JP6502091B2 - 高圧水素製造法および製造システム - Google Patents

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本発明は、ギ酸等の水素貯蔵剤から高圧の水素を製造する方法に関するものであり、さらに詳しくは、水素を圧縮するための圧縮機とこの圧縮機を用いた圧縮工程を必要とせず、ギ酸の分解によって生成する二酸化炭素と水素を含む混合ガスによって得られる高圧状態を利用して、その高圧状態のまま二酸化炭素と水素を相分離させることにより純度の高い高圧水素を得る一連の技術を提供するものである。
水素をエネルギーとした社会を構築する際、水素を運搬したり、燃料電池へ供給したりする場合、より圧縮・濃縮した高純度・高密度の水素を製造する必要が求められている。例えば、燃料電池を搭載した自動車には、航続距離600kmを確保するためには、圧力35MPaの水素を171Lのタンクに充填しなくてはならない。この高圧水素を供給するためには、まず水素を含む混合ガスを製造し、そこから水素を分離精製して圧縮する必要がある。水素を含む混合ガスを製造する方法は、多数の技術がある。例えば水を分解する手法、炭化水素化合物(メチルシクロヘキサン)を分解する方法、アンモニアを分解する方法、ギ酸を分解する方法、バイオマスを分解する方法、天然ガスを分解する方法など、各原料を分解するなかで脱水素反応を起こして水素を得ている。
しかし、従来法で得た水素を含む混合ガスは、燃料電池等のエネルギーとして用いるには精製工程が必要であり、各種ガス精製法の技術が必要となる。しかも、得られたガスは高圧ではないため、高圧水素を供給するためには、圧縮工程と精製工程を組み合わせたシステムを構築する必要があり、これらにエネルギーが必要となってくるため、高圧水素のコストを押し上げる大きな要因となっている。例えば、分離膜や吸着材を用いたPSA法(Pressure Swing Absorption、特許文献1)やTSA法(Temperature Swing Absorption、特許文献2)によって分離精製して、これに圧縮機による高圧・圧縮を組み合わせて高圧水素を製造している。
水素源として炭化水素化合物(メチルシクロヘキサン)を用いる場合、脱水素反応によって水素を得、同時に生成するトルエン(沸点121℃)とを気液分離した後、圧縮機で昇圧してさらに気液分離と吸着剤を介して、燃料電池車等へ供給可能な高圧水素を製造している(特許文献3、4)。これらの技術の問題点は、脱水素化反応温度が300℃付近の高温であること、更に発生する水素が0.18MPaであるため、燃料電池へ充填するのに必要な35MPaへ圧縮するために水素用の圧縮機を使用しなければならないことである。
水素圧縮機は、漏れやすい水素用のシール機構が複雑で、振動や騒音も大きく、圧縮に大きなエネルギーを必要とするため、この欠点を克服するため、原料の炭化水素化合物を最初から加圧ポンプで高圧にし、その状態で脱水素化を行うことで高圧水素を製造する技術が発明されている。しかしこの技術も、最初に水素源を加圧するエネルギーを必要することに変わり無い(特許文献5)。
水素源としてアンモニアを用いる場合、炭化水素化合物と同様に、脱水素分解反応により水素と窒素を発生させる。得られた混合ガスは、パラジウム膜などの分離膜で水素を分離して燃料電池等への供給を行う。ただし、アンモニアが常温常圧でガスであり、未反応の残存アンモニアの除去に問題があること(特許文献6)、パラジウム膜の駆動温度が300℃以上であること(特許文献7)、更にアンモニア脱水素分解温度が550℃以上であるため(特許文献8)、液体アンモニアを昇温することも含めて、大きなエネルギーを必要とし、加熱エネルギーと得られるエネルギーとのバランスを確保するのが難しいなどの欠点を有する。
一方、ギ酸を水素源とする場合、水素と二酸化炭素と一酸化炭素が生成するが、一酸化炭素が電極の劣化を促すために、利用が難しい欠点がある。この問題に対して、一酸化炭素を発生させない金属錯体触媒を用いる脱水素化技術が開発された(特許文献9、10、非特許文献1〜8)。ただし、有機溶媒とアミン添加が必要である欠点を有しており、水中で稼働する触媒が開発されたが低い触媒活性と耐久性が問題であった(特許文献11〜15、非特許文献9〜12)。これらの問題に対して、水中でギ酸の脱水素化反応に極めて高い活性を示す触媒が開発されている(特許文献16〜22、非特許文献13〜24)。
しかし、これらの触媒で得られた一酸化炭素を含まないガスは、水素と二酸化炭素が1:1の混合ガスであり、生成する混合ガスは最大で2MPaである。一方、燃料電池車等へ搭載するための高圧水素を得るには、得られた水素を分離精製する必要があることと、精製した水素を更に圧縮機で35MPa以上へ昇圧する必要があり、現状でそのまま搭載することは現実的でない。この課題に対して、二酸化炭素と水素を分離精製する技術は、水素または二酸化炭素分離透過膜を使用する方法(特許文献23、24)、水素吸着合金を使用するPSA法(特許文献25)、二酸化炭素を吸収液で除去するPSA法(特許文献26)等があるが、低圧下で精製した水素を得る手法であるため、何れにしても昇圧工程が欠かせない。
