以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、原子力発電プラントの一例の概略構成図であり、図2は、加圧水型原子炉の縦断面図である。
図1に示す原子力発電プラントは、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を有する。この原子力発電プラントは、原子炉格納容器100内において、加圧水型原子炉の原子炉容器101、加圧器102、蒸気発生器103および一次冷却水ポンプ104が、一次冷却水管105により順次接続されて、一次冷却水の循環経路が構成されている。
原子炉容器101は、内部に燃料集合体120を密閉状態で格納するもので、燃料集合体120が挿抜できるように、原子炉容器本体101aとその上部に装着される原子炉容器蓋101bとにより構成されている。原子炉容器本体101aは、上部に一次冷却水としての軽水を給排する入口側管台101cおよび出口側管台101dが設けられている。出口側管台101dは、蒸気発生器103の入口側水室103aに連通するように一次冷却水管105が接続されている。また、入口側管台101cは、蒸気発生器103の出口側水室103bに連通するように一次冷却水管105が接続されている。
蒸気発生器103は、半球形状に形成された下部において、入口側水室103aと出口側水室103bとが仕切板103cによって区画されて設けられている。入口側水室103aおよび出口側水室103bは、その天井部に設けられた管板103dによって蒸気発生器103の上部側と区画されている。蒸気発生器103の上部側には、逆U字形状の伝熱管103eが設けられている。伝熱管103eは、入口側水室103aと出口側水室103bとを繋ぐように端部が管板103dに支持されている。そして、入口側水室103aは、入口側の一次冷却水管105が接続され、出口側水室103bは、出口側の一次冷却水管105が接続されている。また、蒸気発生器103は、管板103dによって区画された上部側の上端に、出口側の二次冷却水管106aが接続され、上部側の側部に、入口側の二次冷却水管106bが接続されている。
また、原子力発電プラントは、蒸気発生器103が、原子炉格納容器100外で二次冷却水管106a,106bを介して蒸気タービン107に接続されて、二次冷却水の循環経路が構成されている。
蒸気タービン107は、高圧タービン108および低圧タービン109を有するとともに、発電機110が接続されている。また、高圧タービン108および低圧タービン109は、湿分分離加熱器111が、二次冷却水管106aから分岐して接続されている。また、低圧タービン109は、復水器112に接続されている。この復水器112は、二次冷却水管106bに接続されている。二次冷却水管106bは、上述したように蒸気発生器103に接続され、復水器112から蒸気発生器103に至り、復水ポンプ113、低圧給水加熱器114、脱気器115、主給水ポンプ116、および高圧給水加熱器117が設けられている。
従って、原子力発電プラントでは、一次冷却水が原子炉容器101にて加熱されて高温・高圧となり、加圧器102にて加圧されて圧力を一定に維持されつつ、一次冷却水管105を介して蒸気発生器103に供給される。蒸気発生器103では、一次冷却水と二次冷却水との熱交換が行われることにより、二次冷却水が蒸発して蒸気となる。熱交換後の冷却した一次冷却水は、一次冷却水管105を介して一次冷却水ポンプ104側に回収され、原子炉容器101に戻される。一方、熱交換により蒸気となった二次冷却水は、蒸気タービン107に供給される。蒸気タービン107に係り、湿分分離加熱器111は、高圧タービン108からの排気から湿分を除去し、さらに加熱して過熱状態とした後に低圧タービン109に送る。蒸気タービン107は、二次冷却水の蒸気により駆動され、その動力が発電機110に伝達されて発電される。タービンの駆動に供された蒸気は、復水器112に排出される。復水器112は、取水管112aを介してポンプ112bにより取水した冷却水(例えば、海水)と、低圧タービン109から排出された蒸気とを熱交換し、当該蒸気を凝縮させて低圧の飽和液に戻す。熱交換に用いられた冷却水は、排水管112cから排出される。また、凝縮された飽和液は、二次冷却水となり、復水ポンプ113によって二次冷却水管106bを介して復水器112の外部に送り出される。さらに、二次冷却水管106bを経る二次冷却水は、低圧給水加熱器114で、例えば、低圧タービン109から抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器115で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去された後、主給水ポンプ116により送水され、高圧給水加熱器117で、例えば、高圧タービン108から抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器103に戻される。
