本発明に係る構成を採用した遊技機の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、説明の便宜上、回胴式遊技機を例に挙げて説明するが、本発明に係る構成は、パチンコ遊技機やアーケード遊技機等の他の遊技機においても採用することができる。
また、後掲する各図には、図3を除き、x軸、y軸及びz軸を示している。x軸、y軸及びz軸の向きは、異なる図であっても、互いに一致させている(図4〜18における、x軸、y軸及びz軸は、図2の前扉10bを筺体本体10aに対して閉じた状態を基準に示している。)。以下においては、特に断りのない限り、x軸方向正側を「右」側、x軸方向負側を「左」側、y軸方向正側を「後」側、y軸方向負側を「前」側、z軸方向正側を「上」側、x軸方向負側を「下」側と呼んでいる。ただし、これら「右」側、「左」側、「後」側、「前」側、「上」側及び「下」側という語句は、各部の相対的な位置関係を表すためのものに過ぎず、各部の絶対的な位置関係を限定するものではない。
1. 回胴式遊技機の概要
図1は、回胴式遊技機10を前方から見た図である。回胴式遊技機10は、図1に示すように、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、その外周面に図柄が描かれた3本のリール13,14,15と、映像演出を行うための液晶ディスプレイ等の表示装置16と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ−カー17等を備えたものとなっており、操作手段として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン19と、リール13,14,15の回転を開始するためのスタートレバー20と、リール13,14,15の回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン21,22,23と、演出の切り替え等を行うためのチャンスボタン24と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン25等を有するものとなっている。
この回胴式遊技機10は、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール13,14,15が回転を開始し、ストップボタン21,22,23がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン21,22,23に対応するリール13,14,15の回転が停止していき、全てのリール13,14,15が停止したときにリール窓10b1の有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)に、その役に応じた枚数のメダルが払い出され、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、ホッパーユニット36(図2を参照)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。メダルのクレジット枚数は、メダルのクレジット枚数が上限値に達していないときに、メダル投入口11にメダルが投入される、又は、入賞によってメダルが払い出されると増加するようになっている。
図2は、前扉10bが開かれた回胴式遊技機10を前方斜め右上から見た図である。回胴式遊技機10は、図2に示すように、前方が開放された箱状を為す筺体本体10aと、筺体本体10aの前面側に開閉可能な状態で取り付けられた前扉10bとで構成された遊技機筺体の内部に各種の機器が収容されたものとなっている。本実施態様において、遊技機筺体の内部には、メイン制御基板ユニット30、サブ制御基板ユニット31、表示ユニット32、電源ユニット33、コネクタユニット34、リールユニット35及びホッパーユニット36等が納められている。
メイン制御基板ユニット30は、役抽選や入賞判定等、遊技における基本的な制御を行う電子基板(メイン制御基板)を備えている。サブ制御基板ユニット31は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行う電子基板(サブ制御基板)を備えている。表示ユニット32は、それに備えられた表示装置16(図1を参照)に表示される映像による演出に関する制御を行う電子基板(映像基板)を備えている。電源ユニット33は、回胴式遊技機10における各機器に電力を供給する電子基板(電源基板)を備えている。コネクタユニット34は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する電子基板(仲介基板)を備えている。リールユニット35は、リール13,14,15の回転をそれぞれ独立して制御する電子基板(リール制御基板)を備えている。ホッパーユニット36は、メダル投入口11(図1を参照)に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板ユニット30からの信号に基づいてメダル払出口12(図1を参照)へメダルを送出する制御を行う電子基板(ホッパー制御基板)を備えている。
これらのユニットに備えられた各種電子基板は、いずれも、不正アクセスの対象となり得る。例えば、メイン制御基板ユニット30に備えられた電子基板(メイン制御基板)には、回胴式遊技機10における基本的な制御を行うためのプログラムが記録された記憶装置(ROM)が搭載されているところ、この記憶装置を偽造したものに交換することによって、遊技中に特定の操作を行うと必ず大当たりになるようにする等、回胴式遊技機10に不正な改造を試みる者がいる。このため、回胴式遊技機10等の遊技機において、これらの電子基板は、ケース(基板ケース)の内部に収容されて封止された状態となっている。電子基板を封止する基板ケースは、内部の異変を外部から発見しやすくするため、通常、透明な樹脂によって形成される。
