JP2005044676A - 信号電子検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛躍的な小型化が可能な信号電子検出器を提供することにより、電子顕微鏡全体の小型化に寄与し、ひいては電子顕微鏡の設置自由度や利用自由度を向上させる。
【解決手段】中央に貫通させた電子線通過孔2を通過した電子線EBが試料Wに照射された際に放出される信号電子SEを検出するものであって、
試料W側を向く一端面に信号電子SEの検出面3aが形成されるようにP型半導体とN型半導体とを直接あるいは真性半導体を介して接合した盤状をなす検出器本体3と、前記検出器本体3に一体的に取り付けたパッケージ4とを備えてなり、そのパッケージ4を少なくとも前記検出器本体3の側周面の外側に配置するとともに、前記パッケージ4の外面の一部又は全部を電極42で形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電子、反射電子など一次電子に対応して放出された信号電子を検出して試料の顕微分析を行う電子顕微鏡等の電子線分析装置に好適に用いられる信号電子検出器に関するものである。
この種の電子線分析装置としては、電子顕微鏡(SEM)や電子線マイクロアナライザ(EPMA)、オージェ電子分析装置(AES)、反射型高エネルギー電子線回折装置(RHEED)、低エネルギー電子線回折装置(LEED)などが知られている。これらは、電子銃から発生した電子線を数十V程度から数十kVの電圧で加速すると共に電磁レンズなどで細く絞って試料表面に照射し、このとき試料から含まれる元素に応じて発生した特性X線や反射電子、二次電子などを検出しデータ処理を施すことによって、試料に含まれる元素の種類や含まれる濃度、化合形態や結晶状態などさまざまな分析を行えるようにしたものである。
このうち試料から放出される電子にはエネルギの低い二次電子と、入射電子が試料内部でエネルギを失う前に再び真空中に飛び出したエネルギの高い反射電子がある。
一般にSEMで形態観察を行う際には二次電子を検出して画像(二次電子像)を作成する。但し、この二次電子像では、試料表面のなだらかな凹凸を捉えにくく、凹凸の大きな試料表面には、反射電子を検出し画像を作成することが行われている。また、この反射電子は試料の組成に依存した信号でもあるので、二次電子とは異なり、組成に依存した画像を得ることができる。
一方、これら二次電子や反射電子を検出するための検出器として、従来は、特許文献1の段落0019等に示されているように、MCP(Micro Channel Plate)やシンチレータが主に用いられている。
前記MCPやシンチレータは比較的大型のものであるが、従来のこの種の電子顕微鏡等は、それ自身が大型のものであり、また試料を収容するための専用のチャンバーに取り付けられるようにしてあるため、前記MCPやシンチレータを配置するための十分なスペースの確保が容易である。
特開2002−310959公報 特開2002−93873公報
ところで、他の分析装置や半導体製造プロセス装置等の既存の装置に後付で前記電子顕微鏡等の電子線分析装置を組み込むといった用途を考えると、電子線分析装置そのものを小型化して汎用的に取り付けられるようにしておくことが好ましい。
しかしながら、従来のものは、前述したように、二次電子や反射電子等の信号電子検出器として構造上小型化に限界のあるMCPやシンチレータを用いており、しかも前記特許文献1、2に示されているように、この種の信号電子検出器は試料の側方あるいは斜め側方に配置する必要があることから、これらの点が電子顕微鏡等を小型化しようとした際のボトルネックとなる。
そこで本発明は、飛躍的な小型化が可能な信号電子検出器を提供することにより、電子顕微鏡等の電子線分析装置全体の小型化に寄与し、ひいてはその設置自由度や利用自由度を向上させることをその主たる所期課題としたものである。
すなわち本発明に係る信号電子検出器は、中央に貫通させた電子線通過孔を通過した電子線が試料に照射された際に放出される信号電子を検出するものであって、試料側を向く一端面に信号電子の検出面が形成されるようにPN接合又はPIN接合構造を有した半導体基板からなる検出器本体と、前記検出器本体に一体的に取り付けたパッケージとを備えてなり、そのパッケージを少なくとも前記検出器本体の側周面の外側に配置するとともに、前記パッケージの外面の一部又は全部を信号を取り出すための電極で形成したことを特徴とする。
また、電極の好ましい態様としては、前記パッケージの外面の一部又は全部を互いに絶縁された2つの正負電極で形成し、それら電極を前記検出器本体を形成するP型及びN型半導体にそれぞれ接続するようにしているものを挙げることができる。
