JP2016168620A - 円筒状部材の加工方法、円筒状部材の加工装置、円筒状部材及びタンク - Google Patents

円筒状部材の加工方法、円筒状部材の加工装置、円筒状部材及びタンク Download PDF

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紘平 岡
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静幸 菱沼
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Abstract

【課題】薄肉タンクを構成する円筒状部材の開口端部近傍の周方向の経路長と真円度を矯正することにより、材料の歩留まりを向上するとともに長寿命の円筒状部材を得る。
【解決手段】円筒状部材103の開口端部近傍で円筒状部材の周に沿って板厚方向に圧縮力を負荷することによって、円筒の板厚方向の塑性圧縮変形を周方向の塑性伸び変形に変換し、円筒状部材の開口端部を加工する。そのため、円筒状部材103の内部を把持する内張り機構304と、円筒状部材103の内面にほぼ接する内治具302と、円筒状部材の外面に接するローラ301とを設け、円筒状部材103の開口端部近傍をローラ301と内治具302とで挟み、円筒状部材の板厚方向に所定の圧縮力を負荷させるようにした。
【選択図】図8

Description

この発明は、円筒状部材の開口端周辺に塑性加工を施す加工方法、及び加工装置並びにこれらの加工方法や加工装置によって製作された円筒状部材に係り、特に、内部に流体を蓄えるタンクに関する。
内部に流体を蓄える圧力容器として、金属薄板や複合材で製造されたものが知られているが、このうち貯湯式給湯器用タンクとしてはステンレス薄板からなる複数の部材を溶接などの手段で接合したものが多用されている。この構造の容器の製造方法としては、タンクの側面を構成する部材として、平板をロール曲げした後に向かい合う二辺を溶接することで円筒状部材とし、さらにタンクの底と蓋とを構成する部材として平板をプレス加工でドーム状に成形したものを碗状部材とし、前記円筒状部材の上下両端の開口部に前記碗状部材の周縁部を全周にわたって溶接して一体化する方法が一般的である。
ここで、円筒状部材の向かい合う二辺を溶接することを長手溶接と呼び、円筒状部材と碗状部材を全周にわったって溶接することを周溶接と呼ぶ。給湯器用タンクの薄肉化や長寿命化のためには、周溶接部が隙間の無い突合せ溶接継手となることが望ましい。
一般に、薄板の突合せ溶接で良好な溶接継手を得るためには、溶接される2枚の板の間隙や板厚方向の位置関係を厳密に管理する必要がある。即ち、タンクの周溶接において良好な突合せ溶接継手を得るためには、各部材の周方向の経路長および真円度を厳密に管理する必要がある。従来、円筒状部材の周方向の経路長は、材料の寸法ばらつきに依存するので、寸法公差を小さくするなどの対策が取られてきた。また、円筒状部材の真円度を高める方法としては、例えば、特許文献1に示すような方法が知られている。
特開2014−18828号公報
しかしながら、円筒状部材の周方向の経路長を厳密に管理するため、円筒状部材の寸法公差を厳しくすると、素材の歩留や作業効率が悪化するという問題があった。さらに、真円度を向上する方法として、上記特許文献1に記載の方法では、円筒状の被加工材の外周にリング状のケーシングを装着する必要があり、直径の大きな被加工材に対しては、リングの重量が増大するため取り扱いが困難となり、作業時間が長くかかるという問題があった。
この発明は、上記のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、円筒状部材の周方向の経路長と真円度を、素材の寸法公差に頼らずに高精度化できる円筒状部材の加工方法及び加工装置を得ることを目的としている。
この発明に係る円筒状部材の加工方法は、円筒状部材の開口端部に周に沿って板厚方向に圧縮力を負荷することによって、円筒の板厚方向と周方向に部材を塑性変形せしめ、円筒状部材の開口端部を拡管することを特徴とする。
この発明に係る円筒状部材の加工装置は、円筒状部材の開口端部に塑性加工を施す装置であって、上記円筒状部材の内面を把持する内張り治具と、上記円筒状部材の内面に接する内治具と、上記内張り治具と上記内治具に回転駆動力を与え、上記内張り治具で把持された上記円筒状部材を回転させるモータと、上記円筒状部材の外面に接するローラと、上記ローラを任意の軌道で動作させる手段とから構成され、上記ローラは平坦面で上記円筒状部材の長手方向の一部で接し、上記円筒状部材の開口端周縁を上記ローラと上記内治具とで挟み、上記円筒状部材の板厚方向に圧縮力を負荷させることを特徴とする。
この発明に係る円筒状部材は、金属薄板を筒状に成形したタンクの側面部となる円筒状部材であって、円筒状部材の開口端に断面がZ字状もしくはL字状の継手が形成されるとともに、継手と円筒状部材が接続する部分は板厚方向の圧縮加工によって周方向の経路長が延ばされ、周長が矯正されていることを特徴とする。
この発明に係るタンクは、金属薄板を筒状に成形したタンクの側面部となる円筒状部材と、金属薄板を碗状に成形したタンクの蓋および底となる碗状部材とを溶接して製造されたタンクであって、円筒状部材と碗状部材を接合した溶接継手部の円筒部側が、円筒状部材の板厚方向の圧縮加工によって周長を調整してあることを特徴とする。
