JP6760495B2 - 粉末冶金用混合粉 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末冶金用混合粉に関し、特に、汚れの原因となる金属石鹸を用いる必要がなく、優れた抜出し性を有し、さらにカーボンブラックを用いた場合には優れた流動性と抜出し性を両立させることができる粉末冶金用混合粉に関する。
粉末冶金技術は、複雑な形状の部品を、製品形状に極めて近い形状に成形でき、しかも高い寸法精度で製造できる手法であり、粉末冶金技術によれば切削コストを大幅に低減することができる。そのため、粉末冶金製品は各種の機械や部品として、多方面に利用されている。
粉末冶金では、主原料となる鉄基粉末に、必要に応じて銅粉、黒鉛粉、リン化鉄粉等の合金用粉末や、MnS等の切削性改善用粉末および潤滑剤を混合した、混合粉(以下、粉末冶金用混合粉」または単に「混合粉」という)が用いられる。
このような粉末冶金用混合粉を成形して製品を製造する上で、該粉末冶金用混合粉に含まれる潤滑剤が果たす役割は極めて大きい。以下、潤滑剤の作用について説明する。
まず、潤滑剤は、混合粉を金型で成形する際の潤滑作用を有している。この作用は、さらに次の2つに大別される。一つは、混合粉に含まれる粒子間の摩擦を低減する作用である。成形時、潤滑剤が粒子間に入りこんで摩擦を小さくすることにより、粒子の再配列が促される。もう一つは、成形に用いられる金型と粒子との間の摩擦を低減する作用である。成形時に、潤滑剤が該金型と粒子との間に入り込むことで、金型−粒子間の摩擦が低減される。上記2つの作用により、成形時に混合粉を高い密度まで圧縮することが可能となる。
さらに、潤滑剤は、金型内で圧縮成形された混合粉(圧粉体)を金型から取り出す(抜出す)際にも潤滑作用を発揮する。一般的に、圧粉体の金型からの抜出しは、パンチによって押し出すことによって行われるが、圧粉体と金型表面との摩擦により大きな摩擦抵抗が生じる。この際にも、混合粉に含まれる潤滑剤のうち、金型表面と接して存在するものによって摩擦力が低減される。
このように、粉末冶金用混合粉に含まれる潤滑剤は、製品を製造する上で非常に大きな役割を果たす。しかし、潤滑剤が必要となるのは成形と、金型からの抜出しが終わるまでであり、それ以降は不要であるだけでなく、圧粉体の焼結時には消失して、最終的な焼結体には残留しないことが求められる。
また、一般に潤滑剤は鉄基粉末に比べて付着力が強いため、混合粉の流動性を悪化させる。さらに潤滑剤は、比重が鉄基粉末に比べ小さいため、混合粉中に、多量に含有させると圧粉体の密度が低下するという問題がある。
さらに、粉末冶金用混合粉において用いられる潤滑剤には、結合剤として機能することが求められる場合がある。ここで、結合剤とは、主成分である鉄基粉末の表面に、添加成分である合金用粉末等を付着させるための成分を指す。一般的な粉末冶金用混合粉は、鉄基粉末に、合金用粉末、切削性改善用粉末、および潤滑剤等の添加成分を混合しただけであるが、このような状態の混合粉では、混合粉の内部で各成分が偏析する場合がある。特に、合金用粉として一般的に用いられる黒鉛粉は、他の成分に比べて比重が小さいため、混合粉を流動させたり、振動させたりすることで容易に偏析する。このような偏析を防止するために、鉄基粉末の表面に結合剤を介して添加成分を付着させることが提案されている。このような粉末は、粉末冶金用混合粉の1種であるが、偏析防止処理粉とも呼ばれる。偏析防止処理粉では、添加成分が鉄基粉末に付着しているため、上述したような成分の偏析を防止できる。
このような偏析防止処理粉に用いられる結合剤としては、潤滑剤としても機能する化合物がしばしば採用される。これは、結合剤に潤滑性能をもたせることで、混合粉に添加する結合剤と潤滑剤の総量を減らすことができるからである。
このような粉末冶金用混合粉は、一般に、300〜1000MPaの圧力でプレス成形して、所定の部品形状とした後、1000℃以上の高温で焼結し、最終的な部品形状とする。その際、混合粉に含まれる潤滑剤および結合剤の総量は、一般的には、鉄基粉末100質量部に対し0.1〜2質量部程度である。圧粉密度を大きくするためには潤滑剤および結合剤の添加量は少ないほうがよい。したがって、潤滑剤には、少量の配合で優れた潤滑性を発揮することが求められる。
上記潤滑剤としては、従来、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸が広く用いられてきた。しかし、金属石鹸は、圧粉体を焼結する際に、炉やワーク、焼結体表面の汚れの原因となる。そのため、金属石鹸に代わる様々な潤滑剤が提案されている。
