JP2003019542A - 鋳造用鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳造用鋳型の製造方法

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JP2003019542A
JP2003019542A JP2001202529A JP2001202529A JP2003019542A JP 2003019542 A JP2003019542 A JP 2003019542A JP 2001202529 A JP2001202529 A JP 2001202529A JP 2001202529 A JP2001202529 A JP 2001202529A JP 2003019542 A JP2003019542 A JP 2003019542A
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cutting
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end mill
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JP2001202529A
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English (en)
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Yasushi Iwata
靖 岩田
Hiroaki Iwabori
弘昭 岩堀
Kazutaka Okura
和孝 大庫
Kunio Naito
国雄 内藤
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Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具の摩耗やこばかけを生じず,短時間かつ
低コストで鋳造用鋳型を製造する方法を提供しようとす
ること。 【解決手段】 鋳型用粉末を硬化させてブロック材2を
形成するブロック形成工程と,上記ブロック材2に切削
を施してキャビティ11を形成する切削工程とを有する
鋳造用鋳型1を製造する方法において,上記切削工程で
は,超硬合金K種(JIS B−4053)に属するW
C−Co系合金よりなるエンドミルを切削工具3として
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,鋳造用鋳型の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来より,鋳造用鋳型を製造する方法とし
ては,所望の製品と同形状の模型を用い,この模型の周
囲において鋳物砂等を硬化させ,その後模型を除去する
ことによりキャビティを形成する方法が一般的である。
しかし,鋳造用鋳型の製造方法を合理化するためには,
上記模型を作製するためのコスト及び工数が問題とな
る。そのため,上記模型を用いずに鋳造用鋳型を製造す
る方法が検討されてきた。
【0003】上記模型を用いずに鋳造用鋳型を製造する
方法として,特開昭61−172650号公報には,切
削により鋳造用鋳型を製造する方法が示されている。こ
の方法は,一般の鋳物砂を用いてこれを固めたブロック
材を作製し,その後ブロック材に切削を施す方法であ
る。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の鋳
造用鋳型の製造方法においては次の問題がある。即ち,
上記ブロック材を切削する作業は,例えば金型等を切削
する場合と異なり,精度よく行うことが困難である。そ
の原因としては,上記ブロック材を切削するための専用
工具が開発されておらず,現在のところ金型加工用のエ
ンドミル等を流用しなければならない点があげられる。
そして,工具の材質を考慮せずに単純に金型用の切削工
具を流用した場合には,工具の摩耗による破損が生じた
り,ブロック材に欠損(こばかけ)が生じたりして,鋳
型におけるリブ部等の薄肉部が形成できないという不具
合が発生していた。また,従来においては,金型の切削
作業と同様の条件で切削作業を行っていたので,切削工
程に長時間を要して,効率的に上記鋳造用鋳型を製造す
ることができなかった。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,工具の摩耗やこばかけを生じず,短時間
かつ低コストで鋳造用鋳型を製造する方法を提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は,鋳型用粉末を硬化させて
ブロック材を形成するブロック形成工程と,上記ブロッ
ク材に切削を施してキャビティを形成する切削工程とを