この発明に係る円筒状部材の加工方法によれば、円筒状部材の周方向の経路長と真円度を、素材寸法公差に頼らず高精度化できるという効果がある。
また、この発明に係る円筒状部材の加工装置によれば、大型の円筒状部材に対してもケーシングなどの外付け治具を装着することなく、簡便に円筒状部材の周方向の経路長と真円度を矯正することができるという効果がある。
さらに、この発明に係る円筒状部材によれば、開口端に形成された継手と円筒状部材が接続する部分は周方向の経路長が矯正され、Z字状もしくはL字状の継手により他部材と段差を減らして結合できるという効果がある。
そして、この発明に係るタンクによれば、円筒状部材と碗状部材を接合した溶接継手部の円筒部側の周方向の経路長が矯正され、タンクの側面部となる円筒状部材とタンクの蓋および底となる碗状部材とを段差を抑制した状態で結合できるという効果がある。
本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの外観図。 本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの側面を構成する円筒状部材の斜視図。 側面部と蓋部の間に径方向の段差のあるタンクの概略図。 本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの側面を構成する円筒状部材の製造工程を示す概略図 円筒状部材のロール曲げ加工方法と端部の真円度悪化原因を示す説明図 円筒状部材のロール曲げ加工状態の違いによる周長の変化の説明図 本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの円筒状部材と碗状部材の嵌合状態を示す断面図。 本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの側面を構成する円筒状部材の周方向の経路長と真円度の修正方法の概略図。 本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの円筒状部材と碗状部材の継手部分の拡大断面図。 本発明の実施の形態2に関わる円筒状部材の周長の矯正部の断面図。 本発明の実施の形態3に関わる円筒状部材の開口端周縁部に成形された継手の断面形状を示す断面図。 本発明の実施の形態3の変形例に関わる円筒状部材の開口端周縁部に成形された継手の断面形状を示す断面図。 本発明の実施の形態4に関わる円筒状部材の加工装置の概略構成図。 本発明の実施の形態4に関わる内冶具と把持冶具の概略構成図。 本発明の実施の形態4に関わる芯押しユニットの概略構成図。 本発明の実施の形態4に関わる内側ローラユニットの概略構成図。 本発明の実施の形態4に関わる外側ローラユニットの概略構成図。 本発明の実施の形態4に関わる外側ローラの概略構成図。 本発明の実施の形態4に関わる内側ローラの概略構成図。 本発明の実施の形態4に関わる実験結果の一例を示す特性図。 本発明の実施の形態5に関わる内冶具の概略構成図。 本発明の実施の形態6に関わるローラの概略構成図。 一般的なスピニング加工用ローラによる材料の塑性流動の説明図。
実施の形態1.
以下、本発明に関わる円筒状部材の実施の形態を、図1〜図9を参照しながら説明する。ここで、周方向の経路長とは部材の外表面に接して周方向に沿って計測した部材の長さのことであり、周長と呼ぶ。また、ここで真円度とは部材の外径の最大直径と最小直径の差である。
図1は本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの外観図である。図2は本発明の実施の形態1に関わる薄肉タンクの側面を構成する円筒状部材の外観を示す斜視図である。図1および図2に示すように、給湯器用薄肉タンク101は、タンク101の側面を構成する直径が200〜700mm程度で長さが1000〜2000mm程度の円筒状部材103と、タンク101の底と蓋とを構成する直径が200〜700mm程度で深さが200〜400mm程度の碗状部材102a、102bからなる。円筒状部材103と碗状部材102a、102bは、材料が肉厚0.5〜2mm程度のフェライト系ステンレスであるが、オーステナイト系ステンレスや一般の軟鋼であってもよく、特に限定されるものではない。
前記給湯器用タンク101は、前記円筒状部材103の両端開口部に前記碗状部材102a、102bの周縁部を全周にわたって溶接することで製造されている。このとき両部材の周長の差が大きかったり、真円度が大きかったりすると、図3(a)、図3(b)に示すように周溶接部を挟む円筒部と碗状部の径方向の段差110が大きくなり、タンクに内圧を負荷させたときに周溶接部近傍111に応力集中が発生するという問題がある。薄肉タンク101の内圧疲労強度を確保するためには、内圧を負荷した時に周溶接部近傍111で応力集中を生じさせないことが重要であり、そのためには前記段差110を小さくする必要がある。すなわち円筒状部材103の周長と真円度、並びに碗状部材102a、102bの周長と真円度を適切に管理する必要がある。前記段差110の上限値は、使用する材料や設計上要求される疲労寿命によるが、例えば円筒状部材103または碗状部材102a、102bの板厚以下であることが望ましい。
