JP2019143679A - ワークの位置決め機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置決め穴に挿入される位置決めピン相当部の外径寸法の変化量が大きい位置決め機構を提供する。【解決手段】位置決めピン分割体を構成する複数の羽根状部材2を位置決め穴周方向に等分に配設し、各羽根状部材2の基部の回転軸10を中心軸部材4に回転可能に接続すると共に、中心軸部材4より径方向外側のスリット部材6に形成された径方向のスリット8に、回転軸10よりも径方向外側で各羽根状部材2に突設された係合ピン12を収納し、中心軸部材4とスリット部材6を相対回転させることで羽根状部材2を回転軸10周りに径方向に開いたり閉じたりするように回転させ、羽根状部材2全体の外径を縮径状態から拡径させて位置決め穴Hの内周面に当接することにより、位置決め穴Hが設けられたワークWを精密に位置決めすると共に、羽根状部材2全体の位置決めピンとしての外径の変化量を大きくすることができる。【選択図】図6
Description
本発明は、ワークの位置決め機構、特に、ワークの位置決め穴に挿入部を挿入してワークを位置決めするワークの位置決め機構に関する。
例えば、自動車産業におけるスポット溶接工程では、例えば2以上の鋼板を冶具や搭載台上で位置決めして、スポット溶接が行われる。こうした鋼板などのワークの位置決めは、ワークに形成された位置決め穴に位置決めピンを挿入して行われるのが一般的である。位置決めピンと位置決め穴は、互いに挿抜可能であるため、位置決めピンの外径と位置決め穴の内径の間には、所定の隙間が設定されるのが一般的である。しかしながら、位置決めピンの外径と位置決め穴の内径に隙間があると、ワークを精密に位置決めすることは困難である。
位置決めピンの外径と位置決め穴の内径の隙間をなくしてワークを精密に位置決めするために、例えば下記特許文献1に記載される位置決め機構が提案されている。この位置決め機構は、位置決めピンを例えば4分割して位置決めブロックとし、これら位置決めブロックをカムピンのテーパ面で径方向外側に押し広げて各位置決めブロックを位置決め穴の内周面に当接させる構造としている。この位置決め機構では、径方向外側に押し広げられた位置決めブロックと位置決め穴の内周の間には隙間がないので、ワークを精密に位置決めすることが可能となっている。
しかしながら、例えば鋼板のスポット溶接では、溶接によって鋼板、即ちワークに歪みが生じ、この歪みによってワークに形成された位置決め穴そのものが歪んだり、位置決め穴の位置が変化したりする。また、スポット溶接に供される鋼板などのワークは、例えば既にプレス加工などの加工工程を経ており、そうした加工工程で位置決め穴そのものが歪んだり、位置決め穴の位置が変化したりすることもある。つまり、実際の位置決め穴の内径は、予め設定されている内径よりも実質的に小さいことがある。一方で、実際の位置決め穴の内径が予め設定されている内径と同等のこともある。従って、例えば前述の特許文献1に記載される位置決め機構の場合、位置決めピンの外径に相当する位置決めブロック全体の外径の変化量が大きい、即ち小さな内径の位置決め穴にも大きな内径の位置決め穴にも対応可能な外径寸法の変化が望まれる。しかしながら、特許文献1に記載される位置決め機構では、位置決めブロックをテーパ面で径方向外側に押し出すだけであるから、外径寸法の変化量は比較的小さい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、位置決め穴に挿入される位置決めピン相当部の外径寸法の変化量が大きく、これにより位置決め穴の内径の大きな変化に対応したり広い範囲の内径の位置決め穴に対応したりすることが可能なワークの位置決め機構を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載のワークの位置決め機構は、
