JP2023054607A - 船舶推進装置、プロペラユニット及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】船舶推進装置において、ダンパを介さない経路でプロペラ軸からプロペラに動力が伝達されることを抑制する。【解決手段】船舶推進装置は、プロペラと、プロペラ軸と、ブッシュと、ダンパと、スペーサとを備える。プロペラ軸は、プロペラを支持する。ブッシュは、プロペラとプロペラ軸の間に配置され、プロペラ軸と一体回転する。ダンパは、ブッシュに固定され、プロペラ軸の回転をプロペラに伝達する。スペーサは、ブッシュの前方でプロペラと前後方向に離れて配置され、プロペラ軸に対してブッシュを位置決めする。【選択図】図2
Description
本発明は、船舶推進装置、プロペラユニット及び方法に関する。
エンジンからプロペラ軸に伝達されるトルクをダンパを介してプロペラに伝達する舶推進装置が知られている。ダンパは、プロペラの回転方向のトルクを吸収する。ダンパによってプロペラの回転方向のトルクを吸収することで、エンジンのトルク変動によりドッグクラッチにおいてギア同士が衝突を繰り返すことで生じる異音や、シフト操作時におけるドッグクラッチの衝撃および衝撃音を抑制する。
特許文献1に開示されている船舶推進装置では、プロペラ軸に対してダンパをスラスト方向に位置決めするスペーサと、プロペラとが互いに接触している。このため、プロペラの回転によって前進方向の推進力が発生したときに、プロペラがスペーサに押し付けられて、プロペラとスペーサとの摩擦力が大きくなる。この摩擦力によってプロペラに伝達されるトルクは、ダンパを介さずに伝達されるので、結果としてダンパによる減衰効果が低減している。
本開示の目的は、船舶推進装置において、ダンパを介さない経路でプロペラ軸からプロペラに動力が伝達されることを抑制することにある。
本開示の第1の態様に係る船舶推進装置は、プロペラと、プロペラ軸と、ブッシュと、ダンパと、スペーサとを備える。プロペラ軸は、プロペラを支持する。ブッシュは、プロペラとプロペラ軸の間に配置され、プロペラ軸と一体回転する。ダンパは、ブッシュに固定され、プロペラ軸の回転をプロペラに伝達する。スペーサは、ブッシュの前方でプロペラと前後方向に離れて配置され、プロペラ軸に対してブッシュを位置決めする。
本開示の第2の態様に係るプロペラユニットは、船舶推進装置のプロペラ軸に装着される。プロペラユニットは、プロペラとスペーサとを備える。プロペラは、プロペラ軸に支持され、プロペラ軸の回転がダンパを介して伝達される。スペーサは、プロペラの前方でプロペラと前後方向に離れてプロペラ軸に装着される。
本開示の第3の態様に係る方法は、船舶推進装置のプロペラ軸にプロペラユニットを組み付ける方法である。プロペラユニットは、プロペラと、ブッシュと、ダンパと、スペーサとを備える。ブッシュは、プロペラ軸と一体回転する。ダンパは、ブッシュに固定され、前後方向においてプロペラを位置決めし、プロペラ軸の回転をプロペラに伝達する。本方法は、プロペラ軸にスペーサを挿入する工程と、プロペラ軸にスペーサを挿入した後で、スペーサとプロペラとの間に前後方向に隙間を設けてブッシュをプロペラ軸に固定する工程とを含む。
本開示に係る船舶推進装置では、スペーサは、プロペラとの間に前後方向の隙間を有している。このため、プロペラの回転によって前進方向の推進力が発生したときに、プロペラとスペーサとの摩擦を抑制できる。これにより、プロペラとスペーサとの摩擦力によってプロペラに伝達されるトルクを抑制できるので、ダンパを介さない経路でプロペラに動力が伝達されることを抑制できる。その結果、ダンパによる減衰効果が得られ易くなり、例えば、エンジンのトルク変動によりドッグクラッチにおいてギア同士が衝突を繰り返すことで生じる異音や、シフト操作時におけるドッグクラッチの衝撃音を抑制することが可能になる。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る船外機2の側面図である。船外機2は、船舶推進装置の一例である。船外機2は、図示しない船舶の船尾に取り付けられる。船外機2は、船舶を推進させる推進力を発生させる。
船外機2は、駆動源3と、ドライブ軸4と、プロペラ軸5と、シフト機構6と、プロペラユニット7を備える。
