JP2019142807A - メタン製造装置、および、メタン製造方法 - Google Patents

メタン製造装置、および、メタン製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019142807A
JP2019142807A JP2018028332A JP2018028332A JP2019142807A JP 2019142807 A JP2019142807 A JP 2019142807A JP 2018028332 A JP2018028332 A JP 2018028332A JP 2018028332 A JP2018028332 A JP 2018028332A JP 2019142807 A JP2019142807 A JP 2019142807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
gas
reaction
pressure
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018028332A
Other languages
English (en)
Inventor
征治 山本
Seiji Yamamoto
征治 山本
勝悟 佐山
Shogo Sayama
勝悟 佐山
誠一 國富
Seiichi Kunitomi
誠一 國富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2018028332A priority Critical patent/JP2019142807A/ja
Publication of JP2019142807A publication Critical patent/JP2019142807A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】メタン製造装置のシステム効率の向上を図るための技術を提供する。【解決手段】二酸化炭素と水素からメタンを製造するメタン製造装置は、メタンへの転化性能を有する触媒を収容し、供給源から供給された二酸化炭素と水素とを含む原料ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第1反応器と、第1反応器の下流側に配置され、第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第2反応器と、第1反応器と第2反応器との間のガス流路上に配置され、第2反応器に供給される反応混合ガスの圧力を、第1反応器に供給される原料ガスの圧力よりも高くする反応混合ガス昇圧部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、メタン製造装置、および、メタン製造方法に関する。
従来から、燃焼炉等から排出される排ガスから二酸化炭素CO2を回収し、水の電気分解等により得られる水素H2と反応させてメタンCH4を製造する技術が知られている(特許文献1〜4参照)。例えば、引用文献1には、排ガス中のCO2と、水電解装置から供給されるH2とからメタンを生成するCO2回収装置において、生成されたメタンを昇圧して貯蔵部に貯蔵する技術が開示されている。また、引用文献2には、2つの反応器のそれぞれの内部において、3MPa以上の圧力下でメタン化反応をおこなう技術が開示されている。
国際公開第2016/076041号 特許第5959036号 国際公開第2011/108546号 特開2009−77457号公報
しかしながら、上記先行技術によっても、メタン製造装置のシステム効率を向上させる技術については、なお、改善の余地があった。ここでのシステム効率とは、メタン製造時のエネルギー効率に関連する指標であり、転化率に比例し、外部から投入されるエネルギー(外部動力)が増えるほど低下する。例えば、引用文献1では、反応器に供給される原料ガス(H2とCO2を含む混合ガス)は昇圧されず、メタン化反応は常圧でおこなわれる。メタン化反応は高圧下ほど転化率が向上するため、引用文献1の技術では、転化率が十分高いとはいえず、システム効率の向上に関してなお改善の余地があった。一方、引用文献2の技術では、3MPa以上の圧力下でメタン化反応をおこなうため、転化率は向上するが、昇圧のために必要な外部動力が増大するため、システム効率が十分高いとはいえなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、H2とCO2からメタンを製造するメタン製造装置のシステム効率の向上を図るための技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、二酸化炭素と水素からメタンを製造するメタン製造装置が提供される。このメタン製造装置は、メタンへの転化性能を有する触媒を収容し、供給源から供給された二酸化炭素と水素とを含む原料ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第1反応器と、前記第1反応器の下流側に配置され、前記第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第2反応器と、前記第1反応器と前記第2反応器との間のガス流路上に配置され、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力を、前記第1反応器に供給される前記原料ガスの圧力よりも高くする反応混合ガス昇圧部と、を備える。
この構成によれば、第2反応器に供給される反応混合ガス(反応ガスと原料ガスを含むガス)の圧力を、第1反応器に供給される原料ガスの圧力よりも高くすることで、第2反応器において高圧下でメタン化反応をおこなうことができる。これにより、転化率の向上を図ることができる。また、反応混合ガス昇圧部の上流側に第1反応器が配置されるため、メタン化反応による分子数の減少によって、反応混合ガス昇圧部に供給されるガスの流量を第1反応器の上流側のガスの流量よりも減らすことができる。これにより、第2反応器に供給されるガスの昇圧に必要な外部動力の低減を図ることができる。以上のことから、メタン製造装置のシステム効率の向上を図ることができる。
(2)上記形態のメタン製造装置は、さらに、前記第1反応器と前記反応混合ガス昇圧部との間のガス流路上に配置され、前記反応混合ガス昇圧部によって昇圧される前の前記反応混合ガスから水を分離する脱水部を備えていてもよい。この構成によれば、脱水によってさらに分子数が減少するため、反応混合ガス昇圧部に供給されるガスの流量を第1反応器の上流側のガスの流量よりもさらに減らすことができる。これにより、第2反応器に供給されるガスの昇圧に必要な外部動力をさらに低減させることができる。