例えば、特許文献1では、ジアミドワックスを潤滑剤兼結合剤として用いることが提案されている。また、特許文献2では、ポリヒドロキシカルボン酸アミドを潤滑剤として用いることが提案されている。
また、潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉の流動性を改善するために、粉末冶金用混合粉に、さらに流動性改善用の粉末を添加する技術が提案されている。
例えば、特許文献3では、ジアミドワックス等の潤滑剤兼結合剤を含む混合粉に、シリカ等の流動性改善剤を添加することによって流動性を改善することが提案されている。また、特許文献4では、ジアミドワックス等の潤滑剤兼結合剤を含む混合粉に、カーボンブラックを添加することによって流動性および見掛密度を改善することが提案されている。
特表平06−506726号公報 国際公開第2005/068588号公報 特表2003−508635号公報 特開2010−280990号公報
しかし、特許文献2で提案されているポリヒドロキシカルボン酸アミドは、ポリヒドロキシカルボン酸またはその等価体と脂肪族アミンとを原料とするアミド化反応により合成する必要があり、入手が容易ではないという問題があった。
また、特許文献1等で潤滑剤として用いられているジアミドワックスは、金属石鹸に比べて良好な抜出し性を有しているものの、さらなる抜出性の向上が求められていた。
さらに、従来の潤滑剤には、特許文献3、4で提案されているように、流動性を改善するためにシリカやカーボンブラック等の粒子を添加した場合、混合粉の圧縮性が低下してしまうという問題があった。圧縮性が低下すると、成形時のスプリングバックが大きくなり、抜出し性が低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に入手可能な化合物を潤滑剤として含み、汚れの原因となる金属石鹸を含む必要がなく、抜出し性に優れ、さらにカーボンブラックを含む場合にも抜出し性を低下させることなく優れた流動性を発揮することができる、粉末冶金用混合粉を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、市販品として容易に入手できる特定の脂肪族アミンを潤滑剤として用いた場合に、上記課題を解決できることを見出した。本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
1.(a)鉄基粉末および(b)潤滑剤を含有する粉末冶金用混合粉であって、
前記(b)潤滑剤が、式(1)または(2)で表される脂肪族アミンの1種以上を含有する、粉末冶金用混合粉。
Figure 0006760495
(式中、
は、炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基である。)
Figure 0006760495
(式中、
は、炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基であり、
5、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基であり、
は、炭素原子数1〜5のアルキレン基である。)
2.前記脂肪族アミンの融点が20℃以上である、上記1に記載の粉末冶金用混合粉。
3.前記脂肪族アミンの融点が40℃以上である、上記2に記載の粉末冶金用混合粉。
4.前記脂肪族アミンが、1級アミンまたは2級アミンである、上記1〜3のいずれかの粉末冶金用混合粉。
5.(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方を含有する、上記1〜4のいずれかの粉末冶金用混合粉。
6.前記(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方が、(e)結合剤によって前記(a)鉄基粉末の表面に付着している、上記5の粉末冶金用混合粉。
7.前記(b)潤滑剤の少なくとも一部が、前記(e)結合剤を兼ねる、上記6に記載の粉末冶金用混合粉。
8.前記(b)潤滑剤に含有される前記脂肪族アミンが、前記(e)結合剤を兼ねる、上記7の粉末冶金用混合粉。
9.(f)カーボンブラックを含有する、上記1〜8のいずれかの粉末冶金用混合粉。
10.前記(f)カーボンブラックが、前記(a)鉄基粉末100質量部に対し0.06〜3.0質量部である、上記9の粉末冶金用混合粉。
11.上記1〜10のいずれかの粉末冶金用混合粉を用いた焼結体。
