JP2019143029A - 導電性組成物、該導電性組成物を用いた硬化体及び積層体 - Google Patents

導電性組成物、該導電性組成物を用いた硬化体及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】大気暴露時の被膜形成が少なく、基材に塗布した際のレベリング性が良好な導電性組成物であり、かつ比較的低温で硬化させた硬化体の導電性が高く、硬化体の平滑性に優れる導電性組成物を提供することを目的とする【解決手段】(a)銅粒子100質量部に対して、(b)熱硬化性樹脂を10〜40質量部、(c)下記一般式(I)で表される芳香族アミン化合物を0.5〜2質量部、(d)炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び前記脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸の金属塩を0.05〜1.3質量部含有し、かつ前記(c)と(d)の配合比((c)/(d))が1〜20の導電性組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性組成物、該導電性組成物を用いた硬化体及び積層体に関する。
近年、アパレル業界などを中心にRFIDタグの導入が進んでおり、今後、他の小売業でもRFIDタグの導入が進むと予測されている。
そこで、RFIDタグの製造の低コスト化を目的に、紙基材上に導電ペーストをスクリーン印刷等でパターニングしてRFIDアンテナを形成し、これにICチップを実装してRFIDタグを製造する手法が提案されている。RFIDアンテナの形成に用いられる導電ペーストは、銀ペーストや銀ナノインクなど様々なものが適用可能であるが、紙の耐熱温度以下で硬化が可能である導電ペーストが求められている。また、RFIDアンテナの通信距離は導電ペースト硬化物の体積抵抗率に反比例するため、硬化物の体積抵抗率が低い、すなわち導電性が良好な導電ペーストが必要とされている。
また、紙基材は、従来使用されているポリエチレンテレフタレート等の平滑性の高いプラスチック基板と異なり表面の凹凸が大きい。そのため、特に、大粒径の異物の混入が多い導電ペーストを用いる場合は、紙基材上に塗布して塗布膜を形成させた際のレベリング性(平坦度)が悪くなる傾向がある。レベリング性が悪い場合は、塗布膜を硬化させた硬化体の平滑性も悪くなりやすい。
一般に、RFIDタグのアンテナ回路は、表面の凹凸が通信距離や通信精度に対して大きく影響を与えるため、印刷物表面には高い平滑性が要求される。したがって、RFIDアンテナを形成するための導電ペーストには高いレベリング性が求められている。
近年、基材上に印刷し回路形成させるために用いる導電ペーストには、導電性粒子として銀よりも廉価な銅の粒子の使用が試みられている。
特許文献1には、銅粒子等の金属粉末と、ホルムアルデヒド縮合型樹脂と、フェニレンジアミン誘導体とからなる導電性組成物に関する技術が記載されている。また、特許文献2には、銅粒子等の金属粉末と、脂肪酸金属塩と、金属酸化物とを含有する導電性組成物に関する技術が記載されている。
特開昭58−225168号公報 国際公開第2015/118760号
しかしながら、上記特許文献1に記載の導電性組成物は、大気暴露時に表面に硬い被膜が徐々に形成され、スクリーン印刷時に、この被膜が粉砕されて大きな異物として混入するため、硬化体の平滑性が悪いといった課題がある。
また、特許文献2に記載の導電性組成物は、硬化温度が高く、紙の耐熱以下で硬化させる場合、十分な導電性が発現しないといった課題がある。
そこで、本発明は、大気暴露時の被膜形成が少なく、基材に塗布した際のレベリング性が良好な導電性組成物であり、かつ比較的低温で硬化させた硬化体の導電性が高く、さらに基材上に形成させた硬化体の平滑性に優れる導電性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の組成を有する導電性組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[7]を要旨とするものである。
[1](a)銅粒子100質量部に対して、(b)熱硬化性樹脂を10〜40質量部、(c)下記一般式(I)で表される芳香族アミン化合物を0.5〜2質量部、(d)炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び前記脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸の金属塩を0.05〜1.3質量部含有し、かつ前記(c)と(d)の配合比((c)/(d))が1〜20である、導電性組成物。

(R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、又はエチル基のいずれかであり、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基のいずれかである。)
[2]前記(b)熱硬化性樹脂がフェノール樹脂である、上記[1]に記載の導電性組成物。
[3]前記(a)銅粒子が表面被覆銅粒子である、上記[1]又は[2]に記載の導電性組成物。
[4]前記(c)芳香族アミン化合物の2つのアミノ基である(−NR)及び(−NR)の少なくとも一方が第1級アミノ基である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性組成物。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性組成物の硬化体。
