JP2013254584A - 電子増幅用ガラス基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子増幅用基板の基材としてガラス基板を用いた場合であっても、「放電」と「チャージアップ」のいずれについても、その発生を有効に抑制できるようにする。
【解決手段】板状のガラス材からなる板状部材11に貫通孔14が形成されてなり、前記貫通孔14内で電子雪崩増幅を起こすために用いられる電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、前記電子増幅用ガラス基板15の形状および前記板状部材11のガラス材の材質を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】板状のガラス材からなる板状部材11に貫通孔14が形成されてなり、前記貫通孔14内で電子雪崩増幅を起こすために用いられる電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、前記電子増幅用ガラス基板15の形状および前記板状部材11のガラス材の材質を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子増幅用ガラス基板およびその製造方法に関する。
近年、粒子線または電磁波の検出を行う検出器として、ガス電子増幅器(Gas Electron Multitplier、以下「GEM」と略す。)による電子雪崩増幅を利用したものが知られている。
一般的なGEMは、ポリイミド等からなる板状のフィルム部材に、その表裏に貫通する複数の貫通孔が形成されているとともに、そのフィルム部材の両面が銅で被覆されてなる電子増幅用基板を有している。そして、電子増幅用基板を検出ガス中に配した状態で、フィルム部材の両面を被覆する銅薄膜を電極として用いて二つの電極間に電位差を与え、複数の貫通孔の孔内に強い電場を作り出し、その電場によって電子雪崩増幅を起こして、電離電子数を増やして信号として捉え得るようにすることで、検出ガス中での電離電子についての測定を可能にするように構成されている(例えば特許文献1参照)。
一般的なGEMは、ポリイミド等からなる板状のフィルム部材に、その表裏に貫通する複数の貫通孔が形成されているとともに、そのフィルム部材の両面が銅で被覆されてなる電子増幅用基板を有している。そして、電子増幅用基板を検出ガス中に配した状態で、フィルム部材の両面を被覆する銅薄膜を電極として用いて二つの電極間に電位差を与え、複数の貫通孔の孔内に強い電場を作り出し、その電場によって電子雪崩増幅を起こして、電離電子数を増やして信号として捉え得るようにすることで、検出ガス中での電離電子についての測定を可能にするように構成されている(例えば特許文献1参照)。
ただし、上述した構成のGEMは、電子増幅用基板の基材としてポリイミド等からなるフィルム部材を用いているため、耐熱性、平滑性、剛性等が低く、またアウトガスが生じ得るといった問題がある。このことから、粒子線または電磁波の検出を行う検出器については、電子増幅用基板の基材として、鉛不含ソーダ石灰ガラスからなるガラス基板(例えば特許文献2参照)や、耐熱ガラス等の無機材料からなるガラス基板(例えば特許文献3参照)等を用いることが提案されている。
ところで、粒子線または電磁波の検出器用途の電子増幅用基板については、「放電」または「チャージアップ」の発生が大きな問題となる。
「放電」は、基板表裏の二つの電極間の絶縁が破れて短絡することで発生する。このような「放電」の発生は、電離電子数の信号読み出しを行う電気回路等の破壊を招き得る。
また、「チャージアップ」は、基板の帯電によって発生する。このような「チャージアップ」の発生は、基板への電子の吸着により所望の電子増幅率(ゲイン)が得られなくなるといった事態を招き得る。
このように、「放電」と「チャージアップ」は、いずれも検出器の動作を不安定にする要因となり得るため、その発生を未然に回避すべきである。
「放電」は、基板表裏の二つの電極間の絶縁が破れて短絡することで発生する。このような「放電」の発生は、電離電子数の信号読み出しを行う電気回路等の破壊を招き得る。
また、「チャージアップ」は、基板の帯電によって発生する。このような「チャージアップ」の発生は、基板への電子の吸着により所望の電子増幅率(ゲイン)が得られなくなるといった事態を招き得る。
このように、「放電」と「チャージアップ」は、いずれも検出器の動作を不安定にする要因となり得るため、その発生を未然に回避すべきである。
この点、電子増幅用基板の基材としてガラス基板を用いた場合には、ポリイミド等のフィルム部材を用いた場合に比べると、当該基材の体積抵抗率が低くなることから、「チャージアップ」の発生抑制に有効とも考えられる。ところが、「チャージアップ」の発生は、基材の体積抵抗率のみならず、貫通孔が形成された後における基板の表面抵抗率にも大きく影響される。したがって、単に電子増幅用基板の基材としてガラス基板を用いただけでは、必ずしも「チャージアップ」の発生を有効に抑制することができない。また、「放電」の発生についても同様であり、電子増幅用基板の基材としてガラス材を用いた場合であっても、「放電」の発生を有効に抑制することが必要である。つまり、「放電」と「チャージアップ」のいずれについても、その発生を有効に抑制することができなければ、ガラス基板であっても、粒子線または電磁波の検出器用途として適したものであるとは言えない。
そこで、本発明は、電子増幅用基板の基材としてガラス基板を用いた場合であっても、「放電」と「チャージアップ」のいずれについても、その発生を有効に抑制することができる電子増幅用ガラス基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
この目的達成のために、本願発明者らは、「放電」と「チャージアップ」の発生要因について検討した。「放電」は、ガラス基板の板厚方向に電気が短絡的に流れることで発生し、特に板厚方向の絶縁抵抗が小さ過ぎる場合に発生し易い。また、「チャージアップ」は、ガラス基板の帯電によって発生し、特にガラス基板の板厚方向の絶縁抵抗が大き過ぎる場合に発生し易い。これらのことから、本願発明者らは、ガラス基板の板厚方向の絶縁抵抗が小さ過ぎたり大き過ぎたりすることなく所定の範囲に属していれば、「放電」と「チャージアップ」のいずれについても、その発生を有効に抑制し得るのではないかとの着想に至った。
ただし、ガラス基板の板厚方向における絶縁抵抗は、当該ガラス基板を構成するガラス材の体積抵抗率と、当該ガラス基板における表面抵抗率とに関係する。そして、ここでいう表面抵抗率は、当該ガラス基板における貫通孔の形成態様(例えば、貫通孔の形成数、孔径、孔長等)によって大きく影響されると考えられる。これらの点につき鋭意検討を重ねた結果、本願発明者らは、体積抵抗率を決定するガラス材の材質の他に、表面抵抗率に大きな影響を及ぼす貫通孔の形成態様、すなわち当該貫通孔が形成されたガラス基板の形状についても考慮した上で、板厚方向における絶縁抵抗が所定の範囲に属するように当該ガラス基板を構成しなければならないとの知見を得た。
本発明は、上述した本願発明者らによる新たな知見に基づいてなされたものである。
この目的達成のために、本願発明者らは、「放電」と「チャージアップ」の発生要因について検討した。「放電」は、ガラス基板の板厚方向に電気が短絡的に流れることで発生し、特に板厚方向の絶縁抵抗が小さ過ぎる場合に発生し易い。また、「チャージアップ」は、ガラス基板の帯電によって発生し、特にガラス基板の板厚方向の絶縁抵抗が大き過ぎる場合に発生し易い。これらのことから、本願発明者らは、ガラス基板の板厚方向の絶縁抵抗が小さ過ぎたり大き過ぎたりすることなく所定の範囲に属していれば、「放電」と「チャージアップ」のいずれについても、その発生を有効に抑制し得るのではないかとの着想に至った。
