JP2004241298A - キャピラリープレート、その製造方法、ガス比例計数管、及び撮像システム - Google Patents

キャピラリープレート、その製造方法、ガス比例計数管、及び撮像システム Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズレベルを十分に低減してS/N比を向上でき、高感度且つ安定な測定を実現できる撮像システム等を提供する。
【解決手段】撮像型X線検出装置200は、撮像系210に電源系34及び制御系35が接続されて成っている。撮像系210は、ベリリウム窓21を有し且つ鉛不含ソーダ石灰ガラスから成るキャピラリープレート1が設けられたチャンバ22の後段に、CMOSセンサアレイ3が収容されたチャンバ23がFOP2を介して接合されたものである。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャピラリープレート、その製造方法、ガス比例計数管、及び撮像システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、孔径1〜100μm程度のガラス製毛細管(キャピラリー)が規則的に平行に束ねられ、それが円板状や角板状に成形されたものは、マイクロチャネルプレート(Micro−channel Plate;MCP)と呼ばれ、電子やイオンをはじめ紫外線、真空紫外線、中性子線、軟X線から硬X線等、広範な検出対象に感度を有しており、小型軽量且つ高利得であることから、画像増強管(Image Intensifier;I.I.)や質量分析装置といった電子装置の必須構成要素として用いられている。MCPは、キャピラリー材料として鉛ガラスを用い、キャピラリーの微細な貫通孔の内壁面に、酸化鉛のH還元(PbO+H→Pb+HO)によって導電性が付与されている。これにより、MCPの各貫通孔(チャネル)が独立した二次電子増倍器として機能し、全体として電子増倍器の二次元アレイが実現される。
【0003】
また、MCPは、円板状や角板状に成形される際、バイアス角度(板面に垂直な方向とキャピラリーの延在軸方向との成す角度)が一般的に5〜15°程度となるように、キャピラリーが束ねられたガラス体を切削(スライス)して形成される。このようにバイアスカットするのは、貫通孔内への電子の入射が妨害されないようにしつつ、入射電子がチャネル内の電場勾配によって壁面に衝突し易くするためのものである。こうすることにより、各チャネルにおいて、電子が高効率且つなだれ式に増幅(増殖)される。さらに、MCPでは、電子がチャネル内壁面に衝突するまでに電場によって十分なエネルギーを有するほどに加速される必要があるため、MCPは真空領域の圧力下で動作する。
【0004】
また、MCPと同様の構造つまり複数のキャピラリープレートの集積構造を有するガラス体として、気体や液体の流速や流量制御用途、ガスフィルタや差圧排気窓材用途、荷電粒子や分子に対して指向性を付与する整流用途、さらに、電磁波(光、X線、γ線)のコリメータ用途として利用されるキャピラリープレート(Capillary Plate)が知られている。キャピラリープレートは、元来MCP作成時の副生成物として得られ鉛ガラス製であるが、MCPが言わばチャネル孔導電型のキャピラリープレートであるのに対し、上述した各種使途に用いられるキャピラリープレートは、必ずしもチャネル内壁に導電性が付与される必要はない。また、かかる用途のキャピラリープレートは、流体、気体、光等がチャネルを円滑に流通するようにバイアス角度は通常0°とされることが多い。
【0005】
近年、このような鉛ガラス製キャピラリープレートを撮像型のガス比例計数管(Capillary Gas Proportional Counter;CGPC)として動作させる新しいタイプの検出器が開発されている(非特許文献1、2参照。)。図9は、このような従来のCGPCを用いた撮像型X線検出装置の構成を示す模式図である(非特許文献3参照)。撮像型X線検出装置100は、ガス比例計数部110の後段に光学系120及び撮像系130が順に連設されたものである。
【0006】
ガス比例計数部110は、一方端及び他方端にそれぞれベリリウム窓111及び合成シリカから成る光透過窓112が設けられたチャンバ113の内部に、各窓111,112と同軸状に設けられたキャピラリープレート114が設置されたものである。キャピラリープレート114は、中空状を成す100μm径程度の鉛ガラス製キャピラリーが複数集積されて成っており、成形時のバイアス角度は0°とされている。なお、キャピラリープレート114の貫通孔内面はH還元されていない。
【0007】
また、キャピラリープレート114の両面には、電源系140に接続された薄膜電極(図示せず)が形成されている。さらに、キャピラリープレート114の前段には、整形リング(シェイピングリング)115,116が設けられており、ドリフト領域が画成されている。これらの整形リング115,116は、電源系160及び接地電位に接続されており、電源系160からの高電圧と接地間が抵抗分割されてそれぞれに適切なドリフト電圧が印加されるようになっている。さらに、チャンバ113内には、主成分であるArガス、CHガス等にペニング効果(Penning Effect)を奏するトリメチルアミン(TMA)やトリエチルアミン(TEA)が添加された混合ガス117が封入されている。
【0008】
撮像型X線検出装置100がMCPを用いた放射線検出装置と異なる最も重要な機能は、上述のようにMCPが真空中で動作するのに対し、キャピラリープレート114が混合ガス117中で用いられる点にある。すなわち、ベリリウム窓111を通してチャンバ113内に入射したX線Aがベリリウム窓111/キャピラリープレート114間領域のガス分子と相互作用し、光電効果によって高エネルギーの電子(一次電子)が放出される。この一次電子(X線光電子)は、他のガス分子にエネルギーを付与しながら進み、その飛跡中に電子−イオン対を生じる。よって、この電子−イオン対の数はX線Aのエネルギーに比例する。一次電子の飛跡に沿って生じた電子(電子雲とも呼ばれる。)は、ベリリウム窓111/キャピラリープレート114間に生成された電場により、その電子雲形状を保持したままキャピラリープレート114の前面からその内部に進入する。
【0009】
キャピラリープレート114の内部には、ガスの放電及び励起発光を引き起こすのに十分な例えば10V/cm以上の電場が形成されており、電子がガス分子と次々に衝突して電子増殖及び光増殖が行われ、例えば、1個の電子が10〜10個程度に増幅される。このように、撮像型X線検出装置100は、MCPと異なり、電子がキャピラリープレート114の貫通孔内壁に衝突して電子増幅を行うものではなく、ガス比例計数管として機能する。増幅光は光透過窓112を透過して光学系120に入射し、レンズ系121を通ってフッ化マグネシウム(MgF)等から成る光透過窓122を透過して撮像系130へ出射される。
【0010】
撮像系130としては、例えばICCD(Intensified CCD)が採用される。入射光は、光電面(図示せず)で光電変換され、I.I.131で電子増倍された後、図示しない蛍光面で再び光電変換され、ファイバーオプティックプレート(FOP)等を通してCCDアレイ(共に図示せず)に入射する。こうして増強された二次元画像情報は電気信号として信号処理系150へ送出され、例えば二次元位置情報と各位置での発光強度から成る三次元X線発光画像が得られる。
【0011】
また、レンズ系121の代わりに反射系(リフレクタ)を用いたもの、並びに、光学系120及び撮像系130の代わりに光電子増倍管(photo multiplier tube;PMT)を備えたものも開発されている(非特許文献4〜8参照。)。なお、キャピラリープレートのチャージアップを抑えるために、キャピラリープレート114に代えて、MCP同様貫通孔の内面をH還元して低抵抗化したものも提案されている(非特許文献9参照。)。
【0012】
【非特許文献1】
H. Sakurai et al., ”A new type of proportional counter usinga capillary plate”, Nucl. Instr. And Meth. In Phys. Res. A374(1996)341−344.
