JP2019143200A - 粉末冶金用混合粉 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性、圧縮性、および抜出性を兼ね備え、低コストで製造可能な粉末冶金用混合粉を提供する。【解決手段】(a)鉄基粉末および(b)潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉であって、前記(b)潤滑剤が、(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含む、粉末冶金用混合粉。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末冶金用混合粉に関し、特に、流動性、圧縮性、および抜出性を兼ね備え、低コストで製造可能な粉末冶金用混合粉に関する。
粉末冶金技術は、複雑な形状の部品を、製品形状に極めて近い形状に成形でき、しかも高い寸法精度で製造できる手法であり、粉末冶金技術によれば切削コストを大幅に低減することができる。そのため、粉末冶金製品は各種の機械や部品として、多方面に利用されている。
粉末冶金では、主原料となる鉄基粉末に、必要に応じて銅粉、黒鉛粉、リン化鉄粉などの合金用粉末や、MnS等の切削性改善用粉末、および潤滑剤を混合した、混合粉(以下、粉末冶金用混合粉」または単に「混合粉」という)が用いられる。
このような粉末冶金用混合粉を成形して製品を製造する上で、該粉末冶金用混合粉に含まれる潤滑剤が果たす役割は極めて大きい。以下、潤滑剤の作用について説明する。
まず、潤滑剤は、混合粉を金型で成形する際の潤滑作用を有している。この作用は、さらに次の2つに大別される。一つは、混合粉に含まれる粒子間の摩擦を低減する作用である。成形時、潤滑剤が粒子間に入りこんで摩擦を小さくすることにより、粒子の再配列が促される。もう一つは、成形に用いられる金型と粒子との間の摩擦を低減する作用である。金型表面に存在する潤滑剤が該金型と粒子との間に入り込むことで、金型−粒子間の摩擦が低減される。上記2つの作用により、成形時に混合粉を高い密度まで圧縮することが可能となる。
さらに、潤滑剤は、金型内で圧縮成形された混合粉(圧粉体)を金型から取り出す(抜出す)際にも潤滑作用を発揮する。一般的に、圧粉体の金型からの抜出しは、パンチによって押し出すことによって行われるが、圧粉体と金型表面との摩擦により大きな摩擦抵抗が生じる。この際にも、混合粉に含まれる潤滑剤のうち、金型表面に存在するものによって摩擦力が低減される。
このように、粉末冶金用混合粉に含まれる潤滑剤は、成形時に非常に大きな役割を果たす。しかし、潤滑剤が必要となるのは成形と、金型からの抜出しが終わるまでであり、それ以降は不要であるだけでなく、圧粉体の焼結時には消失して、最終的な焼結体には残留しないことが求められる。
また、一般に潤滑剤は鉄基粉末に比べて付着力が強いため、混合粉の流動性を悪化させる。さらに潤滑剤は、比重が鉄基粉末に比べ小さいため、多量に添加すると圧粉体の密度が低下するという問題がある。
さらに、粉末冶金用混合粉において用いられる潤滑剤には、結合剤として機能することが求められる場合がある。ここで、結合剤とは、主成分である鉄基粉末の表面に、添加成分である合金用粉末などを付着させるための成分を指す。一般的な粉末冶金用混合粉は、鉄基粉末に、合金用粉末、切削性改善用粉末、および潤滑剤などの添加成分を混合しただけであるが、このような状態の混合粉では、混合粉の内部で各成分が偏析する場合がある。特に、合金用粉として一般的に用いられる黒鉛粉は、他の成分に比べて比重が小さいため、混合粉を流動させたり、振動させたりすること容易に偏析する。このような偏析を防止するために、鉄基粉末の表面に結合剤を介して添加成分を付着させることが提案されている。このような粉末は、粉末冶金用混合粉の1種であるが、偏析防止処理粉とも呼ばれる。偏析防止処理粉では、添加成分が鉄基粉末に付着しているため、上述したような成分の偏析を防止できる。
このような偏析防止処理粉に用いられる結合剤としては、潤滑剤としても機能する化合物がしばしば採用される。これは、結合剤にも潤滑性能をもたせることで、混合粉に添加する結合剤と潤滑剤の総量を減らすことができるからである。
このような粉末冶金用混合粉は、一般に、300〜1000MPaの圧力でプレス成形して、所定の部品形状とした後、1000℃以上の高温で焼結し、最終的な部品形状とされる。その際、混合粉に含まれる潤滑剤および結合剤の総量は、一般的には、鉄基粉末100質量部に対し0.1〜2質量部程度である。圧粉密度を大きくするためには潤滑剤および結合剤の添加量は少ないほうがよい。したがって、潤滑剤には、少量の添加で潤滑性があることが求められる。
