JP2019148552A - 検出素子、検出素子の製造方法、および検出装置 - Google Patents

検出素子、検出素子の製造方法、および検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検出装置の表面電極の電場が変化する多量放射線下でも安定した高増幅率が得られるピクセル型電極を提供する。【解決手段】検出素子は、第1面と第1面に対向する第2面とを有する基板であって、基板の厚さ方向の2か所において互いに異なる内径を有する貫通孔が設けられた基板と、貫通孔に配置された貫通電極と、貫通電極と接続し、第1面の上に配置された第1電極106と、貫通電極と接続し、第2面側に配置されたパターン電極と、第1面に配置され、第1電極と離隔して配置された第2電極104と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示の実施形態は、検出素子、検出素子の製造方法、および検出装置に関する。
ピクセル型電極によるガス増幅を用いた放射線検出装置の研究が進められている。ピクセル型電極によるガス増幅を用いた放射線検出装置は、従来の検出装置による放射線検出では不十分であった検出領域、特に、画像イメージングにおいて、大面積かつリアルタイムイメージングができるという特徴がある。
ピクセル型電極によるガス増幅を用いた放射線検出装置の構造に関しては、例えば、特許文献1を参照することができる。
特開2015−111057号公報
ピクセル型電極による放射線検出装置において、放射線(荷電粒子)は検出装置内に充填されたガスと相互作用することにより電離電子を生じ、その電離電子をピクセル型電極において捕捉することによって間接的に放射線を検出する。電離電子を捕捉したピクセル型電極の位置と時間を特定することで、放射線の飛跡を検出することができる。特許文献1に開示されているような放射線検出装置(以下「従来の放射線検出装置」という)においては、十分なガス増幅率を得るために、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材とした貫通電極を有する検出素子が用いられてきた。しかしながら、放射線量の多い環境放射線の検出用途では、検出素子表面のピクセル型電極の電場が変化してしまい、電離電子の動きが乱れ、所定の位置のピクセル型電極に捕捉されない場合がある。その結果、安定して高いガス増幅率を得ることが難しかった。
本開示の実施形態は、放射線量の多い環境放射線の検出用途でも、安定して高いガス増幅率を得ることができる放射線検出素子を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る検出素子は、第1面と第1面に対向する第2面とを有する基板であって、基板の厚さ方向の2か所において互いに異なる内径を有する貫通孔が設けられた基板と、貫通孔に配置された貫通電極と、貫通電極と接続し、第1面の上に配置された第1電極と、貫通電極と接続し、第2面側に配置されたパターン電極と、第1面に配置され、第1電極と離隔して配置された第2電極と、を備える。
また、貫通孔は、第1面における第1貫通端部と、第2面における第2貫通端部とが互いに異なる内径を有してもよい。
また、貫通孔は、基板の厚さ方向に、第1面における第1貫通端部の内径および第2面における第2貫通端部の内径より小さい内径を有してもよい。
また、第1面における第1貫通端部の内径は、第2面における第2貫通端部の内径より小さくてもよい。
また、第1電極の第1面と対向する面の径は、第1面における第1貫通端部の内径より小さくてもよい。
また、貫通孔のアスペクト比は、4以上8以下の範囲であってもよい。
また、基板は、無アルカリガラスであってもよい。
また、第1電極の第1面と対向する面の径が、100μm以下の範囲であってもよい。
また、第2電極は、第1電極を囲むように開口されていてもよい。1
また、第1電極と貫通電極は複数設けられ、パターン電極は複数の貫通電極と接続され、複数の貫通電極は複数の第1電極とそれぞれ接続され、第2電極とパターン電極は複数設けられ、複数の第2電極が延在する方向は、複数のパターン電極が延在する方向と異なってもよい。
本開示の一実施形態に係る検出装置は、上記検出素子を備え、分解能が150μm以下であって、第1電極と第2電極間に530〜550Vを印加するときにガス増幅率が12000以上である。
本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法は、第1面と第1面に対向する第2面とを有する基板であって、基板の厚さ方向の2か所において互いに異なる内径を有する貫通孔を形成し、貫通孔に貫通電極を形成し、第1面側に、貫通電極に接続される第1電極と、第1電極と離隔する第2電極と、を形成し、第2面側に、貫通電極に接続されるパターン電極を形成することを含む。
また、貫通孔を形成することは、基板の第2面側から、第2面に対して91°以上95°以下の角度をなすテーパ形状を有する貫通孔を形成することを含んでもよい。
また、貫通孔を形成することは、レーザーを用いることを含んでもよい。
また、第1電極を形成することは、第1電極の第1面と対向する面の径を、貫通孔の第1面における第1貫通端部の径より小さく形成することを含んでもよい。
また、貫通孔を形成することは、アスペクト比を4以上8以下の範囲で形成してもよい。
本開示の一実施形態によると、放射線量の多い環境放射線の検出用途でも、安定して高いガス増幅率を得ることができる放射線検出素子を提供することができる。
本開示の一実施形態に係る検出素子を備える放射線検出装置の一例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る放射線検出装置の動作原理を示す図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の平面図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の断面図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法を説明する図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法を説明する図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法を説明する図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の平面図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の断面図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の平面図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の断面図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の平面図である。 本開示の一実施形態に係る検出素子の一部の断面図である。 本開示の一実施形態に係る放射線検出装置(容器モジュール)の断面斜視図である。
以下、図面を参照して、本開示の検出素子および検出装置について詳細に説明する。なお、本開示の検出素子および検出装置は以下の実施形態に限定されることはなく、種々の変形を行ない実施することが可能である。全ての実施形態においては、同じ構成要素には同一符号を付して説明する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明するが、例えば、第1部材と第2部材との上下関係が図示と逆になるように配置されてもよい。また、以下の説明で基板の第1面及び第2面は基板の特定の面を指すものではなく、基板の表面方向又は裏面方向を特定するもので、つまり基板に対する上下方向を特定するための名称である。