なお、図1、図2において、円筒状部材103の突き合せ端面には溶接ビード104が形成され、円筒状部材103と碗状部材102a、102bとの溶接部には溶接ビード105が形成されている。また、円筒状部材103の開口端周縁部には後述する継手202が形成されている。
図4に示すように、円筒状部材はステンレス板材10をロール曲げ加工した後、向かい合う二辺11、11を溶接し、さらに開口周縁部に沿って継手202が成形されて製造されている。しかしながら、図5に示すように、薄板材のロール曲げ加工では、材料の周方向の端部で曲げモーメントが変化するため、材料の全周に沿って均一の曲げRを得ることが難しく、円筒状部材103の真円度が悪化するという問題があった。
すなわち、図5(a)は周方向の中間のロール曲げ状態を説明する図で、4つの曲げローラ51〜54を備えており、第1のローラ51は反時計回りに回転し、第2のローラ52は時計回りに回転している。また、第3のローラ53、第4のローラ54は上下方向に移動可能に構成される。
周方向の中間のロール曲げ状態を示す図5(a)においては、加工点Aと加工力Fが加わる作用点Bまでの距離X1は比較的大きくなっている。
一方、図5(b)は周方向の端部のロール曲げ加工を説明する図で、この図からも分るように加工点Aと作用点Bの距離X2は小さくなっている。
加工点における曲げモーメントMは、加工力Fと、加工点と作用点との距離Xとの積で表される(M=F・X)。つまり、周方向の中ほどの加工状態における距離X1と、周方向端部の加工状態における距離X2とでは、X1>X2であり、曲げモーメントMは大きく異なる。
さらに、図6に示すように、ロール曲げ加工では材料の表面状態や成形用ローラの摩耗状態によって、内側となる面の変形量と外側となる面の変形量のバランスが変化する。すなわち板厚方向で曲げ中立軸Mの位置が変化するため、同一寸法の材料を用いて加工しても、ロール曲げ加工後の周長が異なる場合が生じ、円筒部材の周長のばらつきは素材の寸法ばらつきよりも大きくなるという問題があった。
この点について、図6で詳しく説明する。図6(a)は中立軸Mが板厚の中心軸Nと一致する場合を示し、図6(b)は半径方向外側の周方向伸びが大きい場合を示す。図中、Lは周方向の素材単位長さを示す。
長手方向の変形が同じであると仮定すると、素材の周方向寸法が同一であれば中立軸Mにおける半径rは同じである(r1=r2)。しかしながら、中立軸Mを挟む板厚方向の両側の材料の伸び量はロール曲げ加工時のローラとの摩擦状態等で変化するため、素材の周方向寸法が同じであっても、加工後の外径Rは異なる(R1<R2)。
従来、これらの問題に対しては、素材寸法公差を小さくしたり、ロール加工条件を高頻度に調整したりするなどの対策が取られてきたが、素材寸法公差を小さくすることは歩留まりの悪化と材料費の上昇、ロール加工条件調整は作業効率の悪化や試作回数の増加による歩留まり悪化という問題があった。本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものである。
本発明の実施の形態1に関わる円筒状部材103は、図7に示すように、開口端部に碗状部材102の周縁部と嵌合するための断面形状Z字状の継手702が成形され、一方の碗状部材102には、断面がL字状のフランジ状継手701が形成されている。
そして前記継手702の根元部分の周長は、向かい合う碗状部材102の周長に対して設計で決められる寸法内に収まるように矯正されている。前記矯正部703は板厚方向に元の板厚に対して0.1〜2%程度圧縮されるように塑性変形してある。図は分かりやすくするための概略図であり、直径や板厚変化の縮尺は必ずしも実際と一致していない。板厚方向に対して圧縮変形させることによって、金属材料の体積一定法則により周方向に対しては材料を伸ばすことができ、所望の寸法になるよう周長を矯正することができる。さらに、ロール曲げ加工時に生じる周方向に不均一な板厚方向の残留応力分布が、圧縮変形によって均一化されることによって真円度を矯正することができる。
円筒状部材の素材は周方向と圧延方向が一致するように板取りされることが望ましい。これは、一般に圧延材料は圧延方向に平行な方向の板厚分布の偏差の方が圧延方向に直交する方向の板厚分布の偏差よりも小さいため、圧延方向と周方向を一致させることにより周方向にほぼ均一な板厚分布を得ることができるためである。
また、前記矯正部703は図8に示すように、円筒状部材103に内接する内冶具302と、円筒状部材103の外面に接するローラ301とを用い、外側から内側に向かって圧縮加工されることが望ましい。円筒状部材103を回転軸303を中心に回転させながら円筒状部材103の外側よりローラ301を矢印Fのように押圧することで、円筒状部材103の押圧された帯状の範囲が圧延され、周方向の長さが延ばされるとともに、真円度を悪化させるような局所的な異形状部分が矯正される。
なお、図8(a)は矯正加工前の状態で、円筒状部材103の突合せ部分の一部が変形して要矯正箇所801ができてしまっている。図8(b)は矯正加工後の状態で、円筒状部材103の開口端周縁部が矯正された状態を示している。このとき、図8(c)に示すような内張り冶具304を用いて、内冶具302に対して円筒状部材103を把持固定して回転させて加工することで、タンク内面にローラとの摩擦キズが生じないという効果がある。内張り冶具304は、後述する図14に示す把持治具1305と同様の構成を有するものであり、回転軸303に連結された内冶具302に装着され、内張り冶具304に設けられる径方向に移動可能な把持ブロックにより円筒状部材103の内面を押圧し把持して、円筒状部材103を回転軸303による回転可能に、内冶具302および内張り冶具304で保持するものである。