このような潤滑剤としては、従来、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸が広く用いられてきた。しかし、金属石鹸は、圧粉体を焼結する際に、炉やワーク、焼結体表面の汚れの原因となる。そのため、金属石鹸に代わる様々な潤滑剤が提案されている。
例えば、特許文献1では、潤滑剤として、3つの成分A、B、Cを特定の比率で組み合わせて用いる技術が提案されている。ここで、成分Aはポリエレフィンである。また、成分Bは脂肪酸アミド、脂肪酸ビスアミド、飽和脂肪族アルコール、および脂肪酸グリセロールからなる群より選択される。成分C含有量はアミドオリゴマーである。
また、特許文献2では、異なる融点と平均粒径とを有する2種類の潤滑剤を併用することが提案されている。
特許文献3では、ポリエチレンエーテルおよびオリゴマーアミドからなる潤滑剤が提案されている。
特許文献4では、準安定な相を含む複合潤滑剤を用いることが提案されている。前記複合潤滑剤は、融点が120℃超である第一の潤滑剤と、融点が110℃未満である第2の潤滑剤を加熱混合し、急冷することによって製造される。
特許文献5では、(A)脂肪酸アミド、(B)N,N’−アルキレンビス脂肪酸アミド、および(C)脂肪酸グリセリドを含有する潤滑剤組成物を用いることが提案されている。
特許文献6では、粉末冶金用の鉄基粉末に、遊離潤滑剤とともに帯電防止剤を添加することが提案されている。
特表2013−503977号公報 特開2011−184708号公報 特表2005−504863号公報 特表2003−509581号公報 特開2014−028894号公報 特開2000−355702号公報
しかし、本発明者らが調査した結果、特許文献1から6に記載されるような従来の技術では、粉末冶金において求められる「圧縮性」、「抜出し性」、および「流動性」を兼ね備え、かつ、低コストで製造可能な粉末冶金用混合粉を実現することはできないことが分かった。
例えば、特許文献1で提案されている技術では、3つの成分からなる潤滑剤を使用することで、成形体強度の向上を図っている。しかし、前記潤滑剤を使用する際には、該潤滑剤を鉄基粉末と混合し、次いで、成分Aの融点より高く、かつ成分Cの融点よりも低い温度に加熱する必要がある。また、得られた成形体の強度を向上するためには、成分Cの融点より高く、かつ分解温度よりも低い温度で加熱する必要がある。このように、前記潤滑剤の使用は、生産プロセスの複雑化を招き、コストが増加する。
また、特許文献2で提案されている技術では、異なる融点と平均粒径とを有する2種類の潤滑剤を併用することによって粉末冶金用混合粉の抜出性と流動性の両立を図っているが、依然十分とは言えなかった。
特許文献3で提案されている潤滑剤は、成形体の強度を向上させる効果を有している。しかし、前記潤滑剤は付着力が強いため、粉末冶金用混合粉を調製する際に使用される混合装置にも付着してしまうという問題がある。さらに、潤滑剤の付着力が高いために、粉末冶金用混合粉の流動性も劣っている。
特許文献4で提案されている技術においては、準安定な相を含む複合潤滑剤を用いることにより、粉末冶金用混合粉の流動性を向上させることができる。しかし、前記複合潤滑剤の製造においては、準安定な相を形成するために、2つの潤滑剤を特定の条件で加熱混合した後、急冷して製造する必要がある。このような方法で得られる潤滑剤組成物を用いた場合、ゆっくり冷却することで完全に結晶化させた潤滑剤を用いた場合に比べて、圧粉体の成型密度が低くなる。また、上記のように急冷を伴う複合潤滑剤の製造プロセスは、コストの増加を招く。
特許文献5で提案されている技術においては、3つの成分を含有する潤滑剤組成物を用いることにより、抜出性と流動性の両立を図っている。しかし、各々の特性は、依然十分とは言えず、さらなる向上が求められている。特に、前記潤滑剤組成物を鉄基粉末と混合する際に、偏析を防止するために混合時間を長くした場合や、強混合した場合には、得られる粉末冶金用混合粉の流動性が低下する傾向があった。
特許文献6で提案されている技術においては、帯電防止剤を遊離潤滑剤と併用することにより、粉末冶金用混合粉の流動性を確保することができるものの、抜出性については依然として十分ではなかった。
このように、流動性、圧縮性、および抜出性を兼ね備え、かつ、低コストで製造可能な粉末冶金用混合粉は、依然として実現できていないのが実状であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、流動性、圧縮性、および抜出性を兼ね備え、低コストで製造可能な粉末冶金用混合粉を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
1.(a)鉄基粉末および
(b)潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉であって、
前記(b)潤滑剤が、
(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、
