JP2019150843A - 鋳造用砂型の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】砂ブロックを均一に固化して適切な圧縮強度とし、内部の奥の加工後の精度を向上できるとともに、加工時の粉塵を抑えることができる鋳造用砂型の製造方法を提供する。【解決手段】鋳造用砂型の製造方法は、鋳物砂とエステル硬化用アルカリフェノール樹脂およびアルカリフェノール樹脂用硬化剤からなる粘結材を混錬し、プレスしながら振動を与えて固化させることで、所定形状の砂ブロックを形成する砂ブロック形成工程と、形状データに基づいて除去工具をコンピュータ制御により操作する3軸以上の数値制御加工機械を用いて、砂ブロックを除去工具で除去加工することによって鋳造用砂型の一部又は全部を製造する除去加工工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、形状データに基づき数値制御加工機械によって直接鋳造用砂型を加工する鋳造用砂型の製造方法に関する。
従来、鋳造用砂型の製造では、製品と略同形状の木製などの模型を作製し、この模型を定盤に置いて枠で囲い、模型の周囲に砂を押し込んで固め、模型を取り出すことで砂型を分割して製造していた。また、ロウで製作した模型を砂の中から燃焼あるいは溶融して除去するロストワックス法などでも砂型が製造されていた。しかし、模型を砂に転写して砂型を作製する方法では、複雑な形状を再現することが難しく砂型の精度に改善に余地があり、また模型や模型の保管場所が必要となり工数や製造コストでも改善の余地があった。
この改善策として、製品の形状データに基づき数値制御加工機械によって直接砂ブロックを加工する鋳造用砂型の製造方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
特許第3114159号公報 特許第5568090号公報 特開2003−19542号公報 特開2002−316299号公報
特許文献1の鋳造用砂型の製造方法では、粉粒体としての砂を、圧縮強度が20〜80kg/cm(略196〜784N/cm)となるように圧縮するとともに、粘結材の水ガラスによってガスにより硬化させ、又はフラン樹脂の酸による硬化反応を利用することで硬化させて、砂ブロックを得る。さらに、CAM(Computer Aided Manufacturing)を用いて、3次元的な鋳型の形状データをコンピュータに入力し、この形状データを基にして加工機械の駆動を制御し、機械支持部に2又は3方向に移動自在に設けられたマシンヘッドのエンドミル等で砂ブロックを加工して鋳造用砂型を製造する。
特許文献2の鋳造用砂型の製造方法では、樹脂砂、水ガラス砂、レジンコーテッドサンド等の鋳造砂と接着剤を用いて砂ブロックを製造する。水ガラス砂では、エステル硬化水ガラスを接着剤とし、有機エステル硬化剤を硬化剤として用いて砂ブロックを得る。さらに、3次元CADモデルを基に、加工バイトの選択および加工経路の作成を行い、X軸、Y軸、Z軸の3軸からなる加工機械で砂ブロックを加工して鋳造用砂型を製造する。
特許文献3の鋳造用砂型の製造方法では、けい砂、SiC、アルミナ、ムライト等の鋳型用粉末と、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を混合して砂ブロックを製造する。砂ブロックの表面からの彫り込み深さL(mm)と工具径Dとの比L/Dが、1.7以上、17以下となる超硬合金K種に属するWC−Co系合金よりなるエンドミルを用い、砂ブロックを切削加工して鋳造用砂型を製造する。
特許文献4の鋳造用砂型の製造方法では、粉粒体を固化剤で固化させたブロックを切削加工して型を製造している。固化剤に使用する粘結剤は、炭酸ガス硬化用アルカリフェノール樹脂とエポキシ化合物との混合物である。ブロックは、切削加工する際は0.3MPa以上2MPa未満(30N/cm以上200N/cm未満)の圧縮強度であり、型として使用する際は加熱処理により2MPa以上、好ましくは8MPa以上30MPa以下(800N/cm以上3000N/cm未満)の圧縮強度である。
ところで、砂ブロックを加工機械の加工工具で直接加工するには加工時に砂ブロックが崩れないようにする必要があるが、最終的に得る鋳造品の形状によっては加工工具で砂ブロックの内部の奥まで加工することもあるため、砂ブロックの表面付近だけでなく内部の奥まで均一に固化する必要がある。また、砂ブロックを加工すると金属切削以上に粉塵が生じやすいためその対策も必要となる。
しかし、特許文献1および特許文献2の鋳造用砂型の製造方法では、粘結材に水ガラスやフラン樹脂を使用しており、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックでは内部の奥まで均一に固化することが難しく、加工時に砂ブロックの内部の奥まで崩れない強度を得るために、圧縮強度を大きくする必要があり、特許文献1の技術では圧縮強度を20kg/cm(略196N/cm)以上にしており砂ブロック造型に手間がかかった。また、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックでは切削時に粉塵が多量に飛散するため、粉塵対策が必要であり、特許文献2ではガスを噴き出すノズルや粉塵等を集める収集装置を設けており加工機械の部品コストが高くなりメンテナンスに手間もかかった。
特許文献3の鋳造用砂型の製造方法では、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を一例に挙げており、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックに比較して、フェノール樹脂を使用した砂ブロックは圧縮強度が小さく済み、切削時の粉塵も抑えられる。しかし、単純にフェノール樹脂を使用しただけでは、必要以上に圧縮して造型に手間がかかったり逆に圧縮強度不足で加工時に砂ブロックが崩れたりするなど内部まで適切な砂ブロックの圧縮強度することが難しく、さらには砂ブロックの表面付近の加工精度はよいが、内部の奥は表面付近よりも密度が小さく、加工後の精度が荒くなることがあった。
特許文献4の鋳造用砂型の製造方法では、粘結剤は、炭酸ガス硬化用アルカリフェノール樹脂とエポキシ化合物との混合物を使用している。しかし、炭酸ガス硬化用アルカリフェノール樹脂では、炭酸ガス硬化のため炭酸ガスを別途容易する必要があり製造コストが高くなる。また、加工時の圧縮強度でそのまま使えず、鋳造の使用時には加熱処理して圧縮強度を高くする必要があり、手間がかかる。さらに、使用時に圧縮強度を高くするため、リサイクル時に、鋳造砂をばらす際にも手間がかかる。
一方、近年にあっては、加工技術の進歩は顕著であり、加工精度の高いマシニングセンタ(数値制御加工機械)がものづくりの現場に導入されるようになってきている。鋳造用砂型の製造現場においても、より複雑でより精度の高い加工が求められてきていることから、このようなマシニングセンタの導入が検討されるようになってきている。しかしながら、このよう装置は精密機械であること等から、加工時に工具に加わる負荷をなるべく低減させ、且つ、粉塵も低減させることが求められている。
また、ある程度、複雑な形状で大きく厚みのある立体形状の製品にも対応する砂ブロックを形成することが求められることから、砂ブロックの加工方法にも工夫が必要とされている。
本発明は、以上の点に鑑み、砂ブロックを均一に固化して適切な圧縮強度とし、内部の奥の加工後の精度を向上できるとともに、加工時の粉塵を抑えることができる鋳造用砂型の製造方法を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明の鋳造用砂型の製造方法は、
鋳物砂と、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂およびアルカリフェノール樹脂用硬化剤からなる粘結材とを混錬して、プレスしながら振動を与えて固化させることで、所定形状の砂ブロックを形成する砂ブロック形成工程と、
形状データに基づいて除去工具をコンピュータ制御により操作する3軸以上の数値制御加工機械を用いて、前記砂ブロックを前記除去工具で剥がしながら除去加工することによって所望形状の鋳造用砂型の一部又は全部を製造する除去加工工程と、を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材を使用したうえで、粘結材と混錬した鋳造砂をプレスしながら振動を与えて固化させて砂ブロックを形成するので、必要最低限の圧縮荷重で砂ブロック内全体で鋳造砂の粒を均一して密度のむらをなくし、砂ブロックを均一に固化して適切な圧縮強度とし、砂ブロックの内部の奥を除去工具で除去加工した後の精度を向上することができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材を使用した砂ブロックとすることで、炭酸ガスを用いずに砂ブロックの造型を容易にできるとともに加工時の除去工具に加わる負荷を低減することができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材を使用したので、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックに比較して、加工時の粉塵を抑えることができる。
[2]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記鋳造砂は、球状のセラミック人工砂を用い、