(3)上記形態のメタン製造装置は、さらに、前記反応混合ガス昇圧部と前記第2反応器との間のガス流路上に配置され、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスに対して、水素の供給源から供給される水素を付加する水素付加部を備えていてもよい。この構成によれば、第2反応器に供給される水素と二酸化炭素との比率を調整することができるため、転化率をさらに向上させることができる。
(4)上記形態のメタン製造装置において、前記反応混合ガス昇圧部は、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスに対して、水素の供給源から供給される水素を付加することによって、前記反応混合ガスの圧力を前記第1反応器に供給される前記原料ガスの圧力よりも高くしてもよい。この構成によれば、水素の付加によって第2反応器に供給される反応混合ガスを昇圧することができるため、昇圧装置の数を減らすことができ、メタン製造装置の構成を簡易にすることができる。
(5)上記形態のメタン製造装置は、さらに、二酸化炭素吸着性能を有する吸着材を収容し、二酸化炭素を含有するガスの供給源から供給されたガスから二酸化炭素を分離する分離器と、前記分離器によって分離された二酸化炭素と、水素の供給源から供給される水素とを含む原料ガスを前記第1反応器に供給するための原料ガス流路と、を備えていてもよい。この構成によれば、二酸化炭素と他の成分とを含む排気ガス等から二酸化炭素を分離することができるため、排気ガス等から生成されるメタンの純度を向上させることができる。
(6)上記形態のメタン製造装置は、さらに、前記原料ガス流路上に配置され、前記分離器によって分離された二酸化炭素と、水素の供給源から供給される水素とを含む原料ガスを貯蔵するとともに、貯蔵した原料ガスを前記第1反応器に供給する原料ガス貯蔵部と、前記原料ガス貯蔵部の上流側に配置され、前記原料ガス貯蔵部に供給される原料ガスを昇圧する原料ガス昇圧部と、を備えていてもよい。この構成によれば、第1反応器に供給される原料ガスを原料ガス貯蔵部において昇圧された状態で一時的に貯蔵することができるため、第1反応器に供給される原料ガスの流量および濃度を安定させることができる。
(7)上記形態のメタン製造装置は、さらに、前記第2反応器の下流側に配置され、前記第2反応器で生成されたメタンを含む反応ガスに含まれるメタンの濃度に関連する情報を取得する濃度関連情報取得部と、前記濃度関連情報取得部によって取得された情報に応じて、前記反応混合ガス昇圧部と前記原料ガス昇圧部とを制御して、前記第1反応器に供給される原料ガスの圧力と、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力とを調整する制御部と、を備えていてもよい。この構成によれば、反応ガスに含まれるメタンの濃度が高くなるように第1反応器内の圧力および第2反応器内の圧力を制御できるため、転化率の向上を図ることができる。
(8)上記形態のメタン製造装置は、さらに、前記第1反応器に供給される原料ガスに含まれる水素と二酸化炭素との比率に関連する情報を取得する比率関連情報取得部を備え、前記制御部は、前記比率関連情報取得部によって取得された情報から前記比率を推定するとともに、推定した前記比率と、前記第1反応器に供給される原料ガスの圧力と、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力と、の対応関係を示す対応関係情報を用いて、前記比率に応じて、前記原料ガスの圧力と、前記反応混合ガスの圧力を調整してもよい。この構成によれば、第1反応器内の圧力および第2反応器内の圧力を昇圧する場合に、昇圧動力が小さくなる1反応器内の圧力と第2反応器内の圧力との対応関係に沿ってこれらの圧力を制御することができるため、外部動力を低減させつつ反応器内の圧力を高圧して転化率の向上を図ることができる。
(9)上記形態のメタン製造装置は、さらに、水電解によって水素を製造する水素製造部と、前記原料ガス流路上に設けられ、前記原料ガス流路を流通する二酸化炭素を含むガスに対して、前記水素製造部によって製造された水素を供給する水素供給部と、を備えていてもよい。この構成によれば、水素製造部で生成された水素を昇圧せずに原料ガス流路に供給することができるため、外部動力の低減を図ることができる。
(10)上記形態のメタン製造装置は、さらに、前記第2反応器の下流側に配置され、前記第2反応器で生成されメタンを含む反応ガスを貯蔵する反応ガス貯蔵部と、前記第2反応器と前記反応ガス貯蔵部との間のガス流路上に配置され、前記反応ガスを昇圧して前記反応ガス貯蔵部に供給する反応ガス昇圧部と、を備えていてもよい。この構成によれば、反応混合ガス昇圧部によって第2反応器に供給される反応混合ガスの圧力が変化しても、第2反応器で生成されたメタンを含む反応ガスを一定の圧力にして反応ガス貯蔵部に貯蔵することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、メタン製造装置の制御方法、この制御方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、メタン製造方法、メタン製造装置の製造方法、CO2回収装置、CO2循環システム、燃料製造装置などの形態で実現することができる。
第1実施形態におけるメタン製造装置の概略構成を示した説明図である。 メタン製造装置における位置と圧力との関係を示した説明図である。 反応器圧力と転化率との関係を示した説明図である。 反応器圧力と昇圧動力割合との関係を示した説明図である。 外部動力割合とシステム効率との関係を示した説明図である。 第2実施形態のメタン製造装置の概略構成を示した説明図である。 制御部による制御処理を示すフローチャートである。 反応器圧力と昇圧動力との関係を示した第1の説明図である。 反応器圧力と昇圧動力との関係を示した第2の説明図である。 第3実施形態のメタン製造装置の概略構成を示した説明図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるメタン製造装置1の概略構成を示した説明図である。メタン製造装置1は、第1反応器10と、第2反応器20と、CO2分離器30と、水素供給源40と、反応ガス貯蔵部50と、原料ガス流路60と、反応混合ガス流路70と、反応ガス流路80と、制御部90と、を備えている。