ワークに形成された断面円形の位置決め穴に挿入部を挿入して前記ワークの位置決めを行うワークの位置決め機構において、前記位置決め穴の中心軸と同軸に且つ該位置決め穴の径方向の内外で互いに相対回転可能な2つの相対回転部材と、前記2つの相対回転部材を互いに相対回転させる回転手段と、を有し、前記2つの相対回転部材のうちの一方の相対回転部材には、前記位置決め穴の略径方向に伸長する複数の溝状部が形成され、前記挿入部は、前記挿入状態で、前記位置決め穴の中心軸と略平行で且つ前記位置決め穴の周方向に沿って間隔を設けて配設された複数の羽根状部材で構成され、前記複数の羽根状部材は、それぞれ、前記位置決め穴の中心軸と平行な回転軸中心に回転可能に他方の前記相対回転部材に接続されると共に、前記他方の相対回転部材と前記接続される位置より前記位置決め穴の径方向内側又は外側位置に設けられた突設部が前記溝状部に摺動可能に収納されて前記一方の相対回転部材に接続されたことを特徴とする。
ワークに形成された断面円形の位置決め穴に挿入部を挿入して前記ワークの位置決めを行うワークの位置決め機構において、前記位置決め穴の中心軸と同軸に且つ該位置決め穴の径方向の内外で互いに相対回転可能な2つの相対回転部材と、前記2つの相対回転部材を互いに相対回転させる回転手段と、を有し、前記2つの相対回転部材のうちの一方の相対回転部材には、前記位置決め穴の略径方向に伸長する複数の溝状部が形成され、前記挿入部は、前記挿入状態で、前記位置決め穴の中心軸と略平行で且つ前記位置決め穴の周方向に沿って間隔を設けて配設された複数の羽根状部材で構成され、前記複数の羽根状部材は、それぞれ、前記位置決め穴の中心軸と平行な回転軸中心に回転可能に他方の前記相対回転部材に接続されると共に、前記他方の相対回転部材と前記接続される位置より前記位置決め穴の径方向内側又は外側位置に設けられた突設部が前記溝状部に摺動可能に収納されて前記一方の相対回転部材に接続されたことを特徴とする。
この構成によれば、回転手段によって2つの相対回転部材が互いに相対回転されると、各羽根状部材から突設された突設部が一方の相対回転部材の溝状部に沿って位置決め穴の略径方向に移動しながら、各羽根状部材は位置決め穴の中心軸と平行な他方の相対回転部材との回転軸中心に回転する。このとき、2つの相対回転部材の相対回転の方向に応じて、他方の相対回転部材との回転軸を中心とする各羽根状部材の回転方向が変わり、全ての羽根状部材が位置決め穴の径方向に開いて羽根状部材全体の外径が拡径したり、径方向に閉じて羽根状部材全体の外径が縮径したりする。従って、羽根状部材全体の外径が縮径している状態でそれらの羽根状部材を位置決め穴に挿入し、その後、羽根状部材全体の外径を拡径させて位置決め穴の内周面に当接させれば、羽根状部材と位置決め穴との隙間がなくなり、ワークを精密に位置決めすることができる。このとき、各羽根状部材は他方の相対回転部材との回転軸を中心として羽根状に開いたり閉じたりするので、羽根状部材全体の外径寸法の変化量が大きく、従って位置決め穴の内径の大きな変化に対応したり広い範囲の内径の位置決め穴に対応したりすることができる。また、羽根状部材が位置決め穴の内周面に当接する際、羽根状部材の回転に伴って回転力がワークに伝達されるので、この回転力が個別の突き当て基準にワークを押し付けるようにすることで更にワークを位置決めすることも可能となる。
請求項2に記載のワークの位置決め機構は、請求項1に記載のワークの位置決め機構において、前記羽根状部材は、前記位置決め穴の中心軸方向視で湾曲断面形状を有し、該湾曲断面は、前記他方の相対回転部材と羽根状部材との接続位置から遠ざかるほど曲率が大きいことを特徴とする。
この構成によれば、羽根状部材全体の外径の縮径時に羽根状部材同士が重なり合うように配置することが可能となり、これにより縮径時における羽根状部材の位置決め穴周方向長さを延長することが可能となることから、拡径時における羽根状部材全体の最大外径を大きくすることが可能となる。そのため、1つの位置決め機構で対応可能な位置決め穴の内径の範囲がより一層広がり、位置決め穴の内径のより大きな変化やより広い範囲の内径の位置決め穴にも対応してワークを精密に位置決めすることが可能となる。