前記エステル硬化用アルカリフェノール樹脂は、水溶性のものを用いて前記砂ブロックを固化させることが好ましい。
かかる構成によれば、鋳造砂は、球状のセラミック人工砂を用いるので、自然の砂に比較して砂粒の大きさのむらを低減するとともに砂粒の形状が丸型となり、砂粒を均一に配列することができる。さらに、鋳造砂が球状であることから、鋭角に近い突起部分を有する砂粒に比較して、除去工具への負荷を低減させ、除去工具の寿命を延ばすことができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂は水溶性であるので、水を加えることで鋳造砂と混錬させる際の全体に行き渡らせ易くでき且つ廃棄時の除去も容易にできる。
[3]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記砂ブロックは、圧縮強度が15〜50(N/cm)となるようにプレスを調整して固化させることが好ましい。
かかる構成によれば、圧縮強度が15〜50(N/cm2)の砂ブロックとすることで、鋳造砂のプレスが低圧で済むので、砂ブロックの造型を容易にできる。さらに、砂ブロックの圧縮強度が比較的小さいので加工時の除去工具に加わる負荷を低減することができる。
[4]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程は、シャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)が5〜50である前記除去工具で前記砂ブロックを深掘する除去加工を含むことが好ましい。
かかる構成によれば、除去工具はシャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)が5〜50であっても被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロックであるので、除去工具がびびることなく砂ブロックに除去加工で深堀することができる。さらに、(L/D)が5〜50となる長尺の除去工具の先端部分で、砂ブロックの表面付近を加工する場合であっても、被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロックであるので、除去工具がびびることなく砂ブロックの表面付近を浅く除去加工することができる。このように、本発明では、1本の除去工具で深く加工することも浅く加工することも可能となる。
[5]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記鋳造砂は、粒度分布の平均粒度が所定の値の大粒と、平均粒度が前記大粒の所定の値よりも小さい小粒との、平均粒度の異なる複数種類を混ぜていることが好ましい。
かかる構成によれば、平均粒度が大粒の所定の値よりも小さい小粒は、リサイクル時に除去され易いが、平均粒度が所定の値の大粒を混ぜることでリサイクル率を向上させることができる。さらに、平均粒度が所定の値の大粒を混ぜることで、砂型の通気性を向上させることができる。さらに、平均粒度が大粒の所定の値よりも小さい小粒を混ぜることで、加工面の精度を向上させることができる。すなわち、リサイクル性や通気路の確保をしたうえで、除去加工後の加工精度を向上させることができる。
[6]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記鋳造砂のうち前記大粒の平均粒度は150〜212(μm)のものを用い、混合比が60〜50%となるようにし、
前記鋳造砂のうち前記小粒の平均粒度は75〜106(μm)のものを用い、混合比が40〜50%となるようし、
前記大粒と前記小粒との混合比が合わせて100%となることが好ましい。
かかる構成によれば、鋳造用砂型のリサイクル性や通気性を確保したうえで、塗型なしで表面の精度がよい鋳物を得ることができる。
[7]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記鋳造砂を再生利用して前記砂ブロックを形成するには、
新規に平均粒度の小さい前記小粒の前記鋳造砂を加え、
平均粒度の大きい前記大粒の前記鋳造砂は、再生利用のものを使用することが好ましい。
かかる構成によれば、ばらし工程の後、粘結材をエアーの吸い込みで除去する際に、小粒の鋳造砂が粘結材と一緒に除去されるが、平均粒度の小さい小粒の鋳造砂を加えることで、大粒のほとんどをリサイクルすることができる。
[8]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程では、
前記数値制御加工機械は、4軸以上のマシニングセンタを使用していることが好ましい。
かかる構成によれば、マシニングセンタは4軸以上であるので、インペラのような複雑な形状で大きく厚みのある立体形状の鋳物やアンダーカット部がある鋳物の鋳造用砂型を製造することができる。さらに、中子を削減して、高精度の鋳造用砂型を製造することができる。
[9]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程では、
前記除去工具は、ドリル、エンドミル、バイトおよび電着砥石の少なくとも1つを使用することが好ましい。
かかる構成によれば、除去工具は、ドリル、エンドミル、バイト、電着砥石などであるので、鋳造用砂型の形状や加工精度に合わせて幅広く対応することができる。
[10]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程では、
前記除去工具は、高速回転、振動、又は、無回転且つ無振動の少なくとも1つで使用されることが好ましい。
かかる構成によれば、除去工具は、高速回転、振動、又は、無回転且つ無振動の少なくとも1つで使用されるので、いわゆる高速加工や、超音波振動加工、仕上げ加工などの多種の加工方法に対応することができる。
本発明に係る鋳造用砂型の製造方法の各工程を示すフローチャートである。 図2Aは砂ブロック形成工程のうち型ばらし工程を模式的に示す図である。図2Bは砂ブロック形成工程のうち粉砕工程を模式的に示す図である。図2Cは砂ブロック形成工程のうち再生処理工程を模式的に示す図である。図2Dは砂ブロック形成工程のうち別態様の再生処理工程を模式的に示す図である。図2Eは鋳仕上げ工程により得た製品を示す図である。 図3Aは砂ブロック形成工程のうち混錬工程を模式的に示す図である。図3Bは砂ブロック形成工程のうち押し固め工程を模式的に示す図である。 図4Aは比較例の砂ブロックの断面を模式的に示す要部拡大図である。図4Bは実施形態の砂ブロックの断面を模式的に示す要部拡大図である。 図5Aは除去加工工程のうち形状データ作成工程から加工パス作成工程までを模式的に示す図である。図5Bは除去加工工程のうち砂ブロックセット工程から除去加工工程までを模式的に示す図である。 図6Aは数値制御加工機械の要部拡大図である。図6Bは砂ブロックのアンダーカット部を除去加工する状態の説明図である。 図7Aは鋳造工程のうち型合わせ工程から注湯工程までを模式的に示す図である。図7Bは図7Aの鋳造用砂型の別態様を説明する図である。
(実施形態)
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1のフローチャートでは、図2〜図7を適宜参照するものとする。図1に示すように、本発明に係る鋳造用砂型1の製造方法は大きく分けて、砂ブロック形成工程、除去加工工程および鋳造工程の上位レベルの工程で構成されている。
砂ブロック形成工程は、鋳造用砂型1をリサイクルする場合、鋳造用砂型1をばらして鋳物10を取り出す型ばらし工程と、鋳造砂2を粉砕する粉砕工程と、粉砕された鋳造砂2を再生処理する再生処理工程と、再生処理された鋳造砂2に粘結材3を混錬する混錬工程と、混錬された鋳造砂2を押し固めて固化させ砂ブロック4を得る押し固め工程とを備えている。型ばらし工程で取り出した鋳物10は、仕上げ加工を施す鋳仕上げ工程を得て製品となる。
なお、実施形態では、砂ブロック形成工程において鋳造砂2をリサイクルするところから含めたが、これに限定されず、鋳造用砂型1を全て新規の鋳造砂2から製造する場合は、混錬工程から始め、次に押し固め工程を行うものとする。
除去加工工程は、鋳物10の形状データ10aを作成する形状データ作成工程と、形状データ10aから鋳造用砂型1の型形状を加工するための除去工具43の加工経路等を作成する加工パス作成工程と、数値制御加工機械40に砂ブロック4をセットする砂ブロックセット工程と、数値制御加工機械40で砂ブロック4を除去加工して鋳造用砂型1を得る除去加工工程とを備えている。
鋳造工程は、鋳造用砂型1の上型1aと下型1b等を合わせる型合わせ工程と、金属材料を溶解して溶湯を得る溶解工程と、溶湯を鋳造用砂型1に流し込む注湯工程とを備えている。
次に上位レベルとしての砂ブロック形成工程を詳しく説明する。図2Aに示すように、型ばらし工程では、上下の型枠20の鋳造砂2中から鋳物10を取り出とともに、型枠20から鋳造砂2を外してばらばらにする。取り出した鋳物10に振動等を加えることで鋳造砂2を落としてもよい。
図2Bに示すように、粉砕工程では、ばらした鋳造砂2はある程度の大きさの塊になっている部分があるので、この鋳造砂2を粉砕機21で元の粒状に近くなるまで粉砕する。
図2Cに示すように、再生処理工程では、粉砕した鋳造砂2を再生装置22aに投入し、再生装置22aを回転させて遠心力で鋳造砂2を飛ばし再生装置22aの周壁にぶつけて、鋳造砂2に付いた粘結材3を砕いて落とす。このように、乾式の再生装置22aを使用するので、湿式のように鋳造砂2を水洗いすることなく、鋳造砂2のリサイクルを容易に行うことができる。さらに細かく砕いた鋳造砂2から粘結材3を吸塵機24で吸引し、粘結材3が除去された鋳造砂2を得る。
