JP2023039321A - 水素製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ギ酸分解によって水素を製造する方法に適用される、高純度の水素ガスを安価に製造することが可能な水素製造システムを提供する。【解決手段】ギ酸を含む水素貯蔵剤を触媒反応によって分解することにより、非固体状態の二酸化炭素(CD)と水素ガス(HG)との混合物流体(M)を生成するギ酸反応槽(1)を備える水素製造システム(S)において、前記混合物流体(M)を、前記非固体状態の二酸化炭素(CD)と前記水素ガス(HG)とに分離するサイクロンセパレータ(3)を設ける。【選択図】図1

Description

本開示は、水素を製造するシステムに関する。
近年、いわゆる低炭素社会の実現に向けて、燃料電池や水素ガスタービンなど、燃料として水素を利用する技術が提案されている。水素源としても種々の技術が提案されており、その一つとして、ギ酸を触媒を用いて分解することにより高圧の水素ガスを得ることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2016-124730号公報
ギ酸は水素キャリアとして貯蔵性、輸送性に優れているのみならず、バイオガスから安価に製造することができるので、上述のギ酸分解技術によれば、低コストでの水素燃料製造が期待できる。他方で、この技術によって得られる水素ガスを実際に燃料として使用するためには、水素ガスと同時に生成される二酸化炭素を高い精度で、かつ安価に分離することがさらに要求される。特許文献1では、水素と二酸化炭素の混合ガスを気液分離することに言及されているものの、高純度の水素を安価に製造する具体的な方法については明らかにされていない。
そこで、本開示の目的は、上記の課題を解決するために、ギ酸分解によって水素を製造する方法に適用される、高純度の水素ガスを安価に製造することが可能な水素製造システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本開示に係る水素製造システムは、
ギ酸を含む水素貯蔵剤を触媒反応によって分解することにより、非固体状態の二酸化炭素と水素ガスとの混合物流体を生成するギ酸反応槽と、
前記混合物流体を、前記非固体状態の二酸化炭素と前記水素ガスとに分離するサイクロンセパレータと、
を備える。
本開示に係る水素製造システムによれば、ギ酸分解によって水素を製造する方法において、高純度の水素ガスを安価に製造することが可能になる。
本開示の一実施形態に係る水素製造システムの概略構成を示すブロック図である。 本開示の他の実施形態に係る水素製造システムの概略構成を示すブロック図である。
以下、本開示の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。図1に、本開示の一実施形態に係る水素製造システムSを示す。この水素製造システムSは、ギ酸反応槽1とサイクロンセパレータ3とを備える。
ギ酸反応槽1は、ギ酸を含む水素貯蔵剤を触媒反応によって分解することにより、非固体状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとの混合物流体(以下、単に「混合物流体」と呼ぶ。)Mを生成する。本明細書における「ギ酸を含む水素貯蔵剤」とは、ギ酸、ギ酸塩、またはこれらの混合物を意味する。ギ酸反応槽1では、以下の反応により、高温かつ高圧の水素と二酸化炭素CDが発生する。
HCOOH → H + CO
具体的には、本実施形態では、ギ酸反応槽1における上記反応によって、数10MPa~200MPa程度の高圧の混合物流体Mが発生する。したがって、ギ酸反応槽1は、このような圧力に耐え得る耐圧容器として構成される。ギ酸反応槽1の耐圧容器を形成する材質は特に限定されず、例えば金属、樹脂、セラミックス等を用いることができる。
ギ酸反応槽1における上記反応に用いられる触媒は、高圧の混合物流体Mを発生させることができるものであれば特に限定されないが、遷移金属からなる有機金属錯体であることが好ましい。この触媒に用いられる遷移金属種としては、例えばイリジウム、ロジウム、ルテニウム、コバルトが挙げられる。本実施形態ではイリジウム系触媒を用いている。
ギ酸反応槽1で用いられるギ酸を含む水素貯蔵剤としては、任意の方法で得られたものを使用することができるが、例えば、草木系のバイオマスの分解で得られた溶液を含む処理物、糞尿等の処理から得られる処理物、廃プラスチックスの分解で得られる処理物、炭化水素の改質や石炭乾留、石炭ガス化等で得られる処理物等を使用できる。