ただし、ガラス基板の板厚方向における絶縁抵抗は、当該ガラス基板を構成するガラス材の体積抵抗率と、当該ガラス基板における表面抵抗率とに関係する。そして、ここでいう表面抵抗率は、当該ガラス基板における貫通孔の形成態様(例えば、貫通孔の形成数、孔径、孔長等)によって大きく影響されると考えられる。これらの点につき鋭意検討を重ねた結果、本願発明者らは、体積抵抗率を決定するガラス材の材質の他に、表面抵抗率に大きな影響を及ぼす貫通孔の形成態様、すなわち当該貫通孔が形成されたガラス基板の形状についても考慮した上で、板厚方向における絶縁抵抗が所定の範囲に属するように当該ガラス基板を構成しなければならないとの知見を得た。
本発明は、上述した本願発明者らによる新たな知見に基づいてなされたものである。
本発明の第1の態様は、板状のガラス材に貫通孔が形成されてなり、前記貫通孔内で電子雪崩増幅を起こすために用いられる電子増幅用ガラス基板であって、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、前記電子増幅用ガラス基板の形状および前記ガラス材の材質が構成されていることを特徴とする電子増幅用ガラス基板である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、前記形状は、前記ガラス材に形成された前記貫通孔の数と、当該貫通孔の孔径と、当該ガラス材の板厚との少なくとも一つによって特定されることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の発明において、前記形状には、前記貫通孔の内壁面における表面粗さの状態が含まれることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1、第2または第3の態様に記載の発明において、前記ガラス材の材質として、感光性ガラスを用いることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、板状のガラス材に貫通孔が形成されてなり、前記貫通孔内で電子雪崩増幅を起こすために用いられる電子増幅用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス材に前記貫通孔が形成されてなる電子増幅用ガラス基板を測定対象品として、当該測定対象品の平面100cm2あたりにおける当該測定対象品の板厚方向の絶縁抵抗値を測定する抵抗測定工程と、前記抵抗測定工程での前記絶縁抵抗値の測定結果が107〜1011Ωの範囲に属しているか否かに基づいて、当該測定結果を得た前記測定対象品に対する良否判定を行う良否判定工程とを備えることを特徴とする電子増幅用ガラス基板の製造方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、前記形状は、前記ガラス材に形成された前記貫通孔の数と、当該貫通孔の孔径と、当該ガラス材の板厚との少なくとも一つによって特定されることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の発明において、前記形状には、前記貫通孔の内壁面における表面粗さの状態が含まれることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1、第2または第3の態様に記載の発明において、前記ガラス材の材質として、感光性ガラスを用いることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、板状のガラス材に貫通孔が形成されてなり、前記貫通孔内で電子雪崩増幅を起こすために用いられる電子増幅用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス材に前記貫通孔が形成されてなる電子増幅用ガラス基板を測定対象品として、当該測定対象品の平面100cm2あたりにおける当該測定対象品の板厚方向の絶縁抵抗値を測定する抵抗測定工程と、前記抵抗測定工程での前記絶縁抵抗値の測定結果が107〜1011Ωの範囲に属しているか否かに基づいて、当該測定結果を得た前記測定対象品に対する良否判定を行う良否判定工程とを備えることを特徴とする電子増幅用ガラス基板の製造方法である。
本発明によれば、電子増幅用基板の基材としてガラス基板を用いた場合であっても、「放電」と「チャージアップ」のいずれについても、その発生を有効に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態では、以下の順序で項分けをして説明を行う。
1.検出器の概略構成
2.電子増幅用ガラス基板の構成
3.電子増幅用基板の製造手順
4.検出器における電離電子の測定手順
5.本実施形態の効果
6.変形例等
本実施形態では、以下の順序で項分けをして説明を行う。
1.検出器の概略構成
2.電子増幅用ガラス基板の構成
3.電子増幅用基板の製造手順
4.検出器における電離電子の測定手順
5.本実施形態の効果
6.変形例等
<1.検出器の概略構成>
先ず、本実施形態における検出器の概略構成について説明する。
検出器は、検出ガス中での電子雪崩増幅を利用して電離電子についての測定を行うことを可能にし、これにより粒子線または電磁波の検出を行うように構成されたものである。
先ず、本実施形態における検出器の概略構成について説明する。
検出器は、検出ガス中での電子雪崩増幅を利用して電離電子についての測定を行うことを可能にし、これにより粒子線または電磁波の検出を行うように構成されたものである。
検出器が利用する「電子雪崩増幅」とは、強い電場の中で自由電子が気体分子と衝突すると新たな電子が叩き出され、これが電場で加速されてさらに別の分子と衝突して加速度的に電子数が増える現象をいう。電子雪崩増幅を利用する検出器には、例えばガス比例計数管(Capillary Gas Proportional Counter;CGPC)も含まれるが、本実施形態ではGEMを用いて電子雪崩増幅を起こすものを検出器と呼ぶ。
ここで「GEM」とは、二次元配列された微細な複数の貫通孔を有する電子増幅用基板を検出ガス中に配した状態で、その電子増幅用基板における貫通孔の孔内に強い電場を作り出し、その電場によって電子雪崩増幅を起こすように構成されたものをいう。電子増幅用基板は、単板状のものであっても、複数枚が多層化されたものであってもよい。
検出器での検出対象となり得る「粒子線」には、アルファ線、ベータ線、陽子線、重荷電粒子線、電子線(原子核崩壊によらず加速器で電子を加速するもの)、中性子線、宇宙線等が含まれる。また「電磁波」には、電波(低周波、超長波、長波、中波、短波、超短波、マイクロ波)、光(赤外線、可視光線、紫外線)、X線、ガンマ線等が含まれる。これらのうちでいずれのものを検出対象とするかは、検出ガスの種類や作り出す電場の強さ等を適宜選択することによって、所望のものに設定することが可能である。
以上のような本実施形態における検出器、すなわちGEMによる電子雪崩増幅を利用して粒子線または電磁波の検出を行う検出器は、具体的には以下に述べるように構成されている。
図1は、本実施形態における検出器の概略構成例を示す説明図である。
図1は、本実施形態における検出器の概略構成例を示す説明図である。