図3は、回胴式遊技機10のブロック図である。既に述べたように、メイン制御基板ユニット30は、遊技における基本的な制御を行うものである一方、サブ制御基板ユニット31は、演出に関する制御を行うものである。サブ制御基板ユニット31は、図3に示すように、メイン制御基板ユニット30から出力された信号を受け取り、スピーカー17や表示ユニット32や発光ランプ(図示省略)等の出力手段を用いて、各種の演出を実行するようになっている。これに対し、メイン制御基板ユニット30は、サブ制御基板ユニット31から信号を受け取らないようになっており、メイン制御基板ユニット30とサブ制御基板ユニット31との間では、信号が一方通行となっている。
このため、上述した操作手段のうち、遊技の基本的な進行に関わるもの(マックスベットボタン18、シングルベットボタン19、スタートレバー20、第一ストップボタン21、第二ストップボタン22、第三ストップボタン23及び払戻しボタン25)は、メイン制御基板ユニット30に対して信号を出力するようになっている。一方、操作手段でも、遊技の基本的な進行に関わらないもの(チャンスボタン24等、専ら演出に関わるもの)は、サブ制御基板ユニット31に対して信号を出力するようになっている。また、出力手段のうち、遊技の基本的な進行に関わるもの(リールユニット35及びホッパーユニット36)は、メイン制御基板ユニット30から出力された信号に基づいて所定の出力を行うようになっている。一方、出力手段でも、遊技の基本的な進行に関わらないもの(スピーカー17や表示ユニット32等、専ら演出に関わるもの)は、サブ制御基板ユニット31から出力された信号に基づいて所定の出力を行うようになっている。
ところで、本発明は、遊技者によって操作される遊技機用操作ユニットに係るものであるところ、本発明に係る構成は、遊技者によって操作される操作部分(操作部)を有する各種の操作手段において採用することができ、その操作態様を特に限定されない。例えば、遊技者によって押圧操作される操作部(押圧操作部)を備えた操作手段(押圧ボタン等)や、遊技者によって押上操作又は押下操作される操作部を備えた操作手段(レバー等)や、遊技者によって回動操作される操作部を備えた操作手段(ダイヤルやハンドル等)等において、本発明に係る構成を好適に採用することができる。上述した図1の回胴式遊技機10の例では、マックスベットボタン18や、シングルベットボタン19や、スタートレバー20や、ストップボタン21,22,23や、チャンスボタン24や、払戻しボタン25等において、本発明に係る構成を採用することができる。
そのなかでも、チャンスボタン24において、本発明に係る構成を好適に採用することができる。というのも、本発明は、既に述べたように、優れた演出効果を奏することのできる遊技機用操作ユニットを提供するものである。この点、チャンスボタン24は、専ら演出の切り替え等を行うものであり、その操作結果が遊技の基本的な進行(役抽選の結果等)に影響を及ぼすものではない(一般的に、チャンスボタン24は、演出機能を賄うサブ制御基板ユニット31に接続され、基本的な制御を行うメイン制御基板ユニット30には接続されない。)ため、スタートレバー20やストップボタン21,22,23と比較して、操作部を動作等させることについての制限がないからである。
このように、本発明に係る構成は、遊技機に設けられる各種の操作手段のなかでも、特にチャンスボタン24において好適に採用することができる。このため、以下においても、チャンスボタン24で採用する場合を例に挙げて、本発明の遊技機用操作ユニット100(図1)に係る構成ついて説明する。ただし、以下で述べる構成は、チャンスボタン24に限定されるものではなく、他の操作手段においてその構成を採用することが不可能でない限り、他の操作手段においても採用することができる。
2.本発明の遊技機用操作ユニット
本発明の遊技機用操作ユニット100について説明する。以下においては、説明の便宜上、押圧ボタンを例に挙げて、本発明の遊技機用操作ユニット100について説明する。このため、以下においては、「操作部110を押圧」等の表現を用いることがあるが、本発明の遊技機用操作ユニット100が、押圧ボタンだけでなく、レバーやダイヤルやハンドル等の操作手段でも採用することができることについては、既に述べた通りである。本発明の遊技機用操作ユニット100に係る構成を、押圧ボタン以外の操作手段(別種類の操作手段)で採用する場合には、以下の説明における、押圧ボタンの操作態様に係る語句(「押圧」等の語句)を、前記別種類の操作手段の操作態様に係る語句(例えば、前記別種類の操作手段がレバーである場合には、「押し下げる」や「押し上げる」や「引き上げる」や「引き下げる」等の語句、前記別種類の操作手段がダイヤルやハンドルである場合には、「ひねる」や「回す」等の語句)で読み替えた内容を実施するとよい。操作部の形態や操作方向等も、操作手段の種類等に応じて適宜変更するとよい。
また、以下においては、主に2つの実施形態(第一実施形態及び)を例に挙げて本発明の遊技機用操作ユニット100を説明する。しかし、本発明の遊技機用操作ユニット100の技術的範囲は、これらの実施形態に限定されない。本発明の遊技機用操作ユニット100の具体的な構成は、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更することができる。