特開2014−189480号公報 特表2010−500272号公報 特開2014−073923号公報 特開2005−216774号公報 特開2005−200253号公報 特開2012−109064号公報 特開2011−245459号公報 特開2012−162457号公報 WO2008/047312号公報 WO2012/070620 特許第4572393号公報 特許第4875576号公報 WO2011/108730 特開2010−083730号公報 特開2010−208927号公報 特許第3968431号公報 特許第4009728号公報 特許第4822253号公報 特許第5030175号公報 PCT/US2012/054823 PCT/JP2013/051606 特願2012−062042号 特開2014−1109号公報 特開2014−203624号公報 特開2012−1380号公報 特開2010−143778号公報
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本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、水素を高圧に圧縮するための圧縮機や圧縮工程を用いることなく、また、PSA法やTSA法を必ずしも用いることなく、より純度の高い高圧水素を製造する方法や装置を提供することを課題とする。また、本発明は、水素を発生する水素貯蔵剤を高圧に圧縮するための圧縮機や圧縮工程を用いることなく、より純度の高い高圧水素を製造する方法や装置を提供することを付加的な課題とする。また、本発明は、深冷分離のような−200℃近い極低温を必要とすることなく、高圧混合ガスから純度の高い高圧水素を分離して製造する方法や装置を提供することを付加的な課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、次の(A)〜(C)のような知見を得た。
(A)ギ酸を脱水素触媒を用いて分解することで、二酸化炭素の臨界圧力以上である7.3MPa以上の高圧混合ガスが得られ、この高圧混合ガスを利用すれば、水素を高圧に圧縮するための圧縮機や圧縮工程を用いることなく、かつ、PSA法やTSA法の精製法を用いることなく、32℃以下で二酸化炭素を高圧混合ガスから気液(固液)分離することができ、水素の純度が高まった高圧ガスが製造できる。
(B)脱水素反応容器へのギ酸の供給は、ギ酸を高圧に圧縮するための圧縮機や圧縮工程を必ずしも用いることなく実施できる。
(C)脱水素反応温度や得られるガス圧力を適切な範囲に調整することにより、深冷分離のような−200℃近い極低温を必要とすることなく、低温から常温近辺の温度(−38℃〜32℃)での気液分離によって水素の純度が高まった高圧ガスが製造できる。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]水素貯蔵剤から触媒を用いた脱水素化反応により全圧が7.3MPa以上の水素と二酸化炭素とを含む高圧混合ガスを生成させ、生成した高圧混合ガスの全圧を0.4MPa以下に下げることなく該高圧混合ガスを相分離して水素濃度の高い高圧ガスを製造する高圧水素ガス製造方法。
[2]水素貯蔵剤が、ギ酸または/およびギ酸塩、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール、グリオキサール酸から選ばれる1種類または2種類以上であることを特徴とする[1]に記載の高圧水素ガス製造方法。
[3]高圧の水素を発生させるための触媒が、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、コバルト、オスミニウム、ニッケル、鉄、パラジウム、白金、金から選ばれる1種類もしくは2種類以上の遷移金属を含む有機金属錯体またはこれら錯体の塩であることを特徴とする[2]に記載の高圧ガス製造方法。
[4]水素貯蔵剤からの脱水素化反応において、下記式(1)で表されるものから選択される触媒を用いることを特徴とする[2]または[3]に記載の高圧ガス製造方法。
Figure 0006502091
〔前式(1)において、Mは、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuであり、A〜F(A〜Fのうちの1つ〜3つは存在しなくても良い。)は、それぞれ独立に、ハロゲン、リン、窒素、炭素、酸素、硫黄、もしくは水素を配位原子として含む配位子であるか、または、A〜Fのうちの2つは、Mに配位する2座配位子であるか、もしくは、該Mとは別のMを含む4座配位子構造のものであり、mは、正の整数、0、または負の整数である。〕
[5]水素貯蔵剤の脱水素化反応において、下記式(2)または式(3)で表されるものから選択される触媒を用いることを特徴とする[3]または[4]に記載の高圧ガス製造方法。
Figure 0006502091
〔前式(2)において、Mは、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuであり、AとBは、Mに配位する2座配位子であり、Lは、芳香族性アニオン配位子、または芳香族性配位子であり、置換基を有している場合は、前記配位子は1つでも複数でも良く、Zは、任意の配位子であるか、または存在せず、mは、正の整数、0、または負の整数である。〕
Figure 0006502091
〔前式(3)において、M〜Mは、それぞれ独立に、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuであり、A 〜Aは、MとMに配位する4座配位子であり、L〜Lは、それぞれ独立に、芳香族性アニオン配位子、または芳香族性配位子であり、置換基を有している場合は、前記配位子は1つでも複数でも良く、Z〜Zは、それぞれ独立に、任意の配位子であるか、または存在せず、mは、正の整数、0、または負の整数である。〕
