JP2019150078A - ショルダーパッド - Google Patents

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Abstract

【課題】従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えたクッション材を、その機能性を失うことなく備えたショルダーパッドを提供する。【解決手段】運搬具の肩掛けに用いるショルダーパッドであって、クッション材と、クッション材の表面を被覆する表カバーと、クッション材の裏面を被覆する裏カバーと、を備え、クッション材は、裏面に断面波形の凹凸を形成した幾何学形状クッション部と、表面に前記幾何学形状クッション部よりも硬質な素材からなる板状クッション部と、を備え、裏カバーは、前記幾何学形状クッション部の収縮に追従して収縮する伸縮性を有する素材からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、かばん又はリュックサックなどの肩掛けに用いるショルダーパッドに関する。
かばん又はリュックサックなどの運搬具では、重量物を運ぶ場合など、肩に掛かる重さが負担になることがあり、その肩掛けに弾力性ある素材を用いるなど、肩への負担を軽減する工夫がなされている。
たとえば、肩掛け運搬具の肩ベルトにおいて、肩ベルトは肩上面に掛かる肩パッド部と、胸から脇にかかるベルト部と、背中から脇にかけて掛かるベルト部との3部材から構成し、3部材が、空気を充填した室を有するクッション材により形成されたものがある(下記特許文献3参照)。これによれば、空気を充填したクッション材により肩掛け運搬具の荷重を緩和しして、肩に負担を軽減するとともに、肩ベルトが滑り、位置ずれを起こすことを防いでいる。
特開2007−152070号公報
しかしながら、従来の肩掛けに用いるショルダーパッドでは、クッション材として、製造若しくは縫製における支障、又は機能を発揮するにあたり支障のない程度の薄さのものしか用いられてこなかった。
そこで、本発明は、従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えたクッション材を、その機能性を失うことなく備えたショルダーパッドを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るショルダーパッドは、運搬具の肩掛けに用いるショルダーパッドであって、クッション材と、クッション材の表面を被覆する表カバーと、クッション材の裏面を被覆する裏カバーと、を備え、クッション材は、裏面に断面波形の凹凸を形成した幾何学形状クッション部と、表面に幾何学形状クッション部よりも硬質な素材からなる板状クッション部と、を備え、裏カバーは、幾何学形状クッション部の収縮に追従して収縮する伸縮性を有する素材からなる。
この態様によれば、従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えたクッション材を、その機能性を失うことなく備えたショルダーパッドを提供することができる。
すなわち、クッション材として、断面波形の凹凸を形成した幾何学形状クッション部を用いることで、従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えることができ、さらに、表面に幾何学形状クッション部よりも硬質な素材からなる板状クッション部を設けることで、幾何学形状クッション部の幾何学形状の伸縮をクッション材全体で受けることができるようになる。つまり、幾何学形状クッション部は収縮性が高いため、それだけでは局所的に凸部が凹んで荷重が集中し、荷重の分散ができないが、本態様では、板状クッション部を備えることで、板状クッション部が芯地の役割を果たし、幾何学形状クッション部の負荷を吸収して分散する働きがある。
また、表カバーと裏カバーの組合せによりクッション材を被覆することで、たとえば表カバーと裏カバーを裏返しの状態で予め縫製し、反転させて袋状部とすることで、当該袋状部にクッション材を挿入して被覆することが可能である。これにより、断面波形の凹凸を形成し、厚みを備えた幾何学形状クッション部であっても、カバーにより被覆すること可能になる。
幾何学形状クッション部は、収縮率が30%をくだらない態様であってもよい。この態様によれば、幾何学形状クッション部として柔軟性のある素材を用いることができ、肩掛けとして用いた際に、荷重による肩への負荷を吸収すること可能になる。