このように構成された原子力発電プラントの加圧水型原子炉において、図2に示すように、原子炉容器101は、その内部に燃料集合体120を含む炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体101aに対して原子炉容器蓋101bが複数のスタッドボルト121およびナット122により開閉可能に固定されている。
原子炉容器本体101aは、原子炉容器蓋101bを取り外すことで上部が開口可能であり、下部が半球形状をなす下鏡101eにより閉塞された円筒形状をなしている。原子炉容器本体101aは、内部にて、入口側管台101cおよび出口側管台101dより上方に上部炉心支持板123が固定される一方、下方の下鏡101eの近傍に位置して下部炉心支持板124が固定されている。この上部炉心支持板123および下部炉心支持板124は、円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成されている。そして、上部炉心支持板123は、複数の炉心支持ロッド125を介して下方に図示しない多数の連通孔が形成された上部炉心板126が連結されている。
原子炉容器本体101aは、内部に円筒形状をなす炉心槽127が内壁面と所定の隙間をもって配置されており、この炉心槽127は、上部が上部炉心板126に連結され、下部に円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された下部炉心板128が連結されている。そして、下部炉心板128は、下部炉心支持板124に支持されている。即ち、炉心槽127は、原子炉容器本体101aの下部炉心支持板124に支持されることとなる。
上部炉心板126と炉心槽127と下部炉心板128とにより炉心129が形成されている。炉心129は、内部に多数の燃料集合体120が配置されている。燃料集合体120は、図示しないが、多数の燃料棒が支持格子により格子状に束ねられて構成され、上端部に上部ノズルが固定される一方、下端部に下部ノズルが固定されている。また、炉心129は、内部に多数の制御棒130が配置されている。この多数の制御棒130は、上端部がまとめられて制御棒クラスタ131となり、燃料集合体120内に挿入可能となっている。上部炉心支持板123は、この上部炉心支持板123を貫通して多数の制御棒クラスタ案内管132が固定されており、各制御棒クラスタ案内管132は、下端部が燃料集合体120内の制御棒クラスタ131まで延出されている。
原子炉容器101を構成する原子炉容器蓋101bは、上部が半球形状をなして磁気式ジャッキの制御棒駆動装置133が設けられており、原子炉容器蓋101bと一体をなすハウジング134内に収容されている。多数の制御棒クラスタ案内管132は、上端部が制御棒駆動装置133まで延出され、この制御棒駆動装置133から延出されて制御棒クラスタ駆動軸135が、制御棒クラスタ案内管132内を通って燃料集合体120まで延出され、制御棒クラスタ131を把持可能となっている。
この制御棒駆動装置133は、上下方向に延設されて制御棒クラスタ131に連結されるとともに、その表面に複数の周溝を長手方向に等ピッチで配設してなる制御棒クラスタ駆動軸135を磁気式ジャッキで上下動させることで、原子炉の出力を制御している。
また、原子炉容器本体101aは、下鏡101eを貫通する多数の計装管台146が設けられ、この各計装管台146は、炉内側の上端部に炉内計装案内管147が連結される一方、炉外側の下端部にコンジットチューブ148が連結されている。各炉内計装案内管147は、上端部が下部炉心支持板124に連結されており、振動を抑制するための上下の連接板149,150が取付けられている。コンジットチューブ148は、下部炉心板128に至り設けられており、中性子束を計測可能な中性子束検出器(図示略)が挿入されるシンブルチューブ151が挿通される。シンブルチューブ151は、コンジットチューブ148を介して計装管台146および炉内計装案内管147を通り、下部炉心板128を貫通して燃料集合体120まで挿入可能となっている。
