JP2019143224A - 積層造形物の製造装置及び積層造形物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チャンバ内の酸素濃度を短時間で充分に低下できる低コストな積層造形物の製造装置及び積層造形物の製造方法を提供する。【解決手段】積層造形物Wの製造装置1は、酸化用部材Sを収納し、外気と内気との遮断が可能なチャンバ10と、チャンバ10の内部に設けられ、金属粉末Pを光ビームの照射範囲に供給する金属粉末供給装置30と、照射範囲に供給されたチャンバ10内の金属粉末Pへ光ビームを照射する光ビーム照射装置40と、金属粉末供給装置30及び光ビーム照射装置40の動作を制御する制御装置50と、を備え、制御装置50は、積層造形物Wを積層造形する前に、光ビームを酸化用部材Sに向けて照射して酸化用部材Sを酸化させる酸化部51、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、積層造形物の製造装置及び積層造形物の製造方法に関するものである。
近年、粉末状の金属をレーザ光の照射によって焼結又は溶融して固化させ、一層ずつ層状に積層して立体的な積層造形物を製造する金属AM(Additive Manufactuaring)の開発が盛んになってきている。金属AMで使用される金属には、マルエージング鋼、ステンレス鋼(SUS)、チタン鋼(Ti)、アルミニウム(Al)及び銅(Cu)等がある。金属AMは、酸化による積層造形物の変質、例えば、銅の場合は電気伝導度の低下を抑制するため、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)、窒素(N)等の不活性ガスの雰囲気中において行われる。
一般的な積層造形物の製造装置では、チャンバ内で粉末状の金属にレーザ光を照射するため、チャンバ内に不活性ガスを充填するが、この充填は時間が掛かっている。特許文献1には、チャンバを、造形領域を覆う造形室と、加工ヘッドの駆動装置を収容する駆動室とに分離し、造形室と駆動室を仕切り部で仕切った積層造形物の製造装置が記載されている。このような積層造形物の製造装置によれば、造形室内に駆動装置を配置しない分だけ造形室を小さくでき、造形室内への不活性ガスの充填時間を短縮できる。
特開2016−74957号公報
特許文献1に記載の積層造形物の製造装置では、短時間で造形室内への不活性ガスの充填を行うことができるが、酸化による積層造形物の変質を極力抑えるために造形室内の酸素濃度を更に低下させる必要があるときは、不活性ガスの充填を長時間行う必要がある。また、チャンバを造形室と駆動室に仕切る必要があるため、装置コストが上昇する傾向にある。
本発明は、チャンバ内の酸素濃度を短時間で充分に低下できる低コストな積層造形物の製造装置及び積層造形物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層造形物の製造装置は、光ビームの照射によって金属粉末を焼結又は溶融によって固化させて積層造形することで積層造形物を製造する積層造形物の製造装置であって、酸化用部材を収納し、外気と内気との遮断が可能なチャンバと、前記チャンバの内部に設けられ、前記金属粉末を前記光ビームの照射範囲に供給する金属粉末供給装置と、前記照射範囲に供給された前記チャンバ内の前記金属粉末へ前記光ビームを照射する光ビーム照射装置と、前記金属粉末供給装置及び前記光ビーム照射装置の動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記積層造形物を積層造形する前に、前記光ビームを前記酸化用部材に向けて照射して前記酸化用部材を酸化させる酸化部、を備える。
