以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、原子力発電プラントの一例の概略構成図であり、図2は、加圧水型原子炉の縦断面図である。
図1に示す原子力発電プラントは、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を有する。この原子力発電プラントは、原子炉格納容器100内において、加圧水型原子炉の原子炉容器101、加圧器102、蒸気発生器103および一次冷却水ポンプ104が、一次冷却水管105により順次接続されて、一次冷却水の循環経路が構成されている。
原子炉容器101は、内部に燃料集合体120を密閉状態で格納するもので、燃料集合体120が挿抜できるように、原子炉容器本体101aとその上部に装着される原子炉容器蓋101bとにより構成されている。原子炉容器本体101aは、上部に一次冷却水としての軽水を給排する入口側管台101cおよび出口側管台101dが設けられている。出口側管台101dは、蒸気発生器103の入口側水室103aに連通するように一次冷却水管105が接続されている。また、入口側管台101cは、蒸気発生器103の出口側水室103bに連通するように一次冷却水管105が接続されている。
蒸気発生器103は、半球形状に形成された下部において、入口側水室103aと出口側水室103bとが仕切板103cによって区画されて設けられている。入口側水室103aおよび出口側水室103bは、その天井部に設けられた管板103dによって蒸気発生器103の上部側と区画されている。蒸気発生器103の上部側には、逆U字形状の伝熱管103eが設けられている。伝熱管103eは、入口側水室103aと出口側水室103bとを繋ぐように端部が管板103dに支持されている。そして、入口側水室103aは、入口側の一次冷却水管105が接続され、出口側水室103bは、出口側の一次冷却水管105が接続されている。また、蒸気発生器103は、管板103dによって区画された上部側の上端に、出口側の二次冷却水管106aが接続され、上部側の側部に、入口側の二次冷却水管106bが接続されている。
また、原子力発電プラントは、蒸気発生器103が、原子炉格納容器100外で二次冷却水管106a,106bを介して蒸気タービン107に接続されて、二次冷却水の循環経路が構成されている。
蒸気タービン107は、高圧タービン108および低圧タービン109を有するとともに、発電機110が接続されている。また、高圧タービン108および低圧タービン109は、湿分分離加熱器111が、二次冷却水管106aから分岐して接続されている。また、低圧タービン109は、復水器112に接続されている。この復水器112は、二次冷却水管106bに接続されている。二次冷却水管106bは、上述したように蒸気発生器103に接続され、復水器112から蒸気発生器103に至り、復水ポンプ113、低圧給水加熱器114、脱気器115、主給水ポンプ116、および高圧給水加熱器117が設けられている。
従って、原子力発電プラントでは、一次冷却水が原子炉容器101にて加熱されて高温・高圧となり、加圧器102にて加圧されて圧力を一定に維持されつつ、一次冷却水管105を介して蒸気発生器103に供給される。蒸気発生器103では、一次冷却水と二次冷却水との熱交換が行われることにより、二次冷却水が蒸発して蒸気となる。熱交換後の冷却した一次冷却水は、一次冷却水管105を介して一次冷却水ポンプ104側に回収され、原子炉容器101に戻される。一方、熱交換により蒸気となった二次冷却水は、蒸気タービン107に供給される。蒸気タービン107に係り、湿分分離加熱器111は、高圧タービン108からの排気から湿分を除去し、さらに加熱して過熱状態とした後に低圧タービン109に送る。蒸気タービン107は、二次冷却水の蒸気により駆動され、その動力が発電機110に伝達されて発電される。タービンの駆動に供された蒸気は、復水器112に排出される。復水器112は、取水管112aを介してポンプ112bにより取水した冷却水(例えば、海水)と、低圧タービン109から排出された蒸気とを熱交換し、当該蒸気を凝縮させて低圧の飽和液に戻す。熱交換に用いられた冷却水は、排水管112cから排出される。また、凝縮された飽和液は、二次冷却水となり、復水ポンプ113によって二次冷却水管106bを介して復水器112の外部に送り出される。さらに、二次冷却水管106bを経る二次冷却水は、低圧給水加熱器114で、例えば、低圧タービン109から抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器115で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去された後、主給水ポンプ116により送水され、高圧給水加熱器117で、例えば、高圧タービン108から抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器103に戻される。
このように構成された原子力発電プラントの加圧水型原子炉において、図2に示すように、原子炉容器101は、その内部に燃料集合体120を含む炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体101aに対して原子炉容器蓋101bが複数のスタッドボルト121およびナット122により開閉可能に固定されている。