請求項3に記載のワークの位置決め機構は、請求項1又は2に記載のワークの位置決め機構において、前記溝状部が前記一方の相対回転部材を貫通する貫通溝からなり、前記貫通溝から前記羽根状部材に向けて空気を吹き出す空気吹き出し構造を有することを特徴とする。
この構成によれば、貫通溝から羽根状部材に向けて供給された空気は、羽根状部材同士の間の隙間を通過して外部に吹き出すので、例えばスポット溶接のスパッタなどを吹き飛ばすことができ、そうした結果、ワーク位置決めに支障のあるごみや異物を除去してより一層精密なワークの位置決めが可能となる。
請求項4に記載のワークの位置決め機構は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のワークの位置決め機構において、前記回転手段は、前記位置決め穴の軸延長方向以外の部位に配設されたことを特徴とする。
この構成によれば、ワークの位置決め部位における回転手段の構成部材がないので、例えばスポット溶接のガンのような周辺装置の動きを妨げない。
以上説明したように、本発明によれば、ワークを精密に位置決めすることができると共に、各羽根状部材が羽根状に径方向に開いたり閉じたりするので、羽根状部材全体の外径寸法の変化量を大きくすることができ、これにより位置決め穴の内径の大きな変化に対応したり広い範囲の内径の位置決め穴に対応したりすることができる。また、羽根状部材の回転に伴ってワークに伝達される回転力でワークが個別の突き当て基準に押し付けるようにすることで更にワークを位置決めすることも可能となる。
以下に、本発明のワークの位置決め機構の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態の位置決め機構1によるワーク位置決め状態の説明図、図2(A)は、図1の平面図である。この例では、例えば、プレス鋼板からなる下側ワークW1上に同じくプレス鋼板からなる上側ワークW2を搭載するようにして、それらのワークW1、W2を図示しない冶具又は搭載台上に搭載する。冶具又は搭載台には、この実施の形態の位置決め機構1及び一般的な位置決めピンPが1つずつ、軸(軸線)を図示上方に向けて突設されており、これらの位置決め機構1の挿入部及び位置決めピンPが下側ワークW1及び上側ワークW2に形成されている位置決め穴Hに挿入され、これにより上側ワークW2及び下側ワークW1が位置決めされ、その状態で、例えば上側ワークW2と下側ワークW1のスポット溶接が行われる。
なお、本発明では、ワークWに形成された位置決め穴Hの中心軸(軸)や径、周を用いて「軸方向」、「径方向」、「周方向」を規定しているが、これらは、この実施の形態における位置決め機構1の主要部のそれらに実質的に一致している。そこで、以下では、位置決め穴Hを引用せずに、単に軸方向、径方向、周方向と示す。また、上端部がテーパによって先細り形状となっている位置決めピンPと位置決め穴Hの関係は、既存のものと同等であるから、その詳細な説明は省略する。また、図2(B)については、後段に詳述する。
この実施の形態の位置決め機構1は、複数の羽根状部材2で構成される挿入部を位置決め穴Hに挿入してワークWの位置決めを行う。従って、複数の羽根状部材2は従来の位置決めピン相当部であり、また後述するように位置決めピン分割体でもある。図3は、図1の位置決め機構1の主要部の断面図、図4は、図3のスリット部材(一方の相対回転部材)6の三面図、図5は、図3の羽根状部材2の三面図である。なお、図3(A)と図3(B)では、以下に詳述するように、羽根状部材2が径方向内側に閉じている状態が図3(A)、径方向外側に開いている状態が図3(B)に相当する。また、図4(A)はスリット部材6の平面図、図4(B)は、断面図である。また、図5(A)は、羽根状部材2の正面図、図5(B)は、底面図である。