このような加圧水型原子炉は、制御棒駆動装置133により制御棒クラスタ駆動軸135を移動して燃料集合体120から制御棒130を所定量引き抜くことで、炉心129内での核分裂を制御し、発生した熱エネルギにより原子炉容器101内に充填された軽水が加熱され、高温の軽水が出口側管台101dから排出される。即ち、燃料集合体120を構成する原子燃料が核分裂することで中性子を放出し、減速材および一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくするとともに、発生した熱を奪って冷却する。一方、制御棒130を燃料集合体120に挿入することで、炉心129内で生成される中性子数を調整し、また、制御棒130を燃料集合体120に全て挿入することで、原子炉を緊急に停止することができる。原子炉容器101は、炉心129に対して、その上方に出口側管台101dに連通する上部プレナム152が形成されるとともに、下方に下部プレナム153が形成されている。そして、原子炉容器101と炉心槽127との間に入口側管台101cおよび下部プレナム153に連通するダウンカマー部154が形成されている。従って、軽水は、入口側管台101cから原子炉容器本体101a内に流入し、ダウンカマー部154を下向きに流れ落ちて下部プレナム153に至り、この下部プレナム153の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板124および下部炉心板128を通過した後、炉心129に流入する。この炉心129に流入した軽水は、炉心129を構成する燃料集合体120から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体120を冷却する一方、高温となって上部炉心板126を通過して上部プレナム152まで上昇し、出口側管台101dを通って排出される。原子炉容器101から排出された軽水は、上述したように、蒸気発生器103に送られる。
図3は、コンジットチューブを説明する概略側面図である。図4は、コンジットチューブおよびシンブルチューブの側面図である。図5は、コンジットチューブおよびシンブルチューブの縦断面図である。図6は、コンジットチューブおよびシンブルチューブの側面図である。
図2を参照し、上述したように、コンジットチューブ148は、シンブルチューブ151が挿通される。コンジットチューブ148は、計装管台146の外部まで延出される。図3に示すように、原子炉容器101は、原子炉格納容器100内において吊り下げ支持されている。原子炉格納容器100は、原子炉容器101の下方に配管室155が形成されている。複数のコンジットチューブ148は、下鏡101eから原子炉容器101の外部に引き出され、配管室155を湾曲して上方に引き回された後、端部が別室のシールテーブル156に固定されている。シンブルチューブ151は、この固定されたコンジットチューブ148の端部から挿通される。そして、このシンブルチューブ151に中性子束検出器が挿入される。
シールテーブル156は、図4に示すように、板状に形成され、コンジットチューブ148の端部が下から上に貫通された状態で固定されている。複数のコンジットチューブ148は、等間隔で並べられてシールテーブル156の上面から林立されている。
コンジットチューブ148は、上述したようにシンブルチューブ151が挿通されている。図4および図5に示すように、コンジットチューブ148は、その端部にシール座148Aが設けられている。シール座148Aは、コンジットチューブ148の中心軸Sが延在する軸方向(上下方向)において、下方に延在し、コンジットチューブ148の端部を挿通するように円筒形状をなし外周面に雄ネジ部が形成されたフェルール148Aaを有している。フェルール148Aaには、環状のフェルール148Abが嵌合し、各フェルール148Aa,148Abの嵌合を維持することでシール座148Aをコンジットチューブ148の端部にシールして固定されるようにフェルール148Aaの外周面の雄ネジ部にナット148Acが螺合されている。また、シール座148Aは、軸方向における上部にフランジ部148Adが形成されている。フランジ部148Adは、上方に向く端面148Aeを有し、当該端面148Aeにおいて中心軸Sの軸回りを囲む環状凹部148Afが形成されている。環状凹部148Afは、Oリング148Bが配置される。また、シール座148Aは、シンブルチューブ151が挿通されるように軸方向に貫通して設けられ、フランジ部148Ad側においてシンブルチューブ151の外周面と隙間をおいて対面する内周面148Agが形成されている。