原子炉容器本体101aは、原子炉容器蓋101bを取り外すことで上部が開口可能であり、下部が半球形状をなす下鏡101eにより閉塞された円筒形状をなしている。原子炉容器本体101aは、内部にて、入口側管台101cおよび出口側管台101dより上方に上部炉心支持板123が固定される一方、下方の下鏡101eの近傍に位置して下部炉心支持板124が固定されている。この上部炉心支持板123および下部炉心支持板124は、円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成されている。そして、上部炉心支持板123は、複数の炉心支持ロッド125を介して下方に図示しない多数の連通孔が形成された上部炉心板126が連結されている。
原子炉容器本体101aは、内部に円筒形状をなす炉心槽127が内壁面と所定の隙間をもって配置されており、この炉心槽127は、上部が上部炉心板126に連結され、下部に円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された下部炉心板128が連結されている。そして、下部炉心板128は、下部炉心支持板124に支持されている。即ち、炉心槽127は、原子炉容器本体101aの下部炉心支持板124に支持されることとなる。
上部炉心板126と炉心槽127と下部炉心板128とにより炉心129が形成されている。炉心129は、内部に多数の燃料集合体120が配置されている。燃料集合体120は、図示しないが、多数の燃料棒が支持格子により格子状に束ねられて構成され、上端部に上部ノズルが固定される一方、下端部に下部ノズルが固定されている。また、炉心129は、内部に多数の制御棒130が配置されている。この多数の制御棒130は、上端部がまとめられて制御棒クラスタ131となり、燃料集合体120内に挿入可能となっている。上部炉心支持板123は、この上部炉心支持板123を貫通して多数の制御棒クラスタ案内管132が固定されており、各制御棒クラスタ案内管132は、下端部が燃料集合体120内の制御棒クラスタ131まで延出されている。
原子炉容器101を構成する原子炉容器蓋101bは、上部が半球形状をなして磁気式ジャッキの制御棒駆動装置133が設けられており、原子炉容器蓋101bと一体をなすハウジング134内に収容されている。多数の制御棒クラスタ案内管132は、上端部が制御棒駆動装置133まで延出され、この制御棒駆動装置133から延出されて制御棒クラスタ駆動軸135が、制御棒クラスタ案内管132内を通って燃料集合体120まで延出され、制御棒クラスタ131を把持可能となっている。
この制御棒駆動装置133は、上下方向に延設されて制御棒クラスタ131に連結されるとともに、その表面に複数の周溝を長手方向に等ピッチで配設してなる制御棒クラスタ駆動軸135を磁気式ジャッキで上下動させることで、原子炉の出力を制御している。
また、原子炉容器本体101aは、下鏡101eを貫通する多数の計装管台146が設けられ、この各計装管台146は、炉内側の上端部に炉内計装案内管147が連結される一方、炉外側の下端部にコンジットチューブ148が連結されている。各炉内計装案内管147は、上端部が下部炉心支持板124に連結されており、振動を抑制するための上下の連接板149,150が取付けられている。コンジットチューブ148は、下部炉心板128に至り設けられており、中性子束を計測可能な中性子束検出器(図示略)が挿入されるシンブルチューブ151が挿通される。シンブルチューブ151は、コンジットチューブ148を介して計装管台146および炉内計装案内管147を通り、下部炉心板128を貫通して燃料集合体120まで挿入可能となっている。
このような加圧水型原子炉は、制御棒駆動装置133により制御棒クラスタ駆動軸135を移動して燃料集合体120から制御棒130を所定量引き抜くことで、炉心129内での核分裂を制御し、発生した熱エネルギにより原子炉容器101内に充填された軽水が加熱され、高温の軽水が出口側管台101dから排出される。即ち、燃料集合体120を構成する原子燃料が核分裂することで中性子を放出し、減速材および一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくするとともに、発生した熱を奪って冷却する。一方、制御棒130を燃料集合体120に挿入することで、炉心129内で生成される中性子数を調整し、また、制御棒130を燃料集合体120に全て挿入することで、原子炉を緊急に停止することができる。原子炉容器101は、炉心129に対して、その上方に出口側管台101dに連通する上部プレナム152が形成されるとともに、下方に下部プレナム153が形成されている。そして、原子炉容器101と炉心槽127との間に入口側管台101cおよび下部プレナム153に連通するダウンカマー部154が形成されている。従って、軽水は、入口側管台101cから原子炉容器本体101a内に流入し、ダウンカマー部154を下向きに流れ落ちて下部プレナム153に至り、この下部プレナム153の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板124および下部炉心板128を通過した後、炉心129に流入する。この炉心129に流入した軽水は、炉心129を構成する燃料集合体120から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体120を冷却する一方、高温となって上部炉心板126を通過して上部プレナム152まで上昇し、出口側管台101dを通って排出される。原子炉容器101から排出された軽水は、上述したように、蒸気発生器103に送られる。