有する鋳造用鋳型を製造する方法において,上記切削工
程では,超硬合金K種(JIS B−4053)に属す
るWC−Co系合金よりなるエンドミルを切削工具とし
て用いることを特徴とする鋳造用鋳型の製造方法である
(請求項1)。
【0007】本発明において最も注目すべき点は,上記
ブロック材の切削工程において,超硬合金K種(JIS
B−4053)に属するWC−Co系合金よりなるエ
ンドミル(以下,適宜,エンドミルK種という)を切削
工具として用いることである。
【0008】次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記エンドミルは,主に金型の切削加工等に用いられる
切削工具であり,その材質としては種々のものが開発さ
れている。本発明では,上記ブロック材を切削する切削
工具として上記超硬合金K種という特定の材質よりなる
切削工具を採用する。これにより,上記鋳型用粉末を硬
化させて作製した上記ブロック材という特殊な被切削材
に対しても,高精度,高能率で,かつ安価に切削加工を
施すことができる。
【0009】即ち,本発明に用いる切削工具は,上記超
硬合金K種(JIS B−4053)に属する合金のう
ち,特にWC−Co系合金よりなるエンドミルである。
そして,このエンドミルK種は,耐摩耗性に優れている
と共に,耐熱性に優れている。そのため,上記エンドミ
ルK種を切削工具として用いて上記ブロック材を切削加
工した場合には,上記切削工具には摩耗は生じにくく,
またブロック材へのこばかけの発生も抑制される。
【0010】また,上記鋳造用鋳型を製造する場合にお
いて,切削の彫り込み深さを大きくすることは,上記鋳
造用鋳型を短時間に製造することを可能にし,コストダ
ウンにもつながる。ここで,上記のごとく,上記切削工
具として上記エンドミルK種を用いた場合には,切削工
具自身の摩耗の抑制及びブロック材へのこばかけの発生
抑制を図ることができる。そのため,上記エンドミルK
種を用いれば,被切削材である上記ブロック材に対し
て,切削の彫り込み深さを大きくして切削抵抗が大きく
なった場合にも,びびりや破損の発生を抑制することが
できる。それ故,上記エンドミルK種を切削工具として
用いることによって,上記ブロック材の表面から,従来
の金型の切削作業では考えられないほど深く上記切削工
具を彫り込ませたまま高速度で,該切削工具を幅方向に
送ることができる。それ故,単位時間当たりの切削面積
が増加し,短時間で鋳造用鋳型を製造することができ
る。
【0011】また,上記鋳造用鋳型は,一回の鋳込み作
業の後に破壊されるので,低コストで作業できることが
重要である。この点,上記エンドミルK種は,比較的安
価であり,鋳造用鋳型の製造コスト低減にも有効であ
る。
【0012】したがって,本発明によれば,工具の摩耗
やこばかけを生じず,短時間かつ低コストで鋳造用鋳型
を製造する方法を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記ブロック材を形成する方法と
しては,例えばホットボックス法,コールドボックス法
等がある。また,上記鋳型用粉末としては,例えばけい
砂,SiC,アルミナ,ムライト等がある。好ましくは
けい砂であり,この場合には,上記ブロック材のコスト
を抑えることができる。
【0014】上記ブロック形成工程は,上記鋳型用粉末
と熱硬化製樹脂を混合した後加熱することにより行うこ
と,即ち,いわゆるホットボックス法を採用することが
好ましい(請求項2)。この場合には,ホットボックス
法の特長である,作製した鋳型の時間経過による強度劣
化(経年劣化)が少ないという効果を得ることができ
る。なお,上記熱硬化性樹脂としては,フェノール樹
脂,エポキシ樹脂,メラミン樹脂,ユリア樹脂,ジアリ
ルフタレート樹脂,ポリウレタン,シリコーン樹脂,不
飽和ポリエステル樹脂等がある。
【0015】次に,上記ブロック形成工程は,上記鋳型
用粉末と反応硬化性樹脂を混合した後反応により硬化さ
せること,即ち,いわゆるコールドボックス法を採用す
ることもできる(請求項3)。この場合には,コールド
ボックス法を生かした,短時間でブロック材を作製でき
ると共に均質なブロック材を作製できる。なお,上記反
応硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂,ポリウレタン樹
脂,ポリエステル樹脂等がある。
【0016】次に,上記切削工程では,上記ブロック材
の表面からの彫り込み深さをLT(mm),上記エンド
ミルの工具径をDT(mm)とすると,上記彫り込み深
さLT(mm)と上記工具径DT(mm)との比LT/DT
が1.7以上となるように,上記エンドミルを上記ブロ
ック材中に彫り込ませた状態で切削を行うことが好まし
い(請求項4)。即ち,上記彫り込み深さLT(mm)
