JP2019144148A - 物理量検出デバイス、傾斜計、慣性計測ユニット、電子機器、移動体、および構造物監視システム - Google Patents

物理量検出デバイス、傾斜計、慣性計測ユニット、電子機器、移動体、および構造物監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性を維持しつつ高感度な物理量検出デバイスを提供する。【解決手段】物理量検出デバイスは、Z’軸とY’軸とを含む平面を有する水晶基板によってなる物理量検出デバイスであって、基部と、前記基部に連結している可動部と、前記基部と前記可動部とに接続され、物理量を検出する物理量検出素子と、前記基部に連結し、前記基部側とは反対側の領域に設けられている支持部と、を備え、前記Y’軸に沿っている第1部分と、前記X軸の+X方向に沿っている第2部分と、が接続している接続部の内側は、前記X軸に対して傾斜しているコーナー部を含み、前記X軸に対する前記コーナー部の傾斜角度をθ1としたとき、25°≦θ1≦35°を満たしている。【選択図】図3

Description

本発明は、物理量検出デバイス、傾斜計、慣性計測ユニット、電子機器、移動体、および構造物監視システムに関する。
従来から、圧電振動子等を物理量検出素子として用い、例えば加速度等の物理量を検出する物理量検出デバイスが知られている。このような物理量検出デバイスは、検出軸方向に力が作用することによって生じる物理量検出素子の共振周波数の変化から、物理量検出デバイスに印加された力を検出する様に構成されている。
このような物理量検出デバイスとして、例えば特許文献1には、Zカット(Z’カット)水晶基板を用いた加速度センサーが記載されている。この加速度センサーでは、基部と、基部に連結している可動部と、基部と可動部とに接続されている物理量検出素子と、基部に連結して設けられている支持部と、を備えている。
特開2014−85233号公報
しかしながら、近年、このような加速度センサーにおいて更なる高感度化が求められるようになり、高感度化に相反して低下してしまう耐衝撃性を低下させることなく高感度化を実現することのできる加速度センサー、即ち耐衝撃性を維持しつつ高感度な加速度センサーが求められるようになってきた。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態、または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る物理量検出デバイスは、水晶の電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、光学軸としてのZ軸からなる直交座標系の前記X軸を回転軸として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ+Z側が回転するように回転角度φだけ傾けた軸をZ’軸、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ+Y側が回転するように前記回転角度φだけ傾けた軸をY’軸としたとき、前記Z’軸と前記Y’軸とを含む平面を有する水晶基板によってなり、基部と、前記基部に連結している可動部と、前記基部と前記可動部とに接続され、物理量を検出する物理量検出素子と、前記基部に連結して設けられている支持部と、を備え、平面視で、前記Y’軸に沿っている第1部分と、前記X軸の+X方向に沿っている第2部分と、が接続している接続部の内側は、前記X軸に対して傾斜しているコーナー部を含み、前記X軸に対する前記コーナー部の傾斜角度をθ1としたとき、25°≦θ1≦35°を満たしている。
本適用例に記載の物理量検出デバイスによれば、Y’軸に沿っている第1部分と、X軸の+X方向に沿っている第2部分とが接続している接続部の内側の隅部を、X軸に対する傾斜角を、25°≦θ1≦35°を満たして傾斜しているコーナー部とする。
傾斜の設けられていない従来の接続部の内側の隅部では、物理量検出デバイスを形成するウェットエッチング時に、Y’軸に沿っている第1部分と、X軸の+X方向に沿っている第2部分とが接続している接続部の内側の隅部に、異方性による結晶成長の速度の異なる結晶面による残渣(「ヒレ」といわれることもある)が出現する。この残渣が出現すると、物理量検出デバイスに衝撃が加わった場合、残渣と第1部分または第2部分との接続位置(残渣の端部)に応力が集中し、第1部分または第2部分の折れなどの破壊起点となることがある。
これに対し、本適用例のように、Y’軸に沿っている第1部分と、X軸の+X方向に沿っている第2部分とが接続している接続部の内側の隅部を、接続部の内側の隅部に発生する残渣と重なるようにX軸に対して傾斜しているコーナー部とすることにより、エッチング速度の異なる結晶面が無くなることから、接続部の内側の隅部に発生する残渣を生じさせなくすることができる。これにより、耐衝撃性を維持しつつ高感度な物理量検出デバイスを得ることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記コーナー部は、前記コーナー部の厚さをt1、前記コーナー部の前記X軸に沿った長さをL1としたとき、300μm≦t1≦500μm、100μm≦L1≦500μm、を満たしていることが好ましい。
本適用例に記載の物理量検出デバイスによれば、コーナー部の厚さであるt1と、コーナー部のX軸に沿った長さであるL1との関係を、上述の範囲を満たすように設定することにより、接続部の内側の隅部に発生する残渣を生じさせなくすることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、平面視で、前記Y’軸に沿っている第3部分と、前記X軸の−X方向に沿っている第4部分と、が接続している接続部の内側は、前記X軸に対して傾斜している第2のコーナー部を含み、前記X軸に対する前記第2のコーナー部の傾斜角度をθ2としたとき、25°≦θ2≦35°を満たしていることが好ましい。
本適用例に記載の物理量検出デバイスによれば、Y’軸に沿っている第3部分と、X軸の−X方向に沿っている第4部分とが接続している接続部の内側の隅部を、接続部の内側の隅部に発生する残渣と重なるようにX軸に対して傾斜している第2のコーナー部とすることにより、エッチング速度の異なる結晶面が無くなることから、接続部の内側の隅部に発生する残渣を生じさせなくすることができる。これにより、耐衝撃性を維持しつつ高感度な物理量検出デバイスを得ることができる。
[適用例4]
上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記第2のコーナー部は、前記第2のコーナー部の厚さをt2、前記第2のコーナー部の前記X軸に沿った長さをL2としたとき、300μm≦t2≦500μm、100μm≦L2≦500μm、を満たしていることが好ましい。
本適用例に記載の物理量検出デバイスによれば、第2のコーナー部の厚さであるt2と、第2のコーナー部のX軸に沿った長さであるL2との関係を、上述の範囲を満たすように設定することにより、接続部の内側の隅部に発生する残渣を生じさせなくすることができる。
[適用例5]
上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記物理量検出素子は、第1の基部と、第2の基部と、平面視で、前記第1の基部と前記第2の基部との間に配置され、前記第1の基部と前記第2の基部とに接続されている振動部と、を含んでいることが好ましい。
本適用例に記載の物理量検出デバイスによれば、このような物理量検出素子を用いることにより、高精度で物理量を検出することができる。
[適用例6]
上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記振動部は、空隙を介して並んで配置されている複数の振動腕から構成されていることが好ましい。
本適用例に記載の物理量検出デバイスによれば、空隙を介して並んで配置されている複数の振動腕から構成されている振動部を備えていることにより、高精度で物理量を検出することができる。
[適用例7]
上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記物理量は加速度であることが好ましい。
本適用例に記載の物理量検出デバイスによれば、耐衝撃性を維持しつつ高感度な加速度を検出することができる物理量検出デバイスを得ることができる。
[適用例8]
本適用例に係る傾斜計は、上記適用例1ないし7のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスと、前記物理量検出デバイスからの出力信号に基づいて傾斜を算出する回路部と、を含む。
本適用例に記載の傾斜計によれば、耐衝撃性を維持しつつ高感度で検出された物理量検出デバイスからの出力信号に基づいて傾斜を算出することから、信頼性を向上させた傾斜の算出を行うことができる。
[適用例9]
本適用例に係る慣性計測ユニットは、上記適用例7に記載の物理量検出デバイスと、角速度検出デバイスと、前記物理量検出デバイスからの出力信号と、前記角速度検出デバイスからの出力信号と、に基づいて姿勢を算出する回路部と、を含む。
本適用例に記載の係る慣性計測ユニットによれば、耐衝撃性を維持しつつ高感度で検出された加速度と、角速度検出デバイスから検出された角速度とに基づいて、回路部によって姿勢を算出することから、高信頼の物理量データ(加速度および角速度データ)を出力可能な慣性計測ユニットを得ることができる。
[適用例10]
本適用例に係る電子機器は、上記適用例1ないし7のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスと、前記物理量検出デバイスからの出力信号に基づいて制御を行う制御部と、を備えている。
本適用例に記載の係る電子機器によれば、上述のような物理量検出デバイスを搭載することから、上述した物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器を得ることができる。
[適用例11]
本適用例に係る移動体は、上記適用例1ないし7のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスと、前記物理量検出デバイスから出力された検出信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、を備えている。
本適用例に記載の係る移動体によれば、上述のような物理量検出デバイスを搭載することから、上述した物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体を得ることができる。
[適用例12]
本適用例に係る構造物監視システムは、構造物に取り付けられた上記適用例1ないし7のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスと、前記物理量検出デバイスの検出信号を受信する受信部と、前記受信部から出力された出力信号に基づいて前記構造物の傾斜角度を算出する算出部と、を含む。
本適用例に記載の係る構造物監視システムによれば、耐衝撃性を維持しつつ高感度で検出された物理量検出デバイスの検出結果によって、構造物の傾斜角度を算出することから、上述した物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い構造物監視システムを得ることができる。