(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含む、粉末冶金用混合粉。
2.前記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドが、
N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、
N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、および
N,N’−エチレンビスバルミトレイン酸アミド、からなる群より選択される1または2以上である、上記1に記載の粉末冶金用混合粉。
3.前記複合潤滑剤中における、前記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの合計質量に対する、前記(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの質量の比率rb2が、30〜70質量%である、上記1または2に記載の粉末冶金用混合粉。
4.前記複合潤滑剤のメジアン径が10〜50μmであり、かつ
前記複合潤滑剤の円形度が0.7以上である、上記1〜3のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
5.(c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方をさらに含有する、上記1〜4のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
6.(e)結合剤をさらに含有し、
前記(c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方が、前記(e)結合剤によって前記(a)鉄基粉末の表面に付着している、上記5に記載の粉末冶金用混合粉。
7.前記(e)結合剤が、融点または軟化点が80〜200℃である熱可塑性潤滑剤である、上記6に記載の粉末冶金用混合粉。
8.前記結合剤が、1または2以上の脂肪酸アミドを含む、上記6または7に記載の粉末冶金用混合粉。
本発明の粉末冶金用混合粉は、流動性、圧縮性、および抜出性を兼ね備え、かつ低コストで製造することができる。本発明の粉末冶金用混合粉を用いることにより、高密度の成形体を得ることができる。
以下、本発明を実施する方法ついて具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な実施形態の例を示すものであって、本発明はこれに限定されない。
本発明の一実施形態における粉末冶金用混合粉は、下記(a)および(b)を必須成分として含有する。また、本発明の他の実施形態における粉末冶金用混合粉は、上記(a)および(b)に加え、さらに任意に下記(c)〜(e)から選択される1または2以上を含有することができる。以下、これらの各成分について説明する。
(a)鉄基粉末
(b)潤滑剤
(c)合金用粉末
(d)切削性改善剤
(e)結合剤
(a)鉄基粉末
上記鉄基粉末としては、特に限定されることなく任意の鉄基粉末を用いることができる。前記鉄基粉末の例としては、鉄粉(本技術分野においては一般的に「純鉄粉」と称される)や合金鋼粉が挙げられる。前記合金鋼粉としては、合金元素を溶製時に予め合金化した予合金鋼粉(完全合金化鋼粉)、鉄粉に合金元素を部分拡散させて合金化した部分拡散合金化鋼粉、予合金化鋼粉にさらに合金元素を部分拡散させたハイブリッド鋼粉など、任意のものを用いることができる。なお、ここで「鉄基粉末」とは、Feを50質量%以上含む金属粉末を指し、「鉄粉」とは、Feおよび不可避不純物からなる粉末を指すものとする。
上記合金鋼粉における合金成分としては、特に限定されることなく、例えば、Cr、Mn、Ni、Mo、V、Cu、Nb等、任意の元素を、1または2以上用いることができる。合金成分の含有量は、前記鉄基粉末におけるFe含有量が50質量%以上となる限りにおいて、任意の値とすることができる。
なお、前記鉄基粉末に含まれる不純物の量は、合計3質量%程度以下であることが好ましい。代表的な不純物の含有量は、質量%で、C:0.05%以下、Si:0.10%以下、Mn(合金元素として添加しない場合):0.50%以下、P:0.03%以下、S:0.03%以下、O:0.50%以下、N:0.1%以下とすることが好ましい。
前記鉄基粉末の平均粒径は、粉末冶金に用いられる通常の範囲として、70〜100μmとすることが好ましい。なお、鉄基粉末の粒径は、特に断りがない限り、JIS Z 2510:2004に準拠した乾式ふるい分けによる測定値とする。
上記粉末冶金用混合粉末に占める鉄基粉末の割合は特に限定されないが、80質量%以上とすることが好ましい。