本発明の粉末冶金用混合粉は、汚れの原因となる金属石鹸を含むことなく、極めて優れた抜出し性を発揮することができる。さらに、流動性向上のためにカーボンブラックのような硬質微粒子を添加した場合であっても、抜出し性を低下させることなく、かつ優れた流動性を発揮することができる。また、本発明において潤滑剤として用いられる脂肪族アミンは、市販品として容易に入手できるため、製造面およびコスト面においても有利である。
以下、本発明について具体的に説明するが、これらは例示であって、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の粉末冶金用混合粉は、下記(a)および(b)を必須成分として含有する。本発明の粉末冶金用混合粉は、下記(a)および(b)に加え、下記(c)〜(f)から選択される1または2以上を含有することができる。また、本発明の粉末冶金用混合粉は、本発明の効果が損なわれない範囲で、下記(a)〜(f)以外の成分を含有することができる。以下、これらの各成分について説明する。
(a)鉄基粉末
(b)潤滑剤
(c)合金用粉末
(d)切削性改善用粉末
(e)結合剤
(f)カーボンブラック
(a)鉄基粉末
本明細書において、鉄基粉末は、Feを50質量%以上含む金属粉末を指すものとする。鉄基粉末は、特に限定されず、鉄粉および鉄合金粉が挙げられる。鉄粉(本技術分野においては一般的に「純鉄粉」と称される。)は、本明細書において、Feおよび不可避不純物からなる粉末を指すものとする。前記鉄合金粉は、Feが50質量%以上である合金粉であれば、特に限定されず、合金鋼粉を含む。前記合金鋼粉は、特に限定されず、合金元素を溶製時に予め合金化した予合金鋼粉(完全合金化鋼粉)、鉄粉に合金元素を部分拡散させて合金化した部分拡散合金化鋼粉、予合金化鋼粉にさらに合金元素を部分拡散させたハイブリッド鋼粉が挙げられる。前記合金元素は、特に限定されず、C、Cu、Ni、Mo、Mn、Cr、V、Siが挙げられる。前記合金元素は、1種または2種以上であることができる。
前記鉄基粉末の製造方法は、特に限定されず、酸化鉄を還元して製造される還元鉄基粉末、アトマイズ法によって製造されるアトマイズ鉄基粉末が挙げられる。また、前記鉄基粉末の平均粒径は特に限定されないが、30μm以上が好ましく、60μm以上がより好ましく、また、120μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。本明細書において、特段の断りがない限り、平均粒径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置で測定したメジアン径(D50)を指すものとする。
粉末冶金用混合粉の全質量に占める前記鉄基粉末の質量割合は特に限定されないが、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
(b)潤滑剤
[脂肪族アミン]
本発明では、前記潤滑剤として、下記の一般式(1)または(2)で表される脂肪族アミンを用いることが重要である。前記脂肪族アミンは、1種または2種以上であることができる。
Figure 0006760495
(式中、
は、炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基であり、好ましくは炭素原子数12以上のアルキル基であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基であり、好ましくは、RおよびRの両方が水素原子であるか、またはRおよびRの一方が水素原子であり、他方が炭素原子数12以上のアルキル基である。)
Figure 0006760495
(式中、Rは、炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基であり、好ましくは炭素原子数12以上のアルキル基であり、
5、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基であり、好ましくはR、RおよびRの全てが水素原子であるか、またはRおよびRが、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基であり、Rが炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基であり、
は、炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、好ましくは炭素原子数1〜3のアルキレン基である。)