第1実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図。 第1実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図。 第1実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図。 物理量検出デバイスの接続部(隅部)を拡大して示す拡大平面図。 従来の接続部(隅部)に生じる残渣を示す拡大平面図。 コーナー部の長さ(L)と、せん断強度(g)との相関を示すグラフ。 物理量検出素子の接合状態を模式的に示す図3のA−A断面図。 物理量検出デバイスの動作状態を示す断面図。 物理量検出デバイスの動作状態を示す断面図。 第2実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図。 第2実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図。 物理量検出デバイスの接続部(隅部)を拡大して示す拡大平面図。 第3実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図。 第3実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図。 第4実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図。 第4実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図。 物理量検出デバイスの接続部(隅部)を拡大して示す拡大平面図。 物理量検出器を模式的に示す断面図。 傾斜計の概略構成を示す機能ブロック図。 慣性計測ユニットの概略構成を示す分解斜視図。 慣性計測ユニットの慣性センサー素子の配置例を示す斜視図。 電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を模式的に示す斜視図。 電子機器の一例であるスマートフォン(携帯電話機)の構成を模式的に示す斜視図。 電子機器の一例であるディジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図。 構造物監視システムの概略を示す機能ブロック図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
<物理量検出デバイス>
以下の第1実施形態から第3実施形態に係る物理量検出デバイスの説明で参照する各図面(図6を除く)では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y’軸、Z’軸を図示している。ここでの各軸は、物理量検出デバイスの基材として用いる圧電体材料である水晶の電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、光学軸としてのZ軸からなる直交座標系において、X軸を回転軸として、Z軸をY軸の−Y方向へ+Z側が回転するように回転角度φだけ傾けた軸をZ’軸、Y軸をZ軸の+Z方向へ+Y側が回転するように回転角度φだけ傾けた軸をY’軸としたとき、X軸およびY’軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、該平面と直交するZ’軸方向に所定の厚さtを有した所謂水晶Z板(Z’板)を基材として用いた例を説明する。なお、Z’軸は、物理量検出デバイス100において、重力が作用する方向に沿っている軸としている。
なお、基材として用いる水晶Z板(Z’板)は、周波数温度特性に鑑み、温度変化による共振周波数の変化を小さくする観点から、回転角度φは、−5度以上15度以下(−5°≦φ≦15°)の範囲であることが好ましい。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る物理量検出デバイスについて、図1から図7、および図8A、図8Bを用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図である。図4は、物理量検出デバイスの接続部(隅部)を拡大して示す拡大平面図である。図5は、従来の接続部(隅部)に生じる残渣を示す拡大平面図である。図6は、コーナー部の長さ(L)と、せん断強度(g)との相関を示すグラフである。図7は、物理量検出素子の接合状態を模式的に示す図3のA−A断面図である。図8Aおよび図8Bは、物理量検出デバイスの動作状態を示す断面図である。なお、説明の便宜のため、図2では、質量部80,82および質量接合材86の図示を省略し、図3では、質量部80,82の図示を省略している。
[物理量検出デバイスの構造]
先ず、図1〜図3を参照して、第1実施形態に係る物理量検出デバイス100の構成について説明する。第1実施形態に係る物理量検出デバイス100は、基部10などを含む基板構造体101と、基板構造体101に接続されて物理量を検出する物理量検出素子70と、質量部80,82とを有する。
本実施形態の物理量検出デバイス100の基板構造体101は、図3において斜線(平面視で右上がりのハッチングで示されている領域)で識別されている基部10、継手部12、基部10に連結している可動部14、連結部40、および基部10に連結して設けられている第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、および第4支持部60と、を備えている。ここで、第3支持部50と第4支持部60とは、連結部40を介して連結されている。
詳述すれば、第1支持部20は、平面視で、基部10のX軸の+側に配置されている。第2支持部30は、平面視で、基部10のX軸の−側に配置されている。第3支持部50は、平面視で、第1支持部20よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の+側に配置されている。第4支持部60は、平面視で、第2支持部30よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の−側に配置されている。
なお、本実施形態の物理量検出デバイス100は、その一例として4つの支持部(第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、第4支持部60)を有する形態を例示する。しかし、設けられる支持部の数はこれに限定されることは無く、検出する物理量の条件等に応じて適宜変更しても良いものである。例えば、第3支持部50と第4支持部60との間に配置され、第3支持部50と第4支持部60とを連結している連結部40がなく、第3支持部50と第4支持部60が連結されていない構成であってもよい。
基板構造体101は、圧電材料である水晶の原石などから上述のように所定の角度で切り出された水晶Z板(Z’板)の水晶基板を用いている。当該水晶基板をパターニングすることにより、基板構造体101としてこれらが一体に形成されている。また、パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー技術、およびウェットエッチング技術を用いることができる。
基部10は、継手部12を介して可動部14と接続され、可動部14を支持している。基部10は、継手部12を介した可動部14と、可動部の継手部12の位置する側とは反対側に位置する連結部40と、第1支持部20および第2支持部30と、連結部40を介して互いに連結されている第3支持部50および第4支持部60と、に接続されている。なお、本形態の基部10は、接続されている各部位(継手部12、連結部40、第1支持部20、および第2支持部30)との接続部分までの領域で構成され、図3において、平面視で右上がりのハッチングで示されている領域をいう。但し、基部10を構成する領域は、厳密に定められるものではなく、その境界線の位置を適宜定めることができる。
継手部12は、基部10と可動部14との間に設けられ、基部10および可動部14と接続されている。継手部12の厚さ(Z’軸方向の長さ)は、基部10の厚さ、および可動部14の厚さと比して薄く(短く)設けられており、X軸方向からの断面視で、くびれ状に形成されている。継手部12は、例えば、継手部12を含む基板構造体101を、いわゆるハーフエッチングすることによって厚みの薄い薄肉部12a,12b(図7参照)を形成し、設けることができる。本実施形態において、薄肉部12a,12bは、X軸方向に沿って設けられている。継手部12は、可動部14が基部10に対して変位(回動)する際に、支点(中間ヒンジ)としてX軸方向に沿った回転軸としての機能を有している。なお、基部10には、後述する第1支持部20と、第2支持部30と、第3支持部50と、第4支持部60とが接続されている。
なお、くびれ状の継手部12は、可動部14に可撓性を有するように基板構造体101の一部を薄肉状にした形状であれば、図示のような基板構造体101の両主面に形成された形状以外にも、基板構造体101の両主面のうち何れか一方の面に形成した凹状の溝で構成することもできる。また、くびれ状の継手部12は、例えばX軸方向からの断面視で、基板構造体101の両主面のうち少なくとも何れか一方の面を半円状に切削加工した形状に構成することができる。
可動部14は、基部10に継手部12を介して接続されている。本実施形態において可動部14は、継手部12に対して、Y’軸方向に沿って基部10と反対側の+Y’軸方向に設けられている。可動部14は、その形状が板状であり、Z’軸方向に沿って互いに対向し表裏の関係である主面14a,14bを有している。可動部14は、主面14a,14bと交差する方向(Z’軸方向)に加わる物理量である加速度α1,α2(図8A、図8B参照)に応じて、継手部12を支点(回転軸)として主面14a,14bと交差する方向(Z’軸方向)に変位することができる。
連結部40は、後述する第3支持部50が設けられている+X方向側の基部10からX軸方向に沿って可動部14を囲む様に延在し、後述する第4支持部60が設けられている−X方向側の基部10に接続して設けられている。なお、連結部40は、一例として図3においてクロスハッチングで示す領域をいう。但し、連結部40は、基部10に含まれる構成としてもよく、この場合、図3で示す基部10の領域と、連結部40の領域とを合わせた領域を基部10としてもよい。
[第1支持部、第2支持部の構造]
図3に示す第1支持部20、および第2支持部30は、物理量検出素子70を中心に同図において左右対称に同様の構成で設けられている。換言すると、第1支持部20と、第2支持部30とは、物理量検出素子70が延在するY’軸方向に設定される線分A−Aを中心線として線対称に設けられている。
第1支持部20は、腕部22と、第1固定部29と、を有する。腕部22は、第1曲部22rを介して、第1腕部22aと、第2腕部22bとを有する。第1支持部20は、+X軸方向側の基部10から延在し、基部10と反対側の端部、即ち、第1支持部20の先端側に第1固定部29が設けられている。第1支持部20は、その先端側に設けられた第1固定部29が被固定物としてのパッケージ(不図示)に固定され、基部10を支持する。ここで、第1腕部22aは、Y軸方向に沿って延在する部分であり、第2腕部22bは、X軸方向に沿って延在する部分である。第1腕部22a、および第2腕部22bの区分の一例として、図3において、第1腕部22aは淡ハッチング、第2腕部22bは濃ハッチングのそれぞれ異なるハッチングを施してその領域を示している。
