JP2019142085A - 記録装置及び記録システム - Google Patents

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Abstract

【課題】記録後の媒体の適切な乾燥と、ランニングコストの抑制と、の双方に考慮された記録装置、及び、前記記録装置を備える記録システムを提供する。【解決手段】記録システム1に設けられる記録ユニット2は、用紙Pに接触するとともに加熱によりラインヘッド10による記録後の用紙Pの乾燥を行うヒートローラー対11と、ヒートローラー対11の動作を制御する制御部27と、を備え、ヒートローラー対11は、媒体搬送方向と交差する幅方向における加熱領域が複数に分割されているとともに、分割領域ごとに加熱状態を変更可能に構成されており、制御部27は、ヒートローラー対11により用紙Pの乾燥を行う際の条件に応じて、ヒートローラー対11における各分割領域の加熱状態を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、搬送される媒体に液体を吐出して記録を行う記録部を備える記録装置、及び、前記記録部を備える記録装置を備える記録システムに関する。
インクジェットプリンターに代表される、媒体に液体(インク)を吐出(噴射)して記録を行う記録部を備える記録装置では、記録後の前記媒体の乾燥が不十分であると、以下のような不具合が生じる虞がある。
例えば、記録面が外側になるように媒体がカールする場合があり、カールした媒体は搬送経路において引っ掛かり易く、詰まりが生じる虞がある。また、液体成分を含んだ媒体は剛性が低くなり、搬送経路において引っ掛かり易く、詰まり易が生じる虞がある。また、乾ききっていない液体が、ローラー等の搬送部に付着する虞がある。
これらの不具合を回避するため、前記記録部による記録後の搬送経路に加熱部を設け、前記媒体に噴射された前記液体を蒸発させるように構成される記録装置が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1記載の加熱部は、ヒーターにより加熱される一対のローラーで構成されている。この様な構成の加熱部によれば、前記媒体の乾燥を短時間で行うことができる。
特開2012−210758号公報
ここで、前記加熱部による前記媒体の乾燥には、比較的多くの消費電力を必要とするため、前記乾燥部による乾燥を行うと、記録装置のランニングコストは増加する。
ところで、記録後の前記媒体における液体成分の分布は、記録内容によって変わり、必ずしも均一ではない。
液体成分が多い領域と液体成分が少ない領域とが存在する前記媒体を、一律の加熱状態の乾燥部で乾燥すると、乾燥斑ができる場合がある。
乾燥斑を抑制するため、液体成分が多い領域に合わせた加熱状態の乾燥部で乾燥を行うと、液体成分が少ない領域に対しては必要以上の加熱が行われることになり、ランニングコストが増加する。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録後の媒体の適切な乾燥と、ランニングコストの抑制と、の双方に考慮された記録装置、及び、前記記録装置を備える記録システムを提供することにある。
上記課題を解決するための、本発明の第1の態様に係る記録装置は、搬送される媒体に液体を吐出して記録を行う記録部と、前記媒体に接触するとともに加熱により記録後の前記媒体の乾燥を行う乾燥部と、前記乾燥部の動作を制御する制御部と、を備え、前記乾燥部は、媒体搬送方向と交差する幅方向における加熱領域が複数に分割されているとともに、分割領域ごとに加熱状態を変更可能に構成されており、前記制御部は、前記乾燥部により前記媒体の乾燥を行う際の条件に応じて、前記乾燥部における各分割領域の加熱状態を制御する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記乾燥部は、媒体搬送方向と交差する幅方向における加熱領域が複数に分割されているとともに、分割領域ごとに加熱状態を変更可能に構成されており、前記制御部は、前記乾燥部により前記媒体の乾燥を行う際の条件に応じて、前記乾燥部における各分割領域の加熱状態を制御するので、無駄な電力消費を抑えることができる。
例えば、前記媒体の乾燥を行う際の条件が、前記加熱部を前記幅方向全域に亘って均一な加熱状態にする必要がない条件であれば、複数の分割領域のうち、一部の分割領域における加熱状態を低温にする、或いは加熱しない状態にする等により、前記乾燥部における消費電力を抑制することができる。
尚、本明細書において、「乾燥を行う」とは、媒体に含まれる水分が完全に無くなるまで乾燥させる場合に限らず、媒体に含まれる水分を減らし、乾燥を行う前よりも湿り気の少ない状態になることを含むものとする。また、「消費電力の抑制」とは、電力を消費しない場合も含むものとする。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記制御部は、前記乾燥を行う際の条件として前記媒体の前記幅方向のサイズを用い、前記幅方向の端部以外に対応する前記分割領域の加熱状態を第1の状態として、前記媒体の前記幅方向の端部に対応する前記分割領域の加熱状態を、前記第1の状態よりも加熱する第2の状態とする、ことを特徴とする。
前記媒体の前記幅方向の端部の乾燥が不十分であると、前記端部が浮き上り易く、搬送経路内において擦れたり引っ掛かったりする虞がある。
本態様によれば、前記制御部は、前記乾燥を行う際の条件として前記媒体の前記幅方向のサイズを用い、前記幅方向の端部以外に対応する前記分割領域の加熱状態を前記第1の状態として、前記媒体の前記幅方向の端部に対応する前記分割領域の加熱状態を、前記第1の状態よりも加熱する第2の状態とするので、前記媒体の前記幅方向の端部の乾燥を確実に行い、前記端部が浮き上がることによる不具合の発生の虞を低減できる。
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記制御部は、前記乾燥を行う際の条件として前記液体の吐出量を用い、前記媒体の前記幅方向において、前記液体の吐出量が所定のしきい値以下の記録領域に対応する前記分割領域の加熱状態を第1の状態として、前記液体の吐出量が所定のしきい値を越える記録領域に対応する前記分割領域の加熱状態を前記第1の状態よりも加熱する第2の状態とする、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部は、前記乾燥を行う際の条件として前記液体の吐出量を用い、前記媒体の前記幅方向において、前記液体の吐出量が所定のしきい値以下の記録領域に対応する前記分割領域の加熱状態を第1の状態として、前記液体の吐出量が所定のしきい値を越える記録領域に対応する前記分割領域の加熱状態を前記第1の状態よりも加熱する第2の状態とするので、前記第2の状態では前記媒体の乾燥を確実に行うことができ、前記第1の状態では消費電力を抑えてランニングコストの抑制を行うことができる。
本発明の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記乾燥部は、第1ローラーと第2ローラーとで前記媒体を挟持するローラー対を備えて構成され、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、少なくとも一方が加熱される構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記乾燥部が、第1ローラーと第2ローラーとで前記媒体を挟持するローラー対を備えて構成され、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、少なくとも一方が加熱される構成において、上述した第1の態様から第3の態様のいずれかと同様の作用効果が得られる。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向に複数配置されるとともに、個別に加熱状態を制御可能に構成されている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは前記幅方向に複数配置されるとともに、個別に加熱状態を制御可能に構成されているので、前記加熱部を、前記幅方向における加熱領域を複数に分割し、分割領域ごとに加熱状態を変更可能にする構成を容易に形成できる。
本発明の第6の態様は、第4の態様において、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向全域に亘って延設されるとともに、前記幅方向において部分的に加熱状態を変更可能に構成されている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向全域に亘って延設されるとともに、前記幅方向において部分的に加熱状態を変更可能に構成されているので、前記加熱部を、前記幅方向における加熱領域を複数に分割し、分割領域ごとに加熱状態を変更可能にする構成とすることができる。
本発明の第7の態様は、第4の態様において、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向に少なくとも2つ配置されるとともに、それぞれが前記幅方向に移動可能に構成されている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向に少なくとも2つ配置されるとともに、それぞれが前記幅方向に移動可能に構成されているので、前記加熱部を、前記幅方向における加熱領域を複数に分割し、分割領域ごとに加熱状態を変更可能にする構成とすることができる。
本発明の第8の態様は、第4の態様から第7の態様のいずれかにおいて、前記ローラー対は、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで前記媒体を挟持可能な挟持状態と、前記第1ローラーと前記第2ローラーとが離間する離間状態と、の間で切り換え可能に構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記ローラー対は、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで前記媒体を挟持可能な挟持状態と、前記第1ローラーと前記第2ローラーとが離間する離間状態と、の間で切り換え可能に構成されるので、例えば記録面の液体が前記ローラー対に付着する虞の高い場合(前記ローラー対の加熱途中などの場合)に前記離間状態とすることにより、記録面の液体が前記ローラー対に付着する程度を軽減できる。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記制御部は、前記ローラー対が目標加熱状態に達していない場合に、前記ローラー対を前記離間状態にし、前記ローラー対が前記目標加熱状態に達した場合に、前記ローラー対を前記挟持状態にする、ことを特徴とする。
例えば、前記乾燥部としての前記ローラー対が媒体の乾燥を行うのに適した温度に達した状態を目標加熱状態とすれば、当該目標加熱状態に達していない状態で前記ローラー対に前記媒体が接触すると、記録面の液体が前記ローラー対に付着する虞がある。
本態様によれば、前記制御部は、前記ローラー対が前記目標加熱状態に達していない場合に、前記ローラー対を前記離間状態にして、前記ローラー対が前記目標加熱状態に達した場合に、前記ローラー対を前記挟持状態にするので、前記ローラー対が目標加熱状態に達していない状態で当該ローラー対に前記媒体が接触して、前記ローラー対に、記録面の液体が付着する虞を抑制できる。
本発明の第10の態様は、第8の態様または第9の態様において、前記ローラー対の前記挟持状態において、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの双方が媒体搬送経路に進出し、前記ローラー対の前記離間状態において、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの双方が媒体搬送経路から退避する構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記ローラー対の前記離間状態において、前記第1ローラー及び前記第2のローラーの双方が媒体搬送経路から退避する構成であるので、前記離間状態においてより確実に記録面の液体が前記ローラー対に付着する虞を低減できる。
本発明の第11の態様は、第8の態様または第9の態様において、前記第1ローラーが、前記媒体の直近の記録面の側に設けられるとともに媒体搬送経路に対して進退可能に設けられ、前記離間状態において媒体搬送経路から離間し、前記媒体の直近の記録面の側に、媒体搬送経路に対して進退可能な拍車が設けられ、前記拍車は、前記第1ローラーが媒体搬送経路から離間した状態において、媒体搬送経路に進出した状態となって前記第2ローラーとの間で前記媒体を挟持する、ことを特徴とする記録装置。