前記脂肪族アミンを潤滑剤として用いることにより、金属石鹸を含有せずとも優れた抜出し性を実現することができる。また、後述するようにカーボンブラックと併用した場合には、カーボンブラックによる抜出し性の低下を抑制することができる。さらに、前記脂肪族アミンは市販品として容易に入手できるという点でも有利である。
本明細書において、アルキル基、アルケニル基またはアルキレン基は、特段の記載がない限り、直鎖状または分岐状のいずれであってもよい。
前記式(1)および(2)における炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基は、好ましくは直鎖状である。また、炭素原子数の上限は特に限定されないが、脂肪族アミンの入手の容易さの観点からは、30以下が好ましく、25以下がより好ましい。
また、式(1)および(2)における炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基は、好ましくは直鎖状である。炭素原子数の上限は特に限定されないが、脂肪族アミンの入手の容易さの観点からは、30以下が好ましく、25以下がより好ましい。
前記脂肪族アミンの融点は20℃以上であることが好ましい。前記脂肪族アミンの融点が20℃以上であれば、20℃という常温付近で固体形態の潤滑剤を得やすく、混合粉の流動性が損なわれることを十分回避でき、潤滑剤の配合量を増加させることができるためである。前記脂肪族アミンの融点は25℃以上がより好ましく、30℃以上がさらに好ましく、特に好ましくは40℃以上である。前記脂肪族アミンの融点は、取り扱い性の点から、100℃以下が好ましく、より好ましくは85℃以下である。
特に、粉末形態の潤滑剤を鉄基粉末に混合する場合、前記脂肪族アミンの融点は40℃以上であることが好ましい。これは、常温付近の温度でこれらの粉末を混合する場合であっても、摩擦熱によって混合機内が40℃近くになる可能性があるためである。融点が40℃以上である脂肪族アミンを潤滑剤として使用することにより、混合の際に凝集塊が生じることを十分に防ぐことができる。
前記脂肪族アミンとしては、1級または2級アミンが好ましい。1級または2級アミンは、窒素原子に直接結合した水素原子を有するので、窒素原子に直接結合した水素原子を有さない3級アミンに比べて、該脂肪族アミンと鉄基粉末や金型表面との間の相互作用が大きく、潤滑剤として優れた性能を発揮することが期待できる。
前記脂肪族アミンとしては、式(1)または(2)で表される化合物であれば、任意のものを用いることができるが、以下の化合物が好ましい。
・式(1)において、Rが炭素原子数15〜25の直鎖状のアルキル基であり、RおよびRの両方が水素原子または炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基である脂肪族アミン
・式(1)において、Rが炭素原子数15〜25の直鎖状のアルキル基であり、RおよびRの一方が水素原子であり、他方が炭素原子数15〜25の直鎖状のアルキル基である脂肪族アミン(ここで、Rと、炭素原子数15〜25の直鎖状のアルキル基であるRまたはRとは、同じであることがより好ましい。)
・式(2)において、Rが炭素原子数15〜25の直鎖状のアルキル基であり、R〜Rの全てが水素原子であり、Rが炭素原子数2〜4の直鎖状または分岐状のアルキレン基である脂肪族アミン
前記脂肪族アミンとしては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・ステアリルアミン(C1837−NH
・ベヘニルアミン(C2245−NH
・ジステアリルアミン[(C1837−NH]
・セチルアミン(C1633−NH
・ジメチルベヘニルアミン[C2245−N−(CH
・ベヘニルプロピレンジアミン(C2245−NH−C−NH
[その他の潤滑剤]
本発明の粉末冶金用混合粉は、潤滑剤として前記脂肪族アミンのみを含有することもできるが、その他の潤滑剤を併用することもできる。前記その他の潤滑剤は、特に限定されず、脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、アミドオリゴマー等のアミド化合物、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオール、糖類等の高分子化合物、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸が挙げられる。ただし、先に述べたように、金属石鹸は、炉やワーク、焼結体表面の汚れの原因となるため、前記粉末冶金用混合粉は金属石鹸を含有しないことが好ましい。