第1反応器10は、内部においてメタネーション反応によりメタンを生成するための容器であり、内部に触媒12が収容されている。触媒12は、メタン化反応性能(メタンへの転化性能)を有する金属を含んでいる。メタン化反応性能を有する金属としては、例えば、RuやNiを例示することができる。第1反応器10の上流側には原料ガス流路60が接続され、下流側には反応混合ガス流路70が接続されている。原料ガス流路60からCO2とH2とを含む原料ガスが第1反応器10に供給され、メタン化反応によってメタンが生成される。生成されたメタンを含む反応混合ガスは、反応混合ガス流路70を経由して第2反応器20に供給される。第1反応器10には、第1反応器10の内部の圧力(第1反応器圧力)P1を測定する第1圧力センサ13が設けられている。
第2反応器20は、第1反応器10と同形状、同容量の装置であり、内部に触媒22が収容されている。触媒22は、触媒12と同様に、メタン化反応性能を有する金属を含んでいる。ここでは、第1反応器10に収容されている触媒12と、第2反応器20に収容されている触媒22は、メタン化反応性能がほぼ等しいものとして説明する。第2反応器20の上流側には反応混合ガス流路70が接続され、下流側には反応ガス流路80が接続されている。反応混合ガス流路70から第1反応器10によって生成されたメタンのほか未反応のCO2やH2を含む反応混合ガスが第2反応器20に供給され、メタン化反応によってメタンが生成される。生成されたメタンを含む反応ガスは、反応ガス流路80を経由して反応ガス貯蔵部50に供給される。第2反応器20には、第2反応器20の内部の圧力(第2反応器圧力)P2を測定する第2圧力センサ23が設けられている。
CO2分離器30は、排ガスからCO2を分離して回収するための装置であり、内部に吸着材31が収容されている。吸着材31は、CO2吸蔵(吸着)性能を有する材料であり、例えば、ゼオライト、活性炭、シリカゲルを例示することができる。CO2分離器30の上流側には排ガス供給流路32が接続され、下流側には原料ガス流路60と排出流路33とが接続されている。排ガス供給流路32には脱水部34が設けられており、CO2分離器30には脱水された後の排ガスが供給される。供給された排ガスに含まれるCO2は、吸着材31に吸蔵され、残りの排ガスは排出流路33から外部に放出される。吸着材31から脱離したCO2は、例えば、図示しない真空ポンプ等によって原料ガス流路60に送り出される。
水素供給源40は、例えば、水電解装置や水素タンク等であり、ここでは、水電解装置として説明する。水素供給源40で生成されたH2は、第1水素供給流路41を経由して水素供給部42から原料ガス流路60に供給される。水素供給部42は、バルブを含んで構成されており、水素供給源40から原料ガス流路60に供給されるH2の量H2_INを制御する。水素供給源40で生成されたH2は、また、第2水素供給流路45を経由して水素付加部46から反応混合ガス流路70に供給される。水素付加部46は、水素供給部42と同様にバルブを含んで構成されており、水素供給源40から反応混合ガス流路70に供給されるH2の量H2_IN2を制御する。第2水素供給流路45には、水素昇圧部47が設けられている。水素昇圧部47は、水素供給源40から供給されたH2を含むガスを昇圧して反応混合ガス流路70に供給する。
反応ガス貯蔵部50は、第1反応器10および第2反応器20におけるメタネーション反応によって生成されたメタンを貯蔵するためのタンクであり、反応ガス流路80に接続されている。反応ガス貯蔵部50には、反応ガス貯蔵部50の内部の圧力(貯蔵圧力)P3を測定する第3圧力センサ53が設けられている。
原料ガス流路60は、CO2分離器30から供給されるCO2、および、水素供給源40から供給されるH2を第1反応器10に供給するためのガス流路であり、複数のガス配管によって構成されている。原料ガス流路60には、第1昇圧部62が設けられている。第1昇圧部62は、第1反応器10に供給されるCO2とH2を含む原料ガスを昇圧して第1反応器10に供給するコンプレッサーである。なお、原料ガス流路60には、第1昇圧部62を経由しないで第1反応器10に原料ガスを供給するための第1バイパス流路61が設けられている。この第1バイパス流路61によって、原料ガスを昇圧せずに第1反応器10に供給することができる。第1反応器10に供給される原料ガスの圧力は、第1反応器圧力P1と等しくなる。本実施形態の「第1昇圧部62」は、特許請求の範囲の「原料ガス昇圧部」に該当する。
反応混合ガス流路70は、第1反応器10から送り出された反応混合ガスを第2反応器20に供給するためのガス流路であり、複数のガス配管によって構成されている。反応混合ガス流路70には、第1脱水部15と、第2昇圧部17とが設けられている。第1脱水部15は、第1反応器10から送り出された生成物(メタンおよび水)を含む反応混合ガスから水を分離する熱交換器である。第2昇圧部17は、第1脱水部15によって脱水された後の反応混合ガスを昇圧して第2反応器20に供給するコンプレッサーである。なお、反応混合ガス流路70には、第2昇圧部17を経由しないで第1反応器10から第2反応器20に反応混合ガスを供給するための第2バイパス流路71が設けられている。この第2バイパス流路71によって、反応混合ガスを昇圧せずに第2反応器20に供給することができる。第2反応器20に供給される反応混合ガスの圧力は、第2反応器圧力P2と等しくなる。第2バイパス流路71によって反応混合ガスが第2反応器20に供給される場合には、第2反応器圧力P2は、第1反応器圧力P1と等しくなる。本実施形態の「第2昇圧部17」は、特許請求の範囲の「反応混合ガス昇圧部」に該当し、「第1脱水部15」は、特許請求の範囲の「脱水部」に該当する。
反応ガス流路80は、第2反応器20から送り出された反応ガスを反応ガス貯蔵部50に供給するためのガス流路であり、複数のガス配管によって構成されている。反応ガス流路80には、第2脱水部25と、第3昇圧部27とが設けられている。第2脱水部25は、第2反応器20から送り出されたメタンと水を含む反応ガスから水を分離する。第3昇圧部27は、第2脱水部25によって脱水された後の反応ガスを昇圧して反応ガス貯蔵部50に供給する。なお、反応ガス流路80には、第3昇圧部27を経由しないで第2反応器20から反応ガス貯蔵部50に反応ガスを供給するための第3バイパス流路81が設けられている。反応ガス貯蔵部50に供給される反応ガスの圧力は、貯蔵圧力P3と等しい。第3バイパス流路81によって反応ガスが反応ガス貯蔵部50に供給される場合には、貯蔵圧力P3は、第2反応器圧力P2と等しくなる。本実施形態の「第3昇圧部27」は、特許請求の範囲の「反応ガス昇圧部」に該当する。
