JP2019141858A - 加工方法および加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工部材を目標とする形状に加工する加工方法を提供する。【解決手段】加工方法は、治具に装着した被加工部材を回転し、被加工部材の端部を、成形用ローラと成形受け用ローラとにより挟み込んで、異方向に屈曲された第1の屈曲部と第2の屈曲部を有し、第1と第2の屈曲部の間に拡径部が配置され、第1の屈曲部には非加工部が延設され、第2の屈曲部には面板部が延設された断面Z形状に加工し、曲げ加工としごき加工と仕上げ加工とを備える。曲げ加工は、成形用ローラにより、被加工部材の端部に力を加え第1の屈曲部を曲げる。しごき加工は、第1の屈曲部が曲げられた被加工部材に、成形用ローラで、成形受け用ローラに設けられた成形部との間で面板部をしごきながら成形し、面板部と第2の屈曲部と拡径部とを形成する。仕上げ加工は、面板部と第2の屈曲部と拡径部とが形成された被加工部材を、成形用ローラにより、拡径部を押圧する。【選択図】図1

Description

本発明は、加工方法および加工装置に関する。
筒状の被加工部材を回転し、ローラを押し付けて成形するスピニング加工方法が知られている。製品形状の不具合を防止し、かつ低コストで高精度な製品を製造することができるスピニング加工装置として、特許文献1および2に一対のローラにより材料を挟み込みスピニング加工するスピニング加工装置が開示されている。
特許文献1は、光学式プロファイル測定器により被加工部材の形状を測定し、一対のローラの間隔が被加工部材の目標となる形状に対応する値になるように、一対のローラの軌道を補正し、補正した軌道で一対のローラを駆動する制御部を備えたスピニング加工装置を開示する。
特許文献2は、円筒状の被加工部材の開口端部に、その外周面から、その周に沿って板厚方向に圧縮力を負荷することによって、円筒状の被加工部材を板厚方向と周方向とに塑性変形し、被加工部材の開口端部の帯状の範囲の周方向の長さを延伸するスピニング加工装置を開示する。これにより、円筒状の被加工部材の開口端部近傍の周方向の経路長と真円度を矯正することができる。
特開2015−221443号公報 特開2016−168620号公報
スピニング加工装置で被加工部材を加工する際、一対のローラを被加工部材から離隔したとき、被加工部材に施した変形が若干もとに戻るスプリングバックという現象が生じる。これにより、一対のローラで被加工部材に力を加えているとき、被加工部材が目標となる形状に成形されていたとしても、一対のローラを被加工部材から離隔すると、被加工部材の形状が目標とした形状と異なるという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、被加工部材を目標とする形状に加工する加工方法および加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る加工方法は、治具に装着した筒状の被加工部材を回転し、被加工部材の端部を、成形用ローラと成形受け用ローラとにより挟み込んで、異方向に屈曲された第1の屈曲部と第2の屈曲部を有し、第1と第2の屈曲部の間に拡径部が配置され、第1の屈曲部には非加工部が延設され、第2の屈曲部には面板部が延設された断面Z形状に加工する加工方法であって、曲げ加工する工程と、しごき加工する工程と、仕上げ加工する工程と、を備える。成形受け用ローラは、治具に対向し被加工部材を挟む挟持部と、被加工部材の成形形状を決定する成形部と、を有する。曲げ加工する工程では、治具と成形受け用ローラの挟持部とで被加工部材を挟んだ状態で、成形用ローラにより、被加工部材の端部に力を加え第1の屈曲部を曲げる。しごき加工する工程では、第1の屈曲部が曲げられた被加工部材に、成形用ローラを押し当てて、成形受け用ローラに設けられた成形部との間で面板部をしごきながら成形し、面板部と第2の屈曲部と拡径部とを形成する。仕上げ加工する工程では、面板部と第2の屈曲部と拡径部とが形成された被加工部材の拡径部を、成形用ローラにより押圧する。
本発明によれば、成形用ローラにより、拡径部を押圧する仕上げ加工を実施することで、スプリングバックによる変形を押さえることができる。これにより、被加工部材を目標とする形状に加工することができる。