本態様によれば、前記ローラー対の前記離間状態において、前記第1ローラーに替えて、前記第2ローラーとの間で前記媒体を挟持可能な拍車が媒体搬送経路に進出して前記媒体を挟持するので、前記ローラー対の前記離間状態においても、前記第2ローラーと前記拍車とによって前記媒体を搬送することができる。
本発明の第12の態様は、第1の態様から第11の態様のいずれかにおいて、前記記録部の下流側に位置する分岐部で分岐する複数の下流側搬送経路を備え、前記乾燥部は、前記記録部と、前記分岐部と、の間の媒体搬送経路に設けられる、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記乾燥部は、前記記録部と、前記分岐部と、の間の媒体搬送経路に設けられるので、複数の下流側搬送経路を備える構成において一の前記乾燥部によって記録後の媒体を乾燥することができ、装置の大型化抑制とコストアップ抑制とを図ることができる。
本発明の第13の態様は、第1の態様から第11の態様のいずれかにおいて、前記記録部の下流側に位置する分岐部で分岐する複数の下流側搬送経路を備え、前記乾燥部は、複数の前記下流側搬送経路のそれぞれに設けられ、前記制御部により個別に制御される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記記録部の下流側に位置する分岐部で分岐する複数の下流側搬送経路を備え、前記乾燥部は、複数の前記下流側搬送経路のそれぞれに設けられ、前記制御部により個別に制御されるので、それぞれの前記下流側搬送経路に適した条件で前記媒体の乾燥を行うことができ、前記媒体を適切に乾燥でき、また、消費電力の抑制もできる。
本発明の第14の態様に係る記録システムは、媒体に液体を吐出して記録を行う記録部を有する記録ユニットと、前記記録ユニットに隣接して設けられ、前記記録ユニットから前記媒体を受け入れて搬送する隣接ユニットと、前記媒体に接触するとともに加熱により記録後の前記媒体の乾燥を行う乾燥部と、前記乾燥部の動作を制御する制御部と、を備え、前記乾燥部は、媒体搬送方向と交差する幅方向における加熱領域が複数に分割されているとともに、分割領域ごとに加熱状態を変更可能に構成されており、前記制御部は、前記乾燥部により前記媒体の乾燥を行う際の条件に応じて、前記乾燥部における各分割領域の加熱状態を制御する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記乾燥部は、媒体搬送方向と交差する幅方向における加熱領域が複数に分割されているとともに、分割領域ごとに加熱状態を変更可能に構成されており、前記制御部は、前記乾燥部により前記媒体の乾燥を行う際の条件に応じて、前記乾燥部における各分割領域の加熱状態を制御するので、無駄な電力消費を抑えることができる。
例えば、前記媒体の乾燥を行う際の条件が、前記加熱部を前記幅方向全域に亘って均一な加熱状態にする必要がない条件であれば、複数の分割領域のうち、一部の分割領域における加熱状態を低温にする、或いは加熱しない状態にする等により、前記乾燥部における消費電力を抑制することができる。
本発明に係る記録システムの概略図。 記録ユニットの一部及び中継ユニットの要部概略図。 両面記録時の搬送経路について説明する図。 ヒートローラー対の構成を説明する図。 ヒートローラー対の構成を説明する図。 制御部がヒートローラー対による用紙の乾燥を行う際の条件として、用紙サイズを用いてヒートローラー対の動作を制御する場合の流れを示すフローチャート。 制御部がヒートローラー対による用紙の乾燥を行う際の条件として、インクの吐出量を用いてヒートローラー対の動作を制御する場合について説明する図。 ヒートローラー対の第1の変更例について説明する図。 ヒートローラー対の第2の変更例について説明する図。 第2実施形態に係る記録システムを示す概略図。 第3実施形態に係る記録システムを示す概略図。 中継ユニット経路の搬送経路を示す概略図。 中継ユニット経路における第1経路を示す概略図。 中継ユニット経路における第2経路を示す概略図。 制御部が記録後の用紙の搬送先に応じてヒートローラー対の動作を制御する場合の流れを示すフローチャート。 乾燥環境における温度と湿度の関係に応じた区分を示す図。 制御部がヒートローラー対による用紙の乾燥を行う際の条件として複数の条件を用いてヒートローラー対の動作を制御する場合の流れを示すフローチャート。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
尚、各図において示すX−Y−Z座標系はX軸方向が媒体の幅方向であり、装置奥行き方向を示し、Y軸方向が装置内の搬送経路における媒体の搬送方向であり、装置幅方向を示し、Z軸方向が装置高さ方向を示している。
■■■記録システムの概要■■■
図1に示す記録システム1は、「媒体」としての用紙に記録を行う「記録装置」としての記録ユニット2と、中継ユニット3と、後処理ユニット4とを備えている。記録システム1は、一例として、図1を正面視して右から左に向かって順に記録ユニット2と、中継ユニット3と、後処理ユニット4とを備えている。そして、これらの装置は互いに接続されて、記録ユニット2から後処理ユニット4まで媒体を搬送可能に構成されている。本実施形態において、中継ユニット3は、記録ユニット2(記録装置)に隣接して設けられる「隣接ユニット」である。
記録システム1は、記録ユニット2に設けられる操作パネル(図示省略)から、記録ユニット2、中継ユニット3及び後処理ユニット4における媒体への処理(記録動作の条件設定やその実行指示など)を入力することができるように構成されている。
以下、主として図1を参照して、記録ユニット2、中継ユニット3、後処理ユニット4の順にそれぞれの概略構成を説明する。
<<<記録ユニット>>>
図1に示す記録ユニット2(記録装置)は、用紙に「液体」の一例としてのインクを吐出して記録を行う「記録部」としてのラインヘッド10を備えるプリンター部5と、スキャナー部6とを備える複合機として構成されている。本実施形態において、インクは水性インク等の水系インクであり、プリンター部5は、所謂インクジェットプリンターである。
記録ユニット2は、用紙の第1面(おもて面とも言う)への記録後に、用紙を反転して第2面(裏面とも言う)への記録を行う両面記録が可能に構成されている。
記録ユニット2の装置下部には、複数の用紙収容カセット7が設けられている。用紙収容カセット7に収容された用紙がラインヘッド10に向けて送られて、記録動作が行われる。ラインヘッド10による記録後の用紙は、記録ユニット2に設けられる第1排出部8か、後処理ユニット4に設けられる第2排出部40かのいずれかに排出されるように構成されている。
記録後の用紙が第2排出部40から排出される場合、用紙は受渡部28から中継ユニット3に送られ、更に中継ユニット3から後処理ユニット4に向けて送られる。第2排出部40には、後処理ユニット4において裁断やステープル等の後処理を実行した後の媒体が排出される。
尚、プリンター部5における媒体搬送経路については後で詳述する。
<<<中継ユニット>>>
図1に示す中継ユニット3(隣接ユニット)は、記録ユニット2と後処理ユニット4との間に配置され、受渡部28から受け渡される用紙を上流側中継部34で受けて、ラインヘッド10による記録後の用紙を記録ユニット2から後処理ユニット4に搬送するように構成されている。
中継ユニット3の内部を搬送された用紙は、中継ユニット3に設けられる下流側中継部35から後処理ユニット4の受入部41を介して後処理ユニット4内に送られる。
中継ユニット3における媒体搬送経路である中継ユニット経路32(隣接ユニット経路)の詳細については、本実施形態(第1実施形態)と、その後に説明する第2実施形態と第3実施形態の説明後に説明する。
<<<後処理ユニット>>>
また、図1に示す後処理ユニット4は、記録ユニット2において記録された用紙に対して後処理を行うように構成されている。後処理としては、例として裁断、紙折り、パンチ穴あけ、ステープル及びソート等が挙げられる。
後処理ユニット4における媒体搬送経路(後処理ユニット経路33)の詳細についても、プリンター部5における中継ユニット経路32とともに後で説明する。
■■■記録ユニットの媒体搬送経路について■■■
次に、図2を用いて、記録ユニット2における媒体搬送経路について説明する。
図2において、符号Tで示す点線は、用紙収容カセット7からの媒体搬送経路の一部を示している。媒体搬送経路Tは、用紙収容カセット7からピックアップされた用紙を送る給送経路14と、給送経路14に接続されてラインヘッド10による記録領域を含むストレート経路12と、を備えて構成されている。
更に、ストレート経路12の下流側には、第1排出部8まで用紙を送る第1の下流側搬送経路13(図2において二点鎖線で示す)と、受渡部28を通り、図1に示す後処理ユニット4の第2排出部40に至るまでの経路である第2の下流側搬送経路30(図1及び図2において一点鎖線で示す)を構成する記録ユニット経路31が設けられている。
第1の下流側搬送経路13及び第2の下流側搬送経路30は、いずれも記録後の用紙の搬送経路である。言い換えると、ラインヘッド10の下流側に位置する分岐部G1で分岐する複数の下流側搬送経路である。第1の下流側搬送経路13は、記録後の用紙を中継ユニット3に受け渡さず排出する第1排出部8に連なる経路である。つまり、ラインヘッド10の下流側の分岐部G1から第1排出部8までの経路である。第2の下流側搬送経路30は、記録後の用紙が中継ユニット3の媒体搬送経路である中継ユニット経路32を搬送された後に排出される第2排出部40に連なる経路である。つまり、ラインヘッド10の下流側の分岐部G1から第2排出部40までの経路である。
尚、本実施形態において、第2の下流側搬送経路30は、第1の下流側搬送経路13よりも長い構成の経路である。
ラインヘッド10と、分岐部G1と、の間の媒体搬送経路には、搬送される用紙に接触するとともに加熱により記録後の用紙の乾燥を行う「乾燥部」としてのヒートローラー対11が設けられている。ヒートローラー対11の詳しい構成は、記録ユニット2における媒体搬送経路についての説明後に説明する。
本実施形態において、ヒートローラー対11は、後述するベルト搬送手段20のすぐ下流側に設けられている。
ストレート経路12が、第1の下流側搬送経路13と、第2の下流側搬送経路30を構成する記録ユニット経路31と、に分岐する分岐部G1には、記録後の用紙の搬送先を、受渡部28に連なる第2の下流側搬送経路30と、第1排出部8に連なる第1の下流側搬送経路13との間で切り替える案内フラップ等の切替部26が設けられている。言い換えると、切替部26によって、用紙を第1の下流側搬送経路13に送るか、記録ユニット経路31を構成する第2の下流側搬送経路30に送るか、を切り換えるように構成されている。
切替部26は、制御部27によってその動作が制御されている。尚、制御部27は、記録ユニット2における用紙の搬送、切替部26の動作、及びヒートローラー対11(乾燥部)の動作を含む、記録に係わる動作を制御するものである。
本発明は、制御部27によるヒートローラー対11の動作の制御に特徴を有している。制御部27が行うヒートローラー対11の動作の制御についても、記録ユニット2における媒体搬送経路についての説明後に説明する。
以下において、記録ユニット2における媒体搬送経路、つまり用紙収容カセット7から第1排出部8までの用紙の搬送と、両面記録を行う際の用紙の搬送について説明する。
<<<用紙収容カセットから第1排出部までの媒体搬送経路について>>>
図2に示す給送経路14には、媒体搬送方向に沿って順に給送ローラー17と、複数枚の用紙を1枚に分離する分離ローラー対18が設けられている。
給送ローラー17は、図示を省略する駆動源により回転駆動する様に構成されている。また、分離ローラー対18はリタードローラーとも呼ばれ、後述するストレート経路12に向けて用紙を送る駆動ローラー18aと、駆動ローラー18aとの間で用紙をニップして分離する従動ローラー18bと、を備えて構成されている。
用紙収容カセット7には複数枚の用紙が収容可能であり、最上位の用紙が給送ローラー17によりピックアップされて搬送方向下流側に搬送される。この際、最上位の用紙とともに次位以降の用紙も搬送される場合があるが、分離ローラー対18により最上位の用紙と次位以降の用紙とが分離され、最上位の用紙のみが給送経路14に送られる。
