JP5610124B2 - 成形工具の加工方法 - Google Patents
成形工具の加工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5610124B2 JP5610124B2 JP2010012553A JP2010012553A JP5610124B2 JP 5610124 B2 JP5610124 B2 JP 5610124B2 JP 2010012553 A JP2010012553 A JP 2010012553A JP 2010012553 A JP2010012553 A JP 2010012553A JP 5610124 B2 JP5610124 B2 JP 5610124B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tool
- cutting
- forming
- end mill
- ball end
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)
Description
前記成形工具は、加工面の形状が基準型を円筒回転体の周面を回転させて得られた包絡線からなる多面体であり、硬度がHRC35〜50で、Ni−Al−Cu系時効硬化型のプリハードン鋼からなり、且つ前記立体模様を形成するための凹凸を有する加工面を切削加工により形成してなり、
該切削加工は、前記プリハードン鋼の鋼塊を、先端部が立方晶窒化ホウ素焼結体から形成されたボールエンドミルで、微量の油を含ませた圧縮エアを加工点に吹き付けながら行うことからなり、
前記ボールエンドミルの先端部直径が1〜6mmであり、回転数10,000〜20,000rpm、送り速度1,000〜2,000mm/minで、かつ加工ピッチ0.05〜0.1mmで切削加工を行ない、そのR形状を用いて加工面粗さがRzjis2〜3である自由曲面を成形しながら、切削加工を行なうことを特徴とするものである。
そして、HRC35〜50の高硬度のプリハードン鋼の被削面に、従来放電加工に頼らざるを得なかった複雑な立体模様の形成を切削加工によって実現でき、高硬度成形工具を短時間に安価に得ることができる。
図1〜図3は、本発明の成形工具の実施形態に係る周状多面体壁缶(いわゆるダイヤカット缶)製造用の外型工具1を内型工具2と共に示している。本実施形態に係る成形工具は、図8に示す缶胴101の凹凸模様を成形するための成形工具である。外型工具1は、図示のように軸方向長さが成形加工する缶胴に相当する長さを有し、周方向が缶胴の周長に相当する略半円周面を有する断面扇形状に形成され、その扇形外周面が成形型面4となっている。その成形型面4の形状は、特許文献1に示すものと略同様であり、内型工具2の多面体を構成する突条と噛合する谷で構成される多面体を有している。そして、これらの外型工具1と内型工具2とを、互いに対応する突条と谷とが噛合するように配置し、外型工具1と内型工具2との間に缶胴101の側壁を挟み込んだ状態で逆方向に同一の周速度で回転させることで、周状多面体壁を形成することができる。缶胴101の周状多面体は、外型工具1と内型工具2とが噛合した状態で互いに転動することにより形成されるため、外型工具1の多面体周方向の形状は、内型工具2が転動することによって得られる包絡線を基準とし、缶胴の板厚に相当する寸法だけ内型工具2より大きい基準型を回転させて得られた包絡線5の繰り返し連続からなる多面体形状に形成されている。
以上の形状を有する本実施形態に係る周状多面体壁缶製造用の外型工具(以下、単に外型工具という。)1は、次のようにして製造される。
本実施形態での切削加工は、CNC高速マシニングセンタで行い、通常荒加工、中仕上加工、仕上加工の順で行うが、ここでは微細な切削加工が要求される仕上加工について主に説明する。
(1)切削工具:ボールエンドミル
ボールエンドミルのR形状を用いて自由曲面を成形する。仕上げ工程の切削工具は、直径1〜6mmの小径工具を用いる。直径が小さい程長時間加工となるが、切削面の品位が向上し、より複雑な模様を形成することができ、周状多面体壁缶成形用の外型工具の切削加工には、上記範囲が望ましく、本実施形態ではより望ましいものとして、φ2ボールエンドミルの小径工具を用いる。
しかしながら、CBN工具は、硬度が高い反面、靱性に劣るため、小径のエンドミルによる長時間加工すると刃先部が熱的折損をするという不都合が発生した。該熱的折損は、従来の超硬合金ボールエンドミルで同条件で切削を行った場合に発生する刃先の微細な欠けに比べて、折損度合いが大きい。したがって、従来の切削加工方法でプリハードン鋼の複雑形状の切削面を得ようとしても、単純に超硬合金工具をCBN工具に置き換えた場合、折損の問題から工具寿命が悪化してしまうことがわかった。このように、CBNボールエンドミルは、熱的折損で欠けやすい欠点があるが、この問題を克服できれば、超硬工具に比べて有利な点(切れ味がよく、表面粗さが小さく且つ一定に保たれるなど)が多く、仕上げ加工には有利である。そこで、本発明ではこの問題を次のような切削方法を採用することによって解決してCBN工具の採用を可能にした。
[切削条件]
回転数 :10,000〜20,000mm/min
送り速度 :1,000〜2,000mm/min
加工ピッチ:0.05〜0.1mm
切り込み量:0.03〜0.06mm
加工時間 :8〜14時間/個
