JPH1082863A - 高解像度放射線結像装置 - Google Patents

高解像度放射線結像装置

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JPH1082863A
JPH1082863A JP9139878A JP13987897A JPH1082863A JP H1082863 A JPH1082863 A JP H1082863A JP 9139878 A JP9139878 A JP 9139878A JP 13987897 A JP13987897 A JP 13987897A JP H1082863 A JPH1082863 A JP H1082863A
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space
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electrodes
irradiation beam
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ジョルジュ シャルパック
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    • A61B6/42Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4208Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医療用または産業用に使用する高解像度放射
線結像装置を提供する。 【構成】 本発明の高解像度放射線結像装置は少なくと
も一つのイオン化粒子検出装置を含み、このイオン化粒
子検出装置は照射ビームが入る側面または正面入り口用
の窓を備えた少なくとも一つのガス室を有する。第一、
第二及び第三の平板電極は変換スペース及び増幅スペー
スを作るため互いに平行に配置されている。第二及び第
三の電極間間隔を200μm未満とし、また第二第三電極
間及び第一第二電極間に創出された電界の振幅比が10
より大きくなるよう構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高解像度放射線結像
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に現在の放射線結像装置には二つの
大きな課題がある。第一は結像の解像度を上げることで
あり、第二は検査対象物に与える放射線量を減らすこと
であり、特に検査対象物を電離放射線に曝す時間を減ら
すことである。
【0003】結像の解像度を上げる目的について、第一
に関連していると思われるのは、検査対象物を照射する
電離放射線の検出度の精緻さ、この検出過程で得られる
物理的パターンの空間的精巧さ、及び、最後にこれら物
理的パターンを表示する検出装置部品の幾何学的精細度
である。
【0004】非常に高解像度の検出装置部品、および、
非常に小さくて増幅利得の高い機器の使用により、複数
のこの種の検出装置が特定観察分野に適当とされて広ま
る可能性ができる。その結果、検出装置部品の精度に応
じてこの特定観察分野の観察に必要な照射時間を初歩分
野の観察に必要となる値にまで減少でき、そのため検査
対象物への放射線量を著しく減少することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
制限を満足できる高解像度放射線結像装置を提供するこ
とである。
【0006】本発明の他の目的は、画像解像度が100
μmより良い放射線結像装置を提供する事である 本発明の更に他の目的は、検査対象物露出時間を従来技
術の機器に比べて1/10に減少できる放射線結像装置
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題である電離
放射線を使用する高解像度放射線結像装置は、発散する
電離放射線を放射する電離放射線源と、平板状照射ビー
ムが大体含まれる平面内にあって平板状照射ビームを出
すことができる絞りを形成する長軸の間隙と、平板状照
射ビームを照射される検査対象物を経由して運ばれる光
線を検出する検出装置とを有する。
【0008】注目すべきことは、前記検出装置が少なく
とも一個のイオン化粒子検出装置を含み、このイオン化
粒子検出装置が照射ビームの入口窓を有する少なくとも
一つのガス室を有することである。このガス室は第一、
第二、第三の平板電極を含み、各電極は照射ビームを電
子に変換するスペースとこれら電子を増幅するスペース
とを形成するために互いに平行に配置されている。照射
ビームが確実に変換スペースに入るように入口窓は変換
スペースと同一平面に配置され、また増幅スペースの増
倍長さは第二及び第三の電極を隔てる距離で、且つ、20
0μm未満に作られている。検出装置は更にバイアス回
路を有し、これにより第一の電極を第一の電位に上昇さ
せ、第二の電極を第一の電位より高い第二の電位に上昇
させ、また第三の電極を第二の電位より高い第三の電位
に上昇させることができる。第二の電極は孔が明けられ
ていて陰極を形成し、変換スペースで発生した電子を増
幅スペースに向けて送ることができ、また、第三の電極
は複数の絶縁された要素陽極により構成されて陽極を形
成する。第一、第二、第三の電極に適用された電位は、
変換スペース内と増幅スペース内に第一の電界及びこれ
とほぼ平行な第二の電界を発生させる。これらの各電界
は、増幅スペース内において増幅長さに限定したアバラ
ンシェ現象により電子が確実に増倍され、また、陽極を
形成する第三の電極の付近において増倍された電子が確
実に発生される様に、10を越える増幅率を有して各電
極にほぼ垂直に構成される。
【0009】増倍された電子を検出し、計測する回路
が、陽極を形成する要素陽極に結合される。
【0010】高解像度放射線結像装置は、産業用の放射
線結像技術特に結晶学と材料強度の分野での結像技術と
医学的放射線結像技術の両分野に適用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】下記の記述と図面を参照すること
により本発明について一層の理解が得られると考える。
【0012】図1と図2は、本発明の対象である高解像
度放射線結像装置の長手方向断面図である。
【0013】図3と図4は、本発明の対象である高解像
度放射線結像装置の第一及び第二の異なる実施例に関す
る図1のA−A横断面に沿った断面図である。
【0014】図5は本発明の高解像度放射線結像装置が
使用する特定の検出回路の実施例の詳細を示す。
【0015】図6は本発明の課題に準拠した検出装置の
陰極を形成するグリッドの有益な実施例の詳細を示す。
【0016】図7及び図8は本発明の高解像度放射線結
像装置の有益な実施例を示し、この装置が使用する検出