このコンジットチューブ148に対して挿通されるシンブルチューブ151は、その途中にシール座151Aが設けられている。シール座151Aは、コンジットチューブ148の中心軸Sが延在する軸方向(上下方向)において、上方に延在し、シンブルチューブ151を挿通するように円筒形状をなし外周面に雄ネジ部が形成されたフェルール151Aaを有している。フェルール151Aaには、環状のフェルール151Abが嵌合し、各フェルール151Aa,151Abの嵌合を維持することでシール座151Aをシンブルチューブ151にシールして固定されるようにフェルール151Aaの外周面の雄ネジ部にナット151Acが螺合されている。また、シール座151Aは、軸方向における下部にフランジ部151Adが形成されている。フランジ部151Adは、下方に向いて環状凹部148Afに対向する端面151Aeを有し、当該端面151Aeの中央においてシール座148Aの内周面148Agに当接しつつ当該内周面148Agとシンブルチューブ151の外周面との隙間に挿入される筒状部151Afが形成されている。
各シール座148A,151Aは、各フランジ部148Ad,151Adがクランプ部151Bにより固定されることで、各フランジ部148Ad,151Adの端面148Ae,151Aeが互いに当接させた状態で維持された高圧シールを構成し、この高圧シールによりコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止するようにシールされている。この高圧シールによりシールされた状態で、シンブルチューブ151に中性子検出器(図4に一点鎖線で示す)が挿入される。
このような構成において、定期検査時に燃料集合体120を原子炉容器101から取り出す場合、燃料集合体120の取り出しや装着に中性子検出器およびシンブルチューブ151が邪魔になることから、中性子検出器およびシンブルチューブ151を燃料集合体120から抜き出すことになる。中性子検出器は、検出器チューブ(図示略)の先端に設けられており、シールテーブル156が配置された別室の上部に設けられた巻取機(図示略)で検出器チューブが巻き取られてシンブルチューブ151から抜き出される。その後、シンブルチューブ151は、少なくとも燃料集合体120から抜き出される数m分を、別室にてコンジットチューブ148の端部から引き抜かれる。具体的には、図6に示すように、クランプ部151Bを外し、各フランジ148Ad,151Adの各端面148Ae,151Aeが離れるようにシンブルチューブ151を軸方向の上方(図6の矢印方向)に引き抜く。
図7は、本実施形態に係る撮影装置の側面図である。図8は、本実施形態に係る撮影装置における回転台の平面図である。図9〜図12は、本実施形態に係る撮影装置における回転台の一部の平面図である。図13〜図16は、本実施形態に係る撮影装置における回転台の動作をあらわす平面図である。図17は、本実施形態に係る撮影装置におけるカメラ保持部の平面図である。
本実施形態の撮影装置は、上述したように、定期検査時において、シンブルチューブ151をコンジットチューブ148の端部から引き抜いた状態で、コンジットチューブ148のシール座148Aの端面148Aeや、シンブルチューブ151のシール座151Aの端面151Aeを点検するためのものである。具体的には、各端面148Ae,151Aeに傷や異物が存在しているような異常があるかを点検する。
本実施形態の撮影装置は、図7に示すように、回転台1と、カメラ保持部2と、記憶部3と、表示部4と、を含む。
回転台1は、図7に示すように、第一回転台部材11と、第二回転台部材12と、第三回転台部材13と、を有している。
第一回転台部材11は、図7〜図9に示すように、固定部11Aと、第一案内部11Bと、回転軸部11Cと、を有している。
固定部11Aは、2分割に形成されており、これにより第一回転台部材11をナット148Acの下側位置においてコンジットチューブ148の径方向(軸方向に交差(直交)する方向)から配置することが可能に設けられている。固定部11Aは、2分割された一方の第一固定部11Aaと、他方の第二固定部11Abと、で構成されている。第一固定部11Aaおよび第二固定部11Abは、コンジットチューブ148を径方向から挟むことができるように開閉軸11Acを介して開閉可能に設けられている。また、第一固定部11Aaおよび第二固定部11Abは、コンジットチューブ148を径方向から挟んだ閉状態が維持されるように固定ネジ11Adで固定される。また、第一固定部11Aaおよび第二固定部11Abは、コンジットチューブ148の外周面に当接してコンジットチューブ148を径方向から挟持できるように、略半円形状に2分割された挟持部11Ae,11Afが設けられている。従って、固定部11Aは、図7〜図9に示すように、閉状態において挟持部11Ae,11Afを介してコンジットチューブ148を径方向から挟持することで第一回転台部材11をコンジットチューブ148に固定する。