駆動源3は、プロペラ軸5を回転させる回転力を発生させる。駆動源3は、例えばエンジンである。駆動源3は、クランク軸3aを含む。クランク軸3aは、鉛直方向に延びている。
ドライブ軸4は、駆動源3の駆動により回転する。ドライブ軸4は、鉛直方向に延びている。ドライブ軸4は、クランク軸3aに接続されている。
プロペラ軸5は、後述するプロペラ10を支持する。プロペラ軸5の軸線方向Aは、船外機2の前後方向と一致する。すなわち、プロペラ軸5は、船外機2の前後方向に延びている。なお、以下の説明において、プロペラ軸5の軸線方向Aを軸方向と称し、軸線方向Aと直交する方向を径方向と称する。また、矢印Fが指し示す方向を前方、矢印Bが指し示す方向を後方と称する。
図2は、プロペラユニット7の断面模式図である。より詳細には、図2は、プロペラ軸5に駆動源3からの回転力が伝達されていない状態におけるプロペラユニット7の断面模式図である。
図2に示すように、プロペラ軸5は、テーパ部5aと、スプライン部5bと、雄ねじ部5cとを含む。テーパ部5aは、後方に向かって先細る形状を有している。スプライン部5bは、テーパ部5aの後方に配置されている。雄ねじ部5cは、スプライン部5bの後方に配置されている。
シフト機構6は、ドライブ軸4とプロペラ軸5との接続を開閉する。シフト機構6は、プロペラ軸5の回転方向を切り換える。
図1に示すように、シフト機構6は、ドライブギア6aと、前進ギア6bと、後進ギア6cと、ドッグクラッチ6dとを含む。ドライブギア6aは、ドライブ軸4と一体回転する。前進ギア6b及び後進ギア6cは、ドライブギア6aと噛み合う。前進ギア6b及び後進ギア6cには、ドライブギア6aを介してドライブ軸4の回転が伝達される。
ドッグクラッチ6dは、前進位置と、中立位置と、後進位置とに移動可能である。ドッグクラッチ6dが前進位置にあるときは、前進ギア6bがプロペラ軸5に接続され、ドライブ軸4の回転は、前進ギア6bを介してプロペラ軸5に伝達される。ドッグクラッチ6dが中立位置にあるときは、前進ギア6b及び後進ギア6cからプロペラ軸5が開放され、ドライブ軸4の回転はプロペラ軸5に伝達されない。ドッグクラッチ6dが後進位置にあるときは、後進ギア6cがプロペラ軸5に接続され、ドライブ軸4の回転は、後進ギア6cを介してプロペラ軸5に伝達される。
図2に示すように、プロペラユニット7は、プロペラ軸5に装着される。プロペラユニット7は、プロペラ10と、ブッシュ20と、ダンパ30と、第1スペーサ40と、第2スペーサ50と、ワッシャ60と、ナット70とを含む。
プロペラ10は、プロペラ軸5の回転がダンパ30を介して伝達される。プロペラ10は、プロペラ10の正回転(前進方向の回転)による推進力が発生したときに、ダンパ30の弾性変形によって第1スペーサ40に近づく方向に移動する。
プロペラ10は、内筒部11と、外筒部12と、複数の羽根部13と、図示しない複数のリブとを含む。
内筒部11及び外筒部12は、筒状に形成されており、軸方向に延びている。内筒部11は、外筒部12の内側に配置されている。内筒部11の内側には、プロペラ軸5のスプライン部5bが配置されている。内筒部11は、第1スペーサ40の後方で第1スペーサ40と前後方向に離れて配置されている。内筒部11と第1スペーサ40との間には、前後方向において2mm程度の隙間が設けられている。前後方向における内筒部11と第1スペーサ40との隙間は、少なくとも1mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることがさらに好ましい。内筒部11は、プロペラ10の正回転による推進力が発生したときに、ダンパ30の弾性変形によって第1スペーサ40に近づく方向(前方)に移動する。
外筒部12は、内筒部11を径方向から覆うように配置されている。複数の羽根部13は、外筒部12の外周面から径方向に延びている。複数のリブは、径方向に延びており、内筒部11と外筒部12とを接続する。複数のリブは、内筒部11の外周面と外筒部12の外周面とに接続されている。
ブッシュ20は、筒状に形成されており、軸方向に延びている。ブッシュ20は、径方向において、内筒部11とプロペラ軸5の間に配置されている。ブッシュ20は、プロペラ軸5に固定されており、プロペラ軸5と一体回転する。ブッシュ20の内周面は、プロペラ軸5のスプライン部5bにスプライン結合されている。