上述したように、本実施形態においてギ酸反応槽1で発生する二酸化炭素CDは非固体状態である。本明細書において、「非固体状態」の二酸化炭素CDとは、気体状態、液体状態、または超臨界状態にある二酸化炭素CDを意味する。本実施形態に係る水素製造システムSは、ギ酸反応槽1において超臨界状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとの混合物流体Mを発生させ、この混合物流体Mを、混合物流体M中の二酸化炭素CDの超臨界状態を維持しながら後述のサイクロンセパレータ3に導入する。
図示の例では、サイクロンセパレータ3の上流側に放熱装置5が配置されている。放熱装置5が、ギ酸反応槽1から排出された混合物流体Mを放熱させる。本実施形態において、ギ酸反応槽1で生成された混合物流体Mは50℃~80℃程度の高温、20MPa~150MPa程度の高圧を有している。放熱装置5は、このような高温の混合物流体Mを通過させる流体菅7を備えている。放熱装置5は、流体菅7を外気に曝して混合物流体Mを冷却することにより、混合物流体Mの温度を、放熱装置5の周囲温度に近い温度まで低下させる。例えば、放熱装置5において、混合物流体Mの温度は20℃~40℃程度まで低下する。なお、上述した混合物流体Mは常用温度または35℃で少なくとも1MPa以上の高圧であり、放熱装置5の流体菅7は、上述した混合物流体Mの高圧に対する耐圧性を有している。
放熱装置5は、混合物流体Mを通過させる流体菅7の径、長さ、材質等を適宜設定することにより、放熱装置5を通過しサイクロンセパレータ3に供給される混合物流体Mの温度を調整することが可能である。したがって、混合物流体Mの圧力を所定の範囲に維持しながら放熱装置5を通過させることよって、サイクロンセパレータ3に供給される混合物流体M中の二酸化炭素CDの状態、すなわち気体、液体または超臨界流体のいずれの状態であるかを制御することができる。
サイクロンセパレータ3は、分離対象物である流体を旋回させることにより、遠心力の作用によって、密度の異なる粒子を分離する装置である。本実施形態で使用されるサイクロンセパレータ3は、混合物流体Mを、非固体状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとに分離する。
本実施形態では、サイクロンセパレータ3は多段式(この例では2段式)に構成されている。すなわち、サイクロンセパレータ3は、上流側に配置された第1のサイクロンセパレータ(以下、単に「第1セパレータ」という。)3Aと、下流側に配置された第2のサイクロンセパレータ(以下、単に「第2セパレータ」という。)3Bを有している。具体的には、第1セパレータ3Aは、混合物流体Mを非固体状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとに分離する。第2セパレータ3Bは、第1セパレータ3Aによって得られた水素ガスHGから固体の二酸化炭素CDを分離する。
なお、本明細書において、サイクロンセパレータ3を通過した後の「水素ガス」には、主要な成分としての水素ガスHGに不純物が混在しているものを含む。同様に、本明細書において、サイクロンセパレータ3を通過した後の「二酸化炭素」には、主要な成分としての二酸化炭素CDに不純物が混在しているものを含む。
第1セパレータ3Aには、非固体状態(この例では超臨界状態)の二酸化炭素CDと水素ガスHGとの混合物流体Mが導入され、この混合物流体Mが第1セパレータ3Aによって二酸化炭素CDと水素ガスHGとに分離される。第1セパレータ3Aにおいて分離された水素ガスHGは、例えば90%~99%程度の純度を有する。この水素ガスHGは、後述するように、第2セパレータ3Bに導入される。なお、第1セパレータ3Aにおいて分離された水素ガスHGの一部を、第1水素供給路9を介して、第1セパレータ3Aでの分離後の純度の水素ガスHGを利用可能な水素消費設備(同図の第1水素消費設備11)に供給してもよい。第1セパレータ3Aにおいて分離された非固体状態(この例では超臨界状態)の二酸化炭素CDは、例えば、非固体状態で貯蔵可能なタンク(同図の第1タンク13)に回収され、その後適宜の用途に供給される。