第一案内部11Bは、第一回転台部材11がコンジットチューブ148に固定された状態でコンジットチューブ148の中心軸Sの回りに180度を超えて360度未満で連続する円弧状の長穴として形成されている。第一案内部11Bは、本実施形態では、180度の両端に10度ずつ加えられた200度の円弧状の長穴として形成されている。第一案内部11Bは、後述する基本形態(図8参照)を基準とすると、基本形態から+方向(R1方向:図13参照)と−方向(R2方向:図15参照)とで±90度を超えて±180度未満(基本形態から±90度に±方向でそれぞれ10度ずつ加えられた±100度)の円弧状の長穴として形成されている。なお、第一案内部11Bは、図面上では上記角度の範囲で形成されているが、基本形態から±90度で合わせて180度に形成されていてもよい。
回転軸部11Cは、第一固定部11Aaおよび第二固定部11Abに2分割して設けられて、第一固定部11Aaおよび第二固定部11Abの閉状態でコンジットチューブ148の周りを囲みコンジットチューブ148の中心軸Sを中心とする円筒部材11Caを有している。そして、回転軸部11Cは、円筒部材11Caの外周において、中心軸Sを中心として環状に形成された2つの溝11Cb,11Ccが、中心軸Sの延在する軸方向(上下方向)で配置されている。これら、2つの溝11Cb,11Ccは、第二回転台部材12および第三回転台部材13をそれぞれ独立して回転可能に支持するためのものである。
第二回転台部材12は、図7、図8および図11に示すように、板状に形成されており、軸受部12Aと、第一係合部12Bと、第二案内部12Cと、を有している。
軸受部12Aは、コンジットチューブ148の中心軸Sを中心とする円弧状に形成された凸縁部であり、第一回転台部材11における回転軸部11Cの溝11Cbに挿入される。
第一係合部12Bは、第一回転台部材11の第一案内部11Bに係合するピンである。
第二案内部12Cは、コンジットチューブ148の中心軸Sの回りに180度を超えて360度未満で連続する円弧状の長穴として形成されている。第二案内部12Cは、本実施形態では、180度の両端に10度ずつ加えられた200度の円弧状の長穴として形成されている。第二案内部12Cは、後述する基本形態(図8参照)を基準とすると、+方向(R1方向:図14参照)と−方向(R2方向:図16参照)とで±90度を超えて±180度未満(基本形態から±90度に±方向でそれぞれ10度ずつ加えられた±100度)の円弧状の長穴として形成されている。なお、第一案内部11Bが基本形態から±90度で合わせて180度に形成されている場合、第二案内部12Cは、例えば、基本形態から±110度で合わせて220度に形成されている。即ち、第一案内部11Bと第二案内部12Cとは、相互を合わせて基本形態から±180度を超えて±360度未満であって、それぞれの±角度を合わせて360度を超えるように円弧状の長穴として形成されていればよい。
即ち、第二回転台部材12は、第一回転台部材11への軸受部12Aおよび第一係合部12Bの係合により、コンジットチューブ148に固定された第一回転台部材11に対し、コンジットチューブ148の中心軸Sの回りに回転可能に設けられ、かつ回転範囲が第一案内部11Bの180度(±90度)を超えて360度(±180度)未満(本実施形態では200度(±100度))の範囲に規制されている。
第三回転台部材13は、図7、図8および図12に示すように、板状に形成されており、軸受部13Aと、第二係合部13Bと、を有している。
軸受部13Aは、コンジットチューブ148の中心軸Sを中心とする円弧状に形成された凸縁部であり、第一回転台部材11における回転軸部11Cの溝11Ccに挿入される。
第二係合部13Bは、第二回転台部材12の第二案内部12Cに係合するピンである。
即ち、第三回転台部材13は、第一回転台部材11への軸受部13Aおよび第二回転台部材12への第二係合部13Bの係合により、コンジットチューブ148に固定された第一回転台部材11に対し、コンジットチューブ148の中心軸Sの回りに回転可能に設けられ、かつ回転範囲が第二案内部12Cの180度(±90度)を超えて360(±180度)度未満(本実施形態では200度(±100度))の範囲に規制されている。
また、第三回転台部材13は、カメラ保持部2が固定される。
ここで、図13〜図16を参照して、回転台1の動作を説明する。図8に示す形態を基本形態とする。