制御部90は、ROM、RAM、および、CPUを含んで構成されるコンピュータであり、メタン製造装置1の全体の制御をおこなう。制御部90は、上述の各流路に設けられているバルブ、センサ(温度センサ、流量センサ、濃度センサ等)のほか、各昇圧部62、15、27と電気的に接続され、センサからの測定値等に基づいて、バルブや昇圧部等の制御をおこなう。制御部90は、排ガス供給流路32に設けられている図示しない各種センサの測定値から、CO2分離器30に流入したCO2の量CO2_INを推定する。また、制御部90は、原料ガス流路60に設けられている図示しない各種センサの測定値から、CO2分離器30によって取り出されたCO2の量CO2_OUTを推定する。
制御部90は、原料ガス流路60に供給されるH2の量H2_INと、反応混合ガス流路70に供給されるH2の量H2_IN2との合計の量H2_TOT(H2_TOT=H2_IN+H2_IN2)が、CO2の量CO2_INとの間において、メタン化反応における化学量論比(H2_TOT/CO2_IN=4)となるように、水素供給部42および水素付加部46を制御する。すなわち、制御部90は、H2_IN/CO2_INが4以下の場合、(H2_TOT/CO2_IN)が4となるための残りのH2(H2_IN2)を水素付加部46から供給する。
図2は、メタン製造装置における位置と圧力との関係を示した説明図である。図2の横軸は、メタン製造装置1におけるCO2分離器30から反応ガス貯蔵部50までの間の位置を示し、縦軸は、その位置におけるガスの圧力[atm]を示している。メタン製造装置1において、CO2分離器30から供給されたCO2と、水素供給源40から供給されたH2とを含む原料ガスは、原料ガス流路60の第1昇圧部62まで常圧(1atm)となっている。原料ガスは第1昇圧部62においてP1(≧1atm)まで昇圧され、第1反応器10に供給される。メタン化反応後に第1反応器10から取り出された反応混合ガスは、第1脱水部15において脱水された後、第2昇圧部17においてP2(≧P1)まで昇圧され、第2反応器20に供給される。メタン化反応後に第2反応器20から取り出された反応ガスは、第2脱水部25において脱水された後、第3昇圧部27においてP3(≧P2)まで昇圧され反応ガス貯蔵部50に貯蔵される。制御部90は、第1反応器圧力P1が所定の範囲(例えば、1〜9atm)となるように、第1昇圧部62を制御する。また、第2反応器圧力P2が所定の範囲(例えば、P1<P2<10atm)となるように、第2昇圧部17を制御する。また、貯蔵圧力P3が所定値(例えば、10atm)となるように、第3昇圧部27を制御する。
図3は、反応器圧力と転化率(メタン生成率)との関係を示した説明図である。図3の横軸は、反応器内の温度[℃]を示し、縦軸は転化率[%]を示している。図3に示すように、メタン化反応の転化率は、反応器圧力が高いほど上昇する。本実施形態のメタン製造装置1は、第1反応器10と第2反応器20との間に第2昇圧部17を備えているため、第1反応器10から取り出された反応混合ガスをさらに昇圧して第2反応器20に供給することができる。そのため、第2反応器圧力P2を高くすることができ、第2反応器20において高圧下でメタン化反応をおこなうことができる。これにより、転化率の向上を図ることができる。
図4は、各反応器圧力P1、P2と昇圧動力割合との関係を示した説明図である。図4の横軸は、第2反応器圧力P2[atm]を示し、縦軸は、昇圧動力割合[%]を示している。「昇圧動力割合」とは、原料として投入された水素の低位発熱量(LHV)に対する、3つの昇圧部62、15、27を駆動するために外部から投入されるエネルギー(外部エネルギー)量の割合である。図4には、H2/CO2_INを2.5とし、第1反応器圧力P1を1、3、5、7atmとしたときの第2反応器圧力P2と昇圧動力割合との関係が示されている。図4の4つの中実点(黒丸)は、第1反応器圧力P1と第2反応器圧力P2とが等しい状態(P1=P2)を示している。すなわち、中実点は、第1反応器10と第2反応器20との間において昇圧をしていない状態を示している。図4の破線に示すように、第1反応器圧力P1と第2反応器圧力P2がともに3atmの状態(P1=P2=3)と、図4の中空点(白丸)の状態(P1=1、P2=5)とを比較した場合、中空点の状態の方が、昇圧動力が小さくなることがわかる。一方、メタン化反応によるメタンの生成率(転化率)は図3で示したように高圧下の方が高くなるので、中空点の状態の方がメタンの生成率は向上する。このことから、第1反応器10と第2反応器20との間において昇圧することによって、昇圧動力を低減させつつ、メタンの生成率を向上させることができる。
第1反応器10と第2反応器20との間において昇圧することによって、昇圧動力が低減する理由について説明する。メタン化反応は下記の化学式(1)で表すことができる。
4H2+CO2=CH4+2H20 ・・・(1)
化学式(1)から、H2とCO2を含む原料ガスは、メタン化反応によって、分子数が減少することがわかる。分子数の減少により、メタン化反応後の反応混合ガスの流量は、メタン化反応前の原料ガスの流量よりも小さくなる。よって、メタン化反応前の原料ガスを昇圧するよりも、メタン化反応後の反応混合ガスを昇圧する方が、昇圧に要する昇圧動力が小さくなる。言い換えれば、第1反応器10の上流側の第1昇圧部62で昇圧するよりも、第1反応器10と第2反応器20の間の第2昇圧部17で昇圧する方が、昇圧動力を小さくすることができる。本実施形態では、第2昇圧部17の上流側に第1脱水部15が設けられていため、脱水によって分子数がさらに減少する。よって、未脱水の反応混合ガスを昇圧するよりも、脱水後の反応混合ガスを昇圧する方が、昇圧に要する昇圧動力が小さくなる。言い換えれば、第1脱水部15で脱水することによって、第2昇圧部17の昇圧動力をさらに小さくすることができる。
図5は、外部動力割合とシステム効率との関係を示した説明図である。図5の横軸は、外部動力割合[%]を示し、縦軸は、システム効率[%]を示している。「外部動力割合」とは、原料として投入された水素の低位発熱量(LHV)に対する、メタン製造装置1に外部から投入されたエネルギー量(外部動力)の割合である。外部動力には、例えば、上述の昇圧動力のほか、脱水部の脱水やCO2分離器30の加熱等のための外部動力が含まれる。システム効率とは、メタン製造装置のエネルギー効率に関連する指標であり、転化率に比例し、外部動力が大きいほど低下する。システム効率ηは、下記の式(2)で表すことができる。