図1(a)に示すように、本実施形態における検出器1は、所定種類の検出ガスが充填されるチャンバ2の内部に、ドリフト電極3と読み出し電極4とを備えるとともに、これらドリフト電極3と読み出し電極4との間に配置された電子増幅用基板10を備えている。電子増幅用基板10は、電子雪崩増幅を起こしてGEMとしての機能を実現するもので、板状部材11の両面に導電層12が形成されてなる積層体13に複数の貫通孔14が二次元配列されて構成されている。複数の貫通孔14は、電子増幅用基板10を平面視した場合に各々が円形形状を有し、互いが一定の間隔で配列されている。なお、チャンバ2内には、外部から検出対象となる粒子線または電磁波が入射し得るように構成されている(例えば図中に示した「X-ray source」参照)。
チャンバ2内のドリフト電極3および読み出し電極4に対しては、図示せぬ電源部から所定の電圧が印加されるようになっている。さらに、電子増幅用基板10の両面における各導電層12に対しても、それぞれが電極として機能することで、図示せぬ電源部から所定の電圧が印加されるようになっている。このような電源部からの電圧印加により、ドリフト電極3と電子増幅用基板10の間の領域(以下「ドリフト領域」という。)5には電界E1が発生し、電子増幅用基板10と読み出し電極4の間の領域(以下「インダクション領域」という。)6には電界E3が発生する。また、電子増幅用基板10の貫通孔14の孔内には電界E2が発生する。そして、貫通孔14の孔内で電界E2が収束され、ここに侵入した電子が加速されることにより電子雪崩増幅が生じる。検出器1は、この電子雪崩増幅により増倍された電子を読み出し電極4で測定し、その測定結果を読み出し電極4に接続する図示せぬ信号読み出しのための電気回路等を通じて出力するように構成されている。
以上のような構成の検出器1において、電子増幅用基板10を構成する板状部材11については、当該電子増幅用基板10の基材となるものであるため、既に説明したように、ガラス材料を用いて形成することが考えられ、しかもその場合であっても「放電」と「チャージアップ」の発生を抑制可能とするものであることが好ましい。このことから、本実施形態における検出器1において、電子増幅用基板10は、以下に述べるような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成されている。
<2.電子増幅用ガラス基板の構成>
次に、本実施形態における電子増幅用ガラス基板15の構成について説明する。
次に、本実施形態における電子増幅用ガラス基板15の構成について説明する。
(基本構成)
図1(b)に示すように、電子増幅用ガラス基板15は、ガラス材を形成材料とする板状部材11に二次元配列された複数の貫通孔14が設けられてなるもの、すなわちガラス製毛細管(キャピラリ)が規則的に平行に束ねられてそれが板状に形成されたものであり、特にガス中での電子雪崩増幅作用を引き起こすことが可能に構成されたものである。つまり、電子増幅用ガラス基板15は、板状のガラス材である板状部材11に貫通孔14が形成されてなり、その貫通孔14内で電子雪崩増幅を起こすために用いられるものである。このような電子増幅用ガラス基板15の表裏面に電極として機能する導電層12が形成されると、電子増幅用基板10が構成されることになる(図1(a)参照)。
図1(b)に示すように、電子増幅用ガラス基板15は、ガラス材を形成材料とする板状部材11に二次元配列された複数の貫通孔14が設けられてなるもの、すなわちガラス製毛細管(キャピラリ)が規則的に平行に束ねられてそれが板状に形成されたものであり、特にガス中での電子雪崩増幅作用を引き起こすことが可能に構成されたものである。つまり、電子増幅用ガラス基板15は、板状のガラス材である板状部材11に貫通孔14が形成されてなり、その貫通孔14内で電子雪崩増幅を起こすために用いられるものである。このような電子増幅用ガラス基板15の表裏面に電極として機能する導電層12が形成されると、電子増幅用基板10が構成されることになる(図1(a)参照)。
このような電子増幅用ガラス基板15において、板状部材11は、絶縁性を有するガラス材によって形成されている。したがって、一般的なGEMのようにポリイミド等の樹脂材料を用いた場合に比べると、耐熱性、平滑性、剛性等に優れ、またアウトガスの問題が生じることもない。
ただし、板状部材11には、例えば微粉噴射法等の機械加工では形成が困難な程度に微細な孔径および配列ピッチの貫通孔14を設ける必要がある。このことから、板状部材11は、半導体製造プロセスで用いられる微細加工技術を利用して貫通孔14を設けることを可能にすべく、感光性ガラスによって形成されているものとする。
ただし、板状部材11には、例えば微粉噴射法等の機械加工では形成が困難な程度に微細な孔径および配列ピッチの貫通孔14を設ける必要がある。このことから、板状部材11は、半導体製造プロセスで用いられる微細加工技術を利用して貫通孔14を設けることを可能にすべく、感光性ガラスによって形成されているものとする。
「感光性ガラス」とは、SiO2−Li2O−Al2O3系ガラスに、感光性金属として少量のAu,Ag,Cu、さらに増感剤としてCeO2を含んだガラスである。感光性ガラスは、紫外線を照射することによって、酸化還元反応が起こり、金属原子が生じる。さらに加熱すると金属原子が凝集しコロイドを形成し、このコロイドを結晶核にしてLi2O・SiO2(メタケイ酸リチウム)の結晶が成長する。ここで析出するLi2O・SiO2(メタケイ酸リチウム)はHFに容易に溶解し、紫外線の照射されていないガラス部分と比べると約50倍程度の溶解速度の差がある。この溶解速度差を利用することで選択的エッチングが可能となり、機械加工を用いることなく微細な加工物を形成することができる。このような感光性ガラスとしては、例えばHOYA株式会社製の「PEG3(商品名)」が挙げられる。
なお、板状部材11を形成する感光性ガラスは、必ずしも「PEG3」である必要はなく、他の感光性ガラスによって形成することも考えられる。他の感光性ガラスとしては、その一例として、感光性ガラスを結晶化して得られる感光性結晶化ガラスが挙げられる。
「感光性結晶化ガラス」とは、感光性ガラスに加熱処理(当該感光性ガラスに微細加工を行った際とは異なる条件での加熱処理)を行って、ガラス中に均等に微細な結晶を析出させたものである。ここで析出する結晶は、Li2O・SiO2(メタケイ酸リチウム)の結晶とは異なり、化学的耐久性に優れる。したがって、感光性結晶化ガラスは、完全に結晶化が進行した多結晶状態となっていることから、非晶質固体である感光性ガラスに比べて、機械的特性に優れるという利点を有する。このような感光性結晶化ガラスとしては、例えばHOYA株式会社製の「PEG3C(商品名)」が挙げられる。
感光性ガラスである「PEG3」は、体積抵抗率が8.5×1012Ωcm程度である。また、感光性結晶化ガラスである「PEG3C」は、体積抵抗率が4.5×1014Ωcm程度である。したがって、体積抵抗率が1015Ωcm以上であるポリイミド等に比べると、体積抵抗率が低いことから、帯電し難い材料であると言える。
(絶縁抵抗)
ところで、以上のような構成の電子増幅用ガラス基板15については、電子雪崩増幅を利用して粒子線または電磁波の検出を行う検出器1に用いられるものであるため、「放電」または「チャージアップ」の発生が大きな問題となる。
「放電」は、電子増幅用ガラス基板15の板厚方向に電気が短絡的に流れることで発生し、特に板厚方向の絶縁抵抗が小さ過ぎる場合に発生し易い。また、「チャージアップ」は、電子増幅用ガラス基板15の帯電によって発生し、特に電子増幅用ガラス基板15の板厚方向の絶縁抵抗が大き過ぎる場合に発生し易い。したがって、「放電」と「チャージアップ」の発生を有効に抑制するためには、電子増幅用ガラス基板15の板厚方向の絶縁抵抗が、小さ過ぎたり大き過ぎたりすることなく、所定の範囲に属していれば良いと考えられる。