周長と真円度が矯正される範囲は、円筒状部材の開口端に成形された継手の根元から軸方向に3〜10mm程度の帯状の範囲である。矯正範囲が狭すぎると、未矯正部の残留応力によって周溶接時に意図しない熱変形や溶接不良を生じる恐れがある。
一方、矯正範囲が広過ぎると加工時間が長くなって生産効率が悪化したり、加工反力の増大による装置の変形を抑制するために設備コストが過大になったりする問題がある。周長は、素材の板厚、周溶接時の入熱による熱膨張量、円筒状部材の開口端部および碗状部材の周縁部にそれぞれ成形される継手形状などによって決められる。例えば、板厚が0.7mmの円筒状部材に対しては、周長の寸法ばらつきが±1mmの範囲に収まるように矯正することによって周溶接部近傍の段差を板厚以下に抑制することができる。なお、前記板厚、円筒状部材の直径、周長の寸法精度は、実施の形態の一例であって、本発明が前記の値に限定されるものではない。
さらに、本発明の実施の形態1に関わる円筒状部材103の開口端部の継手702は、例えば図9(a)に示すように断面がZ字形状となるように成形されている。一方、碗状部材102の周縁部には断面がL字形状の継手701が成形されていることが望ましい。碗状部材102は、ステンレス板材を絞りあるいは張り出しなどのプレス加工で膨出するように成形した後、開口周縁部に継手が成形されている。開口端にこれらの継手701を成形することにより、継手701がフランジとなってさらに真円度を向上できるという効果がある。図9(b)に示すように、断面がZ字形状の継手702と、断面がL字状の継手701とを組み合わせることで、両者を突き合わせた際に、継手701、702の接触面902aと902bとが接触状態を保持したままいずれか一方のあるいは双方の部材が滑り移動可能であり、段差を減らすよう調整機能をはたすことができる。
上記の通り、本発明の実施の形態1に関わる円筒状部材を用いれば、周長と真円度を適切に管理できるので、従来のように材料の歩留まりや作業効率を悪化させることなくタンクの内圧疲労寿命を向上できるという効果がある。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に関わる円筒状部材の周長の矯正部1001は、例えば図10に示すように継手根元部1002の板厚が薄く、根元部1002からの距離が離れるに従って徐々に元の板厚に戻るように圧縮変形されている。円筒状部材103の周方向に直交する断面で見ると、矯正部はテーパ状になっており、テーパの角度Cは1〜5度程度が望ましい。断面がテーパ状となるように成形することで、円筒状部材103の表面に圧痕やキズを生じさせず、応力集中や腐食に対するリスクを抑制できるという効果がある。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に関わる円筒状部材103の開口端部の継手712は、例えば図11に示すように断面がL字形状となるように成形されている。断面がZ字形状の継手を成形するよりも加工荷重が低減できるので、成形用ローラの負荷を軽減することができ、成形用ローラの寿命を長くできるという効果がある。この継手712も矯正部1101は断面がテーパ状となるように成形されている方が好ましい。
また、L字状継手722の先端部に図12に示すような庇部722aがあっても良く、庇部722aを設けることにより碗状部材102との嵌合い作業と突き合わせが容易になり組立作業効率を向上することができる。この継手722も矯正部1201は断面がテーパ状となるように成形されている方が好ましい。
実施の形態4.
図13は本発明の実施の形態4に関わる円筒状部材の加工装置の概略を示す外観図である。以下、本発明に関わる円筒状部材の加工装置、および本発明に関わる円筒状部材の周長と真円度の矯正方法を、図13〜図20を参照しながら説明する。
図13に示すように、本実施の形態における加工装置は、モータ1301と、モータ1301の回転力を伝達する回転主軸1302と、回転主軸1302あるいは回転従動軸1303に連結される内治具1304と把持治具1305、円筒状部材の外面に接する外側ローラ1306、円筒状部材の内面に接する内側ローラ1307、被加工部材の位置決めをするための端面ストッパ1308とを備えている。外側ローラ1306、内側ローラ1307は、左右軸レール1309により左右方向に移動可能であり、上下軸レール1310、1311により上下方向に移動可能となっている。下部には、加工後の円筒状部材を受ける受け台1320が設けられている。
この図13に示す実施例では、内冶具1304と把持冶具1305と外側ローラ1306と内側ローラ1307は、円筒状部材の両開口端に対して同時に加工できるように、左右方向に向かい合わせに一組ずつ配置されている。ただし、本発明は片側ずつ加工しても成立するものであり、これに限定されるものではない。