図2Dは、図2Cの別態様を示し、再生処理工程では、粉砕した鋳造砂2を再生装置22に投入し、バーナー23で加熱して鋳造砂2に付いた粘結材3を炭化させる。さらに加熱した後の鋳造砂2から炭化した粘結材3を吸塵機24で吸引し、粘結材3が除去された鋳造砂2を得る。
一方、図2Eに示すように、鋳仕上げ工程では、型ばらし工程で取り出された鋳物10に対して、バリ取り、グラインダー掛け、仕上げ加工、ショットブラストなどを必要に応じて施し、鋳物10の最終的な製品を得る。
図3Aに示すように、混錬工程では、鋳造砂2として、人工セラミック砂である粒度分布の平均粒度が所定の値の大粒2aと、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bとの、平均粒度の異なる複数種類の鋳造砂2を混錬機25に投入する。さらに、水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材3を混錬機25に投入し、鋳造砂2と粘結材3とを混錬する。具体的には、粘結材3は、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂およびアルカリフェノール樹脂用硬化剤からなる。
このとき、鋳造砂2の全体に対する混合比率は約68%であり、粘結材3の全体に対する混合比率は約32%である。詳細には、粘結材3の32%の構成は、水でうすめたエステル硬化用アルカリフェノール樹脂の混合比率が約2%、アルカリフェノール樹脂用硬化剤の混合比率が約30%とすることが好ましい。エステル硬化用アルカリフェノール樹脂そのものの混合比率は約1%であるが、混合比率が1%であると全体に行き渡りにくい。そこで、水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂を使用することで、水でうすめて全体に容易に行き渡らせることができる。
また、鋳造砂2において、大粒2aと小粒2bとの比率は、大粒2a:小粒2b=70:30とすることが好ましい。この比率にすることで、鋳造砂2のリサイクル時の再生率を全体として91%と高い値にすることができる。
なお、上記の鋳造砂2および粘結材3の混合比率に近ければ好ましいが、上記混合比率は、一例であり、鋳造砂2の混合比率を80%〜70%、粘結材3の混合比率を20%〜30%、全体として100%となるようにしてもよい。さらには、これらの混合比率に限定されるものではない。また、実施形態では、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を水溶性としたがこれに限定されず、水溶性ではないエステル硬化用アルカリフェノール樹脂を使用しても差し支えない。
図3Bに示すように、押し固め工程では、定盤28の上に型枠20を置き、型枠20内に粘結材3と混錬した鋳造砂2を充填する。圧縮機26を用いて、型枠20内の鋳造砂2を押し固める。このとき、混錬された鋳造砂2と水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3とを、プレスしながら加振装置27で振動を与えて固化させる。
鋳造砂2と水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3とを押し固めて、圧縮強度が、15〜50(N/cm2)である所定形状の砂ブロック4を形成する。エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材3による砂ブロック4とすることで、砂ブロック4全体に粘り強さを持たせ、靭性を向上させることができる。このため、砂ブロック4が撓むことがあっても壊れることがなく、砂ブロック4を容易に扱うことができる。
次に砂ブロック4の断面の構成を模式的に誇張して説明する。図4Aは、図4Bに対する比較例の砂ブロック4の構成であり、鋳造砂2は、人工セラミック砂で自然の砂に比較して丸みを帯びており、粒度分布の平均粒度が所定の値の大粒2aと、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bとからなる。押し固め工程では、加振装置27による振動を与えていないため、大粒2aと小粒2bと乱れて配列されている。
図4Bは押し固め工程で加振装置27による振動を与えた砂ブロック4の構成である。鋳造砂2は、比較例同様、大粒2aと小粒2bとからなる。鋳造砂2の大粒2aと小粒2bとは、押し固め工程で振動を与えられることで、規則的に整列するように配列されている。このため、図4Aの砂ブロック4に比較して図4Bの砂ブロック4は、除去加工時の加工面5(図6B参照)の加工精度を向上させ、表面粗さを小さくして加工面5をきれに仕上げることができる。
また、鋳造砂2は、球状のセラミック人工砂であり、大粒2aの平均粒度は150〜212(μm)で、混合比が60〜50%であり、小粒2bの平均粒度は75〜106(μm)で、混合比が40〜50%であり、合わせて100%とすることがより好ましい。このような構成とすることで、鋳造用砂型1(図7A参照)のリサイクル性や通気性を確保したうえで、塗型なしで表面の精度がよい鋳物10(図2D参照)を得ることができる。
なお、鋳造砂2は、球状のセラミック人工砂に限定されず、角張った部分を有するセラミック人工砂や、自然砂、さらには、けい砂、クロマイト砂、ジルコン砂など、砂ブロック4に使用できれば、他の一般的な鋳造砂2であっても差し支えない。また、大粒2aと小粒2bの平均粒度は、上記の値に限定されず、他の平均粒度の砂粒であってもよく、混合比率も上記の値に限定されるものではなく、上記以外の範囲に適宜変更しても差し支えない。
次に砂ブロック4の上記以外の作用効果について説明する。以上に述べたように、混錬された鋳造砂2と粘結材3とを単にプレスするだけでなく、振動を与えながらプレスするので、砂ブロック4内全体で鋳造砂の粒を均一にし、密度のむらをなくすことができる。さらに、鋳造砂2は、人工セラミック砂であるので、自然の砂に比較して砂粒の大きさのむらを低減するとともに砂粒の形状が丸型となり、砂粒2a、2bを均一に配列することができる。さらに、粘結材3のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂は水溶性であるので、鋳造砂2と混錬させ易く且つ廃棄時の除去も容易にできる。
さらに、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bは、軽いためリサイクルの再生処理工程時に吸引除去され易いが、平均粒度が所定の値の大粒2aを混ぜることでリサイクル率を向上させることができる。さらに、平均粒度が所定の値の大粒2aを混ぜることで、鋳造用砂型1の通気性を向上させることができる。さらに、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bを混ぜることで、加工面5の精度を向上させることができる。すなわち、リサイクル性や通気路の確保をしたうえで、除去加工後の加工精度を向上させることができる。
さらに、鋳造砂2を再生利用して砂ブロック4を形成するには、新規に平均粒度の小さい小粒2bの鋳造砂2を加え、平均粒度の大きい大粒2aの鋳造砂2は、再生利用のものを使用する。こうすることで、ばらし工程の後、粘結材3を吸塵機24のエアーの吸い込みで除去する際に、小粒2bの鋳造砂2が粘結材3と一緒に除去されるが、平均粒度の小さい小粒2bの鋳造砂を加えることで、大粒2aのほとんどをリサイクルすることができる。
なお、実施形態は、押し固め工程で、鋳造砂2に加振装置27により振動を与えた砂ブロック4に限定されず、図4Aの比較例に示した鋳造砂2に加振装置27により振動を与えていない砂ブロック4も含むものとする。ただし、押し固め工程で、鋳造砂2に加振装置27により振動を与えた砂ブロック4の方が、砂ブロック4内全体で鋳造砂2の粒2a、2bを均一にし、密度のむらをなくす効果は大きい。
次に上位レベルとしての除去加工工程について詳しく説明する。図5Aに示すように、形状データ作成工程では、コンピュータ31により製品となる鋳物10の形状データを作成する。2次元図面の場合であっても、製品となる鋳物10が立体形状である場合は、3次元CADによる形状データを作成する。さらに、製品となる鋳物10の形状データを基にして3次元CAD上で鋳造用砂型1(図7参照)の設計を行う。このとき、鋳造用砂型1の分割方法、形状によっては中子形状、溶湯の湯路などの鋳造方案の検討も行い設計する。
加工パス作成工程では、鋳造用砂型1のCADの形状データを基に、CAMソフトを使用しモニタ32で加工範囲4aにおける除去工具43aの経路などの動かし方を検討し、数値制御加工機械40(図5B参照)の動作プログラム(例えば、いわゆるGコード)を作成する。CAMソフトへの入力データは、例えば、除去工具43aの種類、回転数、送り速度、切削量、経路(加工パス)などであり、最終的な加工形状データ33をモニタ32で確認する。
図5B、図6Aに示すように、数値制御加工機械40は、第1軸(X軸)となるレール44と、これらのレール44にスライド可能に立つ支柱45と、これらの支柱45に掛け渡され第2軸(Y軸)となる梁部46と、この梁部46にスライド可能に設けられるスライダ47と、このスライダに昇降可能に設けられ第3軸(Z軸)となる昇降機構48と、この昇降機構48に昇降機構48の軸周りに回転可能に設けられ第4軸(回転軸)となる回転機構51と、この回転機構51に揺動可能に設けられ第5軸(揺動軸)となる揺動機構52とを備えている。
