JPWO2011046216A1 - 電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

電子顕微鏡は、円錐状の突起部(11a)が形成されたエミッタ基板(11)と、絶縁膜(12)を介して形成されて穴(13a)を有する引出し電極(13)と、引出し電極(13)上に積層され突起部(11a)の頂点を露出させるための穴を有する4つの電極(15、17、19、21)と、各電極のそれぞれの間に形成された複数の絶縁膜と、を有する5段ゲート型微小電子源(10)と、5段ゲート型微小電子源(10)に形成された各電極とサンプル(41)とに電圧を印加する電圧源(30)と、サンプル(41)を移動させるステージ(40)と、サンプル(41)から放出された2次電子に基づく信号、サンプル(41)を流れる電流に基づく信号、の少なくとも1つの信号と、ステージ(40)によってサンプル(41)が移動させられた位置と、に基づいて、サンプル(41)の画像を生成する演算処理部(80)と、を備えている。電子顕微鏡は、電子ビームのスポット径を小さくして超微細な対象物を検査する。

Description

本発明は、電子顕微鏡に関する。
従来、高繊細な電子ビームを形成する微小電子源であるフィールドエミッタアレイ(Field Emitter Array:FEA)が研究され、既に4段ゲート型FEAが開発されている(非特許文献1参照)。
4段ゲート型FEAは、非特許文献1の図3及び図4に示すように、4つの積層された電極EX、G1、G2、G3を備えている。4段ゲート型FEAは、各電極EX、G1、G2、G3にそれぞれ所定の電圧が印加されると、静電レンズであるアインツェルレンズ(einzel lens)を形成する。そして、4段ゲート型FEAは、最下層のエミッタ基板から電子ビームを出射し、当該電子ビームを収束して陽極蛍光体(anode phosphor)に照射する。
アインツェルレンズ一体型フィールドエミッタアレイの作製(Fabrication of a Field Emitter Array with a Built-in Einzel Lens)、長尾ら、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(Japanese Journal Of Applied Physics )、48巻、2009年
非特許文献1の4段ゲート型FEAは、電子ビームを収束してビームスポット径を小さくすることができる。しかし、同文献の図7に示すように、電極G2の電圧を−30〜100Vの範囲で調整しても、同文献の測定系においては、蛍光体の発光領域から評価したビームスポット径は約0.25〜0.45mmしかならない。このため、4段ゲート型FEAから出射される電子ビームを使用して検査対象物を検査しようとしても、例えば半導体集積回路のような超微細な対象物については検査できない、という問題がある。なお、ゲート数が3段以下だと電子の照射方向にポテンシャル障壁が形成されてしまい、電子ビームの収束がさらに困難になる。
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、電子ビームのスポット径を小さくして超微細な対象物を検査できる電子顕微鏡を提供することを目的とする。
請求項1の発明である電子顕微鏡は、円錐状の突起部が形成されたエミッタ基板と、前記エミッタ基板に対して絶縁膜を介して形成され、かつ、前記突起部の頂点と略同じ高さに前記頂点を露出するための穴を有する引出し電極と、前記引出し電極上に積層され、かつ、前記突起部の頂点を露出させるための穴を有する4つ以上の電極と、前記引出し電極及び前記4つ以上の各電極のそれぞれの間に形成された複数の絶縁膜と、を有する電子源と、前記電子源に形成された前記引出し電極、4つ以上の各電極、及び検査対象物にそれぞれ所定の電圧を印加することで、前記突起部から電子ビームを出射させると共に出射された電子ビームをフォーカスさせて前記検査対象物に照射させ、前記電子源に形成された前記4つ以上の各電極のうち最も外側にあり、かつ、前記検査対象物に最も近い最外電極に前記検査対象物よりも高い電圧を印加することで、前記検査対象物から放出された2次電子を前記最外電極に収集させる電圧印加手段と、前記電子源に対して前記検査対象物を相対的に移動させて前記検査対象物に照射される電子ビームを走査させる検査対象物移動手段と、前記検査対象物から放出され、かつ、前記電子源の前記最外電極で収集された2次電子に基づく信号、及び前記検査対象物を流れる電流に基づく信号、の少なくとも1つを検出する検出手段と、前記検出手段で検出された信号と、前記検査対象物移動手段によって前記検査対象物が移動させられた位置と、に基づいて、前記検査対象物の画像を生成する画像生成手段と、を備えている。