(a)は、本発明の実施の形態1に係る加工方法を説明する図、(b)は、本発明の実施の形態1による加工方法を説明する断面図 (a)は、本発明の実施の形態1に係る加工方法により成形された成形体を示す図、(b)は、図2(a)のA−A断面図 本発明の実施の形態1に係る加工装置を示す図 (a)は、本発明の実施の形態1に係る把持治具を軸方向から見た図、(b)は、図4(a)のB−B断面図 本発明の実施の形態1に係る芯押しユニットを示す図 本発明の実施の形態1に係るローラユニットを示す図 本発明の実施の形態1に係る成形用ローラユニットを示す図 本発明の実施の形態1に係る成形受け用ローラユニットを示す図 本発明の実施の形態1に係る成形受け用ローラを示す図 本発明の実施の形態1に係る成形受け用ローラを回転軸を含む面で切断した拡大断面図 本発明の実施の形態1に係る成形用ローラおよび成形受け用ローラを示す図 本発明の実施の形態1に係る加工方法を説明する図 本発明の実施の形態1に係る加工方法を説明する図 本発明の実施の形態1に係る加工方法を説明する図 比較例に係る加工方法を説明する図 比較例に係る加工方法を説明する図 本発明の変形例に係る加工方法を説明する図 本発明の変形例に係る加工方法を説明する図
(実施の形態)
以下、本発明を実施するための形態に係る加工方法および加工装置を図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る加工方法は、図1(a)および図1(b)に示すように、円筒状の被加工部材101を内治具203に取り付けた状態で被加工部材101を回転し、被加工部材101の内面に配置された成形用ローラ201と外面に配置された成形受け用ローラ202とで、被加工部材101を挟み込んで成形するものである。この加工方法は、一般にスピニング加工方法と称される。被加工部材101は、塑性変形する材料で作成されればよく、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、または一般の軟鋼で作成されることが好ましい。被加工部材101の厚みは、成形用ローラ201と成形受け用ローラ202とで挟み込んで成形することができる厚みであればよく、0.5から2mmが好ましい。本実施の形態では、図2(a)および図2(b)に示すように、被加工部材101の開口端周縁を断面Z形状に加工する。
断面Z形状に加工された被加工部材101の開口端周縁は、異方向に屈曲された第1の屈曲部102と第2の屈曲部103を有し、第1と第2の屈曲部の間に拡径部104が配置され、第1の屈曲部102には非加工部が延設され、第2の屈曲部103には面板部105が延設されている。
本実施の形態に係る加工装置200は、図3に示すように、被加工部材101の内面に接する成形用ローラ201、被加工部材101の外面に接する成形受け用ローラ202、被加工部材101が搭載される内治具203および把持治具204と、内治具203および把持治具204に連結された回転主軸205および回転従動軸206と、回転主軸205を回転するモータ207と、被加工部材101の位置決めをするための端面ストッパ208と、成形用ローラ201および成形受け用ローラ202の動きを制御する制御部220と、を備える。内治具203と把持治具204と回転主軸205と回転従動軸206とモータ207とは、回転機構として機能する。
理解を容易にするために、被加工部材101の軸方向をx軸方向、鉛直上方向をy軸方向、x軸方向およびy軸方向に垂直な方向をz軸方向とする直交座標系を設定し、適宜参照する。
成形用ローラ201は、x軸レール209によりx軸方向に移動可能であり、y軸レール210によりy軸方向に移動可能である。成形受け用ローラ202は、x軸レール209によりx軸方向に移動可能であり、y軸レール211によりy軸方向に移動可能である。成形受け用ローラ202と成形用ローラ201と内治具203と把持治具204とは、被加工部材101の両方の開口端を同時に加工可能に、被加工部材101の軸方向に向かい合わせに一組ずつ配置されている。被加工部材101は、内治具203および把持治具204に取り付けられ、回転主軸205の回転により回転する。回転従動軸206の回転軸は、回転主軸205の回転軸と同じ軸線AX上に配置されている。モータ207と回転主軸205は、ベルトまたはギアを備える動力伝達機能を有する減速機構212を介して連結される。
内治具203は、円盤状の形状を有し、外周部は被加工部材101の内周に内接する。把持治具204は、図4(a)および図4(b)に示すように、被加工部材101の内面に接する扇状の把持ブロック301と、把持ブロック301を支持する支持部302と、支持部302の端部に設置された楔状の被駆動部303を有している。把持治具204の支持部302は、被加工部材101に対して径方向に移動可能である。回転主軸205および回転従動軸206には円錐状の押出部材304が設けられており、この押出部材304が図示しない駆動部により図4の矢印aの方向に移動すると、把持治具204の被駆動部303が図4の矢印b方向に移動し、その結果、把持ブロック301が被加工部材101の内周面を押圧し、被加工部材101の内面と把持ブロック301との間に摩擦力が生じ、被加工部材101が把持治具204に把持される。