この実施の形態の位置決め機構1は、本発明の他方の相対回転部材を構成する中実円柱状の中心軸部材4が径方向の中心部に配置されている。この中心軸部材4の中心軸(軸)は、ワークWに形成されている位置決め穴Hの軸に一致している。これに対し、本発明の一方の相対回転部材を構成するスリット部材6は、中心軸部材4の図示上方、つまりワークW側に配置され且つ中心軸部材4の外径程度の中央穴部6aを有する円形板状のスリット形成部6bと、このスリット形成部6bの外周部から図示下方に延設され且つ中心軸部材4を囲繞する円筒部6cとを備えて構成される。従って、中心軸部材4とスリット部材6は径方向で内外の位置関係になっている。また、中心軸部材4とスリット部材6の円筒部6cの間には軸受70が介装され、これにより両者は、位置決め穴Hと同軸に互いに相対回転可能となっている。また、スリット部材6の円盤状のスリット形成部6bには、このスリット形成部6bを貫通する貫通溝からなる3つのスリット(溝状部)8が径方向に伸長して等分に形成されている。ちなみに、中心軸部材4及びスリット部材6を収納する筐体50は、ワークWを搭載する搭載面50aを備える。
従来の位置決めピンの分割体として用いられる羽根状部材2は、この実施の形態では、1つの位置決め機構当たり3つ(3枚)である。これらの羽根状部材2は、軸方向に沿って立設されている。この羽根状部材2は、例えば次第に板厚が薄くなる板材を図4(B)のように板厚変化の方向に沿って湾曲させて形成され、この実施の形態では、板厚が薄くなる先方ほど曲率が大きくなるように湾曲されている。即ち、羽根状部材2を位置決め穴Hの軸方向から見た場合、羽根状部材2は、羽根としての伸長方向に湾曲され、その伸長方向先方ほど曲率が大きい。この羽根状部材2は、例えば図12に示すように、板厚の厚い基部が径方向内側となり、板厚の薄い先端部が径方向外側となるように径方向に広がりを持たせて軸方向に向けて立設され、3枚の羽根状部材2は、位置決め穴Hの周方向に沿って等分に間隔を開けて配設される。各羽根状部材2は、湾曲の凸が径方向外側に向くように配置されている。なお、これらの羽根状部材2は、位置決めピンの分割体であるから、位置決め穴Hに挿入可能である。また、各羽根状部材2は、伸長方向先端部の軸方向長さが短く、基部の軸方向長さが長く、両者を結ぶ稜線部が、3枚の羽根状部材全体でテーパになるように形成されている。
羽根状部材2の基部には、中心軸部材4側に向けて軸方向と平行な回転軸10が突設され、羽根状部材2の基部と先端部の中間部には、スリット部材6に向けて軸方向と平行な係合ピン(突設部)12が突設されている。このうち、回転軸10は、前述の中心軸部材4の図示上端面の外周部に軸受72を介して回転自在に挿入されている。この実施の形態の羽根状部材2は3枚であるから、回転軸10は中心軸部材4の上端面の外周部を3分割するように等分に挿入されている。即ち、羽根状部材2は、位置決め穴Hの軸と平行な回転軸10周りに回転自在に中心軸部材4に接続されている。また、係合ピン12は、前述したスリット部材6のスリット8にやや緊密に挿入される。スリット部材6のスリット8は、中心軸部材4よりも径方向外側に位置しているので、この実施の形態の係合ピン12は回転軸10よりも径方向外側でスリット部材6側、即ち一方の相対回転部材側に突設されており、相対的に、回転軸10は係合ピン12より径方向内側に位置している。この羽根状部材2は、図6に示すように、中心軸部材4とスリット部材6の相対回転によって回転軸10を中心として回転する。これに伴って、係合ピン12はスリット8内を径方向に摺動し、その結果、各羽根状部材2は、回転軸10を中心として、径方向に開いたり閉じたりするようにして同時に回転(回動)し、羽根状部材2全体の外径が拡径したり縮径したりする。
