bとが一体的に回転する一方、筒状部20(内方筒状部50)には、羽根部30が回転することによる水からの反力が矢印C2方向に生じる。これにより、図6に示すように、内方筒状部50の嵌合突出部53に嵌め合っている弾性部材11の溝部11aと内周面11bとの周方向の相対位置が変化するように、弾性部材11が弾性変形する。
そして、図10に示すように、弾性部材11が弾性変形することにより、ブッシュ60と内方筒状部50の周方向の相対位置が最大作動角θ分ずれた場合に、補強部材70(第1部分71)がブッシュ方押圧面62aと、筒方押圧面52aとの間に挟まれた状態になる。これにより、補強部材70(第1部分71)を介してブッシュ方押圧面62aと筒方押圧面52aとが互いに押圧し合い、回転力(トルク)の伝達が行われる。また、第2部分72は、筒方押圧面52aおよびブッシュ方押圧面62aのうちの少なくとも筒方押圧面52aから離れた位置に配置された状態になる。好ましくは、補強部材70は、径方向および周方向に移動することにより、第2部分72が筒方押圧面52aおよびブッシュ方押圧面62aの両方から離れる。
そして、筒状部20に回転力が伝達されることにより、筒状部20と一体的に形成されている羽根部30が矢印C1方向に回転され、羽根部30の周囲の水が後方に押し出され、船体101を前進方向に推し進める推進力が発生する。そして、羽根部30等に衝撃(複数の羽根部30同士の周方向の荷重のアンバランス)が生じた場合、ブッシュ60と内方筒状部50の周方向の相対位置が変化して弾性部材11に衝撃が吸収される。
また、シフトロッド3により、プロペラシャフト5の回転方向が矢印C2方向に変更された場合、図11に示すように、プロペラシャフト5およびブッシュ60が一体的に矢印C2方向に回転する。そして、弾性部材11が弾性変形することにより、ブッシュ60と内方筒状部50の周方向の相対位置が矢印C2方向に最大作動角θ分ずれる。この時、シフトの切り替えに伴う衝撃が、弾性部材11が弾性変形することによって吸収される。
そして、補強部材70(第2部分72)がブッシュ方押圧面62aと、筒方押圧面52aとの間に挟まれた状態になる。これにより、補強部材70(第2部分72)を介してブッシュ方押圧面62aと筒方押圧面52aとが互いに押圧し合い、回転力(トルク)の伝達が行われる。また、第1部分71は、筒方押圧面52aおよびブッシュ方押圧面62aのうちの少なくとも筒方押圧面52aから離れた位置に配置された状態になる。好ましくは、補強部材70は、径方向および周方向に移動することにより、第1部分71が筒方押圧面52aおよびブッシュ方押圧面62aの両方から離れる。そして、筒状部20に回転力が伝達されることにより、筒状部20と一体的に形成されている羽根部30が矢印C2方向に回転され、羽根部30の周囲の水が前方に押し出され、船体101を後進方向に推し進める推進力が発生する。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、ダンパー部材10に、ブッシュ60とは別個に形成され、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとの間に配置されている補強部材70を設ける。これにより、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとは補強部材70が介された状態で、互いに押圧し合う。この結果、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとが直接接触して擦れ合うことなく、ブッシュ方押圧面62aと補強部材70とが擦れ合うので、筒方押圧面52aの摩耗量が増大するのを抑制することができる。この結果、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとが直接接触して擦れ合う場合に比べて、筒方押圧面52a(ブッシュ)の摩耗量の増大を抑制することができる。その結果、プロペラユニット6用のダンパー部材10の交換頻度の増大を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を、筒方押圧面52aおよびブッシュ方押圧面62aのそれぞれに、相対移動可能に配置する。これにより、筒方押圧面52aと補強部材70とが擦れ合うとともに、ブッシュ方押圧面62aと補強部材70とが擦れ合う。この結果、筒方押圧面52aの摩擦量は、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとが直接的に接触して押圧し合う場合の筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとの摩擦量に比べて、ブッシュ方押圧面62aと補強部材70とが摩擦される分(摩擦量が分散される分)、小さくなる。