と上記工具径DT(mm)との比LT/DTにおいて工具
径DTは工具によって定数であるため,上記切削工程で
は,上記彫り込み深さLT(mm)を一定値以上に大き
く設定して切削を行うことが好ましい。
【0017】この場合には,単位時間当たりの切削量が
増加するため,短時間に上記鋳造用鋳型を製造すること
ができると共に,上記切削工具の摩耗が刃先に集中する
ことを防止してある程度長い範囲に平均化させることが
できるので,刃先の異常摩耗が生じにくくなる。一方,
上記彫り込み深さLT(mm)と上記工具径DT(mm)
との比LT/DTが,1.7未満の場合には,単位時間当
たりの切削量が少ないため,上記鋳造用鋳型を製造する
ために長時間を要すると共に,刃先の異常摩耗が生じる
おそれがある。
【0018】次に,上記彫り込み深さLT(mm)と上
記工具径DT(mm)との比LT/DTが,17以下であ
ることが好ましい(請求項5)。上記上記彫り込み深さ
T(mm)と上記工具径DT(mm)との比LT/DT
17を超えると,上記エンドミルK種にかかる切削抵抗
がブロック材の抗折強度よりも大きくなるため,びびり
が発生し高精度な加工ができなくなったり,こばかけが
発生するおそれがある。
【0019】次に,上記工具径をDT(mm),1刃当
たりの工具送り量をf(mm/1刃)とすると,該工具
送り量fは,0.008DT<f<0.05DTの関係式
が満たされるように設定することが好ましい(請求項
6)。上記工具送り量が0.008DT(mm/1刃)
以下の場合には,上記ブロック材の切削加工に長時間を
要し,加工能率が低下するという問題がある。また,上
記工具送り量が0.05DT(mm/1刃)以上の場合
には,上記ブロック材にかかる負荷が大きくなるため,
こばかけが生じるおそれがある。尚,上記工具送り量f
(mm/1刃)は,上記エンドミルK種が一回転する間
にエンドミルK種を送る量を,該エンドミルK種の刃数
で割ることにより求められ,1刃当たりの取りしろ量を
表す。
【0020】次に,上記エンドミルの外径切刃の切削速
度は,140〜500m/分の範囲内とすることが好ま
しい(請求項7)。上記エンドミルK種の切削速度が1
40m/分未満の場合には,上記ブロック材の切削加工
に長時間を要し,加工能率が低下するという問題があ
る。また,500m/分を超える場合には,上記切削工
具の摩耗によるこばかけが発生するおそれがある。尚,
上記切削速度は,上記エンドミルK種の工具径と工具回
転数の積により求められ,工具刃先の速度を表す。
【0021】
【実施例】(実施例1)本発明の実施例にかかる鋳造用
鋳型の製造方法につき,図1,図2を用いて説明する。
本例の製造方法は,図1,図2に示すごとく,鋳型用粉
末を硬化させてブロック材2を形成するブロック形成工
程と,上記ブロック材2に切削を施してキャビティ11
を形成する切削工程とを有する鋳造用鋳型1の製造方法
である。そして,本例では,超硬合金K種(JISB−
4053)に属するWC−Co系合金よりなるボールエ
ンドミルを切削工具3として用いた。以下,これを詳細
に説明する。
【0022】本例では,まず,鋳型用粉末としてのけい
砂とフェノール樹脂とを混合し,ホットボックス法によ
り硬化させ,幅W=60mm,高さH=100mm,長
さL=100mmの立方体形状,抗折強度238kg/
cmのブロック材2を形成するブロック形成工程を実
施した。
【0023】次に,図3に示すごとく,上記切削工具3
として,超硬合金K種のうちのWC−Co系合金よりな
る工具径DT=6mmのボールエンドミルを用いた。こ
のボールエンドミル3は,同図に示すごとく,先端が球
形状を呈し,2枚の刃35を有している。このボールエ
ンドミル3を用い,彫り込み深さ40mm,工具送り量
0.2mm/刃,切削速度200m/分の条件下で,上
記ブロック材にキャビティ11を形成する切削工程を実
施した。図2に示すように,上記キャビティ11は,深
さd=40mm,a寸法=2mm,b寸法=6mm,c
寸法=80mmの略U字状を呈している。そして,中央
部には,高さ40mm,幅2mmの薄肉リブ15を設け
た。
【0024】本例においては,上記切削工程を実施した
後,得られた鋳造用鋳型1の形状及び切削工具3の外観
を観察した。その結果,上記切削工具3の摩耗はほとん
ど観察されず,得られた鋳造用鋳型1は,薄肉リブ15
においてもなんらこばかけ等の破損はなかった。また,
彫り込み深さ40mm,工具送り量0.2mm/刃,切
削速度200m/分の条件下にて切削加工を施したた
め,短時間で上記鋳造用鋳型を製造することができた。
【0025】(実施例2)本例では,実施例1におい
て,切削工具3として用いた超硬合金K種のうちWC−
Co系合金よりなるボールエンドミルの他に,5種類の
材質よりなるボールエンドミルを準備し,工具の摩耗と
こばかけの発生状況を各材質ごとに比較した。