η=802.3×Conv/(241.8×4+X) ・・・(2)
ここで、Convは転化率(メタン生成率)を示し、Xは外部動力を示している。このシステム効率が高くなるほど、メタンの製造コストを低下させることができる。本実施形態のメタン製造装置1は、2つの反応器(第1反応器10および第2反応器20)の間で昇圧するため、2つの反応器の間で昇圧をおこなわない比較例のメタン製造装置に比べて昇圧に要する昇圧動力を小さくすることができる。昇圧動力が小さくなることにより、外部動力割合を低下させることができ、システム効率を向上させることができる。
以上説明した第1実施形態のメタン製造装置1によれば、第2反応器20に供給される反応混合ガスの圧力(=P2)を、第1反応器10に供給される原料ガスの圧力(=P1)よりも高くすることで、第2反応器20において高圧下でメタン化反応をおこなうことができる。これにより、転化率の向上を図ることができる(図3)。一方、第2昇圧部17の上流側に第1反応器10が配置されるため、第1反応器10のメタン化反応による分子数の減少によって、第2昇圧部17に供給されるガスの流量を第1反応器10の上流側のガスの流量よりも減らすことができる。これにより、第2反応器20に供給されるガスの昇圧に必要な外部動力の低減を図ることができる。これらによって、メタン製造装置のシステム効率の向上を図ることができる。
また、第1実施形態のメタン製造装置1は、さらに、第1反応器10と第2昇圧部17との間の原料ガス流路60上に第1脱水部15を備えているため、第2昇圧部17に供給されるガスの流量を第1反応器10の上流側のガスの流量よりもさらに減らすことができる。これにより、第2反応器20に供給されるガスの昇圧に必要な外部動力のさらに低減させることができる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態のメタン製造装置1Aの概略構成を示した説明図である。第2実施形態のメタン製造装置1Aは、第1実施形態のメタン製造装置1(図1)と比較すると、原料ガス流路60にさらに原料ガス貯蔵部63を備えている点と、第1水素供給流路43の経路が異なる。第2実施形態の第1水素供給流路43は、水素供給源40のH2をCO2分離器30の内部に設けられた水素噴射部44に供給する。水素噴射部44は、水素供給源40から供給されたH2をCO2分離器30の内部に噴射する。これにより、吸着材31から脱離したCO2を、H2パージによって、H2とともに原料ガス流路60に送り出すことができる。CO2分離器30から原料ガス流路60に送り出された送り出されたH2とCO2とを含む原料ガスは、第1昇圧部62によって昇圧された後、原料ガス貯蔵部63に貯蔵される。
原料ガス貯蔵部63は、原料ガス流路60に送り出されたH2とCO2とを含む原料ガスを一時的に貯蔵するためのサージタンクであり、10〜100L/kw−CH4程度の容量を有している。原料ガス貯蔵部63の出口には図示しない流量調整用のスロットル弁が設けられており、これにより、安定した流量、濃度の原料ガス(混合ガス)を第1反応器10に供給することができる。なお、制御部90は、第1昇圧部62を制御して、原料ガス貯蔵部63に供給する原料ガスの圧力を第1反応器圧力P1よりもわずかに高くなるように昇圧(例えば、ΔP=0.2〜0.5atm)してもよい。昇圧の程度はタンク容量によって変化させてもよい。タンクの小型化が必要な場合はΔPを大きくしてもよい。このように、第1反応器に供給される原料ガスを原料ガス貯蔵部63において一時的に貯蔵することができるため、第1反応器に供給される原料ガスの流量および濃度を安定させることができる。
第2実施形態の制御部90は、第1実施形態で説明したCO2_INとCO2_OUTからCO2回収率RCO2を推定し、RCO2が予め設定された目標値である設定CO2回収率RCO2_SETとなるように、水素噴射部44におけるH2の噴射量の制御をおこなう。また、制御部90は、第3昇圧部27と反応ガス貯蔵部50との間に設けられた図示しない濃度センサの測定値から、メタン生成率(転化率)Convを推定し、推定したConvが予め設定された目標値である設定メタン生成率Conv_SETとなるように、第1反応器圧力P1と第2反応器圧力P2の制御をおこなう。ここでは、制御部90は、CO2回収率RCO2をモニタし、回収率が低下した場合には、CO2分離器30に噴射するH2の量を増加させる。これにより、第1反応器10に供給されるH2とCO2との比(H2/CO2_IN)が高くなるとともにガス量増加により空間速度(SV)が高くなり、メタン生成率Convが変化する。メタン生成率Convの変化に応じて第2反応器圧力P2を制御する。制御部90による制御処理フローについては以下で説明する。
図7は、制御部90による制御処理を示すフローチャートである。制御部90は、この制御処理を繰り返し実行する。制御部90は、まず、CO2回収率RCO2を推定し(ステップS11)、CO2回収率の変化量dRCO2が許容値dlimtよりも小さいか否かを判定する(ステップS12)。変化量dRCO2は、今回推定したRCO2と前回推定したRCO2との差分である。許容値dlimtは、予め設定されている。変化量dRCO2が許容値dlimtよりも大きい場合、RCO2が設定CO2回収率RCO2_SETよりも小さいか否かを判定する(ステップS13)。RCO2がRCO2_SETよりも小さい場合、水素噴射部44のH2の噴射量H2_INをdH2増加させる(ステップS14)。一方、RCO2がRCO2_SET以上となっている場合、噴射量H2_INをdH2減少させる(ステップS15)。その後、ステップS11に戻り、再度、CO2回収率RCO2を推定する。
ステップS12において、変化量dRCO2が許容値dlimtよりも小さい場合、制御部90は、H2/CO2_INを推定し(ステップS20)、H2/CO2_INからH2/CO2_TOT=4となるように水素付加部46から供給されるH2の量H2_IN2を決定する(ステップS21)。(H2_IN+H2_IN2)/CO2_IN=4である。次に、制御部90は、H2/CO2_INごとの反応器圧力P1とP2との対応関係が示された参照マップを用いて、H2/CO2_INから、反応器圧力P1とP2を決定する(ステップS22)。参照マップには、H2/CO2_INごとに昇圧動力が最低となる反応器圧力P1とP2の組み合わせが示されている。