<本件発明に至る経緯>
従来の放射線検出装置においては、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材とした貫通電極を有する検出素子が用いられてきた。しかしながら、放射線量の多い環境放射線の検出用途では、基材のケイ素が中性子照射を受けてリンなど他の原子に転換され、導電性を獲得してしまうことが分かった。すなわち、基材のケイ素が導通し、同時に基材表面の酸化膜から電流がリークすることにより、検出素子表面のピクセル電極の電場が乱れやすくなることが判明した。また、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材として用いることで、表面の酸化膜による寄生容量がピクセル電極の電場を乱す原因となりうる。さらに、検出装置内に充填されたガスの交換ができない環境下では、絶縁性樹脂からのガス発生に起因する検出装置内のガスの劣化も問題となる。本開示者は、上記の問題を解決するために、鋭意検討した結果、本願発明に至った。
<第1実施形態>
[放射線検出装置100の構成]
図1を用いて、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10を備える放射線検出装置100の構成の概要を説明する。本実施形態に係る放射線検出装置100は、ドリフト電極110と、放射線検出素子10及びチャンバー111を備えている。ドリフト電極110と、放射線検出素子10は、チャンバー111内に一定のスペースを介して対向して配置される。チャンバー111の内部には、アルゴンやキセノンなどの希ガスと、エタンやメタンなどの常温でガスのアルカンもしくは二酸化炭素を含む消光作用を有するガス(クエンチングガス)と、の混合ガスで封入されている。なお、チャンバー111の内部にはこれらのガスが単体で封入されていてもよく、二種類以上の混合ガスが封入されていてもよい。
本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10は、絶縁部材102、カソード電極104、アノード電極106、アノードパターン電極108及びアノード貫通電極112を有している。図1に示すように、カソード電極104は、絶縁部材102の第1面に複数配置されている。カソード電極104は、複数の開口部105を有している。カソード電極104は、ストリップ状に形成されているので、カソードストリップ電極ともいう。
カソード電極104の複数の開口部105のそれぞれには、アノード電極106が配置される。アノード電極106は、カソード電極104と離隔して絶縁部材102の第1面に露出するように配置される。アノード電極106は、アノード貫通電極112およびアノードパターン電極108と接続される。アノード貫通電極112は、絶縁部材102の第1面から反対側の第2面まで絶縁部材102を接続する貫通孔に配置される。アノードパターン電極108は、絶縁部材102の第2面に配置される。すなわち、アノード電極106は絶縁部材102の第1面側においてアノード貫通電極112に接続され、アノード貫通電極112は絶縁部材102の第2面側においてアノードパターン電極108に接続される。アノード電極106、アノード貫通電極112、およびアノードパターン電極108の構造については後で詳しく説明する。アノードパターン電極108は複数のアノード貫通電極112と接続し、複数のアノード貫通電極112はそれぞれ複数のアノード電極106と接続する。アノードパターン電極108は、絶縁部材102の第2面に複数配置されている。
本実施形態において、複数のカソード電極104が延在する方向と、複数のアノード電極106が接続するアノードパターン電極108が延在する方向とは概略直交している。アノード電極106はカソード電極104とアノードパターン電極108とが交差する位置に設けられている。換言すると、アノード電極106は、カソード電極104が延在する方向及びアノードパターン電極108が延在する方向に沿ってマトリクス状に配置されている。ここで、本実施形態では、カソード電極104が延在する方向及びアノードパターン電極108が延在する方向が概略直交している構成を例示したが、この構成に限定されない。カソード電極104が延在する方向及びアノードパターン電極108が延在する方向は異なればよく、例えば傾斜して交差する構成であってもよい。
絶縁部材102の第1面側には、さらにリード配線124が設けられている。アノード電極106は、アノード貫通電極112、アノードパターン電極108、層間接続部126を介して、このリード配線124に接続される。すなわちアノード電極106、アノード貫通電極112、アノードパターン電極108、層間接続部126、およびリード配線124は、一つの導電体であり、リード配線124はアノード電極106の接続端子として機能する。なお、本実施形態においては、アノード電極106、アノード貫通電極112、アノードパターン電極108、層間接続部126、およびリード配線124は別々に設けられ、それぞれが電気的に接続されている形態について説明しているが、これに限定されるわけではない。例えば、アノード電極106、アノード貫通電極112、アノードパターン電極108、層間接続部126、およびリード配線124の一部又は全部が一体形成されていてもよい。アノードパターン電極108は、ストリップ状に形成されているので、アノードストリップパターンともいう。アノード電極106を第1電極、カソード電極104を第2電極、ドリフト電極110を第3電極という場合がある。
本発明の一実施形態に係る絶縁部材102としては、ガラス基板を用いることができる。特に、アルカリ金属を含まず、アルカリ土類金属酸化物を主成分とした無アルカリガラスを用いることが好ましい。無アルカリガラスは溶融性があり、加工がしやすく、電気絶縁性にも優れるため絶縁部材102の材料として好ましい。絶縁部材102にガラスを用いることで、多量の放射線が照射されてケイ素がリンに転換する場合が生じても、酸素を介する結合により絶縁性を維持することができ、安定して高いガス増幅率を得ることができる。絶縁部材102にガラスを用いることで、絶縁部材102を貫通する貫通孔103の内側面の凹凸構造を抑制することができ、後述する貫通孔103のアスペクト比を4以上8以下の範囲で形成することができる。また、基板として絶縁部材を用いることで、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材を用いたときの酸化膜などによる寄生容量の問題を抑制することができる。さらに絶縁樹脂層を用いないことで、ガスが封入されるチャンバー内での樹脂材料からのガス発生を防ぐことができる。
絶縁部材102の厚さは、特に制限はないが、例えば、200μm以上700μm以下の厚さの基板を用いることができる。絶縁部材102の厚さは、より好ましくは、350μm以上450μm以下であるとよい。上記の基板の厚さの下限よりも基板が薄くなると、基板のたわみが大きくなる。その影響で、製造過程におけるハンドリングが困難になるとともに、基板上に形成する薄膜等の内部応力により基板が反ってしまい、基板が割れる問題が生じる。また、上記の基板の厚さの上限よりも基板が厚くなると貫通孔の形成工程が長くなる。その影響で、製造工程が長期化し、製造コストも上昇してしまう。
本実施形態に係る、カソード電極104、アノード電極106、アノード貫通電極112、アノードパターン電極108、層間接続部126、およびリード配線124の材料は銅(Cu)であるが、導電性を備えた金属材料ならこれに限定しない。金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等の金属またはこれらを用いた合金などから選択された材料を用いることができる。