以上のように、従来のエンドミルによる切削加工に比べて1回の切り込み量を少なくして加工速度を上げ、且つ加工ピッチを微細にすることによって、切削負荷の軽減と形状精度の向上及び品位の向上が図れた。CBN工具は、欠損しやすいため、適用できる加工が限定されるが、後述する冷却・潤滑と共に上記のように加工速度・加工量等の切削条件を適性に選択することによって、従来ダイヤモンド工具しか適用でなかった高硬度鋼の仕上加工にCBN工具の適用可能性を見出した。
CBN工具は、欠損しやすいため工具への切削負荷が低い場合にしか適用できないが、本発明では前記の通り加工ピッチを微細にすると共に、冷却法を工夫することによって、工具先端(刃先)の折損問題を解決した。即ち、従来の高硬度鋼の切削加工では、一般に切削油や水溶性切削液を使用することによって加工点での発熱を冷却しているが、本発明者の実験では高速切削加工の場合は冷却性能が高いと熱的折損が発生してしまうことがわかった。これを解消するためには、微量の油を含ませた圧縮エアーを加工点に吹き付けながら冷却を行う、いわゆるオイルミスト加工法を適用した。微量ながら油を使用するために潤滑性に優れ、工具の磨耗劣化を防ぎ、且つ加工点での冷却性能が水溶性切削液や切削油を用いる場合と比べて低く、熱的折損を効果的に防ぎ、CBN工具による刃先の欠損を防ぐことができた。油使用量としては、5〜15cc/hourの範囲が望ましいことが分かった。5cc/hour未満であると潤滑性が劣り、工具の磨耗劣化抑制効果がなく、15cc/hourを超えると冷却性能が高くなり刃先の熱的折損が多くなるため、上記範囲が望ましく、より望ましくは10cc/hour程度である。
外型工具:
材質:Ni−AL−Cu系時効硬化型のプリハードン鋼:NAK80(大同特殊鋼株式会社製)
硬度:公称HRC40
加工機械:CNC高速マシンニングセンタ
切削工具:ボールエンドミル
先端がCBN(立方晶窒化ホウ素)であるφ2mmのボールエンドミル
切削条件:切削は荒加工、中仕上げ加工、仕上げ加工に分けて行ったが、ここでは仕上げ加工工程について説明する。
回転数:18,000rpm
送り速度:1,000〜2,000mm/分
割り出し:任意の角度分割して加工
上記切削条件で、仕上加工におけるCBN工具の効果検証のために、実施例として、油使用量:10cc/hourを含ませた圧縮エアを加工点に吹きつけながら切削加工を行なった。また、比較例として、CBNボールエンドミルをエアーブロー法で冷却しながら、実施例と同条件で切削を行った。
写真から明らかなように、同じCBNボールエンドミルで同条件で切削を行っても、実施例のオイルミスト法で冷却した場合は54時間使用後でも殆ど欠損が無く、高い工具寿命が確認された。これに対し、比較例のエアーブロー法での冷却では刃先の大きな欠損16が確認され、工具寿命が短く良好な切削が得られなかった。
2 内型工具
4 成形片面
5 包絡線
10 CBN工具
11 CBN焼結体
15 超硬ボールエンドミル
16 欠損
21 自由曲面
101 缶胴
102 周状多面体壁缶
103 構成単位
Claims (2)
- ワークに立体的模様を形成するための加工面を有する成形工具の加工方法であって、
前記成形工具は、加工面の形状が基準型を円筒回転体の周面を回転させて得られた包絡線からなる多面体であり、硬度がHRC35〜50で、Ni−Al−Cu系時効硬化型のプリハードン鋼からなり、且つ前記立体模様を形成するための凹凸を有する加工面を切削加工により形成してなり、
該切削加工は、前記プリハードン鋼の鋼塊を、先端部が立方晶窒化ホウ素焼結体から形成されたボールエンドミルで、微量の油を含ませた圧縮エアを加工点に吹き付けながら行うことからなり、
前記ボールエンドミルの先端部直径が1〜6mmであり、回転数10,000〜20,000rpm、送り速度1,000〜2,000mm/minで、かつ加工ピッチ0.05〜0.1mmで切削加工を行ない、そのR形状を用いて加工面粗さがRzjis2〜3である自由曲面を成形しながら、切削加工を行なうことを特徴とする成形工具の加工方法。 - 前記成形工具は、加工面が前記円筒回転体の約半周部分に形成されている断面扇形状になっている請求項1に記載の成形工具の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010012553A JP5610124B2 (ja) | 2010-01-22 | 2010-01-22 | 成形工具の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010012553A JP5610124B2 (ja) | 2010-01-22 | 2010-01-22 | 成形工具の加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011147983A JP2011147983A (ja) | 2011-08-04 |
JP5610124B2 true JP5610124B2 (ja) | 2014-10-22 |
Family
ID=44535479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010012553A Active JP5610124B2 (ja) | 2010-01-22 | 2010-01-22 | 成形工具の加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5610124B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5300939B2 (ja) * | 2011-08-25 | 2013-09-25 | 安田工業株式会社 | 仕上加工用工具を用いた加工方法 |