[6]基材と、該基材上に設けられた上記[5]に記載の硬化体とを備える積層体。
[7]前記基材が紙基材である、上記[6]に記載の積層体。
本発明によれば、大気暴露時の被膜形成が少なく、基材に塗布した際のレベリング性が良好な導電性組成物であり、かつ比較的低温で硬化させても硬化体の導電性が高く、さらに基材上に形成させた硬化体の平滑性に優れる導電性組成物を提供することできる。
本発明の導電性組成物は、(a)銅粒子100質量部に対して、(b)熱硬化性樹脂を10〜40質量部、(c)下記一般式(I)で表される芳香族アミン化合物を0.5〜2質量部、(d)炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び前記脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸の金属塩を0.05〜1.3質量部含有し、かつ前記(c)と(d)の配合比((c)/(d))が1〜20の導電性組成物である。

(R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、又はエチル基のいずれかであり、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基のいずれかである。)
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量の範囲など)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90」という記載において、「10〜90」又は「20〜100」とすることができる。
<銅粒子(a)>
本発明の導電性組成物は銅粒子(a)を含有する。銅粒子(a)は、特に限定されず、銅ペーストや銅インクに一般的に用いられる公知の銅粒子を用いることができる。その形状としては、球状、板状、樹枝状、棒状、繊維状いずれであってもよく、中空状、又は多孔質状等の不定形であってもよい。中でも、導電性を良好とする観点から、板状であることが好ましい。
銅粒子(a)の平均粒径は、特に限定されないが、銅粒子(a)を含む導電性組成物がIJ印刷やスクリーン印刷などの各種印刷方法において良好に印刷可能であるように銅粒子の粒径を制御することが好ましい。具体的には、銅粒子(a)の平均粒径は、5nm〜20μmであることが好ましく、10nm〜10μmであることがより好ましく、100nm〜10μmであることが更に好ましい。
銅粒子(a)の平均粒径が10nm〜10μmであると、粒子の自己凝集及び酸化を防止しやすくなり、また、100μm以下の微細配線の描画に適するようになる。また、銅粒子(a)の平均粒径は100nm〜10μmであると、導電性組成物のスクリーン印刷における連続印刷性を良好とすることが可能となる。
また、銅粒子(a)は、1種類でも良いが、2種以上を併用してもよい。例えば、異なる形状や異なる平均粒径の銅粒子を混合して用いても良い。
銅粒子の平均粒径とは、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で観察して得られる、無作為に選ばれた100個の粒子のフェレット径を相加平均して得られる値を意味するものとする。
また、銅粒子は市販のものをそのまま用いても良いが、耐酸化性を向上させるなどを目的に表面を被覆した表面被覆銅粒子を用いることが好ましい。中でも、アミン化合物により表面を被覆した表面被覆銅粒子を用いることが好ましく、下記式(II)で表されるアミン化合物により表面を被覆した表面被覆銅粒子を用いることがより好ましい。

[式(2)中、mは0〜3の整数、nは0〜2の整数であり、n=0のとき、mは0〜3のいずれか、n=1またはn=2のとき、mは1〜3のいずれかである。]
アミン化合物で表面を被覆した表面被覆銅粒子は、より良好な耐酸化性を得る観点から、さらに脂肪族モノカルボン酸で被覆された表面被覆銅粒子とすることが好ましい。
これにより銅粒子表面は、アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆される。第1被覆層は好ましくは銅粒子表面に形成され、第2被覆層は第1被覆層上に形成される。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸が好ましい。該脂肪族モノカルボン酸としては、直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸、直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐不飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。炭素数8〜20の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸としては、具体的には、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸が挙げられる。炭素数8〜20の直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸等が挙げられる。炭素数8〜20の分岐飽和脂肪族モノカルボン酸としては、2−エチルヘキサン酸などが挙げられる。上記脂肪族モノカルボン酸は、1種類で用いても良く、複数の種類を混合して用いても良い。