リード配線124はさらに、第1金属層120および第2金属層122を有していてもよい。ここで、第1金属層120は、外部装置との接続端子として機能する。したがって、外部装置に備えられた接続端子と良好な電気的接続を確保する目的で配置される。第1金属層120としては、例えば、Au、Ag、Ptなどの材料を用いることができる。第2金属層122は第1金属層120とリード配線124との間で各々の金属原子が拡散して混合することを抑制するバリア層として機能する。したがって、第2金属層122は第1金属層120及びリード配線124の各々に用いられる材料の拡散を抑制することができる材料を用いることができる。第2金属層122としては、例えば、Ni、Pd、Ti、Ta、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)などの材料を用いることができる。
ここで、カソード電極104の一部、開口部105、アノード電極106、絶縁部材102の一部を含むピクセル電極の最小繰り返し単位をピクセル電極1とする。ピクセル電極1は概略正方形である。ピクセル電極の一辺の長さをPとすると、カソード電極104の最小繰り返し単位(ピッチ)及びアノード電極106の最小繰り返し単位(ピッチ)もPとなる。図1では1個の放射線検出素子10に6個のピクセル電極1を示したが、これに限定されない。放射線検出素子10は、複数のピクセル電極1を有すればよい。放射線検出装置100は、ピクセル電極1とドリフト電極110の間に入射した放射線を、放射線検出素子10によって検出する。
[放射線検出の原理]
図2を用いて、本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の動作原理を説明する。それぞれのカソード電極104とアノード電極106の間に電圧を印加することで、電場が形成される。カソード電極104はグランド(GND)に接続されており、ドリフト電極110とカソード電極104との間にも電圧が印加され、電場が形成される。
放射線が入射した時、ドリフト電極110とカソード電極104との間に発生させた電場の影響により、放射線はチャンバー111内に存在する気体との相互作用により電子雲を形成する。電子雲の各電子は、アノード電極106とカソード電極104からなるピクセル電極1の方向へ引き寄せられる。このとき、引き寄せられた電子は気体原子と衝突し、気体原子を電離する。ガス増幅により電離した電子は雪崩的に増殖し、アノード電極106で収集される電子群は、電気信号として読み出すことができる程度にまで達する。そして、この電気信号をアノードパターン電極108を通して接続端子であるリード配線124から外部に読み出すことができる。一方、カソード電極104には電子群に誘導された正電荷が生じ、ここから得られる電気信号をカソード電極の接続端子104Aから外部に読みだすことができる。これらの電気信号を時系列に計測することにより、荷電粒子の飛跡を測定することができる。
[ピクセル電極の構成]
次に、図3および図4を用いて、本実施形態に係る放射線検出素子10が有するピクセル電極1の構成について詳しく説明する。図3は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10の一部の平面図である。図4は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10の一部の断面図である。図4(A)は、図3のA−A’断面図である。
図3および図4(A)に示すように、放射線検出素子10のピクセル電極1は、絶縁部材102、アノード電極106(第1電極)、アノード貫通電極112、アノードパターン電極108、及びカソード電極104(第2電極)を有する。図3に示すように、カソード電極104には、アノード電極106を囲むように開口部105が設けられている。カソード電極104は、アノード電極106と離隔して配置されている。つまり、カソード電極104とアノード電極106とは絶縁されている。ここで図3では、カソード電極104とアノード電極106との距離がアノード電極106を基準として全方向において一定になるようにカソード電極104の開口部105内にアノード電極106が設けられた構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、アノード電極106を基準としてある一定の方向において、他の方向よりもカソード電極104とアノード電極106との距離が近くてもよい。このようにすることで、上記の一定の方向において検出感度を高めることができる。また、図3では、カソード電極104はアノード電極106を囲んでいる構成を例示したが、カソード電極104の一部が開放されていてもよい。
図4に示すように、アノード電極106は、絶縁部材102の第1面102Aに露出するように配置される。本実施形態においてアノード電極106は、開口部105のそれぞれにおいて絶縁部材102の第1面102Aから先端が突出している形状を有しているが、開口部105のそれぞれにおいて先端が突出しないような形状(先端が絶縁部材102の第1面102Aと概略一致する形状、又は先端が絶縁部材102の内部に位置する形状)であってもよい。ただし、絶縁部材102の第1面102A上でのカソード電極104とアノード電極106の高さを略同一にすることで、カソード電極104とアノード電極106の上面部間だけでなく側面部間にも電気力線が生じることよりガス増幅率が向上する。
アノード電極106は、絶縁部材102の第1面102A側において、貫通孔103に配置されたアノード貫通電極112に接続されている。図4では、アノード貫通電極112が貫通孔103の内部に充填される構成を例示したが、この構成に限定されない。アノード貫通電極112はアノード電極106と電気的に接続されればよく、例えば、アノード貫通電極112は貫通孔103の内側面に配置され、アノード貫通電極112の内部は空洞または絶縁樹脂などで充填されてもよい。
貫通孔103は、絶縁部材102の第1面102Aから第2面102Bまで接続する。本実施形態において、貫通孔103およびアノード貫通電極112は円柱形である。すなわち、貫通孔103は絶縁部材102の厚さ方向において略同一の内径を有する。ここで貫通孔103の内径とは最大径を示し、貫通孔103の絶縁部材102の厚さ方向と垂直な断面における貫通孔103の輪郭線上の距離が最大になる2点の長さを示す。したがって、貫通孔103の第1面102A側における第1貫通端部103Aの内径と貫通孔103の第2面102B側における第2貫通端部103Bの内径とは、略同一である。
貫通孔103のアスペクト比は、4以上8以下の範囲であることが好ましい。ここで貫通孔103のアスペクト比とは、貫通孔103の内径(貫通孔103が絶縁部材102の厚さ方向において異なる内径を有する場合、最大値をとる)に対する貫通孔103の深さ(絶縁部材102の厚さ)と定義する。貫通孔103のアスペクト比が8より大きい場合、後述するアノード貫通電極112を形成するときに、貫通孔103の内側面に貫通孔103の深さ全体に亘って導電層を形成することが困難になる。貫通孔103のアスペクト比が4未満である場合、絶縁部材102の厚さを一定以上に維持すると放射線検出素子10に微細なピクセル電極1を形成することが困難になる。
本実施形態において、貫通孔103の第1面102A側における第1貫通端部103Aの内径と、アノード電極106の径106Aとは略同一である。ここでアノード電極106の径106Aとは、アノード電極106の第1面102Aとは反対側の上面における最大径を示す。しかしながらこれに限定されず、本実施形態の変形例に係る放射線検出素子では、図4(B)に示すように、アノード電極106の径106Aは貫通孔103の第1面102A側における第1貫通端部103Aの内径より小さくてもよい。図4(C)に示すように、アノード電極106の径106Aは貫通孔103の第1面102A側における第1貫通端部103Aの内径より大きくてもよい。アノード電極106の径106Aが第1貫通端部103Aの内径より大きいことで、例えば、アノード電極106の形成時において第1貫通端部103Aとの位置ずれの問題を抑制することができる。アノード電極106の径106Aは、100μm以下の範囲であればよい。