装置の電離放射線変換スペース内に多重チャンネル構造
が配置されている状態と、この多重チャンネル構造の詳
細な実施例を示す。
【0017】図9から図12は本発明の課題である高解
像度放射線結像装置の異なる実施例を示し、電離放射線
が発生させた電子を確実に検出するため容量結合回路が
使用されている。
【0018】図13及び図14は本発明の課題である高
解像度放射線結像装置の他の異なる実施例を示し、光学
的アバランシェ現象を起こさせて電離放射線が発生させ
た電子の検出を行っている。
【0019】図15はβ線結像を使用する本発明の課題
である高解像度放射線結像装置を示す。
【0020】図16及び図17は本発明の課題である高
解像度放射線結像装置を示し、この装置においては、既
定の立体角を有する照射ビームに対して与えられた検査
対象物の三次元解析が可能となるように、複数の単一検
出要素が重ね合せ配列されている。
【0021】本発明の課題に準拠した電離放射線を使用
する高解像度放射線結像装置について図1及び図2を参
照し、より詳細な説明を行う。
【0022】前記図1はこの装置の長手方向対称面に沿
った断面図で、この長手方向対称面は定義をすれば図1
が乗っている用紙の面である。
【0023】同図で見る如く、本発明の装置は発散する
電離放射線を放出する参照符号Sが付された電離放射線
源と、絞りを形成し照射ビームを送り出す参照符号Fが
付された長軸間隙を有する。従来方法では、この照射ビ
ームはX線またはγ線の平板状の光線で長軸間隙Fを含
む平面、即ち、図1を示す紙面に垂直な平面内にほぼ分
布していた。前記照射ビームは検査対象物SUを照明す
ることが可能で、検査対象物SUの濃度帯により選択吸
収された後、図1で参照符号1で表示する検出装置に入
る。
【0024】本発明の課題である装置の特に有益な特徴
によれば、検出装置1は少なくとも一つのイオン化粒子
検出装置を含み、このイオン化粒子検出装置は照射ビー
ムの入り口用窓を備えたガス室10を有する。
【0025】ガス室10は平板状照射ビーム用の参照符
号Fの入り口窓と充填ガス入り口用部品を有する従来型
の室である。このガス入り口用部品は図面簡略化のため
省略した。従来方法におけるガス室へのガスの導入は、
本発明の課題である放射線結像装置の作動状態に基づい
て、大気圧に対し僅かに加圧した状態か、または逆に、
相対的に高い圧力か、または数Torrに近い非常な低
圧で行われる。
【0026】図1、図2で更に分かる如く、ガス室10
は参照符号11の第一電極、参照符号13の第二電極と
参照符号14の第三電極を有し、これらの電極は照射ビ
ームを電子に変換する参照符号12の変換スペースとこ
れら電子の増倍により増幅を行う参照符号15の増幅ス
ペースを形成するため、平板状で互いに平行に置かれて
いる。
【0027】図1の実施例の場合、入り口窓Feは変換
スペース12と同じレベルに置かれ、照射ビームが第一
電極11及び第二の電極13と平行に変換スペース12
内に確実に入れるようにしてある。
【0028】図1の実施例の場合は、陰極13及び陽極
14に平行に照射ビームを入射させるため、入り口窓F
eはこの様にガス室10に対し横方向に置かれている。
【0029】逆に、図2に示す実施例においては、照射
ビームが電極に対して正面から入り得るように、入り口
窓Feはガス室面上に第二電極13に対向して配置され
ている。
【0030】線源S、一例として鉛膜製の間隙F、枠B
で一体化される検出装置1が構成する組立品は、検査対
象物SUの解析を適切且つ確実に実施するため、平行移
動が可能で必要により回転もできる。この実施例を作製
する必用部品は当業者が既知であるから、この組立品の
具体的構造開示は行わない。更に、線源Sと検出装置1
は固定することができ、検査対象物SUは適当な範囲内
で移動できる。
【0031】本発明の装置の特に有益な特徴によれば、
増幅スペース15の増倍長さは、第二電極13と第三電
極14間の間隔Dで、200μm未満である。。
【0032】本発明の装置の他の特に顕著な特徴によ
り、第一電極11を第一電位に上昇させ、第二電極13
を第一電位より高い第二電位に上昇させ、第三電極14
を第二電位より高い第三電位に上昇させることができる
参照符号2のバイアス回路を有する。
【0033】図1に示される如く、上記のバイアス回路
は、正電極が基準電圧VREFと第三電極14に接続
し、その負電極が第二電極13に接続した参照符号V1
3の直流電源により構成することができる。更にこのバ
イアス回路は、その正電極が電源V13の負電極に接続
し、その負電極が第一電極11に接続した参照符号V1
1の他の電源を有する。
【0034】かくて第二電極13は陰極を形成し、一方
第三電極14は陽極を形成することが分かる。
【0035】第一電極12と第二電極13の間隔Xは、
第二電極13と第三電極14間の間隔Dよりずっと大き
い。非制限的事例として、高エネルギーの電荷を有する
粒子と照射ビームの正面入り口のために、間隔D=10
0μm、X=3mmとする。しかしながら増幅スペース
15の容積が小さいと、図1の場合、間隔D及び第一電
極11と第二電極13の間隔を、間隙Feと同じ方向で
間隙Feの寸法と非常に近い値に選ぶことができる。か
くして、特にガス室を充満するガスがキセノンである場
合には、間隔Xを1mmにすることができる。かかる場
合、照射ビームが例えば50keVのエネルギーを持つ
X線であるときは、エネルギーが30keVに近いガス
内のX線蛍光放射に起因して、光子Xに対して15ke
Vのエネルギーの光電子と二次電子が変換スペース12
内に発生し、従来の検出装置では光電子と二次電子の分
離ができなかった。検出装置内に二つの信号が現れると
その事象はエラーとして否定される。間隔Dが1mm台
の値に減少することは、X線蛍光光子が捕獲される可能
性を大いに減少する効果があり、従ってこれにより二重
信号の出現を無くすことができる。
【0036】更に、本発明の装置の特に顕著な特徴によ
れば、第一電極11、第二電極12及び第三電極に印可
する電位が第一電界E1、第二電界E2を発生させ、こ
れら電界は変換スペース12内と増幅スペース13内で
平行電界ベクトルにより構成されるように電圧源V13
とV11を選ぶことができる。これらの電界は前記電極
に垂直で振幅比 ρ=E2/E1>10 である。
【0037】非制限的実施例においては比ρを50にす
るものがある。
【0038】更に、第二電極13は孔明きのグリッドで
形成され、変換スペース12内で発生した電子を増幅ス
ペース15に向かって送り得ることを示している。電界
振幅値と増幅距離Dを考慮に入れると、前記増幅長さD
に制限したアバランシェ現象を利用して、増幅スペース
15内でこれら電子の増倍を確実に行うことができる。
これは陽極を形成する第三電極14の付近で増倍された
電子を発生させるためである。