表面被覆銅粒子を製造する方法は特に限定されない。アミン化合物で表面を被覆した表面被覆銅粒子を得る方法としては、例えば、銅粒子を塩化アンモニウム水溶液などにより洗浄した後、該洗浄後の銅粒子をアミン化合物の溶液に添加し、必要に応じて加熱すればよい。
アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆された表面被覆銅粒子の製造方法としては、例えば、アミン化合物で表面を被覆した表面被覆銅粒子を、脂肪族モノカルボン酸の溶液に添加する方法が挙げられる。添加後に、必要に応じて加熱すればよい。
<熱硬化性樹脂(b)>
本発明の導電性組成物は熱硬化性樹脂(b)を含有する。導電性組成物中の熱硬化性樹脂(b)の含有量は、銅粒子(a)100質量部に対して10〜40質量部である。熱硬化性樹脂(b)の含有量が10質量部未満であると、導電性組成物の印刷時の流動性が低下し、熱硬化性樹脂(b)の含有量が40質量部を超えると導電性組成物の硬化体の導電性が低下する。熱硬化性樹脂(b)の含有量は、好ましくは15〜25質量部である。
熱硬化性樹脂(b)は、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、オキサジン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、キシレン樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、フラン樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂(b)はいずれか1種類を用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、縮合反応を示す樹脂が好ましい。縮合反応を示す樹脂は、硬化収縮が大きいため、銅粒子同士がより近接し、導電性の良好な硬化体を得ることができる。具体的にはフェノール樹脂などの脱水縮合を示す樹脂がより好ましい。また、フェノール樹脂を用いることで、比較的低温で硬化させても、導電性の高い硬化体を得やすくなる。
フェノール樹脂の中でもレゾール型フェノール樹脂が好ましい。レゾール型フェノール樹脂を用いることで、銅粒子(a)の表面酸化を抑制させ硬化体の導電性を向上させやすくなる。レゾール型フェノール樹脂としては、具体的には、フェノール類と、アルデヒド類から製造される未変性レゾール型フェノール樹脂、フェノール類、アルデヒド類に、各種変性剤を加えて製造される変性レゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。
レゾール型フェノール樹脂は、市販品としても入手可能である。レゾール型フェノール樹脂の市販品の例としては、レヂトップ(RESITOP:登録商標)PL−5208、PL−2407、およびPL−6317(群栄化学工業株式会社製)を挙げることができる。レゾール型フェノール樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<芳香族アミン化合物(c)>
本発明の導電性組成物は下記一般式(I)で表される芳香族アミン化合物(c)を含有する。

一般式(I)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、又はエチル基のいずれかであり、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基のいずれかである。芳香族アミン化合物(c)を用いることで、導電性組成物をより低温で硬化させやすくなる。
導電性組成物中の芳香族アミン化合物(c)の含有量は、銅粒子(a)100質量部に対して0.5〜2質量部である。芳香族アミン化合物(c)の含有量が0.5質量部未満である場合は、銅粒子(a)に対する酸化抑制効果が小さくなり、得られる硬化体の体積抵抗率が高くなり導電性が低下する。芳香族アミン化合物(c)の含有量が2質量部を超える場合は、芳香族アミン化合物(c)の自己縮合により導電性組成物の表面上に被膜を形成しやすくなり、導電性組成物を基材に塗布する際のレベリング性が悪くなりやすい。導電性組成物の被膜形成を抑制し、かつ硬化体の導電性を向上させる観点から、導電性組成物中の芳香族アミン化合物(c)の含有量は、0.8〜2質量部であることが好ましい。
一般式(I)で示される芳香族アミン化合物は、銅粒子に対する還元能及びキレート能を有しており、これら二つの効果により、銅粒子表面に存在する酸化銅を除去し、硬化体の導電性を向上させることができる。還元能及びキレート能は、第3級アミンよりも第2級アミンのほうが大きく、第2級アミンよりも第1級アミンのほうが大きい。
したがって、一般式(I)における2つのアミノ基(−NR及び−NR)のうち、少なくとも一方が第1級アミンであることが好ましく、両方が第1級アミンであることがより好ましい。すなわち、一般式(I)において、R、R、R、Rのうち、R及びRが共に水素原子であることが好ましく、R、R、R、Rのすべてが水素原子であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、具体的には、1,4−フェニレンジアミン、2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミンが挙げられる。この中でも、導電性組成物の硬化体の導電性をより向上させる観点から、1,4−フェニレンジアミンが好ましい。