前記鉄基粉末としては、酸化鉄を還元して製造される還元鉄基粉末や、アトマイズ法によって製造されるアトマイズ鉄基粉末など、任意のものを用いることができるが、還元鉄粉にはSi等の不純物が比較的多く含まれているため、アトマイズ鉄基粉末を用いることが好ましい。
(b)潤滑剤
本発明では、上記潤滑剤が
(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、
(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含むことが重要である。前記複合潤滑剤を用いることにより、流動性、圧縮性、および抜出性を兼ね備えた粉末冶金用混合粉を得ることができる。本発明では、前記2成分を複合化した複合潤滑剤を用いることにより抜出性および流動性を効果的に向上させることができる。このような効果は、前記2成分を複合化することなく別々に添加した場合には得ることができない。なお、前記潤滑剤の形態は、粉末状とすることが好ましい。
(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミド
前記N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定されることなく、任意のN,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドを、1つまたは2つ以上用いることができる。
前記N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドを構成する不飽和脂肪酸の鎖長は特に限定されず、任意の値とすることができる。なお、前記鎖長が過度に短いと、成形時の抜出性が低下する場合がある。そのため、前記不飽和脂肪酸の炭素数は、14以上とすることが好ましく、16以上とすることがより好ましい。一方、前記不飽和脂肪酸の鎖長が過度に長いと混合粉の流動性が低下する場合がある。そのため、前記不飽和脂肪酸の炭素数は、26以下とすることが好ましく、24以下とすることが好ましい。
前記N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドとしては、該N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドを構成する不飽和脂肪酸が二重結合を1つのみ有するものと、2つ以上有するものの、いずれも用いることができる。
好適に用いることができるN,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドの例を以下に挙げる。なお、以下の記載において化合物名の後に付した括弧内の数値は、1つ目の数値が不飽和脂肪酸の炭素数を、2つ目の数値が該不飽和脂肪酸に含まれる二重結合の数を、それぞれ示す。
・N,N’−エチレンビスバルミトレイン酸アミド(16:1)
・N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド(18:1)
・N,N’−エチレンビスエイコサエン酸アミド(20:1)
・N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド(22:1)
・N,N’−エチレンビスネルボン酸アミド(24:1)
・N,N’−エチレンビスリノール酸アミド(18:2)
・N,N’−エチレンビスリノレン酸アミド(18:3)
中でも、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド(18:1)、N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド(22:1)、およびN,N’−エチレンビスバルミトレイン酸アミド(16:1)から選択される1または2以上を前記N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドとして用いることが好ましい。これらの化合物を用いることにより、潤滑性をさらに向上させることができる。
(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミド
前記N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドとしては、特に限定されることなく、任意のN,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドを、1つまたは2つ以上用いることができる。N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドは、分子内に複数の水酸基とアミド基を有しており、熱的・化学的に安定であると同時に、帯電防止効果を有している。