第1支持部20は、可動部14が変位する方向(Z’軸方向)から当該第1支持部20(物理量検出デバイス100)を平面視した場合に、基部10から−Y’軸方向に、Y’軸に沿って第1腕部22aが延在して設けられている。また、第1支持部20は、第1腕部22aの基部10と反対側に第1曲部22rを有し、第1曲部22rを介して第2腕部22bが設けられている。第2腕部22bは、第1曲部22rから−X軸方向に、X軸に沿って設けられている。また、第2腕部22bは、第1曲部22rと反対側において第1固定部29と接続されている。
腕部22は、基部10と第1固定部29との間に位置し、物理量検出素子70が設けられた第1面10a側の裏側の面である第2面10b側から凹む凹部22tが設けられている。換言すれば、凹部22tによって、第1固定部29が、−Z’軸方向に突出する凸形状となる。なお、凹部22tは、その厚みを基部10の厚みの40%以上60%以下の範囲とすることが好ましい。このように、第1固定部29は、被固定物と接合される第2面10b側が凹部22tから突出して設けられている。したがって、第1固定部29は、被固定物と接続される際に、第2面10b側と被固定物とを選択的に当接(接続)させることができる。換言すると、腕部22が被固定物に当接することを抑制することができる。
第2支持部30は、腕部32と、第2固定部39と、を有する。腕部32は、第2曲部32rを介して、第3腕部32aと、第4腕部32bと、を有する。第2支持部30は、−X軸方向側の基部10から延在し、基部10と反対側の端部、即ち、第2支持部30の先端側に第2固定部39が設けられている。第2支持部30は、第1支持部20と同様に、その先端側に設けられた第2固定部39が被固定物としてのパッケージ(不図示)に固定され、基部10を支持する。ここで、第3腕部32aは、Y軸方向に沿って延在する部分であり、第4腕部32bは、X軸方向に沿って延在する部分である。第3腕部32a、および第4腕部32bの区分の一例として、図3において、第3腕部32aは淡ハッチング、第4腕部32bは濃ハッチングのそれぞれ異なるハッチングを施してその領域を示している。
第2支持部30は、可動部14が変位する方向(Z’軸方向)から当該第2支持部30(物理量検出デバイス100)を平面視した場合に、基部10から−Y’軸方向に、Y’軸に沿って第3腕部32aが延在して設けられている。また、第2支持部30は、第3腕部32aの基部10と反対側に第2曲部32rを有し、第2曲部32rを介して第4腕部32bが設けられている。第4腕部32bは、第2曲部32rから+X軸方向に、X軸に沿って設けられている。また、第4腕部32bは、第2曲部32rと反対側において第2固定部39と接続されている。
なお、第2支持部30において、腕部32、凹部32t、第2固定部39は、第1支持部20の腕部22、凹部22t、第1固定部29と同様の構成のため説明を省略する。
[第3支持部、第4支持部の構造]
図3に示す第3支持部50、および第4支持部60は、物理量検出素子70を中心に同図において左右対称に同様の構成で設けられている。換言すると、第3支持部50と、第4支持部60とは、物理量検出素子70が延在するY’軸方向に設定される線分A−Aを中心線として対象に設けられている。
第3支持部50は、腕部52と、第3固定部59と、を有する。腕部52は、第5腕部52aと、第6腕部52bと、第3曲部52rとを有する。第3支持部50は、基部10から連結部40を介して延在し、連結部40と反対側、即ち第3支持部50の先端側に第3固定部59が設けられている。第3固定部59は、後述する被固定物としてのパッケージ(不図示)に固定され基部10を支持するために設けられている。
第3支持部50は、基部10から連結部40を介して第3固定部59まで延在して設けられている。第3支持部50は、可動部14が変位する方向(Z’軸方向)から第3支持部50(物理量検出デバイス100)を平面視した場合に、基部10から連結部40を介して+X軸方向に、X軸に沿って第5腕部52aが延在して設けられている。また、第3支持部50は、第5腕部52aの連結部40と反対側に第3曲部52rを有し、第3曲部52rを介して第6腕部52bが設けられている。第6腕部52bは、第3曲部52rから−Y’軸方向に、Y’軸に沿って設けられている。また、第6腕部52bは、第3曲部52rと反対側において第3固定部59と接続されている。ここで、第5腕部52a、および第6腕部52bの区分の一例として、図3において、第5腕部52aは濃ハッチング、第6腕部52bは淡ハッチングのそれぞれ異なるハッチングを施してその領域を示している。
腕部52は、連結部40を介して基部10と第3固定部59との間に位置し、物理量検出素子70が設けられた第1面10a側の裏側の面である第2面10b側から凹む凹部52tが設けられている。換言すれば、凹部52tによって、第3固定部59が、−Z’軸方向に突出する凸形状となる。なお、凹部52tは、その厚みを基部10の厚みの40%以上60%以下の範囲とすることが好ましい。このように、第3固定部59は、被固定物と接合される第2面10b側が凹部52tから突出して設けられている。したがって、第3固定部59は、被固定物と接続される際に、第2面10b側と被固定物とを選択的に当接(接続)させることができる。換言すると、腕部52が被固定物に当接することを抑制することができる。
第4支持部60は、腕部62と、第4固定部69と、を有する。腕部62は、第4曲部62rを介して、第7腕部62aと、第8腕部62bと、を有する。第4支持部60は、基部10から連結部40を介して延在し、連結部40と反対側の端部、即ち、第4支持部60の先端側に第4固定部69が設けられている。第4支持部60は、第3支持部50と同様に、その先端側に設けられた第4固定部69が被固定物としてのパッケージ(不図示)に固定され、連結部40を介して基部10を支持する。
第4支持部60は、可動部14が変位する方向(Z’軸方向)から当該第4支持部60を平面視した場合に、基部10から連結部40を介して−X軸方向に、X軸に沿って第7腕部62aが延在して設けられている。また、第4支持部60は、第7腕部62aの連結部40と反対側に第4曲部62rを有し、第4曲部62rを介して第8腕部62bが設けられている。第8腕部62bは、第4曲部62rから−Y’軸方向に、Y’軸に沿って延在して設けられている。また、第8腕部62bは、第4曲部62rと反対側において第4固定部69と接続されている。ここで、第7腕部62a、および第8腕部62bの区分の一例として、図3において、第7腕部62aは濃ハッチング、第8腕部62bは淡ハッチングのそれぞれ異なるハッチングを施してその領域を示している。
なお、第4支持部60において、腕部62、凹部62t、第4固定部69は、第3支持部50の腕部52、凹部52t、第3固定部59と同様の構成のため説明を省略する。
なお、本実施形態の物理量検出デバイス100において、各支持部(第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、第4支持部60)に設けられた各凹部22t,32t,52t,62tは、可動部14を囲む様に設けられている。
上述したような、水晶Z板(Z’板)の水晶基板を用いている水晶基板からウェットエッチングによって従来の基板構造体を形成する際、図5に示すように、Y’軸に沿っている第1部分(本実施形態では、例えば、第1部分121が相当する。以下「第1部分40az」として説明する)と、X軸の+X方向に沿っている第2部分(本実施形態では、例えば、第2部分129が相当する。以下「第2部分40bz」として説明する)とが接続している接続部の内側に、水晶のエッチング異方性による結晶成長の速度の異なる結晶面による残渣95(「ヒレ」といわれることもある)が出現する。残渣95は、第2部分40bzの内壁面に対して傾斜角度θ0の概三角形の形状で、第1部分40azの内壁面と第2部分40bzの内壁面とに亘り出現する。このような残渣95が出現すると、物理量検出デバイス100に、例えば過度の衝撃が加わった場合、残渣95と第1部分40azまたは第2部分40bzとの接続位置95c(残渣の端部)に応力が集中し、第1部分40azと第2部分40bzとの接続領域にクラックが生じてしまう起点、もしくは第1部分40azまたは第2部分40bzの折れなどの起点となり、耐衝撃性を低下させる一因となっていた。
このような現象に鑑みて、本実施形態の基板構造体101では、代表例として図4に示すように、Y’軸に沿って設けられている第1部分121と、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分129とが接続している接続領域の内側の隅部に、X軸に対しての傾斜角度θ1を、25°≦θ1≦35°を満たして傾斜しているコーナー部としての傾斜部26を設けた構成としている。傾斜部26は、Z’軸方向からの平面視で、傾斜部26を設けない場合に出現する残渣95(図5参照)と重なるようにX軸に対して傾斜して設けられている。本実施形態の基板構造体101では、コーナー部としての傾斜部26を7箇所に配置している。
傾斜部26は、図4に示すように、傾斜部26の厚さをt1(換言すれば、基部10の厚さということができる。(図7参照))、および傾斜部26のX軸に沿った長さをL1としたとき、300μm≦t1≦500μm、および、100μm≦L1≦500μm、を満たして設けられていることが好ましい。図6のグラフに示すように、傾斜部26のX軸に沿った長さL1を、100μm≦L1≦500μmとしたとき、明らかにX方向のせん断強度が高くなることがわかる。図6に示す評価結果では、傾斜部26を設けない構成(L1=0:ゼロ)と比較して、傾斜部26のX軸に沿った長さL1を100μmとしたときは、約1.2倍のせん断強度を得られ、長さL1を500μmとしたときは、約2.5倍のせん断強度を得ることができることがわかる。
このように、Y’軸に沿って設けられている第1部分121と、X軸の+X軸方向に沿って設けられている第2部分129とが接続している接続部の内側に、上述の構成のコーナー部としての傾斜部26を設けることにより、エッチング速度の異なる結晶面が無くなる(生じ難くなる)ことから、従来の傾斜部26を設けない接続部の内側に発生する残渣95を生じさせなくすることができる。これにより、物理量検出デバイス100に衝撃が加わった場合に、折れなどの破壊起点となり得る応力集中箇所が無くなり、物理量検出デバイス100の耐衝撃性を向上させることができる。
なお、傾斜部26は、代表例として上述にて説明した第1部分121と第2部分129とが接続している接続部の内側の他にも、Y’軸に沿って設けられている第1部分と、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分との接続部に配置することができ、同様な効果を奏することができる。本実施形態おける傾斜部26は、他の配置箇所として、具体的に、第1部分122と第2部分123との接続部、第1部分124と第2部分125との接続部、第1部分116aと第2部分126bとの接続部、第1部分126aと第2部分130との接続部、第1部分127と第2部分128との接続部、第1部分としての第1腕部22aと第2部分としての第2腕部22bとの接続部に設けられている。なお、図3には、第1部分121と第2部分129のそれぞれにおける概ねの領域をハッチングを付して示している。