その結果、筒方押圧面52a(ブッシュ)の摩耗量の増大を、より一層抑制することができるので、プロペラユニット6用のダンパー部材10の交換頻度の増大を、より一層抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を構成する材料の耐摩耗性を、ブッシュ60を構成する材料の耐摩耗性よりも高くする。これにより、補強部材70が摩耗する量を低減することができるので、補強部材70の寿命をより長くすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、筒状部20に、筒方押圧面52aを有し、筒状部20の内周面50bから径方向の内方に突出する筒方突出部52を設ける。また、ブッシュ60に、ブッシュ方押圧面62aを有し、筒状部20の内周面50bに向かって突出するブッシュ方突出部62を設ける。また、補強部材70を、筒方突出部52の周方向の側面としての筒方押圧面52aと、ブッシュ方突出部62の周方向の側面としてのブッシュ方押圧面62aとの間に配置する。これにより、筒方突出部52の周方向の側面とブッシュ方突出部62の周方向の側面とが互いに押圧し合うことにより、ブッシュ60(プロペラシャフト5側)から筒状部20(羽根部30側)に、容易に回転力を伝達することができる。そして、筒方突出部52の周方向の側面と、ブッシュ60の比較的摩耗しやすい部分であるブッシュ方突出部62の周方向の側面との間に補強部材70が配置されるので、ブッシュ60の摩耗量の増大を、効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ブッシュ60に、複数のブッシュ方突出部62が設ける。また、補強部材70に、隣り合うブッシュ方突出部62のうちの周方向の一方向のブッシュ方突出部62に接触する第1部分71と、周方向の他方向のブッシュ方突出部62に接触する第2部分72と、第1部分71と第2部分72とを接続する接続部分73とを設ける。これにより、第1部分71の移動を接続部分73を介して接続された第2部分72により規制することができるとともに、第2部分72の移動を接続部分73を介して接続された第1部分71により規制することができる。この結果、補強部材70(第1部分71および第2部分72)が所望の配置位置から移動するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を、弾性部材11が周方向の一方向に弾性変形した場合に、一方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62aに接触して他方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62aから離れるとともに、弾性部材11が周方向の他方向に弾性変形した場合に、他方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62aに接触して一方向のブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62aから離れるように構成する。これにより、補強部材70が一方向のブッシュ方突出部62および他方向のブッシュ方突出部62の両方から押圧または引っ張られる状態にならないので、補強部材70に比較的大きな応力が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を、複数設けて、複数の補強部材70を、ブッシュ方突出部62の周方向の両側面(ブッシュ方押圧面62a)のそれぞれに、別個に設ける。これにより、別個に設けられた複数の補強部材70同士が押圧し合うこと、および、引っ張り合うことが抑制されるので、補強部材70に応力が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を、ブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62a、および、ブッシュ方突出部62の径方向の外周面である頂面62bの一部を覆うように配置する。これにより、ブッシュ方突出部62の頂面62bの一部を覆うことにより、補強部材70がブッシュ方突出部62のブッシュ方押圧面62aおよび頂面62bの両方に接触させることができるので、補強部材70をブッシュ方突出部62の周方向の側面であるブッシュ方押圧面62aのみを覆う部分からなるように構成する場合と異なり、補強部材70が周方向のみならず径方向に対して所望の配置位置から移動するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を、ブッシュ60の外周面61bおよびブッシュ方突出部62の周方向の側面であるブッシュ方押圧面62aの少なくとも一部に沿った板形状を有するように形成する。