ところで、以上のような構成の電子増幅用ガラス基板15については、電子雪崩増幅を利用して粒子線または電磁波の検出を行う検出器1に用いられるものであるため、「放電」または「チャージアップ」の発生が大きな問題となる。
「放電」は、電子増幅用ガラス基板15の板厚方向に電気が短絡的に流れることで発生し、特に板厚方向の絶縁抵抗が小さ過ぎる場合に発生し易い。また、「チャージアップ」は、電子増幅用ガラス基板15の帯電によって発生し、特に電子増幅用ガラス基板15の板厚方向の絶縁抵抗が大き過ぎる場合に発生し易い。したがって、「放電」と「チャージアップ」の発生を有効に抑制するためには、電子増幅用ガラス基板15の板厚方向の絶縁抵抗が、小さ過ぎたり大き過ぎたりすることなく、所定の範囲に属していれば良いと考えられる。
以上のことから、本実施形態における電子増幅用ガラス基板15は、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように構成されている。平面100cm2あたりの絶縁抵抗が107Ω未満であると、電子増幅用ガラス基板15の板厚方向に電気が流れ易く、電子増幅用基板10を構成した場合に「放電」が発生してしまうことが、実験等で得られた経験則によって認められるからである。また、平面100cm2あたりの絶縁抵抗が1011Ωを超えると、電子増幅用ガラス基板15が帯電し易く、電子増幅用基板10を構成した場合に「チャージアップ」が発生してしまうことが、実験等で得られた経験則によって認められるからである。
ここで、電子増幅用ガラス基板15における「絶縁抵抗」とは、電子増幅用基板10を構成した場合における表裏面の導電層12の間(すなわち絶縁体である電子増幅用ガラス基板15によって絶縁される電極間)の電気抵抗(単位はΩ)のことをいい、主として電子増幅用ガラス基板15の体積抵抗率と表面抵抗率とによって特定される。
「体積抵抗率」は、単位体積当たりの電気抵抗で、物質固有の物理量(単位はΩcm)である。したがって、電子増幅用ガラス基板15における体積抵抗率は、板状部材11を形成するガラス材の材質によって定まることになる。
「表面抵抗率」は、単位面積当たりの電気抵抗で、単位はΩ/□またはΩ/sq.である。電子増幅用ガラス基板15の場合、その表面積は、貫通孔14の数、当該貫通孔14の孔内壁面の表面積や表面状態(粗さ等)に大きく影響される。したがって、電子増幅用ガラス基板15における表面抵抗率は、当該電子増幅用ガラス基板15の形状によって定まることになる。ここでいう電子増幅用ガラス基板15の「形状」は、板状部材11を形成するガラス材の板厚、板状部材11への貫通孔14の形成数(または形成ピッチ)、当該貫通孔14の孔径、当該貫通孔14の内壁面における表面粗さの状態等の形状構成要素によって特定されるものとする。
「体積抵抗率」は、単位体積当たりの電気抵抗で、物質固有の物理量(単位はΩcm)である。したがって、電子増幅用ガラス基板15における体積抵抗率は、板状部材11を形成するガラス材の材質によって定まることになる。
「表面抵抗率」は、単位面積当たりの電気抵抗で、単位はΩ/□またはΩ/sq.である。電子増幅用ガラス基板15の場合、その表面積は、貫通孔14の数、当該貫通孔14の孔内壁面の表面積や表面状態(粗さ等)に大きく影響される。したがって、電子増幅用ガラス基板15における表面抵抗率は、当該電子増幅用ガラス基板15の形状によって定まることになる。ここでいう電子増幅用ガラス基板15の「形状」は、板状部材11を形成するガラス材の板厚、板状部材11への貫通孔14の形成数(または形成ピッチ)、当該貫通孔14の孔径、当該貫通孔14の内壁面における表面粗さの状態等の形状構成要素によって特定されるものとする。
つまり、電子増幅用ガラス基板15における絶縁抵抗は、主として当該電子増幅用ガラス基板15の形状と、板状部材11を形成するガラス材の材質とによって特定される。したがって、本実施形態における電子増幅用ガラス基板15は、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、当該電子増幅用ガラス基板15の形状、および、板状部材11を形成するガラス材の材質が構成されているのである。
具体的には、例えば板状部材11を形成するガラス材の材質として「PEG3」を用いる場合について考える。「PEG3」の体積抵抗率は、8.5×1012Ωcm程度である。そのため、「PEG3」を用いる場合には、体積抵抗率が8.5×1012Ωcm程度であっても、電子増幅用ガラス基板15の平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、電子増幅用ガラス基板15の表面抵抗率、すなわち当該表面抵抗率を特定する電子増幅用ガラス基板15の形状が設定されることになる。さらに詳しくは、絶縁抵抗が107〜1011Ωの範囲に属するように、電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素である板状部材11の板厚と、当該板状部材11に形成された貫通孔14の数と、当該貫通孔14の孔径との少なくとも一つが設定されているのである。
また、例えば板状部材11を形成するガラス材の材質として「PEG3C」を用いる場合について考える。「PEG3C」の体積抵抗率は、4.5×1014Ωcm程度である。そのため、「PEG3C」を用いる場合には、体積抵抗率が4.5×1014Ωcm程度であっても、電子増幅用ガラス基板15の平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、電子増幅用ガラス基板15の表面抵抗率、すなわち当該表面抵抗率を特定する電子増幅用ガラス基板15の形状が設定されることになる。さらに詳しくは、絶縁抵抗が107〜1011Ωの範囲に属するように、電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素である板状部材11の板厚と、当該板状部材11に形成された貫通孔14の数と、当該貫通孔14の孔径との少なくとも一つが設定されているのである。
さらに、「PEG3C」を用いる場合には、電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素として、貫通孔14の内壁面における表面粗さの状態をも含む。「PEG3C」のような感光性結晶化ガラスについては、当該感光性結晶化ガラスを構成する結晶構造から特定種類の結晶だけを除去するエッチング処理を行うことで、表面状態の粗化を行うことが可能である。表面状態の粗化を行うと、表面に微細な凹凸が形成されるので、粗化を行わない場合に比べると、表面積が増大し、電気が伝わり難くなる。つまり、表面粗さの状態は、表面抵抗率に大きな影響を及ぼす。したがって、「PEG3C」を用いる場合には、電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素として貫通孔14の内壁面における表面粗さの状態をも含み、絶縁抵抗が107〜1011Ωの範囲に属するように、必要に応じて貫通孔14の内壁面における表面粗さの状態が設定されるのである。
なお、電子増幅用ガラス基板15の平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を107〜1011Ωとするために、具体的に電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素をどのような値に設定するかについては、後述する実施例にて説明する。
<3.電子増幅用基板の製造手順>