[6]ギ酸または/およびギ酸塩の脱水素化反応に下記式(4)〜(10)で表されるものから選択される触媒を用いることを特徴とする[4]または[5]に記載の高圧ガス製造方法。
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
〔前記式(4)〜(10)において、式中の5員環および6員環は、芳香族性を有するものであり、また、A〜Aは、いずれも窒素であるか、またはそれぞれ独立に、窒素もしくは炭素であり、X〜X10は、それぞれ独立に、窒素または炭素であり、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基、ニトロ基、ハロゲン基、スルホン酸基(スルホ基)、アミノ基、カルボン酸基(カルボキシル基)、ヒドロキシ基(−OH)、オキシアニオン基(−O)、またはアルコキシ基(−OR)(ただし、Xが窒素である場合、その窒素の位置のRは存在しない。)であり、L〜Lは、それぞれ独立に、芳香族性アニオン配位子、または芳香族性配位子であり、置換基を有している場合は、前記配位子は1つでも複数でも良く、Z〜Zは、それぞれ独立に、任意の配位子であるか、または存在せず、mは、正の整数、0、または負の整数であり、M〜Mは、それぞれ独立に、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuである。〕
[7]水素貯蔵剤の脱水素化反応を高圧反応容器で行い、高圧混合ガスの相分離を気液分離器で行う[1]〜[6]のいずれか1項に記載の高圧水素ガス製造方法。
[8]水素貯蔵剤の脱水素化反応を32〜300℃の反応温度下で行い、高圧混合ガスの相分離を前記反応温度より低い−38〜32℃の相分離温度で行うことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の高圧水素ガス製造方法。
[9]相分離温度を0〜32℃、脱水素化反応温度を相分離温度より20〜100℃高い温度とする[8]に記載の高圧水素ガス製造方法。
[10]高圧反応容器への水素貯蔵剤の供給を連続的または間欠的に行うことを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載の高圧水素ガス製造方法。
[11]内部が常圧の高圧反応容器へ所定量の水素貯蔵剤を供給後、該水素貯蔵剤を加熱して前記高圧混合ガスを生成し、高圧水素ガスの製造停止まで水素貯蔵剤を追加供給することなく水素濃度の高い高圧ガスを製造することを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載の高圧水素ガス製造方法。
[12]水素貯蔵剤の脱水素化反応により全圧が7.3MPa以上の水素と二酸化炭素とを含む高圧混合ガスを生成する高圧反応容器と、水素と二酸化炭素とを含む高圧混合ガスを相分離して水素濃度の高い高圧ガスを生成する気液分離器と、前記高圧反応容器で生成した高圧混合ガスを0.4MPa以上の全圧を保持したまま前記気液分離器に送給する高圧混合ガス送給通路とを備える高圧水素製造装置。
[13]前記高圧反応容器は水素貯蔵剤を32〜120℃に加熱する加熱手段を有し、前記気液分離器は高圧混合ガスを−38〜32℃に保持する温度調節手段を有することを特徴とする[12]に記載の高圧水素製造装置。
従来法では、炭化水素、アンモニア、バイオマス、水素吸着剤等で貯蔵していた水素は、燃料電池車等へ供給するために圧縮機や圧縮工程を用いて昇圧する必要があったが、多くの場合、高温状態で水素を得た後、そのまま水素を精製する技術が無かったため、一旦常圧にしてからPSA法やTSA法で水素を精製した上で、圧縮機で圧縮していた。しかし、脱水素過程で高温のエネルギーが必要となること、水素を圧縮するための圧縮機の装置構造が複雑である上に、そのために大きなエネルギーを必要としていた。
これに対し、本発明では、主にギ酸から脱水素反応によって自動的に二酸化炭素と水素からなる高圧ガスを得ることが出来るため、その高圧ガスを利用することで水素を精製することが可能となり、PSA法やTSA法の精製法を必ずしも用いることなく、かつ、圧縮機や圧縮工程等による大きなエネルギーを必要とせずに高圧で精製された水素を供給することができる。
また、脱水素反応容器へのギ酸の供給にも、ギ酸を高圧に圧縮するための圧縮機や圧縮工程を必ずしも用いる必要がないし、脱水素反応温度や得られるガス圧力を適切な範囲に調整することにより、深冷分離のような低温やそのための大きなエネルギーを必要とすることなく、常温近辺の温度での気液分離によって水素の純度が高まった高圧ガスが製造できる。さらに、ギ酸からは水素と二酸化炭素のみが得られることから、水素分離後は、同時に二酸化炭素も得ることができ、精製することなく別工程への利用が可能となる。
本発明の実施例の高圧水素製造システム例を示す図面。 本発明の実施例の高圧水素製造における反応容器内設定圧力と、ガス発生速度、水素と二酸化炭素の発生量比との関係を示す図面。 反応容器内設定圧力を変化させた際のガス発生量、ガス発生速度の時間変化を示す図面。 気液分離時の圧力を10MPa、20MPaとした際の分離気体中における二酸化炭素に対する水素のモル比の時間変化を示す図面。 水素−二酸化炭素系の相図。 脱水素化反応温度を変化させた際のガス発生量、ガス発生速度の時間変化を示す図面。