図3は、コンジットチューブを説明する概略側面図である。図4は、コンジットチューブおよびシンブルチューブの側面図である。図5は、コンジットチューブおよびシンブルチューブの縦断面図である。図6は、コンジットチューブおよびシンブルチューブの側面図である。
図2を参照し、上述したように、コンジットチューブ148は、シンブルチューブ151が挿通される。コンジットチューブ148は、計装管台146の外部まで延出される。図3に示すように、原子炉容器101は、原子炉格納容器100内において吊り下げ支持されている。原子炉格納容器100は、原子炉容器101の下方に配管室155が形成されている。複数のコンジットチューブ148は、下鏡101eから原子炉容器101の外部に引き出され、配管室155を湾曲して上方に引き回された後、端部が別室のシールテーブル156に固定されている。シンブルチューブ151は、この固定されたコンジットチューブ148の端部から挿通される。そして、このシンブルチューブ151に中性子束検出器が挿入される。
シールテーブル156は、図4に示すように、板状に形成され、コンジットチューブ148の端部が下から上に貫通された状態で固定されている。複数のコンジットチューブ148は、等間隔で並べられてシールテーブル156の上面から林立されている。
コンジットチューブ148は、上述したようにシンブルチューブ151が挿通されている。図4および図5に示すように、コンジットチューブ148は、その端部にシール座148Aが設けられている。シール座148Aは、コンジットチューブ148の中心軸Sが延在する軸方向(上下方向)において、下方に延在し、コンジットチューブ148の端部を挿通するように円筒形状をなし外周面に雄ネジ部が形成されたフェルール148Aaを有している。フェルール148Aaには、環状のフェルール148Abが嵌合し、各フェルール148Aa,148Abの嵌合を維持することでシール座148Aをコンジットチューブ148の端部にシールして固定されるようにフェルール148Aaの外周面の雄ネジ部にナット148Acが螺合されている。また、シール座148Aは、軸方向における上部にフランジ部148Adが形成されている。フランジ部148Adは、上方に向く端面148Aeを有し、当該端面148Aeにおいて中心軸Sの軸回りを囲む環状凹部148Afが形成されている。環状凹部148Afは、Oリング148Bが配置される。また、シール座148Aは、シンブルチューブ151が挿通されるように軸方向に貫通して設けられ、フランジ部148Ad側においてシンブルチューブ151の外周面と隙間をおいて対面する内周面148Agが形成されている。
このコンジットチューブ148に対して挿通されるシンブルチューブ151は、その途中にシール座151Aが設けられている。シール座151Aは、コンジットチューブ148の中心軸Sが延在する軸方向(上下方向)において、上方に延在し、シンブルチューブ151を挿通するように円筒形状をなし外周面に雄ネジ部が形成されたフェルール151Aaを有している。フェルール151Aaには、環状のフェルール151Abが嵌合し、各フェルール151Aa,151Abの嵌合を維持することでシール座151Aをシンブルチューブ151にシールして固定されるようにフェルール151Aaの外周面の雄ネジ部にナット151Acが螺合されている。また、シール座151Aは、軸方向における下部にフランジ部151Adが形成されている。フランジ部151Adは、下方に向いて環状凹部148Afに対向する端面151Aeを有し、当該端面151Aeの中央においてシール座148Aの内周面148Agに当接しつつ当該内周面148Agとシンブルチューブ151の外周面との隙間に挿入される筒状部151Afが形成されている。
各シール座148A,151Aは、各フランジ部148Ad,151Adがクランプ部151Bにより固定されることで、各フランジ部148Ad,151Adの端面148Ae,151Aeが互いに当接させた状態で維持された高圧シールを構成し、この高圧シールによりコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止するようにシールされている。この高圧シールによりシールされた状態で、シンブルチューブ151に中性子検出器(図4に一点鎖線で示す)が挿入される。
このような構成において、定期検査時に燃料集合体120を原子炉容器101から取り出す場合、燃料集合体120の取り出しや装着に中性子検出器およびシンブルチューブ151が邪魔になることから、中性子検出器およびシンブルチューブ151を燃料集合体120から抜き出すことになる。中性子検出器は、検出器チューブ(図示略)の先端に設けられており、シールテーブル156が配置された別室の上部に設けられた巻取機(図示略)で検出器チューブが巻き取られてシンブルチューブ151から抜き出される。その後、シンブルチューブ151は、少なくとも燃料集合体120から抜き出される数m分を、別室にてコンジットチューブ148の端部から引き抜かれる。具体的には、図6に示すように、クランプ部151Bを外し、各フランジ148Ad,151Adの各端面148Ae,151Aeが離れるようにシンブルチューブ151を軸方向の上方(図6の矢印方向)に引き抜く。そして、定期検査時には、原子炉容器101のキャビティ内に水を張るため、この水張りの水頭圧による漏水を防止することを目的としてコンジットチューブ148の端部と、シンブルチューブ151の引き抜かれた途中部分との間に低圧シール(例えば、耐圧1MPa程度)が設けられる。低圧シールは、図には明示しないが、シール座148Aの内周面148Agとシンブルチューブ151の外周面との隙間に筒状のシール部材が挿入され、このシール部材を囲むケーシングおよびケーシングを介してシール部材を隙間内に押圧する押圧部を有する。