これにより、板形状の材料を成形することにより、補強部材70を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、板形状の補強部材70において、筒方押圧面52aとブッシュ方押圧面62aとにより押圧される第1部分71および第2部分72の厚みt1は、ブッシュ方突出部62の周方向に沿った幅W1よりも小さい。これにより、筒方突出部52とブッシュ方突出部62との間に配置される補強部材70の厚みt1が比較的大きい場合と異なり、筒方突出部52とブッシュ方突出部62との間の可動範囲(最大作動角θ)が小さくなるのを抑制することができる。この結果、プロペラユニット6用のダンパー部材10としての性能の低下を抑制しながら、ダンパー部材10の交換頻度の増大を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を構成する金属材料の機械的強度を、ブッシュ60を構成する金属材料の機械的強度よりも大きくする。これにより、補強部材70の機械的強度が大きい分、ダンパー部材10の寿命を長くすることができるので、ダンパー部材10の交換頻度の増大を、より一層抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ブッシュ60は、真鍮を含み、補強部材70は、ステンレス鋼を含む。これにより、補強部材70の機械的強度を、ブッシュ60の機械的強度よりも、容易に大きくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70に、耐摩耗性を有するメッキ加工を施す。これにより、補強部材70の耐摩耗性を向上させることができるので、ダンパー部材10の寿命をより一層長くすることができる。この結果、ダンパー部材10の交換頻度の増大を、さらに一層抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ダンパー部材10に、プロペラシャフト5の軸線方向において、補強部材70と弾性部材11との間に、弾性部材11よりも弾性率の低い内部スペーサ部材80を設ける。これにより、補強部材70の弾性部材11に近付く方向への移動を規制することができるとともに、補強部材70の弾性部材11への食い込みを抑制して、弾性部材11の寿命が短くなるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、内部スペーサ部材80を、ブッシュ60の周囲を取り囲む環形状に形成する。これにより、複数の内部スペーサ部材80をブッシュ60の周囲に別個に形成する場合と異なり、ダンパー部材10の部品点数が増加するのを抑制することができる。また、内部スペーサ部材80を環形状に形成することにより、ブッシュ60の周囲を取り囲むように、容易に配置することができる。
また、本実施形態では、上記のように、内部スペーサ部材80に、耐摩耗性を有するメッキ加工を施す。これにより、内部スペーサ部材80の耐摩耗性を向上させることができるので、内部スペーサ部材80の寿命をより長くすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、補強部材70を、ダンパー部材10に対して着脱可能に構成する。これにより、ブッシュ60および弾性部材11とは別個に、補強部材70のみでも交換することができる。これにより、船外機100の寿命をより長くすることができる。
[変形例]
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
(第1変形例)
たとえば、上記実施形態では、ダンパー部材に、複数の補強部材を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図13に示す第1変形例のダンパー部材210のように、単一の補強部材270が設けられていてもよい。具体的には、ダンパー部材210の補強部材270には、軸線方向に見て、環形状に形成されている。そして、補強部材270は、ブッシュ方押圧面62aを覆う部分270aと、部分270aに一体的に形成され、頂面62bを覆う部分270bとを含む。
(第2変形例)
また、上記実施形態では、複数の補強部材をダンパー部材に設ける場合に、ブッシュ方突出部の周方向の両側面のそれぞれに、別個に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図14に示す第2変形例のダンパー部材310のように、一のブッシュ方突出部62の周方向の両側面のブッシュ方押圧面62aに亘って形成される補強部材370が設けられていてもよい。すなわち、補強部材370は、ブッシュ方突出部62の表面(ブッシュ方押圧面62aおよび頂面62b)を覆うように、各ブッシュ方突出部62ごとに設けられている。また、ブッシュ60の外周面61bの一部が露出されている。
(第3変形例)