図8および図9は、H2/CO2_INごとの反応器圧力P1、P2と昇圧動力との関係を示した説明図である。図8(a)、図8(b)、図9(a)、および、図9(b)の横軸は、第1反応器圧力P1[bar]を示しており、縦軸は、第2反応器圧力P2[bar]を示している。各図には、反応器圧力P1、P2に対応する昇圧動力割合[%]が等高線状に示されている。図8(a)は、H2/CO2_IN=1、図8(b)は、H2/CO2_IN=2、図9(a)は、H2/CO2_IN=3、図9(b)は、H2/CO2_IN=4のときの反応器圧力P1、P2と昇圧動力割合が示されている。各図中の太矢印は、昇圧時に昇圧動力が最低となる反応器圧力P1とP2の組み合わせを示している。制御部90は、この矢印に対応する参照マップを備えており、この参照マップを参照して反応器圧力P1、P2を変更する。すなわち、H2/CO2_INが高い場合(=4)は、図9(b)に示すようにP1は低圧のまま、P2を昇圧する制御をおこなう。一方、H2/CO2_INが低い場合(=1)は、図8(a)に示すようにP1とP2が同程度となるように制御をおこなう。これにより、昇圧動力を低減させることができる。
図7に戻り、制御部90は、メタン生成率Convが設定メタン生成率Conv_SETよりも小さいか否かを判定する(ステップS23)。ConvがConv_SETよりも小さい場合、第2反応器圧力P2をΔP昇圧し(ステップS24)、参照マップを用いて第1反応器圧力P1を昇圧後のP2に対応する圧力に変更する(ステップS25)。その後、ステップS23に戻り、再度、ConvがConv_SETよりも小さいか否かを判定する。
ステップS23において、ConvがConv_SET以上の場合、第2反応器圧力P2の増加量ΔPが許容値dPlimtよりも小さいか否かを判定する(ステップS26)。ΔPがdPlimtよりも小さい場合、本処理を終了する。一方、ΔPがdPlimt以上の場合、第2反応器圧力P2をΔP減圧し(ステップS27)、参照マップを用いて第1反応器圧力P1を減圧後のP2に対応する圧力に変更する(ステップS28)。その後、ステップS23に戻り、再度、ConvがConv_SETよりも小さいか否かを判定する。以上が制御部90の制御処理の説明である。なお、本実施形態の「メタン生成率Conv」は、特許請求の範囲の「メタンの濃度に関連する情報」に該当し、「H2/CO2_IN」は、特許請求の範囲の「第1反応器に供給される原料ガスに含まれる水素と二酸化炭素との比率に関連する情報」に該当する。
以上説明した、第2実施形態のメタン製造装置1Aによれば、反応ガスに含まれるメタンの濃度を高くするように第1反応器圧力P1および第2反応器圧力P2を制御できるため、転化率の向上を図ることができる。また、昇圧時に、昇圧動力が小さくなる第1反応器圧力P1と第2反応器圧力P2との対応関係が示された参照マップに沿ってこれらの圧力を制御するため、外部動力を低減させつつ反応器圧力を高圧にでき、転化率の向上を図ることができる。
また、第2実施形態のメタン製造装置1Aによれば、水素供給源40から供給されたH2をCO2分離器30の内部に噴射する水素噴射部44を備えているため、吸着材31から脱離したCO2を、H2パージによって、H2とともに原料ガス流路60に送り出すことができる。これにより、CO2分離器30からCO2を取り出すための真空ポンプ等の外部動力を使用する必要がないため、CO2回収エネルギーを低減させることができ、システム効率の向上を図ることができる。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態のメタン製造装置1Bの概略構成を示した説明図である。第3実施形態のメタン製造装置1Bは、第1実施形態のメタン製造装置1(図1)と比較すると、第1昇圧部62および第2昇圧部17を備えていない点が異なる。第3実施形態のメタン製造装置1Bでは、常圧の原料ガスが第1反応器10に供給される。一方、第1反応器10から反応混合ガス流路70に取り出された反応混合ガスは、第1脱水部15において脱水後、水素付加部46において付加される高圧の水素によって昇圧される。これにより、第2反応器圧力P2を第1反応器圧力P1よりも高くすることができる。
以上説明した、第3実施形態のメタン製造装置1Bによれば、第1反応器10の上流側に昇圧部を備えていなくても、メタン製造装置のシステム効率の向上を図ることができる。具体的には、第1反応器10において常圧下でメタン化反応がおこなわれても、第2反応器20には昇圧された反応混合ガスが供給されて高圧下においてメタン化反応がおこなわれるため、転化率の向上を図ることができる。また、第2反応器圧力P2を第1反応器圧力P1よりも高くする昇圧部は、反応混合ガス流路70上のコンプレッサーに限定されず、本実施形態のように高圧水素ガスを反応混合ガス流路70に供給する水素付加部46であってもよい。この場合であっても、第2反応器圧力P2を第1反応器圧力P1よりも高くすることでシステム効率の向上を図ることができきる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
第1実施形態のメタン製造装置1は、第1脱水部15および第2脱水部25を備えているが、これらの少なくとも一方を備えていなくてもよい。この場合であっても、第1反応器10でのメタン化反応によって分子数が減少するため第2昇圧部17の昇圧動力を低減でき、システム効率の向上を図ることができる。
[変形例2]
第1実施形態のメタン製造装置1は、反応器を2つ備えているものとした。しかし、メタン製造装置1は、反応器を3つ以上備えていてもよい。これらの場合であっても、下流側の反応器圧力が上流側の反応器圧力より高い箇所が一カ所以上あれば、システム効率の向上を図ることができる。なお、上流側から下流側に向かって反応器圧力が順に高くなるように構成されることが好ましい。第1実施形態のメタン製造装置1は、第1反応器10と第2反応器20が同形状、同容量であるものとした。しかし、メタン製造装置1が備える複数の反応器は、互いの形状や容量が異なっていてもよい。
[変形例3]
第1実施形態のメタン製造装置1は、水素付加部46を備えているが、水素付加部46を備えていなくてもよい。この場合であっても、第2反応器圧力P2が第1反応器圧力P1よりも高くなるように構成さていれば、システム効率の向上を図ることができる。ただし、水素付加部46を備えている方が転化率をより向上させることができるため好ましい。
[変形例4]
第1実施形態のメタン製造装置1は、触媒12、22の代わりに、高級炭化水素およびアルコール生成触媒(Fe系触媒、その他、CuやCo等でも可)を反応器10、20の内部に備えていてもよい。この構成の場合、メタン化触媒よりも反応条件を高圧化させる、もしくは、生成ガスから液体成分を分離し、残りのガスは反応器10、20の入り口に再循環させる構成とする。すなわち、分離した液体成分を燃料として利用する。この場合であってもシステム効率の向上を図ることができる。