(高圧水素システムの構成)
高圧水素を製造するためのシステムの一例は、図1に示した通りの構成で示され、主に水素貯蔵剤から高圧ガスを発生させる脱水素反応部と、発生した高圧ガスから二酸化炭素と水素を分離する気液分離部から構成されるシステムである。
(水素貯蔵剤)
本発明において、製造する高圧の水素ガスを得るための水素貯蔵剤は、高圧の水素を含むガスを発生させられれば特に限定されないが、好適には、ギ酸または/およびギ酸塩である。また、水素貯蔵剤としてギ酸、ギ酸塩以外にも、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、およびホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール、グリオキサール酸などを用いることができる。
これらの水素貯蔵剤は、1種類または2種類以上の混合物として使用できるし、また、溶媒を含む溶液または分散剤を含む分散液としても使用することができる。その際の溶媒や分散媒は固体でも液体でも良い。水素貯蔵剤としてギ酸または/および酸塩を用いる場合、水、アルコール、炭化水素等から選ばれる少なくとも1種類以上の溶媒または分散媒を用いることができ、好適には水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール等を用いることができるが、より好適には、超臨界二酸化炭素への溶解度が低い水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、更に好適には水を用いることができる。なお、アルコール類は、溶媒または分散媒としても用いられるが、同時に水素貯蔵剤として用いることも可能である。
(水素貯蔵剤を含む原料例)
また、炭化水素の改質や石炭乾留、石炭ガス化等で得られる処理物や、草木系のバイオマスの分解で得られた溶液を含む処理物や、糞尿等の処理から得られる処理物、さらには廃プラスチックスなどの分解処理で得られる処理物は、いずれもギ酸または/およびギ酸塩を含んでいるので、本発明において水素貯蔵剤を含む原料(溶液や分散液など)として用いることができる。特にバイオマスとしては、セルロース、ヘミセルロース由来のグルコース、フルクトース等の糖類を分解することでギ酸が得られるため、これらを含む処理物は将来水素をエネルギーとして使用する際に、水素貯蔵剤を含む有用な原料として使用できる。
(ギ酸または/およびギ酸塩の酸性度、カウンターカチオン)
水素貯蔵剤としてのギ酸または/およびギ酸塩を溶液として用いる際、一般的に特に酸性度の範囲は限定されないが、好ましくは酸性度が1〜9の範囲、更に好ましくは1〜7の酸性側で用いることが好ましい。またこの酸性度を一定に保つために、ギ酸塩を用いることが出来るが、ギ酸塩のカウンターカチオンとして、特に限定しないが、例えば、陽イオンとしては、リチウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオン、イットリウムイオン、スカンジウムイオン、またはランタノイドイオン等の各種金属イオンまたはアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のアルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。またこれらのカウンターイオンは、1種類でも良いが、2種類以上併存していても良い。
(ギ酸濃度)
本発明において、水素貯蔵剤としてのギ酸または/およびギ酸塩を溶液または分散液として用いる際、ギ酸とギ酸塩の合計の濃度が、1μmol/L以上、26mol/L以下の範囲であれば高圧の水素を発生させることが可能であるが、1mmol/L以上、26mol/L以下の範囲であれば好適に、さらには、1mol/L以上、26mol/L以下の範囲であればより好適に高圧の水素を発生させることができる。
(水素発生させるための反応器)
本発明において、製造する高圧の水素ガスを発生させるための脱水素反応器は、ステンレススチールなどの一般的な耐圧容器を用いることが可能であるが、ギ酸と金属の接触で一酸化炭素の発生が起こりやすくなるため、容器の材質は樹脂やガラスやセラミックスなどの金属製以外の材質であることが好ましく、更にはギ酸との接液部が、樹脂やガラスやセラミックスで被覆されていれば好適に用いることができる。
(水素発生させるための触媒)
高圧の水素を発生させるための触媒は、遷移金属からなる有機金属錯体であることが好ましい。脱水素反応を起こすための触媒に用いられる遷移金属種は、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、コバルト、オスミニウム、ニッケル、鉄、パラジウム、白金または金から、少なくとも1種類以上の遷移金属を含む有機金属錯体またはこれらの塩を用いることができるが、好適にはイリジウム、ロジウム、ルテニウム、コバルトを、更に好適には、イリジウムを用いることができる。
触媒として用いられる前記の遷移金属から構成される有機金属錯体の構造は、水素貯蔵剤を含む溶液への溶解度は特に限定されないが、水素貯蔵剤を含む溶液に少しでも溶解する錯体構造を有していることが好ましく、その錯体構造は、一般式(1)で表される遷移金属錯体、複合金属錯体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を含む錯体が触媒として用いることができる。