加工装置200は、図5に示すように、被加工部材101を内治具203および把持治具204に取り付けおよび取り外しするための芯押しユニット401を更に備える。芯押しユニット401は、端面ストッパ208をx軸方向に移動するシリンダ404を備え、被加工部材101を挟んで向かい合わせて1台ずつ配置される。芯押しユニット401は、加工装置200の土台402に配置されたレール403に沿って±x軸方向に移動する。芯押しユニット401が±x軸方向に移動し、芯押しユニット401が互いに離れた状態で、被加工部材101の長軸を軸線AXに一致させて、被加工部材101を配置する。その後、芯押しユニット401が±x軸方向に移動し、互いに近づくと、被加工部材101の端部に内治具203および把持治具204が挿入される。つぎに、シリンダ404により端面ストッパ208に被加工部材101を押し当ててx軸方向の位置決めをする。つぎに、把持治具204によって被加工部材101の位置が拘束された後、端面ストッパ208は、成形加工の妨げとならない位置まで後退する。把持治具204は、被加工部材101の両端部を把持するので、成形中に生じる被加工部材101のx軸方向の変位を防ぐことができる。芯押しユニット401は、成形加工が完了した後、把持治具204による被加工部材101の拘束を解除し、成形の完了した被加工部材101の取り出しの妨げにならない位置まで離れる。
成形用ローラ201および成形受け用ローラ202は、図6から図8に示すように、ローラユニット500に配置されている。ローラユニット500は、成形用ローラ201を備えた第1のユニット501と、成形受け用ローラ202を備えた第2のユニット502と、を備える。第1と第2のユニット501、502は、制御部220の指示により、ローラユニット500の本体に配置されたx軸レール209に沿ってx軸方向に移動する。
図6および図7に示す成形用ローラ201は、成形用ローラ支持アーム503を介して支持されている。成形用ローラ支持アーム503は、制御部220の指示により、y軸レール210に沿ってy軸方向に移動する。また、図6および図8に示す成形受け用ローラ202は、成形受け用ローラ支持アーム504を介して支持されている。成形受け用ローラ支持アーム504は、制御部220の指示により、y軸レール211に沿ってy軸方向に移動する。成形用ローラ201および成形受け用ローラ202は、図示されていないベアリングなどの軸受けで中心軸を支持されており、回転する被加工部材101に接したときには容易に回転することができる。
成形受け用ローラ202は、図9に示すように、回転軸202cを中心に回転する。成形受け用ローラ支持アーム504が半径方向の内向きに移動すると、成形受け用ローラ支持アーム504の移動に伴って、成形受け用ローラ202が半径方向の内向きに移動し、成形受け用ローラ202と内治具203との間隔が狭くなり、被加工部材101に板厚方向の圧縮力Fを加える。被加工部材101の開口端部101tは、内治具203から突出して配置され、開口端部101tが被加工部101eとして、断面Z形状に加工される。成形受け用ローラ202は、図10に示すように、内治具203と共に被加工部材101を挟む挟持部202aと、端部に設けられた被加工部材101の成形形状を決定する成形部601と、を有する。成形部601は、挟持部202aに隣接する縁部602と、縁部602に隣接する第1の平坦部603と、第1の平坦部603に隣接する溝部604と、溝部604に隣接する第2の平坦部605と、を備える。縁部602は、被加工部材101に第1の屈曲部102を形成する部分である。第1の平坦部603は、被加工部材101に拡径部104を形成する部分である。溝部604は、被加工部材101に第2の屈曲部103を形成する部分である。第2の平坦部605は、被加工部材101に面板部105を形成する部分である。
成形用ローラ201は、図11に示すように、回転軸201cを中心に回転し、先端部701が断面三角形状に突出した形状を有し、成形用ローラ支持アーム503の移動に伴って移動する。成形用ローラ201は、被加工部材101の内表面に接し、さらに成形受け用ローラ202の成形部601との間で被加工部材101の被加工部101eを挟むことで、被加工部材101の開口端部101tの周縁部である被加工部101eに断面Z形状を成形する。
つぎに、実施の形態1による成形方法を説明する。
まず、図5に示す芯押しユニット401が±x軸方向に移動し、互いに離れた状態で、被加工部材101の長軸を軸線AXに一致させて被加工部材101を配置する。その後、芯押しユニット401が±x軸方向に移動し、互いに近づくと、被加工部材101の端部に内治具203および把持治具204を挿入する。つぎに、端面ストッパ208により被加工部材101の位置を調整しx軸方向の位置決めをする。被加工部材101が位置決めされると、把持治具204によって被加工部材101を拘束する。その後、端面ストッパ208は、成形加工の妨げとならない位置まで後退する。