[変形例5]
第1実施形態のメタン製造装置1は、第2水素供給流路45に水素昇圧部47が設けられているものとした。しかし、例えば、水素供給源40が高圧のH2を供給可能であれば、水素昇圧部47はなくてもよい。この場合、第1水素供給流路41や第1水素供給流路43にマスフローコントローラやスロットル弁が配置された構成であってもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1、1A、1B…メタン製造装置
10、20…反応器
12、22…触媒
13、23、53…圧力センサ
15、25、34…脱水部
17、27、47、62…昇圧部
30…CO2分離器
31…吸着材
32…排ガス供給流路
33…排出流路
35…排ガス供給源
40…水素供給源
41、43、45…水素供給流路
42…水素供給部
44…水素噴射部
46…水素付加部
50…反応ガス貯蔵部
60…原料ガス流路
63…原料ガス貯蔵部
70…反応混合ガス流路
61、71、81…バイパス流路
80…反応ガス流路
90…制御部

Claims (11)

  1. 二酸化炭素と水素からメタンを製造するメタン製造装置であって、
    メタンへの転化性能を有する触媒を収容し、供給源から供給された二酸化炭素と水素とを含む原料ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第1反応器と、
    前記第1反応器の下流側に配置され、前記第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合ガスを用いて、メタン化反応を生じさせる第2反応器と、
    前記第1反応器と前記第2反応器との間のガス流路上に配置され、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力を、前記第1反応器に供給される前記原料ガスの圧力よりも高くする反応混合ガス昇圧部と、を備える、
    メタン製造装置。
  2. 請求項1に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記第1反応器と前記反応混合ガス昇圧部との間のガス流路上に配置され、前記反応混合ガス昇圧部によって昇圧される前の前記反応混合ガスから水を分離する脱水部を備える、
    メタン製造装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記反応混合ガス昇圧部と前記第2反応器との間のガス流路上に配置され、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスに対して、水素の供給源から供給される水素を付加する水素付加部を備える、
    メタン製造装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載のメタン製造装置において、
    前記反応混合ガス昇圧部は、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスに対して、水素の供給源から供給される水素を付加することによって、前記反応混合ガスの圧力を前記第1反応器に供給される前記原料ガスの圧力よりも高くする、
    メタン製造装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のメタン製造装置は、さらに、
    二酸化炭素吸着性能を有する吸着材を収容し、二酸化炭素を含有するガスの供給源から供給されたガスから二酸化炭素を分離する分離器と、
    前記分離器によって分離された二酸化炭素と、水素の供給源から供給される水素とを含む原料ガスを前記第1反応器に供給するための原料ガス流路と、を備える、
    メタン製造装置。
  6. 請求項5に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記原料ガス流路上に配置され、前記分離器によって分離された二酸化炭素と、水素の供給源から供給される水素とを含む原料ガスを貯蔵するとともに、貯蔵した原料ガスを前記第1反応器に供給する原料ガス貯蔵部と、
    前記原料ガス貯蔵部の上流側に配置され、前記原料ガス貯蔵部に供給される原料ガスを昇圧する原料ガス昇圧部と、を備える、
    メタン製造装置。
  7. 請求項6に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記第2反応器の下流側に配置され、前記第2反応器で生成されたメタンを含む反応ガスに含まれるメタンの濃度に関連する情報を取得する濃度関連情報取得部と、
    前記濃度関連情報取得部によって取得された情報に応じて、前記反応混合ガス昇圧部と前記原料ガス昇圧部とを制御して、前記第1反応器に供給される原料ガスの圧力と、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力とを調整する制御部と、を備える、
    メタン製造装置。
  8. 請求項7に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記第1反応器に供給される原料ガスに含まれる水素と二酸化炭素との比率に関連する情報を取得する比率関連情報取得部を備え、
    前記制御部は、
    前記比率関連情報取得部によって取得された情報から前記比率を推定するとともに、
    推定した前記比率と、前記第1反応器に供給される原料ガスの圧力と、前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力と、の対応関係を示す対応関係情報を用いて、前記比率に応じて、前記原料ガスの圧力と、前記反応混合ガスの圧力を調整する、
    メタン製造装置。
  9. 請求項5に記載のメタン製造装置は、さらに、
    水電解によって水素を製造する水素製造部と、
    前記原料ガス流路上に設けられ、前記原料ガス流路を流通する二酸化炭素を含むガスに対して、前記水素製造部によって製造された水素を供給する水素供給部と、を備える、
    メタン製造装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記第2反応器の下流側に配置され、前記第2反応器で生成されメタンを含む反応ガスを貯蔵する反応ガス貯蔵部と、