【0039】第三電極14は後述する条件下で複数の要
素陽極により有効に形成されることが明らかとなった。
【0040】最後に検出回路13が設けられ、これによ
り増倍された電子の確実な検出と計数を行うことができ
る。この検出及び計数回路3は陽極を形成する各要素陽
極に接続されている。
【0041】好適な実施例において、大気圧でのガス充
填に対して、電界E2が振幅100kV/cmの増幅ス
ペース15内で発生され、一方変換スペース12内で発
生した電界E1は1kV/cmの振幅を有し、これによ
り比ρ=100を得ることができるように電圧源V1
3、V11を選ぶことができる。
【0042】図1に示す検出装置1の形状、即ち、前記
寸法D、Xの値と増幅スペース15と変換スペース12
間で発生したフィールド比の値は、下記の過程、即ち、
ガスが充満した変換スペース12内で作られた電子は陰
極13を通り増幅スペース15に移送され、そこで電界
E2の値が非常に高いためにこれらの電子はアバランシ
ェ現象(勿論このアバランシェ現象は非常に小さい距離
Dに制限したものである)に曝されるが、その過程で大
きな影響を発揮する。このため、アバランシェ面、即ち
電界E2の方向に垂直な方向の寸法もまた非常に小さ
く、1000の利得に対してせいぜい増倍距離D/10
である。事実、増幅スペース15に侵入する電子は後続
の衝撃で増倍される。1000台の増幅利得に対し、1
000≒2 とするとn=10となり、平均自由増倍経
路λ=D/10となる。
【0043】従ってアバランシェ面の寸法はλ程度、即
ちD/10である。それ故増幅スペース15内での各電
子の増倍により発生するアバランシェパターンの実際寸
法は、電極14の付近でせいぜい自由経路λのD/10
程度の値に達する位であろう。これにより、後述する如
く、適当な大きさの要素陽極群を使用すれば、この寸法
に応じた解像度を達成できる。
【0044】更に、第二陰電極13と第三陽電極14の
間の増倍距離Dが小さいことによる近接により、アバラ
ンシェ現象により発生した、陽極14のレベルの空間電
荷を創出できる正イオンが100ns台の非常な短時間
で吸収され、このことにより約10回/秒/mm
越える高い計数率が得られることが指摘されている。そ
れ故得られた計数率は、従来型の検出装置の処理配線付
きの室で得られる値より100乃至1000倍高い値で
ある。
【0045】これに反し、従来型の検出装置の処理配線
付きの室等では正イオンの収集時間は数十μsで、その
結果、計数率は100倍低い値に限定されると指摘して
いる。
【0046】前記検出装置1の更に詳細な記述に関して
は、Georges Charpak 及び参照として含まれた COMMISS
ARIAT A L'ENERGIE ATOMIQUE 名のフランス特許N゜95
11928を参照をすることが有益であろう。
【0047】特に有益な方法として、図3に示す如く、
陽極14を形成する第三電極を構成する要素陽極を、図
3参照符号140の導電性材料で作ることができる。こ
れら要素導体は同図でYYで表示する長手方向対称軸を
有する。図で分かる如く、各導電性要素140の長手方
向対称軸YYは照射ビームの放射点である電離放射線源
Sへ集中する方向を向いている。この様な配列により、
照射ビームの平面が陽極を構成する第三電極14の平面
上に投影することにより生じる視差誤差をほぼ消滅でき
る。
【0048】図3に示す実施例において導電性要素14
0は導電性ストリップで構成することができ、例えば、
80乃至200μmの幅や数μm幅の銅マイクロストリ
ップで形成されている。
【0049】これらストリップはマイクログラビア法で
作製し、銅または金の導電性フィルムで被覆することが
できる。これらはエポキシ硝子材料またはプラスチック
材料によるシート等の絶縁基板、例えばKAPTON
(デュポン社製)等の上に作製される。
【0050】更に詳細に後述する如く、各ストリップ1
40は検出および計数回路3に接続されている。陽極1
4の平面内の照射ビームの発散角ΔΘについて述べる
と、各要素電極140はN個の電極がある場合には他の
要素電極から角度ΔΘ/(N−1)だけ離れている。要
素電極140は照射ビームの発散角内においてこのよう
に整然と離れて配列されている。
【0051】図4に示す他の実施例に依れば、要素陽極
140を構成する導電性部品は更に図3に示すように、
複数の長軸YYに沿って分布するパッドにより作製でき
る。これらの導電性要素パッドは各々要素陽極を構成
し、長手方向対称軸YYに垂直な方向に増幅距離にほぼ
等しい寸法を有する。この様に、各要素陽極140は一
辺が増倍距離Dに等しいか、より小さなほぼ四角形とす
ることができ、二つの相続く要素陽極は、例えば、長手
方向YYとこの長手方向YYに垂直な方向の両方にそれ
ぞれ同じ距離Dだけ間隔を明けて配列される。図4で
は、要素陽極140を形成する導電性部品もまた照射ビ
ームの発散角内で整然と間隔配置されていることが明示
されている。各要素陽極140は当然それ自身が検出お
よび計数回路3に相互接続されている。
【0052】要素陽極の前記形状の利点は特に下記に存
する。即ち、アバランシェ現象は増倍距離Dを越える程
度にだけ発展するから、最高の精度を得るためのこれら
要素陽極の配置を選定するのは容易であるが、処理配線
付き室の場合は充分な機能を確保するためには1mmの
最小配線間距離が必要となることである。
【0053】図5に更に示す如く検出および計数回路3
は、各々が当然要素陽極140と接続され、問題の要素
陽極に対する検出信号を出す複数の速い増幅装置30を
有効に持つことができる。最後につけ加えると、各速い
増幅装置の出力は、例えば計数及び記憶回路31と相互
接続されている。
【0054】変換スペースにおいて発生した電子を確実
に搬送するため、陰極を形成する第二電極13は薄い導
電性板により有利に形成される。この導電性板には図6
に示すように非制限的な円形の孔があけられている。同
図に示す如く、各孔130iは直径寸法T、ピッチPで
他の孔と離れ、孔の列を構成して配置されている。板の
厚さeは孔径Tと比べると小さい。増倍スペースの電界
は、電子が充分グリッドを通過できる大きさに選定され
る。
【0055】孔列の有効なピッチPはD/10<P<D
/3である。
【0056】更に、各孔130iの最大寸法Tは、丸孔
の場合は直径に相当し、板厚eより比が5を越えてずっ
と大きく、e<<T≦P の関係がある。陰極を形成す
る第二電極13を構成するグリッドは、厚みeが2−5
μm程度で、孔径は例えば20μm、ピッチ25μmの
電気精錬によるグリッドとして例示できる。
【0057】特定の実施例では、第二電極13を形成す
る板は、厚み3μm、20μmの四角の穴が明き、即
ち、T=20μmでピッチ25μmで配列されるもので
ある。陰極13を形成する第二電極の機械的組立の見地
から、及び陰極の機械的強度を確保するために、特にバ