つぎに、制御部220の指示により、成形受け用ローラ支持アーム504が半径方向の内向きに移動する。成形受け用ローラ支持アーム504が半径方向の内向きに移動すると、成形受け用ローラ202は、図9に示すように、被加工部材101の外表面に押圧され、成形受け用ローラ202と内治具203とで挟まれた被加工部材101に板厚方向の圧縮力Fが加わる。
つぎに、第1の屈曲部102を形成する曲げ加工する工程を実施する。制御部220の指示により、成形用ローラ支持アーム503が、図12に示すように、成形用ローラ201を半径方向の外向きに移動し、成形用ローラ201の先端部701で被加工部材101の開口端部101tに半径方向外向きの力を加える。これにより、第1の屈曲部102が形成される。このとき、成形用ローラ201の先端部701は、成形受け用ローラ202の第2の平坦部605より、被加工部材101の厚みtだけ被加工部材101の径方向内側に位置する。
つぎに、面板部105と第2の屈曲部103と拡径部104とを形成するしごき加工する工程を実施する。制御部220の指示により、成形用ローラ支持アーム503が、図13に示すように、成形用ローラ201をx軸方向に移動し、成形用ローラ201の先端部701で被加工部材101を成形受け用ローラ202の第2の平坦部605に押し当てながら、被加工部材101の開口端部101tを変形させる。これにより、成形用ローラ201の先端部701が、被加工部材101をしごいて、面板部105と第2の屈曲部103と拡径部104とが形成される。しごき加工を行うことで、形状転写性が向上する。しごき加工の開始点は曲げ加工の続きからであり、しごき加工の終点は被加工部材101が、成形受け用ローラ202の溝部604に押し込まれるまでとする。
つぎに、成形用ローラ201で拡径部104を第1の平坦部603に押し当てる仕上げ加工する工程を実施する。これは、成形用ローラ201および成形受け用ローラ202を被加工部材101から離隔したとき、被加工部材101がスプリングバックすることを考慮し、目標形状に対してスプリングバック見込み値分大きく変形させるものである。制御部220の指示により、成形用ローラ支持アーム503が、図14に示すように、成形用ローラ201の先端部701で被加工部材101に形成された拡径部104を成形受け用ローラ202の第1の平坦部603に押し当てながら、成形用ローラ201を被加工部材101の半径方向の内側に移動する。これにより、成形用ローラ201の先端部701と成形受け用ローラ202の第1の平坦部603とにより拡径部104が押圧される。これにより、第1の平坦部603の形状を拡径部104に確実に転写できる。また、成形用ローラ201の先端部701が半径方向の内側に移動しながら、拡径部104を押圧しているため、拡径部104から第1の屈曲部102に半径方向の内側に力が加わり、第1の屈曲部102の角度がより目標形状に近づく。仕上げ加工の開始点はしごき加工の続きからとし、仕上げ加工の終点は開始位置のわずかに被加工部材101の径方向内側とする。
以上のように、本実施の形態の加工方法によれば、曲げ加工により、被加工部材101の第1の屈曲部102を曲げ、しごき加工により、目標とする形状に加工し、仕上げ加工により、成形用ローラ201で被加工部材101に形成された拡径部104を成形受け用ローラ202の第1の平坦部603に押し当てる。これにより、成形用ローラ201および成形受け用ローラ202を被加工部材101から離隔したとき、スプリングバックにより被加工部材101に施した変形が若干もとに戻る量だけ余分に被加工部材101に変形を加えられる。これにより、スプリングバックによる形状の変化を抑えることができ、被加工部材101を目標とする形状に加工することができる。
一方、図15に示すように、成形用ローラ201を被加工部材101の径方向内に移動しながら、先端部701と成形受け用ローラ202の第1の平坦部603とで被加工部材101を挟みながら成形する場合、成形用ローラ201の先端部701と成形受け用ローラ202の第1の平坦部603の間隔が板厚よりも大きいと断面Z形状が成形されず、逆に間隔を狭くすると断面Z形状の第1の屈曲部102または拡径部104が目標とする厚みより薄くなる。また、実際の加工中は加工負荷によって成形用ローラ201を支持するアームまたは装置が撓むため、成形用ローラ201が狙った位置に達せず目標とする形状から外れる虞がある。このため、先端部701と成形受け用ローラ202の第1の平坦部603とで被加工部材101を挟みながら成形する方法では、被加工部材101を目標とする形状に加工することが容易でない。また、図16に示すように、成形用ローラ201の先端部701を成形受け用ローラ202の溝部604に近づけながら、被加工部材101を加工すると、局所的に薄い部分が形成されることを防ぐことができるが、図15に示す場合と同様に加工負荷によって成形用ローラ201を支持するアームまたは装置が撓むため、成形用ローラ201が狙った位置に達せず目標形状から外れる虞がある。このため、成形用ローラ201の先端部701を溝部604に近づけながら加工する方法では、被加工部材101を目標とする形状に加工することが容易でない。