    前記第2反応器と前記反応ガス貯蔵部との間のガス流路上に配置され、前記反応ガスを昇圧して前記反応ガス貯蔵部に供給する反応ガス昇圧部と、を備える、
    メタン製造装置。
  11. メタン製造方法であって、
    メタンへの転化性能を有する触媒が収容された第1反応器に、二酸化炭素と水素とを含む原料ガスを供給してメタン化反応を生じさせる工程と、
    前記第1反応器の下流側に配置される第2反応器に、前記第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合ガスを供給してメタン化反応を生じさせる工程と、
    前記第2反応器に供給される前記反応混合ガスの圧力を、前記第1反応器に供給される前記原料ガスの圧力よりも高くする工程と、を備える、
    メタン製造方法。
JP2018028332A 2018-02-20 2018-02-20 メタン製造装置、および、メタン製造方法 Pending JP2019142807A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018028332A JP2019142807A (ja) 2018-02-20 2018-02-20 メタン製造装置、および、メタン製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018028332A JP2019142807A (ja) 2018-02-20 2018-02-20 メタン製造装置、および、メタン製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019142807A true JP2019142807A (ja) 2019-08-29

Family

ID=67770917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018028332A Pending JP2019142807A (ja) 2018-02-20 2018-02-20 メタン製造装置、および、メタン製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019142807A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021091617A (ja) * 2019-12-06 2021-06-17 株式会社豊田中央研究所 ガス供給装置、メタン製造装置、およびガス供給装置の制御方法
JP2021133285A (ja) * 2020-02-26 2021-09-13 株式会社豊田中央研究所 二酸化炭素回収装置、炭化水素製造装置、および二酸化炭素回収方法
JP7338577B2 (ja) 2020-07-10 2023-09-05 株式会社豊田中央研究所 二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021091617A (ja) * 2019-12-06 2021-06-17 株式会社豊田中央研究所 ガス供給装置、メタン製造装置、およびガス供給装置の制御方法
JP7374742B2 (ja) 2019-12-06 2023-11-07 株式会社豊田中央研究所 ガス供給装置、メタン製造装置、およびガス供給装置の制御方法
JP2021133285A (ja) * 2020-02-26 2021-09-13 株式会社豊田中央研究所 二酸化炭素回収装置、炭化水素製造装置、および二酸化炭素回収方法
JP7291649B2 (ja) 2020-02-26 2023-06-15 株式会社豊田中央研究所 二酸化炭素回収装置、炭化水素製造装置、および二酸化炭素回収方法
JP7338577B2 (ja) 2020-07-10 2023-09-05 株式会社豊田中央研究所 二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6791177B2 (ja) メタン製造装置、および、メタン製造方法
JP2019142807A (ja) メタン製造装置、および、メタン製造方法
JP6346013B2 (ja) 高温水蒸気電解を用いた水素製造装置及び方法
JP6502091B2 (ja) 高圧水素製造法および製造システム
EA008283B1 (ru) Интегрированный способ производства уксусной кислоты и метанола
CN103442795A (zh) 温度控制系统、烃合成反应装置、烃合成反应系统及温度控制方法
CN104250210A (zh) 一种甲醇羰基化制醋酸的生产方法
WO2011024652A1 (ja) 炭化水素合成反応装置、及び炭化水素合成反応システム、並びに炭化水素合成反応方法
CA2659482C (en) Methods and systems for reactor low product variation
CN104176705B (zh) 一种生产合成气的耐硫变换工艺
JP5738658B2 (ja) 高効率メタノール製造方法
WO2016105253A1 (en) Process for producing synthetic liquid hydrocarbons from natural gas
JP7196730B2 (ja) 炭化水素製造装置、および、炭化水素製造方法
JP6764384B2 (ja) 水素製造装置
CN109477683A (zh) 用于分离合成气的方法
CN101432393B (zh) 液体燃料合成系统的起动方法、及液体燃料合成系统
JP6530123B1 (ja) 水素製造装置
JP2003020221A (ja) アンモニア水製造装置
JP4210809B2 (ja) オンサイト型水素製造装置
EA025494B1 (ru) Устройство для производства углеводородов и способ для производства углеводородов
JP7134682B2 (ja) メタノール製造方法およびメタノール製造システム
CN104519977A (zh) 通过h2 psa生产具有各种纯度水平的氢气的方法
JP2013103909A (ja) メタノールプラントを利用した酢酸原料又はmma原料の製造方法
JP6549300B1 (ja) 水素製造装置、水素製造方法、及び作動プログラム
US20240109825A1 (en) Tail gas utilization for mixed alcohols production