図7は、本実施形態に係るシール冶具の縦断面図である。図8は、本実施形態に係るシール冶具の正面図である。図9は、本実施形態に係るシール冶具の一部を示す斜視図である。
本実施形態のシール冶具は、系統除染を行う場合、原子炉冷却系(RCS:Reactor Coolant System)の内圧を中圧(例えば、2.75MPa程度)にする必要があり、この中圧に耐えられるようにコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止するものである。
本実施形態のシール冶具は、弾性部材1と、ケーシング2と、押圧部3と、を含む。
弾性部材1は、図7~図9に示すように、シンブルチューブ151の外周を囲む態様で中央が貫通した円環状に形成され、シンブルチューブ151(コンジットチューブ148)の中心軸Sが延在する軸方向(上下方向)において、軸方向のそれぞれに向く上面1aおよび下面1bと、径方向のそれぞれに向く内周面1cおよび外周面1dとを有している。この弾性部材1は、切込1Aと、第一シール部1Bと、第二シール部1Cと、第三シール部1Dと、を有している。
切込1Aは、図9に示すように、環状を1箇所で切り開くように上面1a、下面1b、内周面1c、および外周面1dを切断して設けられており、弾性部材1がシンブルチューブ151に径方向(軸方向に交差(直交)する方向)から挿入可能に開口する。
第一シール部1Bは、図7~図9に示すように、弾性部材1の貫通した中央において、弾性部材1と一体で下面1bから下方に突出して筒状に設けられた部分である。第一シール部1Bは、弾性部材1の内周面1cに連続する筒状の内周面1Baと、筒状の外周面1Bbとを有している。そして、第一シール部1Bは、内周面1Baがシンブルチューブ151の内周面に当接可能であると共に、外周面1Bbがシール座148Aの内周面148Agに当接可能で、シンブルチューブ151の内周面とシール座148Aの内周面148Agとの隙間に挿入されるように形成されている。
第二シール部1Cは、弾性部材1の下面1bであり、シール座148Aの端面148Aeに当接する部分である。
第三シール部1Dは、第一シール部1Bの径方向外側(中心軸Sから遠ざかる側)において、弾性部材1と一体で下面1bから下方に突出して筒状に設けられた部分である。第三シール部1Dは、シール座148Aの環状凹部148Afに挿入されるように形成されている。
即ち、弾性部材1は、コンジットチューブ148側とシンブルチューブ151側との間で少なくとも3箇所に配置されるシール部1B,1C,1Dを有する。
ケーシング2は、図7および図8に示すように、内側ケーシング2Aと、外側ケーシング2Bと、を有している。
内側ケーシング2Aは、弾性部材1およびシール座148Aの端面148Aeを囲むように筒状部2Aaと、筒状部2Aaの軸方向(上下方向)の一方(上方)を閉塞する閉塞部2Abとを有して形成され、閉塞部2Abにおいてシンブルチューブ151を貫通させる貫通穴2Acが形成されている。また、内側ケーシング2Aは、筒状部2Aaの開口側である軸方向(上下方向)の他方(下方)に径方向に突き出したフランジ部2Adが形成されている。この内側ケーシング2Aは、シンブルチューブ151に径方向から配置することが可能に、筒状部2Aa、閉塞部2Ab、貫通穴2Acおよびフランジ部2Adが2分割されている。
外側ケーシング2Bは、内側ケーシング2Aの外形に沿って内側ケーシング2Aを覆うように、筒状部2Baと、筒状部2Baの軸方向(上下方向)の一方(上方)を閉塞する閉塞部2Bbとを有して形成され、閉塞部2Bbにおいてシンブルチューブ151を貫通させる貫通穴2Bcが形成されている。この外側ケーシング2Bは、シンブルチューブ151および内側ケーシング2Aに径方向から配置することが可能に、筒状部2Ba、閉塞部2Bbおよび貫通穴2Bcの一側が開放された切欠溝2Bdを有している。また、外側ケーシング2Bは、閉塞部2Bbの上面の中央において貫通穴2Bcを囲むように円形状に突出する突起部2Beが形成されている。そして、外側ケーシング2Bは、内側ケーシング2Aの外側を覆い、筒状部2Baの開口側である軸方向(上下方向)の下端が内側ケーシング2Aのフランジ部2Adに当接する。
即ち、ケーシング2は、弾性部材1を覆うものである。
押圧部3は、図7および図8に示すように、押圧部材3Aと、支持部3Bと、を有している。
押圧部材3Aは、シンブルチューブ151(コンジットチューブ148)の中心軸Sが延在する軸方向(上下方向)に延在し、シンブルチューブ151を挿通するように中央に貫通穴3Aaが形成されて円柱状に形成されている。押圧部材3Aは、外周に雄ネジ部3Abが形成されている。また、押圧部材3Aは、その上端にナット3Acが一体に形成されている。また、押圧部材3Aは、その下端に外側ケーシング2Bの突起部2Beに嵌合する嵌合部3Adが一体に形成されている。この押圧部材3Aは、シンブルチューブ151に径方向から配置することが可能に、貫通穴3Aa、雄ネジ部3Ab、ナット3Ac、および嵌合部3Adの一側が開放された切欠溝3Aeを有している。