【非特許文献2】
H. Sakurai et al., ”Characteristics of capillary gas proportional counter”, SPIE Proceedings Reprint, vol.2806(1996)569−576.
【非特許文献3】
H. Sakurai et al., ”Detection of photoabsorption point with capillary imaging gas proportional counter”, IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.3, (2002).
【非特許文献4】
M. Tsukahara et al., ”The development of a new type of imaging X−ray detector with a capillary plate”, IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.3, (1997)679−682.
【非特許文献5】
H. Sakurai et al., ”The form of X−ray photoelectron tracks in a capillary gas proportional counter”, IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.46, No.3, (1999)333−337.
【非特許文献6】
H. Sakurai, ”Imaging gas proportional counter with capillaryplate”, 放射線 vol.25, No.1, (1999)27−37.
【非特許文献7】
H. Sakurai et al., ”New type of imaging X−ray detector usinga capillary plate”, SPIE Proceedings Reprint, vol.3114(1997)481−487.
【非特許文献8】
T. Masuda et al., ”Optical imaging capillary gas proportional counter with penning mixtures”, IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.2,(2002)553−558.
【非特許文献9】
Nishi,Yu.; Tanimori,Y.; Ochi,A.; Nishi,Ya.; Toyokawa,H., ”Development of a hybrid MSGC with a conductive capillary plate.”, SPIE, vol.3774(1999)87−96.
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このようなCGPCを用いたガス比例計数部110を備える撮像型X線検出装置100は、電子−励起発光の総数がキャピラリープレート114に印加される電圧で簡易に調整され、ダイナミックレンジが非常に大きい。また、キャピラリープレート114における光・電子増倍作用によって生じ且つ位置情報を保持する励起光信号を、レンズ系及びICCDによって撮像できる利点がある。しかし、本発明者は、この従来のCGPCを用いた測定手法について詳細な検討を行ったところ、撮像系130の出力におけるバックグラウンドレベル(ノイズレベル)を更に低減してS/N比を向上させることが非常に困難であることを見出した。また、暗電流信号とは異なる突発的で極めて過大な電気信号や光信号が生じることがあり、こうなると安定な測定が不能となってしまうといった問題も判明した。
【0014】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ノイズレベルを十分に低減してS/N比を向上できると共に、突発的で過大な電気信号や光信号の発生を抑止可能なキャピラリープレート及びその製造方法、並びに、従来に比してより高感度且つ安定な測定を実現できるガス比例計数管、及び撮像システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は、上記知見に基づいて更に研究を進めた。その結果、キャピラリープレート114を備える撮像型X線検出装置100の出力信号を観測したところ、漏電流のような不規則なバックグラウンドの存在を確認した。また、後述するように、キャピラリープレート114の放射線バックグラウンドを測定したところ、電荷型プリアンプ出力に荷電粒子測定で認められる有意なパルス信号が確認された。これらより、上述したような不都合なノイズや突発的な流入信号の発生が、主として従来のキャピラリープレート114に起因するものと推定され、この観点から種々の改良を行い、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明によるキャピラリープレートは、複数の貫通孔が設けられたガラス基体を有しており、主として不活性ガスを含むガス雰囲気中に配置されて比例計数管を構成するものであって、ガラス基体が鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されたものである。ここで、本発明における「鉛不含ソーダ石灰ガラス」とは、ケイ素酸化物、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物を主成分とするガラスであり、構成元素として鉛を本質的に含まないものを示す。また、「比例計数管」は、管状部材に限られず、比例計数領域で作動する計数装置全般を意味するものとする。
【0017】
前述したように、従来のキャピラリープレート114(図9参照)は、通常、鉛ガラスで形成されている。一般に、ガラス材料に用いることができる鉛材中には、ウラン系列に属する天然放射性同位元素(天然RI)の一つである210Pb(RaD;Tβ1/2=22.3年)が不可避的に含まれる。
【0018】
210Pbは、β壊変により210Bi(RaE;Tβ1/2=5.0日)を経て210Po(RaF;Tα1/2=138日)を生じる。210Poはα崩壊により安定な206Pbへ変換され、この際にEα≒5.30MeVのα線を放出する。α線は、質量が大きな荷電粒子線であり、物質透過能がγ線、β線に比して小さく、鉛ガラスのマトリクス内に包含される210Poの壊変で生じたα線の大部分は、キャピラリープレート114内で阻止されるものの、貫通孔内壁の表層部分から出射される210Poのα線は貫通孔内の空間に放出され得る。