[潤滑剤の量および形態]
潤滑剤の質量は、鉄基粉末100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、また、2.0質量部以下が好ましく、1.8質量部以下がより好ましい。
潤滑剤の質量中の脂肪族アミンおよびその他の潤滑剤の質量割合は、特に限定されないが、前記脂肪族アミンの優れた特性を十分に発揮させるという観点からは、その他の潤滑剤の質量割合は低いことが望ましい。具体的には、潤滑剤の質量中の脂肪族アミンの質量割合は、50質量%以上が好ましく、例えば55質量%以上とすることができる。脂肪族アミンの質量割合の上限は特に限定されず、100質量%であってよい。
前記脂肪族アミンの質量は、鉄基粉末100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、また、1.0質量部以下が好ましく、0.9質量部以下がより好ましい。
前記潤滑剤は、粉末の形態であってもよく、または他の成分に付着した複合粉末であってもよい。前記粉末と、前記複合粉末とを併用してもよい。
潤滑剤が粉末の形態の場合、平均粒径(メジアン径(D50))は、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、また、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
潤滑剤が他の成分に付着した複合粉末の場合、前記鉄基粉末に、潤滑剤が付着した粉末が挙げられ、この形態は、鉄基粉末が潤滑剤で被覆された粉末を包含する。
本発明の粉末冶金用混合粉合粉が、後述する合金用粉末および切削性改善用粉末の一方または両方を含む場合、結合剤を兼ねる潤滑剤により、これらの粉末を鉄基粉末に付着させることができる。結合剤を兼ねる潤滑剤としては、前記脂肪族アミンを用いることができる。鉄基粉末、合金用粉末および切削性改善用粉末の相互作用の点から、1級または2級アミンである脂肪族アミンが好ましい。また、脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、アミドオリゴマー等のアミド化合物、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオール、糖類等の高分子化合物等も結合剤を兼ねる潤滑剤として用いることができる。
潤滑剤が結合剤を兼ねることによって、混合粉全体に占める結合剤と潤滑剤の総量を減らすことができるため、結合剤を兼ねる潤滑剤の使用が好ましい。潤滑剤は、少なくとも一部が結合剤を兼ねる潤滑剤であることができ、全部が結合剤を兼ねる潤滑剤であってもよい。
(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末
本発明の粉末冶金用混合粉は、(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方を含有することができる。(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末は、任意成分であり、それぞれの質量および合計質量は、例えば鉄基粉末100質量部に対して0質量部であってもよい。
合金用粉末は、混合粉を焼結すると、合金用粉末中の合金元素が鉄に固溶して合金化する粉末を指すものとする。合金用粉末を用いることにより、最終的に得られる焼結体の強度を向上させることができる。合金用粉末を用いる場合、合金用粉末は1種または2種以上であってよい。
合金元素は、特に限定されず、C、Cu、Ni、Mo、Mn、Cr、V、Siが挙げられる。合金用粉末は、合金元素の1種から構成される金属粉末であっても、2種以上から構成される合金粉末であってもよい。Feと合金元素の1種以上で構成され、Feが50質量%未満である合金粉末も使用できる。また、Cを合金成分として用いる場合、合金用粉末として黒鉛粉を用いることが好ましい。合金用粉末としては、Cu粉末、黒鉛粉末が好ましい。
切削性改善用粉末は、混合粉を焼結して得られる焼結体の切削性(加工性)を向上させる成分であり、MnS、CaFおよびタルクが挙げられる。切削性改善用粉末を用いる場合、切削性改善用粉末は1種または2種以上を用いることができる。