さらに、数値制御加工機械40は、レール44間に設けられる台53と、台53に設けられるクランプ機構54と、揺動機構の先端部設けられるスピンドル41及びチャック42とを備え、チャック42に除去工具43が取付けられている。数値制御加工機械40は、いわゆる5軸加工機である。なお、数値制御加工機械40では、CAMソフト上での除去工具43aに対応する、除去工具43を使用するものとする。
砂ブロックセット工程では、台53に砂ブロック4をセットし、この砂ブロック4の型枠20をクランプ機構54でクランプする。なお、実施形態の砂ブロック4は型枠20を設けたが、これに限定されず、中子などの型形状によっては、砂ブロック4に型枠20を設けずに直接砂ブロック4をクランプ機構54でクランプしてもよい。
図5B〜図6Bに示すように、除去工具43は、エンドミルであり、直径Dに対するチャック42端部からの突出し量Lの比(L/D)が5〜50である。なお、実施形態では、除去工具43をエンドミルとしたが、これに限定されず、除去工具43は、ドリル、バイト、電着砥石などの少なくとも1つでもよく、砂ブロック4を除去加工できれば、他の工具であっても差し支えない。バイトの場合は、直径Dではなくシャンク幅Dとする。
除去加工工程では、形状データに基づいて除去工具43をコンピュータ制御により操作する3軸以上の数値制御加工機械40を用いて、砂ブロック4の砂粒を除去工具43で剥がしながら除去加工することによって鋳造用砂型1の一部又は全部を製造する。加工条件は、除去工具43が回転工具の場合、加工速度を1〜4(m/sec)、送り速度を1000〜9000(mm/分)とすることが好ましい。なお、加工条件は、上記の値に限定されず、砂ブロック4を加工できれば、上記以外の値であってもよい。
なお、実施形態では、数値制御加工機械40を、5軸のマシニングセンタとしたが、これに限定されず、数値制御加工機械40は、4軸以上のマシニングセンタであれば、4軸、6軸のマシニングセンタであってもよい。数値制御加工機械40を、4軸以上とすることで、アンダーカット部6がある鋳物10の鋳造用砂型1を製造することができる。さらに、中子を削減して、高精度の鋳造用砂型1を製造することができる。特に、数値制御加工機械40を5軸のマシニングセンタとすることで、図2Dに示すインペラのような羽11を有する複雑な形状で大きく厚みのある立体形状の鋳物10用で且つアンダーカット部6を有する鋳造用砂型1を製造することができる。
さらに、実施形態では、数値制御加工機械40を4軸以上のマシニングセンタとしたが、これに限定されず、3軸のマシニングセンタであってもよい。3軸であれば汎用のマシニングセンタとして流通量も多く、数値制御加工機械40を安価にすることができ、アンダーカット部6がない形状であれば鋳造用砂型1を容易に製造することができる。
次に上記以外の作用効果について説明する。本発明では、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3を使用したうえで圧縮強度が15〜50(N/cm2)の砂ブロック4を形成するので、必要最低限の圧縮荷重で砂ブロック4を均一に固化して適切な圧縮強度とし、砂ブロック4の内部の奥を除去工具43で除去加工した後の精度を向上することができる。
さらに、圧縮強度が15〜50(N/cm2)の砂ブロック4とすることで、砂ブロック4の造型を容易にできるとともに加工時の除去工具43に加わる負荷を低減することができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3を使用したので、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロック4に比較して、加工時の粉塵を抑えることができる。結果、集塵装置が不要となり、装置コストを低減することができる。
さらに、除去工具43はシャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)が5〜50であっても被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロック4であるので、除去工具43がびびることなく砂ブロック4に除去加工で深堀することができる。さらに、(L/D)が5〜50となる長尺の除去工具43の先端部分で、砂ブロック4の表面付近を加工する場合であっても、被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロック4であるので、除去工具がびびることなく砂ブロックの表面付近を浅く除去加工することができる。このように、本発明では、1本の除去工具43で、深く加工することも浅く加工することも可能となる。
さらに、インペラのような複雑で大型の鋳物10用のアンダーカット部6がある鋳造用砂型1では、いわゆる深堀加工する際に、除去工具43を保持するチャック42やスピンドル41が、砂ブロック4に接触し易くなるが、本発明では、数値制御加工機械40を4軸以上の特に5軸のマシニングセンタとし、且つ、シャンク幅又は直径Dに対するチャック42端部からの突出し量Lの比(L/D)が5〜50となるような長尺の除去工具43を5軸のマシニングセンタに組み合わせたので、インペラのような複雑で大型の鋳物10用のアンダーカット部6がある鋳造用砂型1を容易に製造することができる。
さらに、除去工具43は、ドリル、エンドミル、バイト、電着砥石、レジンボンドの砥石、メタルボンドの砥石などである。このため、鋳造用砂型1の形状や加工精度に合わせて幅広く対応することができる。
除去工具43は、高速回転、振動、又は、無回転且つ無振動の少なくとも1つで使用される。これにより、いわゆる高速加工や、超音波振動加工、仕上げ加工などの多種の加工方法に対応することができる。
次に上位レベルとしての鋳造工程について詳しく説明する。図7Aに示すように、型合わせ工程では、上型1aと下型1bとを位置決めピン(不図示)などで位置決めして合わせて鋳造用砂型1とする。
溶解工程では、金属材料を溶解して溶湯62を得る。注湯工程では、取鍋61から溶湯62を鋳造用砂型1の湯口63に流し込む。溶湯62は鋳造用砂型1のキャビティ64に重点され、冷却後することで固化し鋳物10となる。
次に図7Aの鋳造用砂型1の別態様を説明する。図7Bに示すように、上型1aには、製品を形成するキャビティ64全体に亘って大きく突出する凸部7が形成されている。下型1bには、製品を形成するキャビティ64全体に亘って大きく窪むとともに上型1aの凸部7に嵌る凹部8が形成されている。
上型1aに凸部7を形成し、下型1bに凹部8を形成することで、型合わせ工程において、鋳造用砂型1に位置決めピンを設ける必要がなく、鋳造用砂型1を容易に製造することができる。この効果は、数値制御加工機械40を4軸以上の特に5軸のマシニングセンタとすることで、鋳造用砂型1の分割面(パーティングライン)を自由に決めることができることによるものである。
なお、実施形態では、大粒2aと小粒2bの2種類の鋳造砂2を使用したが、これに限定されず、1種類の砂粒や3種類以上の砂粒の鋳造砂2を使用してもよい。また、シャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)は5〜50に限定されず、比(L/D)が5未満の一般的な長さや、比(L/D)が50を超える除去工具43を使用してもよい。
また、実施形態では、砂ブロック4の圧縮強度が15〜50(N/cm2)となるようにしたが、これに限定されず砂ブロック4の圧縮強度は15(N/cm2)未満や、50(N/cm2)を超えるようにしても差し支えない。
1… 鋳造用砂型
1a… 上型
1b… 下型
2… 鋳造砂(球状のセラミック人工砂)
3… 粘結材(水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂、アルカリフェノール樹脂用硬化剤)
10… 鋳物(インペラ)
10a… 製品形状データ
20… 型枠
21… 粉砕機
25… 混錬機
26… 圧縮機
27… 加振装置
31… コンピュータ(CAD、CAM)
33… 加工形状データ
40… 数値制御加工機械
43… 除去工具(エンドミル、ドリル、バイト、電着砥石)
D… シャンク径又は直径
L… チャック端部からの突出し量
本発明は、形状データに基づき数値制御加工機械によって直接砂ブロックを加工する鋳造用砂型の製造方法に関する。
従来、鋳造用砂型の製造では、製品と略同形状の木製などの模型を作製し、この模型を定盤に置いて枠で囲い、模型の周囲に砂を押し込んで固め、模型を取り出すことで砂型を分割して製造していた。また、ロウで製作した模型を砂の中から燃焼あるいは溶融して除去するロストワックス法などでも砂型が製造されていた。しかし、模型を砂に転写して砂型を作製する方法では、複雑な形状を再現することが難しく砂型の精度に改善に余地があり、また模型や模型の保管場所が必要となり工数や製造コストでも改善の余地があった。
この改善策として、製品の形状データに基づき数値制御加工機械によって直接砂ブロックを加工する鋳造用砂型の製造方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
特許第3114159号公報 特許第5568090号公報 特開2003−19542号公報 特開2002−316299号公報
