JP2009224069A - 放射線検出器及び放射線検出方法 - Google Patents

放射線検出器及び放射線検出方法 Download PDF

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Akiko Sumiya
晶子 角谷
Mikio Izumi
幹雄 泉
Toshie Aizawa
利枝 相澤
Junzo Taguchi
淳三 田口
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Abstract

【課題】従来の比例計数管は印加電圧が高く、また放射線入射位置の2次元検出を可能とするには、装置の大型化・高電圧化または装置の複雑化が必要であった。
【解決手段】陰極5と対向配置された基板6上に先鋭な突起2を有する陽極1、絶縁体3、ゲート電極4を積層する。陽極2、ゲート電極4に電圧を印加すると、突起2の先端近傍に高強度の電界が発生する。これにより、従来の比例計数管よりも低い電圧でも電子なだれが発生し得る強度の電界を得ることができ、装置を簡素化・低電圧化することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、放射線の照射による不活性ガスの電離を用いて放射線を検出する放射線検出器及び放射線検出方法に関する。
従来、放射線を計測する装置の一種として比例計数管が用いられている。比例計数管は不活性ガスを封入した容器内に陽極と陰極を設けた構成となっている。陽極と陰極に電圧を印加して内部に電場をかけ、放射線の入射によってガスが電離すると、電子が陽極に向かう際に電子なだれが発生する。比例計数管は電子なだれを利用することで信号を増幅しており、入射した放射線の数と放射線のエネルギーを測定することができる。
図16を用いて一般的な比例計数管の構造について説明する。図16は比例計数管100の概要を示す縦断面図である。
陰極として機能する円筒形状の容器102の側面に放射線入射窓101が設けられている。また、容器102の一端は絶縁体103とこの電極端子104によって閉塞されている。電極端子104は絶縁体103を介して容器102と接続されており、容器102と電極端子104とは絶縁されている。電極端子104と電極端子104に対向する容器102内面にわたって陽極線106が設けられている。陽極線106は、電極端子104とはバネ107を介して、容器102内側の電極端子104と対向した面とは絶縁体108を介して接続されている。また、容器102内は電離ガス105が封入されている。この電離ガスは放射線のエネルギーに応じて選択され、例えばエネルギーの低いX線に対しては、吸収係数の大きい原子番号の大きなガスが好適である。
陽極線106と容器102に電圧を印加した状態で放射線入射窓101から放射線が入ると、放射線のエネルギーによって電離ガス105が電離し、電子が陽極線106に移動する。この電子は陽極線106近傍で電子なだれを引き起こして陽極線106に収集され、パルス信号として計測される。
また、例えば医療分野等に放射線検出を適用する場合、放射線の入射位置を2次元検出することが要請される。上述した従来の比例係数管では、陽極線に高い抵抗を持たせて両端から信号を読み出し、その電荷収集量から陽極線上の検出位置を特定する方法があるが、陽極線の構造上、得られる検出位置情報は1次元の情報であり、上述した医療分野等への適用が難しい。
放射線の入射位置を2次元で検出する装置として、例えば、特許文献1記載の多次元位置検出型放射線センサー素子がある。
特開2005−55372号公報
従来の比例係数管方式の放射線検出器では、電子なだれを発生させるために電極間に数kVの高い電圧を印加する必要がある。また、検出効率を上げるためには、検出器の大型化が避けられない。
また、上述の多次元位置検出型放射線センサー素子は、マイクロビア(導電性微細貫通孔)や、陽電極線、陰電極線の配置などに複雑な構造を有する。
従って、本発明は、従来の比例計数管よりも低い電圧でも電子なだれが発生し得る強度の電界を得られる放射線検出器の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による放射線検出器は、陰極と、この陰極に対向配置された陽極と、この陽極の前記陰極と対向する面に複数設けられた錐形の突起と、前記陽極の前記陰極と対向する面に設けられ前記突起を囲繞する絶縁体と、前記絶縁体の前記陰極と対向する面に設けられたゲート電極と、前記陰極と前記陽極間に電位差を印加する第1の電源手段と、前記ゲート電極に電圧を印加する第2の電源手段と、放射線の入射によって前記陰極と前記陽極の間に発生する電子の前記突起への移動にともなう電流による電気信号を計