【0019】
その結果、キャピラリープレート114が封入されたガスがそのα線によって電離され、生じた電子−励起発光が比例計数を行う際の有意なバックグラウンドとなってしまう。特に、210Poのα線エネルギーはMeVオーダーであってX線の数百〜数千倍のエネルギーを有しており、生じる電子−イオン対の数もX線による場合の数百〜数千倍程度となる。このようなα線によるガス電離が生じると、X線測定が不能になってしまう。
【0020】
特に、キャピラリープレート114の一つのキャピラリー細孔内にα線の全エネルギーが付与されると、このような多量の電子がさらに増幅されて異常放電が起こり易くなる。本発明者の研究によれば、かかる異常放電によると考えられるキャピラリープレート114の電極損傷が確認された。さらに、キャピラリープレート114のチャネル径を小さくしてチャネル数を増やすと、キャピラリー間隔が狭められ、α線によるバックグラウンドが一層増大するものと推定される。
【0021】
これに対し、本発明によるキャピラリープレートは、鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されて成るガラス基体を備えており、これまで問題であったα線によるノイズ発生が引き起こされるおそれが殆どなく、実質的にこの不都合を解消できる。よって、バックグラウンドレベルが格段に低減され、S/N比が格別に向上される。また、従来のキャピラリープレートで生じるバックグラウンドの問題がこのような天然RIの存在に主に起因することに鑑みると、キャピラリープレートのチャネル孔内面に、α線の最大飛程以上の‘厚み’(単位面積あたりの質量)を有する天然RIを含まない層を形成することで対処するのも有効ではあるが、ガラス基体を鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成する方が、製造工程の簡略化の観点から好ましい。
【0022】
或いは、本発明によるキャピラリープレートは、ガラス基体が、下記式(1);
Cs<Cp …(1)、
で表される関係を満たすものであっても好ましい。式中、Csはキャピラリープレートから発せられる荷電粒子線(α線、β、その他の荷電粒子線;β線に起因する消滅γ線を含む)の計数率を示し、Cpは鉛酸化物を20質量%以上含む鉛ガラスで形成されたガラス基体を有するキャピラリープレートから発せられる荷電粒子線の計数率を示す。
【0023】
ここで、「荷電粒子線の計数率」とは、荷電粒子線としてα線のエネルギースペクトロメトリを行う場合を例にとると、α線エネルギースペクトルのエンドポイントエネルギー以下の計数チャネルにおけるバックグラウンド引き去り後の計数を積算し、その積算値を測定時間で除した値を示す。なお、バックグラウンドの引き去りは、積算後又は計数率算出後に実施してもよい。また、詳細なエネルギースペクトリメトリを行わない場合(例えば、ZnSシンチレーション検出器によるα線測定)も同様である。
【0024】
このCsがCp以上であると、比例計数管による測定時におけるキャピラリープレート自体に起因するノイズの低減が十分ではなく、バックグラウンドレベルを不都合に増大させてしまう傾向にある。また、この観点より、Cpを規定する鉛ガラスに含まれる鉛酸化物の含有割合の下限は、20質量%、好ましくは10質量%、特に好ましくは5質量%であることが望ましい。
【0025】
また、ガラス基体が、下記式(2);
Rs<Rp …(2)、
で表される関係を満たすものであると好適である。式中、Rsはキャピラリープレートの抵抗を示し、Rpは鉛酸化物を好ましくは20質量%、より好ましくは10質量%、特に好ましくは5質量%以上含む鉛ガラスで形成されたガラス基体を有するキャピラリープレートの抵抗を示す。
【0026】
ここで、「キャピラリープレートの抵抗」とは、測定対象のキャピラリープレートの一方面及び他方面間の直流抵抗を示し、具体的には、両面に電極を接続し、所定の電圧を印加したときの電流を測定し、そのときの電圧測定値及び電流測定値から算出される抵抗を示す。
【0027】
ただし、キャピラリープレートに鉛酸化物が含まれると密度が増大し、図9に示すようなX線吸収層としてのベリリウム窓/キャピラリープレート間を透過したX線がキャピラリープレートで吸収され易くなり、その際に放出される蛍光X線がバックグラウンドとなり得る。これに鑑みると、キャピラリープレート中の鉛酸化物含量は実質的に0質量%であることが望ましい。
【0028】
本発明者の更なる知見によれば、従来の鉛ガラスから成るキャピラリープレートが高抵抗であって長期使用時に電荷が蓄積し易く(チャージアップし易く)、こうなると測定時に放電による突発的で予測できない過大信号又は大電流信号が生じるおそれがあるだけでなく、放電衝撃によるキャピラリープレートの損傷や経時劣化が懸念される。これに対し、キャピラリープレートが上記式(2)で表される関係を満たすと、キャピラリープレートへの電荷の蓄積が十分に軽減される。例えば、従来の鉛ガラス製キャピラリープレート114(H還元していないタイプ)の抵抗Rpが1012〜1015Ωオーダーであるのに対し、同等形状の本発明のキャピラリープレートでは、その抵抗Rsとして1010Ωオーダーを達成できることが確認された。
【0029】
また、H還元されたMCPの抵抗Rpは10Ωオーダーであり、MCPと本発明のキャピラリープレートのオシロスコープ波形を比較したところ、同程度の有意な電流パルス信号が観測された。この信号は、チャネル孔内壁を流れる電流によるものである。一方、H還元していないキャピラリープレート114では、そのようなオシロスコープ波形は認められなかった。
【0030】
また、本発明によるキャピラリープレートの製造方法は、本発明のキャピラリープレートを有効に製造するための方法であり、複数の貫通孔が設けられたガラス基体を有しており、主として不活性ガスを含むガス雰囲気中に配置されて比例計数管を構成するキャピラリープレートを製造するための方法であって、ガラス基体が上記式(1)又は(2)で表される関係を満たすように、鉛不含ソーダ石灰ガラスから成るガラス母材を用いてガラス基体を形成せしめることを特徴とする。この場合、抵抗を下げるためにMCPと同様のH還元を行うといった煩雑な工程は必要ない。
【0031】
さらに、本発明によるガス比例計数管は、主として不活性ガスを含む検出用ガスが充填されており、電磁波又は電離放射線が入射する窓を有するチャンバと、そのチャンバ内に配置されており、複数の貫通孔が設けられ且つ鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成された本発明のガラス基体とを備えるものである。