<脂肪酸金属塩(d)>
本発明の導電性組成物は、炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び該脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸金属塩(d)を含有する。
脂肪酸金属塩(d)は、炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び該脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸金属塩である。
炭素数12未満の脂肪酸金属塩を用いた場合は、導電性組成物の表面に被膜が形成しやすくなる。一方、炭素数24を越える脂肪酸金属塩の場合は、炭素数の増加に見合った効果を得ることができず、入手も困難となる。
導電性組成物中に脂肪酸金属塩(d)を含有させることで、導電性組成物の被膜形成を抑制しやすくなり、導電性組成物のレベリング性及び硬化体の平滑性を良好にしやすくなる。このような効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推定している。
銅粒子と芳香族アミン化合物を含む導電性化合物は、大気暴露下において、導電性組成物表面で下記式(III)に示されるアミン化合物の自己縮合によるポリマー化が進行し導電性組成物表面に被膜を形成する。

導電性組成物を基材に印刷する際に、この被膜が破砕され、異物となって基材表面の凹凸を大きくし、レベリング性を悪化させているものと考えられる。これに対して、炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び該脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸金属塩(d)を配合すると、導電性組成物の被膜の形成が抑制されるようになる。この理由は定かではないが、脂肪酸金属塩(d)の一部が導電性組成物の表面にブリードすることで、組成物の表面の酸素暴露を抑制して、式(III)の反応を進行し難くなるためと考えられる。
導電性組成物中の脂肪酸金属塩(d)の配合量は、銅粒子(a)100質量部に対して0.05〜1.3質量部である。脂肪酸金属塩(d)の配合量が0.05質量部未満であると、導電性組成物の表面に被膜を形成しやすく、導電性組成物を基材に塗布する際のレベリング性が悪くなる傾向がある。一方、脂肪酸金属塩(d)の配合量が1.3質量部を超える場合は、硬化体の導電性が低くなる傾向がある。
導電性組成物中の脂肪酸金属塩(d)の配合量は、被膜の発生をより抑制する観点から、銅粒子(a)100質量部に対して0.08〜1.3質量部であることが好ましい。
本発明の導電性組成物における芳香族アミン化合物(c)と脂肪酸金属塩(d)の配合比((c)/(d))は1〜20である。配合比((c)/(d))が1よりも小さい場合は、芳香族アミン化合物(c)の量に対して、脂肪族金属塩(d)の量が多すぎるため、硬化体の導電性が悪くなる。配合比((c)/(d))が20よりも大きい場合は、芳香族アミン化合物(c)の量に対して、脂肪族金属塩(d)の量が少なすぎるため、導電性組成物の表面の被膜の発生が顕著になる。配合比((c)/(d))は、好ましくは1〜15である。
脂肪酸金属塩(d)は、炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び該脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸金属塩である。導電性組成物の被膜の形成をより抑制しやすい観点から、脂肪酸のマグネシウム塩を用いることが好ましい。
脂肪酸金属塩(d)における炭素数12〜24の脂肪酸は、直鎖状でもよいし、分岐鎖を有するものであってもよく、また飽和脂肪酸であっても、不飽和脂肪酸であってもよい。炭素数12〜24の脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸などが挙げられる。脂肪酸金属塩の脂肪酸の炭素数は16〜22であることが好ましい。
脂肪酸金属塩(d)の粒径は特に限定されるものではないが、0.01〜10μmであることが好ましい。粒径が0.01μm以上であると、脂肪酸金属塩の凝集が抑制されやすく、粒径が10μm以下であると硬化体の平滑性が良好になる。脂肪酸金属塩(d)の形状は特に限定されるものではないが、例えば、球状、針状、板状等が挙げられる。
脂肪酸金属塩(d)は1種類でもよいが、金属の種類、形状、平均粒径などが異なる脂肪酸金属塩を複数混合して用いてもよい。
脂肪族金属塩(d)は、直接法で製造されたものであってもよいし、複分解法で製造されたものであってもよいが、脂肪酸金属塩以外の成分が含まれにくく、硬化体の導電性を良好にする観点から、複分解法で製造されたものであることが好ましい。
なお、直接法とは、脂肪酸と無機金属酸化物又は無機金属水酸化物とを反応させて脂肪族金属塩を得る方法であり、複分解法とは、脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の溶液と無機金属塩類とを反応させて脂肪酸金属塩を得る方法である。
<希釈剤>