裏カバーは、伸縮率が30%をくだらない態様であるとよい。この態様によれば、裏カバーを、幾何学形状クッション部の収縮に追従させて収縮させることができる。
表カバーは、前記板状クッション部を被覆する面に裏地を備えていてもよい。この態様によれば、裏地は、表カバーの伸びを防ぎ、クッション材を表カバー及び裏カバーにより形成される袋状体に対してクッション材の挿入を容易にする。
本発明によれば、従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えたクッション材を、その機能性を失うことなく備えたショルダーパッドを提供することができる。
本実施形態に係るショルダーパッドの全体構成を示す正面図(A)及び側面図(B)である。 図1に示すショルダーパッドのA−A、B−B、C−C及びD−D端面図(A)〜(D)である。 本実施形態のクッション材の構成を示す正面図(A)及び側面図(B)である。 本実施形態に係るショルダーパッドがパッドに掛かる荷重を分散させる作用を示す模式図である。 本実施形態に係るショルダーパッドをリュックサック及びショルダーベルトに適用した例を示す模式図である。 本実施形態に係るショルダーパッドを交換用ショルダーパッドに適用した例を示す模式図である。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)。
[本実施形態]
(構成)
本実施形態に係るショルダーパッド1は、かばん、リュックサック、又は幼児を抱くためのベビーキャリーなどの運搬具の肩掛けに用いるものであって、図1に示すとおり、クッション材10と、表カバー20と、裏カバー30とから構成される。
クッション材10は、図2及び図3に示すとおり、裏面に幾何学形状クッション部11と、表面に板状クッション部12とを備える。
幾何学形状クッション部11は、断面波形の凹凸を形成し、荷重分散性能を有する。より具体的には、幾何学形状クッション部11は、図3に示すとおり、その平面形状を縦長長方形状とし、側断面形状は凸部11aと凹部11bとが、長軸方向に互い違いに配されており、その凸部11aと凹部11bは同一の波形で構成されている。
幾何学形状クッション部11は、その厚みは30mm程度が好ましく、凸部11aと凹部11bとの落差は20mm程度が好ましい。そして、幾何学形状クッション部11は、収縮率が30%をくだらず、凸部11aに対して加重をかけた場合に、最大10mm以下にまで沈下・収縮可能な柔軟性を有する。
ここで、従来のショルダーパッドにおいて、極地用や軍用のバックパックにおいてもクッションの厚みは概ね20mm前後が最大であり、厚さ30mmものクッションを使用しているものはなかった。これは、クッション部分に厚みを持たせれば持たせるほど、それに比例して縫製又は成形が困難になることが原因であった。従来のクッションにおいては厚手のものでも20mm前後であるが、その厚みの中で荷重を受け止めねばならないため、本実施形態のような30%強の収縮を許してしまうと、硬く薄くなるばかりで、そもそも快適に機能しない。従来のクッションは薄くて固いものであり、そのおかげで肩掛け部分の縫製又は成形は容易である。
板状クッション部12は、図3に示すとおり、全体が薄板状であり、前記幾何学形状クッション部よりも硬質な素材からなる。たとえば、発砲ポリエチレンフォームなどの素材で構成され、その厚さは5mmが好ましい。板状クッション部12は、幾何学形状クッション部11の凹凸面と反対の面に貼着され固定されている。
表カバー20は、図1及び図2に示すとおり、クッション材の表面をなす板状クッション部12を被覆するものである。表カバー20は、任意の織り素材により構成可能であり、具体的には、ショルダーパッド1が用いられるかばんの表面素材に合わせて用いられる。表カバー20は、板状クッション部12を被覆する面に裏地21(不図示)を備える。裏地21は、表カバー20の伸びを防ぎ、クッション材10を表カバー20及び裏カバー30により形成される袋状体に対してクッション材10の挿入を容易にするための任意的構成である。
裏カバー30は、図1及び図2に示すとおり、クッション材10の裏面をなす幾何学形状クッション部11を被覆するものである。裏カバー30は、幾何学形状クッション部11の収縮に追従して収縮する伸縮性を有する素材からなり、その伸縮率は30%をくだらないことが望ましい。