【0032】
好ましくは、検出用ガスが分子中にハロゲン原子を含む有機系ガスを含有することが望ましい。
【0033】
キャピラリープレートを用いたガス比例計数管に用いられる一般的な検出用ガスとしては、前述したArガス及びCHガス等を主成分とするガスにTMAやTEAといったアミン系ガスが添加された混合ガスが挙げられる。このTMA等はいわゆるペニング効果を利用した言わば波長変換機能を司るものである。
【0034】
より詳細に説明すると、電離に主に関与するArの励起発光波長は、127nmの紫外領域にあり、通常の光学系での観測は透過率の観点から困難である。よって、増幅された励起光を計測するタイプのガス比例計数管では、何らかの波長変換(シフト)が必要となる。そのためには、キャピラリープレートから外部へ導出される紫外光を波長変換器等の外部機器又は色素等の光学部材で変換する方法が考えられるが、変換効率及び装置規模の縮小化の観点より、実質的な波長変換作用を奏するようなガスを電離ガス中に添加する方がより好ましい。このような添加ガスの一つがTMA等であり、TMAを例にとると、以下に示す素反応を経てより長波長である290nmへの波長変換が実現されるものと考えられる。ただし、作用はこれに限定されない。
【0035】
+Ar=e+Ar
Ar+Ar+Ar=Ar +Ar
Ar +TMA→Ar+Ar+TAM+e
Ar +TMA→Ar+Ar+TMA
TMA→TMA+hν(290nm)
【0036】
ところが、波長290nmの光を用いても、汎用の一般的な光学系での透過効率は未だ十分ではなく、より高感度な測定・撮像を行う際に大きな障害となってしまう。これに対し、検出用ガスとして、ハロゲン原子を含む有機系ガスを添加することにより、より長波長である可視光を高効率で発光させることが可能となる。
【0037】
特に、有機系ガスが、少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された炭化水素から成るガス(例えば、CF等のハロゲン化アルカン)であると、光波長及び発光量の観点から一層好ましく、本発明者の現在の知見によれば、取扱性及び工業上の利用可能性を考慮すると、CFガスが最も好ましいものと想到される。
【0038】
また、本発明による撮像システムは、本発明による比例計数管と、それに備わるチャンバの後段に配置された光検出器とを備えるものである。この光検出器の種類は特に限定されず、CCD、PMT、陽極ボード、CMOSを用いたセンサ等を例示でき、これらのなかでもアレイ化が容易で高感度なCMOSセンサであると特に好ましい。また、CMOSセンサを用いると、CCD等を用いた場合に比して撮像システムの小規模化が可能であると共に、撮像時の時間分解能が格段に向上され、高感度のみならずより高精細且つ高速の動的解析をも達成できる利点がある。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、図面の位置関係に基づくものとする。
【0040】
図1は、本発明によるキャピラリープレートの好適な一実施形態を模式的に示す平面図であり、図2は図1におけるII−II線断面図である。キャピラリープレート1は、板状を成すチャネルガラス11(ガラス基体)の周囲に外周ガラス12が接合されたものである。チャネルガラス11には、その厚み方向に沿って細長い孔状のチャネル13(貫通孔)が複数設けられている。これらのチャネル13は、各々独立した光・電子増倍器を構成するものである。さらに、チャネルガラス11の両面には、例えば真空蒸着等によって形成された薄膜の電極1a,1bが設けられている。
【0041】
キャピラリープレート1において、電極1a,1b間すなわち各チャネル13の両端に電圧が印加されると、チャネル13内に軸方向の電界が発生する。このとき、一方端からチャネル13内に光や電子が入射すると、その入射光子及び入射電子は電界からエネルギーを付与され、チャネル13内壁への衝突が多重に繰り返され、光及び電子が指数関数的に激増することにより光・電子増倍(増殖)が行われる。
【0042】
ここで、キャピラリープレート1を構成するチャネルガラス11は、鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されており、その具体的な組成は、鉛不含ソーダ石灰ガラスが構成される組成であれば特に制限されない。具体的には、例えば、以下に示す組成が挙げられる。
・SiO :60〜75質量%、
・Al:0.1〜5質量%、
・Σ(MgO+CaO+SrO+BaO):0.1〜15質量%、
・Σ(LiO+NaO+KO+RbO+CsO):0.5〜20質量%、
・不可避不純物又は非鉛系添加物(他の成分):0〜24.3質量%、
・Pb:実質的に0
【0043】
更に具体的には、以下に示す好適な組成を例示できる。
・SiO :65〜75質量%、
・Al:0.2〜3質量%、
・CaO:4.5〜10質量%
・MgO:0.3〜5質量%
・Σ(NaO+KO):15〜17質量%、
・Pb:実質的に0
【0044】
ここで、SiOの含有割合が60質量%未満であると、チャネルガラス11の耐酸性及び機会強度が十分に高められない傾向にある。一方、SiOの割合が75質量%を超えると、チャネル13の光・電子増殖機能が不都合な程に阻害されるおそれがある。
【0045】
また、チャネルガラス11がAlを含むことにより、シリカ(SiO)の二次元又は三次元網目構造の中にAlが導入されてガラス構造の安定化が図られると共に、チャネルガラス11の硬度を一層増大できる。このAlの含有割合が3質量%を超えると、アルカリイオンの移動が容易になり、後述する芯材溶解時の酸によるアルカリイオンの溶出が促進されてしまうといった不都合がある。さらに、アルカリ土類金属の酸化物(MgO、CaO、SrO、BaO)のうちいずれか一種が含まれると、光・電子の増倍効率が高められる傾向にあり、これらのアルカリ土類金属酸化物の合計含有割合が15質量%を超えると、その増倍効率の向上効果が飽和する傾向にある。
【0046】
またさらに、アルカリ金属酸化物のうち、LiO、NaO及びKOのうち少なくともいずれか一種を含むことにより、チャネルガラス11の熱膨張係数及び粘性を容易に且つ適度に調整可能である。これらの合計含有割合が0.5質量%未満であると、チャネルガラス11の熱膨張係数及び粘性の調整が十分にできない傾向にある。一方、これらの合計含有割合が20質量%を超えると、熱膨張係数が大きくなり、また粘性が過度に低下して芯材ガラスとのマッチングが難しくなる不都合がある。また、RbO及びCsOは、金属原子のイオン半径が他のアルカリ金属に比して大きく、ガラス中における原子間距離が他のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO及びKO)より大きい。よって、これらはチャネルガラス11中で移動し難く、これによりキャピラリープレート1の高利得寿命特性を改善できる。