前記N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドを構成するヒドロキシ脂肪酸の鎖長は特に限定されず、任意の値とすることができる。なお、前記鎖長は14以上とすることが好ましく、16以上とすることがより好ましい。また、帯電防止効果をさらに高めるという観点からは、炭素鎖は短い方がよく、具体的には、24以下とすることが好ましく、22以下とすることがより好ましい。
好適に用いることができるN,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの例を以下に挙げる。
・N,N’−エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド(18:0)
・N,N’−エチレンビスヒドロキシパルミチン酸アミド(16:0)
・N,N’−エチレンビスヒドロキシベヘン酸アミド(22:0)
(2成分の比率)
上記複合潤滑剤における上記2成分の比率は特に限定されず、任意の比率とすることができる。なお、下記(1)式で定義される、成分(b1)と成分(b2)の合計質量に対する成分(b2)の質量の比率rb2が30質量%以上であれば、混合粉の流動性をさらに向上させることができる。そのため、rb2は30質量%以上とすることが好ましい。一方、rb2が70質量%以下であれば、潤滑性がさらに向上させることができる。そのため、抜出力のさらなる低減、成形体の外観品質のさらなる向上、および金型の長寿命化の観点からは、rb2を70質量%以下とすることが好ましい。
b2(質量%)=mb2/(mb1+mb2)×100…(1)
なお、上記(1)式における各記号の定義は以下の通りである。
b1:複合潤滑剤に含まれるN,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドの質量(kg)
b2:複合潤滑剤に含まれるN,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの質量(kg)
(メジアン径)
上記複合潤滑剤のメジアン径D50は、特に限定されず、任意の値とすることができる。なお、複合潤滑剤のメジアン径が大きいほど、混合粉の流動性が向上する。そのため、流動性向上の観点からは、前記メジアン径を10μm以上とすることが好ましい。一方、前記メジアン径が小さいほど、混合粉を成形して得られる圧粉体の密度(圧粉密度)を高めることができる。そのため、圧粉密度向上の観点からは、前記メジアン径を50μm以下とすることが好ましい。流動性と圧粉密度を、より高い水準で両立させるという観点からは、前記メジアン径を10〜50μmとすることがより好ましい。なお、メジアン径は、実施例に記載した方法で測定することができる。
(円形度)
上記複合潤滑剤の円形度は、特に限定されず、任意の値とすることができる。なお、円形度が高いほど、粒子間の摩擦力が減少し、混合粉の流動性が向上する。そのため、流動性をさらに向上させるという観点からは、複合潤滑剤の円形度を0.7以上とすることが好ましく、0.8以上とすることがより好ましく、0.9以上とすることがさらに好ましい。なお、ここで円形度とは、平面に投影された複合潤滑剤粒子の面積と周囲長を用い、下記(2)式で求められる値である。円形度が小さいほど粒子が不定形であることを示し、粒子が真円(球)である場合、円形度は1となる。なお、円形度は、実施例に記載した方法で実測することができる。
円形度=4π×(面積)÷(周囲長) …(2)
(複合潤滑剤の製造方法)
上記複合潤滑剤は、上記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドとを溶融混合して製造することができる。
溶融混合する方法は特に限定されないが、例えば、上記2成分を、お互いの融点以上の温度に加熱した状態で混合し、その後、冷却すればよい。前記冷却の方法としては、例えば、溶融状態にある潤滑剤の混合物を気相中へ噴霧することによって冷却固化させる方法が挙げられる。前記方法によれば、粉末状の潤滑剤を高い生産性で製造することができる。
上記複合潤滑剤の添加量は、鉄基粉末100質量部に対して0.1質量部〜2質量部とすることが好ましく、0.3質量部〜1質量部とすることがより好ましい。
[その他の潤滑剤]
本発明の粉末冶金用混合粉は、潤滑剤として上記複合潤滑剤のみを含有することもできるが、さらにその他の潤滑剤を含むことができる。前記その他の潤滑剤としては、特に限定されることなく任意のものを用いることができる。前記その他の潤滑剤としては、例えば、脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、アミドオリゴマーなどのアミド化合物、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオール、糖類などの高分子化合物等が挙げられる。