ブッシュ20は、軸方向において、第1スペーサ40と第2スペーサ50の間に配置されている。ブッシュ20は、第1スペーサ40と接触する前端部20aと、第2スペーサ50と接触する後端部20bとを含む。ブッシュ20は、テーパ部5aと、第1スペーサ40と、第2スペーサ50と、ワッシャ60と、ナット70によって軸方向の移動が禁止されている。
ダンパ30は、プロペラ軸5の回転をプロペラ10に伝達するとともに、プロペラ軸5からプロペラ10に伝達される衝撃を抑制する。ダンパ30は、プロペラ軸5の回転方向のトルクを吸収することで、駆動源3のトルク変動によりシフト機構6においてギア同士が衝突を繰り返すことで生じる異音や、シフト操作時におけるドッグクラッチ6dの衝撃音を抑制する。駆動源3のトルク変動によりシフト機構6においてギア同士が衝突を繰り返すことで生じる異音は、駆動源3の回転数が低速域(例えば、駆動源3の回転数が1500rpm以下)において発生し易い。なお、以下では、駆動源3のトルク変動によりシフト機構6においてギア同士が衝突を繰り返すことで生じる異音のことを単に「ラトル音」と記すことがある。
ダンパ30は、弾性変形可能な弾性部材で構成されている。ダンパ30は、例えばゴム製であり、筒状に形成されている。ダンパ30は、軸方向に延びている。ダンパ30は、ブッシュ20の外周面に固定されており、ブッシュ20とともにプロペラ軸5と一体回転する。ダンパ30の内周面は、ブッシュ20に対して移動不能にブッシュ20の外周面に固定されている。ダンパ30は、内筒部11の内側で内筒部11に圧入固定されている。ダンパ30の外周面は、内筒部11の内周面にスプライン結合されている。これにより、プロペラ軸5の回転がブッシュ20及びダンパ30を介してプロペラ10に伝達される。
第1スペーサ40は、スペーサの一例である。第1スペーサ40は、筒状に形成されている。第1スペーサ40は、外筒部12の内側に配置されている。第1スペーサ40は、プロペラ軸5のテーパ部5aに装着される。第1スペーサ40の内周面は、プロペラ軸5のテーパ部5aに接触している。第1スペーサ40は、テーパ部5aによって前方への移動が規制されている。
第1スペーサ40は、ブッシュ20の前方でプロペラ10の内筒部11と前後方向に離れてプロペラ軸5に配置されている。第1スペーサ40は、ブッシュ20に接触した状態で、プロペラ10の内筒部11と前後方向に離れて配置されている。第1スペーサ40は、第1スペーサ40は、プロペラ軸5に対してブッシュ20を位置決めする。第1スペーサ40は、ブッシュ20の前方への移動を禁止する。
第1スペーサ40は、位置決め部40aと、規制部40bと、支持部40cとを含む。位置決め部40aは、径方向に延びている。位置決め部40aは、ブッシュ20の前端部20aと前後方向に対向して配置されている。位置決め部40aは、第1スペーサ40の後端面によって構成されている。位置決め部40aは、ブッシュ20の前端部20aに接触して配置され、プロペラ軸5に対してブッシュ20を位置決めする。
規制部40bは、位置決め部40aよりも前方に配置されている。規制部40bは、径方向に延びている。規制部40bは、径方向において、位置決め部40aよりも外側に配置されている。規制部40bは、内筒部11と前後方向に対向している。規制部40bは、内筒部11の前方に配置されており、内筒部11と前後方向に離れて配置されている。
支持部40cは、位置決め部40aと規制部40bとの間に配置されている。支持部40cは、軸方向に延びている。支持部40cは、内筒部11の前端付近の内周面に接触して配置され、径方向において、内筒部11を支持する。
第2スペーサ50は、筒状に形成されている。第2スペーサ50は、軸方向において、ブッシュ20とワッシャ60の間に配置されている。第2スペーサ50は、プロペラ軸5の外周面に装着されている。第2スペーサ50の前面は、ブッシュ20の後端部20bに接触している。第2スペーサ50の後面は、ワッシャ60に接触している。
ワッシャ60は、軸方向において、第2スペーサ50とナット70の間に配置されている。ワッシャ60は、プロペラ軸5の雄ねじ部5cに装着されている。ワッシャ60の後面は、ナット70に接触している。
ナット70は、プロペラ軸5の雄ねじ部5cに締結されている。ナット70と第1スペーサ40とによって、ブッシュ20、第2スペーサ50及びワッシャ60が挟持されている。