【0026】本例で準備したボールエンドミルは,実施
例1と同様の超硬合金K種(WC−Co系)よりなるも
の(試料E1)と,超硬合金P種(WC−Co−TiC
・TaC系)よりなるもの(試料C1),サーメットよ
りなるもの(試料C2),超硬合金よりなる基材の表面
にTiCN−Al23−TiNをコーティングした被覆
超硬合金よりなるもの(試料C3),アルミナセラミッ
クスよりなるもの(試料C4),ダイヤモンド焼結体よ
りなるもの(試料C5)の6種類の材質のボールエンド
ミルである。そして本例では,図2に示すごとく,実施
例1と同様な形状の鋳造用鋳型1を実施例1と同様な方
法にて,彫り込み深さだけを変化させながら製造し,そ
のときの工具摩耗量,こばかけ発生状態を調べた。
【0027】その結果を表1に示す。表1では,○は切
削性,キャビティ形状が共に良好な場合を示し,×は工
具摩耗が大きい場合を示し,△はこばかけが発生した場
合を示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1より知られるように,上記鋳造用鋳型
を短時間で良好に製造するためには,ボールエンドミル
の材質としては試料E1の超硬合金K種(WC−Co
系),または試料C5のダイヤモンド焼結体が適してい
ることがわかる。他の材質では,特に彫り込み深さを大
きくして切削しようとすると,工具の摩耗やこばかけが
発生するため,短時間で,良好な鋳造用鋳型を製造する
ことはできないことがわかる。また,上記ダイヤモンド
焼結体(試料C5)は,後述するごとく工具単価が非常
に高く安価に行うべき鋳造用鋳型の製造に適用すること
が困難である。それ故,超硬合金K種(試料E1)が上
記切削工具3の材質として最適であることがわかる。
【0030】(実施例3)本例では,実施例2において
用いた6種類の材質よりなるボールエンドミルを準備
し,工具摩耗量と工具単価を各材質ごとに比較した。
【0031】まず,実施例1と同様にして,238kg
/cmの抗折強度をもつブロック材をホットボックス
法により作製した。次に,実施例2で使用した,超硬合
金K種(WC−Co系)よりなるもの(試料E1)と,
超硬合金P種(WC−Co−TiC・TaC系)よりな
るもの(試料C1),サーメットよりなるもの(試料C
2),超硬合金よりなる基材の表面にTiCN−Al2
3−TiNをコーティングした被覆超硬合金よりなる
もの(試料C3),アルミナセラミックスよりなるもの
(試料C4),ダイヤモンド焼結体よりなるもの(試料
C5)の6種類の材質のボールエンドミルを用いて,上
記ブロック材に切削を施した。そして,切削面積が1
2,000cmに至ったときの各材質の工具摩耗量を
測定し,また,超硬合金K種を1としたときの工具単価
比を調べた。これらの結果を図4に示す。なお,同図に
おいて,横軸は切削工具の材質(E1〜C5),左側の
縦軸は工具逃げ面摩耗幅(mm),右側の縦軸はコスト
比を示す。
【0032】図4より知られるように,工具摩耗量が最
も優れている材質は超硬合金K種(WC−Co系)とダ
イヤモンド焼結体であった。他の材質では,工具の摩耗
量が激しいため,工具が破損したり,こばかけが生じる
おそれがある。また,ダイヤモンド焼結体は,工具単価
が非常に高く,そのコスト比は,超硬合金K種(WC−
Co系)の20倍である。そのため,ダイヤモンド焼結
体は安価に行うべき鋳造用鋳型の製造に適用するには不
向きであり,工具摩耗量,コスト面共に優れている超硬
合金K種が最も適している。
【0033】(実施例4)本例では,上記超硬合金K種
(WC−Co系)よりなるボールエンドミルを用いて,
抗折強度が異なる5種類の供試ブロックに,彫り込み深
さを変えて切削加工を施したときの切削工具にかかる切
削抵抗を比較した。
【0034】まず,抗折強度が異なる5種類の供試ブロ
ックを実施例1と同様にして作製した。次に,この5種
類の供試ブロックに超硬合金K種よりなる工具径6mm
のボールエンドミルを用いて,切削速度400mm/
分,工具送り量0.2mm/1刃の条件下で,彫り込み
深さを変えながら切削加工を行い,そのときの切削工具
にかかる切削抵抗を測定した。なお,切削抵抗は,工具
に掛かる力を圧電式3分計(9257A,キスラー社
製)を用いて測定し,この合力を彫り込み深さと横方向
の送り量の積(切削投影面積)で除すことにより求め
た。その結果を図5に示す。尚,同図において,横軸は
抗折強度(kg/cm),縦軸は切削抵抗(kg/c
)を示す。
【0035】図5より知られるように,切削工具の彫り
込み深さLTが100mm未満の場合には,彫り込み深
さLT(mm)と上記工具径DT(mm)との比LT/DT
は17未満であり,上記切削抵抗は,鋳型の抗折強度よ
りも小さかった。そして,切削工具へのびびりやブロッ
ク材へのこばかけの発生はほとんど観察されなかった。
一方,切削工具の彫り込み深さLTが100mmを超え