イアス電界により印可した静電力の存在下において、陰
極13と陽極14を保持するため、図1の参照符号15
0の電気絶縁スペーサーを増幅スペース15の広い範囲
に対して設けられなければならない。電気絶縁スペーサ
ーは例えば、直径が増倍距離Dに等しい石英線により作
ることができる。
【0058】上記の如き本発明の課題である高解像度放
射線結像装置によって、乳房造影法による診断に必要な
高精度解析を行うことができる。
【0059】本発明の課題である高解像度放射線結像装
置の他の実施例を、図7を参照してより詳細に述べる。
【0060】同図において本発明の装置は、照射ビーム
を捕獲し、電子を創出できる参照符号121の多重チャ
ンネル構造を変換スペース12内に有することが明らか
である。特に、多重チャンネル構造121は第一電界E
1の方向に延長する複数のチャンネルを有することが明
示されている。それ故、多重チャンネル構造により吸収
された電離放射線はチャンネル内のガスをイオン化する
電子を創出する。かくて相当するチャンネル内で加速さ
れた電子が放出され、第二陰極13を経て増幅スペース
15に運ばれる。
【0061】γ線のような中性粒子は、多重チャンネル
構造が存在しない場合には、変換スペース12内で吸収
される可能性が非常に少ない。この変換スペース12内
に多重チャンネル構造が存在すると、コンプトン効果ま
たは光電効果により、または、(電子−陽電子)対の創
造により遥かに多量のγ線が吸収される。チャンネルの
表面より放出される電子は、これらチャンネルの厚さに
より制限される経路を有する。彼らはチューブ内のガス
をイオン化し、後述の如く増幅スペース15へ侵入する
電子を放出する。
【0062】図8に示す如く、好適な実施例において、
構造121は参照符号121iの平行チャンネルを有す
るマイクロチャンネル構造で、この構造の平らな表面に
現れる少なくとも一つの開口部を有する。
【0063】前記図8に更に示す如く、この開口部を有
する組立品は、第二電極13を形成するグリッド上の孔
列130iと同じように、マイクロチャンネル構造の平
らな表面上に同じピッチPと同じ寸法Tで孔の列を形成
する。好適な実施例において、各チャンネルの孔が全て
存在するマイクロチャンネル構造の平らな表面は、陰極
を形成する第二電極13の付近に配置され、当然第二電
極と電気的に接続されている。かくて各チャンネル12
1iの開口部列の開口部は、第二電極13を形成するグ
リッド130iの孔と対向して配置される。
【0064】更に詳述すれば、図8に示す構造121は
並列に並べたガラスチューブで作ることができる。これ
らのガラスチューブは2μm台の厚さを有しその壁は参
照符号1211iを有する。組立品の高さh、即ち、ガ
ラスチューブの高さは1−2μm程度である。
【0065】図8で参照符号1210aを有するこの金
の被覆を、マイクロチャンネル構造の表面上に形成でき
る。金の被覆を考慮した各チャンネル121iの直径は
10−30μmの間である。
【0066】この様に製造したマイクロチャンネル構造
では、例えば直径12μmの孔と2μmの壁を有するガ
ラスチューブに対して、その容積の25%をガラスが占
める様に作製することができる。この様な構造では平均
密度は0.7g/cmであるが、マイクロチャンネル
構造がない場合は、例えば、キセノン等のガスが5バー
ルの圧力下で室内にある場合、0.03g/cmの密
度となる。
【0067】マイクロチャンネル構造121を導入する
と、この様に電離放射線を捕獲しようとする材料の平均
密度を20倍増加させることができ、従って結果的に捕
獲の可能性を増加できる。
【0068】壁厚2μmのチューブでは、電離放射線の
捕獲により発生した光電子または Compton 電子が数k
eV以上のエネルギーを有していたら、それらがガラス
壁から逃げ出し孔またはチャンネル121iに侵入する
可能性が高い。
【0069】図8に示すマイクロチャンネル構造装置の
特に有益な特徴によれば、各孔の内部に大体細長い形
で、各孔121iの軸に平行な電界E3を創造すること
が可能である。このために各チャンネル121iの表面
に高い固有抵抗を有する導電性被覆1212iを設ける
ことができる。この被覆は、金被覆1210a、121
0bを施され、各々マイクロチャンネル構造の平らな表
面上に配置された電極に電気的に接続している。電極1
210a、1210bにはチャンネル121i内で電子
を偏向させる電圧が作用している。チャンネル121i
の一つに侵入する各電子は図8に示す電界E3の存在の
ため、侵入後に偏向方向の力を受ける。各チャンネル1
21iの被覆1212iは数十オングストロームの厚さ
の鉛箔で成形できる。電界E3は適当な電圧源V3によ
り創出できる。マイクロチャンネル構造のチャンネル内
へ放出されたイオン化電子は、Monsieur Georges Charp
akが提案した様な多段処理箱の一つとして変換スペース
を使用し、増幅スペース15へ移送される前に更に増倍
される。更に詳細には、前記マイクロチャンネル構造
は、軟X線を検出するため、特に結晶学的解析作業を実
行する目的で、図7と図8に示す如く、照射ビームが横
から入っても、或いは図8に示す如く正面から入っても
使用できると述べている。
【0070】特に前記の要素陽極と静電誘導関係にある
回路を使用したことにより発生した、増倍された電子の
検出および計数を、二方向検出を行いながら実施する特
定な回路の実施例について、図9乃至図12を参照して
以下更に詳細に述べる。
【0071】図9に示す如く、また上述した如く、要素
陽極は、同じ電位VREFに接続される第一の平行導電
性ストリップ140i、140k乃至140nにより構
成できる。
【0072】更に、静電誘導関係により結合する回路は
第二の導電性ストリップ141、142、143及び後
続のストリップにより形成され、これら第二のストリッ
プは第一のストリップに垂直で整然と間隔をおいて配列
され、作動中の電荷に与えられた静電誘導現象により第
一のストリップ140k上に現れる信号とは逆の信号を
発する。
【0073】静電誘導現象による前記結合を考慮すると
例えば導電性ストリップ140k上に集められた電子は
一つ以上のストリップ141,142,143...上
に放射し、ストリップ140k上の電子衝撃の近くに位
置したもの、例えばストリップ142では、これらの電
子が導電性ストリップ140kにより集められた時、可
変静電界は直ちに消滅し、それによりストリップ140
kと142上で正符号の二方向参照符号X、Yで示す衝
撃点位置パルスを生ずる。正イオンが要素陽極であるス
トリップ140k上で作られ、次いで要素陽極から移動
すると、要素陽極上に陰イオンが誘引される。然し第二
ストリップ141−143と後続のストリップ上に放射
された静電ラインはまず正符号を有し、X,Yのパルス
のタイプを識別しそれにより二方向の検出を可能にす