本発明に係る積層造形物の製造装置によれば、サポート部材に対し光ビームを照射し、サポート部材を酸化させることでチャンバ内の酸素濃度を低下させる。よって、チャンバ内の酸素濃度を短時間で充分に低下でき、積層造形物の製造効率を向上できる装置を構成できる。そして、酸化による積層造形物の変質を大幅に抑制できる。また、既存のチャンバで対応可能であるので、装置コストの上昇を抑制できる。
本発明に係る積層造形物の製造方法は、酸化用部材を収納し、外気と内気との遮断が可能なチャンバと、前記チャンバの内部に設けられ、金属粉末を光ビームの照射範囲に供給する金属粉末供給装置と、前記照射範囲に供給された前記チャンバ内の前記金属粉末へ前記光ビームを照射する光ビーム照射装置と、を備える製造装置において、前記光ビームの照射によって前記金属粉末を焼結又は溶融によって固化させて積層造形することで積層造形物を製造する方法であって、前記積層造形物を積層造形する前に、前記光ビームを前記酸化用部材に向けて照射して前記酸化用部材を酸化させる酸化工程、を備える。
本発明に係る積層造形物の製造方法によれば、サポート部材に対し光ビームを照射し、サポート部材を酸化させることでチャンバ内の酸素濃度を低下させる。よって、チャンバ内の酸素濃度を短時間で充分に低下でき、積層造形物の製造効率を向上でき、また酸化による積層造形物の変質を大幅に抑制できる。
積層造形物の製造装置を示す図である。 ベース、積層造形物及びサポート部材を示す拡大正面図である。 図2のIII−III線断面図である。 積層造形物の製造方法を説明するためのフローチャートである。 チャンバ内への不活性ガスの充填時間と、チャンバ内の酸素濃度との関係及び光ビーム照射のオン・オフとの関係を示す図である。
(1.積層造形物の製造装置の構成)
積層造形物の製造装置1は、層状に配置された金属粉末Pに光ビームを照射することを繰り返すことによって、積層造形物Wを製造する装置である。ここで、光ビームは、例えばレーザビーム及び電子ビームを含み、その他に金属粉末Pを焼結又は溶融することができる種々のビームを含む。
また、レーザビームには、近赤外波長のレーザ、COレーザ(遠赤外レーザ)、半導体レーザ等、種々のレーザを適用でき、対象の金属粉末Pに応じて適宜決定される。また、金属粉末Pは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マルエージング鋼、ステンレス鋼(SUS)、チタン鋼(Ti)やインコネル等の鋼材等、種々の金属材料を適用できる。
積層造形物の製造装置1は、図1に示すように、チャンバ10、造形物支持装置20、金属粉末供給装置30、光ビーム照射装置40、制御装置50を備える。チャンバ10は、外気と内気との遮断が可能であり、内部の空気を、例えばアルゴン(Ar)やヘリウム(He)、窒素(N)等の不活性ガスに置換可能となるように構成される。なお、チャンバ10は、内部を不活性ガスに置換するのではなく、減圧可能な構成としてもよい。
造形物支持装置20は、チャンバ10の内部に設けられ、積層造形物Wを造形するための装置である。造形物支持装置20は、造形用容器21、昇降テーブル22、ベース23を備える。造形用容器21は、上側に開口部を有し、上下方向の軸線に平行な内壁面を有する。昇降テーブル22は、造形用容器21の内部にて内壁面に沿うように上下方向に移動可能に設けられる。ベース23は、昇降テーブル22の上面に着脱可能に取り付けられ、ベース23の上面が積層造形物Wを造形するための部位となる。
金属粉末供給装置30は、チャンバ10の内部であって、造形物支持装置20に隣接して設けられ、金属粉末Pを供給するための装置である。金属粉末供給装置30は、粉末収納容器31、供給テーブル32、リコータ33を備える。粉末収納容器31は、上側に開口部を有しており、粉末収納容器31の開口部の高さは、造形用容器21の開口部の高さと同一に設けられる。粉末収納容器31は、上下方向の軸線に平行な内壁面を有する。供給テーブル32は、粉末収納容器31の内部にて内壁面に沿うように上下方向に移動可能に設けられる。そして、粉末収納容器31内において、供給テーブル32の上側領域に、金属粉末Pが収納される。