[物理量検出素子]
図3および図7に示す様に、物理量検出素子70は、基板構造体101の基部10と、可動部14とに接続して設けられている。換言すると、物理量検出素子70は、基板構造体101の基部10と、可動部14とに跨がるように設けられている。物理量検出素子70には、振動部としての振動梁部71a,71bと、第1の基部としてのベース部72aと第2の基部としてのベース部72bと、を有している。本実施形態の物理量検出素子70は、例えば、可動部14が物理量に応じて変位することで、振動梁部71a,71bに応力が生じ、振動梁部71a,71bに発生する物理量検出情報が変化する。換言すると、振動梁部71a,71bの振動周波数(共振周波数)が変化する。なお、本実施形態において物理量検出素子70は、2本の振動梁部71a,71bと、一対のベース部72a,72bと、を有する双音叉素子(双音叉型振動素子)である。なお、振動部としての振動梁部71a,71bは、振動腕、振動ビーム、柱状ビーム、ということもある。
振動梁部71a,71bは、可動部14の延在するY’軸方向に沿ってベース部72aと、ベース部72bの間に延在して設けられている。振動梁部71a,71bは、空隙を介して並んで配置されている。振動梁部71a,71bの形状は、例えば、角柱状である。振動梁部71a,71bは、当該振動梁部71a,71bに設けられた励振電極(図示せず)に駆動信号が印加されると、X軸方向に沿って、互いに離間、または近接するように屈曲振動することができる。本形態のように、振動梁部71a,71bが2つの場合は、振動梁部71a,71bの長手方向の中央が互いに離れ、互いに近づくような振動、所謂逆相モードで振動させることにより、一対の振動梁部71a,71bは対称性を有する振動となることにより、外部への振動漏れを低減することができる。
ベース部72a,72bは、振動梁部71a,71bの両端に接続されている。図3に示す形態では、ベース部72aは、基部10の第1面10a(物理量検出素子70が設けられた面)に検出素子接合材84を介して固定されている。ベース部72bは、可動部14の主面14a(基部10の第1面10aと同じ側の主面)に検出素子接合材84を介して接続されている。検出素子接合材84としては、例えば、低融点ガラスや、共晶接合可能な金(Au)と錫(Sn)との合金被膜を用いることができる。
本実施形態における物理量検出素子70は、圧電材料である水晶の原石などから、上述した基板構造体101と同様に、所定の角度で切り出された水晶Z板(Z’板)の水晶基板を用いている。物理量検出素子70は、当該水晶基板を、フォトリソグラフィー技術、およびエッチング技術によってパターニングすることにより形成されている。これにより、振動梁部71a,71b、およびベース部72a,72bを、一体に形成することができる。
なお、物理量検出素子70の材質は、前述の水晶基板に限定されるものではない。例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)等の圧電材料を用いることができる。また、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体(圧電材料)皮膜を備えたシリコンなどの半導体材料を用いることができる。但し、基板構造体101と同様の材料を用いることが好ましい。
物理量検出素子70のベース部72a上には、例えば、引き出し電極(図示省略)が設けられている。引き出し電極は、振動梁部71a,71bに設けられた励振電極(図示省略)と電気的に接続されている。
引き出し電極は、例えば、金(Au)、アルミニウム(Al)等の金属ワイヤー(図示省略)によって、基部10の第1面10aに設けられた接続端子(図示省略)と電気的に接続されている。なお、接続端子は、図示しない配線によって、固定部接続端子79b(図3において図示省略)と電気的に接続されている。
励振電極、引き出し電極、接続端子、および固定部接続端子79bは、例えば、クロム(Cr)層を下地として、その上に金(Au)層を積層した積層体を用いる。励振電極、引き出し電極、接続端子、および外部接続端子は、例えば、スパッタ法などによって導電層を形成し、当該導電層をパターニングすることによって設けられている。
質量部80,82は、図1および図7に示すように、可動部14の主面14aと、主面14aと表裏の関係で裏面となる主面14bと、に設けられている。より詳細には、質量部80は、質量接合材86を介して主面14aに設けられ、質量部82は、質量接合材86を介して主面14bに設けられている。質量部80,82の材質としては、例えば、銅(Cu)、金(Au)などの金属が挙げられる。また、質量接合材86としては、例えば、シリコーン樹脂を含む熱硬化型接着剤を用いることができる。
なお、本実施形態では可動部14の主面14a,14bのそれぞれに、2つの質量部80,82が設けられている。しかし、これに限定されることなく、いずれか一方の主面14a,14bに一つ、または複数の質量部80,82を設けてもよい。
また、本実施形態では、物理量検出素子70は、振動部を振動梁部71a,71bの2つの柱状ビームにより構成した双音叉振動子により構成したが、これを1つの柱状ビーム(シングルビーム)により構成することもできる。これにより、柱状ビームに対して第1の基部(ベース部)72a、第2の基部(ベース部)72bから印加される力が大きくなるので、共振周波数の変化量が大きくなり、物理量検出素子70の感度を向上させることができる。
また、振動部を2つ以上の柱状ビームにより構成することが可能である。この場合、各柱状ビームの振動に対称性を持たせることにより、振動漏れを低減してQ値の高い物理量検出素子70とすることができる。
更に、例えば、材料として、周波数温度特性が3次曲線であるATカット水晶やSCカット水晶などを用いてなる厚みすべり振動モードで振動する水晶振動子も物理量検出素子70に適用可能である。更にまた、物理量検出素子70としては、圧電振動子としてのSAW(Surface Acoustic Wave)共振子を採用してもよい。振動子(共振子)の基板材料としては、水晶に限定されず、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電単結晶や、ジルコン酸チタン酸鉛等の圧電セラミックス等の圧電材料を用いてもよい。
ここで、本発明に係る物理量検出素子70の振動(駆動)方式は、圧電駆動に限定されない。例えば、本発明に係る物理量検出素子70は、前述したような圧電基板を用いた圧電駆動型のもの以外に、静電気力を用いた静電駆動型や、磁力を利用したローレンツ駆動型などの振動片であってもよい。例えば静電駆動型の場合は、歪みが集中する部分(振動腕の根元付近)に駆動電極やそれを保護する保護膜などを形成する必要がないので、駆動電極や保護膜と水晶基板との界面で発生する熱応力の影響を受け難く、熱応力の緩和に起因した周波数変動を低減することができる。一方、圧電駆動型は、駆動電極や電極パッドを形成するだけでよいので、製造が容易である。
[物理量検出デバイスの動作]
次に、図8Aおよび図8Bを参照して、物理量検出デバイス100の動作について説明する。なお、同図において、Z’軸は、重力が作用する方向に沿った軸としている。物理量検出デバイス100は、物理量として、例えば加速度を検出する加速度検出センサーとして機能させることができる。以下、物理量検出デバイス100に加速度が加わった場合の動作について説明する。
図8Aに示すように、物理量検出デバイス100は、−Z’軸方向に加速度α1(重力方向に加えられる加速度)が加わると、加速度α1に応じて、可動部14が継手部12を支点にして−Z’軸方向に変位する。これにより、物理量検出素子70には、Y’軸に沿ってベース部72aとベース部72bとが矢印β1(互いに離れる)方向の力(張力)が加わり、振動梁部71a,71bには矢印β1方向の引っ張り応力が生じる。そのため、振動梁部71a,71bの振動周波数(共振周波数)は、高くなる。
一方、図8Bに示すように、物理量検出デバイス100では、+Z’軸方向に加速度α2(重力方向と反対方向に加えられる加速度)が加わると、加速度α2に応じて、可動部14が継手部12を支点にして+Z’軸方向に変位する。これにより、物理量検出素子70には、Y’軸に沿ってベース部72aとベース部72bとが矢印β2(互いに近づく)方向の力(圧縮力)が加わり、振動梁部71a,71bには矢印β2方向の圧縮応力が生じる。そのため、振動梁部71a,71bの振動周波数(共振周波数)は、低くなる。
ここで、連結部40は、図8Aおよび図8Bに示すように、Z’軸方向に加わる加速度α1,α2が所定の大きさより大きい場合、質量部80,82と接触することができる。そのため、Z’軸方向の可動部14の変位を、連結部40によって所定の範囲内に規制することができる。これにより、可動部14が過度に変位することによる物理量検出デバイス100の破損を抑制することができる。
なお、本実施形態では、物理量検出素子70として、いわゆる双音叉素子(双音叉型振動素子)を用いた例について説明したが、可動部14の変位に基づいて振動周波数が変化し、物理量を検出することができれば、物理量検出素子70の形態は、上述したように特に限定されない。
上述した第1実施形態によれば、Y’軸に沿って設けられている第1部分121と、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分129とが接続している接続部の内側の隅部に、上述した構成のコーナー部としての傾斜部26を設ける。これにより、ウェットエッチングにおけるエッチング速度の異なる結晶面が傾斜部26によって露出しなくなることから、従来発生していた接続部の内側に発生する残渣95(図5参照)を生じさせなくする(生じさせ難くする)ことができる。これにより、物理量検出デバイス100に衝撃が加わった場合に、折れなどの破壊起点となり得る応力集中箇所が無くなり、物理量検出デバイス100の耐衝撃性を向上させることができる。また、これにより、基板構造体101を必要以上に厚くすることが不要になるため、物理量検出デバイス100の感度を高めることができる。したがって、耐衝撃性を維持しつつ高感度な物理量検出デバイス100を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る物理量検出デバイスについて、図9、図10、および図11を用いて説明する。図9は、第2実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図である。図10は、第2実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図である。図11は、物理量検出デバイスの接続部(隅部)を拡大して示す拡大平面図である。図9、図10および図11に示す第2実施形態に係る物理量検出デバイス100aは、前述した第1実施形態に係る物理量検出デバイス100と比し、傾斜部26に替えて傾斜部24が配設された構成であり、他の構成は同様である。したがって、以下の説明では、異なる構成の傾斜部24の配置を中心に説明し、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係る物理量検出デバイス100aは、図9、図10、および図11に示すように、基部10と、継手部12と、基部10に連結している可動部14と、連結部40と、物理量を検出する物理量検出素子70とを有する。ここで、基部10は、第1実施形態と同様に、図3において斜線(平面視で右上がりのハッチングで示されている領域)で識別されている領域をいう。また、物理量検出デバイス100aは、図示を省略するが、第1実施形態で示したような質量部80,82も有している。