図13に示すように、基本形態からカメラ保持部2が固定される第三回転台部材13を中心軸Sの回りに矢印R1方向に回転させる。この場合、第三回転台部材13は、軸受部13Aが第一回転台部材11における回転軸部11Cの溝11Ccに係合され、第二係合部13Bが第二回転台部材12の第二案内部12Cに係合されているため、溝11Ccおよび第二案内部12Cに案内されつつ、第二案内部12Cの一方の端に至るまで回転する。図13の形態では、第三回転台部材13は、図8の基本形態から矢印R1方向に90度+10度の100度回転(または、図8の基本形態から矢印R1方向に90度回転)している。
続いて、図14に示すように、図13の形態から第三回転台部材13を中心軸Sの回りに矢印R1方向にさらに回転させる。第三回転台部材13は、第二回転台部材12と共に回転する。この場合、第二回転台部材12は、軸受部12Aが第一回転台部材11における回転軸部11Cの溝11Cbに係合され、第一係合部12Bが第一回転台部材11の第一案内部11Bに係合されているため、溝11Cbおよび第一案内部11Bに案内されつつ、第一案内部11Bの一方の端に至るまで回転する。図14の形態では、第三回転台部材13は、第二回転台部材12と共に図13の形態から矢印R1方向に90度+10度の100度回転し(または、図13の形態から矢印R1方向に110度回転し)、図8の基本形態から矢印R1方向では100度+100度(または、90度+110度)の200度回転している。
一方、図15に示すように、第三回転台部材13を中心軸Sの回りに矢印R2方向に回転させる。この場合、第三回転台部材13は、軸受部13Aが第一回転台部材11における回転軸部11Cの溝11Ccに係合され、第二係合部13Bが第二回転台部材12の第二案内部12Cに係合されているため、溝11Ccおよび第二案内部12Cに案内されつつ、第二案内部12Cの他方の端に至るまで回転する。図15の形態では、第三回転台部材13は、図8の基本形態から矢印R2方向に90度+10度の100度回転(または、図8の基本形態から矢印R2方向に90度回転)している。
続いて、図16に示すように、図15の形態から第三回転台部材13を中心軸Sの回りに矢印R2方向にさらに回転させる。第三回転台部材13は、第二回転台部材12と共に回転する。この場合、第二回転台部材12は、軸受部12Aが第一回転台部材11における回転軸部11Cの溝11Cbに係合され、第一係合部12Bが第一回転台部材11の第一案内部11Bに係合されているため、溝11Cbおよび第一案内部11Bに案内されつつ、第一案内部11Bの他方の端に至るまで回転する。図16の形態では、第三回転台部材13は、第二回転台部材12と共に図15の形態から矢印R2方向に90度+10度の100度回転し(図15の形態から矢印R2方向に110度回転し)、図8の基本形態から矢印R2方向では100度+100度(または、90度+110度)の200度回転している。
即ち、回転台1は、コンジットチューブ148に固定されてコンジットチューブ148の中心軸Sの回りに360度以上(本実施形態では、矢印R1方向および矢印R2方向で200度+200度の400度)回転可能に支持されている。
カメラ保持部2は、図7に示すように、支柱部21と、第一部材22と、第二部材23と、カメラ固定部24と、を有している。
支柱部21は、回転台1における第三回転台部材13においてコンジットチューブ148の中心軸Sと平行となるように固定されている。即ち、支柱部21は、第三回転台部材13に対して上下方向に延在するように固定され、第三回転台部材13から上方に延出して設けられている。
第一部材22および第二部材23は、カメラ20を支柱部21に対して支持するためのもので、本実施形態では上下の2箇所に配置されている。
第一部材22は、図7および図17に示すように、支柱部21に挿入される挿入穴22aを有している。また、第一部材22は、挿入穴22aの一側を支柱部21の径方向に開放する切欠22bが形成されている。また、第一部材22は、切欠22bを開いたり閉じたりするネジ22cが設けられている。従って、第一部材22は、ネジ22cを締め付けることで切欠22bが閉じて支柱部21に固定され、ネジ22cを緩めることで支柱部21の延在方向に沿ってスライド移動が可能な第一スライド部として機能すると共に、第一スライド部を支柱部21の回り(図7および図17中矢印R3方向)に回転可能に支持する第一回転部として機能する。