た場合には,彫り込み深さLT(mm)と上記工具径DT
(mm)との比LT/DTは17を超え,上記切削抵抗は
鋳型の抗折強度より大きくなった。そのため,切削工具
にびびりが生じたり,ブロック材へこばかけが発生する
ものが観察された。。したがって,上記ボールエンドミ
ルを用いて鋳造用鋳型を製造する場合には,彫り込み深
さLT(mm)と上記工具径DT(mm)との比LT/DT
を17以下となるように工具径DT(mm)と彫り込み
深さLT(mm)を選択することが好ましい。
【0036】(実施例5)本例では,切削工程における
切削速度と工具送り量を変えながら,ブロック材に切削
を施し,最適な切削速度の検討を行った。
【0037】まず,実施例1と同様にして230kg/
cmの抗折強度をもつブロック材を作製した。次に,
このブロック材を工具径6mmの超硬合金K種のボール
エンドミルを用いて,彫り込み深さ40mmで,工具送
り量,切削速度を変えて,切削加工を行い,肉厚2mm
の薄肉リブをもつ実施例1と同型状の鋳造用鋳型を作製
し,こばかけ発生までの切削量(切削面積)を求めた。
なお,加工能率を良くするために,工具送り量,切削速
度の下限はそれぞれ0.05mm/1刃以上,140m
/分以上とした。これらの結果を図6に示した。なお,
同図において,一方の横軸は切削速度(m/分),他方
の横軸は(mm/1刃),縦軸は切削面積(cm)を
示す。
【0038】図6より知られるように,工具送り量を
0.3mm/1刃以上にするとブロック材に大きな負荷
が生じ,加工直後にこばかけが多発した。また,切削速
度580m/分以上の速度で切削した場合には,工具の
摩耗が激しく,切削量10,000cm未満でこばか
けが生じた。しかし,コスト低減のためには,少なくと
も12,000cmまで上記切削工具をもたせること
が望ましい。図6より上記を満たす切削速度の上限を求
めると500m/分であった。したがって,短時間かつ
低コストに上記鋳造用鋳型を作成するためには,切削速
度は,140〜500m/分であることが好ましい。
【0039】(実施例6)本例では,切削工程における
切削速度と工具送り量を変えながら,ブロック材に切削
を施し,最適な工具送り量の検討を行った。まず,実施
例1と同様にして230kg/cmの抗折強度をもつ
ブロック材を作製した。このブロック材を工具径6mm
の超硬合金K種(WC−Co系)よりなるボールエンド
ミルを用いて,彫り込み深さ5cmで,工具送り量,切
削速度を変えながら切削加工を行った。そして,肉厚2
mmの薄肉リブをもつ実施例1と同形状の鋳造用鋳型を
製造し,工具逃げ面の摩耗幅が,0.3mm(工具の限
界摩耗量)となるまでの切削面積を調べた。この結果を
図7に示す。なお,同図において,横軸は切削速度(m
/分),縦軸は切削面積(cm)を示す。
【0040】図7より知られるように,工具送り量を大
きくすると,こばかけ発生までの切断面積(限界切削面
積)が増加する。また,上述したように,コスト低減の
ためには,切削面積12,000cmまで上記切削工
具をもたせることが望ましい。図7より,上記条件を満
たすためには,工具送り量が0.005mm/1刃以上
であることが好ましい。また,工具送り量が0.3mm
/1刃以上では,ブロック材にかかる負荷が大きくなり
すぎるために,こばかけが発生しやすくなった。さら
に,実施例5より,切削速度は140〜500m/分で
あることが好ましいから,本例における切削工程の最適
な条件は,図7の点線で囲まれた範囲内である。
【0041】(実施例7)本例では,実施例6と同様
に,切削工程における切削速度と工具送り量を変えなが
ら,ブロック材に切削を施し,最適な工具送り量の検討
を行った。まず,実施例1と同様にして230kg/c
の抗折強度をもつブロック材を作製した。次に,こ
のブロック材を工具径20mmの超硬合金K種(WC−
Co系)よりなるボールエンドミルを用いて,彫り込み
深さ8cmで,工具送り量,切削速度を変えながら切削
加工を行った。そして,肉厚4mmの薄肉リブをもつ実
施例1と同型状の鋳造用鋳型を製造し,工具逃げ面の摩
耗幅が,1mm(工具の限界摩耗量)となるまでの切削
面積を調べた。この結果を図8に示す。なお,同図にお
いて,横軸は切削速度(m/分),縦軸は切削面積(c
)を示す。
【0042】図8より知られるように,実施例6と同様
に,工具送り量を大きくするとこばかけ発生までの切削
面積(限界切削面積)が増加する。また,上述したよう
に,コスト低減のためには,切削面積12,000cm
まで上記切削工具をもたせることが望ましい。そのた
め,図8より,上記条件を満たすためには,工具送り量
が0.16mm/1刃以上であることが好ましい。ま
た,工具送り量が1mm/1刃以上では,ブロック材に
かかる負荷が大きくなりすぎるため,こばかけが発生し
やすくなった。さらに,実施例5より,切削速度は14