裏カバー30は、クッション材10の裏面を被覆するに当たり、通常時はクッション材10の凸部11a及び凹部11bの起伏を保持していること、かつ、生地から微量の圧力がクッション材10にかかり、クッション材10のズレやねじれを防いでいることが必要である。また、ショルダーパッド1の使用時(荷重のかかった状態)には望ましくは20mmにも及ぶ凸部11aがランダムに圧縮される場合であっても、被覆した裏カバー30がその凸部11aの収縮や起伏を妨げないことが必要である。
すなわち、クッション材10はその収縮によって荷重分散の機能を発揮するものであるが、その際表面積が著しく小さくなるため、包んでいる裏カバー30が余ってくる。その裏カバー30にシワが生じ、身体との接地面にたまると、ショルダーパッドとしての機能性が阻害される。そこで、図2と図3との比較からわかるとおり、被覆した裏カバー30が幾何学形状クッション部11の凸部11aの収縮や起伏を妨げない程度に、適切なテンションを保って、クッション材10を被覆することが重要である。
(製造工程)
続いて、本実施形態のショルダーパッド1の製造工程について説明する。
まず、幾何学形状クッション部11の荷重分散性能を最大限に発揮するため、幾何学形状クッション部11の幾何学形状でない平坦な面に同寸の板状クッション部12を接着する。これによりクッション材10とする。
裏カバー30は、裏カバー30が覆うべきクッション材10の外寸に対して、望ましくは82%の大きさで裁断する。なお、裏カバー30においてクッション材10の長軸方向において余る裏カバー30の両端の部分は、ストラップ部品との連結のため、窄めて構成する。
ここで、裏カバー30をクッション材10の外寸に対して小さく構成するのは、小さく構成するとで、平時、すなわちクッション材10に圧がかかっていない状態からクッション材10に対し裏カバー30の適度な圧力がかかるため、クッション材10の裏カバー30内でのズレを防ぐことができるためである。言い換えれば、裏カバー30をクッション材10の外寸に対して適度に小さくすることで、裏カバー30は平時収縮を求めている状態となり、幾何学形状クッション部11が荷重によって縮んだ際には、その収縮に裏カバー30が追従する。これにより、使用時、すなわちクッション材10に荷重のかかった状態において20mm程度収縮する幾何学形状クッション部11を被覆する裏カバー30は幾何学形状クッション部11の凸部11aの収縮や起伏を妨げない。
表カバー20は、表カバー20が覆うべき板状クッション部12の外寸と等しく裁断する。なお、板状クッション部12から長軸方向において余った表カバー20の両端の部分は、ストラップ部品との連結のため窄めて構成する。
続いて、表カバー20と裏カバー30との長辺同士を中表で縫い合わせ、クッション材10の挿入時に邪魔にならないよう、縫い代同士を縫い留める。この際、表カバー20の表面に合わせて裏地21を縫い合わせ、そのうえで表返しにする。これにより表カバー20と裏カバー30とにより筒状のカバーが形成される。
クッション材10を冶具で挟みこみ圧縮して、筒状となった表カバー20と裏カバー30の間隙に挿入する。クッション材10から余った両端部分の表カバー20と裏カバー30とは、線対称に内側に折り込み、たとえば、図5(B)及び(C)に示すようなストラップ部品を縫製により連結させて、ショルダーパッド1が作製される。
これにより、クッション材10に対して裏カバー30の圧力がかかり、平時は幾何学形状クッション部11の凸部11aを保持しつつ、裏カバー30から適切な圧力がクッション材10にかかり、表カバー20及び裏カバー30に被覆されたクッション材10のズレやねじれを防いでいる。
(効果)
以上のような本実施形態によれば、従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えたクッション材を、その機能性を失うことなく備えたショルダーパッドを提供することができる。
従来のかばんの肩掛け部分は、厚くても20mm程度のクッションを、生地と生地で包む構造になっており、製造プロセスは様々だが、どのような筋道で製造するにしてもクッションが20mm程度の厚みであれば、容易に縫製又は成形することが可能である。特に、クッション部分をミシンの縫製で貫いて生地と一体化させることも可能であった。