ここで、(c)合金用粉末および(d)切削性改善粉末の一方または両方の質量は、鉄基粉末100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方の質量を前記範囲内とすることにより、焼結体の密度をさらに高め、焼結体の強度を一層向上させることができる。一方、これらの質量は0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がさらに好ましい。(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の合計質量を前記範囲内とすることにより、これら成分の添加効果をより高めることができる。
(c)合金用粉末および(d)切削性改善粉末の平均粒径は、特に限定されないが、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、また、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
(e)結合剤
本発明の粉末冶金用混合粉が合金用粉末および切削性改善用粉末の少なくとも一方を含有する場合、偏析を防止するために、結合剤を用いることが好ましい。結合剤によって、前記合金用粉末および切削性改善用粉末の一方または両方を、前記鉄基粉末の表面に付着させることにより、偏析を防止し、焼結体の特性をさらに向上させることができる。すなわち、粉末冶金用混合粉を、偏析防止処理粉とすることができる。
前記結合剤は、特に限定されず、前記合金用粉末および切削性改善用粉末の一方または両方を前記鉄基粉末の表面に付着させることができるものであればよい。上記のとおり、潤滑剤が結合剤を兼ねることもできる。
前記結合剤の質量は、合金用粉末および切削性改善用粉末の一方または両方を100質量部とした場合、付着性の点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、また、焼結体の密度の点からは、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。潤滑剤が結合剤を兼ねる場合、上記結合剤の質量には、結合剤を兼ねる潤滑剤の質量も含まれる。このような潤滑剤を使用することにより、混合粉全体に占める結合剤と潤滑剤の総量を減らすことができる。反対に結合剤としては、潤滑性を有し、潤滑剤として機能し得るものを用いることが好ましい。その場合、結合剤が潤滑剤を兼ねているということができる。結合剤として、結合剤を兼ねる潤滑剤と、それ以外の結合剤を併用してもよい。
(f)カーボンブラック
本発明の混合粉は、流動性をさらに向上させるために、流動性改善用粉末としてカーボンブラックを含有することができる。(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方を含有する場合、カーボンブラックを配合することが好ましい。
カーボンブラックの比表面積は、特に限定されないが、50m/g以上が好ましく、また、120m/g以下が好ましい。ここで、比表面積はBET法で測定した値である。また、カーボンブラックの平均粒径は、特に限定されないが、5nm以上が好ましく、また、500nm以下が好ましい。ここで、カーボンブラックの平均粒径は、電子顕微鏡で観察した粒子の粒径の算術平均である。
カーボンブラックを用いる場合、該カーボンブラックの添加量は、鉄基粉末100質量部に対して0.06〜3.0質量部とすることができる。カーボンブラックの含有量が0.06質量部以上であれば、十分な流動性改善効果が得られやすく、一方、カーボンブラックの添加量が3.0質量部以下であれば、カーボンブラックの配合による圧縮性と抜出し性の低下を十分防止することができる。
[製造方法]
本発明の粉末冶金用混合粉の製造方法は、特に限定されない。例えば、上記各成分を、混合機を用いて混合することにより、粉末冶金用混合粉を得ることができる。各成分の添加と混合は、1回で行うこともできるが、2回以上に分けて行うこともできる。混合は、室温(20℃)で行うことが好ましい。
結合剤を使用する場合には、例えば、結合剤の融点以上(例えば、融点よりも10〜100℃高い温度範囲が挙げられる)で、上記各成分を加熱しつつ撹拌し、混合しながら徐々に冷却すればよい。加熱撹拌を通して、鉄基粉末の表面を、溶融した結合剤によって被覆することができる。また、加熱撹拌時に、合金用粉末および切削性改善用粉末を存在させることによって、これらの粉末を、結合剤を介して鉄基粉末に付着させることができる。カーボンブラックを用いる場合、結合剤を介して、合金用粉末および切削性改善用粉末を鉄基粉末に付着させた後、カーボンブラックを混合してもよい。上記の製造方法において、結合剤として、潤滑剤を兼ねる結合剤を用いてもよい。