アノードパターン電極108は、絶縁部材102の第2面102B側に配置されている。アノードパターン電極108は、絶縁部材102の第2面102B側においてアノード貫通電極112と接続されている。アノードパターン電極108は隣接するアノード貫通電極112を連結し、層間接続部126を介してリード配線124に接続される。アノードパターン電極108の幅は、第2貫通端部103Bより大きければよい。ここでアノードパターン電極108の幅とは、アノードパターン電極108が延在する方向と垂直な幅を示す。
以上のように、本実施形態に係る検出素子を備える放射線検出装置によると、絶縁部材102としてガラスを用いることで、多量の放射線が照射されてケイ素がリンに転換する場合が生じても、酸素を介する結合により絶縁性を維持することができ、安定して高いガス増幅率を得ることができる。絶縁部材102にガラスを用いることで、絶縁部材102を貫通する貫通孔103の内側面の凹凸構造を抑制することができ、貫通孔103のアスペクト比を4以上8以下の範囲で形成することができる。また、基板として絶縁部材を用いることで、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材を用いたときの酸化膜などによる寄生容量の問題を抑制することができる。さらに絶縁樹脂層を用いないことで、ガスが封入されるチャンバー内での樹脂材料からのガス発生を防ぐことができる。このため放射線検出装置100内部の反応ガスの交換頻度を低下することができる。
[検出素子の製造方法]
図5から図7を用いて、本実施形態に係る放射線検出素子10の製造方法を説明する。図5から図7において、図3および図4に示す要素と同じ要素には同一の符号を付した。
図5(A)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、絶縁部材102に貫通孔103を形成する工程を示す図である。絶縁部材102に貫通孔103を形成する方法としては、フォトリソグラフィを用いたウェットエッチング又はドライエッチング、レーザ照射による昇華又はアブレーション、レーザ照射による変質層形成及びウェットエッチング、サンドブラスト方式などの方法を用いることができる。
図5(B)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、貫通孔103にアノード貫通電極112および層間接続部126を充填する工程を示す図である。図5(B)に示すように、アノード貫通電極112および層間接続部126を貫通孔103内部に充填させる。アノード貫通電極112および層間接続部126の充填は電解めっき法や無電解めっき法を用いることができる。ここでは詳細な説明は省略するが、貫通孔103の第1貫通端部103Aまたは第2貫通端部103Bにシード層を形成し、シード層上にめっき層を成長させて貫通孔103を塞ぐまでめっき層を成長させる、いわゆる蓋めっきを形成する。そして、当該蓋めっきから貫通孔103の他方の貫通端部に向けてめっき層を成長させることで貫通孔103を充填するアノード貫通電極112および層間接続部126を形成することができる。
図5(C)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、絶縁部材102の第1面に導電層325を形成する工程を示す図である。図5(C)に示すように、絶縁部材102の第1面において、絶縁部材102上及びアノード貫通電極112上に導電層325を形成する。導電層325は、後にカソード電極104、アノード電極106、及びリード配線124の一部となる。導電層325は、PVD法又はCVD法等により形成することができる。導電層325に使用する材料は、後に導電層325上に形成するめっき層326と同じ材質を選択することができる。導電層325は、後の工程でめっき層326を形成する際に、電解めっき法におけるシードとして用いられる。ここで、導電層325は、好ましくは20nm以上1μm以下の膜厚で形成するとよい。また、導電層325は、より好ましくは100nm以上300nm以下の膜厚で形成するとよい。
図5(D)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、導電層325上にレジストパターン329を形成する工程を示す図である。図5(D)に示すように、導電層325上にフォトレジストを塗布した後に、露光及び現像を行うことによりレジストパターン329を形成する。ここでレジストパターン329は、後にカソード電極104、アノード電極106、及びリード配線124を形成する領域を露出する。
図6(A)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、レジストから露出された導電層325にめっき層326を形成する工程を示す図である。図6(A)に示すように、図4に示すカソード電極104、アノード電極106、及びリード配線124のパターンが形成される領域にめっき層326を形成する。導電層325に通電して電解めっき法を行い、レジストパターン329から露出している導電層325上にめっき層326を形成する。
図6(B)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、レジストパターン329を除去する工程を示す図である。図6(B)に示すように、めっき層326を形成した後に、レジストパターン329を構成するフォトレジストを有機溶媒により除去する。なお、フォトレジストの除去には、有機溶媒を用いる代わりに、酸素プラズマによるアッシングを用いることもできる。
図6(C)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、アノード電極及びカソード電極を形成する工程を示す図である。図6(C)に示すように、レジストパターン329によって覆われ、上にめっき層326が形成されなかった領域の導電層325を除去(エッチング)することで、カソード電極104、アノード電極106、及びリード配線124を電気的に分離する。導電層325のエッチングによって、めっき層326の表面もエッチングされて薄膜化するため、この薄膜化の影響を考慮してめっき層326の膜厚を設定することが好ましい。導電層325のエッチングとしては、ウェットエッチングやドライエッチングを使用することができる。この工程によって、図4に示すカソード電極104、アノード電極106、及びリード配線124を形成することができる。なお、カソード電極104、アノード電極106、及びリード配線124は、導電層325及びめっき層326から形成されているが、図では一体として形成された構造を例示した。
図6(D)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、配線端子部を形成する工程を示す図である。図6(D)に示すように、リード配線124上に第2金属層122及び第1金属層120をさらに形成することで接続端子部を形成してもよい。第2金属層122及び第1金属層120は、リード配線124に通電する電解めっき法によって、リード配線124上に選択的に形成することができる。ただし、全面に第2金属層122及び第1金属層120を形成するための金属層を成膜し、接続端子部に対応する領域をフォトレジストで覆い、その他の領域をエッチングすることで第2金属層122及び第1金属層120を形成してもよい。
図7(A)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、基板の裏面にアノードパターン電極108を形成する工程を示す図である。図7(A)に示すように、絶縁部材102の第2面側にアノードパターン電極108を形成する。上記の製造方法によって、図3および図4に示す放射線検出素子10の構造を得ることができる。