本発明の導電性組成物は、希釈剤を含有してもよい。導電性組成物中の希釈剤の含有量は、基材への塗布性を良好とする観点から、銅粒子(a)100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。
希釈剤としては、例えば、エーテル系アルコール類、非エーテル系アルコール類、エステル類、ケトン類、テルペン類、その他炭化水素類等が挙げられる。
エーテル系アルコール類としては、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。特に、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを用いることが基材への塗布性において好ましい。
非エーテル系アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、およびトリエチレングリコール等が挙げられる。
エステル類としては、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、シュウ酸ジエチル、およびマロン酸ジエチル等が挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノン等が挙げられる。
テルペン類としては、テレピン油、テレピネオール、ボルネオール、およびα−ピネン等が挙げられる。特に、テレピネオールを用いることが、導電性、基板への塗布性において好ましい。
その他炭化水素類としては、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジアセトンアルコール、および炭酸プロピレン等が挙げられる。
本発明の導電性組成物中の銅粒子(a)、熱硬化性樹脂(b)、芳香族アミン化合物(c)、脂肪酸金属塩(d)、及び必要に応じて配合される希釈剤の合計の含有量は、導電性組成物全量基準で70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
本発明の導電性組成物には、上記した各成分以外にも、必要に応じて各種公知の界面活性剤、分散剤、カップリング剤、硬化剤、導電補助剤、消泡剤などのその他添加剤を配合してもよい。
本発明の導電性組成物は、銅粒子(a)、熱硬化性樹脂(b)、芳香族アミン化合物(c)、脂肪酸金属塩(d)、必要に応じて配合される希釈剤、並びにその他添加剤を混練装置等により混合することにより製造することができる。混練装置としては、3本ロールミル、超音波分散機、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、プラネタリーミル、加圧ニーダー等を用いることができる。
<積層体>
本発明の導電性組成物は、基材の表面上に塗布し塗布膜を形成させ、次いで該塗布膜を硬化させて硬化体を形成させることができる。このようにして、基材と、該基材上に設けられた導電性組成物の硬化体とを備える積層体を得ることができる。
導電性組成物の塗布法としては、流延法、グラビア印刷、スクリーン印刷、コータを用いたコーティング、スピンコーティングなど、所望の方法を採用することができる。
本発明の導電性組成物は、比較的低温で硬化させても導電性のよい硬化体を得ることができる。したがって、塗布膜を硬化させる条件は、熱風循環オーブンなどで硬化する場合は、温度は80〜200℃が好ましく、120〜150℃がより好ましい。また、硬化時間は5〜30分であることが好ましい。赤外線ヒーターなどで硬化する場合は、塗布膜の表面温度が80〜200℃になるのが好ましく、硬化時間は0.5〜15分が好ましい。また、熱風循環オーブンと赤外線ヒーターの両方を組み合わせ硬化させることもできる。また、紙基材などの耐熱性の低い基板を使用する場合は、160℃以下の低温で硬化させることが好ましい。
基材としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、マット紙、合成紙等の紙基材、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、フッ素樹脂、液晶ポリマー等の樹脂基材、セラミックス基材、ガラス基材、金属基材などを挙げることができる。本発明の導電性組成物は、基材に塗布する際のレベリング性が高く、また、比較的低温で硬化させても導電性が良好である。したがって、本発明の導電性組成物は、比較的表面の凹凸が大きくかつ耐熱温度の低い紙基材に対しても好適に用いることができる。基材として紙基材を用いた積層体は、例えば、RFIDアンテナ用途として好適に使用することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明の実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
各実施例及び比較例の方法で製造した導電性組成物を、以下の評価方法により評価した。
<表面被膜発生低減についての判定>
各実施例及び比較例の方法で製造した導電性組成物を、25℃において、大気暴露下に静置し、組成物表面上に被膜が発生するまでの時間を目視観察により次の基準で評価した。
被膜発生まで60分以上:◎
被膜発生まで30分以上60分未満:○
被膜発生まで30分未満:×
<レベリング性(平坦度)の判定>
各実施例及び比較例の方法で製造した導電性組成物をメタルマスクにより、紙基材(ユーライトDRY、日本製紙)上に幅1cm長さ3cm厚み30μmで塗布して塗布膜を形成させた。塗布膜を形成させて1分経過後の塗布膜表面上の形状を目視観察することにより、次の基準でレベリング性を評価した。