次に、以上のような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成される電子増幅用基板10の製造手順について説明する。
図2は、本実施形態における電子増幅用基板の製造手順の一例を示す説明図である。
次に、以上のような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成される電子増幅用基板10の製造手順について説明する。
図2は、本実施形態における電子増幅用基板の製造手順の一例を示す説明図である。
電子増幅用基板10の製造にあたっては、先ず、図2(a)に示すように、「PEG3」等の感光性ガラスにより所望外形形状(例えば300mm×300mmの矩形状)で所望厚さに形成された平板状の板状部材11を用意する。なお、板状部材11の板厚は、電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素の一つなので、当該電子増幅用ガラス基板15の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるよう所望厚さに設定されているものとする。
そして、図2(b)に示すように、用意した板状部材11上に、所望パターンが形成されたフォトマスク16を重ね、そのフォトマスク16を介して板状部材11に対して紫外線17を照射する。これにより、板状部材11では、紫外線照射箇所において、酸化還元反応が起こり、金属原子が生じる。
その後は、紫外線照射後の板状部材11に対して、例えば450〜600℃の温度で熱処理をする。そうすると、板状部材11では、図2(c)に示すように、紫外線照射によって生じた金属原子が凝集しコロイドを形成し、このコロイドを結晶核にしてLi2O・SiO2(メタケイ酸リチウム)の結晶が成長する。
ここで析出するLi2O・SiO2(メタケイ酸リチウム)はHF(フッ化水素)に容易に溶解し、紫外線17の照射されていないガラス部分と比べると約50倍程度の溶解速度の差がある。そこで、熱処理による結晶成長後は、図2(d)に示すように、板状部材11に対してHFを用いたエッチングを行う。これにより、熱処理で析出した結晶部分18を除去するエッチング、すなわちHFに対する溶解速度差を利用した選択的エッチングがされることになり、その結果として機械加工を用いることなくフォトマスク16のパターンと略同等の精度の微細な貫通孔14を板状部材11に形成することができる。
板状部材11にどのような孔径の貫通孔14をどのようなピッチで幾つ形成するかについては、フォトマスク16に形成されているパターンに依存して決定される。したがって、板状部材11への貫通孔14の形成にあたっては、電子増幅用ガラス基板15の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるようにパターンが決定されたフォトマスク16を用いるものとする。
そして、図2(b)に示すように、用意した板状部材11上に、所望パターンが形成されたフォトマスク16を重ね、そのフォトマスク16を介して板状部材11に対して紫外線17を照射する。これにより、板状部材11では、紫外線照射箇所において、酸化還元反応が起こり、金属原子が生じる。
その後は、紫外線照射後の板状部材11に対して、例えば450〜600℃の温度で熱処理をする。そうすると、板状部材11では、図2(c)に示すように、紫外線照射によって生じた金属原子が凝集しコロイドを形成し、このコロイドを結晶核にしてLi2O・SiO2(メタケイ酸リチウム)の結晶が成長する。
ここで析出するLi2O・SiO2(メタケイ酸リチウム)はHF(フッ化水素)に容易に溶解し、紫外線17の照射されていないガラス部分と比べると約50倍程度の溶解速度の差がある。そこで、熱処理による結晶成長後は、図2(d)に示すように、板状部材11に対してHFを用いたエッチングを行う。これにより、熱処理で析出した結晶部分18を除去するエッチング、すなわちHFに対する溶解速度差を利用した選択的エッチングがされることになり、その結果として機械加工を用いることなくフォトマスク16のパターンと略同等の精度の微細な貫通孔14を板状部材11に形成することができる。
板状部材11にどのような孔径の貫通孔14をどのようなピッチで幾つ形成するかについては、フォトマスク16に形成されているパターンに依存して決定される。したがって、板状部材11への貫通孔14の形成にあたっては、電子増幅用ガラス基板15の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるようにパターンが決定されたフォトマスク16を用いるものとする。
以上のような手順を経ることで、「PEG3」等の感光性ガラスからなる板状部材11に貫通孔14が形成されてなる電子増幅用ガラス基板15が得られる。この電子増幅用ガラス基板15を用いて電子増幅用基板10を構成する場合には、詳細を後述するように、当該電子増幅用ガラス基板15の表裏面のそれぞれに対して、導電層12の形成を行う。
また、「PEG3」等の感光性ガラスではなく「PEG3C」等の感光性結晶化ガラスを板状部材11の形成材料として用いる場合であれば、上述した手順によって得られた電子増幅用ガラス基板(すなわち「PEG3」等の感光性ガラスを形成材料としたもの)15に対して、さらに熱処理をする。このときの熱処理は、先に行った貫通孔14形成のための熱処理とは異なる条件で行う。具体的には、例えば1000℃を超えるような温度で熱処理をする。これにより、板状部材11は、先に行った熱処理の場合とは異なり、化学的耐久性に優れた微細な結晶がガラス中に均等に析出され、完全に結晶化が進行した多結晶状態となる。これは、「PEG3」等の感光性ガラスを結晶化して得られる「PEG3C」等の感光性結晶化ガラスに相当する。つまり、先に行った熱処理とは異なる条件で再度熱処理を行うことで、図2(e)に示すように、「PEG3C」等の感光性結晶化ガラスに複数の貫通孔14が形成された電子増幅用ガラス基板15が得られるのである。このようにして得られた電子増幅用ガラス基板15は、感光性結晶化ガラスによって形成され、完全に結晶化が進行した多結晶状態となっていることから、非晶質固体である感光性ガラスによって形成されている場合に比べて、機械的特性に優れるという利点を有する。
「PEG3C」等の感光性結晶化ガラスに貫通孔14が形成されてなる電子増幅用ガラス基板15を得た後は、必要に応じて、貫通孔14の内壁面に対して表面状態の粗化を行う。表面状態の粗化とは、表面を粗い面状態に変化させること、より具体的にはSEM(電子顕微鏡)観察で識別できる差異が生じる程度以上の面粗さの変化を伴う面処理を行うことをいう。なお、表面状態の粗化は、少なくとも貫通孔14の内壁面に対して行えばよいが、当該内壁面の他に板状部材11の表裏面や側端面等を粗化対象面として含んでもよい。
表面の粗化は、以下のような手法で行う。本実施形態においては、貫通孔14が形成され、かつ、結晶化された後の板状部材11に対して、酸性フッ化アンモニウム(NH4F・HF)と硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)とが所定比率で混合されてなるエッチング液によるエッチングを行う。このようなエッチング処理を行うと、板状部材11を構成する各種結晶のうち、上記のエッチング液に溶け易いもの(例えば石英)が優先して選択的に溶解除去される。その結果、エッチング処理された表面(貫通孔14の孔内における側壁の表面を含む)には、微細なエッチング痕が多数形成されることになる。このエッチング痕の形成によって、貫通孔14の内壁面が粗化される。