さらに、物理量検出デバイス100aは、基部10側に連結して設けられている第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、および第4支持部60を有する。ここで、第3支持部50と第4支持部60とが連結部40を介して連結されている。
詳述すれば、第1支持部20は、平面視で、基部10のX軸の+側に配置されている。第2支持部30は、平面視で、基部10のX軸の−側に配置されている。第3支持部50は、平面視で、第1支持部20よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の+側に配置されている。第4支持部60は、平面視で、第2支持部30よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の−側に配置されている。
なお、本実施形態の物理量検出デバイス100aは、その一例として4つの支持部(第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、第4支持部60)を有する形態を例示する。しかし、設けられる支持部の数はこれに限定されることは無く、検出する物理量の条件等に応じて適宜変更しても良いものである。例えば、第3支持部50と第4支持部60との間に配置され、第3支持部50と第4支持部60とを連結している連結部40がなく、第3支持部50と第4支持部60が連結されていない構成であってもよい。
第2実施形態に係る物理量検出デバイス100aは、基板構造体101aにコーナー部としての傾斜部24を設けた構成となっている。物理量検出デバイス100aの他の構成は、前述した第1実施形態の物理量検出デバイス100と同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、本実施形態の基板構造体101aでは、傾斜部24を7箇所に配置している。
コーナー部としての傾斜部24は、Y’軸に沿って設けられている第1部分と、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分とが接続している接続部の内側に設けられ、X軸に対して傾斜角度θ1で傾斜している。なお、傾斜部24の傾斜角度θ1は、25°≦θ1≦35°を満たしていることが好ましい。
以下、本実施形態の基板構造体101aにおける傾斜部24の代表例として、第3支持部50を構成する第5腕部52aと第6腕部52bとの接続部に設けられた傾斜部24を挙げて説明する。本例では、図11に示すように、Y’軸に沿って設けられている第1部分に第5腕部52bが相当し、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分に第6腕部52aが相当する。傾斜部24は、第1部分としての第5腕部52bと、第2部分としての第6腕部52aとが接続している接続部の内側の隅部に、X軸に対する傾斜角度θ1が、25°≦θ1≦35°を満たすように設けられている。なお、傾斜部24は、Z軸方向からの平面視で、傾斜部24を設けない場合に出現する残渣(不図示)と重なるように設けられている。
傾斜部24は、図11に示すように、傾斜部24の厚さをt1(換言すれば、第5腕部52aと第6腕部52bの厚さということができる(図7参照))、および傾斜部24のX軸に沿った長さをL11としたとき、300μm≦t1≦500μm、および、100μm≦L1≦500μm、を満たして設けられていることが好ましい。このように構成することにより、図6のグラフを参照して説明したように、X方向のせん断強度を高くすることができる。
このように、Y’軸に沿って設けられている第1部分としての第5腕部52aと、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分としての第6腕部52bとが接続している接続部の内側に、上述の構成のコーナー部としての傾斜部24を設けることにより、エッチング速度の異なる結晶面が無くなることから、従来の傾斜部24を設けない接続部の内側に発生する残渣を生じさせなくすることができる。これにより、物理量検出デバイス100に衝撃が加わった場合に、折れなどの破壊起点となり得る応力集中箇所が無くなり、物理量検出デバイス100の耐衝撃性を向上させることができる。
なお、傾斜部24は、代表例として上述にて説明した第1部分としての第5腕部52aと、第2部分としての第6腕部52bとが接続している接続部の内側の他にも、Y’軸に沿って設けられている第1部分と、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分との接続部に配置することができ、同様な効果を奏することができる。本実施形態おける傾斜部24は、他の配置箇所として、具体的に、第1部分としての第1腕部22aと第2部分111との接続部、第1部分113と第2部分114bとの接続部、第1部分114aと第2部分115との接続部、第1部分116と第2部分としての第7腕部62aとの接続部、第1部分117と第2部分112との接続部、第1部分118と第2部分119との接続部に設けられている。なお、図10には、第1部分および第2部分のそれぞれにおける概ねの領域をハッチングを付して示している。
上述した第2実施形態によれば、Y’軸に沿って設けられている、例えば第6腕部52bと、X軸の+X方向に沿って設けられている、例えば第5腕部52aとが接続している接続部(第3曲部52r)の内側の隅部に、上述した構成のコーナー部としての傾斜部24を設ける。これにより、ウェットエッチングにおけるエッチング速度の異なる結晶面が傾斜部24によって露出しなくなることから、接続部の内側に発生する残渣を生じさせなくする(生じ難くする)ことができる。これにより、物理量検出デバイス100aに過度の衝撃が加わった場合に、折れなどの起点となり得る応力集中箇所が無くなり、物理量検出デバイス100aの耐衝撃性を向上させることができる。また、これにより、基板構造体101aを必要以上に厚くすることが不要になるため、物理量検出デバイス100aの感度を高めることができる。したがって、耐衝撃性を維持しつつ高感度な物理量検出デバイス100aを得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る物理量検出デバイスについて、図12および図13を用いて説明する。図12は、第3実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図である。図13は、第3実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図である。図12および図13に示す第3実施形態に係る物理量検出デバイス100bは、前述した第1実施形態に係る物理量検出デバイス100に設けられている傾斜部26と、第2実施形態に係る物理量検出デバイス100aに設けられている傾斜部24と、が配置された構成であり、他の構成は同様である。したがって、以下の説明では、傾斜部26および傾斜部24の配置を中心に説明し、前述の実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係る物理量検出デバイス100bは、図12および図13に示すように、基部10と、継手部12と、基部10に連結している可動部14と、連結部40と、物理量を検出する物理量検出素子70とを有する。ここで、基部10は、第1実施形態と同様に、図3において斜線(平面視で右上がりのハッチングで示されている領域)で識別されている領域をいう。また、物理量検出デバイス100bは、図示を省略するが、第1実施形態で示したような質量部80,82も有している。
さらに、物理量検出デバイス100bは、基部10側に連結して設けられている第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、および第4支持部60を有する。ここで、第3支持部50と第4支持部60とが連結部40を介して連結されている。
詳述すれば、第1支持部20は、平面視で、基部10のX軸の+側に配置されている。第2支持部30は、平面視で、基部10のX軸の−側に配置されている。第3支持部50は、平面視で、第1支持部20よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の+側に配置されている。第4支持部60は、平面視で、第2支持部30よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の−側に配置されている。
なお、本実施形態の物理量検出デバイス100bは、その一例として4つの支持部(第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、第4支持部60)を有する形態を例示する。しかし、設けられる支持部の数はこれに限定されることは無く、検出する物理量の条件等に応じて適宜変更しても良いものである。例えば、第3支持部50と第4支持部60との間に配置され、第3支持部50と第4支持部60とを連結している連結部40がなく、第3支持部50と第4支持部60が連結されていない構成であってもよい。
第3実施形態に係る物理量検出デバイス100bは、基板構造体101bに第1実施形態で説明した傾斜部26に加えて、第2実施形態で説明した傾斜部24を設けた構成となっている。本実施形態の基板構造体101bでは、コーナー部としての傾斜部26、および傾斜部24を、それぞれ7箇所に配置している。傾斜部26、および傾斜部24の詳細構成は、前述と同様であるのでは、詳細な説明は省略する。