測する計測手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による放射線検出方法は、対向配置された陽極と陰極間に入射する放射線にともなって前記陽極から検出される電気信号によって前記放射線の入射を検出する放射線検出方法であって、少なくとも第1の突起と第2の突起を備える前記陽極に電圧を印加し、前記陽極と前記陰極との間に電位差を印加する工程と、前記第1の突起の先端を囲繞するように配設された第1のゲート電極と前記第2の突起の先端を囲繞するように配設された第2のゲート電極のうち一方に電圧を印加する工程と、前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極の何れかの電圧印加を解除して他方に電圧を印加する工程と、前記第1のゲート電極に電圧が印加されている場合と前記第2のゲート電極に電圧が印加されている場合とを区別して陽極の電気信号を計測する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、従来の比例計数管よりも低い電圧でも電子なだれが発生し得る強度の電界を得ることができ、装置を簡素化・低電圧化することが可能となる。
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明による第1の実施例について、図面を用いて以下説明する。図1は本実施例による放射線検出器10の基本構成を示すブロック図である。センサー11は内部に陽極、陰極、ゲート電極を備え、比例計数管と同様の原理、つまりセンサー11内部に放射線が入射することにより電子が生じ、陽極と陰極間に与える電位差で電子なだれを発生させ陽極と陰極間にパルス電流が流れるという原理により動作する。電源12はセンサー11の陽極に、電源13はセンサー11のゲート電極に電圧を印加している。印加電圧すなわち駆動電圧は、例えば陽極に+1000V、ゲート電極に+800〜+900V程度であり、上述した従来の比例計数管や放射線検出器の駆動電圧よりも低い。また、陰極はグラウンド13に接続されている。
センサー11に放射線が入射すると、センサー11と接続されたアンプ14が信号を増幅し、アンプ14が増幅した信号を計測器15によって計測し、出力ユニット16に出力する。
センサー11の構成について、図面を用いて説明する。図2はセンサー11の概要を示す部分分解斜視図である。センサー11は気密容器11aと、気密容器11aに収容されたセンサー素子11bから構成されている。気密容器11aの内部には電離ガスが封入されている。電離ガスには、例えばアルゴン、ネオン、キセノンなどの希ガスに二酸化炭素やメタンやエチレンなどの有機ガスが添加されているものを用いる。また、センサー素子11bは電源12、13、アンプ14と接続されている。
センサー素子11の詳細な構造について、図3を用いて説明する。図3(a)はセンサー素子11bの一部の概要を示す縦断面図、図3(b)は図3(a)のA−A線矢視断面図である。
絶縁体で構成された支持基板6の上に設けられた陽極1上に複数の突起2が一定の間隔で設けられている。突起2の間隔は、例えば数μmから数十μmである。また、突起2は、例えば円錐形状または四角錐形状であり、高さは例えば5μm程度である。陽極1上には絶縁体3が部分的に積層されている。絶縁体3は突起2近傍には積層されず、絶縁体3が突起2を囲繞する格好となっている。なお、図3においては絶縁体3を方形に囲繞するものとして図示しているが、例えば円形などであってもよい。絶縁体3の上にはゲート電極4が積層されている。また、ゲート電極4の上方には陰極5が、陽極1と対向するように離間して配置されている。
陽極1、絶縁体3、ゲート電極4、陰極5は気密容器11aに配置され、陽極1と陰極5の間の空間は気密容器11aに封入された電離ガス雰囲気とされている。なお、図4に示すように、陰極5、支持基板6が気密容器11aの一部を構成する、すなわち気密容器11aの上面を陰極5、底面を支持基板6によって構成することも可能である。また、陰極5は気密容器11aの上面に張り付ける、あるいは気密容器11aの上面に入射窓となる穴を設けて入射窓を陰極5で塞ぐように構成することも可能である。
各要素を構成する好適な材料の一例を説明する。陽極1は、検出対象となる放射線が例えばX線である場合、モリブデン、チタン、タングステン、クロム、銅、ニッケルなどを用いて構成された金属薄膜である。陰極5には、例えばベリリウム、ステンレス、アルミなどの金属を用いる。絶縁体3には、例えばポリイミドやポリエーテルケトンなどを用いる。ゲート電極4は、例えば銅などの金属によって構成する。