図14は内治具1304と把持治具1305の構成を示す概略構成図であり、図14(a)は断面図、図14(b)は軸方向から見た把持治具1305の構成図である。内治具1304は回転主軸1302あるいは回転従動軸1303に連結され、その外周部は円筒状部材の内周にほぼ内接する。把持治具1305は、円筒状部材の内面に接する扇状の把持ブロック1401と、把持ブロック1401を支持する支持部1402と、支持部1402の端部に設置された楔状の被駆動部1403を有している。把持治具1305の支持部1402は内治具1304のレール1404に沿って円筒状部材に対して半径方向に移動可能である。回転主軸1302には円錐状の駆動部1302aが設けてあり、この駆動部1302aが図14の矢印aの方向に移動すると、把持治具1305の被駆動部1403が図14の矢印b方向に移動し、その結果、把持ブロック1401が円筒状部材の内周面を押して、円筒状部材の内面と把持ブロック1401との間に摩擦力を生じ、円筒状部材を把持する。回転主軸1302あるいは回転従動軸1303に連結された内冶具1304に装着され、把持冶具1305に設けられる径方向に移動可能な把持ブロック1401により円筒状部材の内面を押圧し把持して、円筒状部材を回転主軸1302による回転可能に、内冶具1304および把持冶具1305で保持するものである。
図14(b)では、把持ブロック1401が6個の例が描かれているが、6個に限定されるものではない。
把持治具1305は円筒状部材に対して回転主軸1302からの回転力を伝えるとともに、成形中に生じる円筒状部材の軸方向の変位を拘束する機能を有する。把持ブロック1401が自重で重力方向に垂れ下がることを防止するため、把持ブロック1401と内冶具1304が図示されていないバネやゴムのようなもので結合されていても良い。
図15は芯押しユニットの構成を示す概略図である。芯押しユニット151L、151Rは、被加工部材である円筒状部材103を挟んで向かい合うように1台ずつ配置され、加工装置の土台152に配置されたレール153と、シリンダ154と、図示されていない位置制御用サーボモータによって、矢印Dの方向に移動可能である。左側の芯押しユニット151Lは、駆動用モータ1301とモータの回転力を伝達する回転主軸1302と、回転主軸1302に連結された内冶具1304と把持冶具1305、および端面ストッパ1308を搭載している。駆動用モータ1301と回転主軸1302は、ベルトやギアのような動力伝達用昨日を有する減速機構155を介して連結されても良い。一方、右側の芯押しユニット151Rにはモータが搭載されておらず、左側のモータ1301で発生した回転力に追随して回転する回転従動軸1303を有し、その回転軸に左側と同様の内冶具1304と把持冶具1305が連結され、さらに端面ストッパ1308が搭載されている。左右の回転軸が同軸上にあることは言うまでもない。
なお、左右の組み合わせは互いに入れ替え可能であり、この実施の形態に限定されるものではない。また、片側のモータ1301だけでは回転トルクが不足する場合は、左右両側にモータを搭載しても良い。その場合、被加工部材にねじれ応力を発生しないように左右の回転を互いに同期させる必要がある。左右の芯押しユニット151L、151Rは、それぞれ円筒状部材103の周長矯正位置まで内冶具1304を挿入できるようになっており、端面ストッパ1308に被加工部材を押し当てて軸方向の位置決めをする。端面ストッパ1308は、把持治具1305によって被加工部材の位置が拘束された後に、成形加工の妨げとならない位置まで後退する。把持冶具1305は、円筒状部材103の両端を把持するので、成形中に生じる円筒状部材103の軸方向の変位を確実に拘束することができる。芯押しユニット151L、151Rは、成形加工が完了した後、把持冶具1305による被加工部材の拘束を解除し、成形の完了した円筒状部材103の取り出しの妨げにならない位置まで後退する。
図16と図17はローラユニットの構成を示す概略構成図であり、図16(a)、図17(a)は正面図、図16(b)は内側ローラ1307の構成を説明するための側面図、図17(b)は外側ローラ1306の構成を説明するための側面図である。
ローラユニットは、内側ローラ1307を備えた内側ローラユニット161と、外側ローラ1306を備えた外側ローラユニット162、及びこれらのローラユニット161,162を左右・上下に移動させるためのレール1309,1310、1311を備える。
内側ローラ1307は内側ローラ支持アーム163を介して支持され、被加工部材の内面側より被加工部材を加工する。また、外側ローラ1306は外側ローラ支持アーム164を介して支持され、被加工部材の外面側より被加工部材を加工する。各ローラ1306、1307は、図示されていないベアリングなどの軸受けで中心軸を支持されており、回転する被加工部材に接したときには容易に回転することができる。
ローラユニット161、162は加工装置の支柱168、左右軸パネル169を介してに取り付けられたレール1309、1310、1311上に搭載されており、図示していない位置制御用サーボモータによって左右方向即ち円筒状部材の軸方向と上下方向即ち円筒状部材の半径方向とに移動可能であり、円筒状部材の直径や長さ及び加工条件に応じて各ローラの位置や動作軌道を変えることができる。
なお、図16と図17では、ローラが円筒状部材の上方に配置された装置を示したが、水平面内に配置されても良く、装置の構成はこの配置に限定するものではない。