図7は、中心軸部材4とスリット部材6を相対回転させる回転手段の一例を示す説明図である。なお、これ以後、回転手段の説明図では、何れも位置決め機構1の主要部が強調して記載されているが、実際の位置決め機構主要部は、図示よりもずっと小さい。この例では、中心軸部材4は固定し、スリット部材6を電動モータ16で回転させる。この例では、筐体50の図示下端開放部を蓋部材52で閉塞し、この蓋部材52で中心軸部材4の図示下端部を固定する。筐体50は、図示右端部が取付部材54に固定され、この取付部材54の図示右端面に電動モータ16が取付けられている。スリット部材6の円筒部6cの下端部外周には従動プーリ18が設けられており、電動モータ16の回転軸に取付けられた駆動プーリ20とベルト22で連結されている。従って、電動モータ16を回転するとスリット部材6が中心軸部材4に対して相対回転する。なお、蓋部材52には、筐体50の内部に加圧空気(エア)を供給するためのエア接続口14が設けられ、図示しない配管やパイプを通じてエアが筐体50の内部に供給される。
図8は、中心軸部材4とスリット部材6を相対回転させる回転手段の他の例を示す説明図である。この例では、スリット部材6はピンなどの固定具56を介して筐体50に固定し、中心軸部材4を電動モータ16で回転させる。電動モータ16には、例えば、適宜減速ギヤを介装したギヤモータなどが使用される。この例では、筐体50を図示下方に延長し、その下端開口部を取付部材54に固定して閉塞する。取付部材54の図示上面には電動モータ16が取付けられており、この電動モータ16の回転軸と中心軸部材4をカップリング24で直結する。従って、電動モータ16を回転すると中心軸部材4がスリット部材6に対して相対回転する。この例でも、筐体50の外周部にエア接続口14が設けられ、図示しない配管やパイプを通じてエアが筐体50の内部に供給される。
図9は、中心軸部材4とスリット部材6を相対回転させる回転手段の更に他の例を示す説明図であり、図9(A)は一部断面正面図、図9(B)は底面図である。この例では、筐体50の構造は図7のものと同等であり、スリット部材6はピンなどの固定具56を介して筐体50に固定し、中心軸部材4をエアシリンダ26で回転させる。そのため、この例では、中心軸部材4の図示下端面外周部から連結軸4aが図示下方に向けて突設され、この連結軸4aとエアシリンダ26のロッド26aが連結アーム28を介して連結されている。従って、エアシリンダ26のロッド26aを伸縮すると中心軸部材4がスリット部材6に対して相対回転する。なお、この例では、エアシリンダ26に供給されるエアの一部が筐体50の内部に供給される。
図10は、中心軸部材4とスリット部材6を相対回転させる回転手段の更にまた他の例を示す説明図であり、図10(A)は一部断面正面図、図10(B)は底面図である。この例では、筐体50の構造は図7のものと同等であり、中心軸部材4は蓋部材52に固定され、スリット部材6をエアシリンダ26で回転させる。そのため、この例では、スリット部材6の円筒部6cの図示下端面から連結軸6dが図示下方に向けて突設され、この連結軸6dとエアシリンダ26のロッド26aが連結アーム28を介して連結されている。従って、エアシリンダ26のロッド26aを伸縮するとスリット部材6が中心軸部材4に対して相対回転する。なお、この例でも、エアシリンダ26に供給されるエアの一部が筐体50の内部に供給される。
図11は、中心軸部材4とスリット部材6を相対回転させる回転手段のより更に他の例を示す説明図であり、一部断面正面図からなる。この例では、筐体50の構造は図8のものと同等であり、中心軸部材4は取付部材54に固定され、スリット部材6をエアシリンダ26で回転させる。そのため、この例では、スリット部材6の円筒部6cの図示下端面から連結軸6dが図示下方に向けて突設され、この連結軸6dとエアシリンダ26のロッド26aが連結アーム28を介して連結されている。エアシリンダ26とスリット部材6の連結構造は、図10(B)と同等である。従って、エアシリンダ26のロッド26aを伸縮するとスリット部材6が中心軸部材4に対して相対回転する。なお、この例でも、エアシリンダ26に供給されるエアの一部が筐体50の内部に供給される。