特許文献1の鋳造用砂型の製造方法では、粉粒体としての砂を、圧縮強度が20〜80kg/cm(略196〜784N/cm)となるように圧縮するとともに、粘結材の水ガラスによってガスにより硬化させ、又はフラン樹脂の酸による硬化反応を利用することで硬化させて、砂ブロックを得る。さらに、CAM(Computer Aided Manufacturing)を用いて、3次元的な鋳型の形状データをコンピュータに入力し、この形状データを基にして加工機械の駆動を制御し、機械支持部に2又は3方向に移動自在に設けられたマシンヘッドのエンドミル等で砂ブロックを加工して鋳造用砂型を製造する。
特許文献2の鋳造用砂型の製造方法では、樹脂砂、水ガラス砂、レジンコーテッドサンド等の鋳物砂と接着剤を用いて砂ブロックを製造する。水ガラス砂では、エステル硬化水ガラスを接着剤とし、有機エステル硬化剤を硬化剤として用いて砂ブロックを得る。さらに、3次元CADモデルを基に、加工バイトの選択および加工経路の作成を行い、X軸、Y軸、Z軸の3軸からなる加工機械で砂ブロックを加工して鋳造用砂型を製造する。
特許文献3の鋳造用砂型の製造方法では、けい砂、SiC、アルミナ、ムライト等の鋳型用粉末と、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を混合して砂ブロックを製造する。砂ブロックの表面からの彫り込み深さL(mm)と工具径Dとの比L/Dが、1.7以上、17以下となる超硬合金K種に属するWC−Co系合金よりなるエンドミルを用い、砂ブロックを切削加工して鋳造用砂型を製造する。
特許文献4の鋳造用砂型の製造方法では、粉粒体を固化剤で固化させたブロックを切削加工して型を製造している。固化剤に使用する粘結剤は、炭酸ガス硬化用アルカリフェノール樹脂とエポキシ化合物との混合物である。ブロックは、切削加工する際は0.3MPa以上2MPa未満(30N/cm以上200N/cm未満)の圧縮強度であり、型として使用する際は加熱処理により2MPa以上、好ましくは8MPa以上30MPa以下(800N/cm以上3000N/cm未満)の圧縮強度である。
ところで、砂ブロックを加工機械の加工工具で直接加工するには加工時に砂ブロックが崩れないようにする必要があるが、最終的に得る鋳造品の形状によっては加工工具で砂ブロックの内部の奥まで加工することもあるため、砂ブロックの表面付近だけでなく内部の奥まで均一に固化する必要がある。また、砂ブロックを加工すると金属切削以上に粉塵が生じやすいためその対策も必要となる。
しかし、特許文献1および特許文献2の鋳造用砂型の製造方法では、粘結材に水ガラスやフラン樹脂を使用しており、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックでは内部の奥まで均一に固化することが難しく、加工時に砂ブロックの内部の奥まで崩れない強度を得るために、圧縮強度を大きくする必要があり、特許文献1の技術では圧縮強度を20kg/cm(略196N/cm)以上にしており砂ブロック造型に手間がかかった。また、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックでは切削時に粉塵が多量に飛散するため、粉塵対策が必要であり、特許文献2ではガスを噴き出すノズルや粉塵等を集める収集装置を設けており加工機械の部品コストが高くなりメンテナンスに手間もかかった。
特許文献3の鋳造用砂型の製造方法では、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を一例に挙げており、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックに比較して、フェノール樹脂を使用した砂ブロックは圧縮強度が小さく済み、切削時の粉塵も抑えられる。しかし、単純にフェノール樹脂を使用しただけでは、必要以上に圧縮して造型に手間がかかったり逆に圧縮強度不足で加工時に砂ブロックが崩れたりするなど内部まで適切な砂ブロックの圧縮強度することが難しく、さらには砂ブロックの表面付近の加工精度はよいが、内部の奥は表面付近よりも密度が小さく、加工後の精度が荒くなることがあった。
特許文献4の鋳造用砂型の製造方法では、粘結剤は、炭酸ガス硬化用アルカリフェノール樹脂とエポキシ化合物との混合物を使用している。しかし、炭酸ガス硬化用アルカリフェノール樹脂では、炭酸ガス硬化のため炭酸ガスを別途用意する必要があり製造コストが高くなる。また、加工時の圧縮強度でそのまま使えず、鋳造の使用時には加熱処理して圧縮強度を高くする必要があり、手間がかかる。さらに、使用時に圧縮強度を高くするため、リサイクル時に、鋳物砂をばらす際にも手間がかかる。
一方、近年にあっては、加工技術の進歩は顕著であり、加工精度の高いマシニングセンタ(数値制御加工機械)がものづくりの現場に導入されるようになってきている。鋳造用砂型の製造現場においても、より複雑でより精度の高い加工が求められてきていることから、このようなマシニングセンタの導入が検討されるようになってきている。しかしながら、このよう装置は精密機械であること等から、加工時に工具に加わる負荷をなるべく低減させ、且つ、粉塵も低減させることが求められている。
また、ある程度、複雑な形状で大きく厚みのある立体形状の製品にも対応する砂ブロックを形成することが求められることから、砂ブロックの加工方法にも工夫が必要とされている。
本発明は、以上の点に鑑み、砂ブロックを均一に固化して適切な圧縮強度とし、内部の奥の加工後の精度を向上できるとともに、加工時の粉塵を抑えることができる鋳造用砂型の製造方法を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明の鋳造用砂型の製造方法は、
鋳物砂と、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂およびエステル系のアルカリフェノール樹脂用硬化剤からなる粘結材とを混錬して、型枠内に前記粘結材と混錬した前記鋳物砂を充填し、前記型枠内の前記鋳物砂全体をプレスしながら振動を与えて固化させることで、所定形状の砂ブロックを形成する砂ブロック形成工程と、
形状データに基づいて除去工具をコンピュータ制御により操作する3軸以上の数値制御加工機械を用いて、前記砂ブロックを前記除去工具で剥がしながら除去加工することによって所望形状の鋳造用砂型の一部又は全部を製造する除去加工工程と、を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材を使用したうえで、粘結材と混錬した鋳物砂をプレスしながら振動を与えて固化させて砂ブロックを形成するので、必要最低限の圧縮荷重で砂ブロック内全体で密度のむらをなくし、砂ブロックを均一に固化して適切な圧縮強度とし、砂ブロックの内部の奥を除去工具で除去加工した後の精度を向上することができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材を使用した砂ブロックとすることで、炭酸ガスを用いずに砂ブロックの造型を容易にできるとともに加工時の除去工具に加わる負荷を低減することができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材を使用したので、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロックに比較して、加工時の粉塵を抑えることができる。
[2]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記鋳物砂は、球状のセラミック人工砂を用い、
前記エステル硬化用アルカリフェノール樹脂は、水溶性のものを用いて前記砂ブロックを固化させることが好ましい。
かかる構成によれば、鋳物砂は、球状のセラミック人工砂を用いるので、自然の砂に比較して砂粒の大きさのむらを低減するとともに砂粒の形状が丸型となり、砂粒を均一に配列することができる。さらに、鋳物砂が球状であることから、鋭角に近い突起部分を有する砂粒に比較して、除去工具への負荷を低減させ、除去工具の寿命を延ばすことができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂は水溶性であるので、水を加えることで鋳物砂と混錬させる際の全体に行き渡らせ易くでき且つ廃棄時の除去も容易にできる。
[3]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記砂ブロックは、圧縮強度が15〜50(N/cm)となるようにプレスを調整して固化させることが好ましい。
かかる構成によれば、圧縮強度が15〜50(N/cm2)の砂ブロックとすることで、鋳物砂のプレスが低圧で済むので、砂ブロックの造型を容易にできる。さらに、砂ブロックの圧縮強度が比較的小さいので加工時の除去工具に加わる負荷を低減することができる。
[4]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程は、シャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)が5〜50である前記除去工具で前記砂ブロックを深掘する除去加工を含むことが好ましい。
かかる構成によれば、除去工具はシャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)が5〜50であっても被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロックであるので、除去工具がびびることなく砂ブロックに除去加工で深堀することができる。さらに、(L/D)が5〜50となる長尺の除去工具の先端部分で、砂ブロックの表面付近を加工する場合であっても、被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロックであるので、除去工具がびびることなく砂ブロックの表面付近を浅く除去加工することができる。このように、本発明では、1本の除去工具で深く加工することも浅く加工することも可能となる。