図18は外側ローラ1306の被加工部材と接する部分を拡大して示す断面図である。外側ローラ1306は、回転軸1306Cを中心に回転し、円筒状部材103の外表面に接し、さらに外側ローラ1306を円筒状部材103の半径方向の内向きに移動させることで外側ローラ1306と内冶具1304との隙間を挟め、円筒状部材103に板厚方向の圧縮力Fを負荷させることができる。外側ローラ1306の先端部には、円筒状部材103の開口端周縁に成形する継手形状に応じた形状の溝部1801が成形されている。
円筒状部材103の開口端103tは内治具1304から突出した部分103eを有し、この部分が金型の役目を果たして円筒状部材103の開口端周縁が加工されて継手形状となる。なお、103fは円筒状部材103の矯正範囲を示している。
図19は内側ローラ1307の被加工部材と接する部分を拡大して示す断面図である。内側ローラ1307は、回転軸1307Cを中心に回転し、図示のように先端部が断面三角形状に突出した形状である。この内側ローラ1307は、円筒状部材103の内表面に接し、さらに外側ローラ1306との間で円筒状部材103の開口端部近傍を挟むことで、円筒状部材103の開口端周縁部に継手形状1901を成形する機能を有する。
ここで実施の形態4による周長と真円度の矯正方法について説明する。まず、円筒状部材103は、図18に示すように、内冶具1304に対して開口端部が所定の長さだけ突出した位置で把持される。
次に、外側ローラ1306は、図18に示すようにワーク(円筒状部材103)の開口端部より所定の長さだけ他端側に位置せしめられ、内冶具1304との間に円筒状部材103を挟むことのできる位置で円筒状部材103に接触する。ここで、円筒状部材103を回転させつつ、さらに外側ローラ1306を円筒状部材103に押しつけ、外側ローラ1306と内冶具1304との隙間が狭くなるように外側ローラ1306を移動させると、円筒状部材103の所定の帯状の範囲に板厚方向の圧縮力が負荷される。圧縮力が円筒状部材103を構成する材料の降伏応力を超えると、円筒状部材103の前記帯状の範囲が塑性変形する。ここで、円筒状部材103の前記帯板状の範囲は圧縮力によって板厚が減少するように塑性変形するので、金属材料のマクロな塑性変形における体積一定法則によって、周方向と軸方向は伸びるように塑性変形する。
発明者らの実験によれば、図20に示すように、基準位置からの圧下量と周長の変化量はほぼ一定の相関関係があることが確認されており、外側ローラ1306の圧下により円筒状部材103の周長を制御することができる。さらに、ロール曲げ加工時に生じる周方向に不均一な板厚方向の残留応力分布が、圧縮変形によって均一化されることによって真円度を矯正することができる。
続いて、内側ローラ1307が回転する円筒状部材103の内周側の所定の位置より、外側ローラ1306に向かって所定の軌道で動作する。したがって、最初は外側ローラ1306より所定の長さ突き出している円筒状部材103の端部103eは、内側ローラ1307で半径方向外側に折り曲げられつつ、外側ローラ1306の溝部1801に押し付けられて所定の継手形状1901に成形される。
すなわち、外側ローラ1306は周長の矯正のための圧縮加工と、継手の成形のための金型の機能を兼ねていることになる。
なお、外側ローラ1306と内冶具1304による周長と真円度の矯正加工と、外側ローラ1306と内側ローラ1307による継手の成形加工は同時に行われても良い。
成形が完了した後、内側ローラ1307と外側ローラ1306は、被加工部材を装置から取り出すのに干渉しない位置まで退避する。さらに、把持冶具1305が把持を開放し、内冶具1304も被加工部材の内部から退避される。被加工部材から内冶具1304が退避する時、被加工部材が落下しないように、装置の中央付近に被加工部材を保持する受け台1320(図13参照)があっても良い。さらに、内冶具1304を退避させる際に、被加工部材を引きずらないように、受け台1320には磁力や気圧を利用して被加工部材を固定する手段があっても良い。
内冶具1304と外側ローラ1306と内側ローラ1307は、被加工部材と直接接し被加工部材の降伏応力を超える負荷がかかるため、被加工部材よりも高強度な材料で製作されている。さらに、それらの表面は、キズや凝着を防止するため熱処理やコーティングが施されていることが望ましい。
従来の方法では、円筒状部材の外周面に接するリング状のケーシングに被加工部材を押しつけて加工するため、ケーシングの分割部で外周面に圧痕やキズを生じる恐れがあった。しかし、本発明では、内冶具1304、外側ローラ1306ともそのような分割部が無いため、圧痕やキズを生じる恐れが無い。また、従来の方法において、被加工部材の外径よりもわずかに小さい内径を有するケーシングを使用する場合、ケーシングの取付け時に被加工部材を縮径する必要があり、被加工部材が薄肉の場合には、縮径時に被加工部材が周方向に座屈を生じ、かえって真円度を悪化させる恐れがあった。しかしながら、本発明による方法では、内冶具1304は被加工部材の内径にほぼ接するので、被加工部材が座屈する恐れはなく、確実に真円度を矯正できるという効果がある。