ただし、上記複合潤滑剤の優れた特性を十分に発揮させるという観点からは、その他の潤滑剤の割合は低いことが望ましい。具体的には、粉末冶金用混合粉に含まれる潤滑剤の合計質量に対する前記複合潤滑剤の質量の割合を50質量%以上とすることが好ましく、70質量%以上とすることがより好ましく、100質量%とすることがさらに好ましい。
本発明の一実施形態においては、上記粉末冶金用混合粉が、(c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方をさらに含有することができる。
(c)合金用粉末
合金用粉末を含有する混合粉を焼結すると、合金元素が鉄に固溶して合金化する。そのため、合金用粉末を用いることにより、最終的に得られる焼結体の強度を向上させることができる。
上記合金用粉末としては、特に限定されることなく、合金成分となり得る粉末であれば任意のものを用いることができる。前記合金用粉末としては、例えば、黒鉛粉および金属粉の一方または両方を用いることができる。前記金属粉としては、鉄粉以外の任意の金属粉を1種または2種以上用いることができる。具体的には、例えば、Cu粉、Ni粉、Mo粉などの金属粉が前記金属粉として好適に用いられる。
前記合金用粉末の粒径は特に限定されないが、微細である方が焼結時の拡散性が良好である。そのため、前記合金用粉末の粒径を20μm以下とすることが好ましく、10μm以下とすることがより好ましい。
前記合金用粉末の添加量は、必要な焼結体の強度に応じて決定できるが、過度に添加しすぎるとコストの上昇を招くため、鉄基粉末100質量%に対して10質量%以下とすることが好ましい。
(d)切削性改善剤
切削性改善剤を添加することにより、最終的に得られる焼結体の切削性(加工性)を向上させることができる。前記切削性改善剤としては、例えば、MnS粉などが挙げられる。切削性改善剤を過度に添加すると焼結体の強度が低下するため、切削性改善剤の添加量は鉄基粉末100質量%に対して1質量%以下とすることが好ましい。
(e)結合剤
合金用粉末および切削性改善剤の少なくとも一方を用いる場合、偏析を防止するために、さらに結合剤を添加することが好ましい。前記合金用粉末および切削性改善剤の一方または両方を、結合剤によって前記鉄基粉末の表面に付着させることにより、偏析を防止し、焼結体の特性をさらに向上させることができる。このように、鉄基粉末の表面に、結合剤を介して他の成分を付着させた粉末を、偏析防止処理粉という。なお、上述した潤滑剤は、ここで述べる結合剤とは異なり、粉末冶金用混合粉中に遊離状態、すなわち、鉄基粉末と結合していない状態で添加することができる。
前記結合剤としては、前記合金用粉末および切削性改善剤の一方または両方を前記鉄基粉末の表面に付着させることができるものであれば任意のものを用いることができる。前記結合剤としては、例えば、金属石鹸、ワックス、および脂肪酸アミドからなる群より選択される1または2以上を用いることができ、中でも脂肪酸アミドを用いることが好ましい。
前記金属石鹸としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。
前記ワックスとしては、例えば、アクラワックス、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
前記脂肪酸アミドとしては、脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミドのいずれも用いることができる。前記脂肪酸モノアミドとしては、飽和脂肪酸モノアミド、不飽和脂肪酸モノアミドのいずれも使用できる。前記飽和脂肪酸モノアミドの例としては、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキドン酸アミド、ベヘン酸アミド、リグノセリン酸アミド、セロチン酸アミド、モンタン酸アミド、メリシン酸アミドなどが挙げられる。前記不飽和脂肪酸モノアミドの例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ネルボン酸アミドなどが挙げられる。前記ビスアミドの例としては、エチレンビスステアリン酸アミド(EBS)、エチレンビスオレイン酸アミドなどが挙げられる。中でも、脂肪酸ビスアミドを用いることが好ましい。
(融点・軟化点)
上記結合剤は、20℃で固体であることが好ましい。結合剤が、20℃という常温付近で固体であれば、結合剤の配合量を増加しても混合粉の流動性が損なわれることがないため、好ましい。前記結合剤は、25℃で固体であることがより好ましく、30℃で固体であることがさらに好ましい。