[5]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記鋳物砂は、粒度分布の平均粒度が所定の値の大粒と、平均粒度が前記大粒の所定の値よりも小さい小粒との、平均粒度の異なる複数種類を混ぜていることが好ましい。
かかる構成によれば、平均粒度が大粒の所定の値よりも小さい小粒は、リサイクル時に除去され易いが、平均粒度が所定の値の大粒を混ぜることでリサイクル率を向上させることができる。さらに、平均粒度が所定の値の大粒を混ぜることで、砂型の通気性を向上させることができる。さらに、平均粒度が大粒の所定の値よりも小さい小粒を混ぜることで、加工面の精度を向上させることができる。すなわち、リサイクル性や通気路の確保をしたうえで、除去加工後の加工精度を向上させることができる。
[6]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記砂ブロック形成工程では、
前記鋳物砂のうち前記大粒の平均粒度は150〜212(μm)のものを用い、混合比が60〜50%となるようにし、
前記鋳物砂のうち前記小粒の平均粒度は75〜106(μm)のものを用い、混合比が40〜50%となるようし、
前記大粒と前記小粒との混合比が合わせて100%となることが好ましい。
かかる構成によれば、鋳造用砂型のリサイクル性や通気性を確保したうえで、塗型なしで表面の精度がよい鋳物を得ることができる。
[7]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記鋳物砂を再生利用して前記砂ブロックを形成するには、
新規に平均粒度の小さい前記小粒の前記鋳物砂を加え、
平均粒度の大きい前記大粒の前記鋳物砂は、再生利用のものを使用することが好ましい。
かかる構成によれば、ばらし工程の後、粘結材をエアーの吸い込みで除去する際に、小粒の鋳物砂が粘結材と一緒に除去されるが、平均粒度の小さい小粒の鋳物砂を加えることで、大粒のほとんどをリサイクルすることができる。
[8]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程では、
前記数値制御加工機械は、4軸以上のマシニングセンタを使用していることが好ましい。
かかる構成によれば、マシニングセンタは4軸以上であるので、インペラのような複雑な形状で大きく厚みのある立体形状の鋳物やアンダーカット部がある鋳物の鋳造用砂型を製造することができる。さらに、中子を削減して、高精度の鋳造用砂型を製造することができる。
[9]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程では、
前記除去工具は、ドリル、エンドミル、バイトおよび電着砥石の少なくとも1つを使用することが好ましい。
かかる構成によれば、除去工具は、ドリル、エンドミル、バイト、電着砥石などであるので、鋳造用砂型の形状や加工精度に合わせて幅広く対応することができる。
[10]また、本発明の鋳造用砂型の製造方法において、
前記除去加工工程では、
前記除去工具は、高速回転、振動、又は、無回転且つ無振動の少なくとも1つで使用されることが好ましい。
かかる構成によれば、除去工具は、高速回転、振動、又は、無回転且つ無振動の少なくとも1つで使用されるので、いわゆる高速加工や、超音波振動加工、仕上げ加工などの多種の加工方法に対応することができる。
本発明に係る鋳造用砂型の製造方法の各工程を示すフローチャートである。 図2Aは砂ブロック形成工程のうち型ばらし工程を模式的に示す図である。図2Bは砂ブロック形成工程のうち粉砕工程を模式的に示す図である。図2Cは砂ブロック形成工程のうち再生処理工程を模式的に示す図である。図2Dは砂ブロック形成工程のうち別態様の再生処理工程を模式的に示す図である。図2Eは鋳仕上げ工程により得た製品を示す図である。 図3Aは砂ブロック形成工程のうち混錬工程を模式的に示す図である。図3Bは砂ブロック形成工程のうち押し固め工程を模式的に示す図である。 図4Aは比較例の砂ブロックの断面を模式的に示す要部拡大図である。図4Bは実施形態の砂ブロックの断面を模式的に示す要部拡大図である。 図5Aは除去加工工程のうち形状データ作成工程から加工パス作成工程までを模式的に示す図である。図5Bは除去加工工程のうち砂ブロックセット工程から除去加工工程までを模式的に示す図である。 図6Aは数値制御加工機械の要部拡大図である。図6Bは砂ブロックのアンダーカット部を除去加工する状態の説明図である。 図7Aは鋳造工程のうち型合わせ工程から注湯工程までを模式的に示す図である。図7Bは図7Aの鋳造用砂型の別態様を説明する図である。
(実施形態)
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1のフローチャートでは、図2〜図7を適宜参照するものとする。図1に示すように、本発明に係る鋳造用砂型1の製造方法は大きく分けて、砂ブロック形成工程、除去加工工程および鋳造工程の上位レベルの工程で構成されている。
砂ブロック形成工程は、鋳造用砂型1をリサイクルする場合、鋳造用砂型1をばらして鋳物10を取り出す型ばらし工程と、鋳物砂2を粉砕する粉砕工程と、粉砕された鋳物砂2を再生処理する再生処理工程と、再生処理された鋳物砂2に粘結材3を混錬する混錬工程と、混錬された鋳物砂2を押し固めて固化させ砂ブロック4を得る押し固め工程とを備えている。型ばらし工程で取り出した鋳物10は、仕上げ加工を施す鋳仕上げ工程を得て製品となる。
なお、実施形態では、砂ブロック形成工程において鋳物砂2をリサイクルするところから含めたが、これに限定されず、鋳造用砂型1を全て新規の鋳物砂2から製造する場合は、混錬工程から始め、次に押し固め工程を行うものとする。
除去加工工程は、鋳物10の形状データ10aを作成する形状データ作成工程と、形状データ10aから鋳造用砂型1の型形状を加工するための除去工具43の加工経路等を作成する加工パス作成工程と、数値制御加工機械40に砂ブロック4をセットする砂ブロックセット工程と、数値制御加工機械40で砂ブロック4を除去加工して鋳造用砂型1を得る除去加工工程とを備えている。
鋳造工程は、鋳造用砂型1の上型1aと下型1b等を合わせる型合わせ工程と、金属材料を溶解して溶湯を得る溶解工程と、溶湯を鋳造用砂型1に流し込む注湯工程とを備えている。
次に上位レベルとしての砂ブロック形成工程を詳しく説明する。図2Aに示すように、型ばらし工程では、上下の型枠20の鋳物砂2中から鋳物10を取り出とともに、型枠20から鋳物砂2を外してばらばらにする。取り出した鋳物10に振動等を加えることで鋳物砂2を落としてもよい。
図2Bに示すように、粉砕工程では、ばらした鋳物砂2はある程度の大きさの塊になっている部分があるので、この鋳物砂2を粉砕機21で元の粒状に近くなるまで粉砕する。
図2Cに示すように、再生処理工程では、粉砕した鋳物砂2を再生装置22aに投入し、再生装置22aを回転させて遠心力で鋳物砂2を飛ばし再生装置22aの周壁にぶつけて、鋳物砂2に付いた粘結材3を砕いて落とす。このように、乾式の再生装置22aを使用するので、湿式のように鋳物砂2を水洗いすることなく、鋳物砂2のリサイクルを容易に行うことができる。さらに細かく砕いた鋳物砂2から粘結材3を吸塵機24で吸引し、粘結材3が除去された鋳物砂2を得る。
図2Dは、図2Cの別態様を示し、再生処理工程では、粉砕した鋳物砂2を再生装置22に投入し、バーナー23で加熱して鋳物砂2に付いた粘結材3を炭化させる。さらに加熱した後の鋳物砂2から炭化した粘結材3を吸塵機24で吸引し、粘結材3が除去された鋳物砂2を得る。
一方、図2Eに示すように、鋳仕上げ工程では、型ばらし工程で取り出された鋳物10に対して、バリ取り、グラインダー掛け、仕上げ加工、ショットブラストなどを必要に応じて施し、鋳物10の最終的な製品を得る。
図3Aに示すように、混錬工程では、鋳物砂2として、人工セラミック砂である粒度分布の平均粒度が所定の値の大粒2aと、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bとの、平均粒度の異なる複数種類の鋳物砂2を混錬機25に投入する。さらに、水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材3を混錬機25に投入し、鋳物砂2と粘結材3とを混錬する。具体的には、粘結材3は、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂およびアルカリフェノール樹脂用硬化剤からなる。
このとき、鋳物砂2の全体に対する混合比率は約68%であり、粘結材3の全体に対する混合比率は約32%である。詳細には、粘結材3の32%の構成は、水でうすめたエステル硬化用アルカリフェノール樹脂の混合比率が約2%、アルカリフェノール樹脂用硬化剤の混合比率が約30%とすることが好ましい。エステル硬化用アルカリフェノール樹脂そのものの混合比率は約1%であるが、混合比率が1%であると全体に行き渡りにくい。そこで、水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂を使用することで、水でうすめて全体に容易に行き渡らせることができる。
また、鋳物砂2において、大粒2aと小粒2bとの比率は、大粒2a:小粒2b=70:30とすることが好ましい。この比率にすることで、鋳物砂2のリサイクル時の再生率を全体として91%と高い値にすることができる。