【0047】
さらにまた、他の含有成分又は添加物としては、例えばZrOが挙げられる。このZrOが添加されると、チャネルガラス11の硬度が増大すると共に、チャネルガラス11の耐酸性が一層高められる。なお、ZrOの含有割合が過度に大きいと、チャネルガラス11がガラスとして機能し難くなり、実用上好ましくなく、その含有割合の上限は例えば5〜7質量%とされることが望ましい。
【0048】
また、チャネルガラス11は鉛不含ソーダ石灰ガラスに限られず、下記式(1);
Cs<Cp …(1)、
で表される関係を満たすものであっても好ましい。式中、Csはキャピラリープレート1から発せられるα線等の荷電粒子線の計数率(cps等)を示し、Cpは鉛酸化物を好ましくは20質量%、より好ましくは10質量%、更に好ましくは5質量%以上含む鉛ガラスで形成されたチャネルガラスを有するキャピラリープレート(従来のキャピラリープレートの一種に相当する。)から発せられる荷電粒子線の計数率(cps等)を示す。
【0049】
更に具体的には、チャネルガラス11が、下記式(2);
Rs<Rp …(2)、
で表される関係を満たすものであることが望ましい。式中、Rsはキャピラリープレート1の抵抗を示し、Rpは鉛酸化物を好ましくは20質量%以上、より好ましくは10質量%、更に好ましくは5質量%以上含む鉛ガラスで形成されたチャネルガラスを有するキャピラリープレート(従来のキャピラリープレートの一種に相当する。)の抵抗を示す。
【0050】
また、キャピラリープレート1の外径(外周ガラス12の外径)及び有効外径(チャネルガラス11の外径)は、種々の用途やそれに必要な強度等に応じて、また、チャネル13径及び目的とする位置分解能等に応じて適宜決定されるが、通常は、1〜100mmφ程度とされる。さらに、キャピラリープレート1の厚さは、好ましくは0.05〜2.0mm程度とされる。キャピラリープレート1の厚さが0.05mm未満となると、ガラス研磨限界を下回り、且つ、取扱時の僅かな衝撃等によって破損し易くなってしまう。
【0051】
またさらに、キャピラリープレート1におけるチャネル13の孔径(内径)は、通常、6〜100μm程度とされる。チャネル13径が1μm未満であると、十分な光・電子増倍特性が得られない傾向にある。一方、チャネル13径が100μmを超えると、キャピラリープレートの用途に依るものの、高解像度、高速応答、高分解能といった要求を十分に満足できないおそれがある。
【0052】
また、キャピラリープレート1の利得特性は、チャネル13径dに対するチャネル13長Lの比(規格化長a=L/d)に依存し、一般に、高利得を得るには、この規格化長aを大きくすることが有効である。しかし、規格化長aが過度に大きいと、チャネル13内に存在するガス(後述)と増倍電子との衝突によってイオンフィードバックが発生し易くなる。こうなると、ノイズが増大しS/N比が低下する傾向にある。また、キャピラリープレート1では、その厚さが1mm程度を超えると、利得の向上に比してノイズの増大が顕著となることがあることから、規格化長aの上限は例えば200程度とされる。
【0053】
またさらに、チャネル13のピッチは、構造上十分な強度が担保されつつ、高解像度化や高分解能といった要求を十分に満足できる程度の間隔が望ましく、例えば、数μm〜数十μmとされる。
【0054】
このような構成を有するキャピラリープレート1を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す方法を用いることができる。まず、芯材としての酸可溶性を有するガラス棒を、上述したチャネルガラス11の組成、好ましくは式(1)又は(2)を満たすような組成を有する耐酸性のガラス管(ガラス母材)に挿嵌し、両者を一体的に加熱軟化させると同時に引き伸ばしてそれらを融着させる。この操作により、酸可溶性ガラス芯材を耐酸性ガラスで被覆した二重構造の素線を得る。ここで、酸可溶性を有するガラス棒としては、例えば、B−BaO−La系ガラス等を好ましく使用できる。
【0055】
次に、上記二重構造の素線を、例えば、約10本平行に配列して六角柱状の型枠に収納し、これを例えば500〜600℃程度に加熱して相互に融着させて各素線間の空隙を消滅させる。それと共に引き伸しを行って多重素線を得る。
【0056】
次いで、その多重素線を更に型枠すなわち外周ガラス12に所定の本数収納し、再び500〜600℃程度に加熱して多重素線同士を相互に融着させて空隙を消滅させる。こうして、二重構造を有する多数の極細ガラス素線が平行に配列且つ相互に融着された多重素線群を形成せしめる。この外周ガラス12の素材としては、チャネルガラス11と熱膨張係数及び熱的特性が整合しているものであればよく、その材料組成は特に限定されない。このような外周ガラス12を有すると、キャピラリープレート1の取り扱いが平易になる利点がある。また、キャピラリープレート1のハンドリングの際に、チャネルガラス11にキズやカケが生じることを防止でき、ひいてはキズやカケに起因するノイズ発生を抑制できる。
【0057】
それから、その多重素線群を、各素線と垂直に又は所定の適当な角度でもって薄く切断し、その切断面を研磨することにより、所望厚さの板状体とする(なお、図2には、適当な角度をもって切断し研磨したものを示す。)。そして、この板状体を、適宜の酸溶液に数時間浸漬する。これにより、酸可溶性ガラスから成るガラス芯材が優先的にエッチングされて除去され、多数の微細な貫通孔(チャネル13)が形成される。それから、このチャネルガラス11の両面に真空蒸着等の方法で電極1a,1bを形成させてキャピラリープレート1を得る。
【0058】
図3は、キャピラリープレート1を備える本発明のガス比例計数管(CGPC)を用いた撮像システムの好適な一実施形態を示す斜視図(一部破断図)である。また、図4は、その要部を模式的に示す断面図である。
【0059】
撮像型X線検出装置200(撮像システム)は、撮像系210に、電源系34、並びにCAMCAユニット及び表示装置が組み込まれた制御系35(測定回路系を兼ねる。)が接続されたものである。撮像系210は、略筒状を成し上方端がベリリウム窓21(窓)で覆われ且つ側壁に排気口22a及び吸気口22bが設けられたチャンバ22と、X線Pv(電磁波)の入射方向に対してチャンバ22の後段に接合されたチャンバ23とを有している。
【0060】