る。
【0074】非制限的事例として、第一及び第二の導電
性ストリップを適当な厚さの絶縁材料製の基板上に作製
できるが、厚さ、幅及びストリップの間隔は経験的に定
められる。
【0075】図10に示す如く、第二陽電極14は電気
絶縁材料製のプリント回路ボード上に作製でき、その上
面には増幅スペース15に対面して上記の要素電極14
0kが配置される。
【0076】前記実施例の記載に依れば、検出および計
数回路3は更に、要素陽極を形成するストリップ140
k上に置かれた静電検出回路を含み、他の実施例が図9
に示されている。図中の各参照符号1410、142
0、1430は導電性ストリップを示す。各導電性要素
ストリップ1410、1420、1430はそれぞれ各
要素陽極と結合するが、この導電性ストリップは周期的
に二つの要素ストリップに再分割され、各要素陽極14
0kとそれらとの静電結合は要素陽極のk列に対しその
働きをそれぞれ増加または抑制するものである。
【0077】図11にさらに詳細を示す如く、一例とし
て要素ストリップ1410は二つの要素ストリップ14
10aと1410bに再分割され、その各要素陽極14
0kとの静電結合は問題のストリップの列に対してそれ
ぞれ機能を増加または減少させるものである。
【0078】図12に示す回路では、第一要素ストリッ
プ1410aと第二要素ストリップ1410bの端末で
発信された端末信号の振幅と最終信号の比を測定でき
る。この比は要素陽極の列kを表し、その付近ではイオ
ン化電子が相当する電気パルスを発生させている。
【0079】図11に示す如く、導電性ストリップであ
る第二ストリップ1420が備えられ、第一の導電性ス
トリップ1410の周期に対し所定比の倍数の同じ周期
パターンで第一の要素ストリップ1420aと第二の要
素ストリップ1420bに再分割される。
【0080】更に、第三のストリップ1430が設けら
れ、要素ストリップ1430aと1430bに再分割さ
れる。第三ストリップ1430の分割周期は第一導電性
ストリップのある異なる比の倍数の周期である。
【0081】図12に示す回路は、第一要素ストリップ
1410と第二要素ストリップ1420の終端における
容量結合で発信した信号の振幅とこれら信号の振幅比を
測定できる。第一、第二の導電性ストリップ1410、
1420は、もしあればそれ自身二つの要素ストリップ
1430a、1430bに再分割される第三の導電性ス
トリップ1430と連合し、初めに放射されたイオン化
電子にほぼ対向する各要素陽極140kの列kについて
の副尺タイプの測定システムを作る。図11において検
出および計数回路3は、スイッチ制御タイプの論理回
路、増幅回路3140、アナログ−デジタル変換回路3
141及びパルスが発見された要素陽極140kの列k
を報知する変換表として働く回路3142を含むと考え
られている。
【0082】図11及び図12に示す静電検出システム
の機能に関する更に詳細な記述については、Monsieur G
eorges Charpak 名のフランス特許出願 N゜ 2 680 010
を参照する事ができる。
【0083】最後に、要素陽極140kの一次元検索用
の容量検出回路を構成する電極1410、1430のセ
ットを利用して、同様にして、第二の方向にある第二の
要素ストリップ140、141、142・・・及び後続
のストリップの一次元検索を行うための容量検出回路を
製造することができる。この電極セットは、要素陽極1
40kの場合と同様に、要素ストリップ140、14
1、142、及び後続の要素ストリップの延長上に置か
れる。
【0084】前出の図1、図2から図12に至る各図で
示した如く、装置の使用に関して、ガス室内のガスは1
pa乃至10pa間の圧力下でCOまたはエタ
ン等の冷却剤と混合したキセノンか、または必要なら容
積比90%アルゴンと10%メタンの混合ガスを使用す
ることができる。
【0085】しかしながら、増幅スペース15内で光学
的アバランシェ現象により電子の増倍を起こさせるため
には、ガス室10内のガスはアルゴンとトリエチルアミ
ンの混合ガスでもよい。
【0086】図13に示す場合は、要素陽極を透明な導
電性要素で作製し、かく生じた光学的アバランシェ現象
により発生した光を伝達できるようにする。
【0087】図13に記す実施例では、検出および計数
回路3は例えば適当な光学部品300aを備えた輝度増
幅装置330bと、感光性フィルムまたはCCDカメラ
システム等の積分システム310で構成される。CCD
カメラ−輝度増幅装置組立品300a、300b、31
0、330bは電極表面上に置かれ発生した光学的アバ
ランシェ現象の波長(トリエチルアミンの場合可視光範
囲で280nm)を伝達し、または、変更することがで
きる。
【0088】非制限的事例として図14に示す如く、光
学的アバランシェ現象の波長で光を伝達するか、また
は、光学的アバランシェ現象の波長を可視スペクトル内
の波長に変換することができる表面と合体した導電性グ
リッドを使用して要素陽極を作ることができる。非制限
的事例として、導電性ワイヤー即ち直径15μmの金メ
ッキをしたタングステン線を50μm×50μmピッチ
で直角に組んで、図14に示す導電性グリッドを作るこ
とができる。透明な50μmの各要素区域は実際に、光
学的アバランシェ現象により発生した光学エネルギーを
伝達する要素陽極と等しい働きをする。このグリッドは
また図6に示す第二電極13と類似したグリッドにより
構成することができる。前記グリッドは紫外線/可視光
線・変換器の代わりに置くことができる。図14に示す
グリッドは勿論基準電位DREFに接続され、透明な要
素陽極の組立品で構成された陽極を形成する。ガス室は
石英窓またはプラスチック材料製の窓で閉じられる。
【0089】光学的アバランシェ現象の検出が行われる
図13に示す実施例の利点は、同様に光学的アバランシ
ェ現象の検出を行う従来式の装置と比較して、アバラン
シェの面が非常に狭いので、アバランシェの位置及び明
るさについてより正確な情報が得られる点にある。
【0090】電気回路による発見がその都度行われず、
発光光子の積分によりアバランシェ発見が行われる場合
は、この改善は非常に重要である。この様な作業方法
は、放射線療法で用いられる線形加速器等の放射源Sが
X線またはγ線の非常に強いバーストを発する場合は、
また特に重要である。この様な場合、同時に数十万また
は数百万のアバランシェを表示する事が必要であるが、
従来式の電子装置では不可能であった。従って粒子/イ
オン化電子変換器として、既述のマイクロチャンネル構
造または A.P. JEAVONS, G.Charpak ; R.J.STUBS によ
り出版された Nuclear Instruments and Methods, 124
(1975), 491-503, North-Holland Publishing and Co.