リコータ33は、造形用容器21の開口部及び粉末収納容器31の開口部の全領域に亘って、両開口部の上面に沿って往復移動可能に設けられる。リコータ33は、図1の右から左に移動するときに、粉末収納容器31の開口部から盛り出ている金属粉末Pを、造形用容器21側に運搬する。さらに、リコータ33は、運搬した金属粉末Pをベース23の上面にて層状に配置する。
光ビーム照射装置40は、ベース23の上面に層状に配置され、照射範囲に供給された金属粉末Pの表面に、光ビームを照射する。光ビームは、上述したように、レーザビームや電子ビーム等である。光ビーム照射装置40は、予め設定されたプログラムに従って、照射位置及び照射強度(入熱量)を変更される。照射位置を変化させることにより、所望の層状の積層造形物Wを形成することができる。また、照射強度(入熱量)を変化させることにより、金属粉末P同士の接合強度を変化させることができる。
制御装置50は、昇降テーブル22の昇降、供給テーブル32の昇降、リコータ33の往復移動、光ビーム照射装置40の光ビーム照射等の動作を制御して積層造形物を積層造形する。また、制御装置50(酸化部51)は、チャンバ10内に配置されている酸素濃度検出装置11により、チャンバ10内の酸素濃度を検出し、検出した酸素濃度に基づいて、後述する酸化用部材に光ビームを照射して酸化用部材を酸化させる。
(2.ベース上の積層造形物)
次に、ベース23の上面に形成される積層造形物Wについて図1−図3を参照して説明する。ベース23の上面において、層状に配置された金属粉末Pに光ビームを照射することを繰り返すことにより、最終的な対象物である積層造形物Wが形成される。ここで、積層造形物Wの下面が、平面とは限らない。そこで、ベース23と積層造形物Wとの間にサポート部材Sを介在させている。つまり、サポート部材Sは、ベース23上において積層造形物Wを支持するために用いられる。
また、積層造形物Wを直接ベース23の上面に形成したとすると、積層造形物Wがベース23に強い力で接合し、積層造形物Wをベース23から分離させることが容易ではない。そこで、図2及び図3に示すように、ベース23の上面に、積層造形物Wではない部分として、サポート部材Sを形成する。
その後、サポート部材Sの上面に、積層造形物Wを形成する。サポート部材Sは、例えば、ハンマー等により衝撃を加えることで、容易に分離できるような構造とする。これにより、サポート部材Sがベース23からも容易に分離でき、サポート部材Sを積層造形物Wからも容易に分離できるため、積層造形物Wを容易に取得することができる。
(3.チャンバ内の酸素濃度)
次に、チャンバ10内の酸素濃度について説明する。ここで、背景技術で述べたように、積層造形物の製造装置1では、酸化による積層造形物Wの変質、例えば、銅の場合は電気伝導度の低下を極力抑えるためには、チャンバ10内の酸素濃度を大幅に低下させる必要がある。従来は、チャンバ内への不活性ガスの充填を長時間行う必要があり、製造効率の低下を招いている。
本実施形態では、チャンバ10内への不活性ガスの充填をある程度行って酸素濃度を低下させた後、積層造形物Wを積層造形する前に、不活性ガスの充填を継続しつつ金属酸化により酸素濃度をさらに低下させることに着目している。すなわち、酸化用部材、例えば既存のサポート部材Sに対し光ビーム照射装置40により光ビームを照射し、サポート部材Sを酸化させることでチャンバ10内の酸素濃度をさらに低下させる。不活性ガスを充填開始すると酸素濃度は急激に低下するが、ある程度低下すると低下し難くなるため、補助のために金属酸化を利用することで酸素濃度の低下を促進できる。
