JP7134682B2 - メタノール製造方法およびメタノール製造システム - Google Patents
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Description
また、本発明に係る目tがノール製造システムは、反応ガスを昇圧する第1昇圧装置と、前記第1昇圧装置にて昇圧したガスからメタノールを液相合成し、メタノール含有流体を得られる第1生成装置と、前記第1生成装置にて得られた前記メタノール含有流体から、冷媒を用いた冷却によりメタノール溶液を分離する第1分離装置と、排ガスからCO 2 を回収するCO 2 回収装置を有した排ガス処理装置と、を備え、前記排ガス処理装置には、前記第1分離装置と前記冷媒を共有する熱回収ラインと、前記CO 2 回収装置で回収したCO 2 を前記第1昇圧装置に送るラインと、が連結され、前記第1分離装置に用いる前記冷媒から回収した熱を前記排ガス処理装置の熱源として利用可能である。
1.1.システム
先ず、図1を参照して、本発明に係るメタノール製造方法の第一実施の形態を採用したメタノール製造システムについて説明する。本明細書では、流体の流通方向を基準として、「前流」、「後流」のように表現している。
昇圧装置1の後流の生成装置2は、昇圧した反応ガスからメタノールを液相合成する、例えばスラリー床反応器である。このような反応器には、メタノールを液相合成するための既知の液相メタノール合成触媒と溶媒が充填されている。生成装置2は、生成したメタノールを含有する流体を分離装置3に導入するラインL2に連結している。
生成装置2の後流の分離装置3は、その内部に冷媒が流通しており、メタノールを含有する流体を液相のメタノール溶液と気相のガスとに分離する、例えば気液分離器である。分離装置3は、メタノール溶液を精製装置4に導入するラインL3と、気相のガスを系外に排出するラインL4に連結している。
分離装置3の後流の精製装置4は、メタノール溶液を高純度メタノールと副生成物とに分離する、例えば蒸留塔である。精製装置4は、精製したメタノールを製品又は他のプラントの原料として供給する図示しない製品ラインと、副生成物を排出する図示しない排出ラインに連結している。このような他のプラントとしては、例えば、本メタノール製造プラントに併設した発電所、ホルマリン製造プラント、酢酸製造プラント等が挙げられる。
続いて、以上の構成を有するメタノール製造システムの作動形態を図1及び図2を参照して説明することにより、本発明に係るメタノール製造方法の第一実施の形態を以下に詳説する。
本実施の形態のメタノール製造方法は、第1昇圧工程と、第1生成工程と、第1分離工程と、精製工程とを含む。
第1生成工程では、メタノール溶媒を用いた場合、生成されたメタノールが液相のメタノールに溶解することが推測できる。すなわち、第1生成工程では、メタノール含有流体には、未反応ガス若しくは未反応ガスと生成されたメタノールを含有する気相流体、及び/又は、液相メタノールを含有する液相流体が含有されることが推測できる。このようなメタノールの合成反応は、CO及び/又はCO2とH2を反応物として、アルコール溶媒としてのメタノールの存在下で、例えば下記式(i)~(iii)にて表すことができる。
2.1.システム
図3を参照して、本発明に係るメタノール製造方法の第二実施の形態を採用したメタノール製造システムについて説明する。第一実施の形態と同じ構成は、同一の符号を付すと共に、説明を省略する。
図3に示すメタノール製造システムは、分離装置3と精製装置4との間をメタノール製造システム10とする点において第一実施の形態と主に相違する。メタノール製造システム10は、昇圧装置11A、11Bと、生成装置12と、分離装置13と、精製装置4とを備える。
昇圧装置11Aの後流の生成装置12は、メタノールを気相合成する、例えば固定床反応器である。このような反応器には、メタノールを気相合成するための既知のメタノール合成触媒が充填されている。生成装置12は、未反応ガスとメタノールを主に含有するメタノール含有ガスを分離装置13に導入するラインL12に連結している。
生成装置12の後流の分離装置13は、その内部に冷媒が流通しており、冷却によりメタノール含有ガスから水とメタノールを主に含有するメタノール溶液を分離する、例えば気液分離器である。分離装置13は、メタノール溶液を精製装置4に導入するラインL13と、メタノール溶液を分離したガスを系外に排出するラインL4と、そのガスの一部を昇圧装置11Bに導入するラインL14に連結している。
また、分離装置13の後流の昇圧装置11Bは、メタノール溶液を分離したガスの一部を昇圧する、例えば圧縮機である。昇圧装置11Bは、昇圧装置11Aと同様の構成を採用できる。昇圧装置11Bは、昇圧したガスをラインL11Aに導入するラインL11Bに連結している。
以上の構成を有するメタノール製造システムの作動形態を説明することにより、本発明に係るメタノール製造方法の第二実施の形態を以下に詳説する。
本実施の形態のメタノール製造方法は、第2昇圧工程と、第2生成工程と、第2分離工程と、再利用工程とを含む。