の項目中に記載された鉛−ビスマス基盤を使用すること
ができる。この場合、現在放射線療法で使用されている
6MeVのγ線に対して0.5mm−1mmの結像精度
で10−50%の効率を得ることができる。この様に患
者の放射線写真を撮ることができ、一方、患者は従来処
置時より非常に低い放射線量で処置を受けられる。この
様に、光学的検出方法は、特に適当な光学機器300
a、輝度増幅装置300b,CCDカメラ310等が使
用された場合は高い正確度を得る手段を構成する。この
応用例において、照射ビームは図1に示す方法により横
からもまた図2に示すように正面からも入射できる。
【0091】照射ビームが横から入る場合は、測定には
毎回50msかかる、即ち、CCDカメラの一フレーム
を使用する時間であるが、その間に検出装置の一操作が
行われる。
【0092】しかしながら検出装置が、変換スペース1
2内にマイクロチャンネル変換器を有し、パルスまたは
極めて短時間γ線を放射する線形加速器によって得られ
放射線療法で使用するγ線の閃光によって発生させるア
バランシェの全画像が得られる場合は、照射ビームの正
面からの入射は特に適当である。この様な応用例におい
て、光学的アバランシェは範囲が非常に狭いから、Mons
ieur Georges Charpakが前に提案したような各アバラン
シェの質量中心の計算や重力の光心計算等の画像処理を
行う必要がなく、直接良い画像解像度が得られる。従っ
てこの作業方法によれば、従来技術による装置を使用し
た場合に比べて機器の費用と計算作業時間を大幅に節約
できる。
【0093】X線またはγ線による放射線写真への上記
応用に加えて、本発明の装置は、図15を参照して後述
する特別の条件において、β線放射線写真においても大
きな効果を発揮する。同図に示す如くこの応用例におい
ては、電離放射線源はこの場合参照符号Gを付けた電機
泳動ゲル、部品または調整品から成り、ゲル、部品また
は調整品は従来方法で放射能を与えてある。電機泳動ゲ
ルは、ゲル、部品または調整品の横断面全域に分布した
β線の放射場所であり、照射ビームはこれら種々の放射
点から散発的に放射した複数のβ線から構成されてい
る。ゲルGは照射ビームの正面入り口用の窓Fe付近に
配置されている。図15に点線または断続線で示す支持
板SUPは、必要ならば観察のため、ゲル、部品または
調整品の位置決めを行うことができる。
【0094】本発明の検出装置の特定の特徴により、第
一電極11と第二電極13は、第二電極13を第三電極
14から隔てる間隔Dに近いかより少ない間隔Xだけ離
れて位置している。変換スペース12と増幅スペース1
5は、電極11、13、14に対し垂直な方向にほぼ同
じ寸法を有している。
【0095】非制限的な事例として、間隔D=100μ
m、間隔Xはこれに同じとしてX=100μm、検出装
置1の全厚さは0.2mmである。
【0096】これら条件の中で、ゲルGの如何なる放射
点からから放射されたβ線でも、図15に示す如く、第
一電極11と第二電極13間の間隔Xの大きさ程度の最
大経路を有する。変換スペース12内でβ線の経路上で
電子が発生されるから、相当する放射点の位置決め精度
は距離Xの値より良好である。本発明の課題である検出
装置に準拠して、z座標方向のイオン化電子の深さに基
づいた可変利得を用いてβ線の放射点の位置決めを行う
平行面を備えた室を有する装置で、現在の装置より簡単
な装置を開発することができる。
【0097】Xまたはガンマ−電離放射線を使用し、一
回の露光で三次元の画像解析を可能とする高解像度放射
線結像装置の更に詳細な説明を図16及び図17を参照
して行う。
【0098】前記図16に基づき、放射線源Sは所定の
立体角ΔΩを有し延びる電離放射線を発すると考えられ
る。
【0099】図16に示す実施例により、本発明の放射
線結像装置はコリメーターCOを有し、前記コリメータ
ーCOは参照符号F1・・・Fi・・・Fnを有する長
軸間隙、即ち、前記図に示す如く、複数の平板状照射ビ
ームを実際に通すことができる複数の絞りを形成する複
数の長軸間隙を有する。各平板状照射ビームは間隙組立
品の中の長軸間隙の一つと線源S含む平面内に大体分布
している。図16に示す如く、平板状照射ビームの一つ
を含む各平面は一緒になって電離放射線源に向かって集
中する平面の束を形成する。
【0100】同じく同図に示す如く、本発明の装置は平
板状照射ビームのセットを検出するモジュールを有し、
これによりコリメーターCOの下流に置かれた検査対象
物SUを照明することが可能となった。この検出モジュ
ールは以前図1−図14を参照して記述したようにイオ
ン化粒子の検出装置を備え、この検出装置1は対応する
平板状照射ビームに対面して配置されている。この様に
して、参照符号11、1i−1nを有する各検出装置
は、間隙F1、Fi−Fnに対応している。また特に平
板状照射ビームの入り口である各検出装置の窓Fe1、
Fei−Fenは電離放射線源Sと本装置が関連する平
板状照射ビームを通す間隙Fiで形成される平面に配置
されている。窓Feiは図17に示す如く、通常のコリ
メーターCO’内に形成できる。
【0101】図16及び図17において、検出装置11
−1nは1iの参照符号を有する中心検出装置に対して
対称的に傾斜している事が分かる。
【0102】各検出装置1iの独立性を確保するため、
これら検出装置は参照符号11iなる鉛またはタングス
テンのシートでできた防御物を備え、これにより相隣る
平板状照射ビームにより発散された電離放射線に対して
各検出装置の独立性を確保することができる。
【0103】使用された検出装置1が非常に小さい厚さ
を有する限りにおいては特に優れた性能を発揮する高解
像度放射線結像装置について述べた。事実、変換スペー
ス12と増幅スペース15を考慮すると全体厚さは1.