分離ローラー対18の搬送方向下流側には、レジストローラー対19が設けられている。本実施例ではレジストローラー対19の位置で、給送経路14とストレート経路12とが接続されている。
ストレート経路12は略直線状に延びる経路として構成され、レジストローラー対19の下流側に、ベルト搬送手段20、除電部25、及びラインヘッド10が設けられている。
本実施形態において、ベルト搬送手段20は、ラインヘッド10のヘッド面と対向する領域に配置されており、用紙の記録面と反対側を支持している。
ラインヘッド10は、ベルト搬送手段20上のラインヘッド10と対向する位置に用紙が搬送された際、用紙の記録面にインク(液体)を噴射して記録を実行するように構成されている。ラインヘッド10は、インクを噴射するノズルが用紙の全幅をカバーする様に設けられた記録ヘッドであり、媒体幅方向への移動を伴わないで媒体幅全体に記録が可能な記録ヘッドとして構成されている。
尚、本実施例の記録ユニット2はラインヘッド10を備えているが、キャリッジに搭載されて媒体搬送方向と交差する方向に往復移動しながら媒体に液体を噴射して記録を行うシリアル型記録ヘッドを備えていてもよい。
ストレート経路12を搬送される用紙は、続いて第1の下流側搬送経路13へ送られる。このとき、フラップ状の切替部26が、第2の下流側搬送経路30としての記録ユニット経路31を塞ぐように揺動し、用紙を第1の下流側搬送経路13に導く。
第1の下流側搬送経路13に入った用紙は、搬送ローラー対21、22、及び搬送ローラー対群23により搬送され、第1排出部8から排出されるとともに、記録面を下にして媒体載置部9に載置される。
<<<両面記録時の搬送経路について>>>
図2に示す記録ユニット2は、両面記録を実行可能に構成されており、ラインヘッド10の下流側であって第1の下流側搬送経路13よりも上流側(本実施形態においては図2における搬送ローラー対21の上流側)においてストレート経路12から分岐する両面記録用スイッチバック経路15と、両面記録用スイッチバック経路15に接続され、用紙の表裏(第1面と第2面)を反転させてストレート経路12に戻す反転経路16と、を備えている。尚、ストレート経路12と両面記録用スイッチバック経路15の接続部、及び両面記録用スイッチバック経路15と反転経路16の接続部には、それぞれ案内フラップ36、37が設けられており、これらの切り替えによって用紙が送られる経路が切り替えられるようになっている。案内フラップ36、37の動作も制御部27によって制御される。また、ベルト搬送手段20や各種搬送ローラー対を駆動して行う搬送タイミングも制御部27が制御する。
尚、本実施形態において、両面記録用スイッチバック経路15も、記録後の用紙の搬送経路であり、ラインヘッド10の下流側で分岐する複数の下流側搬送経路のうちの一つである。両面記録用スイッチバック経路15の分岐部を分岐部G2とする。ヒートローラー対11は、ラインヘッド10と分岐部G2との間に設けられているとも言える。尚、以下において、両面記録用スイッチバック経路15を、第3の下流側搬送経路と言う場合がある。
図2及び図3を参照して、両面記録を行う際の用紙の搬送について説明する。
図3の一番上の図は、ラインヘッド10によって用紙(図3の各図において符号Pで示す)の第1面に記録を行っている状態を示している。第1面への記録後、図3の上から二番目の図に示すように、用紙Pはストレート経路12から両面記録用スイッチバック経路15(図2も参照)へ送られる。
続いて、用紙Pは、両面記録用スイッチバック経路15から、図2に示す搬送ローラー対24によって、両面記録用スイッチバック経路15に送り込まれた方向(+Y軸方向)と逆方向に(−Y軸方向)に送られて反転経路16に入った後、図3の下から二番目の図に示すように記録面が反転されて再びストレート経路12に入り、ラインヘッド10による第2面への記録が行われる。尚、図2において符号29は、反転経路16に設けられる搬送ローラー対である。
両面に記録が行われた用紙Pは、図3の一番下の図に示すように、ストレート経路12から第1の下流側搬送経路13に入り、第1排出部8から排出されて、図2に示す媒体載置部9に載置される。
■■■ヒートローラー対の構成について■■■
以下、「乾燥部」としてのヒートローラー対の構成について説明する。
図2に示すように、ヒートローラー対11は、「第2ローラー」としての駆動ローラー11aと、「第1ローラー」としての従動ローラー11bとで用紙を挟持するローラー対である。本実施形態においては、駆動ローラー11aが加熱されるように構成されている。つまり、直近の記録面の裏面を加熱するように構成されている。
尚、ヒートローラー対11は、本実施形態のように、ヒートローラー対11を構成する駆動ローラー11aと従動ローラー11bのうち、少なくとも一方が加熱される構成であればよく、従動ローラー11bのみが加熱される構成でもよい。
また、駆動ローラー11aと従動ローラー11bとの双方が加熱されるように構成することもできる。駆動ローラー11aと従動ローラー11bとの双方が加熱される構成であれば、用紙の両面を加熱して、より確実な用紙の乾燥を実現できる。
また、ヒートローラー対11は、媒体搬送方向と交差する幅方向(X軸方向)における加熱領域が複数に分割されている。本実施形態においては、図4に示すように、分割領域M1、分割領域M2、及び分割領域M3の3つに分割されている。そして、分割領域M1、M2、M3ごとに加熱状態を変更可能に構成されている。尚、加熱領域の分割数は、複数であれば3つに限られない。加熱領域の分割数を多くすれば、より細かい加熱領域の制御が可能となる。
駆動ローラー11aと従動ローラー11bとの双方が加熱される構成の場合、駆動ローラー11aにおける分割領域は、従動ローラー11bにおける分割領域M1、分割領域M2、及び分割領域M3は、対応するように配置する。また、駆動ローラー11a及び従動ローラー11bの加熱は、個別に制御可能に構成することができる。
駆動ローラー11aの加熱は、一例として、図4に示すように、ローラー内部に誘導コイル90を備え、誘導コイル90に電流を流すことにより発生する磁場の作用でローラーを発熱させる誘導発熱方式を用いることができる。
駆動ローラー11aの加熱温度は、誘導コイル90による加熱のオンオフにより調整することができる。また、例えば、誘導コイル90に流す電流のデューティ比の制御により温度調整可能とすることもできる。尚、駆動ローラー11aには、ローラー温度を検出する不図示の温度検出部が設けられている。
本実施形態において、駆動ローラー11aと従動ローラー11bのうち、加熱される駆動ローラー11aは、幅方向全域に亘って延設されており、幅方向において部分的に加熱状態を変更可能に構成されている。尚、従動ローラー11bも幅方向全域に亘って延設されている。
駆動ローラー11aの内部には、分割領域M1及び分割領域M3に対応する位置にコイル部が配置される第1誘導コイル90aと、分割領域M2に対応する位置にコイル部が配置される第2誘導コイル90bと、が設けられている。
第1誘導コイル90aと第2誘導コイル90bとは、制御部27によって個別に制御可能であり、第1誘導コイル90aを加熱すると、分割領域M1及び分割領域M3が加熱され、第2誘導コイル90bを加熱すると、分割領域M2が加熱されるようになっている。
もちろん、分割領域M1を加熱する誘導コイルと分割領域M3を加熱する誘導コイルを別々に分け、分割領域M1と分割領域M3とを別々に加熱できるように構成することも可能である。
このように構成することにより、分割領域M1、M2、及びM3のそれぞれの加熱状態を変更可能にすることができる。
ヒートローラー対11は、図5の左図に示すように、駆動ローラー11aと従動ローラー11bとで用紙を挟持可能な挟持状態と、図5の中図及び図5の右図に示すように、駆動ローラー11aと従動ローラー11bとが離間する離間状態と、の間で切り換え可能に構成されている。このことにより、記録面のインクがヒートローラー対11に付着する程度を軽減できる。
尚、以下において、離間状態のうち、図5の中図の状態を第1の離間状態、図5の右図の状態を第2の離間状態という。
より具体的には、ヒートローラー対11の挟持状態(図5の左図)において、駆動ローラー11a及び従動ローラー11bの双方が媒体搬送経路(図5の各図において、用紙Pが位置する経路)に進出するように構成されている。
また、ヒートローラー対11の第1の離間状態(図5の中図)において、駆動ローラー11a及び従動ローラー11bの双方が媒体搬送経路から退避するように構成されている。以下、駆動ローラー11a及び従動ローラー11bを媒体搬送経路から退避させる構成の一例について説明する。
駆動ローラー11aは、Z軸方向に進退可能に構成されている。より具体的には、図5に示すように、駆動ローラー11aはホルダー85に保持されており、ホルダー85が押圧部材86によって押圧されることにより、駆動ローラー11aが媒体搬送経路側に向けて押圧されている。
駆動ローラー11aはホルダー85ごとZ軸方向に進退するように変位可能に構成されており、制御部27によって制御される不図示の駆動源から動力を受けて回転する偏心カム87を回転させることにより、駆動ローラー11aが媒体搬送経路に進出して従動ローラー11bと接触する挟持状態(図5の左図)と、駆動ローラー11aが媒体搬送経路から退避して従動ローラー11bから離間する離間状態(図5の中図)と、を切り換え可能になっている。
また、従動ローラー11bは、図5の各図に示すように、第1保持部81に回動可能に保持されており、第1保持部81が軸部83を軸として揺動することにより、媒体搬送経路に対して進退するように構成されている。
図5の中図に示すように、駆動ローラー11a及び従動ローラー11bの双方が媒体搬送経路から退避する第1の離間状態をとることにより、例えば従動ローラー11bの加熱が充分でない状態で用紙Pが接触する際に、記録面のインクがヒートローラー対11に付着する虞を低減できる。
また、本実施形態において、従動ローラー11b(第1ローラー)と同じ側、すなわち、用紙Pの直近の記録面の側(本実施形態においては上方)に、媒体搬送経路に対して進退可能な「拍車」としてのギザローラー84が設けられ、ギザローラー84は、従動ローラー11bが媒体搬送経路から離間した第2の離間状態において、媒体搬送経路に進出した状態となって駆動ローラー11a(第2ローラー)との間で用紙Pを挟持するように構成されている。
ギザローラー84は、第2保持部82に回転可能に保持されており、従動ローラー11bを保持する第1保持部81と同じ軸部83を軸として、従動ローラー11bの揺動に追従して揺動するように構成されている。
尚、第2の離間状態において、駆動ローラー11aは、媒体搬送経路に対して進出した状態となっている。
このことによって、駆動ローラー11a及び従動ローラー11bが離間した状態(第2の離間状態)においても、駆動ローラー11aとギザローラー84とによって用紙を搬送することができる。また、ギザローラーであることから、記録面のインクの転着も抑制できる。尚、この様なギザローラー84は省略することもできる。
■■■制御部によるヒートローラーの動作の制御について■■■
続いて、制御部27によるヒートローラー対11の動作の制御について説明する。
制御部27は、ヒートローラー対11により用紙Pの乾燥を行う際の条件に応じて、ヒートローラー対11における各分割領域M1、M2、M3の加熱状態を制御するように構成されている。
用紙Pの乾燥を行う際の条件としては、例えば、用紙の種別、用紙サイズ、インクの吐出量、余白量、用紙搬送速度、直近の用紙の記録面が既に記録が行われた面の裏面であるか否か、記録環境(温度、湿度)等が挙げられる。用紙の種別は、材質の他、厚み、坪量(単位面積当たりの重さ)、紙目(縦目か横目か)等の違いによる種別も含むものとする。
制御部27が、ヒートローラー対11により用紙Pの乾燥を行う際の条件に応じて、ヒートローラー対11における各分割領域M1、M2、M3の加熱状態を制御することにより、無駄な電力消費を抑えることができる。
例えば、用紙Pの乾燥を行う際の条件が、ヒートローラー対11を幅方向全域に亘って均一な加熱状態にする必要がない条件であれば、複数の分割領域M1、M2、M3のうち、一部の分割領域における加熱状態を低温にする、或いは加熱しない状態にする等により、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の条件の具体的な例を挙げて、ヒートローラー対11の動作の制御について説明する。
◆◆ヒートローラー対により用紙の乾燥を行う際の条件による制御◆◆
<<第1の制御:用紙サイズに応じた制御>>
用紙Pの幅方向の端部の乾燥が不十分であると、幅方向の端部が浮き上り易く、搬送経路内において擦れたり引っ掛かったりする虞がある。