昇圧後の圧力は、メタノールが気相合成できる圧力であればよく、具体的には、好ましくは7MPa以上11MPa以下であり、より好ましくは8MPa以上9.5MPa以下である。第1昇圧工程にて昇圧したガスを、ラインL11Aより第2生成工程に送る。
3.1.システム
図4を参照して、本発明に係るメタノール製造方法の第三実施の形態を採用したメタノール製造システムについて説明する。第一実施の形態と同じ構成は、同一の符号を付すと共に、説明を省略する。
図4に示すメタノール製造システムは、排ガス処理装置25を更に備える点において第一実施の形態と主に相違する。
CO2回収装置は、アルカノールアミン水溶液等のアミン吸収液にCO2を吸収することにより、CO2を回収する、例えば分離塔である。このようなアミン吸収液としては、例えばメチルジエタノールアミン(C5H13NO2)等が挙げられる。また、このようなCO2回収装置では、図示しないリボイラ等を用いて加熱することにより、CO2を吸収したアミン吸収液からCO2を放出させ、再利用している。
本実施の形態のメタノール製造方法は、排ガス処理工程を更に含む点において、第一実施の形態と主に相違する。
排ガス処理工程は、排ガス処理装置25に第1分離工程に用いる冷媒を導入することにより、第1生成工程で発生した熱を回収する。回収した熱をCO2回収装置の熱源として利用する。第1生成工程から得られた熱量は、CO2を回収したアミン吸収液を再生させるために最適な熱量であるため、CO2の回収量を効率よく増大できる。CO2回収のために用いた冷媒を第1分離装置3に導入し、第1分離工程の冷却のために用いる。但し、冷媒に水(スチーム)を利用する場合等には、必ずしも排ガス処理装置25で冷却された冷媒を第1分離装置3に戻す必要はない。
4.1.システム
図5を参照して、本発明に係るメタノール製造方法の第一実施の形態を採用したメタノール製造システムについて説明する。第一実施の形態から第三実施の形態と同じ構成は、同一の符号を付すと共に、説明を省略する。
図5に示すメタノール製造システムは、分離装置3と精製装置4との間をメタノール製造システム30とし、水素分離膜38を更に備える点において、第三実施の形態と主に相違する。
改質装置36は、原料ガスからCO及び/又はCO2とH2とを少なくとも生成し、生成ガスとする、例えば水蒸気改質器である。原料ガスは、例えばメタン(CH4)を主に含有する天然ガスとすることができる。また、水蒸気改質により生成ガスを生成する場合、原料ガスは、スチーム(H2O)を更に含有する。スチームを原料ガスに含有するために、改質装置36は別途設けたスチーム導入用ラインを備えることができる。改質装置36は、原料ガスを導入するラインL30と、生成ガスを昇圧装置11Aに導入するラインL36に連結している。
燃焼装置37は、燃焼手段を備え、原料ガスの一部を燃焼する、例えば燃焼器である。燃焼装置37は、原料ガスを導入するラインL30と、燃焼により発生した熱を改質装置37に供給する熱供給ラインと、燃焼により発生した排ガスを排ガス処理装置25で処理するラインL37に連結している。図中では、熱の流れを点線で示している。
排ガス処理装置25、昇圧装置11A、11B、生成装置12及び分離装置13については、前述の実施の形態と同様の構成を採用できる。
また、本実施の形態のメタノール製造方法は、改質工程と、燃焼工程と、第2昇圧工程と、第2生成工程と、第2分離工程と、再利用工程と、膜分離工程とを更に含む点において、前記第三実施の形態と主に相違する。
試験例1として、プロセスシミュレータにより、図3に示すメタノール製造システム10を稼働してエタノールを製造した場合の、単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーを算出した。具体的には、昇圧装置11A、11B、合成装置12、分離装置13、精製装置4を稼働し、原料ガスをラインL10から昇圧装置11Aに導入し、精製装置4でメタノールを製造した場合を想定した。原料ガスを、CO、CO2、H2を含有するガスとし、気相合成のメタノール合成圧力を9.5MPaとし、合成温度を250℃とした。
試験例2として、試験例1と同様にして、第一実施の形態に係るメタノール製造プラントを稼働してエタノールを製造した場合の、単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーを算出した。液相合成のメタノール合成圧力を5.5MPaとし、合成温度を150℃とし、アルコール溶媒をメタノールとし、その他の条件は、試験例1と同様とした。結果を、図6に示す。単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーは、試験例1の値を1とした場合の比率で表した。
試験例3として、試験例1と同様にして、第二実施の形態に係るメタノール製造プラントを稼働してエタノールを製造した場合の、単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーを算出した。シミュレーションに用いた条件は、試験例2と同様とした。結果を、図7に示す。単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーは、試験例1の値を1とした場合の比率で表した。