第二部材23は、図7および図17に示すように、第一スライド部をなす第一部材22に取り付けられている。本実施形態では、第二部材23は、第一スライド部として機能する第一部材22と一体に設けられている。第二部材23は、支柱部21に交差して延在する交差軸25が挿入される挿入穴23aを有している。また、第二部材23は、挿入穴23aの一側を交差軸25の径方向に開放する切欠23b(切欠22bと同様の構成)が形成されている。また、第二部材23は、切欠23bを開いたり閉じたりするネジ23cが設けられている。従って、第二部材23は、ネジ23cを締め付けることで切欠23bが閉じて交差軸25が固定され、ネジ23cを緩めることで交差軸25の延在方向に沿って相対的にスライド移動が可能な第二スライド部として機能すると共に、第二スライド部を交差軸25の回り(図7および図17中矢印R4方向)に相対的に回転可能に支持する第二回転部として機能する。
カメラ固定部24は、カメラ20を固定するもので、第二スライド部として機能する交差軸25の一端に取り付けられている。カメラ固定部24は、カメラ20の向きを変更して固定することができるように構成されている。
従って、カメラ固定部24に固定されたカメラ20は、交差軸25および第二部材23と共に、第一部材22における第一スライド部により支柱部21の延在方向に沿ってスライド移動され、かつ第一部材22における第一回転部により支柱部21の回りに回転移動される。また、カメラ固定部24に固定されたカメラ20は、交差軸25を介し、第二部材23における第二スライド部により支柱部21と交差する交差軸25の延在方向に沿ってスライド移動され、かつ第二部材23における第二回転部により交差軸25の回りに回転移動される。
記憶部3は、カメラ20で撮影した画像(動画および静止画を含む)を記憶する。記憶部3は、図7に示すように、カメラ20に対して画像処理部5を介して接続されている。ここで、画像処理部5は、カメラ20で撮影された画像を処理するもので、例えば、本実施形態では2つのカメラ20を用いるため、各カメラ20で撮影された画像の信号を分割処理したり、分割した画像にそれぞれ撮影日や撮影したコンジットチューブ148の位置(シールテーブル156上での配列番号)など関連付ける処理を行う。また、画像処理部5は、マウスやキーボードなどからなる入力部6が接続され、撮影日やコンジットチューブ148の位置が入力される。従って、記憶部3は、撮影日や撮影したコンジットチューブ148の位置が関連付けられた画像を記憶する。
表示部4は、カメラ20で撮影した画像を表示する。表示部4は、図7に示すように、記憶部3に接続されている。従って、表示部4は、撮影日や撮影したコンジットチューブ148の位置が関連付けられた画像を表示する。
図18は、本実施形態に係る撮影装置の他の例の側面図である。
図18に示す撮影装置の他の例は、上述したコンジットチューブ148が異なる構成のシール座148Cを有する場合に適用される。
図18において、コンジットチューブ148からシンブルチューブ151を一部引き抜いた状態を示している。コンジットチューブ148は、その端部にシール座148Cが設けられている。シール座148Cは、環状のフェルール148Caが嵌合し、下部にナット148Acがコンジットチューブ148に通して設けてある。このシール座148Cは、軸方向における上部に円錐状のフェルール148Caが形成されている。一方、シンブルチューブ151は、その途中にシール座151Cが設けられている。シール座151Cは、シール座148Cのフェルール148Caと嵌合するフェルール151Caが形成されている。また、シール座151Cの外周には、雄ネジ部が形成されている。従って、シール座148Cとシール座151Cとは、ナット148Acを上記雄ネジ部に螺合することで、互いのフェルール148Ca,フェルール151Caが嵌合した状態で維持された高圧シールを構成し、この高圧シールによりコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止するようにシールされている。この高圧シールによりシールされた状態で、シンブルチューブ151に中性子検出器(例えば、図4に一点鎖線で示す)が挿入される。
このような構成において、定期検査時に燃料集合体120を原子炉容器101から取り出す場合、燃料集合体120の取り出しや装着に中性子検出器およびシンブルチューブ151が邪魔になることから、中性子検出器およびシンブルチューブ151を燃料集合体120から抜き出すことになる。中性子検出器は、検出器チューブ(図示略)の先端に設けられており、シールテーブル156が配置された別室の上部に設けられた巻取機(図示略)で検出器チューブが巻き取られてシンブルチューブ151から抜き出される。その後、シンブルチューブ151は、少なくとも燃料集合体120から抜き出される数m分を、別室にてコンジットチューブ148の端部から引き抜かれる。具体的には、図18に示すように、ナット148Acを雄ネジ部から緩めて外すことで、互いのシール座148C,151Cが離れてシンブルチューブ151を軸方向の上方(図6の矢印方向)に引き抜く。