なお、上記の鋳物砂2および粘結材3の混合比率に近ければ好ましいが、上記混合比率は、一例であり、鋳物砂2の混合比率を80%〜70%、粘結材3の混合比率を20%〜30%、全体として100%となるようにしてもよい。さらには、これらの混合比率に限定されるものではない。また、実施形態では、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を水溶性としたがこれに限定されず、水溶性ではないエステル硬化用アルカリフェノール樹脂を使用しても差し支えない。
図3Bに示すように、押し固め工程では、定盤28の上に型枠20を置き、型枠20内に粘結材3と混錬した鋳物砂2を充填する。圧縮機26を用いて、型枠20内の鋳物砂2を押し固める。このとき、混錬された鋳物砂2と水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3とを、プレスしながら加振装置27で振動を与えて固化させる。
鋳物砂2と水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3とを押し固めて、圧縮強度が、15〜50(N/cm2)である所定形状の砂ブロック4を形成する。エステル硬化用アルカリフェノール樹脂を含む粘結材3による砂ブロック4とすることで、砂ブロック4全体に粘り強さを持たせ、靭性を向上させることができる。このため、砂ブロック4が撓むことがあっても壊れることがなく、砂ブロック4を容易に扱うことができる。
次に砂ブロック4の断面の構成を模式的に誇張して説明する。図4Aは、図4Bに対する比較例の砂ブロック4の構成であり、鋳物砂2は、人工セラミック砂で自然の砂に比較して丸みを帯びており、粒度分布の平均粒度が所定の値の大粒2aと、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bとからなる。押し固め工程では、加振装置27による振動を与えていないため、大粒2aと小粒2bと乱れて配列されている。
図4Bは押し固め工程で加振装置27による振動を与えた砂ブロック4の構成である。鋳物砂2は、比較例同様、大粒2aと小粒2bとからなる。鋳物砂2の大粒2aと小粒2bとは、押し固め工程で振動を与えられることで、規則的に整列するように配列されている。このため、図4Aの砂ブロック4に比較して図4Bの砂ブロック4は、除去加工時の加工面5(図6B参照)の加工精度を向上させ、表面粗さを小さくして加工面5をきれに仕上げることができる。
また、鋳物砂2は、球状のセラミック人工砂であり、大粒2aの平均粒度は150〜212(μm)で、混合比が60〜50%であり、小粒2bの平均粒度は75〜106(μm)で、混合比が40〜50%であり、合わせて100%とすることがより好ましい。このような構成とすることで、鋳造用砂型1(図7A参照)のリサイクル性や通気性を確保したうえで、塗型なしで表面の精度がよい鋳物10(図2D参照)を得ることができる。
なお、鋳物砂2は、球状のセラミック人工砂に限定されず、角張った部分を有するセラミック人工砂や、自然砂、さらには、けい砂、クロマイト砂、ジルコン砂など、砂ブロック4に使用できれば、他の一般的な鋳物砂2であっても差し支えない。また、大粒2aと小粒2bの平均粒度は、上記の値に限定されず、他の平均粒度の砂粒であってもよく、混合比率も上記の値に限定されるものではなく、上記以外の範囲に適宜変更しても差し支えない。
次に砂ブロック4の上記以外の作用効果について説明する。以上に述べたように、混錬された鋳物砂2と粘結材3とを単にプレスするだけでなく、振動を与えながらプレスするので、砂ブロック4内全体において、密度のむらをなくすことができる。さらに、鋳物砂2は、人工セラミック砂であるので、自然の砂に比較して砂粒の大きさのむらを低減するとともに砂粒の形状が丸型となり、砂粒2a、2bを均一に配列することができる。さらに、粘結材3のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂は水溶性であるので、鋳物砂2と混錬させ易く且つ廃棄時の除去も容易にできる。
さらに、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bは、軽いためリサイクルの再生処理工程時に吸引除去され易いが、平均粒度が所定の値の大粒2aを混ぜることでリサイクル率を向上させることができる。さらに、平均粒度が所定の値の大粒2aを混ぜることで、鋳造用砂型1の通気性を向上させることができる。さらに、平均粒度が大粒2aの所定の値よりも小さい小粒2bを混ぜることで、加工面5の精度を向上させることができる。すなわち、リサイクル性や通気路の確保をしたうえで、除去加工後の加工精度を向上させることができる。
さらに、鋳物砂2を再生利用して砂ブロック4を形成するには、新規に平均粒度の小さい小粒2bの鋳物砂2を加え、平均粒度の大きい大粒2aの鋳物砂2は、再生利用のものを使用する。こうすることで、ばらし工程の後、粘結材3を吸塵機24のエアーの吸い込みで除去する際に、小粒2bの鋳物砂2が粘結材3と一緒に除去されるが、平均粒度の小さい小粒2bの鋳物砂2を加えることで、大粒2aのほとんどをリサイクルすることができる。
なお、実施形態は、押し固め工程で、鋳物砂2に加振装置27により振動を与えた砂ブロック4に限定されず、図4Aの比較例に示した鋳物砂2に加振装置27により振動を与えていない砂ブロック4も含むものとする。ただし、押し固め工程で、鋳物砂2に加振装置27により振動を与えた砂ブロック4の方が、砂ブロック4内全体で鋳物砂2の粒2a、2bを均一にし、密度のむらをなくす効果は大きい。
次に上位レベルとしての除去加工工程について詳しく説明する。図5Aに示すように、形状データ作成工程では、コンピュータ31により製品となる鋳物10の形状データを作成する。2次元図面の場合であっても、製品となる鋳物10が立体形状である場合は、3次元CADによる形状データを作成する。さらに、製品となる鋳物10の形状データを基にして3次元CAD上で鋳造用砂型1(図7参照)の設計を行う。このとき、鋳造用砂型1の分割方法、形状によっては中子形状、溶湯の湯路などの鋳造方案の検討も行い設計する。
加工パス作成工程では、鋳造用砂型1のCADの形状データを基に、CAMソフトを使用しモニタ32で加工範囲4aにおける除去工具43aの経路などの動かし方を検討し、数値制御加工機械40(図5B参照)の動作プログラム(例えば、いわゆるGコード)を作成する。CAMソフトへの入力データは、例えば、除去工具43aの種類、回転数、送り速度、切削量、経路(加工パス)などであり、最終的な加工形状データ33をモニタ32で確認する。
図5B、図6Aに示すように、数値制御加工機械40は、第1軸(X軸)となるレール44と、これらのレール44にスライド可能に立つ支柱45と、これらの支柱45に掛け渡され第2軸(Y軸)となる梁部46と、この梁部46にスライド可能に設けられるスライダ47と、このスライダに昇降可能に設けられ第3軸(Z軸)となる昇降機構48と、この昇降機構48に昇降機構48の軸周りに回転可能に設けられ第4軸(回転軸)となる回転機構51と、この回転機構51に揺動可能に設けられ第5軸(揺動軸)となる揺動機構52とを備えている。
さらに、数値制御加工機械40は、レール44間に設けられる台53と、台53に設けられるクランプ機構54と、揺動機構の先端部設けられるスピンドル41及びチャック42とを備え、チャック42に除去工具43が取付けられている。数値制御加工機械40は、いわゆる5軸加工機である。なお、数値制御加工機械40では、CAMソフト上での除去工具43aに対応する、除去工具43を使用するものとする。
砂ブロックセット工程では、台53に砂ブロック4をセットし、この砂ブロック4の型枠20をクランプ機構54でクランプする。なお、実施形態の砂ブロック4は型枠20を設けたが、これに限定されず、中子などの型形状によっては、砂ブロック4に型枠20を設けずに直接砂ブロック4をクランプ機構54でクランプしてもよい。
図5B〜図6Bに示すように、除去工具43は、エンドミルであり、直径Dに対するチャック42端部からの突出し量Lの比(L/D)が5〜50である。なお、実施形態では、除去工具43をエンドミルとしたが、これに限定されず、除去工具43は、ドリル、バイト、電着砥石などの少なくとも1つでもよく、砂ブロック4を除去加工できれば、他の工具であっても差し支えない。バイトの場合は、直径Dではなくシャンク幅Dとする。
除去加工工程では、形状データに基づいて除去工具43をコンピュータ制御により操作する3軸以上の数値制御加工機械40を用いて、砂ブロック4の砂粒を除去工具43で剥がしながら除去加工することによって鋳造用砂型1の一部又は全部を製造する。加工条件は、除去工具43が回転工具の場合、加工速度を1〜4(m/sec)、送り速度を1000〜9000(mm/分)とすることが好ましい。なお、加工条件は、上記の値に限定されず、砂ブロック4を加工できれば、上記以外の値であってもよい。
なお、実施形態では、数値制御加工機械40を、5軸のマシニングセンタとしたが、これに限定されず、数値制御加工機械40は、4軸以上のマシニングセンタであれば、4軸、6軸のマシニングセンタであってもよい。数値制御加工機械40を、4軸以上とすることで、アンダーカット部6がある鋳物10の鋳造用砂型1を製造することができる。さらに、中子を削減して、高精度の鋳造用砂型1を製造することができる。特に、数値制御加工機械40を5軸のマシニングセンタとすることで、図2Dに示すインペラのような羽11を有する複雑な形状で大きく厚みのある立体形状の鋳物10用で且つアンダーカット部6を有する鋳造用砂型1を製造することができる。