制御部27は、用紙Pの乾燥を行う際の条件として用紙Pの幅方向のサイズを用い、幅方向の端部以外に対応する分割領域の加熱状態を第1の状態として、用紙Pの幅方向の端部に対応する分割領域の加熱状態を、第1の状態よりも加熱する第2の状態とする。
表1に、用紙サイズに応じたヒートローラー対11の動作制御(第1の制御)の一例を示す。
Figure 2019142085
以下、図6に示すフローチャートを参照して、用紙Pの乾燥を行う際の条件として用紙Pの幅方向のサイズを用いた制御の一例について説明する。
用紙Pに対する記録が開始されると、制御部27は、ステップS1において、用紙のサイズ区分を判断する。
尚、本実施形態において、名刺、ハガキ、A4、A5、B5、B6、またはレター(LTR)等を小サイズとし、これらより大きいサイズ[例えば、A3、B4、リーガル(LGL)、レジャー(LDR)サイズ等]を大サイズとする。
記録ユニット2において、B4、A3、リーガル(LGL)、レジャー(LDR)のような大サイズの用紙は、端部が分割領域M1及び分割領域M3に位置する。
名刺、ハガキ、A4、A5、B5、B6、レター(LTR)のような小サイズの用紙Pは、幅方向の端部を含む用紙全体が分割領域M2含まれる。
ステップS1において、用紙サイズが大サイズであると判断された場合、ステップS2に進み、大サイズの用紙の幅方向の端部が位置する分割領域M1及び分割領域M3の加熱状態を、第1状態よりも加熱した第2の状態とし、幅方向の中央領域である分割領域M2の加熱状態を、第2状態よりも加熱しない第1の状態とする。
また、ステップS1において、用紙サイズが小サイズであると判断された場合には、ステップS3に進み、用紙端部が含まれない分割領域M1及び分割領域M3の加熱状態を第1の状態として、幅方向の端部が位置する分割領域M2を、第1の状態よりも加熱する第2状態とする。
ヒートローラー対11をこのように制御することによって、用紙Pの幅方向の端部の乾燥を確実に行い、用紙端部が浮き上がることによる不具合の発生の虞を低減できるとともに、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
<<第2の制御:インクの吐出量に応じた制御>>
また、制御部27は、用紙Pの乾燥を行う際の条件としてインク(液体)の吐出量を用いてヒートローラー対11を制御することもできる。
より具体的には、制御部27は、図7に示す用紙Pの幅方向において、インクの吐出量が所定のしきい値T1以下の記録領域L1に対応する分割領域M1及び分割領域M3の加熱状態を第1の状態として、インクの吐出量が所定のしきい値T1を越える記録領域L2に対応する分割領域M2の加熱状態を第1の状態よりも加熱する第2の状態とする。
表2に、図7に示す用紙Pへのインクの吐出量に応じたヒートローラー対11の動作制御(第2の制御)の一例を示す。
Figure 2019142085
制御部27が、用紙Pの乾燥を行う際の条件としてインクの吐出量を用い、用紙Pの幅方向において、インクの吐出量が所定のしきい値T1以下の記録領域L1に対応する分割領域M1及び分割領域M3の加熱状態を第1の状態として、インクの吐出量が所定のしきい値T1を越える記録領域L2に対応する分割領域M2の加熱状態を第1の状態よりも加熱する第2の状態とするので、第2の状態では用紙Pの乾燥を確実に行うことができ、第1の状態では消費電力を抑えてランニングコストの抑制を図ることができる。
尚、制御部27は、上記で説明した用紙サイズや用紙Pへのインクの吐出量以外の、用紙Pの乾燥を行う際の条件に応じて、ヒートローラー対11を制御することも可能である。
■■■ヒートローラー対の構成の変更例■■■
ヒートローラー対11は、図4のような構成の他、図8に示す第1の変更例や図9に示すような第2の変更例のような構成とすることもできる。
<<第1の変更例>>
図8に示すヒートローラー対91において、駆動ローラー92は、幅方向に複数配置されるとともに、個別に加熱状態を制御可能に構成されている。
ヒートローラー対91は、駆動ローラー92と従動ローラー93とを備え、駆動ローラー92は、分割領域M1、M2、M3に対応する長さの3つの駆動ローラー92a、92b、92cによって構成されている。駆動ローラー92a、92b、92cには、それぞれ、制御部27によって個別に制御可能な誘導コイル94a、94b、94cが設けられている。
従動ローラー93は、駆動ローラー92a、92b、92cに対応する従動ローラー93a、93b、93cによって構成されている。尚、従動ローラー93は、幅方向に延設される一本のローラーとして設けられていても良い。
ヒートローラー対91を構成する駆動ローラー92と従動ローラー93のうち、加熱される駆動ローラー92が、幅方向に複数配置される駆動ローラー92a、92b、92cを備え、駆動ローラー92a、92b、92cの加熱状態を個別に制御可能に構成されているので、ヒートローラー対91の分割領域M1、M2、M3における加熱状態の変更を容易に行うことができる。
ヒートローラー対91において、駆動ローラー92a、92b、92cと、これらに対応する従動ローラー93a、93b、93cは、図5に示すヒートローラー対11と同様、従動ローラー93a、93b、93cと駆動ローラー92a、92b、92cによって用紙Pを挟持する挟持状態と、従動ローラー93a、93b、93cと駆動ローラー92a、92b、92cとが離れた離間状態と、の間で切り換え可能に構成することができる。
<<第2の変更例>>
また、図9の上図及び下図に示すヒートローラー対100において、駆動ローラー101と従動ローラー102のうち、加熱される駆動ローラー101は、幅方向に少なくとも2つ配置されるとともに、それぞれが幅方向に移動可能に構成されている。
本実施形態においては、駆動ローラー101は、幅方向に移動可能な4つのローラー、駆動ローラー101a、駆動ローラー101b、駆動ローラー101c、及び駆動ローラー101dを備えている。
駆動ローラー101a、101b、101c、101dには、それぞれ、制御部27によって個別に制御可能な誘導コイル103a、103b、103c、103dが設けられている。
図9の各図において、ヒートローラー対100による幅方向における加熱領域は6つに分割されており、+X方向側から順に、等間隔の分割領域M1、M2、M3、M4、M5、M6とする。駆動ローラー101a、101b、101c、101dの幅方向における長さは、一区画の分割領域の幅方向における長さに対応している。
前述したように、駆動ローラー101a、101b、101c、101dは幅方向に移動可能であり、分割領域M1、M2、M3、M4、M5、M6のうちの4つの分割領域に対応する位置に移動させることができる。
例えば、図9の上図では、駆動ローラー101a、101b、101c、101dが、分割領域M1、M2、M5、M6に対応する位置に配置されている。このように配置することにより、用紙Pの幅方向の端部側である分割領域M1、M2、M5、M6を加熱し、用紙Pの幅方向の中央領域である分割領域M3、M4を加熱しない構成とすることができる。
また、図9の状態から、駆動ローラー101b、101cを幅方向の中央領域側に移動させると、分割領域M1、M3、M4、M6を加熱し、分割領域M2、M5を加熱しない構成とすることができる。つまり、幅方向に間隔を空けて、用紙端部と中央領域との双方を加熱する構成とすることができる。
以上のように構成されていることにより、ヒートローラー対100の分割領域M1〜分割領域M6における加熱状態の変更を容易に行うことができる。
尚、駆動ローラー101a、101b、101c、101dは、個別に対応する従動ローラー102から離間可能に構成することもできる。このことによって、分割領域M1〜分割領域M6における加熱状態の変更の自由度をより高くすることができる。
従動ローラー102は、図9に示すように幅方向に延設される一本のローラーで形成される場合の他、第1の変更例(図8)の従動ローラー93と同様に、駆動ローラー101a、101b、101c、101dに対応する短いローラーを幅方向に並べて配置することにより形成することができる。
<<ヒートローラー対の第1状態と第2状態との切り替えについて>>
図8に示すヒートローラー対91のように、駆動ローラー92及び従動ローラー93が、分割領域M1、M2、M3に対応する短いローラー対を幅方向に並べて形成されている場合には、ヒートローラー対91の)の第1の状態と第2の状態との切り替えを、以下の様にして行うことができる。
すなわち、制御部27は、ヒートローラー対91の第1の状態を、ヒートローラー対91を加熱しない非加熱状態とするとともに離間状態(ヒートローラー対11について説明する図5の中図または図5の右図を参照)にし、ヒートローラー対91の第2の状態を、ヒートローラー対91を加熱する加熱状態とするとともに挟持状態(ヒートローラー対11について説明する図5の左図を参照)にする。
ヒートローラー対91の第1の状態とする場合、ヒートローラー対91を加熱しない非加熱状態とすれば、消費電力を効果的に抑制することができるが、一方で、ヒートローラー対91を加熱しない非加熱状態とすると、ヒートローラー対91の温度が低くなった状態で記録後すぐの用紙がヒートローラー対91に接触することとなる。温度の低いローラー表面にはインクが付着し易いため、記録面のインクがヒートローラー対91に付着する虞がある。
しかし、制御部27が、ヒートローラー対91を加熱しない非加熱状態とした際にはヒートローラー対11を離間状態にするので、非加熱状態にされて温度が低下したヒートローラー対11に、記録面のインクが付着する虞を抑制できる。
また、ヒートローラー対91が用紙の乾燥を行うのに適した温度に達した状態を目標加熱状態とすると、目標加熱状態のヒートローラー対91の温度は、一例として180℃前後の高温に設定される。
このため、ヒートローラー対91の加熱を開始してから目標加熱状態に昇温するまでに時間がかかる場合がある。目標加熱状態になっていない低い温度のヒートローラー対91を挟持状態にすると、低温のヒートローラー対91に、記録面のインクが付着する虞がある。
したがって、制御部27は、ヒートローラー対91が目標加熱状態に達していない場合に、ヒートローラー対91を離間状態にし、ヒートローラー対91が目標加熱状態に達した場合に、ヒートローラー対91を挟持状態にする。
このことによって、ヒートローラー対91が目標加熱状態に達していない状態でヒートローラー対91に用紙が接触し、ヒートローラー対91に、記録面のインクが付着する虞を抑制できる。
また、ヒートローラー対91において、従動ローラー93a、93b、93cに加え、駆動ローラー92a、92b、92cも加熱する構成とした場合には、制御部27は、一例として従動ローラー93aの加熱状態と、対応する駆動ローラー92aの加熱状態と、に差をつける制御を行うこともできる。
例えば、従動ローラー93aを駆動ローラー92aよりも加熱するように制御する。直近の記録面に接する従動ローラー93aを、直近の記録面の反対面に接する駆動ローラー92aよりも加熱するので、記録面の乾燥は確実に行いつつ、消費電力を抑制することができる。
[第2実施形態]
本実施形態では、図10を参照して、「乾燥部」としてのヒートローラー対の配置の異なる記録ユニット2Aを備える記録システム1Aについて説明する。
尚、本実施形態において、第1実施形態と同じ構成部については、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
記録ユニット2A(記録システム1A)において、用紙に接触するとともに加熱により記録後の用紙の乾燥を行う「乾燥部」としてのヒートローラー対11Aは、記録後の用紙が送られ、第1の下流側搬送経路13と、第1の下流側搬送経路13よりも経路長の長い第2の下流側搬送経路30と、を含む複数の下流側搬送経路のうち、第1の下流側搬送経路13には設けられず、第2の下流側搬送経路30に設けられている。
より具体的には、ヒートローラー対11Aは、記録ユニット2Aの記録ユニット経路31に設けられている。言い換えると、分岐部Gと、受渡部28と、の間の媒体搬送経路に設けられている。
尚、ヒートローラー対11Aは、第1実施形態において説明したヒートローラー対11と同様の構成を有している。ヒートローラー対11の第1の変更例として説明したヒートローラー対91や、第2の変更例として説明したヒートローラー対100と同様の構成とすることもできる。
ヒートローラー対11Aが、第1の下流側搬送経路13には設けられず、第2の下流側搬送経路30に設けられていることにより、用紙の乾燥が不十分であると経路内での紙詰まり等の不具合が発生し易い、長い経路長の第2の下流側搬送経路30に用紙が送られる場合に、用紙の乾燥を確実に行い、不具合の発生の虞を低減できる。