このときの光ビームの照射位置は、サポート部材Sにおいて積層造形物Wを支持する部位を除く位置が望ましい。また、光ビームの照射強度(入熱量)は、積層造形物Wを造形するときの照射強度(入熱量)と同等以下とする。例えば、サポート部材Sが銅でなる場合、銅の溶融温度は約1080°Cであるが、酸化温度は約200°Cであるため、これらの温度範囲内となる照射強度(照射出力)とする。換言すると、光ビームは、サポート部材Sを酸化させるのに必要なエネルギ、すなわち、物質が一つの状態から他の状態に変化するときに必要な活性化エネルギを付与可能な照射強度(照射出力)とする。サポート部材Sを必ずしも溶融させる必要はなく、電力コストの上昇を抑制できるからである。
図5は、チャンバ10内への不活性ガス、本例ではアルゴンの充填時間tと、チャンバ10内の酸素濃度Dとの関係及び光ビーム照射のオン・オフとの関係を示す。図から明らかなように、チャンバ10内への不活性ガスの充填が開始されると、チャンバ10内の酸素濃度Dは急激に低下する。そして、従来は、図示一点鎖線で示すように、チャンバ10内の酸素濃度Dが積層造形物Wの造形が可能な目標酸素濃度Dp(例えば、0.1−0.2%、第二所定値)に達するまで、tfの充填時間が掛かっている。
一方、本実施形態では、図示実線で示すように、チャンバ10内の酸素濃度Dが目標酸素濃度Dpよりも濃度が所定量高い酸化開始酸素濃度Do(例えば、0.5−5.0%、第一所定値)に達した時点ts、すなわち酸素濃度Dの低下が鈍化した時点tsで、光ビーム照射装置40で既存のサポート部材Sに対し光ビームの照射を開始し、サポート部材Sを酸化させる。酸素濃度Dの低下が鈍化する酸化開始酸素濃度Doであれば、酸素の残量は少量であるので、金属酸化を有効に活用できるためである。そして、チャンバ10内の酸素濃度Dが目標酸素濃度Dpに達したら、サポート部材Sに対する光ビームの照射を停止する。チャンバ10内が目標酸素濃度Dpに達すれば、酸化による積層造形物Wの変質を大幅に抑制できるためである。
これにより、チャンバ10内の酸素濃度Dの低下速度は、従来のチャンバ10内の酸素濃度Dの低下速度よりも大きくなり、チャンバ10内の酸素濃度Dが目標酸素濃度Dpに達するまでの充填時間はte(<tf)となる。よって、チャンバ10内への不活性ガスの充填時間tは、従来よりもtf−teだけ短縮でき、積層造形物Wの製造効率を向上できる。そして、酸化による積層造形物Wの変質を大幅に抑制できる。また、既存のチャンバ10で対応可能であるので、装置コストの上昇を抑制できる。
なお、上述の例では、光ビームを既存のサポート部材Sに対し照射して、チャンバ10内の酸素濃度Dを低下させるようにしたが、ベース23の上面にサポート部材S(酸化用部材)を形成する過程においても、チャンバ10内の酸素濃度Dを低下できる。新規の酸化用部材を用意する必要がなく、装置コストの上昇を抑制できる。また、光ビームをベース23(酸化用部材)に対し照射して、チャンバ10内の酸素濃度Dを低下させるようにしてもよい。新規の酸化用部材を用意する必要がなく、装置コストの上昇を抑制できる。
また、光ビームをベース23の上面に層状に配置された金属粉末P(酸化用部材)の表面に対し照射して、チャンバ10内の酸素濃度Dを低下させるようにしてもよい。新規の酸化用部材を用意する必要がなく、装置コストの上昇を抑制できる。また、例えば切削加工した金属加工品を金属粉末Pに埋設し、光ビームを金属粉末Pに埋設される金属加工品とは別の金属製の酸化用部材の上面に対し照射して、チャンバ10内の酸素濃度Dを低下させるようにしてもよい。酸化用部材が別部材であるので、サポート部材S、ベース23、金属粉末Pの酸化による劣化を防止できる。また、埋設する酸化用部材は、造形物と同一の材料だけでなく、酸化し易い材料であってもよい。