試験例4として、試験例1と同様にして、第三実施の形態に係るメタノール製造プラントを稼働してエタノールを製造した場合の、単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーを算出した。シミュレーションに用いた条件は、試験例2と同様とした。結果を、図8に示す。単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーは、試験例1の値を1とした場合の比率で表した。
試験例5として、プロセスシミュレータにより、図5に示すメタノール製造システム30を稼働した場合の、単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーを算出した。具体的には、改質装置36、燃焼装置37、排ガス処理装置25、昇圧装置11A、11B、合成装置12、分離装置13、精製装置4を稼働し、原料ガスを改質装置36にラインL30から導入し、天然ガスを改質装置37にラインL30から導入し、精製装置4でメタノールを製造した場合を想定した。原料ガスを、CH4とスチームを含有するガスとし、気相合成のメタノール合成圧力を9.5MPaとし、合成温度を250℃とした。
試験例6として、試験例5と同様に、プロセスシミュレータにより第四実施の形態に係るメタノール製造プラントを稼働してエタノールを製造した場合の、単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーを算出した。液相合成のメタノール合成圧力を5.5MPaとし、その合成温度を150℃とし、アルコール溶媒をメタノールとし、その他の条件は、試験例5と同様とした。結果を、下記表1に示す。単位当たりのメタノールに対する消費エネルギーは、試験例5の値を1とした場合の比率で表した。
2、12 生成装置
3、13 分離装置
4 精製装置
25 排ガス処理装置
36 改質装置
37 燃焼装置
38 水素分離膜
Claims (6)
- 反応ガスを昇圧する第1昇圧工程と、
前記第1昇圧工程にて昇圧したガスからメタノールを液相合成し、メタノール含有流体を得る第1生成工程と、
前記第1生成工程後、冷媒を用いた冷却により前記メタノール含有流体からメタノール溶液を分離する第1分離工程と、
排ガスからCO 2 を回収する排ガス処理工程と、
を含み、
前記第1分離工程に用いた前記冷媒から回収した熱を前記排ガス処理工程の熱源として利用するとともに、前記排ガス処理工程で回収したCO 2 を前記第1昇圧工程に送るメタノール製造方法。 - 前記1生成工程の合成圧力を2MPa以上6MPa以下とし、その合成温度を130℃以上170℃以下とする請求項1に記載のメタノール製造方法。
- 前記第1分離工程にてメタノール溶液を分離したガスを昇圧する第2昇圧工程と、
前記第2昇圧工程により昇圧したガスからメタノールを気相合成し、メタノール含有ガスを得る第2生成工程と、
前記第2生成工程後、冷却により前記メタノール含有ガスからメタノール溶液を分離する第2分離工程と、
前記第2分離工程後、前記メタノール溶液を精製工程に送るとともに、前記メタノール溶液を分離したガスを昇圧して前記第2生成工程に利用する再利用工程と
を更に含む請求項1又は2に記載のメタノール製造方法。 - 水蒸気改質法により原料ガスから前記反応ガスを得る改質工程と、
前記原料ガスの一部を燃焼して発生した熱を、前記改質工程の熱源として利用する燃焼工程と、
前記改質工程後のガスを昇圧する第2昇圧工程と、
前記第2昇圧工程により昇圧したガスからメタノールを気相合成し、メタノール含有ガスを得る第2生成工程と、
前記第2生成工程後、冷却によりメタノール含有ガスからメタノール溶液を分離する第2分離工程と、
前記第2分離工程後、水素分離膜により前記メタノール溶液を分離したガスからH2を分離する膜分離工程と
を更に含み、
前記第2分離工程後のメタノール溶液を精製工程に送り、前記燃焼工程で発生した排ガスを前記排ガス処理工程で処理し、かつ、前記膜分離工程で分離したH2を前記第1生成工程に送る請求項1に記載のメタノール製造方法。 - 前記2生成工程の合成圧力を7MPa以上11MPa以下とし、その合成温度を160℃以上300℃以下とする請求項3又は4に記載のメタノール製造方法。
- 反応ガスを昇圧する第1昇圧装置と、
前記第1昇圧装置にて昇圧したガスからメタノールを液相合成し、メタノール含有流体を得られる第1生成装置と、
前記第1生成装置にて得られた前記メタノール含有流体から、冷媒を用いた冷却によりメタノール溶液を分離する第1分離装置と、
排ガスからCO 2 を回収するCO 2 回収装置を有した排ガス処理装置と、
を備え、
前記排ガス処理装置には、前記冷媒を前記第1分離装置と共有する熱回収ラインと、前記CO 2 回収装置で回収したCO 2 を前記第1昇圧装置に送るラインと、が連結され、
前記第1分離装置に用いる前記冷媒から回収した熱を前記排ガス処理装置の熱源として利用可能であるメタノール製造システム。
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