図3は、ダンパ30が弾性変形したときのプロペラユニット7の断面模式図である。より詳細には、図3は、プロペラ10の正回転(前進方向の回転)による推進力によってダンパ30が所定負荷を超える負荷を受けて弾性変形したときのプロペラユニット7の断面模式図である。
プロペラ10は、ダンパ30の弾性変形に応じて、図2に示す初期位置から図3に示す接触位置まで移動可能である。図3に示すように、プロペラ10は、接触部14を含む。接触部14は、内筒部11に配置されている。接触部14は、内筒部11の前端面によって構成されている。接触部14は、径方向において、第1スペーサ40の支持部40cと重なる。接触部14は、第1スペーサ40の規制部40bと前後方向に対向している。接触部14は、ブッシュ20の前端部20aよりも前方に配置されている。接触部14は、ダンパ30の弾性変形に応じて規制部40bに接触する。接触部14は、ダンパ30に必要以上の負荷がかかることを抑制する。
接触部14は、プロペラ10の正回転による推進力が発生している状態(以下、単に「前進状態」と記す)で、ダンパ30に所定負荷を超える負荷がかかると、ダンパ30の弾性変形によって第1スペーサ40の規制部40bと前後方向に接触する。接触部14は、前進状態でダンパ30に所定負荷を超える負荷がかかるまでの間は、規制部40bと接触しない。すなわち、前進状態でダンパ30に所定負荷を超える負荷がかかるまでの間は、内筒部11は、前後方向において第1スペーサ40から離れている。
所定負荷は、ダンパ30の限界負荷以下に設定されている。限界負荷は、ダンパ30が破損しない程度の負荷の大きさである。限界負荷は、ダンパ30が本来の機能を損なう状態が生じない程度の負荷である。限界負荷は、例えば、ダンパ30の塑性変形が生じない程度の負荷であることが好ましい。
なお、接触部14は、前進状態で駆動源3からプロペラ軸5に伝達される駆動力が所定駆動力を超えると、ダンパ30の弾性変形によって第1スペーサ40の規制部40bと前後方向に接触する構成であってもよい。この場合、所定駆動力は、ダンパ30の限界負荷以下に設定される。或いは、接触部14は、前進状態で駆動源3の回転数が所定回転数を超えると、ダンパ30の弾性変形によって第1スペーサ40の規制部40bと前後方向に接触する構成であってもよい。この場合、所定回転数は、ダンパ30の限界負荷に対応する回転数以下に設定される。所定回転数は、例えば、2000rpm以下の値に設定されている。また、所定回転数は、1000rpmよりも大きく、1500rpmよりも大きい値に設定されることがより好ましい。
具体的には、船外機2において、駆動源3の回転数が1500rpm以下のときにラトル音が発生する場合は、所定回転数は、1500rpmよりも大きい値に設定されることが好ましい。或いは、船外機2において、駆動源3の回転数が400rpm~1200rpmの領域においてラトル音が発生する場合は、所定回転数は、1200rpmよりも大きい値に設定されることが好ましい。或いは、船外機2において、駆動源3の回転数が400rpm~1000rpmの領域においてラトル音が発生する場合は、所定回転数は、1000rpmよりも大きい値に設定されることが好ましい。なお、ダンパ30を介さない経路で駆動源3からの回転力がプロペラ10に伝達されることを抑制するといった観点からは、所定回転数は、ラトル音が発生する領域における駆動源3の回転数の最大値よりもダンパ30の限界負荷に対応する回転数に近い値に設定されることが好ましい。例えば、ラトル音が発生する領域における駆動源3の回転数の最大値が1500rpmで、ダンパ30の限界負荷に対応する回転数が2100rpmの場合、所定回転数は、1800rpmよりも大きい値に設定されることが好ましい。
図4は、ダンパ30に対するプロペラ10の位置決めを説明するための図である。ダンパ30は、前後方向においてプロペラ10を位置決めする凹部31を外周面に有している。プロペラ10は、凹部31に係止される凸部15を含む。
凹部31は、ダンパ30の外周面からダンパ30の内周面に向かう方向に凹む形状を有している。凹部31は、底部31aと、第1内壁31bと、第2内壁31cとを含む。底部31aは、軸方向に延びている。第1内壁31bは、図4に示すように、断面視で、底部31aの前端から内筒部11に向かって径方向に延びている。第1内壁31bは、凸部15を係止することで、ダンパ30に対してプロペラ10が前方に滑ることを防止する。これにより、接触部14と第1スペーサ40の規制部40bとの前後方向の隙間が一定に維持され易くなる。