粗化された表面については、粗化をしない場合に比べると、微細な凹凸が形成されるので、表面積の増大により電気が伝わり難くなる。そして、表面粗さの状態、さらに詳しくは微細な凹凸の形成程度(どのような大きさの凹凸を形成したか)によって、電気が伝わり難さ、すなわち表面抵抗率の大きさが定まることになる。したがって、貫通孔14の内壁面が粗化にあたっては、電子増幅用ガラス基板15の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなる表面状態(凹凸形成程度)にすべく、例えばエッチング処理を行う時間が設定されているものとする。
なお、貫通孔14の内壁面が粗化は、必ずしも上述したエッチング処理で行う必要はなく、例えば機械的な研削処理を利用するような他の手法で行うものであってもよい。
表面の粗化は、以下のような手法で行う。本実施形態においては、貫通孔14が形成され、かつ、結晶化された後の板状部材11に対して、酸性フッ化アンモニウム(NH4F・HF)と硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)とが所定比率で混合されてなるエッチング液によるエッチングを行う。このようなエッチング処理を行うと、板状部材11を構成する各種結晶のうち、上記のエッチング液に溶け易いもの(例えば石英)が優先して選択的に溶解除去される。その結果、エッチング処理された表面(貫通孔14の孔内における側壁の表面を含む)には、微細なエッチング痕が多数形成されることになる。このエッチング痕の形成によって、貫通孔14の内壁面が粗化される。
粗化された表面については、粗化をしない場合に比べると、微細な凹凸が形成されるので、表面積の増大により電気が伝わり難くなる。そして、表面粗さの状態、さらに詳しくは微細な凹凸の形成程度(どのような大きさの凹凸を形成したか)によって、電気が伝わり難さ、すなわち表面抵抗率の大きさが定まることになる。したがって、貫通孔14の内壁面が粗化にあたっては、電子増幅用ガラス基板15の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなる表面状態(凹凸形成程度)にすべく、例えばエッチング処理を行う時間が設定されているものとする。
なお、貫通孔14の内壁面が粗化は、必ずしも上述したエッチング処理で行う必要はなく、例えば機械的な研削処理を利用するような他の手法で行うものであってもよい。
以上のような手順を経て、「PEG3」等の感光性ガラスまたは「PEG3C」等の感光性結晶化ガラスを用いた電子増幅用ガラス基板15を得た後は、図2(f)に示すように、その電子増幅用ガラス基板15の表裏面のそれぞれに対して、例えばCu等の薄膜またはCu、Cr等の積層膜をスパッタリングにより成膜して、薄膜状(例えば膜厚2μm程度)の導電層12を形成する。これにより、本実施形態における検出器用途の電子増幅用基板10が製造されることになる。
その後は、電子増幅用基板10を構成する電子増幅用ガラス基板15に関して、抵抗測定工程と、良否判定工程とを実施する。
抵抗測定工程では、電子増幅用基板10を構成する電子増幅用ガラス基板15を測定対象品として、当該測定対象品の平面100cm2あたりにおける当該測定対象品の板厚方向の絶縁抵抗値を測定する。絶縁抵抗値の測定は、例えば電子増幅用ガラス基板15の表裏面に形成された導電層12を利用して、表裏面の各導電層12の間の電気抵抗を絶縁抵抗計等によって計り、その結果を平面100cm2あたりに換算することによって行うことが考えられる。
また、その後に行う良否判定工程では、抵抗測定工程での絶縁抵抗値の測定結果が107〜1011Ωの範囲に属しているか否かに基づいて、当該測定結果を得た測定対象品に対する良否判定を行う。具体的には、絶縁抵抗値の測定結果が107〜1011Ωの範囲に属していれば、測定対象品である電子増幅用ガラス基板15が良品であると判定する。一方、絶縁抵抗値の測定結果が107〜1011Ωの範囲に属していなければ、測定対象品である電子増幅用ガラス基板15が不良品であると判定する。その結果、良品の電子増幅用ガラス基板15を用いて構成された電子増幅用基板10のみが、製品として出荷されることになる。
なお、抵抗測定工程および良否判定工程は、絶縁抵抗値の測定が導電層12を利用せずに行うことが可能であれば、単体の状態(すなわち表裏面の導電層12が未形成の状態)の電子増幅用ガラス基板15を測定対象品として行っても構わない。
<4.検出器における電離電子の測定手順>
次に、以上のような本実施形態の電子増幅用ガラス基板15を基にして形成された電子増幅用基板10を用いつつ検出器1を構成した場合において、その検出器1で電離電子の測定を行い、これにより粒子線または電磁波の検出を行う際の手順について、図1を参照しながら具体的に説明する。ここでは、X線を検出対象とした場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
次に、以上のような本実施形態の電子増幅用ガラス基板15を基にして形成された電子増幅用基板10を用いつつ検出器1を構成した場合において、その検出器1で電離電子の測定を行い、これにより粒子線または電磁波の検出を行う際の手順について、図1を参照しながら具体的に説明する。ここでは、X線を検出対象とした場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
検出器1のチャンバ2内には、所定種類の検出ガス(例えばAr+CF4の混合ガス)を充填しておく。また、ドリフト電極3、読み出し電極4および電子増幅用基板10の導電層12に対しては、ドリフト領域5で発生した電子を読み出し電極4の側へ引き寄せるべく、それぞれに異なる大きさの電圧を印加して、電界E1,E2,E3を発生させておく。つまり、読み出し電極4の側ほど電子の引き寄せ力が大きくなるような電位差を与えるべく、ドリフト電極3、読み出し電極4および電子増幅用基板10の導電層12のそれぞれに対する電圧印加を行うのである。
このような状態でチャンバ2内にX線が入射すると、チャンバ2内では、ドリフト領域5において、入射したX線がガスを電離させ、この電離作用により電子が発生する。このとき、ドリフト領域5には電界E1が形成されているので、発生した電子は、電子増幅用基板10の側へ引き寄せられる。そして、電子増幅用基板10の貫通孔14を通過しようとする。
ただし、貫通孔14の孔内には、電界E2の形成によって高電場が生じている。そのため、貫通孔14を通過しようとする電子は、高電場によって速度が加速されて運動エネルギーが増加し、これにより他の周りの電子にエネルギーを与えて、新たな電離作用により電子を放出させる。このことが繰り返されることで、電子は増幅していき、結果として雪崩式に増幅していく。つまり、電子が貫通孔14の孔内を通過する際に、電子雪崩増幅が起こるのである。
このとき、貫通孔14の孔内にて電子雪崩増幅が起こる程度に高電場の電界E2が形成されていても、既に説明したように電子増幅用ガラス基板15の絶縁抵抗が107〜1011Ωであることから、「放電」および「チャージアップ」のいずれについても、その発生を抑制することができる。例えば、絶縁抵抗が107Ω未満であると、電子増幅用ガラス基板15の板厚方向に電気が流れ易く「放電」が発生してしまうおそれがあるが、本実施形態のように絶縁抵抗が107Ω以上であれば、高電場の電界E2を形成しても「放電」の発生を抑制することができる。また、例えば、絶縁抵抗が1011Ωより大きいと、電子増幅用ガラス基板15が帯電し易く「チャージアップ」が発生してしまうおそれがあるが、本実施形態のように絶縁抵抗が1011Ω以下であれば、高電場の電界E2を形成しても「チャージアップ」の発生を抑制することができる。