ハンドリングを考慮した場合、パッケージが前記検出器本体の側周面及び反検出面側の端面を略覆うように構成しておくことが好ましく、外部への検出信号の取り出しに対する利便性を考慮した場合、一方の電極の少なくとも一部が当該パッケージにおける反検出面側の端面の少なくとも一部を形成し、他方の電極の少なくとも一部が当該パッケージにおける側周面の少なくとも一部を形成するようにしているものが好ましい。
もちろん、各電極がパッケージにおける同じ面にそれぞれ形成してあってもよい。すなわち各電極の少なくとも一部が、当該パッケージにおける反検出面側の端面の少なくとも一部をそれぞれ形成し、又は当該パッケージにおける側周面の少なくとも一部をそれぞれ形成するようにしても構わない。
その他に、パッケージの外面に一方の電極のみを形成し、前記検出器本体の外面に接合した第2導電体に他方の電極の役割を担わせるようにしてもよい。
小型化を図りつつも検出精度を維持するには、効率的に信号電子を電流信号に変換することが必要である。そのためには、N型又はP型いずれか一方の半導体上に他方の半導体を薄く形成してこれを前記検出面とするとともに、前記他方の半導体を複数に区成するように線状をなす電導部材を接触配置し、この電導部材を前記いずれかの電極に接続するようにしているものが望ましい。この検出器では、N型及びP型半導体の境界部分にできる空乏層に信号電子が入射し、その信号電子が電子・正孔対を生成し、その電子及び正孔がそれぞれ各電極に到達し前記電流信号として取り出されるが、前記他方の半導体の厚みが薄いため、これを通過して前記空乏層に効率よく信号電子が入射するとともに、電導部材が検出面上に網目状に配置されることから電流信号も大きな抵抗無く電導部材に到達できるからである。特に前記電導部材が細い線状をなし、検出面に略亘って配置されているものであれば、検出面の面積を大きく阻害することなく、効率的に電流信号を取り出せる。
その他の実施態様としては、前記検出面にN型及びP型半導体を交互にそれぞれ露出させ、例えば当該検出面において一方の半導体を他方の半導体が複数に区成するように構成したものが挙げられる。このようなものであれば、各半導体の境界部分に形成される空乏層が検出面に露出することから、より効率よく信号電子を捕獲できる。
その効果をより顕著にするには、前記他方の半導体が線状をなし、前記検出面に略亘って網目状に配置されているものが好ましい。
応答速度を向上させるためには、検出器本体をPIN構造にすることが好ましい。ところがこのように構成した場合、なんら処置を施さなければ、I層に生じる傾斜電界の影響で、電子線通過孔にも電界が生じ、ここを通過する照射電子線の軌道に悪影響を及ぼす。これを無理なく防止するには、前記電子通過孔の内周面を、所定の電位に固定した金属被膜で覆うようにすればよい。
信号電子から得られた試料に係る情報をより多面的に分析できるようにするには、前記検出面を互いに独立した複数のセグメントに分割し、各セグメントから電流信号を得られるようにしておくことが望ましい。例えば信号電子が反射電子である場合、このような構成にすることにより、試料表面の組成だけでなく、凹凸情報等をも得ることができる。
したがって、本発明によれば、検出器本体が半導体からなりフォトリソグラフィ等の方法によって形成可能であるため、大幅な小型化が可能である。
また、このように小型化するとハンドリング等に難を生じがちであるが、検出器本体側周面の外側にパッケージが一体的に取り付けられているため、ハンドリングが極めて容易となる。さらに、パッケージの外面そのものが電極となるため、ワイヤ配線を極力減らせるなど、小型であるにも拘わらず作業簡単化や外部への検出信号の取り出しの自由度を向上させることができる。
もちろん、中央に電子線通過孔を貫通させていることから、照射電子線の軸上にこの信号電子検出器を配設することができるため、電子顕微鏡等の電子分析装置全体としてみた場合に照射電子線の軸に対するラジアル方向の小型化を図ることができる。
このように信号電子検出器の小型化やハンドリング等の容易化が図れるため、ひいては電子顕微鏡全体の小型化に寄与でき、その設置自由度や利用自由度を大きく向上させることができるようになる。
具体的なパッケージの実施態様としては、前記パッケージが、絶縁体で形成したパッケージ本体と、その外側に設けた前記電極とを備えたものを挙げることができる。
<第1実施形態>
