JP2008087009A - クリンチ加工方法及びクリンチ工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合させる部材がハイテンション材であっても工具寿命を向上させることが可能なクリンチ加工方法及びクリンチ工具を提供する。
【解決手段】ポンチ12によって重合部を加圧しながらポンチ12を回転させて接触部を昇温させ、該接触部の温度が所定温度に到達した時点で、ポンチ12の回転を停止させた後、ポンチ12による加圧力を増大させる。したがって、接触部を昇温させて軟化させる温間加工(温間クリンチ加工)であるため、ポンチ12の本加圧力を、従来の冷間加工の場合の加圧力と比較して大幅に低く設定することが可能になり、接合させる部材がハイテンション材(高張力鋼板)であっても、工具寿命を確保することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、ハイテンション材(高張力鋼板)からなるストラットタイプのショックアブソーバのベースシェルとナックルフィキシングブラケットとをクリンチ加工して接合する方法、及びそのクリンチ加工に用いるクリンチ工具に関する。
近年、自動車部品は、軽量化、高剛性化を図るため、ハイテンション材(高張力鋼板)を採用する傾向にある。例えば、ストラットタイプのショックアブソーバにおいては、ベースシェル、並びにナックルフィキシングブラケットにハイテンション材が使用される。このストラットタイプのショックアブソーバでは、筒状のベースシェルの外側にナックルフィキシングブラケットの管状の被接合部を重ね合わせてクリンチ加工(張出カシメ加工)することにより、ベースシェルにナックルフィキシングブラケットを接合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このように、ベースシェルにナックルフィキシングブラケットをクリンチ加工によって接合した場合、従来の溶接等による接合と比較して、接合強度が確保されると共に生産性を高めることが可能になる。
しかしながら、材料にハイテンション材を採用した場合、従来の材料(例えば、STKM-12B)と比較してクリンチ加工時に大きい工具荷重が必要である。このため、工具(ポンチ)寿命が大幅に低下し、ランニングコスト、延いてはストラットタイプのショックアブソーバの製造コストが増大する問題がある。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、接合させる部材がハイテンション材であっても工具寿命を向上させることが可能なクリンチ加工方法及びクリンチ工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、第1の板材と第2の板材との重合部をクリンチ加工することにより接合する方法であって、ポンチの先端部によって重合部を所定の加圧力で押圧しながらポンチを軸線回りに回転させることで重合部におけるポンチの先端部との接触部分を昇温させ、該接触部分の温度が所定温度に到達した時点でポンチの加圧力を所定の加圧力に増大させることで接触部分の材料を塑性流動させて重合部にクリンチ部を形成することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1の板材及び第2の板材がそれぞれ第1の管状体及び第2の管状体であって、第1の管状体と第2の管状体との重合部の内側にダイを挿入し、ポンチの先端部によって重合部を該重合部の外側から所定の加圧力で押圧しながらポンチを軸線回りに回転させることで重合部におけるポンチの先端部との接触部分を昇温させ、該接触部分の温度が所定温度に到達した時点でポンチの回転を停止させ、ポンチの回転が停止した後、ポンチの加圧力を所定の加圧力に増大させることで接触部分の材料を塑性流動させて重合部にクリンチ部を形成することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、重合部にクリンチ部を形成した後、ダイと重合部とを該重合部の軸線回りに所定角度位相だけ相対回転させて位置決めし、該位置でポンチによって重合部にクリンチ部を形成することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、第1及び第2の管状体は、一方がシリンダ装置の外筒であり、他方がシリンダ装置の支持部材であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の発明において、シリンダ装置は、ストラットタイプのショックアブソーバであり、外筒がベースシェル、及び支持部材がナックルフィキシングブラケットであることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項6に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載のクリンチ加工方法に用いられるクリンチ工具であって、第1の管状体と第2の管状体との重合部の直径方向外向きに配置される一対のダイと、該ダイを重合部の直径方向へ移動可能に支持する中空マンドレルと、該中空マンドレルに内挿されると共に先端の楔状体が一対のダイの背面に楔合され、中空マンドレルに対して軸線方向へ移動させて一対のダイを進退動させる作動ロッドと、一対のダイに対向可能に配置され、重合部の軸線回りに回転可能な少なくとも一対のポンチと、各ポンチを軸線回りに回転させる回転駆動機構と、を具備することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、ダイと重合部とを該重合部の軸線回りに相対回転させて位置決めする回転位置決め機構を具備することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、ポンチの外周部に外挿され、パンチホルダに収容されたコイルばねによって対向するダイに向けて付勢されたストリッパを備え、該ストリッパは、ノズル状に形成された先端部の開口周縁にR形状の突起部が形成され、該突起部がクリンチ加工時にクリンチ部の開口周縁に押圧されることを特徴とする。
したがって、請求項1に記載のクリンチ加工方法に係る発明では、重合部におけるポンチの先端部との接触部分(以下、接触部と称する)を温間加工(温間クリンチ加工)することにより、接触部にクリンチ部が形成されて第1の板材と第2の板材とが接合される。
請求項2に記載のクリンチ加工方法に係る発明では、接触部を温間加工(温間クリンチ加工)することにより、接触部にクリンチ部が形成されて第1の管状体と第2の管状体とが接合される。
請求項3に記載のクリンチ加工方法に係る発明では、クリンチ部の形成後、ダイと重合部とを相対回転させて位置決めすることにより、クリンチ加工(温間クリンチ加工)が連続して行われる。
請求項4に記載のクリンチ加工方法に係る発明では、シリンダ装置の外筒と支持部材とがクリンチ加工(温間クリンチ加工)により接合される。
請求項5に記載のクリンチ加工方法に係る発明では、ストラットタイプのショックアブソーバのベースシェルとナックルフィキシングブラケットとがクリンチ加工(温間クリンチ加工)により接合される。
請求項6に記載のクリンチ工具に係る発明では、中空マンドレルを管状体に挿入して一対のダイを管状体の重合部に臨ませ、この状態で作動ロッドを操作して一対のダイを重合部直径方向外側へ進出させて一対のダイを重合部内周面に当接させる。次に、一対のポンチの先端部によって、該一対のポンチとこれら一対のポンチに対応(重合部を介して対向)する一対のダイとの間の重合部表面(重合部外周面)を所定の加圧力(荷重)で押圧する。この状態で、一対のポンチを回転させて接触部を昇温させ、接触部が所定温度に昇温後、一対のポンチの加圧力を増大させる。これにより、接触部の材料が塑性流動し、重合部がクリンチ加工(温間クリンチ加工)される。
請求項7に記載のクリンチ工具に係る発明では、ダイと重合部とを相対回転させて位置決めすることにより、クリンチ加工(温間クリンチ加工)が連続して行われる。
請求項8に記載のクリンチ工具に係る発明では、クリンチ加工(温間クリンチ加工)時に、ストリッパの突起部によってクリンチ部の開口周縁にR形状が成形される。
請求項1に記載のクリンチ加工方法に係る発明によれば、温間加工(温間クリンチ加工)であるため、クリンチ加工時におけるポンチの加圧力(荷重)を冷間加工の場合(ポンチを回転させない場合)と比較して低く設定することが可能になり、板材がハイテンション材(高張力鋼板)であっても工具寿命を確保することができる。また、ポンチと板材との相互間の摩擦によって接触部を昇温させるので、大掛かりな加熱装置を必要とせず、設備コストが安価で済むと共に消費エネルギー(電力)を低く抑えることができる。
請求項2に記載のクリンチ加工方法に係る発明によれば、温間加工(温間クリンチ加工)であるため、ハイテンション材からなる管状体をクリンチ加工する場合であっても工具寿命を確保することができる。
請求項3に記載のクリンチ加工方法に係る発明によれば、ダイと重合部とを相対回転させて順次位置決めすることにより、管状体のクリンチ加工(温間クリンチ加工)を連続して行うことが可能になり、生産性を向上させることができる。