前記結合剤は、融点または軟化点が80〜200℃である熱可塑性潤滑剤であることが好ましい。前記結合剤の融点が80℃未満であると、気温が高くなる夏場などに粉末混合物の流動性が低下してしまう。そのため、結合剤の融点は80℃以上であることが好ましい。一方、結合剤の融点が200℃を越える場合、結合剤の融点以上に加熱するために必要な時間やエネルギーが増大し、生産性が低下する。そのため結合剤の融点は200℃以下であることが好ましい。
なお、「融点または軟化点が80〜200℃である」とは、融点が規定できる場合は「融点が80〜200℃である」ことを意味し、融点が明確に規定できない(測定できない)場合には、「軟化点が80〜200℃である」ことを意味する。また、前記軟化点は、ASTM D1525プラスティックのビカット軟化点測定に準拠して測定した値を指すものとする。結合剤を2つ以上併用する場合には、すべての結合剤の融点または軟化点が、80〜200℃であることが好ましい。
[混合粉の製造方法]
本発明の混合粉末は、特に限定されず、任意の方法で製造することができるが、一実施形態においては、上記各成分を、混合手段を用いて混合することにより粉末冶金用混合粉末とすることができる。各成分の添加と混合は、1回で行うこともできるが、2回以上に分けて行うこともできる。
また、(e)結合材を使用する場合には、例えば、混合の際に結合材の融点以上に加熱しつつ撹拌し、混合しながら徐々に冷却すればよい。これにより、鉄基粉末の表面に溶融した結合材が被覆され、さらに、該結合材を介して(c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方が(a)鉄基粉末の表面に固着される。そしてその後、(b)潤滑剤としての複合潤滑剤を添加すれば、該複合潤滑剤を、鉄基粉末と結合していない遊離潤滑剤として機能させることができる。なお、(b)潤滑剤は、結合剤が固化した後、該潤滑剤の融点または軟化点以下の温度で添加、混合することが好ましい。これにより、粉末冶金用混合粉中に、潤滑剤を遊離状態で存在させることができる。
前記混合手段としては、特に制限はなく、各種公知の混合機など任意のものを使用できるが、加熱が容易であるという観点からは、高速底部撹拌式混合機、傾斜回転パン型混合機、回転クワ型混合機、および円錐遊星スクリュー形混合機を用いることが好ましい。
(実施例1)
以下の手順で粉末冶金用混合粉を調製し、得られた粉末冶金用混合粉の特性と、該粉末冶金用混合粉を用いて作製した圧粉体の特性を評価した。なお、本実施例においては、結合剤を使用せず、(b)潤滑剤として、遊離状態の複合潤滑剤を使用した。
まず、(b)潤滑剤として使用する複合潤滑剤を、以下の手順で調製した。(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドを、特定の比率で溶融混合した。次いで、溶融状態の潤滑剤を空気中へ噴霧することによって冷却固化させ、粉末状態の複合潤滑剤を得た。前記成分(b1)および(b2)としては、表1に示す化合物を使用した。また、前記複合潤滑剤中における、前記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの合計質量に対する、前記(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの質量の比率rb2は、表1に示した通りとした。
得られた複合潤滑剤のD50、円形度、および融点を以下に述べる方法で測定した。メジアン径D50は、レーザー回折/散乱式粒度分布計を用いて測定される体積平均粒子径とした。円形度は、粒子画像解析装置で粒子の面積、周囲長を測定し、次の式で求めた。
円形度=4π×(面積)÷(周囲長)
融点は、示差熱分析(DTA)で測定した。測定結果は表1に示したとおりであった。
次に、(a)鉄基粉末に対して、(b)潤滑剤、(c)合金用粉末を、表1に示した配合比率となるように添加し、V型混合機で混合して粉末冶金用混合粉とした。前記(a)鉄基粉末としては、市販の純鉄粉(JFEスチール製、JIP301A、平均粒径70μm)を用いた。また、前記(c)合金用粉末としては、電解銅粉(福田金属箔粉製、CE−25、平均粒径28μm)および天然黒鉛粉(日本黒鉛製、JCPB、平均粒径4μm)を使用した。また、比較のため、比較例No.11においては、複合潤滑剤に代えて、従来潤滑剤であるエチレンビスステアリン酸アミド(EBS、大日化学工業製、BAP−1、平均粒径29μm)を使用した。
次いで、得られた粉末冶金用混合粉の流動性を評価するために、各混合粉の見掛密度および流動限界径を測定した。
前記見掛密度は、2.5mmφロートを使用し、JIS Z 2504に規定された方法に従って評価した。前記流動限界径は、70mmφ×50mmの筒の底部に種々の径の孔(直径2.5〜50mm、2.5mm刻み)をあけたものを用意し、前記筒の内部に入れた混合粉が前記孔から流動することができる最小の孔径を流動限界径として測定した。測定結果を表1に示す。