混合手段は、特に限定されず、各種公知の混合機等の任意のものを使用できる。加熱が容易であるという観点からは、高速底部撹拌式混合機、傾斜回転パン型混合機、回転クワ型混合機および円錐遊星スクリュー形混合機を用いることが好ましい。
[焼結体]
本発明の粉末冶金用混合粉を用いて、焼結体を得ることができる。焼結体の製造方法は、特に限定されず、本発明の粉末冶金用混合粉を金型に充填して圧縮成形し、圧粉体とした後、これを取り出して、焼結処理に付すことができる。圧縮成形の方法は特に限定されず、プレス成形等が挙げられる。プレス成形の圧力は、例えば300〜1000MPaとすることができる。
焼結処理の方法は特に限定されず、例えば、1000℃以上の高温で焼結することができる。焼結処理の温度は、1300℃以下が好ましい。焼結処理の雰囲気は、特に限定されず、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気等が挙げられる。
得られた焼結体は、公知の後処理に付すことができる。例えば、切削加工等により、所定寸法の製品にしてもよい。
本発明の粉末冶金用混合粉は流動性に優れているので、圧縮成形において有利である。また、本発明の冶金用混合粉を用いることにより、低い抜出し力で圧粉体を金型から抜出すことができ、有利である。
(実施例1)
以下の手順で粉末冶金用混合粉を調製し、得られた粉末冶金用混合粉の特性と、該粉末冶金用混合粉を用いて作製した圧粉体の特性を評価した。
まず、(a)鉄基粉末に対して、(b)合金用粉末および(c)潤滑剤を添加し、前記潤滑剤の融点以上の温度で加熱混合した後、室温(20℃)まで冷却した。
(a)鉄基粉末としては、アトマイズ法によって製造された鉄粉(純鉄粉)(JFEスチール株式会社製 JIP301A)を用いた。前記鉄粉のメジアン径D50は80μmであった。メジアン径D50はレーザ回折式粒子径分布測定装置により測定した。以下においてカーボンブラック以外の他の粉末も、同様にしてメジアン径D50を測定した。
(b)潤滑剤および(c)合金用粉末として用いた成分と、各成分の配合量を表1に示す。用いた潤滑剤のメジアン径D50は表1に示すとおりである。合金用粉末として用いた銅粉のメジアン径D50は25μmであり、黒鉛粉のメジアン径D50は4.2μmであった。
本実施例では潤滑剤が結合剤を兼ねる。すなわち、合金用粉末は、結合剤を兼ねる潤滑剤を介して、鉄基粉末の表面に付着している。
次いで、得られた粉末冶金用混合粉のそれぞれについて、見掛密度および粉体流動性を以下の手順で評価した。測定結果を表1に併記する。
(見掛密度)
見掛密度は、直径2.5mmのロートを使用し、JIS Z 2504に規定された方法に従って評価した。
(限界流出径)
粉体流動性は、限界流出径によって評価した。まず、内径67mm、高さ33mmの円筒状であって、径を変えることのできる排出孔を底部に備えた容器を用意した。前記容器に、排出孔を閉じた状態で、該容器から少し溢れる程度の量の混合粉を充填した。その状態で5分間保持した後、容器上に盛り上がった粉末を容器上部に沿ってヘラで摺り切った。次いで、排出孔を徐々に開いていき、混合粉末が排出できた最小径を測定し、前記最小径を限界流出径とした。限界流出径が小さいほど流動性に優れている。
さらに、前記粉末冶金用混合粉を用いて圧粉体を作製し、得られた圧粉体の密度(圧粉密度)と抜出力を評価した。前記評価では、JIS Z 2508、JPMA P 10に従い、圧力686MPaでの成形により、直径11.3mm×10mmのタブレット型の圧粉体を作製した。また、圧粉密度は、得られた成形体の寸法と重量から算出した。また、抜出力は、金型から抜出す際の抜出し荷重から求めた。測定結果を表1に示す。
表1に示した結果から分かるように、本発明の条件を満たす粉末冶金用混合粉は、比較例に比べて抜出し力が低く、抜出し性に優れていた。
Figure 0006760495

(実施例2)
さらに、(f)カーボンブラックを含む粉末冶金用混合粉を調製し、実施例1と同様の評価を行った。使用した成分の種類と配合量を表2に示す。使用したカーボンブラックの比表面積(BET比表面積測定法による)は95m/g、平均粒径(電子顕微鏡で観察した粒子の粒径の算術平均による)は25nmであった。鉄基粉末、合金用粉末として用いた銅粉、黒鉛粉の平均粒径は、実施例1と同様であり、潤滑剤の平均粒径は、表2に示すとおりである。
混合粉の調製においては、まず(a)鉄基粉末に対して、(b)合金用粉末、および(c)潤滑剤を添加し、前記潤滑剤の融点以上の温度で加熱混合した後、室温(20℃)まで冷却した。その後、冷却後の粉末に、(f)カーボンブラックを添加し、混合して粉末冶金用混合粉とした。その他の条件は実施例1と同様とした。評価結果を表2に示す。