「放電」および「チャージアップ」のいずれも発生することなく、貫通孔14の孔内での電子雪崩増幅により増倍された電子は、インダクション領域6に形成されている電界E3により、読み出し電極4の側へ引き寄せられる。そして、読み出し電極4にて電子数が信号として読み出される。このような信号読み出しを行う読み出し電極4は、小さくエリア分けされている。そのため、どのエリアにて電子が測定されたかを特定することができる。
以上のような手順を経ることで、検出器1では、検出対象であるX線について、検出を行うことができる。
<5.本実施形態の効果>
本実施形態で説明した電子増幅用ガラス基板15およびその製造方法によれば、以下のような効果が得られる。
本実施形態で説明した電子増幅用ガラス基板15およびその製造方法によれば、以下のような効果が得られる。
本実施形態においては、貫通孔14の孔内にて電子雪崩増幅が起こる程度に高電場の電界E2が形成されていても、電子増幅用ガラス基板15の絶縁抵抗が107〜1011Ωであることから、「放電」および「チャージアップ」のいずれについても、その発生を抑制することができる。つまり、「放電」や「チャージアップ」等といった検出器1の動作を不安定にする要因が排除されることになる。したがって、検出器1を構成して粒子線または電磁波の検出を行う場合であっても、「放電」の発生による電気回路等の破壊を招いてしまうことがなく、また「チャージアップ」の発生によって所望の電子増幅率(ゲイン)が得られなくなるといった事態を招いてしまうこともない。
また、本実施形態では、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、電子増幅用ガラス基板15の形状および板状部材11のガラス材の材質が構成されている。さらに詳しくは、電子増幅用ガラス基板15の形状が、貫通孔14の数、当該貫通孔14の孔径および板状部材11の板厚によって特定される。したがって、電子増幅用ガラス基板15における絶縁抵抗が体積抵抗率と表面抵抗率とによって特定され、その表面抵抗率が電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素によって特定される場合であっても、絶縁抵抗を107〜1011Ωの範囲に属させることが実現可能となる。
特に、本実施形態で説明したように、電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素として、貫通孔14の内壁面における表面粗さの状態をも含む場合であれば、その表面粗さの状態によって表面抵抗率を調整するといったことも実現可能となる。具体的には、表面状態の粗化を行うことで、粗化を行わない場合よりも、表面抵抗率を増大させるといったことが実現可能となる。したがって、電子増幅用ガラス基板15の形状構成要素として貫通孔14の内壁面における表面粗さの状態を含むようにすれば、電子増幅用ガラス基板15における表面抵抗率の調整幅を広げることができ、より一層確実に当該電子増幅用ガラス基板15における絶縁抵抗を107〜1011Ωの範囲に属させることが実現可能となる。
また、本実施形態においては、板状部材11のガラス材の材質として感光性ガラスを用いているので、ポリイミド等の樹脂材料を用いた場合に比べると、耐熱性、平滑性、剛性等に優れ、またアウトガスの問題が生じることもない。さらには、半導体製造プロセスで用いられる微細加工技術を利用することが可能となるので、微細な孔径および配列ピッチの貫通孔14を設けることができる。したがって、電子増幅用基板10を構成するのにあたり、非常に好適なものとなると言える。
<6.変形例等>
以上に本発明の実施形態を説明したが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。
以上に本発明の実施形態を説明したが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、チャンバ2内の電子増幅用基板10が一枚のみである場合を例示している。ただし、電子増幅用基板10は、チャンバ2内に複数枚が設けられていてもよい。電子増幅用基板10を複数枚備える構成の検出器1では、一枚のみの場合に比べると、装置構成の複雑化を招いてしまうが、電子雪崩増幅の際のゲインを増大させることが容易に実現可能となる。
また、上述した実施形態では、電子増幅用基板10における貫通孔14が平面円形状の丸孔である場合を例示している。ただし、貫通孔14は、孔内に電場を形成し得る形状であれば、丸孔ではなく、他形状のもの(角孔等)であっても構わない。
次に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明が、以下の実施例に限定されないことは勿論である。
(実施例1)
実施例1では、「PEG3」からなる板厚700μmの板状部材11に貫通孔14が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる電子増幅用ガラス基板15を構成した。このような構成の電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、1000V印加時410MΩであった。
そして、このような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成された電子増幅用基板10を、検出器1のチャンバ2内に配置した。チャンバ2内には、外部の放射線源から100μmφでコリメートされた6keVのX線が入射されるようになっている。
このような状況下で、電子増幅用基板10における各導電層12の間にAr70%/CH430%のガス雰囲気で1800V程度の電位差を与えたところ、「放電」および「チャージアップ」のいずれも発生することなく、貫通孔14の孔内で電子雪崩増幅が生じ、その電子雪崩増幅に際して十分なゲイン、すなわち104程度の電子増倍率が得られた。
実施例1では、「PEG3」からなる板厚700μmの板状部材11に貫通孔14が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる電子増幅用ガラス基板15を構成した。このような構成の電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、1000V印加時410MΩであった。
そして、このような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成された電子増幅用基板10を、検出器1のチャンバ2内に配置した。チャンバ2内には、外部の放射線源から100μmφでコリメートされた6keVのX線が入射されるようになっている。
このような状況下で、電子増幅用基板10における各導電層12の間にAr70%/CH430%のガス雰囲気で1800V程度の電位差を与えたところ、「放電」および「チャージアップ」のいずれも発生することなく、貫通孔14の孔内で電子雪崩増幅が生じ、その電子雪崩増幅に際して十分なゲイン、すなわち104程度の電子増倍率が得られた。
(実施例2)
実施例2では、「PEG3C」からなる板厚840μmの板状部材11に貫通孔14が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる電子増幅用ガラス基板15を構成した。そして、その電子増幅用ガラス基板15に対して、NH4F・HFと(NH4)2SO4との混合エッチング液によるエッチング処理を35min行って、貫通孔14の内壁面の粗化を行った。このような構成の電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、1000V印加時450MΩであった。