一方、経路長が短く、不具合の発生し難い第1の下流側搬送経路13に用紙が送られる場合には、乾燥部による乾燥を行わず、無駄な電力消費を回避し、記録装置のランニングコストを抑制することができる。
記録システム1Aに設けられるヒートローラー対11Aは、第2の下流側搬送経路30であれば記録ユニット2A内に限られず、例えば、中継ユニット3に設けることもできる。一例として、一番上流側の搬送ローラー対38をヒートローラー対とすることができる。
中継ユニット3内の媒体搬送経路(中継ユニット経路32)の形状や経路長によっては、後処理ユニット4の媒体搬送経路(後処理ユニット経路)にヒートローラー対11Aを設けることも可能である。
[第3実施形態]
本実施形態では、図11を参照して、本発明に係る記録システムの更に他の例について説明する。
尚、本実施形態においても、先に説明した実施形態と同じ構成部については、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態に係る記録システム1Bにおいて、記録ユニット2B(記録装置)は、ラインヘッド10の下流側に位置する分岐部G1、G2で分岐する複数の下流側搬送経路としての第1の下流側搬送経路13、第2の下流側搬送経路30、及び第3の下流側搬送経路としての両面記録用スイッチバック経路15のそれぞれに、「乾燥部」としてのヒートローラー対11A、11B、11Cを備えている。
ヒートローラー対11A、11B、11Cは、それぞれ個別に制御部27によって制御される。
本実施形態においても、ヒートローラー対11A、11B、11Cは、第1実施形態において説明したヒートローラー対11と同様の構成を有している。勿論、ヒートローラー対91(図8)やヒートローラー対100(図9)と同様の構成とすることもできる。
複数の下流側搬送経路としての第1の下流側搬送経路13、第2の下流側搬送経路30、及び両面記録用スイッチバック経路15のそれぞれに、ヒートローラー対11A、11B、11Cが設けられていることにより、それぞれの下流側搬送経路に適した条件で用紙の乾燥を行うことができる。以って、用紙を適切に乾燥でき、また、消費電力の抑制もできる。
第2の下流側搬送経路30に設けられるヒートローラー対11Aの配置は、第2の下流側搬送経路30であれば記録ユニット2A内に限られず、例えば、中継ユニット3に設けることもできる。一例として、一番上流側の搬送ローラー対38をヒートローラー対とすることができる。中継ユニット3内の媒体搬送経路(中継ユニット経路32)の形状や経路長によっては、後処理ユニット4の媒体搬送経路(後処理ユニット経路)にヒートローラー対11Aを設けることも可能である。
<<<用紙が中継ユニットを介して第2排出部に送られる場合の経路について>>>
以下において、主として図12〜図14を参照して、図1に示す記録システム1において、ラインヘッド10での記録後の用紙が第2排出部40から排出される場合の用紙搬送経路である第2の下流側搬送経路30について説明する。
第2の下流側搬送経路30は、図1に示すように、前述の記録ユニット経路31と、中継ユニット3における搬送経路である中継ユニット経路32と、後処理ユニット4における搬送経路である後処理ユニット経路33と、を備えている。
記録後の用紙は、記録ユニット2の受渡部28から中継ユニット3に送られる。具体的には、記録後の用紙は、図1に示す記録ユニット経路31に送られ、受渡部28を通り、中継ユニット3の上流側中継部34から中継ユニット経路32に入る。
以下、図12を参照して中継ユニット経路32について説明する。尚、図12において示す各搬送ローラー対において、モーター等の駆動源によって駆動される駆動ローラーが大きな円で図示され、従動回転する従動ローラーが小さな円で図示されている。各搬送ローラー対の動ローラーの駆動が制御部27(図1及び図2)によって制御されて、中継ユニット経路32を用紙が搬送される。
図12に示す中継ユニット経路32は、搬送経路が分岐する分岐点A、分岐点B、及び分岐点Cと、搬送経路が合流する合流点Dと、用紙の搬送経路の末端をなす端部E及び端部Fとを有する。また、分岐点Aと分岐点Bと分岐点Cとには、用紙の搬送経路を振り分ける案内フラップ(図示省略)が設けられている。
更に中継ユニット経路32は、導入経路50(上流側中継部34と分岐点Aとの間)と、第1分岐経路51(分岐点Aと分岐点Bとの間)と、第1スイッチバック経路52(分岐点Bと端部Eとの間)と、第1合流経路53(分岐点Bと合流点Dとの間)と、第2分岐経路54(分岐点Aと分岐点Cとの間)と、第2スイッチバック経路55(分岐点Cと端部Fとの間)と、第2合流経路56(分岐点Cと合流点Dとの間)と、導出経路64(合流点Dと下流側中継部35との間)とで構成される。
導入経路50と第1分岐経路51と第2分岐経路54とには、第1の搬送ローラー対群57が設けられている。第1スイッチバック経路52には、第2の搬送ローラー対群58が設けられている。第2スイッチバック経路55には、第3の搬送ローラー対群59が設けられている。第1合流経路53と、第2合流経路56と、導出経路64における用紙の搬送方向の上流側とには、第4の搬送ローラー対群60が設けられている。導出経路64における用紙の搬送方向の下流側には、第5の搬送ローラー対群61と補正ローラー対62と排出ローラー対63とが設けられている。
補正ローラー対62は、中継ユニット経路32において、搬送方向に対する用紙のスキュー(斜行)が生じた場合に、用紙のスキューを是正するローラー対である。用紙のスキューの是正は、具体的には、制御部27が、停止状態の補正ローラー対62(媒体搬送手段)に用紙を突き当てることにより行われる。停止状態の補正ローラー対62への用紙の突き当ては、第5の搬送ローラー対群61の用紙搬送速度を速めて高速で行うことにより、スキューを効果的に正すことができる。補正ローラー対62に突き当てられて斜行が是正された用紙は、補正ローラー対62によってニップされ、下流側中継部35に送り出される。
補正ローラー対62は、第5の搬送ローラー対群61に対して搬送方向の下流側に位置し、補正ローラー対62による搬送中に、用紙の先端が下流側中継部35に到達するように配置されている。すなわち、補正ローラー対62は、下流側中継部35の近くに配置されている。
尚、第2の搬送ローラー対群58及び第3の搬送ローラー対群59は正転方向または逆転方向に回転可能であり、第1スイッチバック経路52及び第2スイッチバック経路55において用紙の搬送方向を反転させることができる。
続いて、図13及び図14を参照して、中継ユニット経路32における用紙搬送の流れについて説明する。尚、図13及び図14は、図12に対応する図であり、第1の搬送ローラー対群57〜第5の搬送ローラー対群61や補正ローラー対62、排出ローラー対63等の搬送系の構成要素の図示が省略されている。更に、図13及び図14では、中継ユニット経路32のうち用紙の搬送で使用される部分が実線で示され、中継ユニット経路32のうち用紙の搬送で使用されない部分が破線で示されている。また、図13及び図14において、図中の矢印は用紙の搬送方向を示し、それぞれH1〜H6の符号が付されている。
中継ユニット経路32は、図13に示す第1経路32a(図13において実線で示す経路)と図14に示す第2経路32b(図14において実線で示す経路)の二つの経路で用紙を搬送することができる。
図13の実線で示すように、用紙が搬送される第1経路32aは、導入経路50と、第1分岐経路51と、第1スイッチバック経路52と、第1合流経路53と、導出経路64とで構成される。
図13に示す第1経路32aでは、上流側中継部34から送られた用紙が、導入経路50を通過し、第1分岐経路51を搬送方向H1に進行し、第1スイッチバック経路52に入る。第1スイッチバック経路52に搬入された用紙は、搬送方向H2の方向に進行した後、用紙の進行方向が反転され(スイッチバックされ)、搬送方向H2と逆方向の搬送方向H3に進行し、第1合流経路53に入る。続いて用紙は、第1合流経路53において搬送方向H4に進行して導出経路64に入り、導出経路64において搬送方向H5及び搬送方向H6に進行し、下流側中継部35から後処理ユニット4の受入部41(図1)に向けて搬出される。
一方、図14において実線で示す第2経路32bは、導入経路50と、第2分岐経路54と、第2スイッチバック経路55と、第2合流経路56と、導出経路64とで構成される。
図14に示す第2経路32bでは、上流側中継部34から搬入された用紙は、導入経路50を通過し、第2分岐経路54を搬送方向H1に進行し、第2スイッチバック経路55に搬入される。第2スイッチバック経路55に搬入された用紙は、搬送方向H2に進行した後、用紙の進行方向が反転され(スイッチバックされ)、搬送方向H2と逆方向の搬送方向H3に進行し、第2合流経路56に搬入される。続いて用紙は、第2合流経路56において搬送方向H4に進行し、導出経路64に搬入され、導出経路64において搬送方向H5及び搬送方向H6に進行し、下流側中継部35から後処理ユニット4の受入部41(図1)に向けて搬出される。
複数枚の用紙に連続して記録を行う場合、上流側中継部34から搬入される用紙は、例えば先に記録が行われた先行媒体が、分岐点Aに設けられた不図示の案内フラップによって第1経路32aに案内される。続いて、上流側中継部34から搬入される後続媒体は、分岐点Aに設けられた不図示の案内フラップによって、第2経路32bに案内される。
そして、第1経路32aによる用紙の搬送と、第2経路32bによる用紙の搬送とが交互に繰り返される。
以上のように、第2の下流側搬送経路30は、中継ユニット経路32が第1スイッチバック経路52、第2スイッチバック経路55を含んで構成されるので、より長い搬送距離を用紙が搬送されることになる。
続いて、中継ユニット3の下流側中継部35から搬出される用紙は、図1に示す後処理ユニット4の受入部41から後処理ユニット経路33に搬入される。後処理ユニット経路33に入った用紙は搬送ローラー対42、43により送られて、先端側が第2排出部40に至る。第2排出部40の上流側近傍にはガイドフラップ45が設けられており、ガイドフラップ45にガイドされて用紙後端側を−Z軸方向側にして後処理部44にスタックされる。
後処理部44に設定された枚数(1枚でもよい)の用紙がスタックされると、後処理(裁断、ステープル処理等)が実行される。後処理が実行された後の用紙、或いは用紙束は、排出ローラー46によって+Y軸方向に排出され、排出トレイ47に載置される。
尚、中継ユニット経路32の第1スイッチバック経路52或いは第2スイッチバック経路55では、用紙の進行方向がスイッチバックされる前後で、搬送方向に対する用紙の面(例えば第1面)の位置が反転される。
このため、上流側中継部34から搬入された用紙は、第1経路32aまたは第2経路32bを搬送される間に、搬送方向に対する表裏(第1面と第2面の位置)が反転される。そして、搬送方向に対する表裏が反転された状態で、用紙が下流側中継部35から後処理ユニット4(図1)に向けて搬出される。
■■■記録ユニットにおける他の構成■■■
以下、記録ユニット2における他の構成について説明する。
図2に示す記録ユニット2は、用紙収容カセット7に収容された用紙を給送して記録を行う場合の他、手差しトレイ70からの給紙が可能に構成されている。図2において、点線Rは、手差しトレイ70から給紙した場合の搬送経路を示している。
手差しトレイ70から給紙された用紙は、搬送ローラー対71により送られ、ストレート経路12に合流し、ラインヘッド10による記録が行われる。両面記録を行う場合には、第1面への記録後に、両面記録用スイッチバック経路15及び反転経路16を通って反転され、第2面への記録が行われる。
記録後の用紙は、ストレート経路12に連なり、直線的に延設される第4の下流側搬送経路74を搬送され、排出部72を通って排紙トレイ73に載置される。
第4の下流側搬送経路74は短く、また形状はほぼ直線状で単純であるので、記録後の用紙が第4の下流側搬送経路74に送られる場合には、第1の下流側搬送経路13に用紙が送られる場合と同様、第1の状態で乾燥されることが望ましい。
■■■制御部によるヒートローラー対の動作の制御の他の例■■■
制御部27は、一例として第1実施形態に示すヒートローラー対11(乾燥部)に対して、上記で説明した第1の制御、第2の制御の他、以下のような第3の制御や第4の制御を行うことも可能である。
<<第3の制御>>
前述した様に、ヒートローラー対11(乾燥部)は、ラインヘッド10(記録部)と、媒体搬送経路が複数の下流側搬送経路(第1の下流側搬送経路13と第2の下流側搬送経路30)に分岐する分岐部G1と、の間の媒体搬送経路に設けられている。また、ヒートローラー対11が設けられている位置は、媒体搬送経路が第3の下流側搬送経路としての両面記録用スイッチバック経路15に分岐する分岐部G2と、ラインヘッド10と、の間でもある。