請求項2の発明である電子顕微鏡は、請求項1に記載の電子顕微鏡であって、前記電子源は、円錐状の突起部が形成されたエミッタ基板に対して、絶縁膜を形成し当該絶縁膜の上に電極を形成して前記突起部に沿って盛り上がった電極の頂点部分を除去するエッチバック法を5回以上繰り返し、その後、エッチングにより前記突起部を露出させることによって作製されたものである。
請求項3の発明である電子顕微鏡は、請求項1又は請求項2に記載の電子顕微鏡であって、前記検出手段は、前記2次電子に基づく信号と、前記検査対象物を流れる電流に基づく信号と、を検出し、前記画像形成手段は、前記検出手段で検出された前記2次電子に基づく信号と、前記検出手段で検出された前記検査対象物を流れる電流に基づく信号と、を減算した値又は除算した値を演算し、当該演算値と前記検査対象物移動手段によって前記検査対象物が移動させられた位置とに基づいて、前記検査対象物の画像を生成する。
本発明に係る電子顕微鏡は、電子ビームをフォーカスさせて微小のスポット径を形成するので、高精細な対象物を検査することができる。
本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡の構成を示す図である。 5段ゲート型微小電子源の拡大断面図である。 静電レンズが形成された状態の5段ゲート型微小電子源の模式図である。 サンプルの印加電圧に対する2次電子収集効率を示す図である。 第3電極及び第4電極に様々な電圧を印加した場合の電子ビームのスポット径を示す図である。 中間電極に印加される電圧に対するアノード上におけるスポット径の大きさを示す図である。 5段ゲート型微小電子源を集積化してカラム(列)状に配置した電子源アレイの正面図である。 電子源アレイの斜視図である。 電子源アレイを用いた半導体製造におけるインライン検査を示す図である。 6段ゲート型微小電子源の拡大断面図である。 静電レンズが形成された状態の6段ゲート型微小電子源の模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子顕微鏡の構成を示す図である。電子顕微鏡は、5段ゲート型微小電子源10と、電圧源30と、ステージ40と、を備えている。5段ゲート型微小電子源10は、5段ゲート型のフィールドエミッタアレイ(FEA)である。電圧源30は、5段ゲート型微小電子源10の各々の電極に所定の電圧を供給する。ステージ40は、検査対象物であるサンプル41をx軸、y軸、z軸の各方向にそれぞれ移動させる。なお、5段ゲート型微小電子源10、及びサンプル41を移動させるステージ40は、真空容器45の中に設けられている。
上記電子顕微鏡は、更に、ドライバ50と、制御系60と、アンプ70と、演算処理部80と、を備えている。ドライバ50は、ステージ40を駆動させる。制御系60は、電子ビームの走査範囲及び走査速度を制御する。アンプ70は、サンプル41から放出され5段ゲート型微小電子源10で検出された2次電子に基づく信号を増幅する。演算処理部80は、サンプル41の状態を画像化する。
図2は、5段ゲート型微小電子源10の拡大断面図である。5段ゲート型微小電子源10は、円錐状の突起部11aが形成されたエミッタ基板11、エミッタ電極11上に形成された第1絶縁膜12、第1絶縁膜12上に形成された引出し電極13、引出し電極13上に形成された第2絶縁膜14、及び第2絶縁膜14上に形成された第2電極15を有している。
更に、5段ゲート型微小電子源10は、第2電極15上に形成された第3絶縁膜16、第3絶縁膜16上に形成された第3電極17、第3電極17上に形成された第4絶縁膜18、第4絶縁膜18上に形成された第4電極19、第4電極19上に形成された第5絶縁膜20、及び第5絶縁膜20上に形成された第5電極21、を有している。
ここで、第1絶縁膜12は、エミッタ基板11の突起部11aの頂点部分が露出するようにエミッタ基板11上に形成されている。引出し電極13は、突起部11aに接することなく突起部11aの表面に沿って形成されている。引出し電極13は、突起部11aの頂点からの延長軸上に、突起部11aの頂点を露出させるための第1穴13aを有している。なお、第1穴13aは、エミッタ基板11の突起部11aの頂点の高さと略同じ位置に形成されている。