1mm台となる。特に、本発明の課題である高解像度放
射線結像装置の特別な長所により、図16及び図17に
示す如き多数の検出装置を含む装置を使用することがで
きる。これらの検出装置は並列であるかの如く作動し、
検出装置の多数化は,もしn個の検出装置を使用したら
検査対象物SUの走査時間を比nに対応して節約するこ
とができる。
【0104】n個の全ての検出装置を一つの加圧ガス室
内に鉛の分離壁を設けて配置できることは勿論自明のこ
とである。ここに分離壁11iは上記で説明したもので
あり、検出装置内で発生した二次放射線が隣の検出装置
内の検出を妨げないようにするものである。
【0105】最後に、もし電離放射線が1MeVを越え
る高エネルギーを持ち産業用放射線写真に適したγ線の
ように高エネルギー放射線である場合は、使用する検出
装置1は、マイクロチャンネル構造12の代わりに、既
述の1゜程度の入射かすめ角で配置したタンタルシート
のような複数の薄い傾斜シートをイオン化粒子の照明フ
ラックスの平均的方向に対して従来式の既知の技術に従
って設けることができる。これらのシートは確実に粒子
の変換を行わせることができる。
【0106】この実施例は一方で、前記従来技術に準拠
してイオン化粒子の捕獲と、発生した光電子放出の可能
性を増大することができ、他方で、本発明の検出装置1
の非常に高い計数率能力使用するために、使用するイオ
ン化粒子を発生する粒子加速器の運転費用を大幅に減ら
すことができる。
【0107】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、結像の解像度を上げることができ、検査対象
物に与える放射線量を減らすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象である高解像度放射線結像装置の
長手方向断面図である。
【図2】本発明の対象である高解像度放射線結像装置の
長手方向断面図である。
【図3】本発明の対象である高解像度放射線結像装置の
第一の実施例に関する図1のA−A横断面に沿った断面
図である。
【図4】本発明の対象である高解像度放射線結像装置の
第二の実施例に関する図1のA−A横断面に沿った断面
図である。
【図5】本発明の高解像度放射線結像装置が使用する特
定の検出回路の実施例の詳細を示す図である。
【図6】本発明の課題に準拠した検出装置の陰極を形成
するグリッドの有益な実施例の詳細を示す図である。
【図7】本発明の高解像度放射線結像装置の有益な実施
例を示し、この装置が使用する検出装置の電離放射線変
換スペース内に多重チャンネル構造が配置されている状
態と、この多重チャンネル構造の詳細な実施例を示す図
である。
【図8】本発明の高解像度放射線結像装置の有益な実施
例を示し、この装置が使用する検出装置の電離放射線変
換スペース内に多重チャンネル構造が配置されている状
態と、この多重チャンネル構造の詳細な実施例を示す図
である。
【図9】本発明の課題である高解像度放射線結像装置の
異なる実施例を示し、電離放射線が発生させた電子を確
実に検出するため容量結合回路が使用されている。
【図10】本発明の課題である高解像度放射線結像装置
の異なる実施例を示し、電離放射線が発生させた電子を
確実に検出するため容量結合回路が使用されている。
【図11】本発明の課題である高解像度放射線結像装置
の異なる実施例を示し、電離放射線が発生させた電子を
確実に検出するため容量結合回路が使用されている。
【図12】本発明の課題である高解像度放射線結像装置
の異なる実施例を示し、電離放射線が発生させた電子を
確実に検出するため容量結合回路が使用されている。
【図13】本発明の課題である高解像度放射線結像装置
の他の異なる実施例を示し、光学的アバランシェ現象を
起こさせて電離放射線が発生させた電子の検出を行って
いる。
【図14】本発明の課題である高解像度放射線結像装置
の他の異なる実施例を示し、光学的アバランシェ現象を
起こさせて電離放射線が発生させた電子の検出を行って
いる。
【図15】β線結像を使用する本発明の課題である高解
像度放射線結像装置を示す図である。
【図16】本発明の課題である高解像度放射線結像装置
を示し、この装置においては、既定の立体角を有する照
射ビームに対して与えられた検査対象物の三次元解析が
可能となるように、複数の単一検出要素が重ね合せ配列
されている。
【図17】本発明の課題である高解像度放射線結像装置
を示し、この装置においては、既定の立体角を有する照
射ビームに対して与えられた検査対象物の三次元解析が
可能となるように、複数の単一検出要素が重ね合せ配列
されている。
【符号の説明】
1 検出装置 2 バイアス回路 3 計数回路 10 ガス室 11 第一電極 12 変換スペース 13 第二電極(陰極) 14 第三電極(陽極) 15 増幅スペース 30 増幅装置 31 記憶回路 121 多重チャンネル構造 130i 孔(グリッド) 140 導線性材料(ストリップ、要素電極) 150 電気絶縁スペーサー F 長軸間隙 S 線源 B 枠 SU 検査対象物 Fe 入り口窓 VREF 基準電圧 D 間隔 E1 第一電界 E2 第二電界 E1 第一電界 V11,V13 電圧源

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電離放射線を使用する高解像度放射線結
    像装置において、 前記装置が発散する電離放射線を放射する電離放射線源
    と、 平板状照射ビームが大体含まれる平面内にあって平板状
    照射ビームを出すのに適した絞りを形成する長軸の間隙
    と、 平板状照射ビームを照射される検査対象物を経由して運
    ばれる光線を検出する検出装置とを有し、 前記検出装置が少なくとも一個のイオン化粒子検出装置
    を含み、前記イオン化粒子検出装置が少なくとも、 前記照射ビームの入口窓を有する一つのガス室と、前記
    ガス室内に含まれる、 第一、第二、第三の平板電極とを含む時、前記各電極は
    照射ビームを電子に変換するスペースとこれら電子を増
    倍により増幅するスペースとを形成するように互いに平
    行に配置され、前記入口窓は前記照射ビームが確実に前
    記変換スペースに入るように変換スペースと同一平面に
    配置され、前記増幅スペースが前記第二及び前記第三の
    電極を隔てる距離で且つ、200μm未満の増倍長さを有
    し、 前記検出装置が更に、 前記第一の電極を第一の電位に上昇させ、前記第二の電
    極を前記第一の電位より高い第二の電位に上昇させ、前
    記第三の電極を前記第二の電位より高い第三の電位に上
    昇させるに適したバイアス回路を有し、前記第二の電極
    は孔が明けられていて陰極を形成し、前記変換スペース
    で発生した電子を増幅スペースに向けて送ることがで
    き、前記第三の電極は複数の絶縁された要素陽極により
    構成された陽極を形成し、第一、第二、第三の電極に適
    用された電位は変換スペース内と増幅スペース内に第一
    及びこれにほぼ平行な第二の電界を発生させ、これらの
    各電界は前記各電極にほぼ垂直で10をこえる振幅比を
    有し、これにより陽極を形成する前記第三の電極の付近
    において増倍された電子を発生させるため増幅スペース
    内において前記増幅長さに限定したアバランシェ現象に
    よるこれら電子の増倍が可能となり、 前記陽極を形成する前記要素陽極に結合された、増倍さ
    れた電子を検出し計測する装置を含むことを特徴とする
    高解像度放射線結像装置。
  2. 【請求項2】 前記照射ビームが前記電極と平行に入射
    できるように前記入口窓がガス室上横方向に配置される
    か、または前記照射ビームが前記電極に対して正面から
    入射するように前記入口窓が陰極を形成する第二の電極
    と対面するガス室面上に置かれることを特徴とする請求
    項1に記載する装置。
  3. 【請求項3】 前記要素陽極が長手方向対称軸を有する
    導電性要素により形成され、各導電性要素の前記長手方
    向対称軸が前記照射ビームの発光源を成す電離放射線源