陽極1の製造方法の一例について、以下説明する。ケイ素(Si)単結晶基板の表面にSi酸化膜を形成し、正方形のパターニングを行い、正方形の部分のSi酸化膜を除去する。次に、正方形開口が形成されたSi酸化膜をマスクとし、水酸化カリウム水溶液等でSi基板の異方性エッチングを行い、複数の四角錐型凹部を持つSi基板を得る。さらに、このSi基板にSi酸化膜を形成し、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、電気めっき法などにより、例えば10μm程度の厚みの金属を製膜することにより、複数の突起2を有する金属薄膜が得られ、これを陽極1に用いる。本製膜方法で得られた陽極1は、突起2の高さが揃っており、電界コントロールが容易である。また、同じSi基板から複数の陽極1を形成することが可能であるため、再現性が高い。また、Si酸化膜へのパターニングや異方性エッチング時間を制御することにより、陽極1の形状や突起2のピッチなどを自由に変えることが可能である。
以下、放射線検出器10の動作について説明する。上記構成の陽極1に電源12によって電圧を印加すると、突起2の先端近傍に電子なだれが発生し得る強度の電界が得られる。このとき、印加電圧が一定であれば突起2先端の曲率半径が小さいほど、突起2先端近傍の電界強度が大きくなることが知られている。陽極1と陰極5の間に放射線が入射して電離ガスが電離すると、電子は陽極1へ向かって移動し、突起2付近の強い電界によって電子なだれを起こし、陽極1と陰極5の間にパルス電流が流れる。このパルス電流による信号をアンプ14が増幅し、増幅した信号を計測器15が計測し、出力ユニット16が出力することにより、センサー11に入射した放射線を検出・計測することができる。また、出力ユニット16に換えてまたは加えて信号を記録する記録装置を設置し、記録したデータを別途出力するといったことも可能である。
また、本実施例においては陰極5をグラウンドに接続し、陽極2に電圧を印加する構成として説明したが、陽極2をグラウンドに接続し、陰極5に−1000Vの電圧を印加する、といった構成とすることも可能である。
さらに、支持基板6や気密容器11aに合成樹脂などの柔軟性を有する材料を採用してフレキシビリティを持たせることにより、センサー11を例えばタンク外壁といった曲面に配置することが可能である。
以上説明したように、本実施例の放射線検出器によれば、従来の比例計数管よりも低い電圧でも電子なだれが発生し得る強度の電界を得ることができ、装置を簡素化・低電圧化することが可能となる。
本発明の第2の実施例について、図面を用いて以下説明する。なお、第1の実施例と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図5は本実施例による放射線検出器のセンサー素子11bの上面図であり、陰極5を省略して図示している。ゲート電極22、ゲート電極23は、それぞれ長手方向を有する複数の平板を一定の間隔ごとに並べて構成されている。ゲート電極22はゲート電極22a,22b,22c,22dから構成されている。また、ゲート電極23はゲート電極23a,23b,23c,23dから構成されており、ゲート電極23a,23b,23c,23dはゲート電極22a,22b,22c,22dに対して、上面から見た場合に直交するように配置されているが、ゲート電極22とゲート電極23は位置する高さが異なり、接触していない。また、ゲート電極22a,22b,22c,22d、ゲート電極23a,23b,23c,23dの各々は、突起2の上方が開放されるように配置されている。すなわち、上面から陽極1を見ると、ゲート電極22、23が立体交差して格子を形成しており、格子の目の中にそれぞれ突起2があるような配置となっている。
図6を用いて、センサー素子11bの構造についてさらに詳細に説明する。図6は図5に示すB−B線矢視断面図である。
センサー素子11bを構成する陽極1の上に絶縁体3a、ゲート電極22、絶縁体3b、ゲート電極23が積層されている。ゲート電極22、ゲート電極23は絶縁体3bによって絶縁されている。
また、図5に示すセンサー素子のC−C線矢視断面図を図7(a)に、D−D線矢視断面図を図7(b)に示す。図7(a)に示すように、ゲート電極22が配置されない位置においては、陽極1とゲート電極23の間は絶縁体3a,3bで埋められている。なお、ゲート電極22や陽極1との絶縁が確保されていれば、絶縁体3aと絶縁体3bに異なる材料を用いて絶縁体3aと絶縁体3bを積層したかたちや、絶縁体3aまたは絶縁体3bの一方だけとしてもよく、また絶縁体3a,3bを積層せずに一部または全部を空間とした構成であってもよい。また、図7(b)に示すように、ゲート電極23が配置されない位置においては、ゲート電極22の上方には絶縁体3bは積層されないかたちとなる。