第2絶縁膜14は、引出し電極13上に、第1穴13aを塞がないように形成されている。第2電極15は、第2絶縁膜14上に、引出し電極13に接することなく引出し電極13に沿って形成されている。第2電極15は、突起部11aの頂点からの延長軸上に、第1穴13aより大きい第2穴15aを有している。
第3絶縁膜16は、第2電極15上に、第2穴15aを塞がないように形成されている。第3電極17は、第3絶縁膜16上に、第2電極15に接することなく第2電極15に沿って形成されている。第3電極17は、突起部11aの頂点からの延長軸上に、第2穴15aより大きい第3穴17aを有している。
第4絶縁膜18は、第3電極17上に、第3穴17aを塞がないように形成されている。第4電極19は、第4絶縁膜18上に、第3電極17に接することなく第3電極17に沿って形成されている。第4電極19は、突起部11aの頂点からの延長軸上に、第3穴17aより大きい第4穴19aを有している。
第5絶縁膜20は、第4電極19上に、第4穴19aを塞がないように形成されている。第5電極21は、5段ゲート型微小電子源10の最外電極であり、第5絶縁膜20上に、第4電極19に接することなく第4電極19に沿って形成されている。第5電極21は、突起部11aの頂点からの延長軸上に、第4穴19aより大きい第5穴21aを有している。
このように構成された5段ゲート型微小電子源10は、非特許文献1(図1(b)〜(e))に記載されているエッチバック(etch-back)法を合計5回繰り返すことによって作製される。
具体的には、円錐状に突起部11aが形成されたエミッタ基板11に対して、以下の(1)〜(3)からなるエッチバック法が5回繰り返される。
(1)絶縁膜(SiO層)を形成してその上に電極(Nb層)を形成し、
(2)突起部11aに沿って盛り上がった頂点部分以外の電極にフォトレジストを回転塗布(spin coating)し、
(3)電極に反応性イオンエッチング(RIE)をしてフォトレジストを除去することで、突起部11aに沿って盛り上がった電極の頂点部分を除去する。
最後に、突起部11aの頂点部分が露出されるように、BHF(buffered hydrofluoric)溶液でエッチングして、突起部11aの周辺の絶縁膜を除去する。この結果、図1及び図2に示す5段ゲート型微小電子源10が作製される。
このように作製された5段ゲート型微小電子源10に対して、引出し電極13及び第2電極15には60V、第3電極17及び第4電極19には10V、第5電極21には100V、サンプル41には80Vが、電圧源30によってそれぞれ印加される。なお、エミッタ基板11は接地されている。なお、各電極に印加される電圧は、これらの例に限定されるものではない。例えば、引出し電極13については、20〜100V、第2電極15については20〜150V、第3電極17については−100V〜+100V、第4電極19については−100〜+100V、第5電極21については100〜200Vの範囲で印加される。
5段ゲート型微小電子源10は、上記のように各電極に電圧が印加されると、微小電子源及び収束光学系の各機能を発揮する。すなわち、5段ゲート型微小電子源10は、電子ビームを出射し、この電子ビームを静電レンズ(アインツェルレンズ)で収束させてサンプル41に照射させると共に、サンプル41から放出された2次電子を検出する。
図3は、静電レンズが形成された状態の5段ゲート型微小電子源10の模式図である。5段ゲート型微小電子源10の各電極に電圧が印加された場合、同図に示すように、第2電極15と第3電極17の間と、第4電極19と第5電極21の間とに、それぞれ静電レンズが形成される。そして、エミッタ基板11の突起部11aから電子ビームが出射されると、電子ビームがフォーカスされ、この電子ビームがサンプル41に照射される。
ステージ40は、x軸方向及びy軸方向に移動することで、5段ゲート型微小電子源10から出射された電子ビームをサンプル41上で走査させる。また、ステージ40は、z軸方向に移動して、5段ゲート型微小電子源10とサンプル41とを所定の距離まで接近させる。そして、後述のサンプル41の画像生成の際には、サンプル41の画像の空間分解能が最適になるように、5段ゲート型微小電子源10の動作条件が決定される。さらに、ステージ40は、演算処理部80の制御に従って、制御系60を介してドライバ50によって駆動される。このため、演算処理部80は、サンプル41上の電子ビームの照射位置を示す照射位置情報を検出できる。