また、上記実施形態では、ブッシュに、ブッシュ方突出部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図15に示す第3変形例のダンパー部材410のように、ブッシュ460には、ブッシュ方突出部が設けられていない。そして、このダンパー部材410には、ブッシュ460の角部461の押圧面461aと、筒状部420のストッパ部421の押圧面421aとの間に、補強部材470が設けられている。なお、押圧面421aは、特許請求の範囲の「第1押圧面」の一例である。また、押圧面461aは、特許請求の範囲の「第2押圧面」の一例である。
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、筒状部に、内方筒状部と外方筒状部とを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、筒状部を単一の筒状部として構成してもよい。
また、上記実施形態では、補強部材を、ブッシュ方押圧面および筒方押圧面のそれぞれに、相対移動可能に配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、補強部材を、ブッシュ方押圧面に固定して、補強部材を、筒方押圧面のみに、相対移動可能にお配置してもよい。
また、上記実施形態では、補強部材に耐摩耗性のメッキ加工を施す例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ダンパー部材の交換頻度の増大を抑制する観点から、補強部材に耐摩耗性のメッキ加工を施すことが好ましいものの、必ずしも、補強部材に耐摩耗性のメッキ加工を施さなくてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材をステンレス鋼により構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、補強部材をチタンまたは炭素鋼等の金属材料、または、金属材料以外の耐摩耗性を有する材料により構成してもよい。
また、上記実施形態では、ブッシュに複数のブッシュ方突出部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ブッシュに単一のブッシュ方突出部を設けてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材を板形状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、補強部材を、ブロック状に形成してもよい。
また、上記実施形態では、補強部材の第1部分および第2部分の厚みt1を、ブッシュ方突出部の周方向に沿った幅W1よりも小さく構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ダンパー部材の最大作動角が小さくなってもよい場合には、補強部材の第1部分および第2部分の厚みt1を、ブッシュ方突出部の周方向に沿った幅W1よりも大きく構成してもよい。
また、上記実施形態では、1つの部材におり、スペーサ部材を環形状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数のスペーサ部材を組み合わせて、スペーサ部材を環形状に形成してもよい。
5 プロペラシャフト、6 プロペラユニット、10 210 310 410 ダンパー部材(プロペラユニット用のダンパー部材)、11 弾性部材、20 420 筒状部、30 羽根部、50b 内周面(筒状部の内面)、52 筒方突出部(第1突出部)、52a 筒方押圧面(第1押圧面、第1突出部の周方向の側面)、60、460 ブッシュ、61b 外周面(ブッシュの外周面)、62 ブッシュ方突出部(第2突出部)、62a ブッシュ方押圧面(第2押圧面、第2突出部の周方向の側面)、62b 頂面(第2突出部の径方向の外周面)、70、270、370、470 補強部材、71 第1部分(第1押圧面と第2押圧面とにより押圧される部分)、72 第2部分(第1押圧面と第2押圧面とにより押圧される部分)、73 接続部分、80 スペーサ部材、100 船外機、421a 押圧面(第1押圧面)、461a 押圧面(第2押圧面)

Claims (20)

  1. プロペラシャフトと、
    前記プロペラシャフトに配置されたプロペラユニットとを備え、
    前記プロペラユニットは、前記プロペラシャフトの周囲に配置されたダンパー部材と、前記ダンパー部材の周囲に配置され、前記ダンパー部材に係合する筒状部と、前記筒状部の径方向の外方に配置された羽根部とを含み、
    前記ダンパー部材は、
    前記プロペラシャフトの周囲に固定され、前記筒状部の内面の第1押圧面を周方向に押圧する第2押圧面を有するブッシュと、
    前記ブッシュの前記第2押圧面とは軸線方向に異なる部分の周囲に配置され、前記筒状部の内面に弾性変形可能に係合する弾性部材と、
    前記ブッシュとは別個に形成され、前記第1押圧面と前記第2押圧面との間に配置されている補強部材とを有する、船外機。