上述した第3実施形態によれば、Y’軸に沿って設けられている第1部分(例えば第1腕部22a)と、X軸の+X方向に沿って設けられている第2部分(例えば第2腕部22b)とが接続している接続部(第1曲部22r)の全ての内側に、コーナー部としての傾斜部26および傾斜部24が設けられている。これにより、ウェットエッチングにおけるエッチング速度の異なる結晶面が傾斜部26および傾斜部24によって露出しなくなることから、残渣を生じさせなくする(生じさせ難くする)ことができる。これにより、物理量検出デバイス100bに衝撃が加わった場合に、折れなどの起点となり得る応力集中箇所が無くなり、物理量検出デバイス100bの耐衝撃性を向上させることができる。また、これにより、基板構造体101bを必要以上に厚くすることが不要になるため、物理量検出デバイス100bの感度を高めることができる。したがって、耐衝撃性を維持しつつ高感度な物理量検出デバイス100bを得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る物理量検出デバイスについて、図14、図15、および図16を用いて説明する。図14は、第4実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す斜視図である。図15は、第4実施形態に係る物理量検出デバイスを模式的に示す平面図である。図16は、物理量検出デバイスの接続部(隅部)を拡大して示す拡大平面図である。図14および図15に示す第4実施形態に係る物理量検出デバイス100cは、前述した第2実施形態に係る物理量検出デバイス100aと比し、傾斜部24,26に加えて、第2のコーナー部としての第3の傾斜部28が配置された構成であり、他の構成は同様である。したがって、以下の説明では、異なる構成の第3の傾斜部28の配置を中心に説明し、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
第4実施形態に係る物理量検出デバイス100cは、図14および図15に示すように、基部10と、継手部12と、基部10に連結している可動部14と、連結部40と、物理量を検出する物理量検出素子70とを有する。ここで、基部10は、第1実施形態と同様に、図3において斜線(平面視で右上がりのハッチングで示されている領域)で識別されている領域をいう。また、物理量検出デバイス100cは、図示を省略するが、第1実施形態で示したような質量部80,82も有している。
さらに、物理量検出デバイス100cは、基部10側に連結して設けられている第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、および第4支持部60を有する。ここで、第3支持部50と第4支持部60とが連結部40を介して連結されている。
詳述すれば、第1支持部20は、平面視で、基部10のX軸の+側に配置されている。第2支持部30は、平面視で、基部10のX軸の−側に配置されている。第3支持部50は、平面視で、第1支持部20よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の+側に配置されている。第4支持部60は、平面視で、第2支持部30よりもY軸の+側に配置され、且つ、基部10のX軸の−側に配置されている。
なお、本実施形態の物理量検出デバイス100cは、その一例として4つの支持部(第1支持部20、第2支持部30、第3支持部50、第4支持部60)を有する形態を例示する。しかし、設けられる支持部の数はこれに限定されることは無く、検出する物理量の条件等に応じて適宜変更しても良いものである。例えば、第3支持部50と第4支持部60との間に配置され、第3支持部50と第4支持部60とを連結している連結部40がなく、第3支持部50と第4支持部60が連結されていない構成であってもよい。
第4実施形態に係る物理量検出デバイス100cは、基板構造体101cに、第3実施形態で説明した傾斜部24,26に加えて、第2のコーナー部としての第3の傾斜部28を設けた構成となっている。
第2のコーナー部としての第3の傾斜部28は、一例として、Y’軸に沿って設けられている第3部分132,134と、X軸の−X方向に沿って設けられている第4部分131,133とが接続している接続部の内側に設けられている。第3の傾斜部28は、X軸に対して傾斜角度θ2で傾斜している。なお、第3の傾斜部28の傾斜角度θ2は、25°≦θ2≦35°を満たしていることが好ましい。
また、第3の傾斜部28は、図16に示すように、第3の傾斜部28の厚さ(Z軸方向の厚さ)をt2(換言すれば、基部10の厚さということができる(図7参照))、および第3の傾斜部28のX軸に沿った長さをL2としたとき、300μm≦t2≦500μm、および、100μm≦L2≦500μm、を満たして設けられていることが好ましい。このように構成することにより、図6のグラフを参照して説明したように、X方向のせん断強度を高くすることができる。
第3の傾斜部28は、図15に示すY’軸に沿って、物理量検出素子70の中心を通る線分B−Bを中心線として、第3実施形態で説明した傾斜部24,26の配置位置と対称となる位置の接続部の内側に、傾斜部24,26の形状と対称形状となるように設けられている。本実施形態の基板構造体101cでは、第3の傾斜部28を14箇所に配置している。
上述した第4実施形態によれば、複数の第3の傾斜部28は、第3実施形態で説明した傾斜部24,26の配置位置に対して、物理量検出素子70の中心を通る線分B−Bを中心線として同図において左右対称に配置されている。したがって、物理量検出デバイス100cは、基板構造体101cの構成に構造対称性があることから、第1実施形態ないし第3実施形態のいずれかの効果に加えて、不要な共振モード信号(スプリアス)の発生を減少させることができ、不要な共振モード信号(スプリアス)と、物理量検出素子70の検出信号との結合による、物理量検出デバイス100cから出力される出力信号の変動を防ぐことができる。
なお、前述した各実施形態では、X軸、Y’軸およびZ’軸が互いに直交しているが、厳密な直交でなくてもよく、例えば、X軸がY’Z’平面の法線方向に対して若干傾いていてもよいし、Y’軸がXZ’平面の法線方向に対して若干傾いていてもよいし、Z’軸がXY’平面の法線方向に対して若干傾いていてもよい。なお、若干とは、物理量検出デバイス100,100a,100b,100cがその効果を発揮することができる範囲を意味し、具体的な傾き角度(数値)は、構成等によって異なる。
また、本実施形態の物理量検出デバイス100,100a,100b,100cは、上述した加速度を検知する加速度センサーとして適用することができる。また、慣性センサー、振動センサー(振動計)、重力センサー(重力計)、傾斜センサー(傾斜計)としても適用することができる。
<物理量検出器>
次に、図17を参照して、前述した物理量検出デバイス100,100a,100b,100cのいずれかを備えた物理量検出器について説明する。図17は、物理量検出器を模式的に示す断面図である。なお、物理量検出器に係る以下の説明では、物理量検出デバイス100を搭載した構成を例示して説明する。
物理量検出器300は、図17に示すように、第1実施形態で説明した物理量検出デバイス100が搭載(収容)されている。搭載されている物理量検出デバイス100の構成は第1実施形態と同様であるため、同様の構成には同様の符号を付して説明を簡略、または省略する。
物理量検出器300は、図17に示すように、上述した第1実施形態に係る物理量検出デバイス100と、パッケージ310とを有する。また、パッケージ310は、パッケージベース320と、リッド330とを有する。本実施形態の物理量検出器300は、パッケージ310に物理量検出デバイス100が収容(搭載)されている。より詳細には、パッケージベース320と、リッド330とが接続されて設けられた空間311に、物理量検出デバイス100が収容(搭載)されている。
パッケージベース320には、凹部321を有し、当該凹部321内に物理量検出デバイス100が設けられている。パッケージベース320の形状は、凹部321内に物理量検出デバイス100を設けることができれば、特に限定されない。本実施形態においてパッケージベース320としては、例えば、セラミックスを用いている。しかし、これに限定されること無く、水晶、ガラス、シリコンなどの材料を用いることができる。
パッケージベース320は、パッケージベース320の内底面(凹部の内側の底面)322から、リッド330側に突出した段差部323を有する。段差部323は、例えば、凹部321の内壁に沿って設けられている。段差部323には、複数の内部端子340bが設けられている。
内部端子340bは、物理量検出デバイス100の各固定部(29,39,59,69)に設けられた固定部接続端子(例えば、固定部接続端子79b)と対向する位置(平面視において重なる位置)に設けられている。例えば、第2固定部39に設けられた固定部接続端子79bは、接合材343を介して内部端子340bと電気的に接続されている。なお、接合材343としては、例えば、金属フィラーなどの導電性物質を含むシリコーン樹脂系の導電性接着剤を用いることができる。
各支持部(20,30,50,60)に備える各固定部(29,39,59,69)は、接合材343を介して凹部321に固定されることで、物理量検出デバイス100は、パッケージベース320に実装され、パッケージ310内に収容される。
パッケージベース320の外底面(内底面322と反対側の面)324には、外部の部材に実装される際に用いられる外部端子344が設けられている。外部端子344は、図示しない内部配線を介して内部端子340bと電気的に接続されている。
内部端子340b、および外部端子344は、例えば、タングステン(W)等のメタライズ層に、ニッケル(Ni)、金(Au)などの皮膜をメッキなどの方法により積層した金属膜で構成されている。
パッケージベース320には、凹部321の底部にパッケージ310の内部(キャビティー)を封止する封止部350が設けられている。封止部350は、パッケージベース320に形成された貫通孔325内に設けられている。貫通孔325は、外底面324から内底面322まで貫通している。図17に示す例では、貫通孔325は、外底面324側の孔径が内底面322側の孔径より大きい段付きの形状を有している。封止部350は、貫通孔325に、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)合金、ハンダ等からなる封止材を配置し、加熱溶融後、固化させることで設けられる。封止部350は、パッケージ310の内部を気密に封止するために設けるものである。
リッド330は、パッケージベース320の凹部321を覆って設けられている。リッド330の形状は、例えば、板状である。リッド330としては、例えば、パッケージベース320と同じ材料や、鉄(Fe)とニッケル(Ni)の合金、ステンレス鋼などの金属を用いることができる。リッド330は、リッド接合部材332を介して、パッケージベース320に接合されている。リッド接合部材332としては、例えば、シームリング、低融点ガラス、無機系接着剤等を用いることができる。
リッド330をパッケージベース320接合した後、パッケージ310の内部が減圧された状態(真空度の高い状態)で、貫通孔325内に封止材を配置し、加熱溶融後、固化させて封止部350を設けることによって、パッケージ310内を気密に封止することができる。パッケージ310の内部は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されていてもよい。
物理量検出器300において、外部端子344、内部端子340b、固定部接続端子79bなどを経由して、物理量検出デバイス100の励振電極に駆動信号が与えられると、物理量検出素子70の振動梁部71a,71bは、所定の周波数で振動(共振)する。そして、物理量検出器300は、印加される加速度α1,α2に応じて変化する物理量検出素子70の共振周波数を出力信号として、出力することができる。