以下に本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態にかかる信号電子検出器1は、電子顕微鏡(SEM)や電子線マイクロアナライザ(EPMA)の構成要素として用いられるものであって、図3に示すように、電子銃(図示しない)から射出された電子線EBが試料Wに照射された際に放出される信号電子である二次電子SEを、その量に応じた電流に変換し測定可能に出力するものである。
具体的にこのものは、図1、図2に示すように、中央に貫通させた電子線通過孔2を有するもので、直径が3000〜10000μm、厚みが200〜500μmの円盤状をなし、一端面に二次電子SEの検出面3aを形成した検出器本体3と、前記検出器本体3に対しその側周面及び反検出面側の端面を略覆う位置に一体的に取り付けたパッケージ4とを備えている。
各部を詳述すると、電子線通過孔2は、この孔2を通過する照射電子線EB(図3に示す)の出口側と入口側とで形状が異なり、出口側のおおよそ半分が一定の直径(約100μm)を有し、入口側のおおよそ半分が、入口に向かうにつれ断面積の大きくなる四角錐状をなすような形状を有する。
検出器本体3は、中央に電子線通過孔2を形成した円盤状乃至薄い円柱状をなすもので、N型半導体で形成したN層31と、その一端面をほぼ覆うように形成したP型半導体で形成した薄いP層32とを備えたPN接合構造をなすものである。かかる検出器本体3は例えばフォトリソグラフィを利用して形成している。ここで「薄い」とは10nm以上100nm以下程度の厚みのことをいう。またこのP層32の不純物濃度は1018/cm以上1020/cm以下程度にしてあり、そのシート抵抗は1kΩ/sq以上10kΩ/sq以下程度である。
前記N層31の他端面には、図示しない金属層(Au層)が成膜してあって、後述するパッケージ4にこの金属層が密着するようにしている。
一方、前記P層32の表面には、これを複数に区成するようにある程度の幅を有した細い線状の金属製電導部材5(例えばシート抵抗0.02Ω/sq以上0.05Ω/sq以下程度)を網目状に接触配置し、前記P層32の露出する表面を二次電子SEの検出面3aとしている。図中符号X1は、N層31の一端面が露出しないようにこれを覆う絶縁層である。
なお、本実施形態における前記電導部材5は、図2に示すようにP層32の表面外周部と内周部とをそれぞれ周回するように覆うリング部51と、これらリング部51間に跨るように放射状にかつ間欠的に設けた放射部52とからなるものとしているが、この態様に限られたものではない。
パッケージ4は、パッケージ本体41と、そのパッケージ本体41の表面の一部に密着させて設けた薄膜状の金属製(例えばAuやAl)電極42とを備えている。パッケージ本体41は、円形状の底板411とこの底板411の周縁部から起立する側周板412とからなる一端面を開口させたカップ状のもので、セラミックや樹脂等の絶縁体で形成してある。電極42は、互いに離間させることにより絶縁した正負の2つからなり、一方の電極42(a)は、前記パッケージ本体41における一端面(側周板412の開口側先端面)の略全部、側周面の略全部、及び他端面の外周縁部を覆うように連続させて設けてある。また他方の電極42(b)は、前記パッケージ本体41における他端面の内周縁部、底板411に設けた電子線通過孔2の内周面、及び前記底板411の上面を覆うように電気的に連続させて設けてある。
そして、このパッケージ4の開口から検出器本体3をその検出面3aが前記開口側を向くように挿入して、前記N層31の他端面を被覆する金属層(Au層)を前記他方の電極42(b)に密着接合させる一方、前記電導部材5を前記一方の電極42(a)にAuワイヤTを介して接続している。
このように構成した信号電子検出器1は、図3に示すように、試料Wに検出面3aを一定距離離間させて対向させるとともに、その軸を電子銃から射出される電子線EBの中心軸線に一致させて配設する。このとき同図に示すように、検出面3aの電位を試料Wの電位に比べて高く設定するとともに、電極には逆バイアス電圧を印加しておく。
しかして、前記電子線通過孔2を通過した電子線EBが試料Wに照射されると、二次電子SEや反射電子が放出されるが、このうち二次電子SEが検出面3aに、試料Wとの間の電位差で引き寄せられ入射する。なお、前記反射電子は大きなエネルギを有するため、前記電位差の影響をほとんど受けず、発散しながら直進する。したがって本実施形態では、検出面3aと試料Wとの離間距離を一定以上にして、試料Wから見込まれる前記検出面3aの立体角を小さなものとし、反射電子が前記検出面3aにほとんど入射しないように構成している。