(変形例)
上述の実施の形態においては、しごき加工を1回実施する例を説明した。しごき加工は、1回で行う場合に限定されず、複数回に分けて実施してもよい。図17に示す例では、しごき加工を複数回に分けて実施する。矢印1a〜1iは、成形用ローラ201の先端部701の移動経路を示す。まず、曲げ加工において、矢印1aに示すように、成形用ローラ201の先端部701を移動し、成形用ローラ201の先端部701で被加工部材101の開口端部101tに径方向外向きの力を加える曲げ加工を実施する。このとき、成形用ローラ201の先端部701は、図12に示す位置に配置されている。つぎに、矢印1bに示すように、成形用ローラ201の先端部701が、被加工部材101を成形受け用ローラ202の第2の平坦部605に押し当てながら、被加工部材101の開口端部101tを変形させるしごき加工を途中まで実施する。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印1cおよび1dに示すように移動し、成形用ローラ201の先端部701を一旦被加工部材101から離して、しごき加工された部分に再度接触させる。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印1eに示すように移動し、再度しごき加工を実施する。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印1gおよび1fに示すように移動し、一旦被加工部材101から離して、しごき加工された部分に再度接触させる。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印1hに示すように移動し、再度しごき加工を実施する。その後、成形用ローラ201の先端部701を矢印1iに示すように移動し、先端部701で被加工部材101を成形受け用ローラ202の第1の平坦部603に押し当てながら、成形用ローラ201を被加工部材101の径方向内側に移動する仕上げ加工を実施する。成形用ローラ201の先端部701を一旦被加工部材101から離して、しごき加工された部分に再度接触させることで、しごき加工をオーバラップして実施することができる。これにより、ひずみの分散、被加工部101eの冷却等の効果があり、潤滑剤を供給した場合の効果と同様の効果が得られる。
上述の実施の形態においては、曲げ加工、しごき加工、仕上げ加工を連続して実施する例を説明した。曲げ加工、しごき加工、および仕上げ加工は、分割して実施してもよい。この場合、図18に示す矢印2aに示すように、成形用ローラ201の先端部701を移動し、成形用ローラ201の先端部701が、被加工部材101の開口端部101tに径方向外向きの力を加える曲げ加工を実施する。このとき、成形用ローラ201の先端部701は、図12に示す位置に配置されている。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印2bおよび2cに示すように移動し、先端部701を被加工部材101から離して、再度接触させる。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印2dに示すように移動し、図13に示すしごき加工を実施する。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印2eおよび2fに示すように移動し、先端部701を被加工部材101から離して、再度接触させる。つぎに、成形用ローラ201の先端部701を矢印2gに示すように移動し、先端部701が、被加工部材101を成形受け用ローラ202の第1の平坦部603に押し当てながら、成形用ローラ201を被加工部材101の径方向内側に移動する仕上げ加工を実施する。曲げ加工、しごき加工、および仕上げ加工を分割して実施することで、ひずみの分散、被加工部101eの冷却等の効果があり、潤滑剤を供給した場合の効果と同様の効果が得られる。