凹凸が無く、かつ色ムラの発生が無い:◎
凹凸が無く、かつ色ムラの発生が有る:○
凹凸が有る:×
<硬化体の平滑性の判定>
各実施例および比較例の方法で製造した導電性組成物をメタルマスクにより、紙基材(ユーライトDRY、日本製紙)上に幅1cm長さ3cm厚み30μmで塗布して塗布膜を形成させた。該塗布膜を熱風循環オーブンを用いて150℃、30分の条件で硬化させ、硬化体を形成させた。該硬化体表面を、カラー3Dレーザー顕微鏡(キーエンス(株)製「VK-9700」)を用いて倍率200倍に拡大して、表面粗さ(Ra)を測定し、さらに硬化体表面上に異物がないかを観察した。硬化体の平滑性は、下記の基準により判定した。
Raが3μm以下であり、かつ硬化体表面に異物無し:◎
Raが3μm超6μm以下であり、かつ硬化体表面に異物無し:○
Raが6μm超、又は硬化体表面に異物有り:×
<硬化体の導電性の判定>
各実施例および比較例の方法で製造した導電性組成物の硬化物の体積抵抗率を、JIS K7194に準拠し、下記に示す方法に基準により評価した。
測定機器種:抵抗率計 MCP−T610(三菱化学(株)製)
測定条件:4探針法
プローブ:ASP
測定試料(硬化体):導電性組成物を幅1cm長さ3cm厚み30μmとなるように基材に塗布した後、150℃×15分で硬化し得られた硬化体の体積抵抗率を測定した。
測定回数:5回測定し、体積抵抗率の平均値を算出した。
得られた硬化体の体積抵抗率より、導電性を下記の基準により評価した。
30μΩ・cm未満:◎
30μΩ・cm以上50μΩ・cm未満:○
50μΩ・cm以上:×
(実施例1)
<表面被覆銅粒子(銅粒子(1)の製造>
水100gに対し塩化アンモニウム5gを溶解した塩化アンモニウム水溶液を調製した。銅粒子[三井金属鉱業株式会社製「1400YP」;粒径(D50)6.9μm、比表面積0.26m/g、形状は板状]50gを、該塩化アンモニウム水溶液に添加し、窒素バブリング下、30℃で60分間攪拌した。撹拌は、メカニカルスターラーを使用し、回転数150rpmで実施した。以下、撹拌は同様の撹拌装置を使用して同じ回転数で行った。攪拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別し、つづいて、桐山ロート上で150gの水により2回銅粒子の洗浄を行った。
洗浄した銅粒子を、40質量%のジエチレントリアミン水溶液250gに添加し、窒素バブリンクをしながら60℃下で1時間加熱攪拌を行った。
撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約200gを抜き取って除去した。つづいて、沈殿物に洗浄用溶剤としてイソプロパノール200gを添加し、30℃で3分間攪拌を行った。撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約200gを抜き取って除去し、その後、2質量%のラウリン酸イソプロパノール溶液250gを添加した後、30℃で30分間攪拌した。 攪拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別した。得られた銅粒子を25℃で3時間減圧乾燥することにより表面被覆銅粒子(銅粒子(1))を得た。
<導電性組成物の調製>
上述の方法で処理した表面被覆銅粒子(銅粒子(1))100質量部、レゾール型フェノール樹脂溶液(PL−5208、群栄化学工業(株)製)30質量部(固形分であるレゾール型フェノール樹脂17.4質量部、溶剤であるエチルカルビトール12.6質量部)、1,4−フェニレンジアミン1.4質量部、ステアリン酸Mg0.5質量部を混合した。次に、プラネタリーミキサー[ARV−310、(株)シンキー製]を用いて、室温下、回転数1500rpmで30秒間攪拌し、1次混練を行った。
次に3本ロールミル[EXAKT−M80S、(株)永瀬スクリーン印刷研究所製]を用いて、室温、ロール間距離5μmの条件下で5回通すことで、2次混練をおこない、導電性組成物を得た。
得られた導電性組成物の表面被膜発生低減度、レベリング性、硬化体の平滑性、及び硬化体の導電性をそれぞれ評価した。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(実施例2)
ステアリン酸Mgの量を0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(実施例3)
ステアリン酸Mgの量を1.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(実施例4)
銅粒子(1)を銅粒子(2)[福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−TB」;粒径(D50)7.0μm、形状 樹枝状]に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(実施例5)
1,4−フェニレンジアミンをN,N’−ジメチルフェニレンジアミンに変更した以外は、実施例4と同様にして導電性組成物を調製し、実施例4と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(実施例6)