チャンバ22内には、X線Pvの入射方向に沿うように、その上流側から中空状の整形リング(シェイピングリング)215,216、及び前述したキャピラリープレート1が同軸状に設けられている。これらの整形リング215,216は、電源系34及び接地電位に接続されており、電源系34からの高電圧と接地間が抵抗分割されてそれぞれに適切なドリフト電圧が印加されるようになっている。これらの整形リング215,216によって、キャピラリープレート1の前方空間にドリフト領域が画成されている。
【0061】
また、キャピラリープレート1の電極1a,1bは、それぞれ電源系34に接続されており、前者には所定のカソード電圧が印加されて陽極として作用し、後者には所定のアノード電圧が陰極として機能する。
【0062】
また、チャンバ22,23の境界には開口部が設けられており、そこにFOP2がチャンバ22側を封止するように嵌合設置されている。このように閉止されたチャンバ22内の空間には、主ガス成分であるHeガス、Arガス、Xeガス、CHガス等に、分子中に好ましくはハロゲン原子、より好ましくはフッ素原子を含むCF等のハロゲン化アルカンといった有機系ガスが添加され、更に必要に応じてクエンチングガスが加えられた検出用ガス217が封入されている。検出用ガス217は、排気口22a及び吸気口22bを用いて適宜排気及び供気される。
【0063】
CF等の有機系ガスの添加量は、ガスの種類に応じて適宜選択することができるものの、検出用ガス217の全量に対して好ましくは1〜10体積%程度、より好ましくは数体積%とされる。このように、ベリリウム窓21、チャンバ22、整形リング215,216、キャピラリープレート1、及び検出用ガス217から本発明の比例計数管であるCGPCが構成されている。
【0064】
さらに、チャンバ23の底壁上には、キャピラリープレート1及びFOP2と同軸状にCMOSセンサアレイ3(CMOSセンサ;光検出器)が設置されており、その周囲には、CMOSセンサアレイ3を駆動させるための駆動回路ボード4が設けられている。またさらに、先述した電源系34は、チャンバ23の側壁に設けられた電源端子24を介して整形リング215,216及びキャピラリープレート1に接続されると共に、電源端子24を介して駆動回路ボード4及びCMOSセンサアレイ3にも駆動電力を供給するようになっている。さらにまた、制御系35は、チャンバ23の側壁に設けられた信号端子25を介して駆動回路ボード4と接続されている。
【0065】
このように構成されたキャピラリープレート1、及びその製造方法、並びに撮像型X線検出装置200によれば、ベリリウム窓21を通してチャンバ22内に入射したX線Pvがベリリウム窓21/キャピラリープレート1間領域のガス分子と相互作用し、光電効果によって高エネルギーの電子(一次電子)が放出される。この一次電子(X線光電子)は、他のガス分子にエネルギーを付与しながら進み、その飛跡中に電子−イオン対を生じる。一次電子の飛跡に沿って生じた電子(電子雲)は、ベリリウム窓21/キャピラリープレート1間に生成された電場により、その電子雲形状を保持したままキャピラリープレート1の前面からその内部に進入する。
【0066】
キャピラリープレート1の内部には、ガスの放電及び励起発光を引き起こすのに十分な例えば10V/cm以上の電場が形成されており、電子がガス分子と次々に衝突して電子増殖及び光増殖が行われ、例えば、1個の電子が10〜10個程度に増幅される。この際、種々の素反応が引き起こされ、なかでも励起されたCF分子が基底状態に遷移する際に、そのエネルギー遷移に特有な波長を有する光が発せられる(CF →CF+hν)。この励起発光の波長領域は、可視光から赤外光領域にかけた広いものであり、そのピーク波長は約620nmである。
【0067】
なお、整形リング215,216は、ベリリウム窓21/キャピラリープレート1間のガス厚を増やしてX線の検出効率を高める場合に、補助的に使用されるものである。図示を省略したが、通常、ベリリウム窓21を接地し、キャピラリープレート1の直前に10〜200V程度の電圧を印加することにより、ベリリウム窓21/キャピラリープレート1間の電場が例えば100〜200V/cm程度になるように調整される。このとき、ベリリウム窓21/キャピラリープレート1間の距離が大きくされると電場が乱れ易くなるため、それを‘整形’する目的で整形リング215,216が用いられる。よって、X線の検出効率をさほど重視せずにベリリウム窓21/キャピラリープレート1間の距離が小さい場合には、整形リング215,216を用いなくともよい。
【0068】
増幅光はFOP2を透過し、再度光電変換されることなくCMOSセンサアレイ3に入射する。CMOSセンサアレイ3からは、光の入射した二次元位置情報と各入射位置での光強度に基づく電気信号が駆動回路ボード4を通して制御系35へ出力され、そこで、三次元X線発光画像が構成されて表示装置等に出力される。
【0069】
この際、キャピラリープレート1が、天然α線放射体である210Poの親核種(プレカーサー)である210Pbを実質的に含まない鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されたチャネルガラス11を備えるので、従来の鉛ガラスを用いたチャネルガラスで問題となり得たα線による異常電離電流や異常発光の発生を確実に抑止でき、バックグラウンドレベルを格段に低減できる。よって、S/N比を格別に向上でき、これにより従来に比して高感度且つ高精度のX線測定が可能となる。また、突発的な異常発光によってX線Pvの測定自体が不能となることを防止できるので、安定した信頼性の高い測定をも実現できる。
【0070】
或いは、チャネル13が鉛不含ソーダ石灰ガラスに限られず、式(1)で表される関係を満たすものである場合にも、α線の寄与によるノイズを十分に低減することができ、高感度且つ安定した信頼性の高いX線測定が可能となる。さらに、光学系を介さず、キャピラリープレート1で増幅された光がFOP2を通してCMOSセンサアレイ2に入射するので、光の減衰を抑えて更なる高感度化が可能となる。しかも、このような簡略な構成によって撮像システム200の撮像系210を小型化できる。しかも、キャピラリープレート1の製造に際して従来のようなH還元による金属Pb層の形成が不要となるので、工程を簡略化できる。
【0071】
またさらに、チャネル13が式(2)で表される関係を満たすものであると、その抵抗値を、従来の鉛ガラスから成るチャネルガラスに比して桁違いに低減することができる。これにより、キャピラリープレート1のチャージアップを抑制することができ、長期間の使用においても、蓄積された電荷が瞬時に放電されることによって生じ得る突発的な過大信号又は大電流信号によるノイズの発生を防止できる。また、それのみならず、かかる放電の衝撃によるキャピラリープレート1の劣化や損傷を十分に抑止することが可能となる。