上述したように、本実施形態においては、サイクロンセパレータ3(この例では第1セパレータ3A)に導入される混合物流体M中の二酸化炭素CDは超臨界流体である。超臨界流体は粘度が気体に近いという特性を有するので、水素ガスHGとの混合物流体Mとしてギ酸反応槽1からサイクロンセパレータ3へ導入することが容易である。さらに、超臨界流体は密度が液体に近いという特性を有する。超臨界状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとでは密度が2000~10000倍程度異なるので、密度の違いを利用するサイクロンセパレータ3によって容易に水素ガスHGから分離することができる。サイクロンセパレータ3内部で旋回される混合物流体Mは、遠心力の作用により、旋回外側に二酸化炭素CDが寄り、旋回中央側に水素ガスHGが寄り、二酸化炭素CDと水素ガスHGが分離される。例えば、サイクロンセパレータ3には、旋回外側に二酸化炭素CDの排出口が、旋回中央側に水素ガスHGの排出口が、それぞれ設けられている。
もっとも、サイクロンセパレータ3に導入される混合物流体M中の二酸化炭素CDは、非固体状態であれば、超臨界状態でなくともよい。二酸化炭素CDが気体の場合でも、水素ガスHGとの密度差は20倍程度あるので、二酸化炭素CDを固体化させるための冷却用機器を設けることなく、サイクロンセパレータ3によって容易かつ安価に高純度(例えば90%~99%程度)の水素ガスHGを製造することができる。また、二酸化炭素CDが液体の場合は、水素ガスHGとの密度差は10000倍程度あるので、同様に水素ガスHGを製造することができる。
第1セパレータ3Aによって分離された水素ガスHGは、減圧された第2セパレータ3Bに流入する。本実施形態では、第2セパレータ3Bが、旋回した二酸化炭素CDが固体化する圧力に設定されている。混合物流体M中の二酸化炭素CDは、固体状態であると、二酸化炭素CDとの密度差が15000倍程度あり、この密度差により、第2セパレータ3Bによって、さらに高い純度(例えば99.99%程度)の水素ガスHGが得られる。第2セパレータで分離された水素ガスHGは、第2水素供給路14を介して、例えば、第1水素消費設備11よりも高純度の水素ガスを使用する第2水素消費設備15に供給される。なお、製造された水素ガスHGは、第1水素消費設備11,第2水素消費設備15に直接供給される代わりに、貯蔵タンクに貯蔵された後に、各消費設備に搬送されてもよい。他方、第2セパレータ3Bで分離された固体の二酸化炭素CD(ドライアイス)は、例えば減圧処理を施された後、二酸化炭素CDを固体状態で貯蔵可能な第2タンク17に回収され、その後適宜の用途に供給される。もっとも、第2セパレータ3Bから回収される二酸化炭素CDは固体でなくともよい。
上記で説明した水素製造システムSは、さらに、サイクロンセパレータ3の下流(第1水素供給路9上および/または第2水素供給路14上)にレシプロ式のエキスパンダ(以下、「下流側エキスパンダ」と呼ぶ。)18を備えていてもよい。サイクロンセパレータ3で分離された水素ガスHGは、1MPa以上の高圧である場合がある。その場合、下流側エキスパンダ18によって水素ガスHGの圧力から仕事を取り出すことで、第1水素消費設備11,第2水素消費設備15などの各消費設備が必要とする圧力まで水素ガスHGは減圧される。下流側エキスパンダ18で取り出した仕事は、例えば、発電機などで電力に変換されるなど、他の設備の動力として利用することができる。
なお、例示したようにサイクロンセパレータ3を2段式に構成することは必須ではない。サイクロンセパレータ3は3段以上の多段式でもよく、1段式でもよい。サイクロンセパレータ3を何段で構成するかは、水素ガスHGの用途において要求される水素ガスHGの純度、使用するサイクロンセパレータ3単体の分離性能、設置スペース等を考慮して適宜選択することができる。
上記で説明した水素製造システムSは、追加で、サイクロンセパレータ3以外の分離器を備えていてもよい。例えば、最終段のサイクロンセパレータ3(この例では第2セパレータ3B)によって得られる純度よりも高純度の水素ガスHGが要求される用途に供給する場合には、図1に破線で示すように、最終段のサイクロンセパレータ3からの水素ガス供給路に、分離膜19が設けられてもよい。また、サイクロンセパレータ3の上流側に分離膜19が設けられてもよいし、第1セパレータ3Aと第2セパレータ3Bとの間に分離膜19が設けられてもよい。
水素製造システムSによって製造された水素ガスHGは、例えば、水素を燃料とするガスタービン、ボイラといった原動機、水素を燃料とする定置式燃料電池、自動車用燃料電池といった発電装置等に使用される。
次に、図2を参照して、本開示の他の実施形態について説明する。なお、以下の説明においては前述の実施形態と同一又は類似の要素には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態に係る水素製造システムSは、サイクロンセパレータ3の上流側に配置されて、ギ酸反応槽1から排出された混合物流体Mから仕事を取り出すレシプロ式のエキスパンダ(以下、「上流側エキスパンダ」と呼ぶ。)21を備えている。