サンプル41には上述のように80Vが印加されており、サンプル41に電子ビームが入射されると、入射された電子ビームに基づくサンプル41内の電流値(入射電流値)が演算処理部80で検出される。
また、アンプ70は、サンプル41から放出され、かつ、第5電極21で収集された2次電子に基づく、信号を増幅して演算処理部80に供給する。このように、第5電極21は、静電レンズを形成するためだけでなく、サンプル41から放出された2次電子のコレクタとしても機能する。
例えば、後述の画像の空間分解能を維持するためには、5段ゲート型微小電子源10とサンプル41との距離は50μm以下とするのが望ましい。また、第5電極21の直径の大きさは200μm程度(放射角126度までの2次電子を捕獲)であり、ゲート口径(第5穴21aの口径)は4μm程度なので、2次電子の収集効率を計算する上では、その開口部の面積を無視できる。このように、5段ゲート型微小電子源10とサンプル41との距離は、上述のように50μm以下と狭いので、2次電子の放出密度角度依存性を三角関数で近似でき、第5電極21での2次電子の収集効率は95%以上となる。
また、入射電子ビームは、エネルギーが200V以下である低エネルギーの電子ビームである。サンプル41から放出される電子エネルギーの殆どは2次電子で占められ、反射電子やオージェ電子は含まれていない。このため、第5電極21にサンプル41より高い電圧が印加されると、サンプル41から放出された殆どの2次電子は第5電極21に取り込まれる。
サンプル41の電圧は高い方が、リターディング電界が小さく、電子ビームが収束しやすくなる。しかし、第5電極21の電位がサンプル41の電位よりも低くなってしまうと、サンプル41からの2次電子が第5電極21に到達しにくくなってしまう。本発明では、静電レンズの一部である第5電極21の電圧を高めにし、サンプル41の電圧を第5電極21の電圧より低く設定することにより、この問題を解決している。
さらに、電子ビームのフォーカスが形成された条件の下では、サンプル41からゲート口径(第5電極21の第5穴21a)に2次電子が入射しても、その2次電子は最外電極の1つ下の収束電極(第4電極19)のポテンシャルで跳ね返される。そして、2次電子は、第5電極21に取り込まれる。このため、第5電極21は、上述のように高効率で2次電子を収集できる。
演算処理部80は、サンプル41内の入射電流値と、サンプル41から放出された2次電子に基づく電流値と、を検出する。
ここで、5段ゲート型微小電子源10から出射された電子ビームの電流値をIとし、出射された電子ビームのうちδ×100[%]が2次電子として放出されると、2次電子に基づく電流値はδIとなる。サンプル41内の電流値は(1−δ)Iとなる。電流Iは予め計算可能又は測定可能であり、δは、電子ビームが照射された位置のサンプル41の状態によって異なる。よって、サンプル41の各々のxy位置においてδI、又は(1−δ)Iが検出されれば、その値がサンプル41の状態として検出される。
そこで、演算処理部80は、電子ビームの照射位置毎に、2次電子に基づく電流値δI又はサンプル41内の入射電流値(1−δ)Iを検出して、その検出値を正規化(例えば256階調の輝度信号に変換)する。これによって、サンプル41の画像を生成することができる。また、演算処理部80は、電流値δI、入射電流値(1−δ)Iのいずれか一方を使用するのではなく、2つの電流値を減算又は除算し、求められた値を用いてサンプル41の画像を生成してもよい。これにより、SN比を向上させることができる。
なお、演算処理部80は、電流値δI、入射電流値(1−δ)Iの少なくとも一方を使用して、上述した演算方法と異なる演算方法でサンプル41の画像を生成してもよい。また、演算処理部80は、上述のように生成された画像をモニタに表示してもよい。
図4は、サンプル41の印加電圧に対する2次電子収集効率を示す図である。すなわち、サンプル41の印加電圧を可変パラメータとした場合の第5電極21及びサンプル41における2次電子の収集効率が示されている。なお、5段ゲート型微小電子源10とサンプル41の間隔は50μmであり、第5電極21には100Vの電圧が印加されている。
図4に示すように、サンプル41の印加電圧より第5電極21の印加電圧を高くすれば、リターディング電界が形成され、第5電極21で収集される2次電子の割合が増加する。その結果、サンプル41の内部に収集される2次電子の割合が減少し、第5電極21で高効率に2次電子が収集される。