請求項4に記載のクリンチ加工方法に係る発明によれば、温間加工(温間クリンチ加工)であるため、ハイテンション材からなるシリンダ装置の外筒と支持部材とをクリンチ加工する場合であっても工具寿命を確保することができる。
請求項5に記載のクリンチ加工方法に係る発明によれば、温間加工(温間クリンチ加工)であるため、ハイテンション材からなるストラットタイプのショックアブソーバのベースシェルとナックルフィキシングブラケットとをクリンチ加工する場合であっても工具寿命を確保することができる。
請求項6に記載のクリンチ工具に係る発明によれば、重合部にポンチを押し当てた状態で、該ポンチを回転させて重合部におけるポンチとの接触部を昇温させるので、管状体の重合部をクリンチ加工(温間クリンチ加工)することができる。これにより、クリンチ加工時におけるポンチの加圧力(荷重)を冷間加工の場合(ポンチを回転させない場合)と比較して低く設定することが可能になり、板材がハイテンション材(高張力鋼板)であっても工具寿命を確保することができる。また、ポンチと板材との相互間の摩擦によって接触部を昇温させるので、大掛かりな加熱装置を必要とせず、設備コスト並びにランニングコストが安価で済む。
請求項7に記載のクリンチ工具に係る発明によれば、ダイと重合部とを相対回転させて順次位置決めすることにより、管状体のクリンチ加工(温間クリンチ加工)を連続して行うことが可能になり、生産性を向上させることができる。
請求項8に記載のクリンチ工具に係る発明によれば、クリンチ部の開口周縁にR形状が成形されるので、クリンチ部の開口周縁が滑らかになり、この部分の塗装の厚みが確保されて高い防錆及び外観品質を得ることができる。
本発明の一実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明に係るクリンチ加工方法を、ストラットタイプのショックアブソーバのベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との接合に適用した場合を説明する。
サスペンションストラットは、サスペンションメンバの一部を構成し、図1及び図2に示されるように、ストラットタイプのショックアブソーバ(シリンダ装置)のベースシェル1(外筒)の下端部に、車軸を支持するナックルを取り付けるためのナックルフィキシングブラケット2(支持部材)が接合される。ナックルフィキシングブラケット2は、ハイテンション材(高張力鋼板)によって形成され、断面が略C字状に形成されたブラケット本体3と断面が略コ字状に形成された連結部材4とを接合することにより管状に形成されたブラケット接合部5と、該ブラケット接合部5の側面から平行に延びる一対のブラケット取付部6と、を有する。ブラケット取付部6には取付孔7が設けられ、ブラケット本体3には補強用のフランジ8が設けられる。なお、ベースシェル1はハイテンション材によって構成される。
ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との重合部、即ちベースシェル1とブラケット接合部5とを重ね合わせた部分は、複数箇所に形成されたクリンチ部9によって接合される。クリンチ部9は、ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との重合部を後述するクリンチ工具10によって外側から塑性変形させて形成され、ベースシェル1の軸線回りに1列に4つのクリンチ部9が複数列(図1には3列のみ示される)で配置される。図3に示されるように、ベースシェル1の周方向に沿って配置された各列の4つのクリンチ部9は、ベースシェル1及びブラケット接合部5の直径(以下、重合部の直径と称す)上に対向する一対のクリンチ部9が2対で設けられ、一方のクリンチ部9の対が配置される重合部の直径を含む直線L1と他方のクリンチ部9の対が配置される重合部の直径を含む直線L2とがなす挟み角が所定の角度(本実施形態では、60°)に設定される。
次に、クリンチ工具10を説明する。図5に示されるように、クリンチ工具10は、温間鍛造用型鋼からなる一対のダイ11及びポンチ12を備え、これら一対のダイ11及びポンチ12は、ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との重合部を介して該重合部の直径方向に対向して配置される。また、クリンチ工具10は、ポンチ12を軸線回りに回転駆動させる回転駆動ユニット13(回転駆動機構)を備える。該回転駆動ユニット13は、プレス機のラムに固定されるケーシング14と、該ケーシング14に収容されたステータ15と、該ステータ15の軸に摺動可能に支持されると共にケーシング14にニードル複合ベアリング16を介して軸線回りに回転可能に支持され、ポンチ12の基部(スプライン軸)が係合されるスプライン孔を有するロータ17と、該ロータ17の基部に固定されたタイミングプーリ18を、タイミングベルト19、タイミングプーリ20及び減速機21を介して回転駆動する電動モータ22とを備える。