図7(B)は、本開示の一実施形態に係る検出素子の製造方法において、ワイヤーボンディング工程を示す図である。図7(B)に示すように、図7(A)の検出素子を接着層330を介してフレーム340に固定し、第1金属層120とフレーム340とをボンディングワイヤ132によって接続してもよい。
<第2実施形態>
本実施形態に係る放射線検出素子10aは、貫通孔103aおよびアノード貫通電極112aが円錐台型であること以外、第1実施形態に係る放射線検出素子10と同じであるから、ここでは、第1実施形態に係る放射線検出素子10と相違する部分について説明する。なお、第2実施形態に係る放射線検出素子10aにおいて、図3および図4に示した放射線検出素子10と同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[ピクセル電極の構成]
図8および図9を用いて、本開示の第2実施形態に係る放射線検出素子が有するピクセル電極の構成について詳しく説明する。図8は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10aの一部の平面図である。図9は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10aの一部の断面図である。図9(A)は、図8のB−B’断面図である。
図8および図9(A)に示すように、放射線検出素子10aのピクセル電極1aは、絶縁部材102a、アノード電極106a(第1電極)、アノード貫通電極112a、アノードパターン電極108a、及びカソード電極104a(第2電極)を有する。アノード電極106aは、絶縁部材102aの第1面102Aa側において、貫通孔103aに配置されたアノード貫通電極112aに接続されている。アノード貫通電極112aは貫通孔103aの内部に充填されている。
貫通孔103aは、絶縁部材102aの第1面102Aaから第2面102Baまで接続する。本実施形態において、貫通孔103aは円錐台型である。すなわち、貫通孔103aは絶縁部材102aの厚さ方向の2か所において異なる内径を有する。貫通孔103aの第1面102Aa側における第1貫通端部103Aaと、貫通孔103aの第2面102Ba側における第2貫通端部103Baとは、互いに異なる内径を有する。貫通孔103aは、第1面102Aa側における第1貫通端部103Aaの内径が、第2面102Ba側における第2貫通端部103Baの内径より小さい。
ここで、絶縁部材102aの第1面102Aaと貫通孔103aの側壁とのなす角度θは85°以上89°以下である。ここで、なす角度θは、好ましくは86°以上88°以下であるとよい。また、なす角度θは、より好ましくは86.5°以上87.5°以下であるとよい。すなわち、本実施形態に係る貫通孔103aは、絶縁部材102aの第1面102Aaから第2面102Baに向かって径が広がるテーパ形状である。
貫通孔103aのアスペクト比は、4以上8以下の範囲であることが好ましい。貫通孔103aのアスペクト比が8より大きい場合、後述するアノード貫通電極112aを形成するときに、貫通孔103aの内側面に貫通孔103aの深さ全体に亘って導電層を形成することが困難になる。貫通孔103aのアスペクト比が4未満である場合、絶縁部材102aの厚さを一定以上に維持すると放射線検出素子10aに微細なピクセル電極1aを形成することが困難になる。
本実施形態において、貫通孔103aの第1面102Aa側における第1貫通端部103Aaの内径と、アノード電極106aの径106Aaとは略同一である。しかしながらこれに限定されず、本実施形態の変形例に係る検出素子では、図9(B)に示すように、アノード電極106aの径106Aaは貫通孔103aの第1面102Aa側における第1貫通端部103Aaの内径より小さくてもよい。図9(C)に示すように、アノード電極106aの径106Aaは貫通孔103aの第1面102Aa側における第1貫通端部103Aaの内径より大きくてもよい。アノード電極106aの径106Aaが第1貫通端部103Aaの内径より大きいことで、例えば、アノード電極106aの形成時において第1貫通端部103Aaとの位置ずれの問題を抑制することができる。アノード電極106aの径106Aaは、100μm以下の範囲であればよい。
アノードパターン電極108aは、絶縁部材102aの第2面102Ba側においてアノード貫通電極112aと接続されている。アノードパターン電極108aの幅は、第2貫通端部103Baより大きければよい。
以上のように、本実施形態に係る検出素子を備える放射線検出装置によると、絶縁部材102aとしてガラスを用いることで、多量の放射線が照射されてケイ素がリンに転換する場合が生じても、酸素を介する結合により絶縁性を維持することができ、安定して高いガス増幅率を得ることができる。絶縁部材102aにガラスを用いることで、絶縁部材102aを貫通する貫通孔103aの内側面の凹凸構造を抑制することができ、貫通孔103aのアスペクト比を4以上8以下の範囲で形成することができる。また、基板として絶縁部材を用いることで、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材を用いたときの酸化膜などによる寄生容量の問題を抑制することができる。さらに絶縁樹脂層を用いないことで、ガスが封入されるチャンバー内での樹脂材料からのガス発生を防ぐことができる。このため放射線検出装置100a内部の反応ガスの交換頻度を低下することができる。本実施形態に係る放射線検出素子10aは貫通孔103aの第1貫通端部103Aaが第2貫通端部103Baより小さいことで、アノード電極106aの径106Aaを小さくすることができ、より高いガス増幅率を得ることができる。貫通孔103aの第1貫通端部103Aaが第2貫通端部103Baより小さいことで、第1貫通端部103Aaとカソード電極104aの距離を大きくとることができ、よりカソード電極104aとアノード電極106a間の電場を安定させることができる。
[検出素子の製造方法]
本実施形態に係る検出素子の製造方法は、絶縁部材102aの第2面102Baからレーザ照射によって貫通孔103aを形成すること以外、第1実施形態に係る検出素子の製造方法と同じであることから、ここでは省略する。絶縁部材102aの第2面102Baからレーザ照射によって貫通孔103aを形成することで、レーザに近い絶縁部材102aの第2面102Ba側の第2貫通端部103Baが第1貫通端部103Aaより大きく形成される。貫通孔103aは、絶縁部材102aの第2面102Baと貫通孔103aの側壁とのなす角度θが91°以上95°以下のテーパ形状に形成する。
<第3実施形態>
本実施形態に係る放射線検出素子10bは、貫通孔103bの第1貫通端部103Abおよび第2貫通端部103Bbの大きさが入れ替わること以外、第2実施形態に係る放射線検出素子10aと同じであるから、ここでは、第1実施形態に係る放射線検出素子10および第2実施形態に係る放射線検出素子10aと相違する部分について説明する。なお、第3実施形態に係る放射線検出素子10bにおいて、図3および図4に示した放射線検出素子10と同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[ピクセル電極の構成]
図10および図11を用いて、本開示の第3実施形態に係る放射線検出素子が有するピクセル電極の構成について詳しく説明する。図10は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10bの一部の平面図である。図11は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10bの一部の断面図である。図11(A)は、図10のC−C’断面図である。