Figure 0006502091
〔前式(1)において、Mは、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuであり、A〜F(A〜Fのうちの1つ〜3つは存在しなくても良い。)は、それぞれ独立に、ハロゲン、リン、窒素、炭素、酸素、硫黄、もしくは水素を配位原子として含む配位子であるか、または、A〜Fのうちの2つは、Mに配位する2座配位子であるか、もしくは、該Mとは別のMを含む4座配位子構造のものであり、mは、正の整数、0、または負の整数である。〕
具体的には、塩化ルテニウムトリフェニルホスフィン、クロロルテニウムトリフェニルホスフィントリスルホネート錯体などが挙げられるが、更に選択制の高い触媒として用いることが可能な金属錯体の構造を具体的に述べると、その錯体の構造は、一般式(2)または一般式(3)で表される遷移金属錯体、複合金属錯体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を含む錯体が触媒として用いることができる。
Figure 0006502091
〔前式(2)において、Mは、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuであり、AとBは、Mに配位する2座配位子であり、Lは、芳香族性アニオン配位子、または芳香族性配位子であり、置換基を有している場合は、前記配位子は1つでも複数でも良く、Zは、任意の配位子であるか、または存在せず、mは、正の整数、0、または負の整数である。〕
Figure 0006502091
〔前式(3)において、M〜Mは、それぞれ独立に、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuであり、A 〜Aは、MとMに配位する4座配位子であり、L〜Lは、それぞれ独立に、芳香族性アニオン配位子、または芳香族性配位子であり、置換基を有している場合は、前記配位子は1つでも複数でも良く、Z〜Zは、それぞれ独立に、任意の配位子であるか、または存在せず、mは、正の整数、0、または負の整数である。〕
例えばより具体的には、下記式(4)〜(10)のいずれかで表される遷移金属錯体、複合金属錯体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を含む錯体などが触媒として用いることができる。
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
〔前記式(4)〜(10)において、式中の5員環および6員環は、芳香族性を有するものであり、また、A〜Aは、いずれも窒素であるか、またはそれぞれ独立に、窒素もしくは炭素であり、X〜X10は、それぞれ独立に、窒素または炭素であり、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基、ニトロ基、ハロゲン基、スルホン酸基(スルホ基)、アミノ基、カルボン酸基(カルボキシル基)、ヒドロキシ基(−OH)、オキシアニオン基(−O)、またはアルコキシ基(−OR)(ただし、Xが窒素である場合、その窒素の位置のRは存在しない。)であり、L〜Lは、それぞれ独立に、芳香族性アニオン配位子、または芳香族性配位子であり、置換基を有している場合は、前記配位子は1つでも複数でも良く、Z〜Zは、それぞれ独立に、任意の配位子であるか、または存在せず、mは、正の整数、0、または負の整数であり、M〜Mは、それぞれ独立に、Ir、Rh、Ru、Co、Os、Ni、Fe、Pd、Pt、またはAuである。〕
前記式(4)において、L がペンタメチルシクロペンタジエニル、Z がH O、A およびA が窒素、X 、X 、X およびX が炭素であるとき、前記式(4)は下記式(4a)で表される。なお、下記式(4a)では、前記式(4)のX −R をX 2a と、X −R をX 4a と、X −R をX 6a と、X −R をX 8a とそれぞれ表している。
Figure 0006502091
〔前記式(4a)において、M はIrまたはRuであり、R とR は、それぞれ独立にHまたはOHであり、R とR は、それぞれ独立にH、CH 、OCH 、OH、またはNH であり、X 2a 、X 4a 、X 6a およびX 8a は、それぞれ独立にN、CCH またはCHであり、mは正の整数である。〕
前記式(4a)のより具体的な化合物として、下記式(12a)〜下記式(12f)、下記式(13a)〜下記式(13f)、および下記式(14a)で表されるものが挙げられる
Figure 0006502091
Figure 0006502091
Figure 0006502091
〔前記式(12a)〜前記式(12f)、前記式(13a)〜前記式(13f)、および下記式(14a)において、M はIrまたはRuであり、mは正の整数である。〕
前記式(5)において、L がペンタメチルシクロペンタジエニル、Z がH O、A およびA が窒素、X 〜X 10 が炭素、R 、R 、R 、R 、R およびR 10 が水素、R およびR がOHであるとき、前記式(5)は下記式(5a)で表される。
Figure 0006502091
〔前記式(5a)において、M はIrまたはRuであり、mは正の整数である。〕