図8を用いて本実施例の放射線検出器10の構成を説明する。図8は放射線検出器10の概要を示すブロック図である。本実施例においては、電源13とセンサー11の間に、ゲート電極切替器21が設置されている。ゲート電極切替器21は、ゲート電極22、ゲート電極23への電圧印加を切替る切替手段である。
ゲート電極切替器21が行う電圧印加の制御について、図9を用いて以下説明する。ゲート電極切替器21は、ゲート電極22a,22b,22c,22d、ゲート電極23a,23b,23c,23dの各々に接続されている。例えば、ゲート電極22a,22bとゲート電極23a,23bに電圧を印加し、ゲート電極22c,22dとゲート電極23c,23dには電圧を印加しないといった制御を行うことが可能である。なお、図9においては、ゲート電極22とゲート電極切替器21の接続を明確にするため、ゲート電極22a,22b,22c,22dが図9における右方向に突出した形で図示しているが、実際には突出していなくともよい。
ゲート電極切替器21によってゲート電極22、ゲート電極23への電圧の印加を制御することにより、特定の突起2にのみ選択的に強い電界を発生させることが可能となり、放射線入射位置の2次元検出が可能となる。例えば、上述のようにゲート電極22a,22bとゲート電極23a,23bに電圧を印加した場合は複数の突起2のうち突起2aの先端近傍の電界強度が大きくなり、信号が計測された場合は放射線がこの突起2aの付近に入射したことになる。
したがって、例えば「ゲート電極22a,22bに電圧印加」、「ゲート電極22aへの電圧印加を停止してゲート電極22cに電圧印加」、「ゲート電極22bへの電圧印加を停止してゲート電極22dに電圧印加」というように、電圧を印加する電極を順次切り替えていくことによって放射線の検出範囲を走査することが可能となる。
また、本実施例ではゲート電極22、23が上面からみて直交するように図示しているが、図10に示すように、突起2の配列によっては格子穴がひし形や平行四辺形等になるような交差でもよい。また、ゲート電極22、ゲート電極23各々を構成する電極の形状は直方体でなくともよく、たとえば上面からみてジグザグ形状などであってもよい。
本実施例によれば、第1の実施例の効果に加え、放射線入射位置の2次元検出が可能となる。
本発明の第3の実施例について、図面を用いて以下説明する。なお、第1の実施例と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図11は本実施例による放射線検出器のセンサー素子11bの概要を示す縦断面図、図12はセンサー素子11bの上面図である。なお、図12では陰極5を省略して図示している。また、本実施例の放射線検出器は図5に示す第2の実施例と同様に、センサー11と電源13の間にゲート電極切替器21が設けられている。
本実施例による放射線検出器のゲート電極31はゲート電極31a,31b,31c,31dから構成されており、ゲート電極31a,31b,31c,31dの間はそれぞれ絶縁体3cによって絶縁されている。また、ゲート電極31a,31b,31c,31dはそれぞれゲート電極切替器21と接続されており、ゲート電極切替器21によって電圧の印加を制御される。
ゲート電極31a,31b,31c,31dは、図12に示すように格子形状の電極であり、複数の突起2を区画するように配置されている。ゲート電極切替器21によってゲート電極31a,31b,31c,31dそれぞれに電圧を印加すると、ゲート電極31a,31b,31c,31dそれぞれの区画に位置する突起2に電界が生じる。例えば、ゲート電極31bに電圧を印加すると複数の突起2bに電界が生じ、ゲート電極31b付近に入射した放射線による信号が検出される。従って、ゲート電極31a,31b,31c,31dへの電圧の印加を制御することにより、放射線入射位置の2次元検出が可能となる。
また、本実施例の変形例を図13に示す。本変形例においては、絶縁体3cによって、ゲート電極31各々に加えて、陽極1が陽極1a,1b,1c,1dに分割され区画されている。なお、図13では陽極1a,1bのみを示している。さらに、計測器15は陽極1a,1b,1c,1d各々について、それぞれ個別に信号を計測することができる。このような構成とすることにより、ゲート電極31各々に常に電圧を印加している状態でも、陽極1a,1b,1c,1d各々の区画について信号を計測可能となる。したがって、電源13とゲート電極31a,31b,31c,31d各々を接続すればよく、ゲート電極切替器21を不要とすることができる。また、陽極1を絶縁体3cによって分割する構成とする場合は、ゲート電極31a,31b,31c,31dは分割されていなくともよい。ゲート電極31a,31b,31c,31d全てに電圧を印加する設定とする場合は、結局はゲート電極31を一体化した構成と同様の作用となるからである。