また、物理量検出器300には、物理量検出デバイス100から出力される出力信号を処理する電子回路(不図示)を搭載してもよい。物理量検出器300において、電子回路から内部端子340b、固定部接続端子79bなどを経由して、物理量検出デバイス100の励振電極に駆動信号が与えられる。駆動信号が与えられると、物理量検出素子70の振動梁部71a,71bは、所定の周波数で屈曲振動(共振)する。そして、物理量検出器300は、印加される加速度α1,α2に応じて変化する物理量検出素子70から出力される共振周波数を電子回路で増幅して外部端子344から物理量検出器300の外部に出力することができる。
なお、物理量として傾斜を検出する物理量検出器300に物理量検出デバイス100を用いた場合には、物理量検出器300の姿勢(傾斜)の変化に応じて、重力加速度が加わる方向が変化し、搭載されている物理量検出デバイス100の振動梁部71a,71bに引っ張り応力や圧縮応力が生じる。そして、振動梁部71a,71bの共振周波数が変化する。物理量検出器300は、当該共振周波数の変化を姿勢(傾斜)の変化として検出するものである。
上述した物理量検出器300によれば、耐衝撃性を向上させ、且つ高感度な物理量検出デバイス100を備えていることから、物理量検出器300も同様な効果を享受することができる。
<傾斜計>
次に、図18を参照して、前述した物理量検出デバイス100,100a,100b,100cのいずれかを備えた傾斜計について説明する。図18は、傾斜計の概略構成を示す機能ブロック図である。なお、傾斜計に係る以下の説明では、物理量検出デバイス100を搭載した構成を例示して説明する。傾斜計800は、例えば橋梁や建築物などの構造物に設置され、設置された構造物の傾き(傾斜)を検出することができる。
図18に示すように、傾斜計800は、物理量検出デバイス100と、物理量検出デバイス100からの出力信号に基づいて設置された構造物の傾斜を算出する回路部810と、を含む。なお、傾斜計800は、回路部810が算出した構造物の傾斜に係る算出データを他の情報端末との間で通信する通信部820と、回路部810が算出した構造物の傾斜に係る算出データを表示する表示部830と、を備えてもよい。
物理量検出デバイス100は、傾きを検出する傾斜センサーとして機能することができる。物理量検出デバイス100は、物理量検出素子70の振動梁部71a,71bの共振周波数の変化を出力信号として、出力することができる。
回路部810は、MCU(Micro Controller Unit)などで構成され、傾斜計800の各部を制御する。回路部810は、物理量検出デバイス100からの出力信号に基づいて、傾斜計800の設置された構造物の傾斜を算出し、所定の信号として出力することができる。また、回路部810は、算出した構造物の傾斜を処理し、表示部830に表示データとして出力し、表示させることができる。
通信部820は、傾斜計800と、図示しない情報端末との間の通信を成立させるための各種制御を行う。通信部820は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、ANT+(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した送受信機やUSB(Universal Serial Bus)等の通信バス規格に対応したコネクターを含んで構成されてもよい。
表示部830は、回路部810からの出力信号に基づいて、設置され構造物の傾斜の状態を表示する。表示部830における表示は、文字(絵文字)による表示、あるいはグラフィック表示などを含む画像表示などを行うことができる。
このような傾斜計800によれば、耐衝撃性を維持しつつ高感度で検出された物理量検出デバイス100からの出力信号に基づいて傾斜を算出することから、信頼性を向上させた傾斜の算出を行うことができる。
<慣性計測ユニット>
次に、図19および図20を参照して、慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)について説明する。図19は、慣性計測ユニットの概略構成を示す分解斜視図である。図20は、慣性計測ユニットの慣性センサー素子の配置例を示す斜視図である。図19および図20では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
図19に示す慣性計測ユニット2000(IMU:Inertial Measurement Unit)は、自動車や、ロボットなどの運動体(被装着装置)の姿勢や、挙動(慣性運動量)を検出する装置である。慣性計測ユニット2000は、3軸の加速度センサーと、3軸の角速度センサーと、を備えた、いわゆる6軸モーションセンサーとして機能する。
慣性計測ユニット2000は、平面形状が略正方形の直方体である。また、正方形の対角線方向に位置する2箇所の頂点近傍に、固定部としてのネジ穴2110が形成されている。この2箇所のネジ穴2110に2本のネジを通して、自動車などの被装着体の被装着面に慣性計測ユニット2000を固定することができる。なお、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
慣性計測ユニット2000は、アウターケース2100と、接合部材2200と、センサーモジュール2300と、を有し、アウターケース2100の内部に、接合部材2200を介在させて、センサーモジュール2300を挿入した構成となっている。また、センサーモジュール2300は、インナーケース2310と、基板2320と、を有している。
アウターケース2100の外形は、慣性計測ユニット2000の全体形状と同様に、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2箇所の頂点近傍に、それぞれネジ穴2110が形成されている。また、アウターケース2100は、箱状であり、その内部にセンサーモジュール2300が収納されている。
インナーケース2310は、基板2320を支持する部材であり、アウターケース2100の内部に収まる形状となっている。また、インナーケース2310には、基板2320との接触を防止するための凹部2311や後述するコネクター2330を露出させるための開口2312が形成されている。このようなインナーケース2310は、接合部材2200(例えば、接着剤を含浸させたパッキン)を介してアウターケース2100に接合されている。また、インナーケース2310の下面には接着剤を介して基板2320が接合されている。
図20に示すように、基板2320の上面には、コネクター2330、Z軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340z、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の加速度を検出する加速度センサー2350などが実装されている。また、基板2320の側面には、X軸まわりの角速度を検出する角速度検出デバイスとしての角速度センサー2340xおよびY軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340yが実装されている。なお、角速度センサー2340z,2340x,2340yとしては、特に限定されず、コリオリの力を利用したジャイロセンサーなどを用いることができる。また、加速度センサー2350としては、特に限定されず、前述の第1実施形態から第4実施形態において説明した物理量検出デバイス100,100a,100b,100cのいずれかが収容された物理量検出器300などを用いることができる。加速度センサー2350は、互いに直交する3軸(X軸、Y軸およびZ軸)の各軸方向の加速度を検出することができ、本発明に係る物理量検出デバイス100,100a,100b,100cのいずれかが収容された物理量検出器300が3つ搭載されている。
また、基板2320の下面には、制御IC2360が実装されている。制御IC2360は、MCU(Micro Controller Unit)であり、不揮発性メモリーを含む記憶部や、A/Dコンバーターなどを内蔵しており、慣性計測ユニット2000の各部を制御する。記憶部には、加速度、および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラム、付随するデータなどが記憶されている。なお、基板2320には、その他にも複数の電子部品が実装されている。
以上、慣性計測ユニット2000について説明した。このような慣性計測ユニット2000は、角速度センサー2340z,2340x,2340yおよび加速度センサー2350と、これら各センサー2340z,2340x,2340y,2350の駆動を制御する回路部としての制御IC2360(制御回路)と、を含んでいる。これにより、上述した物理量検出デバイス100の効果を享受でき、耐衝撃性、および信頼性の高い慣性計測ユニット2000が得られる。
<電子機器>
次に、物理量検出デバイス100,100a,100b,100cのいずれかを用いた電子機器について、図21、図22、および図23を参照して説明する。なお、以下では、物理量検出デバイス100を用いた構成を例示して説明する。
先ず、図21を参照して、電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューターについて説明する。図21は、電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を模式的に示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度センサーとして機能する物理量検出デバイス100が内蔵されており、物理量検出デバイス100の検出データの出力信号に基づいて制御部1110が、例えば姿勢制御などの制御を行なうことができる。
図22は、電子機器の一例であるスマートフォン(携帯電話機)の構成を模式的に示す斜視図である。
この図において、スマートフォン1200は、上述した物理量検出デバイス100が組込まれている。物理量検出デバイス100によって検出された検出データ(角速度データ)の出力信号は、スマートフォン1200の制御部1201に送信される。制御部1201は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されており、受信した検出データの出力信号からスマートフォン1200の姿勢や、挙動を認識して、表示部1208に表示されている表示画像を変化させたり、警告音や、効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させることができる。換言すれば、スマートフォン1200のモーションセンシングを行い、計測された姿勢や、挙動から、表示内容を変えたり、音や、振動などを発生させたりすることができる。特に、ゲームのアプリケーションを実行する場合には、現実に近い臨場感を味わうことができる。
図23は、電子機器の一例であるディジタルスチールカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