さらに、前記粉末冶金用混合粉を用いて圧粉体を作製し、得られた圧粉体の密度(圧粉密度)と、抜出力を評価した。前記評価では、JIS Z 2508、JPMA P 10に従い、圧力686MPaでの成形により、11.3mmφ×10mmのタブレット型の圧粉体を作製した。圧粉密度は、得られた成形体の寸法と重量から算出した。また、抜出力は、金型から抜出す際の抜出し荷重から求めた。測定結果を表1に示す。
表1に示した結果から分かるように、本発明の条件を満たす粉末冶金用混合粉は、比較例に比べて抜出し力が低く、抜出し性に優れていた。
Figure 2019143200
表1に示した結果から分かるように、本発明の条件を満たす粉末冶金用混合粉は、流動性、圧縮性、および抜出性に優れていた。
(実施例2)
さらに(e)結合剤を含有する粉末冶金用混合粉を調製し、実施例1と同様の評価を行った。前記混合粉の製造においては、まず、(a)鉄基粉末に対して、(c)合金用粉末および(e)結合材を、表2に示す配合比率となるように添加した。次いで、150℃で加熱混合した後、50℃以下まで冷却することにより、偏析防止処理粉を得た。前記偏析防止処理粉においては、合金用粉末が、結合剤を介して鉄基粉末の表面に付着していた。前記(e)結合剤としては、融点が145℃であるN,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを使用した。
次いで、得られた偏析防止処理粉に、さらに(b)潤滑剤としての複合潤滑剤を添加し、混合して粉末冶金用混合粉とした。使用した複合潤滑剤の種類と添加量は表2に示したとおりとした。前記複合潤滑剤を添加した後には加熱を行わないため、該複合潤滑剤は、混合粉中に遊離潤滑剤として含まれている。なお、その他の条件については、実施例1と同様とした。また、比較のため、比較例No.23においては、複合潤滑剤に代えて、従来潤滑剤であるエチレンビスステアリン酸アミド(EBS、大日化学工業製、BAP−1、平均粒径29μm)を使用した。
Figure 2019143200
表2に示した結果から分かるように、結合剤を用いた偏析防止処理粉においても、本発明の条件を満たす粉末冶金用混合粉は、流動性、圧縮性、抜出性に優れていた。

Claims (8)

  1. (a)鉄基粉末および
    (b)潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉であって、
    前記(b)潤滑剤が、
    (b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと、
    (b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドからなる複合潤滑剤を含む、粉末冶金用混合粉。
  2. 前記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドが、
    N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、
    N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、および
    N,N’−エチレンビスバルミトレイン酸アミド、からなる群より選択される1または2以上である、請求項1に記載の粉末冶金用混合粉。
  3. 前記複合潤滑剤中における、前記(b1)N,N’−アルキレンビス不飽和脂肪酸アミドと(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの合計質量に対する、前記(b2)N,N’−アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドの質量の比率rb2が、30〜70質量%である、請求項1または2に記載の粉末冶金用混合粉。
  4. 前記複合潤滑剤のメジアン径が10〜50μmであり、かつ
    前記複合潤滑剤の円形度が0.7以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
  5. (c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
  6. (e)結合剤をさらに含有し、
    前記(c)合金用粉末および(d)切削性改善剤の一方または両方が、前記(e)結合剤によって前記(a)鉄基粉末の表面に付着している、請求項5に記載の粉末冶金用混合粉。
  7. 前記(e)結合剤が、融点または軟化点が80〜200℃である熱可塑性潤滑剤である、請求項6に記載の粉末冶金用混合粉。
  8. 前記結合剤が、1または2以上の脂肪酸アミドを含む、請求項6または7に記載の粉末冶金用混合粉。
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