本実施例によれば、第1の実施例の効果に加え、放射線入射位置の2次元検出が可能となる。なお、ゲート電極31a,31b,31c,31dそれぞれの間は、十分に絶縁が確保できる距離が確保されていれば、絶縁体3bを設けずに空間とすることも可能である。また、陽極1を絶縁体3cによって分割して各々を増幅器14、計測器15と接続して個別に信号計測可能な構成とした場合は、ゲート電極31を分割しなくとも、信号が計測された陽極が判別できるため放射線入射位置を2次元検出することが可能である。
本発明の第4の実施例について、図14を用いて以下説明する。図14は本実施例によるセンサー素子11bの概要を示す縦断面図である。なお、第1の実施例と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施例のセンサー素子11bは、対向した陽極1aと陰極5aの下に、対向した陽極1bと陰極5bを備え、対向する陽極と陰極の組み合わせを二層にした構成となっている。陽極1a,1bはそれぞれ突起2a,2bを有しており、陰極5bは陽極1aを支持する支持基板6aの底面に取り付けられている。また、陽極1a,陽極1b上にはそれぞれ、絶縁体3a,3bと、ゲート電極4a,4bが積層されている。また、陽極1aと陰極5a間、および陽極1bと陰極5b間にはそれぞれ電離ガスが封入されている。
本実施例の効果について、以下説明する。入射した放射線を信号として検出するには、放射線が電離ガスを電離させることが条件である。しかし、中性子のように透過力が強い放射線は、電離ガスを電離させずに陽極を透過し、信号として検出されないことがある。本実施例によれば、センサー素子11bが二層構造を有するため、例えば、陽極1bと陰極5bの間の電離ガスを電離させずに陽極1bを透過した放射線が、陽極1aと陰極5aの間の電離ガスを電離したような場合であっても、この放射線を検出できるため、放射線の検出漏れが減少し検出精度を向上させることが可能となる。
また、入射する放射線がγ線の場合、陽極1bと陰極5bの間、陽極1aと陰極5aの間それぞれで電離ガスを電離させる。ここで、ゲート電極4a,4bを第2の実施例または第3の実施例の構造を適用して放射線入射位置の2次元検出可能な構成を適用することにより、2次元の入射位置情報を組み合わせてγ線の入射方向を3次元情報として得ることが可能である。例えば、ゲート電極への電圧印加の制御により、突起2c、突起2dに電界を発生させた場合に信号を得られたときは、γ線は突起2cから突起2dへの方向に入射したということになる。
また、さらに精度を高めるべくセンサー素子11bを三層以上の多層構造とすることも可能である。
また、図15に本実施例の変形例を示す。支持基板6bについて、穴を開けるなどして一部を空間41に置換し、陽極1bを透過した放射線に対する放射線遮蔽効果を低減することができる。なお、空間41は放射線による電離が起こらないように、空気や希ガスを封入するか真空とする。
以上本発明の実施例について図を参照して説明してきたが、上記複数の実施例に説明した特徴を任意に組み合わせたところの構成であってもよい。
また、本実施例の各構成要素に用いる材料は、検出対象となる放射線の種類によって最適なものが異なる場合がある。例えば、検出対象が中性子線である場合は、陽極1にボロン10やウラン235といった中性子有感材をコーティングする、または陽極1と陰極5間のガスに中性子有感材を混合するなどの必要がある。このように、当業者にあっては検出対象となる放射線に応じて、各構成要素についてより適切な材料を選択し、必要に応じて構成要素の追加、変更を行うことが可能である。
本発明の第1の実施例による放射線検出器10のブロック図。 第1の実施例によるセンサー11の部分分解斜視図。 (a)は第1の実施例によるセンサー素子11bの縦断面図、(b)は第1の実施例によるセンサー素子11bのA−A線矢視断面図。 第1の実施例によるセンサー11の縦断面図。 第2の実施例によるセンサー素子11bの上面図。 第2の実施例によるセンサー素子11bのB−B線矢視断面図。 (a)は第2の実施例によるセンサー素子11bのC−C線矢視断面図、(b)は第2の実施例によるセンサー素子11bのD−D線矢視断面図。 第2の実施例による放射線検出器10のブロック図。 第2の実施例による放射線検出器10の、センサー11とゲート電極切替器21の接続を示すブロック図。 第2の実施例の変形例によるセンサー素子11bの上面図。 第3の実施例によるセンサー素子11bの縦断面図。 第3の実施例によるセンサー素子11bの上面図。 第3の実施例の変形例によるセンサー素子11bの縦断面図。 第4の実施例によるセンサー素子11bの縦断面図。 第4の実施例の変形例によるセンサー素子11bの縦断面図。 一般的な比例計数管の縦断面図。