第2内壁31cは、図4に示すように、断面視で、底部31aと第2内壁31cとのなす角度が鈍角になるように形成されている。第2内壁31cは、断面視で、底部31aの後端から後方かつ内筒部11に向かって径方向に延びている。
凸部15は、内筒部11の内周面に形成されている。凸部15は、内筒部11の外周面から内筒部11の内周面に向かう方向に突出する形状を有している。凸部15は、凹部31の形状に対応する形状を有している。これにより、ダンパ30を内筒部11に圧入するときに、第1内壁31bが凸部15を乗り越え易くなる。
上記の船外機2では、第1スペーサ40は、プロペラ10との間に前後方向の隙間を有している。このため、プロペラ10の回転によって前進方向の推進力が発生したときに、プロペラ10と第1スペーサ40との摩擦を抑制できる。これにより、プロペラ10と第1スペーサ40との摩擦力によってプロペラ10に伝達されるトルクを抑制できるので、ダンパ30を介さない経路で駆動源3からの回転力がプロペラ10に伝達されることを抑制できる。その結果、ダンパ30による減衰効果が得られ易くなり、駆動源3のトルク変動によりドッグクラッチ6dにおいてギア同士が衝突を繰り返すことで生じる異音や、シフト操作時におけるドッグクラッチ6dの衝撃音を抑制することが可能になる。
次に、船外機2のプロペラ軸5にプロペラユニット7を組み付ける工程について説明する。図5は、プロペラユニット7の分解断面模式図である。なお、図5では、プロペラ10の外筒部12の図示を省略している。
図5に示すように、プロペラ10と、ダンパ30が固定されたブッシュ20と、第1スペーサ40と、第2スペーサ50と、ワッシャ60と、ナット70とを準備する。プロペラ軸5に第1スペーサ40を挿入する。プロペラ軸5に第1スペーサ40を挿入した後で、第1スペーサ40とプロペラ10との間に前後方向に隙間を設けてブッシュ20をプロペラ軸5に固定する。
詳細には、ダンパ30が固定されたブッシュ20をプロペラ10の内筒部11に圧入固定する。ダンパ30は、凹部31で凸部15を係止することで、前後方向においてプロペラ10を位置決めする。なお、ダンパ30は、プロペラ10の内筒部11に予め圧入固定されている状態であってもよい。
ブッシュ20、第2スペーサ50、ワッシャ60をプロペラ軸5に挿入し、ブッシュ20の前端部20aが第1スペーサ40の位置決め部40aに接触するまでナット70を雄ねじ部5cにねじ込み、ブッシュ20をプロペラ軸5に固定する。ここでは、第1スペーサ40の規制部40bと位置決め部40aとの間の軸方向の距離は、プロペラ10の接触部14とブッシュ20の前端部20aとの間の軸方向の距離よりも大きく設定されている。このため、ブッシュ20をプロペラ軸5に固定したときに、図2に示すように、プロペラ10の接触部14は、第1スペーサ40の規制部40bから前後方向に離れて配置される。なお、プロペラ10の接触部14を第1スペーサ40の規制部40bから前後方向に離れて配置するために、後述するワッシャ42を配置してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
図6は、第1スペーサ40の第1変形例を説明するための図である。第1変形例に係る第1スペーサ40は、規制部40bが位置決め部40aよりも後方に配置されており、径方向において接触部14と重ならない。支持部40cは、省略されている。この場合、プロペラ10の接触部14は、ブッシュ20の前端部20aよりも後方に配置される。また、第1スペーサ40の規制部40bと位置決め部40aとの間の軸方向の距離は、プロペラ10の接触部14とブッシュ20の前端部20aとの間の軸方向の距離よりも小さく設定される。
図7は、第1スペーサ40の第2変形例を説明するための図である。第2変形例に係る第1スペーサ40は、位置決め部40aと規制部40bとが径方向に重なる位置に配置されており、径方向において接触部14と重ならない。すなわち、規制部40bは、位置決め部40aと同一平面上に形成されている。支持部40cは、省略されている。この場合、プロペラ10の接触部14は、ブッシュ20の前端部20aよりも後方に配置される。