一方、従来の方法において、被加工部材の外径よりもわずかに大きな内径を有するケーシングを使用する場合、被加工部材の回転中心とケーシングあるいは内周側ローラの回転中心とが一致しないため、長尺の被加工材を加工する場合にはブレを生じ、加工精度が悪化する恐れがあった。しかしながら、本発明では、被加工部材は内冶具1304と回転中心が一致する把持冶具1305で把持されており、被加工部材と内冶具の回転中心は一致しているうえ、円筒状部材103の両開口端部近傍を把持するため、加工中に被加工部材がブレを生じることなく高精度な加工ができるという効果がある。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に関わる加工装置の内冶具1304は、図21に示すように、外周面に軸方向に平行な溝部2101を設けてある。図21(a)は内冶具1304と円筒状部材103を示す斜視図、図21(b)は図21(a)中に四角で囲った部分bを拡大して示した断面図である。
円筒状部材103は、平板材をロール曲げ加工した後、向かい合う二辺を溶接して成形されているので、周方向の一か所に長手方向に沿う溶接ビード104を有している。溶接ビード104の部分は、肉厚のみならず硬さや降伏応力などの変形特性が素材と異なり、さらには個体ごとに肉厚や変形特性ばらつきが大きいことから、板厚方向への圧縮加工による周長の矯正においては、周長のばらつきを増長させる要因となる。
そこで、本発明の実施の形態5においては、加工装置の内冶具1304の外周面に軸方向に平行な溝部2101を設け、前記溝部2101に円筒状部材103の前記溶接ビード104を沿わせて把持することにより、矯正加工において溶接ビード部104の余分な肉厚を溝部2101に逃がし、溶接ビード部104に起因する加工ばらつきの影響を抑制することができ、ばらつきの少ない周長矯正をすることができる。
前記溝部2101の幅は溶接ビード104の幅と同程度であればよく3〜5mm程度であることが望ましい。また、溝の深さは溶接ビード104の厚さと素材の板厚の差と同程度であればよく、0.1〜0.5mm程度であることが望ましい。溝の幅が広すぎると、溶接ビード104の近傍部分が溝部2101に押し込まれ、その部分に圧縮力が負荷されず加工ができなかったり真円度が悪化したりするという問題がある。また、溝が浅過ぎると溶接ビード104の肉厚を避けることができず、圧縮加工時にローラが溶接ビード104を乗り越える際に振動を誘起し、振動の影響で周方向の圧縮加工が不均一となり十分な真円度の矯正ができないという問題がある。
また、溝が深すぎると、溝に溶接ビード104とその近傍が押し込まれることで円筒状部材103の内面側に突起を生じ、その突起が周溶接時に碗状部材102との適切な突合せ状態を阻害し周溶接不良を生じるという問題がある。しかしながら、本実施の形態による内冶具を用いることで、溶接ビード部に起因する加工ばらつきの影響を抑制することができ、ばらつきの少ない周長矯正ができるという効果がある。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に関わる加工装置の外側ローラ1306は、図22に示すように円筒状部材103の外周に平行に接する面2201と、その面の少なくとも一方にテーパ部2202を有している。円筒状部材103の外周に平行に接する圧縮加工面2201の幅は1〜5mm程度である。また、テーパの角度は円筒状部材103と平行な面に対して1〜5度程度が望ましい。なお、図中の一点鎖線1304Cは内治具1304の回転軸を示す。
図23に示すように、一般的に行われるスピニング加工で多用される接触面の断面がR形状のローラ2301を用いると、矢印Xで示す材料の塑性流動方向が円筒状部材103の周方向ではなく長手方向に卓越し、周方向寸法が変化せず周長の矯正ができないという問題がある。これと同様に、図22に示したテーパ形状を有する外側ローラ1306においても圧縮加工面2201の幅が小さくテーパ面の角度が大きいと、材料の塑性流動方向Xが円筒状部材103の周方向ではなく長手方向に卓越し、周方向寸法が変化せず周長の矯正ができないという問題がある。
また、圧縮加工面2201の幅が広すぎると、加工荷重が増大しローラの負荷が増大するという問題がある。圧縮加工面2201の幅とテーパ角度を適切に設定することで、所望の矯正加工を得るとともに加工荷重を抑制し、ローラの負荷を軽減することができ、ローラの寿命を長くできるという効果がある。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の一部または全部を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
101:薄肉タンク
102:碗状部材
102a:碗状部材であってタンクの底
102b:碗状部材であってタンクの蓋
103:円筒状部材
104:長手溶接ビード
105:周溶接ビード
202:円筒状部材の開口端周縁部に成形された継手
301:ローラ
302:内冶具
304:内張り治具
51:第1の曲げローラ
52:第2の曲げローラ
53:第3の曲げローラ
54:第4の曲げローラ
701:碗状部材の継手(断面がL字状)
702:円筒状部材の継手(断面がZ字状)
703:矯正箇所
712:円筒状部材の継手(L字状)
722:円筒状部材の継手(庇を設けたL字状)
722a:円筒状部材の継手の庇部
902a,902b:継手の接触部
1001:円筒状部材の矯正箇所と未矯正の他端側をつなぐテーパ形状