さらに、実施形態では、数値制御加工機械40を4軸以上のマシニングセンタとしたが、これに限定されず、3軸のマシニングセンタであってもよい。3軸であれば汎用のマシニングセンタとして流通量も多く、数値制御加工機械40を安価にすることができ、アンダーカット部6がない形状であれば鋳造用砂型1を容易に製造することができる。
次に上記以外の作用効果について説明する。本発明では、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3を使用したうえで圧縮強度が15〜50(N/cm2)の砂ブロック4を形成するので、必要最低限の圧縮荷重で砂ブロック4を均一に固化して適切な圧縮強度とし、砂ブロック4の内部の奥を除去工具43で除去加工した後の精度を向上することができる。
さらに、圧縮強度が15〜50(N/cm2)の砂ブロック4とすることで、砂ブロック4の造型を容易にできるとともに加工時の除去工具43に加わる負荷を低減することができる。さらに、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂からなる粘結材3を使用したので、水ガラスやフラン樹脂を使用した砂ブロック4に比較して、加工時の粉塵を抑えることができる。結果、集塵装置が不要となり、装置コストを低減することができる。
さらに、除去工具43はシャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)が5〜50であっても被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロック4であるので、除去工具43がびびることなく砂ブロック4に除去加工で深堀することができる。さらに、(L/D)が5〜50となる長尺の除去工具43の先端部分で、砂ブロック4の表面付近を加工する場合であっても、被加工物が過度に圧縮されていない砂ブロック4であるので、除去工具がびびることなく砂ブロックの表面付近を浅く除去加工することができる。このように、本発明では、1本の除去工具43で、深く加工することも浅く加工することも可能となる。
さらに、インペラのような複雑で大型の鋳物10用のアンダーカット部6がある鋳造用砂型1では、いわゆる深堀加工する際に、除去工具43を保持するチャック42やスピンドル41が、砂ブロック4に接触し易くなるが、本発明では、数値制御加工機械40を4軸以上の特に5軸のマシニングセンタとし、且つ、シャンク幅又は直径Dに対するチャック42端部からの突出し量Lの比(L/D)が5〜50となるような長尺の除去工具43を5軸のマシニングセンタに組み合わせたので、インペラのような複雑で大型の鋳物10用のアンダーカット部6がある鋳造用砂型1を容易に製造することができる。
さらに、除去工具43は、ドリル、エンドミル、バイト、電着砥石、レジンボンドの砥石、メタルボンドの砥石などである。このため、鋳造用砂型1の形状や加工精度に合わせて幅広く対応することができる。
除去工具43は、高速回転、振動、又は、無回転且つ無振動の少なくとも1つで使用される。これにより、いわゆる高速加工や、超音波振動加工、仕上げ加工などの多種の加工方法に対応することができる。
次に上位レベルとしての鋳造工程について詳しく説明する。図7Aに示すように、型合わせ工程では、上型1aと下型1bとを位置決めピン(不図示)などで位置決めして合わせて鋳造用砂型1とする。
溶解工程では、金属材料を溶解して溶湯62を得る。注湯工程では、取鍋61から溶湯62を鋳造用砂型1の湯口63に流し込む。溶湯62は鋳造用砂型1のキャビティ64に重点され、冷却後することで固化し鋳物10となる。
次に図7Aの鋳造用砂型1の別態様を説明する。図7Bに示すように、上型1aには、製品を形成するキャビティ64全体に亘って大きく突出する凸部7が形成されている。下型1bには、製品を形成するキャビティ64全体に亘って大きく窪むとともに上型1aの凸部7に嵌る凹部8が形成されている。
上型1aに凸部7を形成し、下型1bに凹部8を形成することで、型合わせ工程において、鋳造用砂型1に位置決めピンを設ける必要がなく、鋳造用砂型1を容易に製造することができる。この効果は、数値制御加工機械40を4軸以上の特に5軸のマシニングセンタとすることで、鋳造用砂型1の分割面(パーティングライン)を自由に決めることができることによるものである。
なお、実施形態では、大粒2aと小粒2bの2種類の鋳物砂2を使用したが、これに限定されず、1種類の砂粒や3種類以上の砂粒の鋳物砂2を使用してもよい。また、シャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)は5〜50に限定されず、比(L/D)が5未満の一般的な長さや、比(L/D)が50を超える除去工具43を使用してもよい。
また、実施形態では、砂ブロック4の圧縮強度が15〜50(N/cm2)となるようにしたが、これに限定されず砂ブロック4の圧縮強度は15(N/cm2)未満や、50(N/cm2)を超えるようにしても差し支えない。
1… 鋳造用砂型
1a… 上型
1b… 下型
2… 鋳物砂(球状のセラミック人工砂)
3… 粘結材(水溶性のエステル硬化用アルカリフェノール樹脂、アルカリフェノール樹脂用硬化剤)
10… 鋳物(インペラ)
10a… 製品形状データ
20… 型枠
21… 粉砕機
25… 混錬機
26… 圧縮機
27… 加振装置
31… コンピュータ(CAD、CAM)
33… 加工形状データ
40… 数値制御加工機械
43… 除去工具(エンドミル、ドリル、バイト、電着砥石)
D… シャンク径又は直径
L… チャック端部からの突出し量

Claims (10)

  1. 鋳物砂と、エステル硬化用アルカリフェノール樹脂およびアルカリフェノール樹脂用硬化剤からなる粘結材とを混錬して、プレスしながら振動を与えて固化させることで、所定形状の砂ブロックを形成する砂ブロック形成工程と、
    形状データに基づいて除去工具をコンピュータ制御により操作する3軸以上の数値制御加工機械を用いて、前記砂ブロックを前記除去工具で剥がしながら除去加工することによって所望形状の鋳造用砂型の一部又は全部を製造する除去加工工程と、を含むことを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  2. 請求項1記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記砂ブロック形成工程では、
    前記鋳造砂は、球状のセラミック人工砂を用い、
    前記エステル硬化用アルカリフェノール樹脂は、水溶性のものを用いて前記砂ブロックを固化させることを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記砂ブロック形成工程では、
    前記砂ブロックは、圧縮強度が15〜50(N/cm)となるようにプレスを調整して固化させることを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記除去加工工程は、シャンク幅又は直径Dに対する突出し量Lの比(L/D)が5〜50である前記除去工具で前記砂ブロックを深掘する除去加工を含むことを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記砂ブロック形成工程では、
    前記鋳造砂は、粒度分布の平均粒度が所定の値の大粒と、平均粒度が前記大粒の所定の値よりも小さい小粒との、平均粒度の異なる複数種類を混ぜていることを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  6. 請求項5記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記砂ブロック形成工程では、
    前記鋳造砂のうち前記大粒の平均粒度は150〜212(μm)のものを用い、混合比が60〜50%となるようにし、
    前記鋳造砂のうち前記小粒の平均粒度は75〜106(μm)のものを用い、混合比が40〜50%となるようし、
    前記大粒と前記小粒との混合比が合わせて100%となることを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記鋳造砂を再生利用して前記砂ブロックを形成するには、
    新規に平均粒度の小さい前記小粒の前記鋳造砂を加え、
    平均粒度の大きい前記大粒の前記鋳造砂は、再生利用のものを使用することを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記除去加工工程では、
    前記数値制御加工機械は、4軸以上のマシニングセンタを使用していることを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記除去加工工程では、
    前記除去工具は、ドリル、エンドミル、バイトおよび電着砥石の少なくとも1つを使用することを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項記載の鋳造用砂型の製造方法であって、
    前記除去加工工程では、
    前記除去工具は、高速回転、振動、又は、無回転且つ無振動の少なくとも1つで使用されることを特徴とする鋳造用砂型の製造方法。
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