一方で、本実施形態のショルダーパッド1では、クッション材10の幾何学形状クッション部11として望ましくは30mmもの厚みの素材を用い、凸部11aと、凹部11bとの落差が望ましくは20mmにも及ぶ形状からなる。そのためクッションを生地の中に包んだ状態で周囲の縫製をすることは容易ではない。
そしてクッション材10の厚みとその凹凸形状によって荷重分散性能を帯びるため、クッション材10をミシンの縫製で貫いて生地と一体化したりすることはできない。このことから、そもそも従来のショルダーパッドの製法では、本実施形態のショルダーパッド1を作成することはできなかった。
そのうえで、本実施形態によれば、クッション材10として、断面波形の凹凸を形成した幾何学形状クッション部11と、従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えたクッション材を、表面に幾何学形状クッション部11よりも硬質な素材からなる板状クッション部12を備えることにより、幾何学形状クッション部11の幾何学形状の伸縮が外に逃げないようになる。すなわち、図4(B)に矢印を用いて模式的に示すとおり、幾何学形状クッション部11は収縮性が高いため、それだけでは局所的に凸部が凹んで荷重が集中し、荷重の分散ができないが(図4(B)において上方から下方に向かう矢印の本数を少なく表し、局所的に荷重がかかり分散していない様子を表した。)、本態様では、板状クッション部12を備えることで、板状クッション部12が芯地の役割を果たし、幾何学形状クッション部11の負荷を吸収して分散する働きがある(図4(A)において上方から下方に向かう矢矢印の本数を多く表し、荷重が全体に分散される様子を表した。)。
また、表カバー20と裏カバー30の組合せによりクッション材10を被覆することで、たとえば表カバー20と裏カバー30を裏返しの状態で予め縫製し、反転させて袋状体とすることで、当該袋状部にクッション材を挿入して被覆することが可能である。これにより、断面波形の凹凸を形成し、厚みを備えた幾何学形状クッション部11であっても、カバーにより被覆すること可能になる。
以上の本実施形態によれば、従来用いられてこなかった厚み、形状及び柔らかさを備えたクッション材を、その機能性を失うことなく備えたショルダーパッドを提供することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。たとえば、本実施形態のショルダーパッドは、図5(A)に示すとおり、リュックサックのショルダーベルトに用いることが可能である。また、図5(B)及び(C)に示すような両端部にストラップを取り付けて用いるタイプのショルダーベルトとして用いることも可能であり、さらに、図6に示すとおり、ショルダーパッド自体をベルクロ(登録商標)を用いた着脱自在な構成とすることも可能であり、これにより、ショルダーベルトの後付けのショルダーパッドとして用いることもできる。
また、実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
1:ショルダーパッド、10:クッション材、11:幾何学形状クッション部、11a:凸部、11b:凹部、12:板状クッション部、20:表カバー、21:裏地、30:裏カバー

Claims (4)

  1. 運搬具の肩掛けに用いるショルダーパッドであって、
    クッション材と、
    前記クッション材の表面を被覆する表カバーと、
    前記クッション材の裏面を被覆する裏カバーと、を備え、
    前記クッション材は、裏面に断面波形の凹凸を形成した幾何学形状クッション部と、表面に前記幾何学形状クッション部よりも硬質な素材からなる板状クッション部と、を備え、
    前記裏カバーは、前記幾何学形状クッション部の収縮に追従して収縮する伸縮性を有する素材からなる
    ショルダーパッド。
  2. 前記幾何学形状クッション部は、収縮率が30%をくだらない請求項1に記載のショルダーパッド。
  3. 前記裏カバーは、伸縮率が30%をくだらない請求項1又は2に記載のショルダーパッド。
  4. 前記表カバーは、前記板状クッション部を被覆する面に裏地を備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載のショルダーパッド。
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