1301:モータ
1302:回転主軸
1303:回転従動軸
1304:内治具
1305:把持治具
1306:外側ローラ
1307:内側ローラ
1308:端面ストッパ
1309:左右軸レール
1310:外側ローラユニットの上下軸レール
1311:内側ローラユニットの上下軸レール
1401:把持ブロック
1402:把持ブロックの支持部
1801:外側ローラ先端の溝部
1901:継手形状
2101:内治具の溝部
2201:外側ローラの圧縮加工面
2202:外側ローラのテーパ部

Claims (13)

  1. 金属薄板を円筒状に成形した円筒状部材の開口端部に、その外周面から、その周に沿って板厚方向に圧縮力を負荷することによって、上記円筒状部材の板厚方向と周方向とに部材を塑性変形せしめ、上記円筒状部材の開口端部の帯状の範囲の周方向の長さを延伸することを特徴とする円筒状部材の加工方法。
  2. 上記円筒状部材の内側に設けられる内治具と上記円筒状部材の外面と接する外側ローラ及び上記円筒状部材の内面と接する内側ローラとを用いて上記円筒状部材の加工をするに際し、上記内治具と上記円筒状部材を外側から押圧する上記外側ローラとで上記円筒状部材を挟持する際に、上記円筒状部材の開口端部を上記内治具から所定距離だけ突出させて非挟持部分とするとともに、上記外側ローラの先端に溝部を形成し、次いで、この非挟持部分に上記内側ローラの先端を押圧することにより、上記円筒状部材の開口端部に継手を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の円筒状部材の加工方法。
  3. 円筒状部材の開口端部に塑性加工を施す装置であって、上記円筒状部材の内面を把持する内張り治具と、上記円筒状部材の内面に接する内治具と、上記内張り治具と上記内治具に回転駆動力を与え、上記内張り治具で把持された上記円筒状部材を回転させるモータと、上記円筒状部材の外面に接するローラと、上記ローラを任意の軌道で動作させる手段とから構成され、上記ローラは平坦面で上記円筒状部材の長手方向の一部で接し、上記円筒状部材の開口端周縁を上記ローラと上記内治具とで挟み、上記円筒状部材の板厚方向に圧縮力を負荷させることを特徴とする円筒状部材の加工装置。
  4. 上記円筒状部材の内面と接する上記内治具の外周面の少なくとも1か所に、上記円筒状部材の回転軸と平行な溝部を有することを特徴とする請求項3に記載の円筒状部材の加工装置。
  5. 上記円筒状部材の外面と接する外側ローラと上記円筒状部材の内面と接する内側ローラとを備え、上記外側ローラの先端に継手作成のための溝部を形成するとともに、上記内側ローラを任意の軌道で動作させるよう構成し、上記内側ローラにより上記円筒状部材を上記外側ローラに押しつけて継手形状を成形する際に、上記外側ローラは周長の矯正のための圧縮加工と継手の成形のための金型を兼ねていることを特徴とする請求項3に記載の円筒状部材の加工装置。
  6. 上記ローラは、先端に継手作成のための溝部を形成するとともに、上記内治具と上記ローラで上記円筒状部材を挟持し、上記円筒状部材に圧縮力を与える部分は、平坦な圧縮加工面とし、この圧縮加工面から遠ざかるにつれて徐々に上記円筒状部材から離れるようテーパ面を備えていることを特徴とする請求項3に記載の円筒状部材の加工装置。
  7. 金属薄板を筒状に成形したタンクの側面部となる円筒状部材であって、円筒状部材の開口端に断面がZ字状もしくはL字状の継手が形成されるとともに、継手と円筒状部材が接続する部分は板厚方向の圧縮加工によって周方向の経路長が延ばされ、周長が矯正されていることを特徴とする円筒状部材。
  8. 板厚方向の圧縮加工箇所の断面形状は、継手に接続する側は板厚が均一であって、継手と反対側は、継手に近い方は板厚が薄く、継手から遠ざかるにつれて徐々に素材の板厚に戻るテーパ状の形状であることを特徴とする請求項7に記載の円筒状部材。
  9. 金属薄板を筒状に成形したタンクの側面部となる円筒状部材と、金属薄板を碗状に成形したタンクの蓋および底となる碗状部材とを溶接して製造されたタンクであって、上記円筒状部材と上記碗状部材を接合した溶接継手部に接する円筒部側の帯状の範囲に上記円筒状部材の板厚方向の圧縮加工を施したことを特徴とするタンク。
  10. 上記円筒状部材の開口端に断面がZ字状もしくはL字状の継手を形成するとともに、この継手部に続く部分の周長を上記円筒状部材の板厚方向の圧縮加工によって調整したことを特徴とする請求項9に記載のタンク。
  11. 上記円筒状部材の開口端に断面がZ字状もしくはL字状の継手を形成するとともに、この継手部に続く部分に断面がテーパ状の周長矯正部を形成したことを特徴とする請求項10に記載のタンク。
  12. 上記碗状部材の開口端に断面L字状の継手を形成し、上記円筒状部材の開口端に断面Z字状の継手を形成するとともに、これら断面L字状の継手、断面Z字状の継手を突き合せるようにしたことを特徴とする請求項11に記載のタンク。
  13. 上記碗状部材の開口端に断面L字状の継手を形成し、上記円筒状部材の開口端に断面L字状の継手を形成するとともに、これら断面L字状の継手同士を突き合せるようにしたことを特徴とする請求項11に記載のタンク。
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