支持部3Bは、シンブルチューブ151(コンジットチューブ148)の側部にて軸方向(上下方向)に沿って延在するように形成された支持部本体3Baを有している。支持部本体3Baは、その上端に押圧部材3Aの雄ネジ部3Abに螺合する雌ネジ部3Bbが形成されている。雌ネジ部3Bbは、支持部本体3Baの上端からシンブルチューブ151(コンジットチューブ148)の径方向に延在して設けられている。また、支持部本体3Baは、その下端にコンジットチューブ148に固定される固定部3Bcが形成されている。固定部3Bcは、支持部本体3Baの下端からシンブルチューブ151(コンジットチューブ148)の径方向に延在して設けられている。固定部3Bcは、コンジットチューブ148の側部に嵌合する嵌合凹部3Bcaと、嵌合凹部3Bcaにネジ3Bccにより取り付けられて嵌合凹部3Bcaと共にコンジットチューブ148の側部に固縛される固定具3Bcbと、を有している。また、支持部3Bは、押圧部材3Aの雄ネジ部3Abに螺合する固定ナット3Bdを有している。固定ナット3Bdは、雌ネジ部3Bbよりも上方にて押圧部材3Aの雄ネジ部3Abに螺合される。この支持部3Bは、シンブルチューブ151に径方向から配置することが可能に、支持部本体3Baの上端の雌ネジ部3Bbおよび固定ナット3Bdの一側が開放された切欠溝3Beを有している。
即ち、押圧部3は、支持部本体3Baの上端において、雌ネジ部3Bbに押圧部材3Aの雄ネジ部3Abを螺合させ、かつ雄ネジ部3Abに固定ナット3Bdを螺合させた状態で、押圧部材3A、雌ネジ部3Bb、および固定ナット3Bdをコンジットチューブ148に径方向から配置する。また、押圧部3は、支持部3Bの支持部本体3Baがコンジットチューブ148およびシンブルチューブ151の側部で軸方向に延在して配置されるように、支持部本体3Baの下端において、嵌合凹部3Bcaおよび固定具3Bcbをネジ3Bccで取り付けてコンジットチューブ148の側部に固縛する。その後、ナット3Acで雄ネジ部3Abを雌ネジ部3Bbを介して締めて嵌合部3Adを外側ケーシング2Bの突起部2Beに嵌合させ、外側ケーシング2Bを内側ケーシング2Aと共に下方に押圧することで、弾性部材1をシール座148Aに押し付ける押圧力を付与する。
このように構成された本実施形態のシール冶具は、弾性部材1を切込1Aを介してシンブルチューブ151の径方向から挿入する。次に、弾性部材1の切込1Aの位置から内側ケーシング2Aの2分割の位置を外すように内側ケーシング2Aをシンブルチューブ151に径方向から配置する。次に、内側ケーシング2Aの2分割の位置から外側ケーシング2Bの切欠溝2Bdの位置を外すように外側ケーシング2Bをシンブルチューブ151および内側ケーシング2Aに径方向から挿入する。次に、押圧部3によりケーシング2をシール座148Aに向けて軸方向に押圧する。
これにより、弾性部材1の第一シール部1Bは、シンブルチューブ151の外周面とシール座148Aの内周面148Agとの隙間に押し付けられ、内周面1Baがシンブルチューブ151の外周面に当接されると共に、外周面1Bbがシール座148Aの内周面148Agに当接される。また、弾性部材1の第二シール部1C(下面1b)は、シール座148Aの端面148Aeに当接される。また、弾性部材1の第三シール部1Dは、環状凹部148Afに押し付けられて当接される。
このように、本実施形態のシール冶具は、コンジットチューブ148側とシンブルチューブ151側との間で少なくとも3箇所に配置されるシール部(第一シール部1B,第二シール部1C,第三シール部1D)を有する弾性部材1と、弾性部材1を覆うケーシング2と、ケーシング2を介して弾性部材1の各シール部に対して押圧力を付与する押圧部3と、を含む。
このシール冶具によれば、系統除染を行う場合に、原子炉冷却系(RCS:Reactor Coolant System)の内圧を中圧(例えば、2.75MPa程度)にしても、この中圧に耐えられるように、各シール部(第一シール部1B,第二シール部1C,第三シール部1D)により、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止することができる。この結果、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを確実に行うことができる。しかも、このシール冶具によれば、弾性部材1を覆うケーシング2と、ケーシング2を介して弾性部材1の各シール部に対して押圧力を付与する押圧部3と、を含むことから、シンブルチューブ151の引き抜かれた途中部分の改造(切断および溶接など)の作業が不要であり、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止することができる。この結果、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを作業コストが嵩むことなく容易に行うことができる。
なお、本実施形態のシール冶具は、中圧に耐えることができるため、低圧シールとして共通して用いることができ、低圧シールを省くことができ、設備コストを低減し、かつシール冶具の保管場所も押さえることができる。