このようにして検出面3aに入射した二次電子SEのエネルギーによって、PN接合の境界の空乏層に電子・正孔対が形成されると、その空乏層での電界により電子、正孔はそれぞれ両側のP層32、N層31に分離し、再結合による損失なく電極42(a)、42(b)から信号電流として取り出される。
なおこのように取り出した信号電流は、図示しないが周知のごとく、その値と電子線EBの試料Wへの照射位置とを関係付けることにより試料Wの表面形状として映像化される。
したがって本実施形態に係る信号電子検出器1は、検出器本体3に半導体を用い、フォトリソグラフィで形成しているため、大幅な小型化が可能である。また、その側周面及び反検出面側の端面を略覆うように、パッケージ4を検出器本体3に一体的に取り付けているため、ハンドリングが極めて容易となり、さらに、パッケージ4の外面そのものが電極となるため、ワイヤ配線を極力減らせるなど作業簡単化や外部への検出信号の取り出しの自由度を向上させることができる。
もちろん、中央に電子線通過孔2を貫通させていることから、照射電子線EBの軸上にこの信号電子検出器1を配設することができるため、電子顕微鏡全体としてみた場合に照射電子線EBの軸に対するラジアル方向の小型化を図ることができる。
また、P層32を極力薄くして、前記空乏層に電子・正孔対が効率的に生成されるようにしていることに加え、P層32上を複数に区成するように線状に電導部材5を接触配置して、この電導部材5が、電流を集めやすくなおかつ二次電子SEの検出面3aへの進入を可及的に阻害しないように構成しているため、小型でありながらも、効率的に二次電子SEを電流信号に変換して検出精度を維持することができる。
なお、この第1実施形態に係る信号電子検出器を、二次電子の検出のみならず、その他の信号電子を検出する目的に用いることも可能である。例えば反射電子を検出する場合には、検出面3aと試料Wとを同電位とすればよい。
<第2実施形態>
次に第2実施形態について、図面を参照して説明する。なお、この実施形態において、前記第1実施形態に対応する部材については同様の符号を付すこととする。
この実施形態では、検出器本体3のP層32及び電導部材5の態様が前記第1実施形態と異なる。
すなわち、図4、図5、図6に示すように、P層32が、N層31の表層部を複数に区成するように線状に形成してあり、そのP層32の上面(試料W側の面)に、若干これより小さい面積で金属製電導部材5を配置してある。この実施形態では、P層32を、同心円状に複数配置したリング部と、これらリング部間に跨るように放射状にかつ間欠的に設けた放射部とからなるものとしているが、この配置に限られたものではない。なお、この場合のP層32は、0.5μm以上3μm以下程度の厚さが好ましく、不純物濃度は1018/cm以上1020/cm以下程度である。
このようなものであれば、P層32が若干表面に露出する他、N層31がP層32間で表面に露出することとなってこれらが検出面3aとなる。そして特に露出したN層31の部分は、図5に示すように、電極42に電圧を印加することでが空乏層DR(ハッチで示す)となり、その空乏層DRに直接的に二次電子SEが到達することとなるため、その空乏層DRに発生している電界によって電子・正孔対が再結合することなく分離し、極めて効率よく信号電流を取り出せることとなる。例えば不純物濃度1013/cmの基板で1Vのバイアスをかければ空乏層は6〜8μm広がる。
なお、この第2実施形態に係る信号電子検出器を、第1実施形態同様、二次電子の検出のみならず、その他の信号電子を検出する目的に用いることも可能であるが、本実施形態に係るものであれば前述したように効率よく信号電流を取り出せることから、特に二次電子のようにエネルギの低い信号電子に適用してその効果が顕著なものとなる。
<第3実施形態>
次に第3実施形態について、図面を参照して説明する。なお、この実施形態において、前記第1、第2実施形態に対応する部材については同様の符号を付すこととする。
この実施形態では、図7に示すように、N層31上にある程度の厚みを有した真性半導体であるI層(N−層)33を形成し、さらにそのI層33上に薄くP層32を形成して、検出器本体3をPIN構造にしている。
またパッケージ4を、検出器本体3の側周面における検出面3a側の略半部を覆うものとし、前記第1、第2実施形態のように検出器本体3の反検出面側の端面は覆わないようにしている。このパッケージ4において、パッケージ本体41は酸化膜(SiO2)で形成してあり、その外側にP層32にのみ接続された負電極42を設けている。その一方で、検出器本体3の反検出面側の端面をAu膜等の第2導電体6で覆ってこれを正電極としている。