【0072】
さらにまた、検出用ガス217として、CFガス等のハロゲン置換されたアルカンといった有機系ガスが添加されたものを用いると、そのペニング効果により、高効率で可視領域の波長を有する光を発光させることができるので、可視光透過性に優れる汎用のFOP2を用いても、高い透過率が達成される。よって、CMOSセンサアレイ3への入射光の減弱を十分に防止でき、更に高感度なX線測定を実現できる。
【0073】
図5は、キャピラリープレート1を備える本発明のガス比例計数管(CGPC)を用いた撮像システムに係る他の実施形態の要部を模式的に示す断面図である。撮像型光検出装置300(撮像システム)は、ベリリウム窓21の代わりに入射窓31(窓)を有する撮像系310を備えており、且つ、X線Pvの代わりに光Pxの撮像測定を行うものであること以外は、図3及び4に示す撮像型X線検出装置200と同様の構成を有するものである。
【0074】
入射窓31は、いわゆる透過型の光電面として機能し、例えば石英等の窓基材上に薄い下地金属膜が形成され、更にその上に、例えばバイアルカリ化合物、マルチアルカリ化合物や、バイアルカリ及びアンチモン若しくはテルルの化合物、又は、マルチアルカリ及びアンチモン若しくはテルルの化合物等から成る薄膜、並びに必要に応じてカーボンナノチューブ等から成る中間層を有する光電子放出膜31aが蒸着等によって形成されたものである。
【0075】
このように構成された撮像型光検出装置300では、入射窓31に入射した光Pxが光電子放出膜31aに達すると、光電変換によって生じた光電子がキャピラリープレート1の前段の空間に放出される。この光電子が、撮像型光検出装置200で説明した一次電子に相当し、上述したのと同様にして電子−イオン対を生じ、キャピラリープレート1内で電子増殖及び光増幅が行われ、CFガスの励起発光が得られる。この光はキャピラリープレート1で増幅され、FOP2を透過してCMOSセンサアレイ3へ入射し、三次元入射光画像が表示装置等に出力される。そして、撮像型光検出装置300によっても、上述した撮像型X線検出装置200と同様の作用効果が奏される(重複を避けるため、ここでの説明は省略する。)。
【0076】
また、光電子放出膜31aの形成は、通常、図5に示す如く入射窓31とキャピラリープレート1とをチャンバ22内に組み付けた後、キャピラリープレート1の図示下方から、マルチアルカリ化合物等の材料金属を入射窓31の図示下面上に蒸着せしめることにより行われる。本発明者らの知見によれば、キャピラリープレート1に代えて従来の鉛ガラスを用いたキャピラリープレートを使用すると、光電子放出膜31aが鉛ガラスで汚染されてしまう傾向にある。これに対し、鉛不含ソーダ石灰ガラスから成るキャピラリープレート1を用いると、このような汚染が防止できることが判明した。
【0077】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、キャピラリープレート1における外周ガラス12を省略してもよく、この場合、チャネルガラス11自体がキャピラリープレート1を構成する。また、製造時に型枠として用いる外周ガラス12を除去してもよく、或いは、型枠として外周ガラス12とならないものを使用しても構わない。加えて、キャピラリープレート1の形状は円板状に制限されず、例えば角板状等でもよい。
【0078】
さらに、検出用ガス217には、CFガスに替えて又は加えてTMAやTEA等の他のペニング効果を奏するガスが添加されていてもよいが、励起光波長が上述の如く可視域となる点でCF等のハロゲン化アルカン等の有機系ガスがより好ましい。
【0079】
さらにまた、CMOSセンサアレイ3に代えて、CCD、ICCD、PMT、陽極ボードを用いた撮像用センサを用いても構わないが、高精細且つ高速な動的解析用途にはCMOSセンサアレイ3を用いることが望ましい。また、FOP2の代わりに従来の光透過窓112及び光学系120の組み合わせを用いてもよいし、バンドル状の光ファイバーを用いても構わない。
【0080】
以下、実施例により本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
〈実施例1〉
上述した範囲の組成を有する鉛不含ソーダ石灰ガラスから成るガラス管をガラス母材として用い、上述した製造方法と同様の手順により本発明のキャピラリープレート1を製造した。
【0082】
〈比較例1〉
ガラス母材として、概ね以下の組成を有する鉛ガラスから成るガラス管を用い、また、複数の貫通孔(チャネル)が形成された板状体を水素ガス雰囲気下、約400℃で数時間放置し、これによりチャネルガラス中のPbOをH還元してチャネル内面に導電層を形成せしめたこと以外は、実施例1と同様にして従来のチャネルプレートを製造した。
・SiO:40〜45質量%、
・PbO:40〜45質量%、
・Σ(アルカリ金属酸化物):10質量%程度、
・他の成分:5〜10質量%
【0083】
〈α線スペクトロメトリ〉
実施例1及び比較例1で得た各キャピラリープレートに対し、ORTEC(商標)社製のSi障壁型低バックグラウンドα線スペクトロメトリ装置(URTRA−ASシリーズ:U−020−450−AS;Active Area=450mm、Alpha Resolution (公称値)=20keV FWHM at 5.486 MeV)を用いて1週間のα線エネルギースペクトル測定を実施した。また、キャピラリープレートを装置のチャンバ内に収納しなかったこと以外は同様にしてバックグラウンド測定を実施した。
【0084】
図6、図7、及び図8は、それぞれバックグラウンドスペクトル、実施例1のキャピラリープレート1に対するスペクトル、及び比較例1のキャピラリープレートに対するスペクトルを示すグラフである。各図中、曲線L1,L2,L3は、α線エネルギーに対応したチャネル毎の計数率データを結んで示す目安線である。これらの結果より、実施例1のキャピラリープレート1は、α放射能レベルがバックグラウンドと同程度であることが確認された。これに対し、比較例1のキャピラリープレートのα線エネルギースペクトルには、そのエンドポイントエネルギーが約5.3MeVの有意な成分が認められた。これは、鉛ガラスに含まれる210Pbの壊変生成物である210Poのα崩壊に伴って放出されるα線のうち最も分岐比が高いα線によるものと同定された。
【0085】
〈実施例2〉
実施例1で得たキャピラリープレート1を用い、光検出器としてCMOSセンサアレイ3を備える図3に示す構成の本発明による撮像型X線検出装置を製造した。
【0086】
〈実施例3〉