  2. 前記補強部材は、前記第1押圧面および前記第2押圧面のそれぞれに、相対移動可能に配置されている、請求項1に記載の船外機。
  3. 前記補強部材を構成する材料の耐摩耗性は、前記ブッシュを構成する材料の耐摩耗性よりも高い、請求項1または2に記載の船外機。
  4. 前記筒状部には、前記第1押圧面を有し、前記筒状部の内面から径方向の内方に突出する第1突出部が設けられており、
    前記ブッシュには、前記第2押圧面を有し、前記筒状部の内面に向かって突出する第2突出部が設けられており、
    前記補強部材は、前記第1突出部の周方向の側面としての前記第1押圧面と、前記第2突出部の周方向の側面としての前記第2押圧面との間に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の船外機。
  5. 前記ブッシュには、複数の前記第2突出部が設けられており、
    前記補強部材は、隣り合う前記第2突出部のうちの周方向の一方向の前記第2突出部に接触する第1部分と、周方向の他方向の前記第2突出部に接触する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続する接続部分とを含む、請求項4に記載の船外機。
  6. 前記補強部材は、前記弾性部材が周方向の一方向に弾性変形した場合に、前記一方向の第2突出部の前記第2押圧面に接触して前記他方向の第2突出部の前記第2押圧面から離れるとともに、前記弾性部材が周方向の他方向に弾性変形した場合に、前記他方向の第2突出部の前記第2押圧面に接触して前記一方向の第2突出部の前記第2押圧面から離れるように構成されている、請求項5に記載の船外機。
  7. 前記補強部材は、複数設けられており、
    前記複数の補強部材は、前記第2突出部の周方向の両側面のそれぞれに、別個に設けられている、請求項5または6に記載の船外機。
  8. 前記補強部材は、前記第2突出部の前記第2押圧面、および、前記第2突出部の径方向の外周面の一部を覆うように配置されている、請求項4〜7のいずれか1項に記載の船外機。
  9. 前記補強部材は、前記ブッシュの外周面および前記第2突出部の周方向の側面の少なくとも一部に沿った板形状を有するように形成されている、請求項4〜8のいずれか1項に記載の船外機。
  10. 前記板形状の補強部材において、前記第1押圧面と前記第2押圧面とにより押圧される部分の厚みは、前記第2突出部の周方向に沿った長さよりも小さい、請求項9に記載の船外機。
  11. 前記補強部材を構成する金属材料の機械的強度は、前記ブッシュを構成する金属材料の機械的強度よりも大きい、請求項1〜10のいずれか1項に記載の船外機。
  12. 前記ブッシュは、真鍮を含み、
    前記補強部材は、ステンレス鋼を含む、請求項11に記載の船外機。
  13. 前記補強部材は、耐摩耗性を有するメッキ加工が施されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の船外機。
  14. 前記ダンパー部材には、前記プロペラシャフトの軸線方向において、前記補強部材と前記弾性部材との間に、前記弾性部材よりも弾性率の低いスペーサ部材が設けられている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の船外機。
  15. 前記スペーサ部材は、前記ブッシュの周囲を取り囲む環形状を有する、請求項14に記載の船外機。
  16. 前記スペーサ部材は、耐摩耗性を有するメッキ加工が施されている、請求項14または15に記載の船外機。
  17. 前記補強部材は、前記ダンパー部材に対して着脱可能に構成されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の船外機。
  18. プロペラシャフトの周囲に配置された筒状部と、前記筒状部の径方向の外方に配置された羽根部とを備え、前記筒状部の内面に係合するプロペラユニット用のダンパー部材であって、
    前記プロペラシャフトの周囲に固定され、前記筒状部の内面の第1押圧面を周方向に押圧する第2押圧面を有するブッシュと、
    前記ブッシュの前記第2押圧面とは軸線方向に異なる部分の周囲に配置され、前記筒状部の内面に弾性変形可能に係合する弾性部材と、
    前記ブッシュとは別個に形成され、前記第1押圧面と前記第2押圧面との間に配置されている補強部材とを有する、プロペラユニット用のダンパー部材。
  19. 前記補強部材は、前記第1押圧面および前記第2押圧面のそれぞれに、相対移動可能に配置されている、請求項18に記載のプロペラユニット用のダンパー部材。
  20. 前記補強部材を構成する材料の耐摩耗性は、前記ブッシュを構成する材料の耐摩耗性よりも高い、請求項18または19に記載のプロペラユニット用のダンパー部材。
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