ケーシング14の先端部には、有底円筒状に形成されて底部中央にポンチ12を挿通させるためのポンチ挿通孔23が形成されたホルダ24が設けられる。また、ポンチ12の先端側の外周面には、先端部がノズル状に形成された円筒状のストリッパ25が摺動可能に外挿される。該ストリッパ25は、基部に形成されたフランジ26がホルダ24の底部によって規制され、ホルダ24に収容された圧縮コイルばね27のばね力によって相対するダイ11に向けて付勢されることにより、先端部がポンチ挿通孔23からホルダ24の外側へ突出される。また、図4に示されるように、ストリッパ25は、ポンチ12の先端部12aを案内する先端部案内孔28の開口周縁に、R形状(内側R形状)に形成された環状の突起部29が設けられる。なお、クリンチ工具10は、ポンチ12の先端部12aと重合部との接触部(以下、単に接触部と称する)の温度を検出する温度センサ(図示せず)を備える。
図6〜図9に示されるように、各ダイ11は、中空マンドレル30の先端部に重合部の直径方向へ貫通して形成されたガイド孔31内に摺動可能に嵌装された一対の受台32の前面に、ボルト33によって固定される。各受台32の背面には、テーパ状のあり溝34が形成され、該あり溝34には、中空マンドレル30内に挿入され、駆動機構(図示せず)の駆動によって軸線方向へ直線移動される作動ロッド35の先端に設けられた楔状体36のあり37が係合される。これにより、作動ロッド35が直線移動されると一対の受台32がそれぞれ重合部の半径方向へ進退動作し、一対のダイ11が、退避位置(図6及び図7参照)とクリンチ位置(図8及び図9参照)との間を移動する。
次に、上記クリンチ工具10を用いてストラットタイプのショックアブソーバのベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2とをクリンチ加工する方法を説明する。まず、ベースシェル1にナックルフィキシングブラケット2のブラケット接合部5を嵌合し、このベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との重合部に、退避位置状態(図6及び図7参照)にある中空マンドレル30を挿入し、一対のダイ11及びポンチ12を初期位置(図示せず)に位置決めさせる。この状態で、駆動機構によって作動ロッド35並びに楔状体36をクリンチ側へ移動させることにより、一対のダイ11を拡開させてベースシェル1の内周面に当接させる。
次に、一対のポンチ12を相対する各ダイ11に向けて前進させ、図10に示されるように、ストリッパ25を重合部(ナックルフィキシングブラケット2のブラケット接合部5の外周面)に当接させ、さらに圧縮コイルばね27を縮長させてストリッパ25をポンチ12に対して押込むようにしてポンチ12の先端部12aを重合部に当接させる。次に、ポンチ12の先端部12aによって重合部を初期加圧力F1で加圧しながらポンチ12を回転数N1で回転させ、ポンチ12の先端部12aと重合部との間の摩擦により接触部を昇温させる。そして、接触部の温度が所定温度T1に到達した時点で、ポンチ12の回転を停止させた後、ポンチ12による加圧力をF2(F2>F1)に増大させることにより、図11に示されるように、重合部の直径方向に対向した位置を同時にクリンチ加工する。なお、接触部の到達温度T1は、200〜700℃又は室温〜材料(ハイテンション材)の再結晶温度に設定される。
この場合のクリンチ加工は、接触部を昇温させて軟化させた温間加工であるため、ポンチ12による本加圧力F2を、冷間加工(従来のポンチ12を回転させないで行うクリンチ加工)におけるポンチ12による加圧力F0よりも低く設定される(F0>F1)。また、図12に示されるように、クリンチ加工時に、圧縮コイルばね27のばね力によってストリッパ25の先端の突起部29(R形状)が、昇温して軟化したクリンチ部9の開口周縁に押付けられることにより、図13に示されるように、該クリンチ部9の開口周縁が滑らかなR形状に成形される。これにより、ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2とを接合後にカチオン塗装した場合であっても、各クリンチ部9の開口周縁の塗装の厚みが確保され、より高いレベルの防錆及び外観品質を得ることができる。
ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との重合部に一対のクリンチ部9が形成された後、図12に示されるように、一対のポンチ12及びストリッパ25を後退させ、さらに作動ロッド35を退避側へ移動させることで一対のダイ11を退避位置まで後退させる。次に、図14に示されるように、一対のダイ11及びポンチ12を重合部に対して当該重合部の軸線回りに挟み角60°だけ図14における時計回り方向へ相対回転させて位置決めし、この位置で上述したようにしてクリンチ加工を実施する。これにより、図3に示されるように、重合部には、周方向に沿って4つのクリンチ部9が形成される。そして、一対のダイ11及びポンチ12を重合部の軸線方向へ所定ピッチで順次移動及び位置決めし、各ピッチ位置において、上述したようにしてそれぞれ4つのクリンチ部9を形成することにより、ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2とが強固に接合される。
この実施形態では以下の効果を奏する。
本クリンチ加工方法では、ポンチ12の先端部12aによってベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との重合部を初期加圧力F1で加圧しながらポンチ12を回転数N1で回転させ、ポンチ12の先端部12aと重合部との相互間に作用する摩擦によって接触部を昇温させ、接触部の温度が所定温度T1に到達した時点で、ポンチ12の回転を停止させた後、ポンチ12による加圧力をF2(F2>F1)に増大させることにより、重合部の直径方向に対向した位置を同時にクリンチ加工する。
したがって、本クリンチ加工は、ポンチ12と重合部との接触部を昇温させて軟化させる温間加工(温間クリンチ加工)であるため、クリンチ加工時におけるポンチ12の本加圧力F2(荷重)を、従来の冷間加工の場合(ポンチ12を回転させないでクリンチ加工する場合)の加圧力F0と比較して大幅に低く(F0>F2)設定することが可能になり、ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との材料がハイテンション材(高張力鋼板)であっても、工具寿命を確保することができ、ランニングコスト、延いては製造コストの増大を抑制することができる。また、ポンチ12の先端部12aと重合部との相互間の摩擦によって接触部を昇温させるので、大掛かりな加熱装置を必要とせず、設備コストが安価で済むと共に消費エネルギー(電力)を低く抑えることができる。
また、本クリンチ加工方法では、一対のダイ11及びポンチ12と重合部とを相対回転させて順次位置決めし、各位置決め位置においてクリンチ加工(温間クリンチ加工)を行うので、一段取りで全てのクリンチ部9の加工が可能になり、ストラットタイプのショックアブソーバの生産性を向上させることができる(第1の管状体と第2の管状体との接合工程の合理化)。
また、本クリンチ工具10では、ストリッパ25の先端に環状の突起部29(R形状)を形成したので、該突起部29が、昇温して軟化したクリンチ部9の開口周縁に押付けられることにより、該クリンチ部9の開口周縁が滑らかなR形状に成形される。これにより、各クリンチ部9の開口周縁の塗装の厚みが確保され、より高いレベルの防錆及び外観品質を得ることができる。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本実施形態では、ストラットタイプのショックアブソーバのベースシェル1(第1の管状体)とナックルフィキシングブラケット2(第2の管状体)との重合部に適用した場合を説明したが、例えば、図15に示されるように、本クリンチ加工方法及びクリンチ工具10を、第1の板材41と第2の板材42とをクリンチ加工する場合に適用してもよい。
本実施形態では、ポンチ12の回転を停止させた後、ポンチ12による加圧力を本加圧力F2に増大させたが、必要に応じて、ポンチ12の回転を維持したまま、ポンチ12による加圧力を本加圧力F2に増大させてもよい。
ベースシェル1とナックルフィキシングブラケット2との材料はハイテンション材(高張力鋼板)でなくてもよい。