図12は、図3の位置決め機構1の羽根状部材2の動きを軸方向から見た説明図である。前述のように、中心軸部材4とスリット部材6を相対回転させることで各羽根状部材2は回転軸10の周りに同期して且つ同位相に回転し、図12(A)(図3(A)に相当)から図12(E)(図3(B)に相当)のように径方向外側に開いたり、逆に図12(E)から図12(A)のように径方向内側に閉じたりする。図に示す破線の円は、3枚の羽根状部材2全体の外径(外接円)を示しており、例えば図12(A)のように羽根状部材2が径方向内側に閉じている状態では、羽根状部材2全体の外径は小さい(縮径している)。一方、図12(E)のように羽根状部材2が径方向外側に開いている状態では、羽根状部材2全体の外径は大きい(拡径している)。これら羽根状部材2全体の外径は、当接可能な位置決め穴Hの内径と同等であるから、前述したように、位置決め穴Hの内径の変化量が大きいような場合には、羽根状部材2全体の外径の変化量が大きい方が対応幅が広い。
この実施の形態の位置決め機構1では、例えば、以下のようにしてワークWの位置決めを行う。即ち、ワークWが冶具や搭載台上に置かれる前に、中心軸部材4とスリット部材6を所定の回転方向に相対回転させて羽根状部材2を径方向内側に閉じ、羽根状部材2全体の外径を縮径しておく。その状態で、3枚の羽根状部材2が位置決め穴Hに挿入されるようにしてワークWを冶具や搭載台上にセットする。その後、中心軸部材4とスリット部材6を前述と逆回転方向に相対回転させて羽根状部材2を径方向外側に開き、羽根状部材2全体の外径を拡径させながら各羽根状部材2を位置決め穴Hの内周面に当接させる。全ての羽根状部材2が位置決め穴Hの内周面に当接すれば、両者の隙間がなくなって、ワークWは精密に位置決めされる。
その際、この実施の形態では、羽根状部材2の数を3枚としたことにより、位置決め穴Hの内周面との3つの、即ち必要最小限の接触点(接触線)で確実且つ精密にワークWを位置決めすることができると共に、羽根状部材2が互いに干渉しない範囲で各羽根状部材2の伸長方向(縮径時の周方向)長さを最大限に長くすることができ、これにより羽根状部材2全体の外径の変化量を最大として、対応可能な位置決め穴Hの内径の変化量や内径範囲を最大とすることが可能となる。なお、前述の位置決め機構1の位置決め動作を、例えばプログラミングされたシーケンスによって行うか、例えばマニュアル操作によって行うかは、任意である。
また、羽根状部材2の伸長方向に沿って羽根状部材2を湾曲し、その伸長方向先方ほど、つまり回転軸10から遠ざかるほど曲率を大きくしたことにより、位置決めピン分割体としての羽根状部材2全体の外径の縮径時に、羽根状部材2同士の干渉を回避しながら、羽根状部材2同士が径方向に重なり合うようにすることができ、これにより縮径時における羽根状部材2の伸長方向長さ、即ち位置決め穴周方向長さを延長することが可能となることから、拡径時における羽根状部材2全体の最大外径を大きくすることが可能となる。そのため、1つの位置決め機構1で対応可能な位置決め穴Hの内径の範囲がより一層広がり、位置決め穴Hの内径のより大きな変化やより広い範囲の内径の位置決め穴Hにも対応してワークWを精密に位置決めすることが可能となる。
また、前述した図7、図8の例では、エア接続口14から筐体50の内部にエアが供給される。また、図9〜図11の例では、エアシリンダ26に供給されるエアの一部が筐体50の内部に供給される。この実施の形態のスリット部材6に設けられているスリット8は、スリット部材6のスリット形成部6bを貫通する貫通溝であるから、筐体50内に供給されたエアは、スリット8を通って羽根状部材2同士の隙間から外部に吹き出す。例えばスポット溶接では、発生したスパッタがごみや異物となってワーク位置決めの支障となる。この実施の形態のように羽根状部材2の隙間からエアを吹き出せば、これらのごみや異物を吹き飛ばすことができ、そうした結果、ワーク位置決めに支障のあるごみや異物を除去してより一層精密なワークWの位置決めが可能となる。