図10および図11(A)に示すように、放射線検出素子10bのピクセル電極1bは、絶縁部材102b、アノード電極106b(第1電極)、アノード貫通電極112b、アノードパターン電極108b、及びカソード電極104b(第2電極)を有する。アノード電極106bは、絶縁部材102bの第1面102Ab側において、貫通孔103bに配置されたアノード貫通電極112bに接続されている。アノード貫通電極112bは貫通孔103bの内部に充填されている。
貫通孔103bは、絶縁部材102bの第1面102Abから第2面102Bbまで接続する。本実施形態において、貫通孔103bは円錐台型である。すなわち、貫通孔103bは絶縁部材102bの厚さ方向の2か所において異なる内径を有する。貫通孔103bの第1面102Ab側における第1貫通端部103Abと、貫通孔103bの第2面102Bb側における第2貫通端部103Bbとは、互いに異なる内径を有する。貫通孔103bは、第2面102Bb側における第2貫通端部103Bbの内径が、第1面102Ab側における第1貫通端部103Abの内径より小さい。
ここで、絶縁部材102bの第1面102Abと貫通孔103bの側壁とのなす角度θは91°以上95°以下である。ここで、なす角度θは、好ましくは92°以上94°以下であるとよい。また、なす角度θは、より好ましくは92.5°以上93.5°以下であるとよい。すなわち、本実施形態に係る貫通孔103bは、絶縁部材102bの第2面102Bbから第1面102Abに向かって径が広がるテーパ形状である。
貫通孔103bのアスペクト比は、4以上8以下の範囲であることが好ましい。貫通孔103bのアスペクト比が8より大きい場合、後述するアノード貫通電極112bを形成するときに、貫通孔103bの内側面に貫通孔103bの深さ全体に亘って導電層を形成することが困難になる。貫通孔103bのアスペクト比が4未満である場合、絶縁部材102bの厚さを一定以上に維持すると放射線検出素子10bに微細なピクセル電極1bを形成することが困難になる。
本実施形態において、貫通孔103bの第1面102Ab側における第1貫通端部103Abの内径と、アノード電極106bの径106Abとは略同一である。しかしながらこれに限定されず、本実施形態の変形例に係る検出素子では、図11(B)に示すように、アノード電極106bの径106Abは貫通孔103bの第1面102Ab側における第1貫通端部103Abの内径より小さくてもよい。図11(C)に示すように、アノード電極106bの径106Abは貫通孔103bの第1面102Ab側における第1貫通端部103Abの内径より大きくてもよい。アノード電極106bの径106Abが第1貫通端部103Abの内径より大きいことで、例えば、アノード電極106bの形成時において第1貫通端部103Abとの位置ずれの問題を抑制することができる。アノード電極106bの径106Abは、100μm以下の範囲であればよい。
アノードパターン電極108bは、絶縁部材102bの第2面102Bb側においてアノード貫通電極112bと接続されている。アノードパターン電極108bの幅は、第2貫通端部103Bbより大きければよい。
以上のように、本実施形態に係る検出素子を備える放射線検出装置によると、絶縁部材102bとしてガラスを用いることで、多量の放射線が照射されてケイ素がリンに転換する場合が生じても、酸素を介する結合により絶縁性を維持することができ、安定して高いガス増幅率を得ることができる。絶縁部材102bにガラスを用いることで、絶縁部材102bを貫通する貫通孔103bの内側面の凹凸構造を抑制することができ、貫通孔103bのアスペクト比を4以上8以下の範囲で形成することができる。また、基板として絶縁部材を用いることで、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材を用いたときの酸化膜などによる寄生容量の問題を抑制することができる。さらに絶縁樹脂層を用いないことで、ガスが封入されるチャンバー内での樹脂材料からのガス発生を防ぐことができる。このため放射線検出装置100b内部の反応ガスの交換頻度を低下することができる。本実施形態に係る放射線検出素子10bは貫通孔103bの第2貫通端部103Bbが第1貫通端部103Abより小さいことで、アノードパターン電極108bの幅を小さくすることができ、より微細な配線パターンを形成することができる。
[検出素子の製造方法]
本実施形態に係る検出素子の製造方法は、絶縁部材102bの第1面102Abからレーザ照射によって貫通孔103bを形成すること以外、第1実施形態に係る検出素子の製造方法と同じであることから、ここでは省略する。絶縁部材102bの第1面102Abからレーザ照射によって貫通孔103bを形成することで、レーザに近い絶縁部材102bの第1面102Ab側の第1貫通端部103Abが第2貫通端部103Bbより大きく形成される。貫通孔103bは、絶縁部材102bの第1面102Abと貫通孔103bの側壁とのなす角度θが91°以上95°以下のテーパ形状に形成する。
<第4実施形態>
本実施形態に係る放射線検出素子10cは、貫通孔103cが、第2実施形態に係る貫通孔103aの第1貫通端部103Aa側および第3実施形態に係る貫通孔103bの第2貫通端部103Bb側の組み合わせであること以外、第1実施形態に係る放射線検出素子10と同じであるから、ここでは、第1実施形態に係る放射線検出素子10、第2実施形態に係る放射線検出素子10a、第3実施形態に係る放射線検出素子10bと相違する部分について説明する。なお、第4実施形態に係る放射線検出素子10cにおいて、図3および図4に示した放射線検出素子10と同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[ピクセル電極の構成]
図12および図13を用いて、本開示の第4実施形態に係る放射線検出素子が有するピクセル電極の構成について詳しく説明する。図12は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10cの一部の平面図である。図13は、本開示の一実施形態に係る放射線検出素子10cの一部の断面図である。図13(A)は、図10のD−D’断面図である。
図12および図13(A)に示すように、放射線検出素子10cのピクセル電極1cは、絶縁部材102c、アノード電極106c(第1電極)、アノード貫通電極112c、アノードパターン電極108c、及びカソード電極104c(第2電極)を有する。アノード電極106cは、絶縁部材102cの第1面102Ac側において、貫通孔103cに配置されたアノード貫通電極112cに接続されている。アノード貫通電極112cは貫通孔103cの内部に充填されている。
貫通孔103cは、絶縁部材102cの第1面102Acから第2面102Bcまで接続する。本実施形態において、貫通孔103cは双円錐台型である。貫通孔103cは、第2実施形態に係る貫通孔103aの第1貫通端部103Aa側および第3実施形態に係る貫通孔103bの第2貫通端部103Bb側の端部同士(内径の小さい端部同士)を組み合わせた形状である。すなわち、貫通孔103cは絶縁部材102cの厚さ方向において異なる内径の2か所を有する。貫通孔103cは絶縁部材102cの厚さ方向に、第1貫通端部103Acの内径および第2貫通端部103Bcの内径より小さい内径を有する。本実施形態において貫通孔103cの最も小さい内径を有する狭窄部は、第1貫通端部103Acと第2貫通端部103Bcとの中心に位置する。貫通孔103cの第1面102Ac側における第1貫通端部103Acと、貫通孔103cの第2面102Bc側における第2貫通端部103Bcとは、略同一の内径を有する。しかしながらこれに限定されず、貫通孔103cの狭窄部は、第1貫通端部103Acと第2貫通端部103Bcの間であればよい。また、第1貫通端部103Ac第2貫通端部103Bcとは互いに異なる内径を有してもよい。