一般式(1)〜(10)で示される遷移金属錯体において、そのカウンターイオンは、特に限定されないが、陰イオンとしては、例えば、六フッ化リン酸イオン(PF6)、テトラフルオロほう酸イオン(BF4)、水酸化物イオン(OH)、酢酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ハロゲン化物イオン(例えばフッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)等)、次亜ハロゲン酸イオン(例えば次亜フッ素酸イオン、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン等)、亜ハロゲン酸イオン(例えば亜フッ素酸イオン、亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、亜ヨウ素酸イオン等)、ハロゲン酸イオン(例えばフッ素酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン等)、過ハロゲン酸イオン(例えば過フッ素酸イオン、過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオン等)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(OSOCF )、テトラキスペンタフルオロフェニルボレートイオンB(C 等が挙げられる。
陽イオンとしては、特に限定されないが、リチウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオン、イットリウムイオン、スカンジウムイオン、ランタノイドイオン、等の各種金属イオン、水素イオン等が挙げられる。また、これらカウンターイオンは、1種類でも良いが、2種類以上が併存していても良い。ただし、この記述は、可能な機構の例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
(水素発生方法)
本発明において、製造する高圧の水素ガスを得るための脱水素反応は、バッチ式でもフロー式でも好適に行うことができる。バッチ式の場合は、反応容器中で高圧の水素ガスを発生させ、得られたガスは、後段の気液分離器に移送させることで、行うことができる。フロー式では、反応開始温度が50℃以上であることから、ポンプでフローさせながら温度可変することで、高圧ガスを発生させることができ、そのまま後段の気液分離器に移送させることで、水素精製を行うことができる。
(水素発生温度)
本発明において、製造する高圧の水素ガスを得るための脱水素反応は、ギ酸から精製する水素と二酸化炭素の混合ガスが均一の相状態であれば後段の気液分離器で水素と二酸化炭素を分離することができる。すなわち均一の相をつくる臨界温度以上で脱水素反応を行えば均一な混合ガスを得ることができ、後段において高圧状態のまま水素を精製することが可能である。
すなわち水素と二酸化炭素の混合ガスの超臨界相が現われる−38℃以上で行えば好適に高圧の水素を製造することができるが、更には、二酸化炭素の臨界温度の32℃以上の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは、脱水素反応が進む50℃以上の温度で行うことができる。特に、後段の気液分離を、発生時の圧力からあまり低下させることなく低温から常温近辺(−38℃〜32℃)で効率よく行うには、水素発生温度を、−38℃から32℃における臨界温度軌跡より高い温度とすることが望ましい。
(発生時のガスの圧力)
本発明において、ギ酸から発生する水素と二酸化炭素を含む高圧のガス(常温常圧に変換した場合にガスであること)は、0.1MPa以上であれば、後段の気液分離器によって、固気分離により水素の精製を行うことができるが、最大臨界圧力である200MPa以上では気液相が現れないので、それ以下の範囲であることが好ましい。
すなわち、常圧(0.1MPa)以上、200MPa以下の範囲であれば、後段の気液分離器によって精製された高圧水素を製造することが出来る。また、更に好適には三重点の圧力である0.4MPa以上200MPa以下であれば二酸化炭素を液化し、水素をガスとして分離することが可能であり、最も好ましくはガス精製時には臨界圧力である7.3MPa以上200MPa以下であれば、発生時に水素と二酸化炭素が均一の流体になり、後段の気液分離が行いやすい。
(気液分離器)
本発明に於いて、高圧状態で気液分離することで、水素と二酸化炭素の混合ガスから二酸化炭素を液化し精製された二酸化炭素を液体として得、そして精製された水素をガスとして得ることができる。その際の気液分離は、脱水素反応器をそのまま気液分離器として用いることもできるが、好ましくは別途設けた気液分離器で分離精製を行うことが好ましい。
(気液分離器の温度)
また、純二酸化炭素の気液平衡線の最終点が純二酸化炭素の臨界点で、水素が二酸化炭素に加わることで組成が変化することによりその臨界点が変わる(臨界軌跡)。すなわち臨界点より低い条件かつ純二酸化炭素の蒸気圧以上の条件では、本混合物は気相および液相を有するが、ある温度以下では二酸化炭素が固体となるため、本混合物は臨界点を持たなくなり(上部臨界点)、気液固平衡を経て気相−固相の混合物となる(図5)。