符号の説明
1、1a、1b 陽極
2、2a、2b、2c 突起
3、3a、3b 絶縁体
4、4a、4b ゲート電極
5、5a、5b 陰極
6、6a、6b 支持基板
10 放射線検出器
11 センサー
11a 気密容器
11b センサー素子
12、13 電源
14 アンプ
15 計測器
16 出力ユニット
21 ゲート電極切替器
22、23、31、22a、22b、22c、22d、23a、23b、23c、23d、31、31a、31b、31c、31d ゲート電極
41 空間
101 放射線入射窓
102 容器
103 絶縁体
104 電極端子
105 電離ガス
106 陽極線
107 バネ
108 絶縁体

Claims (6)

  1. 陰極と、
    この陰極に対向配置された陽極と、
    この陽極の前記陰極と対向する面に複数設けられた錐形の突起と、
    前記陽極の前記陰極と対向する面に設けられ前記突起を囲繞する絶縁体と、
    前記絶縁体の前記陰極と対向する面に設けられたゲート電極と、
    前記陰極と前記陽極間に電位差を印加する第1の電源手段と、
    前記ゲート電極に電圧を印加する第2の電源手段と、
    放射線の入射によって前記陰極と前記陽極の間に発生する電子の前記突起への移動にともなう電流による電気信号を計測する計測手段と、
    を備えることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記ゲート電極は互いに絶縁されている複数の電極板から構成され、複数の前記電極板は前記陰極の方向からみて立体交差して格子を形成し、この格子の目によって前記突起と前記陰極の間が開放されており、前記第2の電源手段と前記ゲート電極の間に複数の前記電極板の各々に対して個別に電圧の印加を切替える切替手段を備えることを特徴とする請求項1記載の放射線検出装置。
  3. 前記ゲート電極は複数の格子形状電極板から構成され、複数の前記格子形状電極板は各々の格子の目によって前記突起と前記陰極間を開放しており、前記第2の電源手段は複数の前記格子形電極板の各々に対して個別に電圧の印加を切り替える切替手段を備えることを特徴とする請求項1記載の放射線検出装置。
  4. 前記支持基板上で前記陽極を複数に分割し各々を絶縁する第2の絶縁体を備え、前記計測手段は分割された前記陽極の各々に接続されており前記陽極の各々について計測される前記電気信号を個別に計測可能であることを特徴とする請求項1記載の放射線検出装置。
  5. 前記陽極の前記陰極と対向する面の反対側の面に設けられた第3の絶縁体と、
    この第3の絶縁体を挟んで前記陽極と対向し前記第3の絶縁体に支持される第2の陰極と、
    この第2の陰極の前記第3の絶縁体に支持される面と反対側の面と対向するよう設けられた第2の陽極と、
    この第2の陽極の前記第2の陰極と対向する面に設けられた第2の突起と、
    前記第2の陽極の前記第2の陰極と対向する面に設けられ前記第2の突起を囲繞する第4の絶縁体と、
    前記第4の絶縁体の前記第2の陰極と対向する面に設けられた第2のゲート電極と、
    前記第2のゲート電極に電圧を印加する第3の電源手段と、
    放射線の入射によって前記第2の陰極と前記第2の陽極間に発生する電子の前記第2の突起への移動にともなう電流による電気信号を計測する第2の計測手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の放射線検出装置。
  6. 対向配置された陽極と陰極間に入射する放射線にともなって前記陽極から検出される電気信号によって前記放射線の入射を検出する放射線検出方法であって、
    少なくとも第1の突起と第2の突起を備える前記陽極に電圧を印加し、前記陽極と前記陰極との間に電位差を印加する工程と、
    前記第1の突起の先端を囲繞するように配設された第1のゲート電極と前記第2の突起の先端を囲繞するように配設された第2のゲート電極のうち一方に電圧を印加する工程と、
    前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極の何れかの電圧印加を解除して他方に電圧を印加する工程と、
    前記第1のゲート電極に電圧が印加されている場合と前記第2のゲート電極に電圧が印加されている場合とを区別して陽極の電気信号を計測する工程と、
    を備えることを特徴とする放射線検出方法。
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