JP2019142565A - 深絞り容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料面からの改良により、スタッキング時にブロッキングが発生しにくい深絞り容器を提供する。【解決手段】深絞り容器は、ポリスチレン系樹脂発泡層20と、当該ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に積層された熱可塑性樹脂非発泡層30,40とを有するポリスチレン系樹脂発泡積層シート10のシート成形によって形成される。ポリスチレン系樹脂発泡層の坪量が200〜350g/m2であり、ポリスチレン系樹脂発泡層における厚さ1mm当たりの気泡数が9以上であり、一方の熱可塑性樹脂非発泡層と他方の熱可塑性樹脂非発泡層との間の静摩擦係数が0.3以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、深絞り容器に関する。
例えば丼容器等の食品用容器として、合成樹脂シートのシート成形によって形成される深絞り容器が用いられている。この種の容器は、上下に多数個積み重ねて(以下、「スタッキング」と言う。)保管され、スタッキング状態から最上位又は最下位の容器が取り外されて、被収容物を収容するのに使用される。
深絞り容器は、スタッキング状態で、上下に隣接する他の容器と広い範囲で側面を対向させて配置されるので、互いに密着して(以下、「ブロッキング」と言う。)取り外しにくくなりやすい。このようなブロッキングの発生を抑えた深絞り容器が、例えば特開2017−128359号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の深絞り容器は、スタッキング用の段差部に切欠部を有するとともに、容器側面の下部に、周方向に間隔を隔てて形成された複数の膨出部を有している。切欠部と周方向に隣り合う膨出部どうしの間の空間とによって上下に連続した空気の通り道を形成することで、スムーズな空気の排出及び流入を確保して、ブロッキングの発生を抑制している。
特許文献1の技術は、シート成形によって形成される深絞り容器の外形形状を工夫することによってブロッキングの発生を抑制するものである。しかし、ブロッキングの発生をさらに抑制し、或いは、外形形状によらずともブロッキングの発生を抑制するため、材料面からの改良も求められている。
特開2017−128359号公報
材料面からの改良により、スタッキング時にブロッキングが発生しにくい深絞り容器を実現することが望まれる。
本発明に係る深絞り容器は、
合成樹脂シートのシート成形によって形成される深絞り容器であって、
前記合成樹脂シートは、ポリスチレン系樹脂発泡層と、当該ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に積層された熱可塑性樹脂非発泡層と、を有するポリスチレン系樹脂発泡積層シートであり、
前記ポリスチレン系樹脂発泡層の坪量が200〜350g/mであり、
前記ポリスチレン系樹脂発泡層における厚さ1mm当たりの気泡数が9以上であり、
一方の前記熱可塑性樹脂非発泡層と他方の前記熱可塑性樹脂非発泡層との間の静摩擦係数が0.3以下である。
この構成によれば、ポリスチレン系樹脂発泡層の坪量を200〜350g/mとすることで、深絞り比の大きな容器を形成可能なポリスチレン系樹脂発泡積層シートを、押出発泡成形によって容易に形成することができる。ポリスチレン系樹脂発泡層は、その厚さ1mm当たりの気泡数が9以上で平滑性に優れるので、当該ポリスチレン系樹脂発泡層の両側に熱可塑性樹脂非発泡層を良好に積層することができる。ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの2層の熱可塑性樹脂非発泡層は、シート成形によって深絞り容器に形成されたとき、容器の内面と外面とに分かれて配置されることになる。そして、スタッキング時に上下に隣り合う2つの深絞り容器どうしの間で、一方の熱可塑性樹脂非発泡層と他方の熱可塑性樹脂非発泡層とが対向する。このとき、一方の熱可塑性樹脂非発泡層と他方の熱可塑性樹脂非発泡層との間の静摩擦係数が0.3以下であるので、対向する2つの熱可塑性樹脂非発泡層どうしが仮に接触しても、比較的小さな外力によって滑動し始めやすい。よって、深絞り容器の外形形状によらずに、スタッキング時におけるブロッキングの発生を抑制することができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
一態様として、
前記ポリスチレン系樹脂発泡層の構成材料が、ビカット軟化点が108℃以上のポリスチレン系樹脂を含むことが好ましい。
この構成によれば、耐熱性の高いポリスチレン系樹脂を用いることで、深絞り容器の耐熱性を向上させることができる。よって、深絞り容器を例えば食品用の包装用容器として用いる場合に、高温食材を収容したりそのまま電子レンジで加熱したりすることが可能となる。
一態様として、
少なくとも一方の前記熱可塑性樹脂非発泡層の表層部が、ポリオレフィン系樹脂非発泡層であり、
前記ポリオレフィン系樹脂非発泡層が内面側に位置するように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、耐油性を有するポリオレフィン系樹脂により、深絞り容器の内面の耐油性を向上させることができる。よって、深絞り容器を例えば食品用の包装用容器として用いる場合に、食材中に油脂が含まれる場合であっても、浸食の心配なくその食材を収容したり加熱したりすることができる。
一態様として、
前記ポリオレフィン系樹脂非発泡層を有する前記熱可塑性樹脂非発泡層が、前記ポリオレフィン系樹脂非発泡層に対してその深層側に積層されたポリスチレン系樹脂非発泡層をさらに有することが好ましい。
この構成によれば、少なくとも一方の熱可塑性樹脂非発泡層がポリオレフィン系樹脂非発泡層とポリスチレン系樹脂非発泡層とを含み、ポリオレフィン系樹脂非発泡層がポリスチレン系樹脂非発泡層を介してポリスチレン系樹脂発泡層に積層される。ポリスチレン系樹脂発泡層とポリスチレン系樹脂非発泡層とが同系樹脂で構成されるので、発泡層と非発泡層との積層であっても良好な接着性を得ることができる。また、ポリスチレン系樹脂非発泡層の表面は平滑なので、異系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂非発泡層を積層する場合でも、良好な接着性を得ることができる。よって、耐油性を有しかつ積層界面に浮きのない深絞り容器を良好に得ることができる。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
深絞り容器の模式斜視図 ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの模式断面図 スタッキング状態の深絞り容器の模式断面図 カットしたシート片の模式斜視図 静摩擦係数の測定方法を示す模式図
深絞り容器の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、例えば丼や惣菜等の食品(被収容物の一例)を包装するための容器(食品包装用容器)として用いられる深絞り容器1を例として説明する。この深絞り容器1は、合成樹脂シートのシート成形によって形成される。
図1に示すように、実施形態の深絞り容器1は、食品を収容する碗状の器である。深絞り容器1は、底面部2と、周壁部3と、フランジ部4とを備えている。底面部2は、深絞り容器1の底部を形成している。底面部2は、平面視で円形状に形成されている。周壁部3は、全体として円筒状をなすように、底面部2の周縁から上方に延びている。周壁部3は、上方に向かうに従って外側に向かって広がるように拡開している。周壁部3は、上側段差部3Aと下側段差部3Bとを有する。上側段差部3Aは周壁部3の上端部付近に形成され、下側段差部3Bは周壁部3の中央部付近に形成されている。フランジ部4は、周壁部3の上端から外側に向かって延設されている。フランジ部4は、平面視で円形状に形成されている。
なお、図3に示すように、複数の深絞り容器1をスタッキングする際には、上側段差部3Aがフランジ部4に当接して、上下に隣り合う2つの深絞り容器1どうしの間に所定隙間が形成される。また、周壁部3がその中央部付近に下側段差部3Bを有することで、上下に隣り合う2つの深絞り容器1の周壁部3どうしの間に、より積極的に隙間が形成される。このような外形形状に深絞り容器1が形成されるので、当該外形形状に基づき、スタッキング時のブロッキングの発生をある程度抑制することができる。また、本実施形態の深絞り容器1は、さらにその材料(シート成形に供される合成樹脂シート;以下に説明するポリスチレン系樹脂発泡積層シート10)の構成を工夫することにより、ブロッキングの発生がより効果的に抑制されている。
図2に示すように、本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡積層シート10は、ポリスチレン系樹脂発泡層20と、ポリスチレン系樹脂発泡層20の両面に積層された熱可塑性樹脂非発泡層30,40とを備えている。ポリスチレン系樹脂発泡層20の一方の面に第一熱可塑性樹脂非発泡層30が積層され、ポリスチレン系樹脂発泡層20の他方の面に第二熱可塑性樹脂非発泡層40が積層されている。
ポリスチレン系樹脂発泡層20は、ポリスチレン系樹脂を主体とする発泡層である。ポリスチレン系樹脂発泡層20を構成するポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、例えばスチレンの単独重合体、スチレンと他の単量体との共重合体、ポリスチレンと他の樹脂との混合物、又はこれらの組み合わせであって良い。他の単量体や他の樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、及び変性ポリフェニレンエーテル樹脂等が例示される。
ポリスチレン系樹脂発泡層20を構成するポリスチレン系樹脂の一例として、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸共重合体、又はポリスチレンとスチレン−メタクリル酸共重合体との混合物を例示することができる。特に、スチレン−メタクリル酸共重合体は、ビカット軟化点が108℃以上と高い耐熱性を付与するので、本実施形態のように深絞り容器1を食品包装用容器として用いる場合に、好ましく用いることができる。なお、ビカット軟化点は、試験荷重50N及び昇温速度50℃/hの条件でJIS K7206に準拠して求められる温度である。
さらに、ポリスチレン系樹脂発泡層20を構成するポリスチレン系樹脂のより好ましい一例として、スチレン−メタクリル酸共重合体と、ポリフェニレンエーテルと、ポリスチレンとの混合物を例示することができる。
スチレン−メタクリル酸共重合体は、スチレンモノマーとメタクリル酸モノマーとをラジカル重合によって共重合させて得ることができる。スチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸の割合は、特に限定されないが、当該共重合体全体を基準として例えば2〜7重量%とすることができる。2重量%未満であれば耐熱性の向上効果が得られない可能性があり、7重量%超となると強度及び成形性が不十分となる可能性がある。メタクリル酸のより好ましい割合は3〜6重量%である。また、スチレン−メタクリル酸共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、16万以上とすることができる。16万未満であれば耐熱性が不十分となるとともに強度及び成形性が不十分となる可能性がある。スチレン−メタクリル酸共重合体のより好ましい重量平均分子量は20万以上であり、22万以上であればさらに好ましい。
スチレン−メタクリル酸共重合体の配合比は、特に限定されないが、混合物全体を基準として例えば15〜97重量%とすることができる。15重量%未満であれば強度及び成形性が不十分となる可能性があり、97重量%超となると耐熱性の改良効果が得られない場合がある。スチレン−メタクリル酸共重合体のより好ましい配合比は50〜97重量%であり、75〜97重量%であればさらに好ましい。
ポリフェニレンエーテルは、例えばフェノール、クレゾール、ジメチルフェノール、自エチルフェノール、メチルフェニルフェノール、及びジフェニルフェノール等のフェノール化合物の酸化カップリングにより得ることができる。2種以上のフェノール化合物の共重合体であっても良く、また、得られる2種以上のホモポリマー又はコポリマーの混合物であっても良い。ポリフェニレンエーテルの分子量は、特に限定されないが、極限粘度0.3dL/g相当以上とすることができる。極限粘度0.3dL/g相当未満であれば機械的強度が不足する可能性がある。ポリフェニレンエーテルのより好ましい分子量は、極限粘度0.3〜0.6dL/g相当である。
ポリフェニレンエーテルの配合比は、特に限定されないが、混合物全体を基準として例えば3〜25重量%とすることができる。3重量%未満であれば耐熱性が不十分となる可能性があり、25重量%超となると成形性が低下するとともに異臭が生じる可能性がある。また、異臭対策として消臭剤を添加する場合には、ポリスチレン系樹脂発泡層20の強度が低下してしまう。ポリフェニレンエーテルのより好ましい配合比は3〜15重量%であり、3〜9重量%であればさらに好ましい。
ポリスチレンは、スチレンモノマーのラジカル重合又はアニオン重合によって共重合させて得ることができる。ポリスチレンの重量平均分子量は、特に限定されないが、20万以上とすることができる。ポリスチレンの配合比は、スチレン−メタクリル酸共重合体やポリフェニレンエーテルの配合比に応じて設定することができ、概ね0〜60重量%とすることができる。ポリスチレンを含有させることで、スチレン−メタクリル酸共重合体とポリフェニレンエーテルとの分散性を改善することができる。その一方で、60重量%超となると強度及び耐熱性が低下する可能性がある。
ポリスチレン系樹脂発泡層20の気泡数及び気泡径は、主に造核剤によって調整することができる。造核剤は、気泡開始部を作り出し、気泡の数や大きさを制御し易くする。造核剤としては、特に限定されないが、例えばタルク、重炭酸ナトリウム、又はタルクと二酸化チタンとの混合物等を用いることができる。造核剤の好ましい形状は粒状であり、その平均粒径は0.3〜10μmであることが好ましい。また、造核剤の配合量は、原料樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部の範囲とする。配合量が0.05重量部未満では造核剤としての機能が発揮されず、10重量部を超えると発泡性混合物又は原料樹脂組成物の流動性が低下してしまう。造核剤のより好ましい配合量は、0.1〜5重量部である。
ポリスチレン系樹脂発泡層20には、必要に応じて、微量の添加剤が含まれても良い。添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、滑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、及び帯電防止剤等が例示される。
ポリスチレン系樹脂発泡層20の坪量は、特に限定されないが、例えば200〜350g/mとすることができる。坪量が200g/m未満であればシート成形によって深絞り比の大きい(例えば0.3以上の)深絞り容器1を形成するのが困難となり、坪量が350g/m超となると押出発泡成形によってポリスチレン系樹脂発泡積層シート10を形成するのが困難となる。なお、ポリスチレン系樹脂発泡層20の坪量は、原料樹脂の供給量又は溶融樹脂の押出量を調整することによって調整することができる。或いは、押出成形時の温度条件又は圧力条件を調整することによって、ポリスチレン系樹脂発泡層20の坪量を調整することもできる。
ポリスチレン系樹脂発泡層20の厚みは、特に限定されないが、例えば0.3〜5mmであって良い。ポリスチレン系樹脂発泡層20の厚みが0.3mmよりも薄ければ剛性や断熱性が不十分となる可能性があり、5mmより厚ければ成形性が不十分となる可能性がある。ポリスチレン系樹脂発泡層20の厚みは、好ましくは0.6〜3mmであり、0.8〜2.5mmがさらに好ましい。
ポリスチレン系樹脂発泡層20の独立気泡率は、特に限定されないが、例えば60%以上であって良い。独立気泡率が60%未満であれば剛性や断熱性が不十分となる可能性がある。独立気泡率は、好ましくは70%以上であり、80%以上がさらに好ましい。また、ポリスチレン系樹脂発泡層20に含まれる気泡の気泡径は、特に限定されないが、例えば8〜300μmであって良く、好ましくは10〜220μmである。
さらに、ポリスチレン系樹脂発泡層20における厚さ1mm当たりの気泡数は、特に限定されないが、例えば9以上とすることができる。単位厚み当たりの気泡数が9未満であれば、断熱性が不十分となる可能性があり、また、シート表面の平滑性が損なわれて見栄えが悪くなるとともに非発泡層30,40が積層しにくくなる可能性がある。一方、ポリスチレン系樹脂発泡層20における厚さ1mm当たりの気泡数は、特に限定されないが、例えば30以下であることが好ましい。単位厚み当たりの気泡数が30を超えて多くなると、脆くなって成形性が不十分となる可能性がある。単位厚み当たりの気泡数は、好ましくは10〜15である。
第一熱可塑性樹脂非発泡層30は、熱可塑性樹脂を主体とする第1の非発泡層である。第一熱可塑性樹脂非発泡層30を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されない。例えばポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、及びアクリル樹脂等の一般的な熱可塑性樹脂を適宜使用することができる。これらは、それぞれ、単独重合体、他の単量体との共重合体、他の樹脂との混合物、又はそれらの組み合わせであって良い。
第一熱可塑性樹脂非発泡層30は、単層で構成されても良いし、複数層で構成されても良い。本実施形態の第一熱可塑性樹脂非発泡層30は、ポリスチレン系樹脂非発泡層31とポリオレフィン系樹脂非発泡層32との2層で構成されている。本実施形態では、第一熱可塑性樹脂非発泡層30における表層側にポリオレフィン系樹脂非発泡層32が設けられ、その深層側にポリスチレン系樹脂非発泡層31が積層されている。すなわち、本実施形態の第一熱可塑性樹脂非発泡層30は、ポリスチレン系樹脂発泡層20の一方の面に積層されたポリスチレン系樹脂非発泡層31と、そのポリスチレン系樹脂非発泡層31に積層されたポリオレフィン系樹脂非発泡層32とを有する。
ポリスチレン系樹脂非発泡層31は、ポリスチレンを主体とする非発泡層であり、第一熱可塑性樹脂非発泡層30における深層部を構成する。ポリスチレン系樹脂非発泡層31を構成するポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、例えばスチレンの単独重合体、スチレンと他の単量体との共重合体、ポリスチレンと他の樹脂との混合物、又はこれらの組み合わせであって良い。
ポリスチレン系樹脂非発泡層31の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜100μmとすることができる。厚みが5μm未満であればシート成形時に損傷して外観を損なう可能性があり、また、損傷によって平滑性が失われるとポリオレフィン系樹脂非発泡層32を積層することが困難となる。一方、厚みが100μm超となると原料コストが嵩んでしまう。ポリスチレン系樹脂非発泡層31の好ましい厚みは10〜60μmである。
ポリオレフィン系樹脂非発泡層32は、ポリオレフィンを主体とする非発泡層であり、第一熱可塑性樹脂非発泡層30における表層部を構成する。ポリオレフィン系樹脂非発泡層32を構成するポリオレフィン系樹脂は、特に限定されないが、例えばエチレンの単独重合体、エチレンと他の単量体との共重合体、ポリエチレンと他の樹脂との混合物、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他の単量体との共重合体、ポリプロピレンと他の樹脂との混合物、又はこれらの組み合わせであって良い。
ポリオレフィン系樹脂非発泡層32の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜100μmとすることができる。厚みが5μm未満であればシート成形時に損傷して外観を損なう可能性があり、また、耐油性が不十分となる可能性がある。一方、厚みが100μm超となると原料コストが嵩んでしまう。ポリオレフィン系樹脂非発泡層32の好ましい厚みは10〜60μmである。
第一熱可塑性樹脂非発泡層30(ポリスチレン系樹脂非発泡層31,ポリオレフィン系樹脂非発泡層32)は、未延伸のものであって良く、一軸延伸又は二軸延伸されたものであっても良い。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡積層シート10においては、第一熱可塑性樹脂非発泡層30がポリスチレン系樹脂発泡層20側の面にポリスチレン系樹脂非発泡層31を有する。ポリスチレン系樹脂発泡層20とポリスチレン系樹脂非発泡層31とが同系樹脂で構成されるので、ポリスチレン系樹脂発泡層20がその表面に微細な凹凸を有していても、積層界面において良好な接着性を得ることができる。ポリスチレン系樹脂非発泡層31の表面は平滑なので、それに異系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂非発泡層32を積層する場合であっても、積層界面において良好な接着性を得ることができる。すなわち、ポリスチレン系樹脂発泡層20に対して、表層部にポリオレフィン系樹脂非発泡層32を有する第一熱可塑性樹脂非発泡層30を、接着性良く積層することができる。
なお、上記のような構成に限定されることなく、第一熱可塑性樹脂非発泡層30が単一のポリオレフィン系樹脂非発泡層で構成されても良い。但し、その場合には、電子レンジで加熱したときに、ポリスチレン系樹脂発泡層20に残留する発泡剤の影響で積層界面に多数の小さなガス溜まりができ、浮きが生じて場合によっては第一熱可塑性樹脂非発泡層30が剥離する場合がある。上記のように第一熱可塑性樹脂非発泡層30を深層部のポリスチレン系樹脂非発泡層31と表層部のポリオレフィン系樹脂非発泡層32との2層で構成することで、積層界面での接着強度が高められ、ガス溜まりが生じにくく第一熱可塑性樹脂非発泡層30も剥離しにくい。
第二熱可塑性樹脂非発泡層40は、熱可塑性樹脂を主体とする第2の非発泡層である。第二熱可塑性樹脂非発泡層40を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されない。例えばポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、及びアクリル樹脂等の一般的な熱可塑性樹脂を適宜使用することができる。これらは、それぞれ、単独重合体、他の単量体との共重合体、他の樹脂との混合物、又はそれらの組み合わせであって良い。
第二熱可塑性樹脂非発泡層40は、単層で構成されても良いし、複数層で構成されても良い。本実施形態の第二熱可塑性樹脂非発泡層40は、単一のポリスチレン系樹脂非発泡層で構成されている。第二熱可塑性樹脂非発泡層40(ポリスチレン系樹脂非発泡層)の厚みは、特に限定されないが、例えば10〜100μmとすることができる。厚みが10μm未満であればシート成形時に損傷して外観を損なう可能性があり、厚みが100μm超となると原料コストが嵩んでしまう。
第二熱可塑性樹脂非発泡層40(ポリスチレン系樹脂非発泡層)は、未延伸のものであって良く、一軸延伸又は二軸延伸されたものであっても良い。また、表層に印刷等の二次加工が施されたものであっても良い。
ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10の製造方法は、溶融工程と、発泡工程と、シート形成工程と、積層工程とを含む。溶融工程では、各層の樹脂原料をそれぞれ加熱して溶融する。発泡工程では、ポリスチレン系樹脂発泡層20の溶融樹脂を発泡させる。その際に加える発泡剤としては、例えば炭化水素類(例えばブタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばテトラフルオロエタン等)、二酸化炭素、窒素、空気、及び水等を用いることができ、これらのうちの二種以上を併用しても良い。シート形成工程では、例えば押出機を用いて、各層の溶融樹脂からシート(フィルムを含む)を形成する。積層工程では、各層のシートを積層する。シート形成工程と積層工程とは、別々の工程として順次実行されても良いし、同時に実行されても良い。すなわち、各層のシートを予めそれぞれ形成した後にそれらを積層しても良いし、各層のシートをそれぞれ押出形成するのと同時にそれらを積層しても良い。いずれにしても、上記の各工程を経て、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10を得ることができる。
ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10の全体の厚みは、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂発泡層20、第一熱可塑性樹脂非発泡層30、及び第二熱可塑性樹脂非発泡層40のそれぞれの厚みに応じたものとなり、例えば0.5〜5.5mmであって良い。ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10の全体の厚みは、好ましくは1〜3mmである。
ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10の全体の密度は、特に限定されないが、例えば0.09〜0.31g/cmであって良い。全体の密度が0.09g/cmよりも小さいと成形品に成形した際の強度や高温での剛性が不十分となる可能性があり、0.31g/cmよりも大きいと成形品に成形した際の断熱性が不十分となる可能性がある。ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10の全体の密度は、好ましくは0.095〜0.21g/cmであり、0.105〜0.18g/cmがさらに好ましい。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡積層シート10において、一方の熱可塑性樹脂非発泡層30,40と他方の熱可塑性樹脂非発泡層40,30との間の静摩擦係数が0.3以下である。すなわち、2枚のポリスチレン系樹脂発泡積層シート10を重ね合わせたときの、一方のポリスチレン系樹脂発泡積層シート10の第一熱可塑性樹脂非発泡層30と、他方のポリスチレン系樹脂発泡積層シート10の第二熱可塑性樹脂非発泡層40との間の静摩擦係数が0.3以下である。静摩擦係数が0.3よりも大きければ、2枚のポリスチレン系樹脂発泡積層シート10が重ね合わされた状態からそれらを面方向に摺動させるためには、ある程度大きな外力が必要となる。これに対して、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10がポリスチレン系樹脂発泡層20の両面に熱可塑性樹脂非発泡層30,40を積層して静摩擦係数を0.3以下とすることで、比較的小さな外力で面方向に滑動させ始めることができる。
深絞り容器1は、上述したポリスチレン系樹脂発泡積層シート10を用いて、シート成形(熱成形)によって形成することができる。ここで、「深絞り容器」とは、深絞り比が0.3〜1.0の容器であり、深絞り比が0.3〜0.6の容器に限定して考えても良い。なお、深絞り比は、当該容器の上部開口の内径に対する、フランジ部4の上面から底面部2までの最大高さの比である。
熱成形法としては、例えばプラグ成形法、マッチド・モールド成形法、ストレート成形法、ドレープ成形法、プラグアシスト成形法、プラグアシスト・リバースドロー成形法、エアスリップ成形法、スナップバック成形法、リバースドロー成形法、プラグ・アンド・リッジ成形法、及びリッジ成形法等が例示される。
このとき、本実施形態では、最終的に得られる深絞り容器1において第一熱可塑性樹脂非発泡層30が容器内面側に位置し、第二熱可塑性樹脂非発泡層40が容器外面側に位置するように、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート10を金型にセットする。上述したように、本実施形態の第一熱可塑性樹脂非発泡層30の表層部はポリオレフィン系樹脂非発泡層32であるから、当該ポリオレフィン系樹脂非発泡層32が深絞り容器1の容器内面に露出することになる(図3を参照)。このような構成とすることで、耐油性を有するポリオレフィン系樹脂により、深絞り容器1の内面の耐油性を向上させることができる。よって、油脂を含む高温の食材であっても、浸食の心配なくその食材を深絞り容器1に収容することができる。また、油脂を含む食材を深絞り容器1に収容した状態で、浸食の心配なくその食材を電子レンジで加熱することができる。
また、上下に隣り合う2つの深絞り容器1において、対向する第一熱可塑性樹脂非発泡層30と第二熱可塑性樹脂非発泡層40との間の静摩擦係数が0.3以下となるので、ブロッキングが生じにくい。よって、スタッキング状態の深絞り容器1から最上位又は最下位の深絞り容器1を円滑に取り出すことができ、食品の投入作業を効率良く行うことができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。但し、以下に記載する具体的な実施例によって本発明の範囲が限定される訳ではない。
[実施例1]
第一押出機(株式会社プラスチック工学研究所製、型式:BT−40−S2−36−L、L/D=36)と、第二押出機(株式会社プラ技研製、型式:PG50−28、L/D=28)とが直列に接続されたタンデム型押出機を準備した。第一押出機を、シリンダー温度190〜260℃、スクリュー回転数100rpmに設定するとともに、第二押出機を、シリンダー温度140〜180℃、スクリュー回転数47rpmに設定した。ポリスチレン系樹脂発泡層の樹脂材料として東洋スチレン株式会社製のTFP230と、造核剤として大日精化工業株式会社製の0815Nとを第一押出機のホッパーに供給し、溶融混練させた。その際、TFP230の供給量を坪量が200g/mとなるように調整した。また、造核剤の添加量は、全量を基準として1.5重量%とした。
第一押出機のシリンダーの途中に、発泡剤としてテトラフルオロエタン(旭硝子社製、AK−134a)を注入し、第二押出機の先端に装着したサーキュラーダイ(75mmφ)から大気圧下で押出形成した。そのシート状物をマンドレルで引き取りつつ、マンドレルの内部に25℃に調節された空気を流速0.15m/分で吹き込んで冷却した。この円筒型発泡シートをカッターで切り開いてロール状に巻き、坪量が200g/mとなるポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
このポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面に、予め準備しておいたポリスチレン系樹脂フィルム(大石産業株式会社製のSPH−B30)とポリオレフィン系樹脂フィルム(レンソール化成株式会社製のPC−W#20)とをこの順に積層した。また、ポリスチレン系樹脂発泡シートの他方の面に、予め準備しておいたポリスチレン系樹脂フィルム(大石産業株式会社製のSPH−B20)を積層した。熱ラミネート法により、各フィルムを積層し、ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを得た。
また、得られたポリスチレン系樹脂発泡積層シートから、小型真空圧空成形機(株式会社脇坂エンジニアリング社製、型式:FVS−500)を用いて、成形品(深絞り容器)を作製した。ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを、50×40cmのクランプで固定し、設定温度300℃のヒーターで上下から約15秒間加熱した後、差圧形成法により、165×165×56mmの大きさの丼型容器を得た。その際、ポリオレフィン系樹脂フィルム(ポリオレフィン系樹脂非発泡層)が容器内側となり、ポリスチレン系樹脂非発泡層が容器外側となるように、熱成形を行った。
[実施例2]
ポリスチレン系樹脂発泡層の樹脂材料としてのTFP230の供給量を坪量が240g/mとなるように調整したことを除いては実施例1と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及び成形品を得た。
[実施例3]
成形品としての丼型容器の大きさを137×137×63mmとしたことを除いては実施例2と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及び成形品を得た。
[実施例4]
ポリスチレン系樹脂発泡層の樹脂材料としてのTFP230の供給量を坪量が300g/mとなるように調整したことを除いては実施例3と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及び成形品を得た。
[実施例5]
ポリスチレン系樹脂発泡層の樹脂材料としてのTFP230の供給量を坪量が350g/mとなるように調整したことを除いては実施例3と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及び成形品を得た。
[比較例1]
ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面にポリスチレン系樹脂フィルムだけを積層し、他方の面はポリスチレン系樹脂発泡シートを露出させたことを除いては実施例1と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及び成形品を得た。
[比較例2]
造核剤の添加量を1.0重量%としたしたことを除いては実施例3と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及び成形品を得た。
[比較例3]
ポリスチレン系樹脂発泡層の樹脂材料としてのTFP230の供給量を坪量が185g/mとなるように調整したこと、及びポリスチレン系樹脂発泡シートの両面を露出させたことを除いては実施例3と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及び成形品を得た。
[比較例4]
ポリスチレン系樹脂発泡層の樹脂材料としてのTFP230の供給量を坪量が360g/mとなるように調整したことを除いては実施例3と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを得た。
[評価]
実施例1〜5及び比較例1〜4のポリスチレン系樹脂発泡積層シートについて、ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み、単位厚み当たりの気泡数、及び密度、並びに、静摩擦係数を測定した。また、実施例1〜5及び比較例1〜4の成形品について、深絞り比を測定するとともに、耐ブロッキング性及び見栄えを評価した。
<厚み、単位厚み当たりの気泡数>
ポリスチレン系樹脂発泡積層シートから、120mm×120mmの大きさの試験片を切り出し、厚み方向の断面を、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式:JCM−6000Plus)によって撮影倍率30倍で撮影した。撮影画像において、試験片を幅方向に4等分する箇所(図4において黒塗りの三角形で示す30mm間隔の3箇所)での厚みを計測し、それらの平均値を求めてシート厚みとした。また、撮影画像において、上記箇所での厚み方向に沿う垂線に重なる気泡の数を計数し、それらの平均値をシート全体の厚みで徐算して小数点以下を四捨五入し、単位厚み当たりの気泡数とした。
<密度>
ポリスチレン系樹脂発泡積層シートから、40mm×40mmの大きさの試験片を切り出し、電子比重計(アルファーミラージュ株式会社製、型式:ED−120T)を用いて、水中置換法によって密度を測定した。
<静摩擦係数>
ポリスチレン系樹脂発泡積層シートから、80mm×200mmの大きさの第1の試験片を切り出すとともに、63mm×63mmの大きさの第2の試験片を切り出した。図5に示すように、第1の試験片101をポリオレフィン系樹脂非発泡層が上向きとなるように試験台に固定し、その上に、第2の試験片102(滑り片)をポリスチレン系樹脂非発泡層が下向きとなるように載置し、さらにその上に錘103を載置した。この状態で第2の試験片102に取り付けた索引用糸104で第2の試験片102を引っ張り、索引用糸104の他端に取り付けられたロードセル105で第2の試験片102が滑り出す直前の張力を測定し、これを静摩擦力(Fs)とした。この静摩擦力(Fs)と、第2の試験片102と錘103との合計質量による垂直抗力(Fp)とに基づき、静摩擦力(Fs)を垂直抗力(Fp)で除算したものを静摩擦係数(μ)とした(μ=Fs/Fp)。
<深絞り比>
得られた成形品の上部開口の内径(D)と、フランジ部の上面から底面部までの最大高さ(H)とに基づき、最大高さ(H)を内径(D)で除算したものを深絞り比(ρ)とした(ρ=H/D)。
<耐ブロッキング性>
成形品を50個作製し、それらを積み重ねた後、1つずつ取り出した。成形品どうしの付着がなく円滑に取り出せるものを「○」、成形品どうしが付着して円滑には取り出せないものを「×」とした。
<見栄え>
得られた成形品について、表面の光沢の有無等の外観を目視観察した。表面にザラツキ感がなく光沢を有すると認められるものを「○」、表面にザラツキ感があり光沢を有するとは認められないものを「×」とした。
以上の結果を、表1にまとめた。なお、比較例4では、ポリスチレン系樹脂発泡層の押出発泡成形自体を良好に行えず、その後の各種評価を行えなかった(「−」と表示)。
Figure 2019142565
表1から明らかなように、実施例1〜5の成形品はいずれも耐ブロッキング性に優れており、見栄えも良好であった。これに対して、比較例1〜4の成形品は、耐ブロッキング性及び見栄えの少なくとも一方が不十分であるか、そもそもポリスチレン系樹脂発泡層の押出発泡成形自体を良好に行えなかった。比較例1,3の結果と実施例1〜5の結果とを比較すると、ポリスチレン系樹脂発泡層の両面への熱可塑性樹脂非発泡層の積層により、耐ブロッキング性が向上していることが分かる。また、比較例2の結果と実施例1〜5の結果とを比較すると、ポリスチレン系樹脂発泡層における単位厚み当たりの気泡数が所定個数以上であって初めて、見栄えが良好となっていることが分かる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、熱ラミネート法によってポリスチレン系樹脂発泡シートとポリスチレン系樹脂フィルムとポリオレフィン系樹脂フィルムとを積層する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば共押出法や押出ラミネート法等の他の方法で各層(シート/フィルム)を積層しても良い。
(2)各層の具体的な樹脂材料、その組成、厚み、独立気泡率、気泡径、及び気泡数等は、求められる特性に応じて適宜変更されて良い。
(3)上記の実施形態では、深絞り容器1の底面部2及びフランジ部4が、いずれも平面視で円形状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば底面部2及びフランジ部4が平面視で楕円状又は多角形状等に形成されても良い。また、底面部2の平面視形状とフランジ部4の平面視形状とが互いに異なっても良い。
(4)上記の実施形態では、深絞り容器1の周壁部3が下側段差部3Bを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、深絞り容器1の外形形状は任意であり、例えば周壁部3が下側段差部3Bを有さなくても良い。そのようなシンプルな構造の深絞り容器1であっても、ブロッキングの発生を有効に抑制することができる。また、上側段差部3Aに切欠部を形成するとともに、周壁部3の下部に複数の膨出部を断続的に形成する等しても良く、このようにすればブロッキングの発生をさらに効果的に抑制することができる。
(5)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 深絞り容器
10 ポリスチレン系樹脂発泡積層シート
20 ポリスチレン系樹脂発泡層
30 第一熱可塑性樹脂非発泡層
31 ポリスチレン系樹脂非発泡層
32 ポリオレフィン系樹脂非発泡層
40 第二熱可塑性樹脂非発泡層
101 第1の試験片
102 第2の試験片
103 錘
104 索引用糸
105 ロードセル

Claims (4)

  1. 合成樹脂シートのシート成形によって形成される深絞り容器であって、
    前記合成樹脂シートは、ポリスチレン系樹脂発泡層と、当該ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に積層された熱可塑性樹脂非発泡層と、を有するポリスチレン系樹脂発泡積層シートであり、
    前記ポリスチレン系樹脂発泡層の坪量が200〜350g/mであり、
    前記ポリスチレン系樹脂発泡層における厚さ1mm当たりの気泡数が9以上であり、
    一方の前記熱可塑性樹脂非発泡層と他方の前記熱可塑性樹脂非発泡層との間の静摩擦係数が0.3以下である深絞り容器。
  2. 前記ポリスチレン系樹脂発泡層の構成材料が、ビカット軟化点が108℃以上のポリスチレン系樹脂を含む請求項1に記載の深絞り容器。
  3. 少なくとも一方の前記熱可塑性樹脂非発泡層の表層部が、ポリオレフィン系樹脂非発泡層であり、
    前記ポリオレフィン系樹脂非発泡層が内面側に位置するように形成されている請求項1又は2に記載の深絞り容器。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂非発泡層を有する前記熱可塑性樹脂非発泡層が、前記ポリオレフィン系樹脂非発泡層に対してその深層側に積層されたポリスチレン系樹脂非発泡層をさらに有する請求項3に記載の深絞り容器。
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