(4.積層造形物の製造方法)
積層造形物Wの製造方法について、図4を参照して説明する。先ず、作業者は、金属粉末供給装置30の供給テーブル32を下方に位置決めした状態で、粉末収納容器31内に金属粉末Pを収納する。そして、供給テーブル32を上昇させて、所望量の金属粉末Pが粉末収納容器31の開口部から盛り出た状態とする。
そして、サポート部材Sが既に形成されたベース23を造形物支持装置20の昇降テーブル22の上面に取り付け、サポート部材Sの上面が造形用容器21の開口部より僅かに下方に位置するように、昇降テーブル22を位置決めする。以上により、積層造形物Wの製造における準備工程が完了する。
制御装置50は、チャンバ10内へのアルゴンの充填を開始する(図4のステップS1)。そして、制御装置50(酸化部51)は、酸素濃度検出装置11からの検出信号により、チャンバ10内の酸素濃度Dが酸化開始酸素濃度Doに達したか否かを判断する(図4のステップS2)。チャンバ10内の酸素濃度Dが酸化開始酸素濃度Doに達したら、光ビーム照射装置40を酸化加熱条件に設定する(図4のステップS3)。
制御装置50(酸化部51)は、チャンバ10内への不活性ガスの充填中に、サポート部材Sに対し光ビーム照射装置40による光ビームの照射を開始し、サポート部材Sを酸化させる(図4のステップS4、酸化工程)。そして、チャンバ10内の酸素濃度Dが目標酸素濃度Dpに達したか否かを判断し(図4のステップS5)、チャンバ10内の酸素濃度Dが目標酸素濃度Dpに達したら、光ビームの照射を停止する(図4のステップS6)。
制御装置50は、リコータ33を金属粉末供給装置30側から造形物支持装置20側に向かって移動させる(図4のステップS7)。これにより、金属粉末供給装置30内の金属粉末Pが、サポート部材Sの上面に移動し、サポート部材Sの上面において同一厚みの層状に配置される。続いて、光ビーム照射装置40を積層加熱条件に設定する(図4のステップS8)。
制御装置50は、サポート部材Sの上面において層状に配置された金属粉末Pに対し、光ビーム照射装置40により光ビームの照射を開始し、所定の経路に沿って光ビームを走査して金属粉末Pを溶融させて固化する(図4のステップS9)。この所定の経路は、積層造形物Wとして形成する部位に対応している。そして、所定の経路に沿った光ビームの走査が完了したか否かを判断し(図4のステップS10)、所定の経路に沿った光ビームの走査が完了していなければ当該走査を継続する。
一方、制御装置50は、所定の経路に沿った光ビームの走査が完了したら、全層完了したか否かを判断し(図4のステップS11)、全層完了していないときは、ステップS7に戻って上述の処理を繰り返す。一方、全層完了したときは、光ビームの照射を停止し(図4のステップS12)、チャンバ10内へのアルゴンの充填を停止し(図4のステップS13)、全ての処理を終了する。
これにより、サポート部材Sの上面に、積層造形物Wが形成される。本実施形態によれば、チャンバ10内の酸素濃度Dを短時間で充分に低下でき、積層造形物Wの製造効率を向上できる。そして、不活性ガスの使用量を削減でき、ランニングコストを低減できる。また、従来のようにチャンバ10内を区切る必要がなく、低コストな積層造形物Wの製造装置1を構成できる。
なお、積層造形物Wは、サポート部材Sの上面に接合しており、サポート部材Sは、ベース23の上面に接合している。そこで、積層造形物Wが形成された後には、積層造形物W及びサポート部材Sが接合した状態のベース23を昇降テーブル22から取り外す。そして、サポート部材Sを再利用しない場合は、積層造形物W及びサポート部材Sをベース23から切り離し、次に積層造形物Wからサポート部材Sを分離除去する。