そして、このような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成された電子増幅用基板10を、実施例1の場合と同様の状況下に配置し、各導電層12の間にAr70%/CH430%のガス雰囲気で1800V程度の電位差を与えたところ、「放電」および「チャージアップ」のいずれも発生することなく、貫通孔14の孔内で電子雪崩増幅が生じ、その電子雪崩増幅に際して十分なゲイン、すなわち104程度の電子増倍率が得られた。
実施例2では、「PEG3C」からなる板厚840μmの板状部材11に貫通孔14が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる電子増幅用ガラス基板15を構成した。そして、その電子増幅用ガラス基板15に対して、NH4F・HFと(NH4)2SO4との混合エッチング液によるエッチング処理を35min行って、貫通孔14の内壁面の粗化を行った。このような構成の電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、1000V印加時450MΩであった。
そして、このような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成された電子増幅用基板10を、実施例1の場合と同様の状況下に配置し、各導電層12の間にAr70%/CH430%のガス雰囲気で1800V程度の電位差を与えたところ、「放電」および「チャージアップ」のいずれも発生することなく、貫通孔14の孔内で電子雪崩増幅が生じ、その電子雪崩増幅に際して十分なゲイン、すなわち104程度の電子増倍率が得られた。
(比較例1)
比較例1では、樹脂材料である「ポリイミド」からなる板厚50μmの板状部材に貫通孔が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる基板を、電子増幅用ガラス基板15の代替品として構成した。このような構成の代替品基板について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、500V印加時100GΩを超える大きさであった。
そして、このような代替品基板を用いて構成された電子増幅用基板10を、実施例1の場合と同様の状況下に配置し、各導電層12の間にAr70%/CH430%のガス雰囲気で500V程度の電位差を与えたところ、3000程度の増幅率しか得られなかった。
比較例1では、樹脂材料である「ポリイミド」からなる板厚50μmの板状部材に貫通孔が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる基板を、電子増幅用ガラス基板15の代替品として構成した。このような構成の代替品基板について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、500V印加時100GΩを超える大きさであった。
そして、このような代替品基板を用いて構成された電子増幅用基板10を、実施例1の場合と同様の状況下に配置し、各導電層12の間にAr70%/CH430%のガス雰囲気で500V程度の電位差を与えたところ、3000程度の増幅率しか得られなかった。
(比較例2)
比較例2では、ガラス材料である「SD2」からなる板厚700μmの板状部材11に貫通孔14が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる電子増幅用ガラス基板15を構成した。このような構成の電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、10MΩ未満であった。
そして、このような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成された電子増幅用基板10を、実施例1の場合と同様の状況下に配置し、各導電層12の間に1800V程度の電位差を与えたところ、放電によるスパークが発生してしまうことがわかった。
比較例2では、ガラス材料である「SD2」からなる板厚700μmの板状部材11に貫通孔14が孔径140μm、配列ピッチ280μmで形成されてなる電子増幅用ガラス基板15を構成した。このような構成の電子増幅用ガラス基板15について、平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗を測定したところ、10MΩ未満であった。
そして、このような電子増幅用ガラス基板15を用いて構成された電子増幅用基板10を、実施例1の場合と同様の状況下に配置し、各導電層12の間に1800V程度の電位差を与えたところ、放電によるスパークが発生してしまうことがわかった。
(まとめ)
以上に挙げた実施例1〜2および比較例1,2の結果を勘案すると、電子増幅用ガラス基板15における平面100cm2あたりの板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωの範囲に属していれば、「放電」および「チャージアップ」のいずれも発生することなく、貫通孔14の孔内で電子雪崩増幅を生じさせるとともに、その電子雪崩増幅に際して十分なゲインが得られることがわかる。
以上に挙げた実施例1〜2および比較例1,2の結果を勘案すると、電子増幅用ガラス基板15における平面100cm2あたりの板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωの範囲に属していれば、「放電」および「チャージアップ」のいずれも発生することなく、貫通孔14の孔内で電子雪崩増幅を生じさせるとともに、その電子雪崩増幅に際して十分なゲインが得られることがわかる。
1…検出器、10…電子増幅用基板、11…板状部材、14…貫通孔、15…電子増幅用ガラス基板
Claims (5)
- 板状のガラス材に貫通孔が形成されてなり、前記貫通孔内で電子雪崩増幅を起こすために用いられる電子増幅用ガラス基板であって、
平面100cm2あたりにおける板厚方向の絶縁抵抗が107〜1011Ωとなるように、前記電子増幅用ガラス基板の形状および前記ガラス材の材質が構成されている
ことを特徴とする電子増幅用ガラス基板。 - 前記形状は、前記ガラス材に形成された前記貫通孔の数と、当該貫通孔の孔径と、当該ガラス材の板厚との少なくとも一つによって特定される
ことを特徴とする請求項1記載の電子増幅用ガラス基板。 - 前記形状には、前記貫通孔の内壁面における表面粗さの状態が含まれる
ことを特徴とする請求項2記載の電子増幅用ガラス基板。 - 前記ガラス材の材質として、感光性ガラスを用いる
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の電子増幅用ガラス基板。 - 板状のガラス材に貫通孔が形成されてなり、前記貫通孔内で電子雪崩増幅を起こすために用いられる電子増幅用ガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス材に前記貫通孔が形成されてなる電子増幅用ガラス基板を測定対象品として、当該測定対象品の平面100cm2あたりにおける当該測定対象品の板厚方向の絶縁抵抗値を測定する抵抗測定工程と、
前記抵抗測定工程での前記絶縁抵抗値の測定結果が107〜1011Ωの範囲に属しているか否かに基づいて、当該測定結果を得た前記測定対象品に対する良否判定を行う良否判定工程と
を備えることを特徴とする電子増幅用ガラス基板の製造方法。
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