ここで、絶縁部材102cの第1面102Acと貫通孔103cの側壁とのなす角度θ1、または第2面102Bcと貫通孔103cの側面とのなす角度θ2はそれぞれ92°以上97°以下の範囲である。ここで、なす角度θ1およびθ2は、好ましくは93°以上95°以下であるとよい。また、なす角度θ1およびθ2は、より好ましくは93.5°以上94.5°以下であるとよい。なす角度θ1およびθ2は略同一であってもよく、異なってもよい。
貫通孔103cのアスペクト比は、4以上8以下の範囲であることが好ましい。貫通孔103cのアスペクト比が8より大きい場合、後述するアノード貫通電極112cを形成するときに、貫通孔103cの内側面に貫通孔103cの深さ全体に亘って導電層を形成することが困難になる。貫通孔103cのアスペクト比が4未満である場合、絶縁部材102cの厚さを一定以上に維持すると放射線検出素子10cに微細なピクセル電極1cを形成することが困難になる。
本実施形態において、貫通孔103cの第1面102Ac側における第1貫通端部103Acの内径と、アノード電極106cの径106Acとは略同一である。しかしながらこれに限定されず、本実施形態の変形例に係る検出素子では、図13(B)に示すように、アノード電極106cの径106Acは貫通孔103cの第1面102Ac側における第1貫通端部103Acの内径より小さくてもよい。図13(C)に示すように、アノード電極106cの径106Acは貫通孔103cの第1面102Ac側における第1貫通端部103Acの内径より大きくてもよい。アノード電極106cの径106Acが第1貫通端部103Acの内径より大きいことで、例えば、アノード電極106cの形成時において第1貫通端部103Acとの位置ずれの問題を抑制することができる。アノード電極106cの径106Acは、100μm以下の範囲であればよい。
アノードパターン電極108cは、絶縁部材102cの第2面102Bc側においてアノード貫通電極112cと接続されている。アノードパターン電極108cの幅は、第2貫通端部103Bcより大きければよい。
以上のように、本実施形態に係る検出素子を備える放射線検出装置によると、絶縁部材102cとしてガラスを用いることで、多量の放射線が照射されてケイ素がリンに転換する場合が生じても、酸素を介する結合により絶縁性を維持することができ、安定して高いガス増幅率を得ることができる。絶縁部材102cにガラスを用いることで、絶縁部材102cを貫通する貫通孔103cの内側面の凹凸構造を抑制することができ、貫通孔103cのアスペクト比を4以上8以下の範囲で形成することができる。また、基板として絶縁部材を用いることで、表面に酸化膜を形成したシリコンを基材を用いたときの酸化膜などによる寄生容量の問題を抑制することができる。さらに絶縁樹脂層を用いないことで、ガスが封入されるチャンバー内での樹脂材料からのガス発生を防ぐことができる。このため放射線検出装置100c内部の反応ガスの交換頻度を低下することができる。本実施形態に係る放射線検出素子10cは貫通孔103cの第1貫通端部103Acが第3実施形態に係る放射線検出素子10bの第1貫通端部103Abより小さいことで、アノード電極106cの径106Acを小さくすることができ、より高いガス増幅率を得ることができる。第1貫通端部103Acが第3実施形態に係る第1貫通端部103Abより小さいことで、第1貫通端部103Acとカソード電極104cの距離を大きくとることができ、よりカソード電極104cとアノード電極106c間の電場を安定させることができる。貫通孔103cの第2貫通端部103Bcが第2実施形態に係る放射線検出素子10aの第2貫通端部103Baより小さいことで、アノードパターン電極108cの幅を小さくすることができ、より微細な配線パターンを形成することができる。
[検出素子の製造方法]
本実施形態に係る検出素子の製造方法は、絶縁部材102cの第1面102Acおよび第2面102Bcのそれぞれからレーザ照射によって貫通孔103cを形成すること以外、第1実施形態に係る検出素子の製造方法と同じであることから、ここでは省略する。絶縁部材102cの第1面102Acおよび第2面102Bcのそれぞれからレーザ照射によって貫通孔103cを形成することで、絶縁部材102cの第1面102Ac側の第1貫通端部103Acおよび第2面102Bc側の第2貫通端部103Bcが間の狭窄部より大きく形成される。貫通孔103cは、絶縁部材102cの第1面102Acおよび第2面102Bcがそれぞれの面と接続する貫通孔103cの側壁となす角度θが92°以上97°以下の双円錐台型に形成する。
<第5実施形態>
本実施形態においては、本開示の放射線検出装置の別の例について説明する。第1から第4実施形態と同様の構成を有しているので、同様の構成については改めて説明はしない。なお、放射線検出装置は容器モジュールとも呼ばれる。
図14に、本実施形態に係る本開示の放射線検出装置150の断面斜視図を示す。本実施形態に係る放射線検出装置150は、放射線検出素子10、ドリフト電極110及びチャンバー111を有している。また、本実施形態に係る放射線検出装置150においては、ドリフトケージ152a及び152bが設けられている。ドリフトケージ152a及び152bは、ドリフト電極110とピクセル電極部101との間の電界分布を均一化するために設けられている。ここで、本実施形態に係る本開示の放射線検出装置を容器モジュールという。
上述した本開示の一実施形態に係る検出素子を有する放射線検出装置について、より詳細に説明する。
本開示の一実施形態に係る放射線検出素子のガス増幅率を改善し、且つ分解能を維持するために、検出素子の構造を比較検討した。
[実施例1]
第1実施形態に係る放射線検出素子10を用いた放射線検出装置100を製造した。実施例1に係る検出素子の各パラメータは以下の通りである。
カソード電極の幅:350μm
カソード電極の開口径:250μm
アノード電極の直径:85μm
カソード電極とアノード電極との間隔:82.5μm
カソード電極、アノード電極のピッチ:400μm
貫通孔の第1貫通端部の内径:85μm
貫通孔の第2貫通端部の内径:85μm
絶縁部材の厚さ:400μm
実施例1に係る放射線検出素子10の分解能は120μmであった。カソード電極とアノード電極間に530〜550Vを印加したとき、ガス増幅率が12000であった。
なお、ガス増幅率Zは、ガス増幅後の電荷QA(C)/放射線1個で生じた1次電子の電荷QB(C)で求める。例えば、放射線源がBa133なら放射線1個で生じた電子(1次電子)の電荷QB(C)は以下の式で示すことができる。
QB(C)=(X線1個のエネルギー/ArのW値)×1.6×10-19
=(31keV/26eV)×1.6×10-19
一方、ガス増幅後の電荷QA(C)は、信号処理回路から出力されるアナログ信号1個をオシロスコープで読み取り縦軸波高(mV)と横軸時間(ナノ秒)と回路の定数から算出して求めることができる。
分解能(空間分解能)は、遮蔽材で構成された幅の異なるスリットを透過してくる放射線を検出することで、独立した2点として検出できる最短距離から求めることができる。
[実施例2]
第2実施形態に係る放射線検出素子10aを用いた放射線検出装置100aを製造した。実施例2に係る検出素子の各パラメータは以下の通りである。
カソード電極の幅:350μm
カソード電極の開口径:250μm
アノード電極の直径:85μm
カソード電極とアノード電極との間隔:82.5μm
カソード電極、アノード電極のピッチ:400μm
貫通孔の第1貫通端部の内径:50μm
貫通孔の第2貫通端部の内径:85μm
絶縁部材の厚さ:400μm
実施例2に係る放射線検出素子10aの分解能は120μmであった。カソード電極とアノード電極間に530〜550Vを印加したとき、ガス増幅率が13000であった。
[実施例3]
第2実施形態に係る放射線検出素子10aを用いた放射線検出装置100aを製造した。実施例3に係る検出素子の各パラメータは以下の通りである。