表2に示した結果から分かるように、比較例の混合粉では、カーボンブラックを添加したことにより抜出し性が低下しているが、本発明の条件を満たす粉末冶金用混合粉は良好な抜出し性を保っていた。このように、本発明の粉末冶金用混合粉では、カーボンブラックを用いた場合には、優れた流動性と抜出し性を両立させることができる。
Figure 0006760495

(実施例3)
上記実施例1、2では、潤滑剤の融点以上で加熱混合して粉末冶金用混合粉を製造した。したがって、実施例1、2では、潤滑剤が結合剤を兼ねている。しかし、本発明は結合剤を用いない場合、すなわち、潤滑剤を加熱することなく単に混合した場合にも有効である。鉄基粉末、合金用粉末として用いた銅粉、黒鉛粉の平均粒径は、実施例1と同様であり、カーボンブラックの比表面積および平均粒径は、実施例2と同様である。また、潤滑剤の平均粒径は、表3に示すとおりである。
そこで、(a)鉄基粉末に対して、(b)合金用粉末、(c)潤滑剤および(f)カーボンブラックを添加し、V型ブレンダ―を用いて室温(20℃)下で15分間混合し、粉末冶金用混合粉とした。使用した成分の種類と配合量および評価結果を表3に示す。
表3に示した結果から分かるように、実施例3の混合粉では、比較例に比べて抜出し力が低く、抜出し性に優れていた。また、比較例の混合粉はカーボンブラックを添加したことにより抜出し性が低下しているが、本発明の条件を満たす粉末冶金用混合粉は良好な抜出し性を保っていた。
Figure 0006760495

Claims (8)

  1. (a)鉄基粉末(b)潤滑剤、(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方を含有する粉末冶金用混合粉であって、
    前記(b)潤滑剤が、式(1)または(2)で表される脂肪族アミンの1種以上を含有し、前記脂肪族アミンが、1級アミンまたは2級アミンであり、
    前記(c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方が、(e)結合剤によって前記(a)鉄基粉末の表面に付着しており、
    (a)鉄基粉末100質量部に対して、
    前記脂肪族アミンが0.1〜0.9質量部であり、
    (c)合金用粉末および(d)切削性改善用粉末の一方または両方が0.1〜10質量部である、粉末冶金用混合粉。
    Figure 0006760495
    (式中、
    は、炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基であり、
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基である。)
    Figure 0006760495
    (式中、
    は、炭素原子数12以上のアルキル基または炭素原子数12以上のアルケニル基であり、
    5、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上のアルキル基または炭素原子数2以上のアルケニル基であり、
    は、炭素原子数1〜5のアルキレン基である。)
  2. 前記脂肪族アミンの融点が20℃以上である、請求項1に記載の粉末冶金用混合粉。
  3. 前記脂肪族アミンの融点が40℃以上である、請求項2に記載の粉末冶金用混合粉。
  4. 前記(b)潤滑剤の少なくとも一部が、前記(e)結合剤を兼ねる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
  5. 前記(b)潤滑剤に含有される前記脂肪族アミンが、前記(e)結合剤を兼ねる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
  6. (f)カーボンブラックを含有する、請求項1〜のいずれ一項に記載の粉末冶金用混合粉。
  7. 前記(f)カーボンブラックが、前記(a)鉄基粉末100質量部に対し0.06〜3.0質量部である、請求項に記載の粉末冶金用混合粉。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉を、金型に充填して圧縮成形して圧粉体としたのち、該圧粉体を焼結して焼結体とする焼結体の製造方法。
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