上述の実施の形態において、被加工部材101が円筒状の形状を有する例について説明した。非加工部材101は、筒状の形状を有すればよく、楕円筒状の形状を有してもよい。また、上述の実施の形態において、被加工部材101の全体が筒状の形状を有する例について説明した。筒状の形状を一部に有する形状であればよく、筒状の形状を有する筒部と筒部の一端部が開放され、他端部が板状部材またはシェル状部材で閉じられた形状であってもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
101…被加工部材、101t…開口端部、101e…被加工部、102…第1の屈曲部、103…第2の屈曲部、104…拡径部、105…面板部、200…加工装置、201…成形用ローラ、201c、202c…回転軸、202…成形受け用ローラ、202a…挟持部、203…内治具、204…把持治具、205…回転主軸、206…回転従動軸、207…モータ、208…端面ストッパ、209…x軸レール、210、211…y軸レール、212…減速機構、220…制御部、301…把持ブロック、302…支持部、303…被駆動部、304…押出部材、401…芯押しユニット、402…土台、403…レール、404…シリンダ、500…ローラユニット、501…第1のユニット、502…第2のユニット、503…成形用ローラ指示アーム、504…成形受け用ローラ指示アーム、601…成形部、602…縁部、603…第1の平坦部、604…溝部、605…第2の平坦部、701…先端部

Claims (4)

  1. 治具に装着した筒状の被加工部材を回転し、前記被加工部材の端部を、成形用ローラと成形受け用ローラとにより挟み込んで、異方向に屈曲された第1の屈曲部と第2の屈曲部を有し、第1と第2の屈曲部の間に拡径部が配置され、前記第1の屈曲部には非加工部が延設され、前記第2の屈曲部には面板部が延設された断面Z形状に加工する加工方法であって、
    前記成形受け用ローラは、前記治具に対向し被加工部材を挟む挟持部と、前記被加工部材の成形形状を決定する成形部と、を有し、前記治具と前記成形受け用ローラの前記挟持部とで前記被加工部材を挟んだ状態で、前記成形用ローラにより、前記被加工部材の端部に力を加え前記第1の屈曲部を曲げる曲げ加工する工程と、
    前記第1の屈曲部が曲げられた前記被加工部材に、前記成形用ローラを押し当てて、前記成形受け用ローラに設けられた成形部との間で前記面板部をしごきながら成形し、前記面板部と前記第2の屈曲部と前記拡径部とを形成するしごき加工する工程と、
    前記面板部と前記第2の屈曲部と前記拡径部とが形成された前記被加工部材の前記拡径部を、前記成形用ローラにより押圧する仕上げ加工する工程と、
    を備える加工方法。
  2. 前記しごき加工の途中で前記成形用ローラを一旦前記被加工部材から離して、しごき加工された部分に再度接触させ、再度しごき加工を再開する、
    請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記曲げ加工を実施した後、前記成形用ローラを前記被加工部材から離して、再度前記成形用ローラを前記被加工部材に接触させて前記しごき加工を実施し、その後、前記成形用ローラを前記被加工部材から離して、再度前記成形用ローラを前記被加工部材に接触させて前記仕上げ加工を実施する、
    請求項1または2に記載の加工方法。
  4. 筒状の被加工部材を装着する治具を回転する回転機構と、
    前記被加工部材の端部を挟み込んで、回転する異方向に屈曲された第1の屈曲部と第2の屈曲部を有し、第1と第2の屈曲部の間に拡径部が配置され、前記第1の屈曲部には非加工部が延設され、前記第2の屈曲部には面板部が延設された断面Z形状に加工する成形用ローラと成形受け用ローラと、
    前記成形用ローラの動きを制御する制御部と、を備え、
    前記成形受け用ローラは、前記治具に対向し被加工部材を挟む挟持部と、前記被加工部材の成形形状を決定する成形部を有し、
    前記被加工部材を、前記治具と前記成形受け用ローラの前記挟持部に挟まれた状態で加工する、加工装置であって、
    前記制御部は、前記成形用ローラの動きを制御し、
    前記成形用ローラにより、前記被加工部材の端部に力を加え前記第1の屈曲部を曲げる曲げ加工する工程と、
    前記第1の屈曲部が曲げられた前記被加工部材に、前記成形用ローラを押し当てて、前記成形受け用ローラに設けられた成形部との間で前記面板部をしごきながら成形し、前記面板部と前記第2の屈曲部と前記拡径部とを形成するしごき加工する工程と、
    前記面板部と前記第2の屈曲部と前記拡径部とが形成された前記被加工部材を、前記成形用ローラにより、前記拡径部を押圧する仕上げ加工する工程と、を実行する、
    加工装置。
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