そのため、水素精製が可能な温度領域は、二酸化炭素が液化または固化する温度であれば良く、水素の沸点(−252℃)以上、二酸化炭素の臨界温度(32℃)以下であれば良いが、好ましくは三重点(−57℃)以上、二酸化炭素の臨界温度(32℃)以下の範囲であれば、気液相が現れるため分離精製が可能であり、更に好ましくは最高臨界点(上部臨界終点)の温度(−38℃)以上、二酸化炭素の臨界点の臨界温度(32℃)以下であれば、超臨界状態の混合ガスを気液相へと変換し、気液分離し、水素と二酸化炭素を分離することができる。
(気液分離器の圧力)
本発明において、気液分離器での水素と二酸化炭素の分離の際の圧力は、高圧混合ガスを発生させた際の高圧状態そのままでも良いが、気液分離が可能な範囲であれば、発生時よりも低い圧力に設定乃至降圧することもできる。本発明における気液分離器の圧力は、常圧(0.1MPa)以上、200MPa以下の範囲であれば、気液分離器で水素を分離精製することが出来るが、更に好適には純二酸化炭素の三重点(−38℃、0.4MPa)の圧力である0.4MPa以上200MPa以下であれば二酸化炭素を液化し、水素をガスとして同時に分離することが可能である。なお、その時の温度は低温から常温近辺(−38℃〜32℃)で、この領域では気液分離が可能であり、水素濃度をより高くすることができる。
次に、実施例および参考例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例などによって何ら限定されるものではない。
(参考例1)
[高圧混合ガス発生]
26mLのステンレス製耐圧容器にバルブ付き配管と圧力計を装着し、16Mのギ酸20mL(0.32mol)、式(11)に示さる触媒2.5mg(4.0μmol)を入れ、常温常圧(25℃、0.1MPa)で二酸化炭素を流通させ、容器内の空気を置換した。その後バルブを閉め、振盪させながらウォーターバスで80℃に加熱し、脱水素反応を開始し、圧力が一定になるまで反応を行なった。
結果、圧力は140MPaまで上昇することが分かり、更にそのガス成分は、水素と二酸化炭素が1:1であることをガスクロマトグラフィーで確認した。更に、水素の分圧は70MPaであるが、更に発生した混合ガスを気液分離することによって、最終的には70MPa程度までの精製した高圧水素を得ることを確認した。また、この際に、水素が主成分のガス相には、一酸化炭素は含まれていないことを確認した。
Figure 0006502091
(参考例2)
[脱水素反応]
高圧水素ガス製造試験装置を図1に示す。50mLのステンレス製オートクレーブ(図1、(8)高圧反応容器)に、16M(15.8M)のギ酸40mL(6.32mmol)、式(11)に示さる触媒2.6mg(4.1μmol)を入れ、常温常圧(25℃、0.1MPa)で二酸化炭素を流通させ、容器内の空気を置換した。その後、(6)バルブを閉め、マグネチックスターラーで撹拌させながらウォーターバスで80℃に加熱し、脱水素反応を開始させた。
(16)高圧フローコントローラー、(24)BPG−2(背圧弁)、および(26)圧力調整弁の設定圧力を、0.1MPaから40MPaのそれぞれの圧力に設定し、反応開始後、全圧が所定圧力に達してから、高圧のガス成分と発生速度を計測した。まず、(19)SV−7(ストップバルブ)、(20)SV−8(ストップバルブ)を閉じて、(18)SV−6(ストップバルブ)を開放し、(21)気液分離容器(50mL、100MPa、−50〜35℃)を介さない状態で測定した結果、得られるガス成分は、水素と二酸化炭素がほぼ1:1であることを確認した(図2)。
さらに、各圧力時における得られたガスの発生速度を常温常圧にもどして測定した。結果を図2に示す。さらにその際、脱水素反応温度80℃とした場合、常圧では1.46L/時間、1MPaの時は1.54L/時間、5MPa時は1.13L/時間、10MPa時は0.84L/時間、30MPa時は、0.23L/時間、40MPaの時は、0.08L/時間と、高圧になるに従い発生するガス速度は遅くなることが判明することがわかった(図3)。
(実施例1)
[高圧混合ガスの気液分離圧力]
参考例2で、ほぼ1:1の高圧の水素と二酸化炭素が得られること等が判明したことから、後段に(21)気液分離器を接続した場合の水素精製の可否について検討するため、(18)SV−6(ストップバルブ)を閉じて、(20)SV−8(ストップバルブ)、(19)SV−7(ストップバルブ)を開放し、参考例2の装置から得られた高圧混合ガスを(21)気液分離容器(50mL、100MPa、−50〜35℃)へと導いた。
次に、高圧混合ガスを、(21)気液分離容器の温度を室温(25℃)で保持しながら、各圧力で気液分離を行い、ガス相の成分をガスクロマトグラフィーにて測定した。その結果、圧力10MPaの時は、水素と二酸化炭素の比がほぼ1:1であったが、20MPaの時は、3:2、30MPaの時のガス成分は、水素と二酸化炭素比が、約3:1(水素75%、二酸化炭素25%)であることを確認した(図4)。いずれの場合も一酸化炭素は含まれておらず、得られるガスは、水素−二酸化炭素系の相図(図5)と一致しており、相当するガスが得られることがわかった。
(実施例2)
[高圧混合ガスの気液分離温度]
次に、実施例1と同様の装置において、気液分離する圧力を30MPaで一定にした状態で、(21)気液分離容器の温度を0℃〜30℃の範囲に設定し、それぞれの温度で気液分離を行い、ガス成分を測定した。その結果、温度25℃(臨界温度32℃より下)の時は、10MPaの時は、二酸化炭素に対する水素の比が1.2と僅かに水素濃度が上昇しているのに対して、20MPaでは、1.8と、水素濃度が更に上昇することが分かった(図4)。