ベースシェルにナックルフィキシングブラケットが接合された状態を示す側面図である。 図1における正面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本クリンチ工具の説明図であって、特にストリッパの先端を断面で示した図である。 本クリンチ工具の説明図であって、特に回転駆動ユニットの構造を示す図である。 本クリンチ工具の説明図であって、特にダイが退避位置に位置した場合のダイ側部分の軸断面図である。 図6におけるB−B断面図である。 本クリンチ工具の説明図であって、特にダイがクリンチ位置に位置した場合のダイ側部分の軸断面図である。 図8におけるC−C断面図である。 重合部が一対のポンチにより初期加圧力F1で加圧されている状態を示す図である。 図10における状態からポンチによる加圧力が本加圧力F2(F2>F1)に増大された状態を示す図である。 一対のクリンチ部の開口周縁に、ストリッパの先端の突起部によってR形状が成形される状態を示す図である。 ベースシェルとナックルフィキシングブラケットとの重合部に一対のクリンチ部が形成された状態を示す重合部の軸直角断面図である。 一対のダイ及びポンチを重合部に対して60°だけ相対回転させて位置決めした後、この位置決め位置においてクリンチ加工が実施されている状態を示す図である。 他の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
1 ベースシェル(第1の管状体)、2 ナックルフィキシングブラケット(第2の管状体)、9 クリンチ部、10 クリンチ工具、11 ダイ、12 ポンチ、13 回転駆動ユニット(回転駆動機構)、25 ストリッパ、29 突起部、30 中空マンドレル、36 楔状体

Claims (8)

  1. 第1の板材と第2の板材との重合部をクリンチ加工することにより接合する方法であって、ポンチの先端部によって前記重合部を所定の加圧力で押圧しながら前記ポンチを軸線回りに回転させることで前記重合部における前記ポンチの先端部との接触部分を昇温させ、該接触部分の温度が所定温度に到達した時点で前記ポンチの加圧力を所定の加圧力に増大させることで前記接触部分の材料を塑性流動させて前記重合部にクリンチ部を形成することを特徴とするクリンチ加工方法。
  2. 前記第1の板材及び前記第2の板材がそれぞれ第1の管状体及び第2の管状体であって、前記第1の管状体と前記第2の管状体との前記重合部の内側にダイを挿入し、前記ポンチの先端部によって前記重合部を該重合部の外側から所定の加圧力で押圧しながら前記ポンチを軸線回りに回転させることで前記重合部における前記ポンチの先端部との接触部分を昇温させ、該接触部分の温度が所定温度に到達した時点で前記ポンチの回転を停止させ、前記ポンチの回転が停止した後、前記ポンチの加圧力を所定の加圧力に増大させることで前記接触部分の材料を塑性流動させて前記重合部に前記クリンチ部を形成することを特徴とする請求項1に記載のクリンチ加工方法。
  3. 前記重合部に前記クリンチ部を形成した後、前記ダイと前記重合部とを該重合部の軸線回りに所定角度位相だけ相対回転させて位置決めし、該位置で前記ポンチによって前記重合部に前記クリンチ部を形成することを特徴とする請求項2に記載のクリンチ加工方法。
  4. 前記第1及び第2の管状体は、一方がシリンダ装置の外筒であり、他方が前記シリンダ装置の支持部材であることを特徴とする請求項2又は3に記載のクリンチ加工方法。
  5. 前記シリンダ装置は、ストラットタイプのショックアブソーバであり、前記外筒がベースシェル、及び前記支持部材がナックルフィキシングブラケットであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のクリンチ加工方法。
  6. 請求項2〜4のいずれかに記載のクリンチ加工方法に用いられるクリンチ工具であって、第1の管状体と第2の管状体の重合部の直径方向外向きに配置される一対のダイと、該ダイを前記重合部の直径方向へ移動可能に支持する中空マンドレルと、該中空マンドレルに内挿されると共に先端の楔状体が前記一対のダイの背面に楔合され、前記中空マンドレルに対して軸線方向へ移動させて前記一対のダイを進退動させる作動ロッドと、前記一対のダイに対向可能に配置され、前記重合部の軸線回りに回転可能な少なくとも一対のポンチと、各ポンチを軸線回りに回転させる回転駆動機構と、を具備することを特徴とするクリンチ工具。
  7. 前記ダイと前記重合部とを該重合部の軸線回りに相対回転させて位置決めする回転位置決め機構を具備することを特徴とする請求項6に記載のクリンチ工具。
  8. 前記ポンチの外周部に外挿され、パンチホルダに収容されたコイルばねによって対向する前記ダイに向けて付勢されたストリッパを備え、該ストリッパは、ノズル状に形成された先端部の開口周縁にR形状の突起部が形成され、該突起部がクリンチ加工時に前記クリンチ部の開口周縁に押圧されることを特徴とする請求項6又は7に記載のクリンチ工具。
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