図5は、5段ゲート型微小電子源10にアインツェルレンズを形成するための中間電極である第3電極17及び第4電極19に様々な電圧(−20〜100V)を印加した場合の電子ビームのスポット径を示す図である。このとき、スポット径は、10〜200nm(図2で、エミッタ基板11に0V、引出し電極13に60V、第2電極15に100V、第3電極17及び第4電極19に−20V、第5電極21に150Vが印加される場合)となり、従来よりも非常に小さいスポット径が得られる。なお、スポット径は、各電極に印加される電圧だけでなく電流量にも依存する。
なお、前述の例ではスポット径が10〜200nm程度であるが、ゲート段数を増やしたり、ゲートの厚膜化を行うことにより、このスポット径をさらに小さくすることができる。
図6は、中間電極である第3電極17及び第4電極19に印加される電圧に対する、アノード(サンプル41)上におけるスポット径の大きさを示す図である。なお、引出し電極13に50V、第2電極15及び第5電極21に100Vの電圧が印加されている。
また、参考として、同じ条件の下で、非特許文献1の4段ゲート型微小電子源によるスポット径の大きさが示されている。ここでは、4段ゲート型微小電子源の引出し電極に50V、引出し電極の上形成された電極及びアノードに最も近い最外電極に100Vの電圧が印加され、最外電極の1つ下に形成された電極が中間電極となる。
同図によると、「5段」である5段ゲート型微小電子源10は、「4段」である非特許文献1の4段ゲート型微小電子源に比べて、全体的にスポット径の大きさが小さくなる。また、「5段」の中間電極の電圧は、スポット径を最小値近傍の1×10−5m以下にする場合、5〜10Vであればよい。これに対して、「4段」の中間電極は、スポット径を最小値近傍の2×10−5m以下にする場合、−55〜−45Vにする必要がある。すなわち、「5段」の中間電極は、「4段」に比べて小さい電圧で済ますことができる。
以上のように、本実施の形態に係る電子顕微鏡は、5段ゲート型微小電子源10を用いることで、サンプル41の近傍に電子ビームをフォーカスできる。電子顕微鏡は、で高精細電子ビームを形成するために従来の電子顕微鏡で用いられた巨大な筐体が必要なくなり、最大1/1000000程度の縮小化が可能となる。これにより、電子顕微鏡の筐体の省スペース化が図れ、装置自体の占有体積が小さいことで真空排気系の縮小化が図れるので、それに伴う消費電力の抑制を実現することができる。また、従来の電子線顕微鏡が、カソードから出て試料に到達する電子ビームの効率が1/100000程度なのに対し、本実施の形態に係る電子顕微鏡は、電子ビームの利用効率が100%に近く、加速電圧も100V程度である。従って、電子線顕微鏡は、装置自体の低消費電力も可能である。
また、上記電子顕微鏡は、静電レンズを形成するための第5電極21を用いて、サンプル41から放出された2次電子を収集することができるので、2次電子を収集するための収集部を設ける手間やコストを省くことができる。さらに、上記電子顕微鏡は、静電レンズを形成するための中間電極の大きさを従来よりも小さくできるので、消費電力を抑制することができる。
[その他の実施形態]
図7Aは5段ゲート型微小電子源10を集積化してカラム(列)状に配置した電子源アレイ100の正面図である。図7Bは電子源アレイ100の斜視図である。このように構成された電子源アレイ100は、例えば半導体製造におけるインライン検査で使用可能である。
図8は、電子源アレイ100を用いた半導体製造におけるインライン検査を示す図である。5段ゲート型微小電子源が一列に集積された電子源アレイ100は、ステージに搭載され、一方向に移動できるように構成されている。ステージ40には、サンプルであるウエハ41aが載せられている。ウエハ41aは、電子源アレイ100の移動方向と直交する方向に移動可能になっている。これにより、ウエハ41aが電子源アレイ100の下を通過することで、ウエハ41aの検査が可能となる。
なお、本実施形態では、5段ゲート型微小電子源10を例に挙げて説明したが、微小電子源は5段ゲート型に限定されるものではなく、6段以上の多段ゲート型であってもよい。
図9は、6段ゲート型微小電子源10aの拡大断面図である。6段ゲート型微小電子源10aは、図2に示す5段ゲート型微小電子源10の第5電極21の上に形成された第6絶縁体22と、第6絶縁体22上に形成された第6電極23とを有している。
ここで、第6絶縁膜22は、第5電極21上に、第5穴21aを塞がないように形成されている。第6電極23は、第6絶縁膜22上に、第5電極21に接することなく第5電極21に沿って形成されている。第6電極23は、突起部11aの頂点からの延長軸上に、第5穴21aより大きい第6穴23aを有している。