また、積層造形物Wをサポート部材Sから切り離す。このようにして、積層造形物Wが完成する。そして、サポート部材Sの酸化部位は、サポート部材Sの表面を加工するときに取り除く。なお、ベース23を酸化用部材に用いたときは、サポート部材Sと同様にベース23の表面を加工するときにベース23の酸化部位を取り除く。また、金属粉末Pを酸化用部材に用いたときは、作業者が目視で酸化した金属粉末Pを取り除く。
(5.その他)
上述の実施形態では、積層造形物Wの製造における準備工程は作業者が行うものとしたが、制御装置50による自動化も可能である。また、チャンバ10内での積層造形に適用する場合を説明したが、チャンバ10内での溶接にも適用可能である。
1:製造装置、 23:ベース、 33:リコータ、 40:光ビーム照射装置、 P:金属粉末、 S:サポート部材、 W:積層造形物

Claims (10)

  1. 光ビームの照射によって金属粉末を焼結又は溶融によって固化させて積層造形することで積層造形物を製造する積層造形物の製造装置であって、
    酸化用部材を収納し、外気と内気との遮断が可能なチャンバと、
    前記チャンバの内部に設けられ、前記金属粉末を前記光ビームの照射範囲に供給する金属粉末供給装置と、
    前記照射範囲に供給された前記チャンバ内の前記金属粉末へ前記光ビームを照射する光ビーム照射装置と、
    前記金属粉末供給装置及び前記光ビーム照射装置の動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記積層造形物を積層造形する前に、前記光ビームを前記酸化用部材に向けて照射して前記酸化用部材を酸化させる酸化部、を備える積層造形物の製造装置。
  2. 前記酸化部は、前記積層造形物を積層造形するときの入熱量と同等以下の入熱量となる条件で、前記光ビームを前記酸化用部材に向けて照射する、請求項1に記載の積層造形物の製造装置。
  3. 前記酸化用部材は、前記金属粉末が層状に配置されるベース上にて前記積層造形物を支持するサポート部材である、請求項1又は2に記載の積層造形物の製造装置。
  4. 前記酸化用部材は、前記金属粉末が層状に配置されるベースである、請求項1又は2に記載の積層造形物の製造装置。
  5. 前記酸化用部材は、前記金属粉末が層状に配置されるベース上の前記金属粉末である、請求項1又は2に記載の積層造形物の製造装置。
  6. 前記酸化用部材は、前記積層造形物が前記金属粉末に埋設された部材に積層造形される場合、前記金属粉末に埋設された前記部材とは別の部材である、請求項1又は2に記載の積層造形物の製造装置。
  7. 前記酸化部は、前記チャンバ内への不活性ガスの充填中に、前記光ビームを前記酸化用部材に向けて照射する、請求項1−6のいずれか一項に記載の積層造形物の製造装置。
  8. 前記酸化部は、前記チャンバ内の酸素濃度が第一所定値に達したら、前記光ビームの前記酸化用部材への照射を開始する、請求項7に記載の積層造形物の製造装置。
  9. 前記酸化部は、前記チャンバ内の酸素濃度が第二所定値になるまで、前記光ビームの前記酸化用部材への照射を継続する、請求項7又は8に記載の積層造形物の製造装置。
  10. 酸化用部材を収納し、外気と内気との遮断が可能なチャンバと、前記チャンバの内部に設けられ、金属粉末を光ビームの照射範囲に供給する金属粉末供給装置と、前記照射範囲に供給された前記チャンバ内の前記金属粉末へ前記光ビームを照射する光ビーム照射装置と、を備える製造装置において、前記光ビームの照射によって前記金属粉末を焼結又は溶融によって固化させて積層造形することで積層造形物を製造する方法であって、
    前記積層造形物を積層造形する前に、前記光ビームを前記酸化用部材に向けて照射して前記酸化用部材を酸化させる酸化工程、を備える積層造形物の製造方法。
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