図8は、第1スペーサ40の第3変形例を説明するための図である。第3変形例に係る第1スペーサ40は、スペーサ本体41と、ワッシャ42とを含む。スペーサ本体41は、位置決め部40aと、規制部40bと、支持部40cとを含む。ワッシャ42は、軸方向において、スペーサ本体41とブッシュ20の間に配置されている。ワッシャ42は、前後方向におけるスペーサ本体41の規制部40bとプロペラ10の接触部14との間の隙間を調整する。この場合は、例えば、既存の船舶推進装置において、スペーサ本体41とブッシュ20の間にワッシャ42を配置することで、プロペラ10をスペーサ本体41と前後方向に離れて配置することができる。
図9は、プロペラ10及びダンパ30の変形例を説明するための図である。変形例に係るダンパ30は、前後方向において、プロペラ10を位置決めする凸部32を外周面に有している。変形例に係るプロペラ10は、凸部32に係止される凹部16を含む。
凹部16は、内筒部11の内周面に形成されている。凹部16は、内筒部11の内周面から内筒部11の外周面に向かう方向に凹む形状を有している。凹部16は、底部16aと、第1内壁16bと、第2内壁16cとを含む。底部16aは、軸方向に延びている。第1内壁16bは、断面視で、底部16aの後端からブッシュ20に向かって径方向に延びている。第2内壁16cは、断面視で、底部16aと第2内壁16cとのなす角度が鈍角になるように形成されている。第2内壁16cは、断面視で、底部16aの前端から前方かつブッシュ20に向かって径方向に延びている。
凸部32は、ブッシュ20の外周面に形成されている。凸部32は、ブッシュ20の内周面からブッシュ20の外周面に向かう方向に突出する形状を有している。凸部32は、凹部16の形状に対応する形状を有している。
前記実施形態では、船舶推進装置の一例として船外機2を例示したが、船内外機などの他の船舶推進装置に本発明を適用してもよい。
駆動源3は、電動モータであってもよい。或いは、駆動源3は、エンジンと電動モータとを含むハイブリッドシステムであってもよい。
プロペラユニット7のブッシュ20、ダンパ30又は第2スペーサ50は、ダンパ30に対してプロペラ10が後方に滑ることを抑制、若しくは禁止する機能を有してもよい。例えば、第2スペーサ50は、内筒部11の後端面に形成された図示しない切り欠きにかみ合うように構成されてもよい。
凹部31は、プロペラ軸5の回転方向に間隔を隔てて配置された複数の凹部31のうちの1つであってもよい。凸部15は、プロペラ軸5の回転方向に間隔を隔てて配置された複数の凹部31のうちの1つであってもよい。凹部16は、プロペラ軸5の回転方向に間隔を隔てて配置された複数の凹部16のうちの1つであってもよい。凸部32は、プロペラ軸5の回転方向に間隔を隔てて配置された複数の凸部32のうちの1つであってもよい。
2 船外機(船舶推進装置の一例)
3 駆動源
5 プロペラ軸
7 プロペラユニット
10 プロペラ
14 接触部
15 凸部
16 凹部
20 ブッシュ
30 ダンパ
31 凹部
32 凸部
40 第1スペーサ(スペーサの一例)
41 スペーサ本体
42 ワッシャ
3 駆動源
5 プロペラ軸
7 プロペラユニット
10 プロペラ
14 接触部
15 凸部
16 凹部
20 ブッシュ
30 ダンパ
31 凹部
32 凸部
40 第1スペーサ(スペーサの一例)
41 スペーサ本体
42 ワッシャ
Claims (14)
- プロペラと、
前記プロペラを支持するプロペラ軸と、
前記プロペラと前記プロペラ軸の間に配置され、前記プロペラ軸と一体回転するブッシュと、
前記ブッシュに固定され、前記プロペラ軸の回転を前記プロペラに伝達するダンパと、
前記ブッシュの前方で前記プロペラと前後方向に離れて配置され、前記プロペラ軸に対して前記ブッシュを位置決めするスペーサと、
を備える、
船舶推進装置。
- 前記スペーサは、前記ブッシュに接触した状態で、前記プロペラと前記前後方向に離れて配置されている、
請求項1に記載の船舶推進装置。
- 前記プロペラは、前記プロペラの正回転による推進力が発生したときに、前記ダンパの弾性変形によって前記スペーサに近づく方向に移動する、
請求項1又は2に記載の船舶推進装置。