図示の例では、上流側エキスパンダ21の上流側に加熱装置23が設けられている。ギ酸反応槽1において発生した混合物流体Mは、混合物流体M中の二酸化炭素CDの超臨界状態を維持しながら加熱装置23に導入される。
本実施形態において、ギ酸反応槽1で生成された混合物流体Mは50℃~80℃程度の高温、20MPa~150MPa程度の高圧を有している。加熱装置23は、このような高温の混合物流体Mを通過させる流体菅7を備えている。加熱装置23は、流体菅7を熱源に曝して混合物流体Mを加熱することにより、混合物流体Mの温度を、例えば100℃~330℃程度まで昇温し、圧力を例えば20MPa~50MPa程度まで昇圧させる。
加熱装置23で加熱された混合物流体Mは上流側エキスパンダ21に流入する。上流側エキスパンダ21は、混合物流体Mの圧力から仕事を取り出し1MPa程度まで減圧する。上流側エキスパンダ21から排出された混合物流体Mは、混合物流体M中の二酸化炭素CDの超臨界状態を維持しながら後述のサイクロンセパレータ3へ導入される。なお、上流側エキスパンダ21で取り出した仕事は、例えば、発電機などで電力に変換されるなど他の設備の動力として利用することができる。
本実施形態では、サイクロンセパレータ3は第1セパレータ3Aと第2セパレータ3Bの多段式(この例では2段式)に構成されている。第1セパレータ3Aは、混合物流体Mを非固体状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとに分離する。第2セパレータ3Bは、第1セパレータ3Aによって得られた水素ガスHGから固体状態の二酸化炭素CD(ドライアイス)を分離する。第1セパレータ3Aで分離された二酸化炭素CDおよび第2セパレータ3Bで分離された二酸化炭素CDは、例えば減圧処理を施された後、固体状態の二酸化炭素として、二酸化炭素CDを固体状態で貯蔵可能な第2タンク17に回収され、その後適宜の用途に供給される。もっとも、第1セパレータ3Aおよび第2セパレータ3Bから回収される二酸化炭素CDは固体でなくともよい。
本実施形態に係る水素製造システムSは、上流側エキスパンダ21の下流側に放熱装置5を備えていてもよい。放熱装置5は、流体菅7を外気に曝して混合物流体Mを冷却する。放熱装置5は、混合物流体Mを通過させる流体菅7の径、長さ、材質等を適宜設定することにより、放熱装置5を通過しサイクロンセパレータ3に供給される混合物流体Mの温度を調整することが可能である。したがって、混合物流体Mの圧力を所定の範囲に維持しながら放熱装置5を通過させることよって、サイクロンセパレータ3に供給される混合物流体M中の二酸化炭素CDの状態、すなわち気体、液体または超臨界流体のいずれの状態であるかを制御することができる。
なお、本実施形態で説明した加熱装置23および放熱装置5のいずれか一方または両方は省略してもよい。
以上説明したように、本開示の各実施形態に係る水素製造システムSによれば、上述したように、非固体状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとの大きな密度差を利用して、サイクロンセパレータ3によって高純度の水素ガスHGを製造することができる。したがって、二酸化炭素CDを固体化させるための冷却用機器を設けることなく、容易かつ安価に高純度の水素ガスHGを製造することができる。
本開示の各実施形態において、上述したように、サイクロンセパレータ3が、混合物流体Mを非固体状態の二酸化炭素CDと水素ガスHGとに分離する第1セパレータ3A(第1のサイクロンセパレータ)と、第1セパレータ3Aの下流に配置されて、第1セパレータ3Aによって得られた水素ガスHGから固体の二酸化炭素CDを分離する第2セパレータ3B(第2のサイクロンセパレータ)とを有していてもよい。この構成によれば、この構成によれば、サイクロンセパレータ3を1段のみ設ける場合よりも高い純度の水素ガスHGを得ることができる。また、用途に応じた異なる純度の水素ガスHGを得ることが可能になる。また、状態の異なる二酸化炭素CDを得ることが可能になる。
本開示の各実施形態において、サイクロンセパレータ3の上流側に配置されて、ギ酸反応槽1から排出された混合物流体Mを放熱させる放熱装置5を備えていてもよい。この構成によれば、サイクロンセパレータ3に供給される混合物流体M中の二酸化炭素CDの状態、すなわち気体、液体または超臨界流体のいずれの状態であるかを制御することができる。