また、前述した図7、図9、図10の例では、電動モータ16やエアシリンダ26などの回転手段が位置決め穴Hの軸延長方向からずれた部位に配設されている。周知のように、スポット溶接では、溶接のためのガンが位置決め穴Hの近傍に差し込まれることが多く、位置決め穴Hの軸延長方向に回転手段があると、差し込まれるガンの動きの支障となるおそれがある。これらの例のように、回転手段を位置決め穴Hの軸延長方向以外に部位に設けることで、スポット溶接のガンのような周辺装置の動きを妨げることがない。
また、この実施の形態の位置決め機構1によれば、各羽根状部材2が径方向外側に開くように回転する際、それらの羽根状部材2が位置決め穴Hの内周面に当接すると、各羽根状部材2の回転力が位置決め穴Hの内周面を通じてワークWに伝達される。これによりワークWは、羽根状部材2の回転方向と同方向に回転されようとする。従って、例えば図2(B)に示すように、羽根状部材2から伝達される回転力によって上側ワークW2が図の白抜き矢印方向に回転される場合に、その回転方向に対峙する突き当て基準Sを、例えば図の下側ワークW1に形成すると共に冶具又は搭載台にも突き当て基準Sを形成し、例えば作業者や産業用ロボットによって、これらの突き当て基準Sに上側ワークW2及び下側ワークW1を押し付けるようにして下側ワークW1上に上側ワークW2をセットし、然る後、前述のように位置決め機構1の羽根状部材2を径方向外側に広がるように回転させれば、羽根状部材2の回転力によって上側ワークW2は下側ワークW1の突き当て基準に押し付けられ続け、これにより、他方の位置決め穴及び位置決めピンによる位置決めが不要となる。
図13は、羽根状部材2が6枚である場合の位置決め機構1の羽根状部材2の動き(スリット8も併記)を軸方向から見た説明図である。前述から推察されるように、この実施の形態の位置決め機構1における羽根状部材2は、3枚以上であれば位置決め穴Hの内周面に確実に当接してワークWを精密に位置決めすることができるが、羽根状部材2の数が多くなりすぎても、構造が複雑になり、また羽根状部材2全体の外径の変化量も小さくなる。実質的に、羽根状部材2の数は、凡そ6枚程度が上限である。
なお、前述の実施の形態では、羽根状部材2と中心軸部材4との接続位置より径方向外側で、係合ピン12をスリット部材6に接続する例についてのみ詳述したが、原理的には、羽根状部材と中心軸部材の接続位置より径方向内側で、係合ピンをスリット部材に接続しても本発明の位置決め機構は成立する。即ち、羽根状部材の回転軸が径方向外側、羽根状部材の係合ピンが径方向内側になるレイアウトである。ただし、この場合、羽根状部材の回転軸から羽根状部材の伸長方向先端部までの距離が短くなる傾向にあるので、羽根状部材全体の外径寸法の変化量がやや小さくなるというデメリットがある。
また、前述の実施の形態では、羽根状部材2の径方向への開閉を係合ピン12とスリット部材6のスリット8でガイドしたが、羽根状部材に形成される突設部はピン形状でなくてもよいし、スリット部材に形成される溝状部はスリットでなくてもよい。つまり、羽根状部材に形成される突設部が、略径方向に向けて一方の相対回転部材(スリット部材)に形成された溝状部に沿って摺動するものであれば、両者の形状は如何様なものであってもよい。
本発明が上記していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当とされる特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 位置決め機構
2 羽根状部材(挿入部)
4 中心軸部材(他方の相対回転部材)
6 スリット部材(一方の相対回転部材)
8 スリット(溝状部)
10 回転軸
12 係合ピン(突設部)
14 エア接続口
16 電動モータ(回転手段)
18 従動プーリ(回転手段)
20 駆動プーリ(回転手段)
22 ベルト(回転手段)
24 カップリング(回転手段)
26 エアシリンダ(回転手段)