一方、電子線通過孔2の内周面にも、前記第2導電体6に連続するように金属被膜であるAu膜7を成膜している。なお、符号X2は、前記Au膜7によって各層31、32、33が電気的に接続されることを防止する絶縁膜である。
しかしてこのようなものであれば、I層33による電極間容量減少効果で、応答速度を向上させることができる。一方、I層33に生じる傾斜電界の電子線通過孔2への影響は、電子線通過孔2の内周面を覆うAu膜7で防止されるため、ここを通過する照射電子線EBの軌道が狂うことはない。
もちろん、この第3実施形態に係る信号電子検出器を、第1、第2実施形態同様、二次電子の検出のみならず、反射電子等その他の信号電子を検出する目的に用いることも可能である。
なお、本発明は、前記各実施形態に限られるものではない。
例えば、図8に示すように、拡散する二次電子SEをより効率的に検出面3aに導くための信号電子収集体8をさらに備えるようにしてもよい。この信号電子収集体8は、検出面3aから試料W側に所定距離離間させて配置した信号電子収集板81を備えている。この信号電子収集板81は、同図に示すように、検出面3aに臨む部位に1又は複数の貫通孔81aを設けたもので、試料Wよりも高い電位に保持してあり、検出面3aは前記信号電子収集板81よりもさらに高い電位に保持してある。そして、拡散する二次電子SEは、この信号電子収集板81と試料Wとの間の電位差で、当該信号電子収集板81に向かって付勢され、その後、さらに高電位にある検出面3aに前記貫通孔81aを通過して導かれるように構成している。
かかる構成の信号電子収集体8は、もちろん反射電子等他の信号電子を検出する場合にも用いることができるし、図4や図6、あるいは後述する図9に示すような検出器本体3及びパッケージ4等、他の構成のものに用いることもできる。
また、例えば、パッケージの外側にさらに1又は複数のパッケージを設けるようにしても構わない。その一例を図9に示す。この図示例では、第3実施形態におけるパッケージ4の外側に、さらに第2のパッケージ4Aを設けた構成にしている。なお、この第2のパッケージ4Aは、第1実施形態のパッケージと同様のものであり、セラミックで形成したパッケージ本体41Aとその外側の一部を覆う電極42Aとからなるものであるが、これに限られないのは言うまでもない。
さらに、電導部材は金属線に限られず、不純物濃度がより高く電気抵抗の小さい高濃度不純物半導体(例えばP++)を用いるようにしてもよい。この場合の高濃度とは、不純物が1x1019/cm以上3x1020/cm程度のものをいい、なかでも1x1020/cm程度のものがより好ましい。
例えば、前記第1実施形態に対応した一例としては、図10に示すように、この高濃度不純物半導体5を、前記P層32と連続して、かつより深く形成したものを挙げることができる。
また、前記第2実施形態に対応した一例としては、図11に示すように、N層31の表層部を複数に区成するように、この高濃度不純物半導体5を線状に形成したものが挙げられる。この場合、この高濃度不純物半導体5が、前記P層32である低濃度不純物半導体層としての役割をも果たすため、同図に示すように、低濃度不純物半導体層(P層32)を設けなくともよい。
加えて、前記信号電子から得られた試料に係る情報をより多面的に分析できるようにするには、前記検出面を互いに独立した複数のセグメントに分割し、各セグメントから電流信号を得られるようにしておくことが望ましい。
具体的には、例えば図12に示すように、一方の半導体(例えばN層31)上に、他方の半導体(例えばP層32)を複数、互いに離間させて配置し、それらをセグメントとしている。なお、各P層32上には、前記実施形態同様、線状をなす電導部材5を配設して電極42とワイヤTにより接続している。
このようなものであれば、各セグメントからの電流信号の強度の違いにより、さらに詳細な試料の情報を得ることができる。例えば信号電子が反射電子である場合、このような構成にすることにより、試料表面の組成だけでなく、凹凸情報等をも得ることができる。