この図において、ディジタルスチールカメラ1300のケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとしても機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチールカメラ1300では、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチールカメラ1300には、加速度センサーとして機能する物理量検出デバイス100が内蔵されており、物理量検出デバイス100の検出データの出力信号に基づいて制御部1316が、例えば手振れ補正などの制御を行なうことができる。
このような電子機器は、物理量検出デバイス100、および制御部1110,1201,1316を備えているので、優れた信頼性を有している。
なお、物理量検出デバイス100を備える電子機器は、図21のパーソナルコンピューター、図22のスマートフォン(携帯電話機)、図23のディジタルスチールカメラの他にも、例えば、タブレット端末、時計、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地震計、歩数計、傾斜計、ハードディスクの振動を計測する振動計、ロボットやドローンなど飛行体の姿勢制御装置、自動車の自動運転用慣性航法に使用される制御機器等に適用することができる。
<移動体>
次に、物理量検出デバイス100,100a,100b,100cを用いた移動体を図24に示し、詳細に説明する。図24は、移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図である。なお、以下では、物理量検出デバイス100を用いた構成を例示して説明する。
図24に示すように、自動車1500には物理量検出デバイス100が内蔵されており、例えば、物理量検出デバイス100によって車体1501の姿勢を検出することができる。物理量検出デバイス100の検出信号(出力信号)は、車体の姿勢を制御する姿勢制御部としての車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。また、物理量検出デバイス100は、他にもキーレスエントリーシステム、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロールシステム(エンジンシステム)、自動運転用慣性航法の制御機器、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
また、移動体に適用される物理量検出デバイス100は、上記の例示の他にも、例えば、二足歩行ロボットや電車などの姿勢制御、ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター、およびドローンなどの遠隔操縦あるいは自律式の飛行体の姿勢制御、農業機械(農機)、もしくは建設機械(建機)などの姿勢制御、ロケット、人工衛星、船舶、およびAGV(無人搬送車)などの制御において利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、物理量検出デバイス100、およびそれぞれの制御部(不図示)が組み込まれる。
このような移動体は、物理量検出デバイス100、および制御部(例えば、姿勢制御部としての車体姿勢制御装置1502)を備えているので、優れた信頼性を有している。
<構造物監視システム>
次に、物理量検出デバイス100,100a,100b,100cを用いた構造物監視システムを図25に示し、詳細に説明する。図25は、構造物監視システムを示す機能ブロック図である。なお、以下では、物理量検出デバイス100を用いた構成を例示して説明する。
構造物監視システム2500は、例えば、橋梁や建築物の梁などの構造物に設置した物理量検出デバイス100の検出結果に基づいて、その構造物の傾斜角度や撓みなどの変位を検出することができる。構造物監視システム2500は、図25に示すように、物理量検出デバイス100と、物理量検出デバイス100の検出結果を受信して、構造物の変位を監視することができる構造物監視装置2510と、を含んでいる。
構造物監視装置2510は、構造物に取り付けられた物理量検出デバイス100から出力された検出結果を出力信号として受信する受信部2511と、受信部2511が受信し、出力された出力信号に基づいて、物理量検出デバイス100の取り付けられている構造物の傾斜角度を算出する算出部2512と、を備えている。なお、構造物監視装置2510は、算出部2512によって算出された構造物の傾斜角度や変位を文字やグラフィック画像などとして表示することができる表示部2513を備えてもよい。
このような構造物監視システム2500によれば、耐衝撃性を維持しつつ高感度で検出された物理量検出デバイス100からの出力信号に基づいて構造物の傾斜や変位を算出することから、構造物の傾斜や変位を高信頼性で算出することができる。
以上、物理量検出デバイス、傾斜計、慣性計測ユニット、電子機器、移動体、および構造物監視システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
10…基部、12…継手部、14…可動部、20…第1支持部、22…腕部、22a…第1腕部、22b…第2腕部、22r…第1曲部、22t…凹部、24…コーナー部としての傾斜部、26…コーナー部としての傾斜部、28…第2のコーナー部としての第3の傾斜部、29…第1固定部、30…第2支持部、32…腕部、32a…第3腕部、32b…第4腕部、32r…第2曲部、32t…凹部、39…第2固定部、40…連結部、50…第3支持部、52…腕部、52a…第5腕部、52b…第6腕部、52r…第3曲部、52t…凹部、59…第3固定部、60…第4支持部、62…腕部、62a…第7腕部、62b…第8腕部、62r…第4曲部、62t…凹部、69…第4固定部、70…物理量検出素子、71a,71b…振動部としての振動梁部、72a,72b…ベース部、80,82…質量部、95…残渣、100,100a,100b,100c…物理量検出デバイス、101…基板構造体、113,114a,116,117,118,116a、121,122,124,126a,127…第1部分、111,112,114b,115,119,123,125,126b,128,129,130…第2部分、132,134…第3部分、131,133…第4部分、300…物理量検出器、310…パッケージ、320…パッケージベース、321…凹部、343…接合材、800…傾斜計、1100…パーソナルコンピューター、1200…スマートフォン、1300…ディジタルスチールカメラ、1500…自動車、2000…慣性計測ユニット、2500…構造物監視システム。

Claims (12)

  1. 水晶の電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、光学軸としてのZ軸からなる直交座標系の前記X軸を回転軸として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ+Z側が回転するように回転角度φだけ傾けた軸をZ’軸、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ+Y側が回転するように前記回転角度φだけ傾けた軸をY’軸としたとき、
    前記Z’軸と前記Y’軸とを含む平面を有する水晶基板によってなり、
    基部と、
    前記基部に連結している可動部と、
    前記基部と前記可動部とに接続され、物理量を検出する物理量検出素子と、
    前記基部に連結して設けられている支持部と、
    を備え、
    平面視で、前記Y’軸に沿っている第1部分と、前記X軸の+X方向に沿っている第2部分と、が接続している接続部の内側は、前記X軸に対して傾斜しているコーナー部を含み、
    前記X軸に対する前記コーナー部の傾斜角度をθ1としたとき、
    25°≦θ1≦35°
    を満たしている、物理量検出デバイス。
  2. 請求項1において、
    前記コーナー部は、
    前記コーナー部の厚さをt1、
    前記コーナー部の前記X軸に沿った長さをL1としたとき、
    300μm≦t1≦500μm
    100μm≦L1≦500μm
    を満たしている、物理量検出デバイス。
  3. 請求項1または2において、
    前記Y’軸に沿っている第3部分と、前記X軸の−X方向に沿っている第4部分と、が接続している接続部の内側は、前記X軸に対して傾斜している第2のコーナー部を含み、
    前記X軸に対する前記第2のコーナー部の傾斜角度をθ2としたとき、
    25°≦θ2≦35°
    を満たしている、物理量検出デバイス。
  4. 請求項3において、
    前記第2のコーナー部は、
    前記第2のコーナー部の厚さをt2、
    前記第2のコーナー部の前記X軸に沿った長さをL2としたとき、
    300μm≦t2≦500μm
    100μm≦L2≦500μm
    を満たしている、物理量検出デバイス。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項において、
    前記物理量検出素子は、
    第1の基部と、
    第2の基部と、
    平面視で、前記第1の基部と前記第2の基部との間に配置され、前記第1の基部と前記第2の基部とに接続されている振動部と、
    を含んでいる、物理量検出デバイス。
  6. 請求項5において、
    前記振動部は、空隙を介して並んで配置されている複数の振動腕から構成されている、物理量検出デバイス。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項において、
    前記物理量は加速度である、物理量検出デバイス。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の物理量検出デバイスと、
    前記物理量検出デバイスからの出力信号に基づいて傾斜を算出する回路部と、
    を含む、傾斜計。
  9. 請求項7に記載の物理量検出デバイスと、
    角速度検出デバイスと、
    前記物理量検出デバイスからの出力信号と、前記角速度検出デバイスからの出力信号と、
    に基づいて姿勢を算出する回路部と、
    を含む、慣性計測ユニット。
  10. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の物理量検出デバイスと、
    前記物理量検出デバイスからの出力信号に基づいて制御を行う制御部と、
    を備えている、電子機器。
  11. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の物理量検出デバイスと、
    前記物理量検出デバイスから出力された検出信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、
    を備えている、移動体。
  12. 構造物に取り付けられた請求項1ないし7のいずれか一項に記載の物理量検出デバイスと、
    前記物理量検出デバイスの検出信号を受信する受信部と、
    前記受信部から出力された出力信号に基づいて前記構造物の傾斜角度を算出する算出部と、
    を含む、構造物監視システム。
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