そして、制御部27は、ラインヘッド10による記録後の用紙が、複数の下流側搬送経路[第1の下流側搬送経路13、第2の下流側搬送経路30、両面記録用スイッチバック経路15(第3の下流側搬送経路)]のうち、いずれの経路に送られるかに応じてヒートローラー対11の動作を制御するように構成されている。
記録ユニット2に設けられる第1排出部8から用紙を排出するための第1の下流側搬送経路13と、中継ユニット3を介して後処理ユニット4に送られた後に排出される第2の下流側搬送経路30と、では、第2の下流側搬送経路30の方が第1の下流側搬送経路13よりも長く、また、媒体搬送経路が複雑になっている(図1を参照)。
長く複雑な媒体搬送経路を記録後の用紙が通る場合、記録後の用紙の乾燥が不十分であると、記録後に用紙に生じるカールや、インク(液体)を含むことによる用紙の剛性の低下などに起因する、媒体搬送経路への用紙の引っ掛かり、或いは詰まり等の虞が増す。したがって、記録後の用紙をしっかりと乾燥する必要がある。
一方、比較的単純な形状の媒体搬送経路である第1の下流側搬送経路13を用紙が搬送される際には、記録後の用紙の乾燥が充分でなくとも、媒体搬送経路への用紙の引っ掛かり、或いは詰まり等が発生する虞は少ない。したがって、ある程度の乾燥で足りる場合がある。
ここで、制御部27が、ラインヘッド10による記録後の用紙が第1の下流側搬送経路13、第2の下流側搬送経路30、両面記録用スイッチバック経路15のうち、いずれの経路に送られるかに応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することにより、無駄な電力消費を抑え、記録ユニット2(記録装置)におけるランニングコストを低減することができる。
以下、具体例を挙げて更に説明する。
前述した様に、記録システム1は、複数の下流側搬送経路として、第1の下流側搬送経路13と、第1の下流側搬送経路13よりも経路長の長い第2の下流側搬送経路30と、を含んでいる。
そして、制御部27は、記録後の用紙が第1の下流側搬送経路13に送られる場合に、ヒートローラー対11を第3の状態とし、記録後の用紙が第2の下流側搬送経路30に送られる場合に、ヒートローラー対11を第3の状態よりも加熱する第4の状態にする。
尚、ここで言うヒートローラー対11の第3の状態と第4の状態は、ヒートローラー対11の加熱状態が、第3の状態よりも第4の状態の方が相対的に加熱されている状態であることを意味し、前述したヒートローラー対11の第1の状態と第2の状態の関係と同じである。
ヒートローラー対11の加熱が、第3の状態<第4の状態を満たしていれば良く、第1の制御または第2の制御を行わず、第3の制御だけを行う場合には、例えば、第3の状態が第1の状態と同じであり、第4の状態が第2の状態と同じであってもよい。
尚、第1の制御または第2の制御を行って、所定の分割領域(例えば、分割領域M1、M3)をヒートローラー対11の第2状態で乾燥すると判断された場合に、その第2の状態を、記録後の用紙の搬送先に応じて更に変えることもできる。第1の制御または第2の制御を行って、所定の分割領域が第1状態と判断された場合も同様である。
その場合には、ヒートローラー対11の加熱が、第1の状態<第2の状態を満たす範囲で、第3の状態(低温)と第4の状態(高温)を設定する。
図15に示すフローチャートを参照して説明すると、制御部27は、記録後の用紙をいずれの下流側搬送経路に搬送するかを判断する(ステップS11)。
ステップS11において、記録後の用紙が、比較的単純な形状の媒体搬送経路である第1の下流側搬送経路13に搬送されると判断された場合には、ヒートローラー対11の加熱を第4の状態よりも抑制された第3の状態にして用紙を乾燥する(ステップS12)。また、ステップS11において、記録後の用紙が、第1の下流側搬送経路13よりも複雑で経路長の長い第2の下流側搬送経路30に搬送されると判断された場合には、ヒートローラー対11を第3の状態よりも加熱した第4の状態にして用紙を乾燥する(ステップS13)。
尚、第3の状態において、ヒートローラー対11の加熱を抑制する場合、加熱をオフにする、すなわち、加熱しない状態にしてもよい。
制御部27が、このような制御を実行することにより、用紙の乾燥が不十分であると経路内での紙詰まり等の不具合が発生し易い、長い経路長の第2の下流側搬送経路30に、記録後の用紙が送られる場合に、用紙の乾燥を確実に行い、不具合の発生の虞を低減できる。
一方、経路長が短く、第2の下流側搬送経路30よりも相対的に不具合の発生し難い第1の下流側搬送経路13に記録後の用紙が送られる場合には、ヒートローラー対11の加熱を抑制し、装置のランニングコストの抑制を図ることができる。
また、制御部27は、ヒートローラー対11の加熱の程度を制御する他、例えば、ヒートローラー対11の加熱状態は同じ(例えば、第4の状態)にして、記録後の用紙がいずれの下流側搬送経路に搬送されるかに応じて、加熱時間を変える制御を実行することもできる。
具体的には、記録後の用紙が第1の下流側搬送経路13に搬送される場合には、ヒートローラー対11の加熱時間を第1の加熱時間にして、記録後の用紙が第2の下流側搬送経路30に搬送される場合に、ヒートローラー対11の加熱時間を第1の加熱時間よりも相対的に長い第2の加熱時間とする。このことによっても、第2の下流側搬送経路30に搬送される用紙の乾燥の確実性を高めるとともに、第2の下流側搬送経路30よりも相対的に不具合の発生し難い第1の下流側搬送経路13に記録後の用紙が送られる場合には、ヒートローラー対11の加熱時間を短くして、装置のランニングコストの抑制を図ることができる。
尚、記録後の用紙が「第3の下流側搬送経路」としての両面記録用スイッチバック経路15に搬送される場合も、ヒートローラー対11の動作が制御部27によって制御される。
両面記録用スイッチバック経路15に搬送された用紙は、反転経路16に搬送されることになるので、結果として、第1の下流側搬送経路13よりも経路長が長く、経路の湾曲も多い複雑な媒体搬送経路を搬送されることになる。よって、例えば、第2の下流側搬送経路30と同様の条件で用紙に対する乾燥を行うことができる。
また、両面記録用スイッチバック経路15と反転経路16は、第2の下流側搬送経路30よりは経路長が短く、経路の形状も単純であるため、第1の下流側搬送経路13に用紙を送る場合よりはヒートローラー対11を加熱するが、第2の下流側搬送経路30に用紙を送る場合よりもヒートローラー対11の加熱を抑制することもできる。
また、ヒートローラー対11は、複数の下流側搬送経路に分岐する分岐部G1、G2よりも上流側の媒体搬送経路に設けられているので、ラインヘッド10による記録後の用紙が、複数の下流側搬送経路のうち、いずれの経路に送られる場合でも、一つのヒートローラー対11によって用紙を乾燥することができ、装置の大型化抑制とコストアップ抑制とを図ることができる。
<<第4の制御>>
また、制御部27は、前述のように、記録後の用紙がいずれの下流側搬送経路に搬送されるかに応じてヒートローラー対11の動作を制御する第3の制御の他、更に、ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の条件に応じて、ヒートローラー対11を制御することができる。
第1の制御〜第3の制御を行わず、第4の制御だけを行うことができる他、例えば、第1の制御または第2の制御を行って、所定の分割領域(例えば、分割領域M1、M3)をヒートローラー対11の第2状態で乾燥すると判断された場合に、その第2の状態を、ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の条件に応じて更に変えることができる。第1の制御または第2の制御を行って、所定の分割領域が第1状態と判断された場合も同様である。
また、第3の制御を行って、記録後の用紙が第1の下流側搬送経路13よりも複雑で経路長の長い第2の下流側搬送経路30に搬送されると判断された場合における、ヒートローラー対11の第4の状態を、ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の条件に応じて変えることができる。
同様に、第3の制御を行って、記録後の用紙が第1の下流側搬送経路13に搬送されると判断された場合における、ヒートローラー対11の第3の状態を、ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の条件に応じて変えることができる。
ここでの用紙Pの乾燥を行う際の条件としては、例えば、用紙の種別、用紙サイズ、インクの吐出量、余白量、用紙搬送速度、直近の用紙の記録面が既に記録が行われた面の裏面であるか否か、記録環境(温度、湿度)等が挙げられる。用紙の種別は、材質の他、厚み、坪量(単位面積当たりの重さ)等の違いによる種別も含むものとする。
制御部27が、ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の条件に応じて、ヒートローラー対11を制御することにより、無駄な電力消費を抑えることができる。
例えば、用紙の乾燥を行う際の条件が、用紙の乾燥に好適な条件であれば、ヒートローラー対11による乾燥時間を短くする、或いは乾燥のための加熱温度を低くする、或いは乾燥のための加熱を行わない等により、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の条件の具体的な例を挙げて、ヒートローラー対11の動作の制御について説明する。
◆◆ヒートローラー対により用紙の乾燥を行う際の条件による制御◆◆
<<用紙種類に応じた制御>>
記録システム1の記録ユニット2において用いられる用紙としては、所謂、普通紙の他、表面にコート剤が塗布されたコート紙、ハガキ、封筒等がある。
制御部27は、これらの用紙種類に応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。
表3に、用紙種類に応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
制御部27は、用紙種類がコート紙、ハガキ、または封筒である場合に、ヒートローラー対11を第5の状態とし、用紙種類が普通紙である場合に、ヒートローラー対11を第5の状態よりも加熱する第6の状態にする。
尚、ここで言うヒートローラー対11の第3の状態と第4の状態は、ヒートローラー対11の加熱状態が、第5の状態よりも第6の状態の方が相対的に加熱されている状態であることを意味し、前述したヒートローラー対11の第1の状態(高温)と第2の状態(低温)との関係、または、第3の状態(高温)と第4の状態(低温)との関係と同じである。
記録された用紙が普通紙である場合には、より加熱した第6の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。一方、コート紙は表面にコート剤が塗布されているため、加熱するとコート剤にダメージを与える虞がある。したがって、第6の状態よりも加熱を抑制した第5の状態のヒートローラー対11で乾燥を行う。
また、普通紙よりも厚みがあるハガキや、紙が二重になっている封筒は、吐出されたインクによって用紙がカールしたり剛性が低くなったりする虞が低いため、第5の状態のヒートローラー対11で乾燥を行う。
尚、第5の状態において、ヒートローラー対11の加熱を抑制する場合、加熱をオフにする、すなわち、加熱しない状態にしてもよい。
以上のように、用紙種類に応じて、ヒートローラー対11の第5の状態(加熱オフの場合も含む)と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
また、上記では、ヒートローラー対11の加熱状態を切り替える制御を例としたが、ヒートローラー対11による加熱時間を短くする制御を行うことも可能である。以下、ヒートローラー対11により用紙の乾燥を行う際の他の条件の説明をする際も、基本的にヒートローラー対11の動作制御として第5の状態と第6の状態との切り替えを行う場合を例に挙げるが、加熱時間を変える制御もできるものとする。
ヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替える構成については後で詳しく説明する。
<<用紙坪量に応じた制御>>
例えば、紙種(紙質)が同じでも、用紙坪量(g/m)が異なる場合がある。
制御部27は、用紙坪量に応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。