さらには、例えばPN接合構造を有する検出器本体に大きな逆バイアスをかけたアバランシェ構造としてもよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明の第1実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦断面図。 同実施形態における信号電子検出器の平面図。 同実施形態における信号電子検出器の動作状態を示す動作状態図。 本発明の第2実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦端面図。 同実施形態における信号電子検出器の平面図。 図5の部分拡大図。 本発明の第3実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦端面図。 本発明のさらに他の実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦端面図。 本発明のさらに他の実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦端面図。 本発明のさらに他の実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦端面図。 本発明のさらに他の実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦端面図。 本発明のさらに他の実施形態における信号電子検出器の内部構造を示す概略縦端面図。
符号の説明
1…信号電子検出器
2…電子線通過孔
3…検出器本体
31…N型半導体(N層)
32…P型半導体(P層)
33…真性半導体(I層)
3a…検出面
4…パッケージ
41…パッケージ本体
42…電極
5…電導部材
6…第2導電体
7…金属被膜(Au膜)
EB…電子線
W…試料
SE…信号電子(二次電子)

Claims (11)

  1. 中央に貫通させた電子線通過孔を通過した電子線が試料に照射された際に放出される信号電子を検出するものであって、
    試料側を向く一端面に信号電子の検出面が形成されるようにPN接合又はPIN接合構造を有した半導体基板からなる検出器本体と、前記検出器本体に一体的に取り付けたパッケージとを備えてなり、そのパッケージを少なくとも前記検出器本体の側周面の外側に配置するとともに、前記パッケージの外面の一部又は全部を出力信号を取り出すための電極で形成したことを特徴とする信号電子検出器。
  2. 前記パッケージが、絶縁体で形成したパッケージ本体と、その外側に設けた前記電極とを備えたものである請求項1記載の信号電子検出器。
  3. 前記パッケージの外面の一部又は全部を互いに絶縁された2つの電極で形成し、それら電極を前記検出器本体を形成するP型及びN型半導体にそれぞれ接続するようにしている請求項1又は2記載の信号電子検出器。
  4. パッケージが、前記検出器本体の側周面及び反検出面側の端面を略覆うものであって、一方の電極の少なくとも一部が当該パッケージにおける反検出面側の端面の少なくとも一部を形成し、他方の電極の少なくとも一部が当該パッケージにおける側周面の少なくとも一部を形成するようにしている請求項3記載の信号電子検出器。
  5. パッケージが、前記検出器本体の側周面及び反検出面側の端面を略覆うものであって、各電極の少なくとも一部が、当該パッケージにおける反検出面側の端面の少なくとも一部をそれぞれ形成し、又は当該パッケージにおける側周面の少なくとも一部をそれぞれ形成するようにしている請求項3記載の信号電子検出器。
  6. パッケージの外面に一方の電極のみを形成し、前記検出器本体の外面に接合した第2導電体に他方の電極の役割を担わせている請求項1又は2記載の信号電子検出器。
  7. N型又はP型いずれか一方の半導体上に他方の半導体を薄く形成してこれを前記検出面とするとともに、前記他方の半導体を複数に区成するように線状をなす電導部材を接触配置し、この電導部材を前記いずれかの電極に接続するようにしている請求項1、2、3、4、5又は6記載の信号電子検出器。
  8. 前記検出面にN型及びP型半導体を交互にそれぞれ露出させ、前記一方の半導体の表面に空乏層が形成されるようにしている請求項1、2、3、4、5又は6記載の信号電子検出器。
  9. 前記他方の半導体が線状をなし、前記検出面に略亘って網目状に配置されている請求項8記載の信号電子検出器。
  10. 検出器本体が、P型半導体とN型半導体とを真性半導体を介して接合したPIN構造をなすものであって、前記電子通過孔の内周面を、所定の電位に固定した金属被膜で覆っている請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の信号電子検出器。
  11. 前記検出面を互いに独立した複数のセグメントに分割している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の信号電子検出器。
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