また、本実施形態のシール冶具では、弾性部材1は、シンブルチューブ151の外周を囲むように環状に形成され、かつシンブルチューブ151に径方向から挿入可能に開口する切込1Aを有して形成されて、シンブルチューブ151の外周面およびシール座148Aの内周面148Agと当接可能でシンブルチューブ151の外周面とシール座148Aの内周面148Agとの隙間に挿入される第一シール部1Bと、シール座148Aの端面148Aeに当接する第二シール部1Cと、シール座148Aの環状凹部148Afに挿入される第三シール部1Dと、を備えることが望ましい。さらに、ケーシング2は、弾性部材1およびシール座148Aの端面148Aeを囲むように形成され、かつシンブルチューブ151に径方向から配置可能に2分割された内側ケーシング2Aと、内側ケーシング2Aの外形に沿って形成され、シンブルチューブ151および内側ケーシング2Aに径方向から配置可能に開放された切欠溝2Bdを有する外側ケーシング2Bとを備えて構成されていることが望ましい。そして、押圧部3は、ケーシング2をシール座148Aに向けて軸方向に押圧するように構成されていることが望ましい。
このシール冶具によれば、弾性部材1における第一シール部1B、第二シール部1Cおよび第三シール部1Dと、ケーシング2の内側ケーシング2Aおよび外側ケーシング2Bにより、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを確実に行うことを実現でき、かつ、弾性部材1の切込1Aや、内側ケーシング2Aの2分割や、外側ケーシング2Bの切欠溝2Bdにより装着を容易としてコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを容易に行うことを実現することができる。
また、本実施形態のシール冶具取付方法は、弾性部材1を切込1Aを介してシンブルチューブ151の径方向から挿入し、弾性部材1の切込1Aの位置から内側ケーシング2Aの2分割の位置を外すように内側ケーシング2Aをシンブルチューブ151に径方向から配置し、内側ケーシング2Aの2分割の位置から外側ケーシング2Bの切欠溝2Bdの位置を外すように外側ケーシング2Bをシンブルチューブ151および内側ケーシング2Aに径方向から挿入して、押圧部3によりケーシング2をシール座148Aに向けて軸方向に押圧する。
このシール冶具取付方法によれば、弾性部材1の切込1Aの位置と内側ケーシング2Aの2分割の位置とを外し、内側ケーシング2Aの2分割の位置と外側ケーシング2Bの切欠溝2Bdの位置とを外すことで、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを確実に行うことを実現でき、装着を容易としてコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを容易に行うことを実現することができる。
図10は、本実施形態に係るシール冶具の他の例の縦断面図である。図11は、本実施形態に係るシール冶具の他の例の一部を示す平面図である。図12は、本実施形態に係るシール冶具の他の例の一部を示す側面図である。図13は、本実施形態に係るシール冶具の他の例の一部を示す平面図である。図14は、本実施形態に係るシール冶具の他の例の一部を示す側面図である。
図10~図14に示すシール冶具の他の例は、上述した高圧シールとは異なる構成に対応してコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを行うことができるものである。
図10において、コンジットチューブ148からシンブルチューブ151を一部引き抜いた状態を示している。二点鎖線で示すように、コンジットチューブ148は、その端部にシール座148Cが設けられている。シール座148Cは、図には明示しないが、上記と同様にフェルール148Aaを有し、環状のフェルール148Abが嵌合し、ナット148Acが螺合されている。このシール座148Cは、軸方向における上部に円錐状のフェルール148Caが形成されている。フェルール148Caの上側には、雄ネジ部148Cbが形成されている。一方、シンブルチューブ151は、その途中にシール座151Cが設けられている。シール座151Cは、シール座148Cのフェルール148Caと嵌合するフェルール151Caが形成されている。また、シール座151Cは、シール座148Cの雄ネジ部148Cbに螺合するナット151Cbが形成されている。従って、シール座148Cとシール座151Cとは、ナット151Cbを雄ネジ部148Cbに螺合することで、互いのフェルール148Ca,フェルール151Caが嵌合した状態で維持された高圧シールを構成し、この高圧シールによりコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止するようにシールされている。この高圧シールによりシールされた状態で、シンブルチューブ151に中性子検出器(例えば、図4に一点鎖線で示す)が挿入される。
このような構成において、定期検査時に、シンブルチューブ151は、少なくとも燃料集合体120から抜き出される数m分を、別室にてコンジットチューブ148の端部から引き抜かれる。具体的には、図10に示すように、ナット151Cbを雄ネジ部148Cbから緩めて外すことで、互いのシール座148C,151Cが離れてシンブルチューブ151を軸方向の上方(図6の矢印方向)に引き抜く。そして、定期検査時には、原子炉容器101のキャビティ内に水を張るため、この水張りの水頭圧による漏水を防止することを目的としてコンジットチューブ148の端部と、シンブルチューブ151の引き抜かれた途中部分との間に低圧シール(例えば、耐圧1MPa程度)が設けられる。低圧シールは、図には明示しないが、シール座148Cのフェルール148Caとシンブルチューブ151の外周面との隙間に筒状のシール部材が挿入され、このシール部材を囲むケーシングおよびケーシングを介してシール部材を隙間内に押圧する押圧部を有する。