光検出器としてCMOSセンサアレイ3の代わりにPMTを用いたこと以外は、実施例2と同様にして本発明による撮像型X線検出装置を製造した。
【0087】
〈実施例4〉
光検出器としてCCDセンサを用いたこと以外は、実施例2と同様にして本発明による撮像型X線検出装置を製造した。
【0088】
〈特性評価〉
実施例2〜4で得た各撮像型X線検出装置について、校正用X線源を用いた測定を実施し、感度、ダイナミックレンジ、処理速度、S/N比、及び撮像特性(位置分解能)について絶対評価及び相対(比較)評価を行った。その結果、いずれの撮像型X線検出装置についても十分に高い感度及びS/N比を有することが確認された。また、参考までに、相対評価の結果を表1に示す。表中の数値は、三者の相対的な指標を示し、‘3’、‘2’、‘1’の順に相対的に優れていることを示す。
【0089】
【表1】
Figure 2004241298
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のキャピラリープレートによれば、鉛不含ソーダ石灰ガラスから成るガラス基体を備えるので、天然RI起源のα線等の放射線に起因するノイズを十分に低減してS/N比を向上できると共に、突発的で過大な電気信号や光信号の発生を抑止することが可能となる。これにより、かかるキャピラリープレートを備える本発明のガス比例計数管及び撮像システムを用いれば、従来に比して高感度且つ安定でしかも信頼性の高い撮像測定を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキャピラリープレートの好適な一実施形態を模式的に示す平面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】キャピラリープレート1を備える本発明のガス比例計数管を用いた撮像システムの好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図4】キャピラリープレート1を備える本発明のガス比例計数管を用いた撮像システムの好適な一実施形態の要部を模式的に示す断面図である。
【図5】キャピラリープレート1を備える本発明のガス比例計数管を用いた撮像システムに係る他の実施形態の要部を模式的に示す断面図である。
【図6】α線スペクトロメトリにおけるバックグラウンドスペクトルを示すグラフである。
【図7】α線スペクトロメトリにおける実施例1のキャピラリープレート1に対するスペクトルを示すグラフである。
【図8】α線スペクトロメトリにおける比較例1のキャピラリープレートに対するスペクトルを示すグラフである。
【図9】従来のCGPCを用いた撮像型X線検出装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…キャピラリープレート、1a,1b…電極、3…CMOSセンサアレイ(光検出器)、4…駆動回路ボード、11…チャネルガラス(ガラス基体)、12…外周ガラス、13…チャネル(貫通孔)、21…ベリリウム窓(窓)、22,23…チャンバ、31…入射窓(窓)、31a…光電子放出膜、34…電源系、35…制御系、200,300…撮像型X線検出装置(撮像システム)、210,310…撮像系、215,216…整形リング、217…検出用ガス、Pv…X線、Px…光。

Claims (9)

  1. 複数の貫通孔が設けられたガラス基体を有しており、主として不活性ガスを含むガス雰囲気中に配置されて比例計数管を構成するキャピラリープレートであって、
    前記ガラス基体が鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されたものである、
    キャピラリープレート。
  2. 複数の貫通孔が設けられたガラス基体を有しており、主として不活性ガスを含むガス雰囲気中に配置されて比例計数管を構成するキャピラリープレートであって、
    前記ガラス基体が、下記式(1);
    Cs<Cp …(1)、
    Cs:当該キャピラリープレートから発せられる荷電粒子線の計数率、
    Cp:鉛酸化物を20質量%以上含む鉛ガラスで形成されたガラス基体を有するキャピラリープレートから発せられる荷電粒子線の計数率、
    で表される関係を満たすものである、
    キャピラリープレート。
  3. 前記ガラス基体が、下記式(2);
    Rs<Rp …(2)、
    Rs:当該キャピラリープレートの抵抗、
    Rp:鉛酸化物を20質量%以上含む鉛ガラスで形成されたガラス基体を有するキャピラリープレートの抵抗、
    で表される関係を満たすものである、
    請求項1又は2に記載のキャピラリープレート。
  4. 複数の貫通孔が設けられたガラス基体を有しており、主として不活性ガスを含むガス雰囲気中に配置されて比例計数管を構成するキャピラリープレートの製造方法であって、
    前記ガラス基体が下記式(1)又は(2);
    Cs<Cp …(1)、
    Cs:当該キャピラリープレートから発せられる荷電粒子線の計数率、
    Cp:鉛酸化物を20質量%以上含む鉛ガラスで形成されたガラス基体を有するキャピラリープレートから発せられる荷電粒子線の計数率、
    Rs<Rp …(2)、
    Rs:当該キャピラリープレートの抵抗、
    Rp:鉛酸化物を20質量%以上含む鉛ガラスで形成されたガラス基体を有で表される関係を満たすように、鉛不含ソーダ石灰ガラスから成るガラス母材を用いて当該ガラス基体を形成せしめる、
    キャピラリープレートの製造方法。
  5. 主として不活性ガスを含む検出用ガスが充填されており、電磁波又は電離放射線が入射する窓を有するチャンバと、
    前記チャンバ内に配置されており、複数の貫通孔が設けられ且つ鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されたガラス基体と、
    を備えるガス比例計数管。
  6. 前記検出用ガスが分子中にハロゲン原子を含む有機系ガスを含有する、請求項5記載のガス比例計数管。
  7. 前記有機系ガスが、少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された炭化水素から成るガスである、請求項6記載のガス比例計数管。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の比例計数管と、
    前記チャンバの後段に配置された光検出器と、
    を備える撮像システム。
  9. 前記光検出器がCMOSセンサである、請求項8記載の撮像システム。
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