28 連結アーム(回転手段)
H 位置決め穴
W、W1、W2 ワーク
2 羽根状部材(挿入部)
4 中心軸部材(他方の相対回転部材)
6 スリット部材(一方の相対回転部材)
8 スリット(溝状部)
10 回転軸
12 係合ピン(突設部)
14 エア接続口
16 電動モータ(回転手段)
18 従動プーリ(回転手段)
20 駆動プーリ(回転手段)
22 ベルト(回転手段)
24 カップリング(回転手段)
26 エアシリンダ(回転手段)
28 連結アーム(回転手段)
H 位置決め穴
W、W1、W2 ワーク
Claims (4)
- ワークに形成された断面円形の位置決め穴に挿入部を挿入して前記ワークの位置決めを行うワークの位置決め機構において、
前記位置決め穴の中心軸と同軸に且つ該位置決め穴の径方向の内外で互いに相対回転可能な2つの相対回転部材と、
前記2つの相対回転部材を互いに相対回転させる回転手段と、
を有し、
前記2つの相対回転部材のうちの一方の相対回転部材には、前記位置決め穴の略径方向に伸長する複数の溝状部が形成され、
前記挿入部は、前記挿入状態で、前記位置決め穴の中心軸と略平行で且つ前記位置決め穴の周方向に沿って間隔を設けて配設された複数の羽根状部材で構成され、
前記複数の羽根状部材は、それぞれ、前記位置決め穴の中心軸と平行な回転軸中心に回転可能に他方の前記相対回転部材に接続されると共に、前記他方の相対回転部材と前記接続される位置より前記位置決め穴の径方向内側又は外側位置に設けられた突設部が前記溝状部に摺動可能に収納されて前記一方の相対回転部材に接続されたことを特徴とするワークの位置決め機構。 - 前記羽根状部材は、前記位置決め穴の中心軸方向視で湾曲断面形状を有し、該湾曲断面は、前記他方の相対回転部材と羽根状部材との接続位置から遠ざかるほど曲率が大きいことを特徴とする請求項1に記載のワークの位置決め機構。
- 前記溝状部が前記一方の相対回転部材を貫通する貫通溝からなり、
前記貫通溝から前記羽根状部材に向けて空気を吹き出す空気吹き出し構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のワークの位置決め機構。 - 前記回転手段は、前記位置決め穴の軸延長方向以外の部位に配設されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のワークの位置決め機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018026740A JP2019143679A (ja) | 2018-02-19 | 2018-02-19 | ワークの位置決め機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018026740A JP2019143679A (ja) | 2018-02-19 | 2018-02-19 | ワークの位置決め機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019143679A true JP2019143679A (ja) | 2019-08-29 |
Family
ID=67772046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018026740A Pending JP2019143679A (ja) | 2018-02-19 | 2018-02-19 | ワークの位置決め機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019143679A (ja) |
-
2018
- 2018-02-19 JP JP2018026740A patent/JP2019143679A/ja active Pending
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