本実施形態のシール冶具の他の例は、系統除染を行う場合、原子炉冷却系(RCS:Reactor Coolant System)の内圧を中圧(例えば、2.75MPa程度)にする必要があり、この中圧に耐えられるようにコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止するものである。
本実施形態のシール冶具は、弾性部材11と、ケーシング12と、押圧部13と、を含む。
弾性部材11は、図10~図12に示すように、第一シール部11Bと、第二シール部11Cと、第三シール部11Dと、を有している。
第一シール部11Bは、シンブルチューブ151の外周を囲む態様で中央が貫通した長球で環状に形成されている。また、第一シール部11Bは、切込11Baが形成されている。切込11Baは、第一シール部11Bの環状を1箇所で軸方向に対して斜めに切り開くように設けられており、第一シール部11Bがシンブルチューブ151に径方向(軸方向に交差(直交)する方向)から挿入することが可能に開口する。
第二シール部11Cは、コンジットチューブ148の外周を囲む態様で中央が貫通した環状に形成されている。また、第二シール部11Cは、切込11Caが形成されている。切込11Caは、第二シール部11Cの環状を1箇所で軸方向に対して斜めに切り開くように設けられており、第二シール部11Cがコンジットチューブ148に径方向(軸方向に交差(直交)する方向)から挿入することが可能に開口する。
第三シール部11Dは、中心軸Sを挟んだ両側において1対設けられ、第一シール部11Bと第二シール部11Cとを繋ぐものである。従って、第一シール部11B、第二シール部11Cおよび第三シール部11Dは、無端状に繋がって形成されている。
即ち、弾性部材11は、コンジットチューブ148側とシンブルチューブ151側との間で少なくとも3箇所に配置されるシール部11B,11C,11Dを有する。
ケーシング12は、図10、図13および図14に示すように、コンジットチューブ148の端部を含みコンジットチューブ148およびシンブルチューブ151の一部の外周を囲むように形成されている。また、ケーシング12は、コンジットチューブ148およびシンブルチューブ151の径方向から配置することが可能に2分割に形成されている。また、ケーシング12は、2分割された互いの対向面12Aに第一シール部11B、第二シール部11Cおよび第三シール部11Dを収容する無端状の収容溝12Aaが形成されている。また、ケーシング12は、2分割された互いの対向面12Aを貫通する雌ネジ穴12Abが形成されている。雌ネジ穴12Abは、収容溝12Aaの外側を囲むように複数設けられている。また、ケーシング12は、2分割された互いの対向面12Aに、コンジットチューブ148の端部のシール座148Cおよびナット148Acを収容する収容凹部12Acが形成されている。また、ケーシング12は、2分割された互いの対向面12Aに、コンジットチューブ148を挿通する挿通凹部12Adが収容凹部12Acに連通しつつケーシング12を貫通して設けられている。また、ケーシング12は、2分割された互いの対向面12Aに、シンブルチューブ151を挿通する挿通凹部12Aeが収容凹部12Acに連通しつつケーシング12を貫通して設けられている。
即ち、ケーシング12は、弾性部材11を覆うものである。
押圧部13は、図10に示すように、ケーシング12の雌ネジ穴12Abに螺合するネジである。即ち、押圧部13は、ケーシング12の2分割された対向面12Aを接近させて対向面12Aの間に弾性部材11を挟み込んで押し付ける押圧力を付与する。
このように構成された本実施形態のシール冶具の他の例は、弾性部材11の第一シール部11Bを切込11Baを介してシンブルチューブ151の径方向から挿入する。また、弾性部材11の第二シール部11Cを切込11Caを介してコンジットチューブ148の径方向から挿入する。次に、第一シール部11Bの切込11Baの位置および第二シール部11Cの切込11Caの位置からケーシング12の2分割の位置を外すように2分割されたケーシング12をコンジットチューブ148およびシンブルチューブ151の径方向から配置する。次に、押圧部13によりケーシング12の2分割された対向面12Aを接触させるように押圧する。
これにより、弾性部材11の第一シール部11Bは、ケーシング12に収容されつつシンブルチューブ151の外周面を環状に囲って当該外周面に当接する。また、弾性部材11の第二シール部11Cは、ケーシング12に収容されつつコンジットチューブ148の外周面を環状に囲って当該外周面に当接する。また、弾性部材11の第三シール部11Dは、ケーシング12に収容されつつ第一シール部11Bと第二シール部11Cとを繋いで環状に配置された内側にコンジットチューブ148の端部のシール座148Cおよびナット148Acを囲む。
このように、本実施形態のシール冶具の他の例は、コンジットチューブ148側とシンブルチューブ151側との間で少なくとも3箇所に配置されるシール部(第一シール部11B,第二シール部11C,第三シール部11D)を有する弾性部材11と、弾性部材11を覆うケーシング12と、ケーシング12を介して弾性部材11の各シール部に対して押圧力を付与する押圧部13と、を含む。