また、30MPaで水素と二酸化炭素の濃度をそれぞれ測定した結果、臨界温度以上である35℃の時は、二酸化炭素に対する水素の比は、ほぼ1.0で、気液分離器の温度を1℃にすると、1.5となり、水素が59%含まれるガスとなり、更に−15℃にすると、2.24となり、水素が69%含まれる高圧ガスになることが分かり、これからも圧力と温度により水素精製が可能であることを確認した。また、この実施例の場合も一酸化炭素は含まれていなかった。これより、1個の(21)気液分離容器(50mL、〜100MPa、−50℃〜32℃の範囲で調整)の状態を調整することで、脱水素反応により得られた高圧ガスをそのまま水素と二酸化炭素の気液分離し、より精製された水素と精製された液化二酸化炭素に分離することができることが判明した。
(実施例3)
[高圧水素生成速度の調整]
次に、実施例2と同様の装置を用いて、脱水素によって得られる高圧水素の反応温度について検討した(図6)。結果、80℃→90℃→50℃→60℃→70℃→80℃と変化させたところ、50℃以上で10MPa以上の高圧ガスを発生させることが可能であることがわかった。さらに、これらの高圧ガスは、水素と二酸化炭素がほぼ1:1であり、実施例2と同様に、気液分離器の温度を調整することで、相図にもとづき水素と二酸化炭素を分離できることを確認した。
本発明の高圧水素製造方法および製造システムは、ギ酸を脱水素反応することによって得られる二酸化炭素と水素が100MPa以上の高圧のガスとなり、更に、大きく減圧することなくそのまま気液分離器によって純度の高い高圧の水素を簡便に供給することができる。多くの高圧水素供給システムは、低圧で膜分離を介して水素を精製したのちに圧縮機で圧縮して高圧水素を供給する手法が多いが、当該システムはこれらの機器類や工程を必要としないことから、簡便なシステムが組める上、駆動に必要なエネルギーも少なくて済む。特に、水素貯蔵剤にギ酸を用いたことから、100℃以下の低い温度で駆動することから、将来、水素をエネルギーとしたエネルギーシステムを構築する上で、安全なシステムを構築することができる。また、シンプルな構造故に、小型化も可能であり、大型水素供給システムから、小型供給システムまで幅広いスケールでの対応が容易である。

Claims (8)

  1. ギ酸または/およびギ酸塩から下記式(4a)または下記式(5a)で表される触媒を用いた脱水素化反応により全圧が20MPa以上100MPa以下の水素と二酸化炭素とを含む高圧混合ガスを生成させ、生成した高圧混合ガスの全圧を0.4MPa以下に下げることなく該高圧混合ガスを相分離して水素濃度の高い高圧ガスを製造する高圧水素ガス製造方法。
    Figure 0006502091
    〔前記式(4a)において、MはIrまたはRuであり、RとRは、それぞれ独立にHまたはOHであり、RとRは、それぞれ独立にH、CH、OCH、OHまたはNHであり、X2a、X4a、X6aおよびX8aは、それぞれ独立にN、CCHまたはCHであり、mは正の整数である。〕
    Figure 0006502091
    〔前記式(5a)において、MはIrまたはRuであり、mは正の整数である。〕
  2. 前記触媒が下記式(12a)〜下記式(12f)、下記式(13a)〜下記式(13f)、および下記式(14a)で表されるものから選択されることを特徴とする請求項1に記載の高圧水素ガス製造方法。
    Figure 0006502091
    Figure 0006502091
    Figure 0006502091
    〔前記式(12a)〜前記式(12f)、前記式(13a)〜前記式(13f)、および前記式(14a)において、MはIrまたはRuであり、mは正の整数である。〕
  3. 生成した前記高圧混合ガスを圧縮することなく該高圧混合ガスを相分離して水素濃度の高い高圧ガスを製造することを特徴とする請求項1または2に記載の高圧水素ガス製造方法。
  4. ギ酸または/およびギ酸塩の脱水素化反応を高圧反応容器で行い、前記高圧混合ガスの相分離を気液分離器で行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧水素ガス製造方法。
  5. 前記高圧反応容器へのギ酸または/およびギ酸塩の供給を連続的または間欠的に行うことを特徴とする請求項4に記載の高圧水素ガス製造方法。
  6. 内部が常圧の前記高圧反応容器へ所定量のギ酸または/およびギ酸塩を供給後、ギ酸または/およびギ酸塩を加熱して前記高圧混合ガスを生成し、高圧水素ガスの製造停止までギ酸または/およびギ酸塩を追加供給することなく水素濃度の高い高圧ガスを製造することを特徴とする請求項4または5に記載の高圧水素ガス製造方法。
  7. ギ酸または/およびギ酸塩の脱水素化反応を32〜300℃の反応温度下で行い、前記高圧混合ガスの相分離を前記反応温度より低い−38〜32℃の相分離温度で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高圧水素ガス製造方法。
  8. 前記相分離温度を0〜32℃、前記脱水素化反応温度を相分離温度より20〜100℃高い温度とする請求項7に記載の高圧水素ガス製造方法。
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