このような構成のシール座148Cを有するコンジットチューブ148であっても、上述した撮影装置が適用できる。この場合は、カメラ保持部2において、シール座148Cのフェルール148Caを撮影する1つのカメラ20が支柱部21に支持される。その他の構成は上述した撮影装置と同様であり、図18において同一の符号を付して説明を省略する。
このように本実施形態の撮影装置は、原子炉容器101に設けられたコンジットチューブ148と、当該コンジットチューブ148に挿し込まれるシンブルチューブ151とについて、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシール部分の撮影を行う撮影装置であって、コンジットチューブ148に固定されてコンジットチューブ148の中心軸Sの回りに回転可能に支持された回転台1と、回転台1に設けられてカメラ20を保持するカメラ保持部2と、を含む。
この撮影装置によれば、コンジットチューブ148の中心軸Sの回りに回転可能にカメラ20を支持しながら撮影をすることができる。この結果、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールの点検をするための撮影を行うことができる。
また、本実施形態の撮影装置では、回転台1は、コンジットチューブ148の径方向から配置可能に2分割に形成された固定部11Aを有すると共に、中心軸Sの回りに180度(基本形態から±90度)を超えて360度(基本形態から±180度)未満で円弧状に連続する第一案内部11Bを有する第一回転台部材11と、第一回転台部材11に対して中心軸Sの回りに回転可能に設けられて、第一回転台部材11の第一案内部11Bに係合する第一係合部12Bを有すると共に、中心軸Sの回りに180度(基本形態から±90度)を超えて360度(基本形態から±180度)未満であって、第一案内部11Bと合わせて360度を超えて(第一案内部11Bと合わせて基本形態から±180度を超えて±360度未満で)円弧状に連続する第二案内部12Cを有する第二回転台部材12と、第一回転台部材11に対して中心軸Sの回りに回転可能に設けられて、第二回転台部材12の第二案内部12Cに係合する第二係合部13Bを有し、カメラ保持部2が取り付けられる第三回転台部材13と、を備えることが望ましい。
この撮影装置によれば、カメラ保持部2を中心軸Sの回りに360度以上回転移動させることができ、中心軸Sの回りに360度以上の画像を撮影することができる。この結果、シール部分の全周を撮影した画像を得ることができる。
また、本実施形態の撮影装置では、カメラ保持部2は、中心軸Sに沿って延在して回転台1に固定される支柱部21と、支柱部21の延在方向に沿ってスライド移動が可能に設けられた第一スライド部(第一部材22)と、第一スライド部を支柱部21の回りに回転可能に支持する第一回転部(第一部材22)と、第一スライド部に取り付けられて支柱部21に交差して延在する交差軸25に沿ってスライド移動が可能に設けられた第二スライド部(第二部材23)と、第二スライド部を交差軸25の回りに回転可能に支持する第二回転部(第二部材23)と、第二スライド部に取り付けられてカメラ20を固定するカメラ固定部24と、を備えることが望ましい。
この撮影装置によれば、カメラ20の向きや撮影対象への距離を可変することができる。この結果、シール部分を所望とする向きや距離で撮影した画像を得ることができる。
また、本実施形態の撮影装置では、カメラ20で撮影された画像を表示する表示部4をさらに備えることが望ましい。
この撮影装置では、表示部4によりカメラ20で撮影された画像を表示することで、現場以外において、シール部分の健全性の合否判定を行うことができる。この結果、放射線にさらされる時間を短縮することができる。しかも、表示を見ながら、シール部分の健全性の合否判定の熟練者が、非熟練者に対して判定の仕方を教示することができ、点検の品質向上を図ることができる。
また、本実施形態の撮影装置では、カメラ20で撮影された画像を記憶する記憶部3をさらに備えることが望ましい。
この撮影装置によれば、記憶部3によりカメラ20で撮影された画像を記憶することで、シール部分の健全性の合否判定において、合否判定の記録を残しておくことができる。この結果、例えば、健全と判定したが若干の傷が生じている場合、当該傷の存在が記録として残るため、次の点検に反映することができ、点検の品質向上を図ることができる。