このシール冶具によれば、系統除染を行う場合に、原子炉冷却系(RCS:Reactor Coolant System)の内圧を中圧(例えば、2.75MPa程度)にしても、この中圧に耐えられるように、各シール部(第一シール部11B,第二シール部11C,第三シール部11D)により、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止することができる。この結果、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを確実に行うことができる。しかも、このシール冶具によれば、弾性部材11を覆うケーシング12と、ケーシング12を介して弾性部材11の各シール部に対して押圧力を付与する押圧部13と、を含むことから、シンブルチューブ151の引き抜かれた途中部分の改造(切断および溶接など)の作業が不要であり、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間の漏水を防止することができる。この結果、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを作業コストが嵩むことなく容易に行うことができる。
なお、本実施形態のシール冶具の他の例は、中圧に耐えることができるため、低圧シールとして共通して用いることができ、低圧シールを省くことができ、設備コストを低減し、かつシール冶具の保管場所も押さえることができる。
また、本実施形態のシール冶具の他の例では、弾性部材11は、シンブルチューブ151の外周を囲むように形成され、かつシンブルチューブ151に径方向から挿入可能に開口する切込11Baを有して形成された第一シール部11Bと、コンジットチューブ148の外周を囲むように形成され、かつコンジットチューブ148に径方向から挿入可能に開口する切込11Caを有して形成された第二シール部11Cと、第一シール部11Bおよび第二シール部11Cを繋ぐ1対の第三シール部11Dとを備え、ケーシング12は、コンジットチューブ148の端部を含みコンジットチューブ148およびシンブルチューブ151の一部の外周を囲むように形成され、かつコンジットチューブ148およびシンブルチューブ151の径方向から配置可能に2分割に形成されて、かつ2分割された互いの対向面12Aに第一シール部11B、第二シール部11Cおよび第三シール部11Dを収容する収容溝12Aaを有して構成され、押圧部13は、ケーシング12の2分割された対向面12Aを接近させて押圧するように構成されていることが望ましい。
このシール冶具によれば、弾性部材11における第一シール部11B、第二シール部11Cおよび第三シール部11Dと、ケーシング12により、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを確実に行うことを実現でき、かつ、弾性部材11の切込11Ba,11Caや、ケーシング12の2分割により装着を容易としてコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを容易に行うことを実現することができる。
また、本実施形態のシール冶具取付方法は、弾性部材11の第一シール部11Bを切込11Baを介してシンブルチューブ151の径方向から挿入し、かつ弾性部材11の第二シール部11Cを切込11Caを介してコンジットチューブ148の径方向から挿入し、第一シール部11Bの切込11Baの位置および第二シール部11Cの切込11Caの位置からケーシング12の2分割の位置を外すように2分割されたケーシング12をコンジットチューブ148およびシンブルチューブ151の径方向から配置し、押圧部13によりケーシング12の2分割された対向面12Aを接触させるように押圧する。
このシール冶具取付方法によれば、弾性部材11の第一シール部11Bの切込11Baの位置とケーシング12の2分割の位置とを外し、第二シール部11Cの切込11Caの位置とケーシング12の2分割の位置とを外すことで、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを確実に行うことを実現でき、装着を容易としてコンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを容易に行うことを実現することができる。
ところで、本実施形態のシール冶具の他の例は、図5に示す形態のコンジットチューブ148の端部の構造であっても取り付けることができる。従って、シール冶具運用方法として、原子炉容器101に設けられたコンジットチューブ148と、当該コンジットチューブ148に挿し込まれるシンブルチューブ151とについて、コンジットチューブ148の端部とシンブルチューブ151との間のシールを行うにあたり、コンジットチューブ148の端部形状の違いに応じ、本実施形態のシール冶具とシール冶具の他の例とを選択して用いる一方で、シール冶具の他の例を共有して用いる。
このシール冶具運用方法によれば、コンジットチューブ148の端部形状の違いに応じて本実施形態のシール冶具とシール冶具の他の例とを選択して用いることで、比較的小さいケーシング2とした製造コストの低い本実施形態のシール冶具を適用することにより、コストを抑えることができる。一方、シール冶具の他の例を共有して用いることでシール冶具の種類を1つに共通させて作業性を向上することができる。