    に向かって集中するように指向され、これにより、前記
    陽極を形成する第三の電極面上に照射ビームの平面が投
    影することにより生ずる視差誤差を殆ど消滅させること
    ができることを特徴とする請求項1に記載する装置。
  4. 【請求項4】 前記要素陽極を構成する前記導電性要素
    が前記長手方向対称軸方向に垂直な方向に前記増幅距離
    にほぼ等しい長さを有し、この同じ垂直方向に沿った二
    つの連続する導電性要素が照射ビームの発散角内におい
    て規則的に間隔を明けて配列されていることを特徴とす
    る請求項2に記載する装置。
  5. 【請求項5】 前記検出および計数装置が、 要素陽極を形成する導電性要素と結合され当該要素陽極
    に対する電気的検出信号を送信する一つの速い増幅装置
    を含む複数の速い増幅装置と、 速い増幅装置の出力端に接続された計数及び記憶装置を
    有することを特徴とする請求項1に記載する装置。
  6. 【請求項6】 前記第二の電極が導電性グリッドにより
    形成され、前記グリッドは整然と配列されたピッチPの
    孔の列を有し、孔ピッチは第二の電極平面においてはD
    /10とD/3の間にあり、孔の最大寸法Tはこのグリ
    ッドの厚みeより大きくPより少ないことを特徴とする
    請求項1に記載する装置。
  7. 【請求項7】 照射ビームの捕獲と電子の創出ができる
    多重チャンネル構造を前記変換スペース内に更に有し、
    前記多重チャンネル構造の各チャンネルは前記第一の電
    界の方向に延長していることを特徴とする請求項1に記
    載する装置。
  8. 【請求項8】 前記多重チャンネル構造が前記照射ビー
    ムの電離放射線を吸収する材料ブロックで形成されたマ
    イクロチャンネル構造で、前記マイクロチャンネル構造
    は少なくとも一つの開口がこの構造の平面に開かれてい
    る平行マイクロチャンネルを備え、これら開口部組立品
    は前記第二の電極を形成するグリッド内の孔列と同じピ
    ッチPと同じ寸法Tの孔列をこの平らな表面上に形成
    し、前記平らな面と前記開口部の列は前記陰極を形成す
    る前記第二の電極付近に配置され、この開口部列の開口
    部は前記第二の電極を形成するグリッドの孔に対面して
    置かれ、開口部と孔がかくて対面していることを特徴と
    する請求項7に記載する装置。
  9. 【請求項9】 前記検出および計数装置が更に、各要素
    陽極との容量結合で構成される静電検出回路を有し、前
    記静電検出回路は少なくとも第一の導電性ストリップを
    含み、前記導電性ストリップは周期的に二つの要素スト
    リップに分割され、各要素ストリップと各要素陽極との
    静電結合が各要素ストリップが結合されている要素陽極
    のk列に対してそれぞれその機能を増大または抑制する
    機能を有することを特徴とする請求項1に記載する装
    置。
  10. 【請求項10】 前記ガス室内に含まれるガスが10
    paと10pa間の圧力下で急冷材と混合されたキセ
    ノンでことを特徴とする請求項1に記載する装置。
  11. 【請求項11】 前記ガス室内に含まれるガスが、前記
    増幅スペース内で光学的アバランシェ現象による電子の
    増倍を起こさせるようにアルゴンとトリメチルアミンと
    の混合物で構成され、前記要素陽極が透明な導電性要素
    で形成され、かく惹起された光学的アバランシェにより
    発生した光を伝達することを特徴とする請求項1に記載
    する装置。
  12. 【請求項12】 前記要素陽極が、光学的アバランシェ
    現象の波長で光を伝達するか或いは光学的アバランシェ
    現象の波長を可視範囲スペクトル内の波長に変換する表
    面と関連した導電性グリッドで形成されていることを特
    徴とする請求項11に記載する装置。
  13. 【請求項13】 前記計数装置が、感光性フィルム等の
    積分手段で構成され、光及び輝度の増幅手段と関連し、
    表面上に置かれ、光学的アバランシェ現象の波長を伝達
    するかまたは変更できることを特徴とする請求項12に
    記載する装置。
  14. 【請求項14】 発散する電離放射線を放射する電離放
    射線源を含み、電離放射線を使用する高解像度放射線結
    像装置において、 前記装置が、 複数の平板状照射ビームを出すのに適した複数の絞りを
    形成する複数の長軸の間隙を含むコリメーターを含み、
    前記複数の平板状照射ビームは各々この複数の長軸の間
    隙の一つを含む平面内に大体位置し、また、平板状照射
    ビームの一つを含む平面は一緒になって前記電離放射線
    源に向かって集中する平面の束を形成し、 平板状照射ビームのセットを検出する装置を含み前記検
    出装置は少なくとも一個のイオン化粒子検出装置を含
    み、 前記イオン化粒子検出装置が少なくとも、前記照射ビー
    ムの入口窓を有する一つのガス室と、前記ガス室内に含
    まれる第一、第二、第三の平板電極とを含む時、前記各
    電極は照射ビームを電子に変換するスペースと、これら
    電子を増倍により増幅するスペースとを形成するために
    互いに平行に配置され、前記入口窓は前記照射ビームが
    確実に前記変換スペースに入るように変換スペースと同
    一平面に配置され、前記増幅スペースが前記第二及び前
    記第三の電極を隔てる距離で、且つ、200μm未満の増
    倍長さを有し、 前記検出装置が更に、 前記第一の電極を第一の電位に上昇させ、前記第二の電
    極を前記第一の電位より高い第二の電位に上昇させ、前
    記第三の電極を前記第二の電位より高い第三の電位に上
    昇させるに適したバイアス回路を有し、前記第二の電極
    は孔が明けられていて陰極を形成し前記変換スペースで
    発生した電子を増幅スペースに向けて送ることができ、
    前記第三の電極は複数の絶縁された要素陽極により構成
    された陽極を形成し、第一、第二、第三の電極に適用さ
    れた電位は変換スペース内と増幅スペース内に第一及び
    これにほぼ平行な第二の電界を発生させ、これらの各電
    界は前記各電極にほぼ垂直で10をこえる振幅比を有
    し、これにより陽極を形成する前記第三の電極の付近に
    おいて増倍された電子を発生させるため増幅スペース内
    において前記増幅長さに限定したアバランシェ現象によ
    るこれら電子の増倍が可能となり、 前記陽極を形成する前記要素陽極に結合された、増倍さ
    れた電子を検出し計測する装置を含み、 前記少なくとも一個のイオン化粒子検出装置が各平板状
    照射ビームに対面して置かれ、且つ各検出装置が電離放
    射線源とこの検出装置が関連する平板状照射ビームを送
    出する間隙とで形成される平面内に位置することを特徴
    とする高解像度放射線結像装置。
  15. 【請求項15】 β放射線写真術を使用して結像を行う
    ため、電気泳動ゲルからなる電離放射線源またはβ線放
    射場所で照射ビームの正面入り口用窓付近に位置する放
    射能活性場所を有し、前記第一及び第二の電極が前記第
    二と前記第三の電極間の距離に近いかまたはより少ない
    距離Xで隔てられていて、前記変換スペース及び前記増
    幅スペースが前記電極に垂直な方向にほぼ等しい大きさ
    を有し、これにより電離放射線源より放射された各β線
    の経路の長さを第一及び第二の電極間の距離Xにほぼ等
    しい値に制限し、またβ線放射点の位置決め精度をこの
    距離Xに近いかより少ない値にすることができることを
    特徴とする請求項1に記載する装置。
JP9139878A 1996-05-29 1997-05-29 高解像度放射線結像装置 Pending JPH1082863A (ja)

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