表4に、用紙坪量に応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
坪量が大きく厚みがある用紙は、坪量が小さく薄い用紙よりも、インク吸収によるカールが生じ難い。したがって、一例として用紙坪量が100g/m未満の場合に、第5の状態より加熱した第6の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。また、用紙坪量が100g/m以上の場合に、加熱を抑制した第5の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。
以上のように、用紙坪量に応じて、ヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
尚、用紙坪量100g/m未満の条件を、更に細かく分け(例えば、60g/m未満、60g/m以上80g/m未満、80g/m以上100g/m未満等)、坪量が小さくなるに従って、加熱温度を段階的に低くしたり、加熱時間を段階的に短くしたりすることもできる。
<<用紙サイズに応じた制御>>
制御部27は、用紙サイズに応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。
表5に、用紙サイズに応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
一般的にはがきサイズ等のように用紙サイズが小さい場合は用紙の厚みがあるので、吐出されたインクによって用紙がカールしたり剛性が低くなったりする虞が低いため、第5の状態のヒートローラー対11で乾燥を行う。
以上のように、用紙サイズに応じて、ヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
<<インクの吐出量に応じた制御>>
制御部27は、用紙へのインクの吐出量W(ml/m)に応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。
表6に、用紙へのインクの吐出量Wに応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
用紙へのインクの吐出量Wが多いと、用紙がカールし易く、また用紙の剛性も低くなるため、媒体搬送経路に引っ掛かり易くなる。また、記録面のインクが各種ローラー等に付着し易い。
従って、インクの吐出量Wの多い用紙を確実に乾燥するため、例えば、用紙への単位面積当たりのインクの吐出量W(ml/m)が所定のしきい値W1を超えた場合に、第5の状態より加熱する第6の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。また、インクの吐出量Wがそれほど多くなく、所定のしきい値W1以下である場合に、第5の状態(第6の状態よりも加熱が抑制されている)のヒートローラー対11による乾燥を行う。
以上のように、用紙へのインクの吐出量Wに応じて、ヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
尚、インクの吐出量Wの条件を細かく分け、例えば、インクの吐出量Wが少なくなるに従って、加熱温度を段階的に低くしたり、加熱時間を段階的に短くしたりすることもできる。
<<余白量に応じた制御>>
制御部27は、用紙の先端領域の余白量N(mm)に応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。
表7に、用紙の先端領域の余白量Nに応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
用紙の先端領域の余白量Nが少ない場合、用紙先端はカールし易い傾向にある。このため、媒体搬送経路に引っ掛かり易くなる。逆に、用紙の先端領域の余白量Nが多い場合には、用紙先端にカールは生じ難い傾向がある。
従って、例えば、用紙の先端領域の用紙の余白量Nが所定の閾値N1以下である場合に、第5の状態より加熱した第6の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。また、用紙の先端領域の用紙の余白量Nが所定の閾値N1を超える場合に、加熱を抑制した第5の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。
用紙先端の余白量Nの条件を細かく分け、例えば、余白量Nが増えるに従って、加熱温度を段階的に低くしたり、加熱時間を段階的に短くしたりすることもできる。
以上のように、用紙の余白量Nに応じて、ヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
<<用紙の搬送速度に応じた制御>>
制御部27は、ヒートローラー対11による乾燥を行う際の用紙の搬送速度に応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。
本実施形態において、ヒートローラー対11の上流側に位置するベルト搬送手段20によって搬送される用紙の搬送速度は、所定の搬送速度Vと、搬送速度Vに対して3/4の速度(以下、3/4V)、1/2の速度(以下、1/2V)、1/4の速度(以下、1/4V)と、に変更可能になっている。
表8に、用紙搬送速度に応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
用紙搬送速度が速い場合(例えば搬送速度V、3/4V)、ヒートローラー対11との接触時間が短いので、より加熱した第6の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。また、用紙搬送速度が遅い場合(例えば搬送速度1/2V、1/4V)や、これ以外、例えば、ヒートローラー対11による挟持状態で用紙が停止した場合等には、加熱を抑制した第5の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。
以上のように、用紙の搬送速度に応じて、ヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
<<直近の用紙の記録面が既に記録が行われた面の裏面であるか否かに応じた制御>>
制御部27は、乾燥される用紙の直近の記録面が、既に記録が行われた面の裏面であるか否かに応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。「直近の用紙の記録面が既に記録が行われた面の裏面である」とは、つまり、両面記録の際の、第1面への記録後に第2面に記録が行われた用紙の、第2面を指す。「直近の用紙の記録面が既に記録が行われた面の裏面ではない」とは、単に片面記録を行った場合の用紙の片面の他、両面記録を行う場合の第1面への記録後の用紙の第1面を指す。
表9に、用紙搬送速度に応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
直近の用紙の記録面が第1面である、すなわち、第1面のみに記録を行った用紙に対しては、加熱を抑制した第5の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。一方、直近の用紙の記録面が第2面である、すなわち、両面記録後の用紙は、片面記録後の用紙よりも剛性が低くなり易いので、より確実な乾燥を行うため、第5の状態よりも加熱した第6の状態のヒートローラー対11による乾燥を行う。
以上のように、乾燥される用紙が、直近の用紙の記録面が既に記録が行われた面の裏面であるか否かに応じて、ヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
<<乾燥を行う際の環境に応じた制御>>
制御部27は、乾燥を行う際の環境に応じて、ヒートローラー対11の動作を制御することができる。乾燥を行う際の環境としては、例えば、温度及び湿度の一方または両方を用いることができる。また、温度及び湿度は、記録システム1が設置される室内の温度及び湿度をもちいることができる。記録ユニット2内に不図示の湿度計測部及び温度計測部を設け、これらの計測結果を用いてもよい。
本実施形態においては、温湿度環境における温度と湿度の関係に応じ、記録環境を図16に示すような9つの区分K1〜区分K9に分け、区分K1〜区分K9に応じてヒートローラー対11の動作を制御する。
表10に、温湿度環境に応じたヒートローラー対11の動作制御の一例を示す。
Figure 2019142085
尚、温湿度環境の温度だけの観点で言えば、温度が低いほど乾燥し難く、温度が高いほど乾燥し易い。よって、温湿度環境の温度に応じてヒートローラー対11の動作を制御する場合には、温度が高くなるに従って、ヒートローラー対11の加熱温度を段階的に低くしたり、ヒートローラー対11による加熱時間を段階的に短くしたりすることができる。
また、温湿度環境の湿度だけの観点で言えば、湿度が高いほど乾燥し難く、温度が低いほど乾燥し易い。よって、温湿度環境の湿度に応じてヒートローラー対11の動作を制御する場合には、湿度が低くなるに従って、ヒートローラー対11の加熱温度を段階的に低くしたり、ヒートローラー対11による加熱時間を段階的に短くしたりすることができる。
以上のように、乾燥を行う際の環境に応じてヒートローラー対11の第5の状態と第6の状態とを切り替えるので、ヒートローラー対11における消費電力を抑制することができる。
上述した用紙の乾燥を行う際の条件のうち、特に、用紙の乾燥し易さへの影響が大きい条件に応じて、ヒートローラー対11の動作を制御するとよい。
例えば、インクの吐出量、用紙の種別、両面記録か片面記録か、等の条件は、用紙の乾燥し易さに特に影響し易い。また、季節によっては、乾燥環境(温度、湿度)の影響も大きくなる。このような条件を優先して用いることにより、ヒートローラー対11の動作(例えば、温度の切り替え)を効果的に制御して、効率よく消費電力を抑制することができる。
また、用紙の種別、用紙サイズ、インクの吐出量、余白量、…などの一つ一つの条件が、当該条件の違いに応じて変わる固有の係数を有し、係数を掛けることによりヒートローラー対11の動作を決める様にすることもできる。
例えば、記録後の用紙が第2の下流側搬送経路30に搬送され、第6の状態のヒートローラー対11で用紙を乾燥する場合の基準温度をT1とする。この基準温度T1は、乾燥環境に拘わらず定められた一定の温度である。
そして、この基準温度T1を基準にして、乾燥環境に応じてT1を変動させる。例えば、表10の高温区分になる場合には、基準温度T1に対して1より大きい係数(例えば、「1.2」など)を掛ける。逆に低温区分になる場合には、基準温度T1に対して1より小さい係数(例えば、「0.8」など)を掛ける。この様にすることで、より適切な乾燥を行うことができる。
尚、この場合において、更に他の条件に応じて順次係数を掛けていき、最終的なヒートローラー対11の温度を決定するようにしても良い。
更にこの場合において、用紙の乾燥し易さに対する影響の大小に鑑みて上記係数を異ならせるようにしても良い。例えば、用紙サイズは、インクの吐出量や用紙種別などの観点よりも、用紙の乾燥し易さに対する影響は小さいと考えられる。
従って、用紙サイズの観点で高温区分になる場合の上記係数を例えば「1.1」とし、インクの吐出量の観点で高温区分になる場合の上記係数を例えば「1.2」とする様にして、条件に応じて重み付けを行う様にしても良い。この場合において、例えば、用紙種別、インク吐出量、余白量、直近の記録面が既に記録が行われた面の裏面であるか否か、のこれらの観点は、用紙サイズ、用紙の搬送速度、のこれらの観点よりも重みが重いと言える。
◆◆複数の条件を用いた制御について◆◆
制御部27は、ヒートローラー対11による用紙の乾燥を行う際の条件として複数の条件を用い、複数の条件に基づいてヒートローラー対11を制御することができる。
複数の条件としては、前述した、インクの吐出量と、用紙の種別(紙種、坪量、厚み、剛性等)と、用紙のサイズと、乾燥環境における温度と、乾燥環境における湿度と、用紙の先端領域の余白量と、直近の用紙の記録面が、既に記録が行われた面の裏面であるか否かと、用紙の搬送速度と、のこれらの少なくとも二つを含む。
以下、図17に示すフローチャートを参照して、複数の条件を用いた制御の一例について説明する。
制御部27は、まず、直近の用紙の記録面が、既に記録が行われた面の裏面であるか否かを判断する(ステップS11)。直近の用紙の記録面が、既に記録が行われた面の裏面ではない場合(ステップS11においてNO)、ステップS12に進み、直近の用紙の記録面が、既に記録が行われた面の裏面である場合(ステップS11においてYES)、ステップS15に進む。