本開示の各実施形態において、本実施形態において、混合物流体M中の非固体状態の二酸化炭素CDが、超臨界状態の二酸化炭素CDを含んでいてもよい。この構成によれば、上述したように、水素ガスHGとの混合物流体Mとしてギ酸反応槽1からサイクロンセパレータ3へ導入することが容易であるとともに、密度の違いを利用するサイクロンセパレータ3によって容易に水素ガスHGから分離することができる。
本開示の各実施形態において、サイクロンセパレータ3から供給された水素ガスHGに含まれる二酸化炭素CDをさらに分離する分離膜19を備えていてもよい。この構成によれば、極めて高純度の水素ガスHGが要求される用途に適した水素ガスHGを製造することができる。
各実施形態に示したように、サイクロンセパレータ3下流または上流側にレシプロ式のエキスパンダ(図1の下流側エキスパンダ18,図2の上流側エキスパンダ21)を設けた場合、ギ酸反応槽1で発生させた混合物流体Mの高い圧力を有効利用して、発電機といった他の装置を駆動することが可能になる。もっとも、これらのエキスパンダ18,21は省略してもよい。
以上のとおり、図面を参照しながら本開示の好適な実施形態を説明したが、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本開示の範囲内に含まれる。
1 ギ酸反応槽
3 サイクロンセパレータ
3A 第1のサイクロンセパレータ
3B 第2のサイクロンセパレータ
5 放熱装置
18 下流側エキスパンダ
19 分離膜
21 上流側エキスパンダ
23 加熱装置
CD 非固体状態の二酸化炭素
S 水素製造システム
HG 水素ガス
M 混合物流体

Claims (9)

  1. ギ酸を含む水素貯蔵剤を触媒反応によって分解することにより、非固体状態の二酸化炭素と水素ガスとの混合物流体を生成するギ酸反応槽と、
    前記混合物流体を、前記非固体状態の二酸化炭素と前記水素ガスとに分離するサイクロンセパレータと、
    を備える水素製造システム。
  2. 請求項1に記載の水素製造システムにおいて、
    前記サイクロンセパレータが、
    前記混合物流体を前記非固体状態の二酸化炭素と前記水素ガスとに分離する第1のサイクロンセパレータと、
    前記第1のサイクロンセパレータの下流に配置されて、前記第1のサイクロンセパレータによって得られた前記水素ガスから固体の二酸化炭素を分離する第2のサイクロンセパレータと、
    を有する、
    水素製造システム。
  3. 請求項1または2に記載の水素製造システムにおいて、
    前記サイクロンセパレータの上流側に配置されて、前記ギ酸反応槽から排出された前記混合物流体を放熱させる放熱装置を備える、
    水素製造システム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の水素製造システムおいて、
    前記非固体状態の二酸化炭素が、超臨界状態の二酸化炭素を含む、
    水素製造システム。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の水素製造システムおいて、
    前記サイクロンセパレータから供給された水素ガスに含まれる二酸化炭素をさらに分離する分離膜を備える、
    水素製造システム。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の水素製造システムおいて、
    前記サイクロンセパレータの下流側に配置されて、前記サイクロンセパレータから排出された前記水素ガスから仕事を取り出すレシプロ式の下流側エキスパンダをさらに備える、
    水素製造システム。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の水素製造システムおいて、
    前記サイクロンセパレータの上流側に配置されて、前記ギ酸反応槽から排出された前記混合物流体から仕事を取り出すレシプロ式の上流側エキスパンダをさらに備える、
    水素製造システム。
  8. 請求項7に記載の水素製造システムおいて、
    前記上流側エキスパンダの上流側に配置されて、前記ギ酸反応槽から排出された前記混合物流体を加熱する加熱装置をさらに備える、
    水素製造システム。
  9. 請求項7または8に記載の水素製造システムおいて、
    前記サイクロンセパレータの上流側に配置されて、前記上流側エキスパンダから排出された前記混合物流体を放熱させる放熱装置をさらに備える、
    水素製造システム。
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