このように構成された6段ゲート型微小電子源10aは、円錐状に突起部11aが形成されたエミッタ基板11に対してエッチバック法を6回繰り返し、突起部11aの頂点部分が露出されるようにBHF溶液でエッチングして突起部11aの周辺の絶縁膜を除去することで、作製される。
このように作製された6段ゲート型微小電子源10aに対して、引出し電極13及び第2電極15には60V、第3電極17には20V、第4電極19及び第5電極21には5V、第6電極23には100V、サンプル41には80Vが、電圧源30によってそれぞれ印加される。なお、エミッタ基板11は接地されている。6段ゲート型微小電子源10aは、上記のように各電極に電圧が印加されると、微小電子源及び収束光学系の各機能を発揮する。
図10は、静電レンズが形成された状態の6段ゲート型微小電子源10aの模式図である。6段ゲート型微小電子源10aの各電極に電圧が印加された場合、同図に示すように、第2電極15と第3電極17の間と、第4電極19と第5電極21の間とに、それぞれ静電レンズが形成される。また、第2電極15に、引出し電極13と同じ電圧が印加されている。第2電極15は、静電レンズに引出し電極13の影響を及ばさないようにするためのシールド電極となる。そして、エミッタ基板11の突起部11aから電子ビームが出射されると、電子ビームがフォーカスされ、この電子ビームがサンプル41に照射される。
なお、電子源アレイは、図7及び図8に示すように1次元方向に集積化されたものに限らず、2次元方向に集積化されたものでもよい。これにより、ウエハ又は電子源アレイを移動させることなく、ウエハを検査することが可能になる。
10 5段ゲート型微小電子源
30 電圧源
40 ステージ
41 サンプル
80 演算処理部

Claims (3)

  1. 円錐状の突起部が形成されたエミッタ基板と、前記エミッタ基板に対して絶縁膜を介して形成され、かつ、前記突起部の頂点と略同じ高さに前記頂点を露出するための穴を有する引出し電極と、前記引出し電極上に積層され、かつ、前記突起部の頂点を露出させるための穴を有する4つ以上の電極と、前記引出し電極及び前記4つ以上の各電極のそれぞれの間に形成された複数の絶縁膜と、を有する電子源と、
    前記電子源に形成された前記引出し電極、4つ以上の各電極、及び検査対象物にそれぞれ所定の電圧を印加することで、前記突起部から電子ビームを出射させると共に出射された電子ビームをフォーカスさせて前記検査対象物に照射させ、前記電子源に形成された前記4つ以上の各電極のうち最も外側にあり、かつ、前記検査対象物に最も近い最外電極に前記検査対象物よりも高い電圧を印加することで、前記検査対象物から放出された2次電子を前記最外電極に収集させる電圧印加手段と、
    前記電子源に対して前記検査対象物を相対的に移動させて前記検査対象物に照射される電子ビームを走査させる検査対象物移動手段と、
    前記検査対象物から放出され、かつ、前記電子源の前記最外電極で収集された2次電子に基づく信号、及び前記検査対象物を流れる電流に基づく信号、の少なくとも1つを検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された信号と、前記検査対象物移動手段によって前記検査対象物が移動させられた位置と、に基づいて、前記検査対象物の画像を生成する画像生成手段と、
    を備えた電子顕微鏡。
  2. 前記電子源は、円錐状の突起部が形成されたエミッタ基板に対して、絶縁膜を形成し当該絶縁膜の上に電極を形成して前記突起部に沿って盛り上がった電極の頂点部分を除去するエッチバック法を5回以上繰り返し、その後、エッチングにより前記突起部を露出させることによって作製されたものである
    請求項1に記載の電子顕微鏡。
  3. 前記検出手段は、前記2次電子に基づく信号と、前記検査対象物を流れる電流に基づく信号と、を検出し、
    前記画像形成手段は、前記検出手段で検出された前記2次電子に基づく信号と、前記検出手段で検出された前記検査対象物を流れる電流に基づく信号と、を減算した値又は除算した値を演算し、当該演算値と前記検査対象物移動手段によって前記検査対象物が移動させられた位置とに基づいて、前記検査対象物の画像を生成する
    請求項1又は請求項2に記載の電子顕微鏡。
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