尚、以下において、「直近の記録面が既に記録が行われた面の裏面ではない場合」を片面記録後といい、「直近の記録面が既に記録が行われた面の裏面である場合」を片面記録後という。
続いて、制御部27は、ステップS12またはステップS15において、用紙のサイズ区分を判断する。
尚、本実施形態において、A4、A5、A6、B5、B6、またはレター(LTR)を小サイズとし、これらより大きいサイズ[例えば、A3、B4、リーガル(LGL)サイズ等]を大サイズとする。
ここで、制御部27は、「片面記録後の小サイズの用紙」と、「片面記録後の大サイズの用紙」と、「両面記録後の小サイズの用紙」と、「両面記録後の大サイズの用紙」と、のそれぞれに対して、インクの吐出量と、乾燥環境における温度と、乾燥環境における湿度と、用紙の搬送速度と、に応じた4つの制御テーブル(第1テーブル〜第4テーブル)を備えている。表11に、片面記録後の小サイズの用紙用の制御テーブルである第1テーブルの一例を示す。表12に、片面記録後の大サイズの用紙用の制御テーブルである第2テーブルの一例を示す。表13に、両面記録後の小サイズの用紙用の制御テーブルである第3テーブルの一例を示す。表14に、両面記録後の大サイズの用紙用の制御テーブルである第4テーブルの一例を示す。
尚、各テーブルにおいて、記録濃度(%)とは、インク吐出量に対応して増減する値であり、1枚の用紙の記録可能領域への最大インク打込可能量(g)に対する、総インク吐出量(g)の割合である。つまり、記録濃度(%)=1枚の用紙への総インク吐出量(g)/最大インク打込可能量(g)×100である。1枚の用紙の記録可能領域への最大インク打込可能量(g)は、記録ユニット2に設けられるラインヘッド10による単位面積当たりにおける最大インク打込可能量(g)から求めることができる。
また、これに限られず、記録濃度(%)は、1枚の用紙の面積に対するインクが吐出された領域の面積の割合とすることもできる。
Figure 2019142085
Figure 2019142085
Figure 2019142085
Figure 2019142085
そして、ステップS12において、用紙が小サイズと判断された場合、ステップS13に進み、第1テーブル(表11)を用いてヒートローラー対11の動作を制御する。また、ステップS12において、用紙が大サイズと判断された場合、ステップS14に進み、第2テーブル(表12)を用いてヒートローラー対11の動作を制御する。
また、ステップS15において、用紙が小サイズと判断された場合、ステップS16に進み、第3テーブル(表13)を用いてヒートローラー対11の動作を制御する。また、ステップS15において、用紙が大サイズと判断された場合、ステップS17に進み、第4テーブル(表14)を用いてヒートローラー対11の動作を制御する。
以上のように、制御部27が、ヒートローラー対11による用紙の乾燥を行う際の条件として複数の条件を用い、複数の条件に基づいてヒートローラー対11を制御することによって、より適切にヒートローラー対11を制御することができ、ひいてはよりヒートローラー対11における消費電力を低減することができる。
尚、本実施形態において、記録システム1は、個別の記録ユニット2と、中継ユニット3と、後処理ユニット4とを組み合わせて構成されているが、記録ユニット2、中継ユニット3、及び後処理ユニット4を一体に構成した記録システムとすることもできる。
また、記録ユニット2は、中継ユニット3及び後処理ユニット4以外の他の構成の中継ユニットや後処理ユニットが接続されたときにも、制御部27の制御により、ヒートローラー対11の各種動作の制御を実行可能に構成されている。
以上、本発明に係る記録装置としての記録ユニット、及びこれを備える記録システムの例について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1…記録システム、2…記録ユニット(記録装置)、3…中継ユニット、4…後処理ユニット、5…プリンター部、6…スキャナー部、7…用紙収容カセット、8…第1排出部、9…媒体載置部、10…ラインヘッド、11…ヒートローラー対(乾燥部)、11a…駆動ローラー(第1ローラー)、11b…従動ローラー(第2ローラー)、12…ストレート経路、13…第1の下流側搬送経路、14…給送経路、15…両面記録用スイッチバック経路、16…反転経路、17…給送ローラー、18…分離ローラー対、19…レジストローラー対、20…ベルト搬送手段、21…搬送ローラー対、22…搬送ローラー対、23…搬送ローラー対群、24…搬送ローラー対、25…除電部、26…切替部、27…制御部、28…受渡部、29…搬送ローラー対、30…第2の下流側搬送経路、31…記録ユニット経路、32…中継ユニット経路、33…後処理ユニット経路、34…上流側中継部、35…下流側中継部、36、37…案内フラップ、38…搬送ローラー対、40…第2排出部、41…受入部、42、43…搬送ローラー対、44…後処理部、45…ガイドフラップ、46…排出ローラー、47…排出トレイ、50…導入経路、51…第1分岐経路、52…第1スイッチバック経路、53…第1合流経路、54…第2分岐経路、55…第2スイッチバック経路、56…第2合流経路、57…第1の搬送ローラー対群、58…第2の搬送ローラー対群、59…第3の搬送ローラー対群、60…第4の搬送ローラー対群、61…第5の搬送ローラー対群、62…補正ローラー対、63…排出ローラー対、70…手差しトレイ、71…搬送ローラー対、72…排出部、73…排紙トレイ、74…第4の下流側搬送経路、81…第1保持部、82…第2保持部、83…軸部、84…ギザローラー(拍車)、90…誘導コイル、91…ヒートローラー対(乾燥部)、92…駆動ローラー(第1ローラー)、93…従動ローラー(第2ローラー)、100…ヒートローラー対(乾燥部)、101…駆動ローラー(第1ローラー)、102…従動ローラー(第2ローラー)、P…用紙(媒体)、G1、G2…分岐部

Claims (14)

  1. 搬送される媒体に液体を吐出して記録を行う記録部と、
    前記媒体に接触するとともに加熱により記録後の前記媒体の乾燥を行う乾燥部と、
    前記乾燥部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記乾燥部は、媒体搬送方向と交差する幅方向における加熱領域が複数に分割されているとともに、分割領域ごとに加熱状態を変更可能に構成されており、
    前記制御部は、前記乾燥部により前記媒体の乾燥を行う際の条件に応じて、前記乾燥部における各分割領域の加熱状態を制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、
    前記制御部は、前記乾燥を行う際の条件として前記媒体の前記幅方向のサイズを用い、前記幅方向の端部以外に対応する前記分割領域の加熱状態を第1の状態として、前記媒体の前記幅方向の端部に対応する前記分割領域の加熱状態を、前記第1の状態よりも加熱する第2の状態とする、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1に記載の記録装置において、
    前記制御部は、前記乾燥を行う際の条件として前記液体の吐出量を用い、前記媒体の前記幅方向において、前記液体の吐出量が所定のしきい値以下の記録領域に対応する前記分割領域の加熱状態を第1の状態として、前記液体の吐出量が所定のしきい値を越える記録領域に対応する前記分割領域の加熱状態を前記第1の状態よりも加熱する第2の状態とする、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記乾燥部は、第1ローラーと第2ローラーとで前記媒体を挟持するローラー対を備えて構成され、前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、少なくとも一方が加熱される構成である、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項4に記載の記録装置において、
    前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向に複数配置されるとともに、個別に加熱状態を制御可能に構成されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項4に記載の記録装置において、
    前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向全域に亘って延設されるとともに、前記幅方向において部分的に加熱状態を変更可能に構成されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項4に記載の記録装置において、
    前記第1ローラーと前記第2ローラーのうち、加熱されるローラーは、前記幅方向に少なくとも2つ配置されるとともに、それぞれが前記幅方向に移動可能に構成されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記ローラー対は、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで前記媒体を挟持可能な挟持状態と、前記第1ローラーと前記第2ローラーとが離間する離間状態と、の間で切り換え可能に構成される、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項8に記載の記録装置において、
    前記制御部は、
    前記ローラー対が目標加熱状態に達していない場合に、前記ローラー対を前記離間状態にし、
    前記ローラー対が前記目標加熱状態に達した場合に、前記ローラー対を前記挟持状態にする、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の記録装置において、
    前記ローラー対の前記挟持状態において、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの双方が媒体搬送経路に進出し、前記ローラー対の前記離間状態において、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの双方が媒体搬送経路から退避する構成である、
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 請求項8または請求項9に記載の記録装置において、
    前記第1ローラーが、前記媒体の直近の記録面の側に設けられるとともに媒体搬送経路に対して進退可能に設けられ、前記離間状態において媒体搬送経路から離間し、
    前記媒体の直近の記録面の側に、媒体搬送経路に対して進退可能な拍車が設けられ、
    前記拍車は、前記第1ローラーが媒体搬送経路から離間した状態において、媒体搬送経路に進出した状態となって前記第2ローラーとの間で前記媒体を挟持する、
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の記録装置において、前記記録部の下流側に位置する分岐部で分岐する複数の下流側搬送経路を備え、
    前記乾燥部は、前記記録部と、前記分岐部と、の間の媒体搬送経路に設けられる、
    ことを特徴とする記録装置。
  13. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の記録装置において、前記記録部の下流側に位置する分岐部で分岐する複数の下流側搬送経路を備え、
    前記乾燥部は、複数の前記下流側搬送経路のそれぞれに設けられ、前記制御部により個別に制御される、
    ことを特徴とする記録装置。
  14. 媒体に液体を吐出して記録を行う記録部を有する記録ユニットと、
    前記記録ユニットに隣接して設けられ、前記記録ユニットから前記媒体を受け入れて搬送する隣接ユニットと、
    前記媒体に接触するとともに加熱により記録後の前記媒体の乾燥を行う乾燥部と、
    前記乾燥部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記乾燥部は、媒体搬送方向と交差する幅方向における加熱領域が複数に分割されているとともに、分割領域ごとに加熱状態を変更可能に構成されており、
    前記制御部は、前記乾燥部により前記媒体の乾燥を行う際の条件に応じて、前記乾燥部における各分割領域の加熱状態を制御する、
    ことを特徴とする記録システム。
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