1,4−フェニレンジアミンを2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミンに変更した以外は、実施例4と同様にして導電性組成物を調製し、実施例4と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(実施例7)
ステアリン酸Mgをラウリン酸Znに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(実施例8)
ステアリン酸Mgの量を0.2質量部に変更し、ラウリン酸Znを0.2質量部追加した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ステアリン酸Mgの量を0.05質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表2に示す。
(比較例2)
ステアリン酸Mgの量を2.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表2に示す。
(比較例3)
1,4−フェニレンジアミンの量を0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表2に示す。
(比較例4)
1,4−フェニレンジアミンの量を3.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表2に示す。
(比較例5)
銅粒子(1)をFCC−TB(福田金属箔粉工業)(銅粒子(2))に変更し、1,4-フェニレンジアミンの量を0質量部にした以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、実施例1と同様の各評価を行った。導電性組成物の各成分の配合量、及び評価結果を表2に示す。
(比較例6)
銅粒子(1)をFCC−TB(福田金属箔粉工業)(銅粒子(2))に変更し、ステアリン酸Mgの量を0質量部にした以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、得られた導電性組成物の表面被膜の発生、レベリング性、硬化体の平滑性及び体積抵抗率をそれぞれ評価した。
(比較例7)
ステアリン酸Mgを2−メチルプロパン酸Znに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、得られた導電性組成物の表面被膜の発生、レベリング性、硬化体の平滑性及び体積抵抗率をそれぞれ評価した。
(比較例8)
ステアリン酸Mgをステアリン酸Caに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性組成物を調製し、得られた導電性組成物の表面被膜の発生、レベリング性、硬化体の平滑性及び体積抵抗率をそれぞれ評価した。
表1の結果より、本発明の要件を満足する各実施例の各導電性組成物は、表面被膜が発生し難く、レベリング性が良好であり、かつ低温で硬化させた硬化体の導電性及び平滑性に優れるものであった。中でも、脂肪酸の炭素数が比較的大きい脂肪酸金属塩を用いると導電性がより良好となった。
これに対して、表2に示す比較例の結果より、導電性組成物中の芳香族アミン化合物が少ない場合は導電性が低くなり、芳香族アミン化合物が多い場合は、表面被膜が発生しやすく、レベリング性に劣るものであることが分かった。
脂肪酸金属塩が少ない導電性組成物は、表面被膜が発生しやすく、レベリング性に劣るものであった。また、脂肪酸金属塩が多い導電性組成物の硬化体は導電性が低かった。
脂肪酸金属塩として、脂肪酸のカルシウム塩を用いた導電性組成物は、表面被膜が発生しやすく、レベリング性に劣るものであった。

Claims (7)

  1. (a)銅粒子100質量部に対して、
    (b)熱硬化性樹脂を10〜40質量部、
    (c)下記一般式(I)で表される芳香族アミン化合物を0.5〜2質量部、
    (d)炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び前記脂肪酸のマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸金属塩を0.05〜1.3質量部含有し、
    かつ前記(c)と(d)の配合比((c)/(d))が1〜20である、導電性組成物。

    (R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、又はエチル基のいずれかであり、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基のいずれかである。)
  2. 前記(b)熱硬化性樹脂がフェノール樹脂である、請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 前記(a)銅粒子が表面被覆銅粒子である、請求項1又は2に記載の導電性組成物。
  4. 前記(c)芳香族アミン化合物の2つのアミノ基である(−NR)及び(−NR)の少なくとも一方が第1級アミノ基である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性組成物の硬化体。
  6. 基材と、該基材上に設けられた請求項5に記載の硬化体とを備える積層体。
  7. 前記基材が紙基材である、請求項6に記載の積層体。
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