JP6662363B2 (ja) * | 2017-07-31 | 2020-03-11 | 東洋製罐株式会社 | 缶製造方法、缶の肩部に立体成形部を形成する装置、缶、缶製造工具セット |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2705684B2 (ja) * | 1996-01-11 | 1998-01-28 | 東洋製罐株式会社 | 周状多面体壁缶の製造装置 |
JP3840661B2 (ja) * | 2003-06-27 | 2006-11-01 | 日立ツール株式会社 | ボールエンドミル |
JP2005082813A (ja) * | 2003-09-04 | 2005-03-31 | Daido Steel Co Ltd | プラスチック成形金型用プレハードン鋼 |
DE112005000799T5 (de) * | 2004-04-20 | 2007-02-22 | Osg Corp., Toyokawa | Kugelstirnfräser |
JP2005319538A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Nachi Fujikoshi Corp | ボールエンドミル |
JP2008023572A (ja) * | 2006-07-24 | 2008-02-07 | Mori Machinery Corp | 熱交換用チューブの製造ラインにおけるディンプル形成方法と熱交換用チューブの製造ラインに用いるディンプル形成装置 |
-
2010
- 2010-01-22 JP JP2010012553A patent/JP5610124B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011147983A (ja) | 2011-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5370896B2 (ja) | 鍛造用金型の製造方法 | |
JP5641204B2 (ja) | クリスマスカッタおよび、これを用いたタービン翼根部の切削加工方法 | |
CN102303221B (zh) | 一种大方孔凹模的加工方法 | |
CN100556610C (zh) | 传感器用qs-4弹性体加工工艺 | |
JP5614511B2 (ja) | ボールエンドミル及びインサート | |
CN102794622A (zh) | 一种精密内齿轮的加工方法 | |
JP2010162677A (ja) | 小径cbnボールエンドミル | |
JP5601464B2 (ja) | 高硬度材加工用ねじ切りフライス | |
JPH11216609A (ja) | ラジアス刃エンドミル | |
JP5939208B2 (ja) | ボールエンドミル | |
JP5610124B2 (ja) | 成形工具の加工方法 | |
JP6179165B2 (ja) | ラジアスエンドミル | |
JP2013013962A (ja) | Cbnエンドミル | |
Nakagawa | High-speed milling for die and mold making | |
CN102990146A (zh) | 一种圆角cbn铣刀 | |
JP4819352B2 (ja) | 鍛造用金型の製造方法、鍛造用金型および鍛造成形品 | |
JP5906838B2 (ja) | スクエアエンドミル | |
CN114161089B (zh) | 一种薄壁铝制连接件的加工方法 | |
JP5929144B2 (ja) | 硬質焼結体ボールエンドミル | |
JP2014083642A (ja) | ボールエンドミル | |
CN109128324B (zh) | 一种铣刀及使用它的模唇铣削加工方法 | |
JP4542189B2 (ja) | 歯車加工方法 | |
JP2023106836A (ja) | ラジアスエンドミル | |
JP2004017275A (ja) | あさり刃仕様超硬ソリッドメタルソー | |
CN111054938A (zh) | 一种用于光学模具加工的圆弧车刀及其加工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121218 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20130513 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20130522 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131211 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140108 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140307 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140806 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140819 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5610124 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |