JP2019142419A - キャスター用のホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で衝撃吸収能力が大きく、騒音を小さくすることが可能なキャスター用のホイールとその製造方法を提供する。【解決手段】ホイール1は、ハブ2、リム3、3本のスポーク4で構成され、ナイロン等の機械的強度に優れた合成樹脂によって成形されている。3本のスポーク4とハブ2の外周面22との接続部には、ハブ2の外周面22から半径方向外側に向かって突出する外側突出部41が形成されている。また、3本のスポーク4とリム3の内周面31との接続部には、リム3の内周面31から半径方向内側に向かって突出する内側突出部42が形成されている。さらに、スポーク4には、外側突出部41の先端と内側突出部42の先端を連結するらせん状部43が形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、台車、スーツケース、ショッピングカート等のキャリアーを移動させるために、底面部に取り付けるキャスター用のホイールとその製造方法に関する。さらに詳しくは、キャリアー移動時の振動や騒音を小さくしたキャスター用のホイールとその製造方法に関する。
キャスター用のホイールは、地面や床面に凹凸があると振動を起こし、運搬物を破損したり、ホイールを円滑に回転させることができない不具合がある。また、騒音によって周囲に不快感を与える不具合がある。その対策として、ホイールの車軸にサスペンションを設け、地面からホイールに伝わる衝撃を吸収する方法があるが、構造が複雑になって製造コストが上昇する不具合がある。特許文献1のホイールは、中心のハブと外周のリムとの間に渦巻きバネを設けて、リムに加わる衝撃を渦巻きバネが変形して吸収し、振動による騒音を小さくしている。
しかし、特許文献1のホイールは、渦巻きバネが1個であるため、リムが地面に接触する円周方向の角度位置によって衝撃吸収能力が変動するため、リムの回転位置によって、衝撃吸収能力が変動する。また、渦巻きバネが1個であるため、ホイールの衝撃を吸収する能力が小さいため、大きな凹凸があると振動を吸収することが難しい。また、特許文献2、特許文献3のホイールは、弾性を有する合成樹脂をホイールに使用して、ホイールに伝わる衝撃を緩和している。
本発明は、以上のような背景で発明されたものであり、以下の目的を達成するものである。本発明の目的は、簡単な構造で衝撃吸収能力が大きく、騒音を小さくすることが可能なキャスター用のホイールとその製造方法を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために、次の手段を採る。
即ち、本発明1のキャスター用のホイールは、キャスター用のホイールであって、前記ホイールの中心に形成され車軸が装着される円筒状のハブと、前記ホイールの外周に形成され、内径が前記ハブの外径よりも大きく形成された円筒状のリムと、前記ホイールの円周方向に等角度間隔に複数設けられ、前記ハブの外周面と前記リムの内周面との間を連結するスポークと、前記スポークに前記ハブの外周面との接続部に形成され、前記ハブの外周面から半径方向外側に向かって突出する外側突出部と、前記スポークに前記リムの内周面との接続部に形成され、前記リムの内周面から半径方向内側に向かって突出する内側突出部と、前記スポークに形成され、前記外側突出部と前記内側突出部を連結するらせん状部とからなることを特徴とする。
即ち、本発明1のキャスター用のホイールは、キャスター用のホイールであって、前記ホイールの中心に形成され車軸が装着される円筒状のハブと、前記ホイールの外周に形成され、内径が前記ハブの外径よりも大きく形成された円筒状のリムと、前記ホイールの円周方向に等角度間隔に複数設けられ、前記ハブの外周面と前記リムの内周面との間を連結するスポークと、前記スポークに前記ハブの外周面との接続部に形成され、前記ハブの外周面から半径方向外側に向かって突出する外側突出部と、前記スポークに前記リムの内周面との接続部に形成され、前記リムの内周面から半径方向内側に向かって突出する内側突出部と、前記スポークに形成され、前記外側突出部と前記内側突出部を連結するらせん状部とからなることを特徴とする。
本発明2のキャスター用のホイールは、本発明1において、前記ホイールは合成樹脂によって成形され、前記隣接するスポークの間の隙間に前記ホイールよりも粘性の大きな樹脂が充填されていることを特徴とする。
本発明3のキャスター用のホイールの製造方法は、本発明1において、両側面に側面カバーを取り付けた前記ホイールを金型に挿入し、前記ホイールのリムの外周面に樹脂を注入して成形したタイヤを熱融着することを特徴とする。
本発明のキャスター用のホイールとその製造方法は、ハブの外周面とリムの内周面との間を連結する複数のスポークが、ハブの外周面から半径方向外側に向かって突出する外側突出部、リムの内周面から半径方向内側に向かって突出する内側突出部、外側突出部と内側突出部とを連結するらせん状部で構成されているので、簡単な構造で大きな衝撃を吸収することが可能で、リムが地面に接触する円周方向の角度位置がどこに有っても、衝撃吸収能力の変動が小さい。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のキャスター用のホイール1を示す部品図であり、図1(a)はホイール1の正面図、図1(b)は(a)のA−A断面図である。図1に示すようにホイール1は、ハブ2、リム3、3本のスポーク4で構成され、ナイロン等の機械的強度に優れた合成樹脂によって成形されている。ハブ2は、ホイール1の中心に円筒状に形成され、図示しない車軸が装着される円形の軸受孔21が中心に形成されている。リム3は、ホイール1の外周に円筒状に形成され、内径がハブ2の外径よりも大きく形成されている。リム3の外周面32の両端部には、外周面32の全周に渡って山形の凸部33、33が形成されている。スポーク4は薄板状で、ホイール1の円周方向に等角度(120度)間隔に3本設けられ、ハブ2の外周面22とリム3の内周面31を連結している。スポーク4の幅はハブ2の外周面22の軸方向の長さよりも若干狭く形成されている。
3本のスポーク4とハブ2の外周面22との接続部には、ハブ2の外周面22から半径方向外側に向かって突出する外側突出部41が形成されている。また、3本のスポーク4とリム3の内周面31との接続部には、リム3の内周面31から半径方向内側に向かって突出する内側突出部42が形成されている。さらに、スポーク4には、外側突出部41の先端と内側突出部42の先端を連結するらせん状部43が形成されている。らせん状部43と外側突出部41の先端の連結部、及び、らせん状部43と内側突出部42の先端の連結部には、円弧状連結部411、421が各々形成されている。
図2は、上記したホイール1の両側面に取り付ける側面カバー5を示す部品図であり、(a)は側面カバー5の正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。図2に示すように側面カバー5は、エラストマー等の柔らかい合成樹脂によって円盤状に成形され、側面カバー5の中心には円筒状に形成されたボス51が形成されている。ボス51には、ホイール1のハブ2の小径外周面23に外嵌される円形の貫通孔52が形成されている。側面カバー5の外周には、側面カバー5の全周に渡って山形の凸部53が形成されている。側面カバー5の山形の凸部53は、リム3の外周面32の山形の凸部33に外嵌可能な寸法に形成されている。側面カバー5には、ボス51の外周面と山形の凸部53との間に、側板54が形成されている。側板54には波形の凹凸が形成されている。
図3は、上記したホイール1のリム3の外周面32に取り付けるタイヤ6を示す部品図であり、図3(a)はタイヤ6の正面図、図3(b)は(a)のC−C断面図である。図3に示すように円筒状のタイヤ6は、ウレタン等の弾性が有り、耐摩耗性、耐油性に優れた合成樹脂によって成形されている。タイヤ6の外周面61は円弧状に形成され、タイヤ6の内周面62の両端部には、内周面62の全周に渡って山形の凹部63、63が形成されている。
図4は、本発明のキャスター用のホイール1に側面カバー5とタイヤ6を組み付ける手順を示す説明図である。まず、ホイール1、2個の側面カバー5、タイヤ6を各々射出成形によって個別に成形する。次に、図4(a)に示すように、ホイール1の左側面に側面カバー5を組み付ける。次に、図4(b)に示すように、ホイール1のリム3の外周面32にタイヤ6を組み付ける。次に、図4(C)に示すように、ホイール1の右側面に側面カバー5を組み付けた後、図示しない車軸を円形の軸受孔21に装着すれば、本発明のキャスター用のホイール1の組み付けが完了する。
本発明のキャスター用のホイール1をキャリアーの底面部に取り付けて、凹凸がある地面や床面を移動すると、ホイール1に衝撃が加わる。すると、スポーク4のらせん状部43が弾性変形して衝撃を吸収し、振動による騒音を小さくする。本発明のキャスター用のホイール1は、スポーク4が複数個あるため、リム3が地面に接触する円周方向の角度位置がどこに有っても、衝撃吸収能力の変動が小さい。また、スポーク4が複数個有るため、衝撃を吸収する能力が大きい。また、ホイール1に更に大きな衝撃が加わると、ホイール1の中心から半径方向に延びた剛性の大きな外側突出部41と、同様に半径方向に延びた内側突出部42が弾性変形して衝撃を吸収するため、簡単な構造で大きな衝撃を吸収することが可能となる。