0〜500m/分であることが好ましいから,本例にお
ける切削工程の最適な条件は,図8の点線で囲まれた範
囲内である。
【0043】以上の実施例7,8の結果から上記ボール
エンドミルの工具径DT(mm)と,上記工具送り量f
(mm/1刃)との関係を考察すると,上記工具送り量
fは,0.008DT<f<0.05DTの関係式が満た
されるように設定することが好ましいことがわかる。上
記工具送り量fが,0.008DT<f<0.05DT
関係式を満たす範囲内で設定される場合には,加工速度
(加工能率)が高く,かつ,こばかけやびびりの発生も
ほとんど起こらない。すなわち,この場合には,加工能
率と高精度加工という相反する特性を両立させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかるブロック材にキャビティを形
成する切削工程を示す斜視図。
【図2】実施例1にかかる鋳造用鋳型の全体を示す側面
図(a),平面図(b)。
【図3】実施例1にかかるボールエンドミルの全体を示
す説明図。
【図4】実施例3にかかるボールエンドミルの材質と工
具摩耗量の関係を示す説明図。
【図5】実施例4にかかる彫り込み深さと切削抵抗の関
係を示す説明図。
【図6】実施例5にかかる切削面積と工具送り量,切削
速度の関係を示す説明図。
【図7】実施例6にかかる切削面積と工具送り量,切削
速度の関係を示す説明図。
【図8】実施例7にかかる切削面積と工具送り量,切削
速度の関係を示す説明図。
【符号の説明】
1...鋳造用鋳型, 11...キャビティ, 2...ブロック材, 3...切削工具,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大庫 和孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 内藤 国雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3C069 AA07 BA00 BB02 BB03 BC01 CA00 EA01 EA02 EA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型用粉末を硬化させてブロック材を形
    成するブロック形成工程と,上記ブロック材に切削を施
    してキャビティを形成する切削工程とを有する鋳造用鋳
    型を製造する方法において,上記切削工程では,超硬合
    金K種(JIS B−4053)に属するWC−Co系
    合金よりなるエンドミルを切削工具として用いることを
    特徴とする鋳造用鋳型の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記ブロック形成工
    程は,上記鋳型用粉末と熱硬化性樹脂を混合した後加熱
    することにより行うことを特徴とする鋳造用鋳型の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記ブロック形成工
    程は,上記鋳型用粉末と反応硬化性樹脂を混合した後反
    応により硬化させることにより行うことを特徴とする鋳
    造用鋳型の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記切削工程では,上記ブロック材の表面からの彫り込
    み深さをLT(mm),上記エンドミルの工具径をD
    T(mm)とすると,上記切削工程では,上記彫り込み
    深さLT(mm)と上記工具径DT(mm)との比LT
    Tが1.7以上となるように,上記エンドミルを上記
    ブロック材中に彫り込ませた状態で切削を行うことを特
    徴とする鋳造用鋳型の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記彫り込み深さL
    T(mm)と上記工具径DT(mm)との比LT/DTが,
    17以下であることを特徴とする鋳造用鋳型の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において,
    上記工具径をDT(mm),1刃当たりの工具送り量を
    f(mm/1刃)とすると,該工具送り量fは,0.0
    08DT<f<0.05DTの関係式が満たされるように
    設定することを特徴とする鋳造用鋳型の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において,
    上記エンドミルの外径切刃の切削速度は,140〜50
    0m/分の範囲内とすることを特徴とする鋳造用鋳型の
    製造方法。
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