- 前記プロペラは、前記プロペラの正回転による推進力が発生している状態で前記ダンパに所定負荷を超える負荷がかかると、前記ダンパの弾性変形によって前記スペーサと前記前後方向に接触する接触部を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記所定負荷は、前記ダンパの限界負荷以下に設定されている、
請求項4に記載の船舶推進装置。
- 前記プロペラ軸を回転させる回転力を発生させる駆動源をさらに備え、
前記プロペラは、前記プロペラの正回転による推進力が発生している状態で前記駆動源の回転数が所定回転数を超えると、前記ダンパの弾性変形によって前記スペーサと前記前後方向に接触する接触部を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記所定回転数は、2000rpm以下の値に設定されている、
請求項6に記載の船舶推進装置。
- 前記プロペラの前記接触部は、前記プロペラ軸の径方向において、前記スペーサと重ならない
請求項4から7のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記スペーサは、スペーサ本体と、前記スペーサ本体と前記ブッシュの間に配置されるワッシャとを含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記ダンパは、前記前後方向において前記プロペラを位置決めする凹部を外周面に有し、
前記プロペラは、前記凹部に係止される凸部を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 前記ダンパは、前記前後方向において前記プロペラを位置決めする凸部を外周面に有し、
前記プロペラは、前記凸部に係止される凹部を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の船舶推進装置。
- 船舶推進装置のプロペラ軸に装着されるプロペラユニットであって、
前記プロペラ軸に支持され、前記プロペラ軸の回転がダンパを介して伝達されるプロペラと、
前記プロペラの前方で前記プロペラと前後方向に離れて前記プロペラ軸に配置されるスペーサと、
を備える、
プロペラユニット。
- 船舶推進装置のプロペラ軸にプロペラユニットを組み付ける方法であって、
前記プロペラユニットは、
プロペラと、
前記プロペラ軸と一体回転するブッシュと、
前記ブッシュに固定され、前記プロペラ軸の回転を前記プロペラに伝達するダンパと、
前記プロペラ軸に対して前記ブッシュを位置決めするスペーサと、
を備え、
前記プロペラ軸に前記スペーサを挿入する工程と、
前記プロペラ軸に前記スペーサを挿入した後で、前記スペーサと前記プロペラとの間に前後方向に隙間を設けて前記ブッシュを前記プロペラ軸に固定する工程とを含む、方法。
- 前記スペーサは、スペーサ本体と、前記スペーサ本体と前記ブッシュの間に配置され、
前記前後方向における前記スペーサ本体と前記プロペラとの間の隙間を調整するワッシャとを含む、
請求項13に記載の方法。
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JP2021163566A JP2023054607A (ja) | 2021-10-04 | 2021-10-04 | 船舶推進装置、プロペラユニット及び方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2023054607A true JP2023054607A (ja) | 2023-04-14 |
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Family Applications (1)
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JP2021163566A Pending JP2023054607A (ja) | 2021-10-04 | 2021-10-04 | 船舶推進装置、プロペラユニット及び方法 |
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2022
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