他の実施例として、図1に示すホイール1の隣接するスポーク4の間の隙間44、44、44に、ホイール1よりも軟質の合成樹脂(例えば粘性の大きな熱可塑性エラストマー、シリコン樹脂)を射出成形で注入と充填する。すると、ホイール1に大きな衝撃が加わっても、熱可塑性エラストマーの粘性抵抗(粘性減衰)によって、走行によりホイール1に加わった振動は粘性振動となるので、ホイール1に加わった衝撃を緩和し、振動減衰能力が向上する。また、他の実施例として、両側面に側面カバー5、5を取り付けたホイール1を金型に挿入し、ホイール1のリム3の外周面32に樹脂を注入してタイヤ6を成形する。するとタイヤ6の山形の凹部63、63と内周面62が、側面カバー5、5の山形の凸部53、53の外周面に熱融着するので、側面カバー5、5とタイヤ6が一体化し、側面カバー5、5がホイール1から外れなくなるため、好ましい。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されることはない。例えば、前述した実施例では、スポーク4が3本形成されているが、2本または、4本以上形成しても良い。スポーク4の断面は、板状の形状であったが、円形等の他の形状のものであっても良い。
1…ホイール
2…ハブ
21…軸受孔
22…外周面
23…小径外周面
3…リム
31…内周面
32…外周面
33…山形の凸部
4…スポーク
41…外側突出部
411…円弧状連結部
42…内側突出部
421…円弧状連結部
43…らせん状部
44…隙間
5…側面カバー
51…ボス
52…貫通孔
53…山形の凸部
54…側板
6…タイヤ
61…外周面
62…内周面
63…山形の凹部
2…ハブ
21…軸受孔
22…外周面
23…小径外周面
3…リム
31…内周面
32…外周面
33…山形の凸部
4…スポーク
41…外側突出部
411…円弧状連結部
42…内側突出部
421…円弧状連結部
43…らせん状部
44…隙間
5…側面カバー
51…ボス
52…貫通孔
53…山形の凸部
54…側板
6…タイヤ
61…外周面
62…内周面
63…山形の凹部
Claims (3)
- キャスター用のホイールであって、
前記ホイールの中心に形成され車軸が装着される円筒状のハブと、
前記ホイールの外周に形成され、内径が前記ハブの外径よりも大きく形成された円筒状のリムと、
前記ホイールの円周方向に等角度間隔に複数設けられ、前記ハブの外周面と前記リムの内周面との間を連結するスポークと、
前記スポークに前記ハブの外周面との接続部に形成され、前記ハブの外周面から半径方向外側に向かって突出する外側突出部と、
前記スポークに前記リムの内周面との接続部に形成され、前記リムの内周面から半径方向内側に向かって突出する内側突出部と、
前記スポークに形成され、前記外側突出部と前記内側突出部を連結するらせん状部とからなる
ことを特徴とするキャスター用のホイール。 - 請求項1に記載のキャスター用のホイールにおいて、
前記ホイールは合成樹脂によって成形され、前記隣接するスポークの間の隙間に前記ホイールよりも粘性の大きな樹脂が充填されている
ことを特徴とするキャスター用のホイール。 - 請求項1に記載のキャスター用のホイールにおいて、
両側面に側面カバーを取り付けた前記ホイールを金型に挿入し、前記ホイールのリムの外周面に樹脂を注入して成形したタイヤを熱融着する
ことを特徴とするキャスター用のホイールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018030186A JP2019142419A (ja) | 2018-02-22 | 2018-02-22 | キャスター用のホイール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111422005A (zh) * | 2020-04-18 | 2020-07-17 | 温州理念箱包配件有限公司 | 静音滚轮 |
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JPH05338063A (ja) * | 1992-06-12 | 1993-12-21 | Yamazaki Gosei Jushi Seikei Kk | 車輪の製造方法 |
JP2006151002A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-15 | Daiwarashi Co Ltd | キャスター基体、キャスター及びキャスター基体の製造方法 |
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2018
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