カソード電極の幅:350μm
カソード電極の開口径:250μm
アノード電極の直径:60μm
カソード電極とアノード電極との間隔:95μm
カソード電極、アノード電極のピッチ:400μm
貫通孔の第1貫通端部の内径:50μm
貫通孔の第2貫通端部の内径:85μm
絶縁部材の厚さ:400μm
実施例3に係る放射線検出素子10aの分解能は120μmであった。カソード電極とアノード電極間に530〜550Vを印加したとき、ガス増幅率が17500であった。
[実施例4]
第3実施形態に係る放射線検出素子10bを用いた放射線検出装置100bを製造した。実施例4に係る検出素子の各パラメータは以下の通りである。
カソード電極の幅:350μm
カソード電極の開口径:250μm
アノード電極の直径:85μm
カソード電極とアノード電極との間隔:82.5μm
カソード電極、アノード電極のピッチ:400μm
貫通孔の第1貫通端部の内径:85μm
貫通孔の第2貫通端部の内径:50μm
絶縁部材の厚さ:400μm
実施例4に係る放射線検出素子10bの分解能は120μmであった。カソード電極とアノード電極間に530〜550Vを印加したとき、ガス増幅率が12000であった。
[実施例5]
第4実施形態に係る放射線検出素子10cを用いた放射線検出装置100cを製造した。実施例5に係る検出素子の各パラメータは以下の通りである。
カソード電極の幅:350μm
カソード電極の開口径:250μm
アノード電極の直径:60μm
カソード電極とアノード電極との間隔:95μm
カソード電極、アノード電極のピッチ:400μm
貫通孔の第1貫通端部の内径:50μm
貫通孔の第2貫通端部の内径:50μm
貫通孔の最も小さい内径:25μm
絶縁部材の厚さ:400μm
実施例5に係る放射線検出素子10cの分解能は120μmであった。カソード電極とアノード電極間に530〜550Vを印加したとき、ガス増幅率が17500であった。
[比較例1]
従来のシリコンを基材とした放射線検出素子を用いた放射線検出装置を製造した。比較例1に係る検出素子の各パラメータは以下の通りである。
カソード電極の幅:350μm
カソード電極の開口径:250μm
アノード電極の直径:60μm
カソード電極とアノード電極との間隔:95μm
カソード電極、アノード電極のピッチ:400μm
貫通孔の第1貫通端部の内径:50μm
貫通孔の第2貫通端部の内径:50μm
絶縁部材の厚さ:400μm
比較例1に係る放射線検出素子の分解能は120μmであった。カソード電極とアノード電極間に530〜550Vを印加したとき、ガス増幅率が10000であった。
表1に、実施例1から5および比較例1に係る放射線検出装置のガス増幅率および分解能を示す。それぞれのガス増幅率は、比較例1のガス増幅率を1としたときの相対値で示す。比較例1の放射線検出装置と比べて、実施例1から5の放射線検出装置のガス増幅率はいずれも改善された。実施例1および実施例4と比較して実施例2に係る放射線検出装置は第1貫通端部が小さいことで、カソード電極からの電気力線はアノード電極に集中する。このため、実施例1および実施例4と比較して実施例2に係る放射線検出装置は、より高いガス増幅率を得ることができた。実施例2と比較して実施例3および実施例5の放射線検出装置は、アノード電極が小さいことでアノード電極付近の電気力線の密度が増加し、より高いガス増幅率を得ることができた。
Figure 2019148552
100:放射線検出装置、 1:ピクセル電極、 102:絶縁部材、 103:貫通孔、 103A:第1貫通端部、 103B:第2貫通端部、 104:カソード電極、 104A:接続端子、 105:開口部、 106:アノード電極、 108:アノードパターン電極、 110:ドリフト電極、 111:チャンバー、 112:アノード貫通電極、 120:第1金属層、 122:第2金属層、 124:リード配線、 126:層間接続部、 132:ボンディングワイヤ、 150:放射線検出装置、 152:ドリフトケージ、 325:導電層、 326:めっき層、 329:レジストパターン、 330:接着層、 340:フレーム

Claims (16)

  1. 第1面と前記第1面に対向する第2面とを有する基板であって、前記基板の厚さ方向の2か所において互いに異なる内径を有する貫通孔が設けられた基板と、
    前記貫通孔に配置された貫通電極と、
    前記貫通電極と接続し、前記第1面の上に配置された第1電極と、
    前記貫通電極と接続し、前記第2面側に配置されたパターン電極と、
    前記第1面に配置され、前記第1電極と離隔して配置された第2電極と、を備える検出素子。
  2. 前記貫通孔は、前記第1面における第1貫通端部と、前記第2面における第2貫通端部とが互いに異なる内径を有する請求項1に記載の検出素子。
  3. 前記貫通孔は、前記基板の厚さ方向に、前記第1面における第1貫通端部の内径および前記第2面における第2貫通端部の内径より小さい内径を有する請求項1または2に記載の検出素子。
  4. 前記第1面における第1貫通端部の内径は、前記第2面における第2貫通端部の内径より小さい請求項1乃至3の何れか1項に記載の検出素子。
  5. 前記第1電極の前記第1面と対向する面の径は、前記第1面における第1貫通端部の内径より小さい請求項1乃至4の何れか1項に記載の検出素子。
  6. 前記貫通孔のアスペクト比は、4以上8以下の範囲である請求項1乃至5の何れか1項に記載の検出素子。
  7. 前記基板は、無アルカリガラスである請求項1乃至6の何れか1項に記載の検出素子。
  8. 前記第1電極の前記第1面と対向する面の径が、100μm以下の範囲である請求項1乃至7の何れか1項に記載の検出素子。
  9. 前記第2電極は、前記第1電極を囲むように開口されている請求項1乃至8の何れか1項に記載の検出素子。
  10. 前記第1電極と前記貫通電極は複数設けられ、
    前記パターン電極は前記複数の貫通電極と接続され、前記複数の貫通電極は前記複数の第1電極とそれぞれ接続され、
    前記第2電極と前記パターン電極は複数設けられ、
    前記複数の第2電極が延在する方向は、前記複数のパターン電極が延在する方向と異なる請求項1乃至9の何れか1項に記載の検出素子。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載された検出素子を備え、
    分解能が150μm以下であって、第1電極と第2電極間に530〜550Vを印加するときにガス増幅率が12000以上であることを特徴とする検出装置。
  12. 第1面と前記第1面に対向する第2面とを有する基板であって、前記基板の厚さ方向の2か所において互いに異なる内径を有する貫通孔を形成し、
    前記貫通孔に貫通電極を形成し、
    前記第1面側に、前記貫通電極に接続される第1電極と、前記第1電極と離隔する第2電極と、を形成し、
    前記第2面側に、前記貫通電極に接続されるパターン電極を形成することを含む検出素子の製造方法。
  13. 前記貫通孔を形成することは、
    前記基板の第2面側から、前記第2面に対して91°以上95°以下の角度をなすテーパ形状を有する貫通孔を形成することを含む請求項12に記載の検出素子の製造方法。
  14. 前記貫通孔を形成することは、レーザーを用いることを含む請求項12又は13に記載の検出素子の製造方法。
  15. 前記第1電極を形成することは、
    前記第1電極の前記第1面と対向する面の径を、前記貫通孔の前記第1面における第1貫通端部の径より小さく形成することを含む請求項12乃至14の何れか1項に記載の検出素子の製造方法。
  16. 前記貫通孔を形成することは、アスペクト比を4以上8以下の範囲で形成することを含む請求項12乃至15の何れか1項に記載の検出素子の製造方法。
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