さらに、以下においては、「操作方向」、「操作方向正側」及び「操作方向負側」という語句が登場する。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100では、「操作方向」はy軸方向に一致しており、「操作方向正側」はy軸方向正側に一致しており、「操作方向負側」はy軸方向負側に一致している。しかし、これは、説明の便宜を考慮したものであり、本発明の遊技機用操作ユニット100の操作方向を限定するものではない。
2.1 第一実施態様の遊技機用操作ユニット
まず、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100について説明する。図4は、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100を示した斜視図である。図4においては、図示の便宜上、操作ユニット筺体140及び前扉10bの前面パネル10b2を破線で示しており、操作ユニット筺体140の内部及び前面パネル10b2の裏側が見えるように描いている。図5は、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100における操作部駆動手段120の駆動原理を説明する図である。図5では、駆動装置121及び作動部品122のみを抜き出して示しており、図5(a)と図5(b)とは、y軸回りに90°異なる角度から見た状態を示している。図6〜10は、操作部110が遊技者によって操作される場合の第一実施態様の遊技機用操作ユニット100を、時系列で、その中心線L1に平行な平面で切断した断面図であって、図6は、操作部110が初期位置A0にあるときを、図7は、初期位置検出手段190がオフになったときを、図8は、第一位置検出手段191がオンになったとき(操作部110が第一位置A1となったとき)を、図9は、操作部110が操作限界位置ALに達したときを、図10は、操作部110が操作限界位置ALに達した後に作動部品122を移動させている様子を、それぞれ示したものである。
本発明の遊技機用操作ユニット100は、図6に示すように、操作部110と、第一位置検出手段191と、第二位置検出手段192と、操作部駆動手段120と、駆動装置制御手段(図示省略)とを備えたものとなっている。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100は、さらに初期位置検出手段190も備えたものとなっている。また、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100は、操作ユニット筺体140も備えている。上記部材のうち、初期位置検出手段190、第一位置検出手段191、第二位置検出手段192及び操作部駆動手段120は、この操作ユニット筺体140の内部に収容した状態で設けられる。以下、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100を構成する各部材について詳しく説明する。
2.1.1 操作ユニット筺体
操作ユニット筺体140は、図4に示すように、前扉10bの前面パネル10b2に形成された操作ユニット取付孔10b3に嵌め込まれ、その前端部(y軸方向負側の端部)を前面パネル10b2に固定されている。このため、操作ユニット筺体140の大部分は、前面パネル10b2の後側に隠れた状態となるようになっている。この操作ユニット筺体140は、図6に示すように、その内部に収容された、初期位置検出手段190、第一位置検出手段191、第二位置検出手段192及び操作部駆動手段120等を保護するだけでなく、後述するように、操作部110を変位可能な状態で支持する機能をも有している。
第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、操作ユニット筺体140を筒状に形成するとともに、その前側(y軸方向負側)の開口部に、操作部110を前後方向(y軸方向)にスライド可能な状態で取り付けている。このため、操作ユニット筺体140の内径は、操作部110の外径よりも僅かに大きく設定している。この点、操作部110の外周面と操作ユニット筺体140の内周面との隙間からワイヤー等が挿入されることがあると、そのワイヤー等によるメイン制御基板ユニット30(図2)等のユニットへの不正アクセスが可能になる虞もあるところ、操作ユニット筺体140は、前記隙間から挿入されたワイヤー等がメイン制御基板ユニット30等のユニットへ届かないようにワイヤー等を遮る機能も発揮するようになっている。
操作ユニット筺体140は、不透明な素材によって形成してもよいが、上述した基板ケースと同様、透明な樹脂によって形成すると好ましい。というのも、操作ユニット筺体140を透明にすることによって、操作ユニット筺体140の内部に生じた異変(不正アクセスの痕跡や操作ユニット筺体140の内部の部材の故障等)を外部から発見しやすくすることが可能になるからである。加えて、操作ユニット筺体140を樹脂によって形成することによって、上記のように、不正アクセスを目的として、操作部110の外周面と操作ユニット筺体140の内周面との隙間からワイヤー等が挿入されたような場合に、操作ユニット筺体140自体に白化等の痕跡が生じるようにすることが可能になるからである。
2.1.2 操作部
操作部110は、遊技者が操作(第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては押圧操作)するための部分となっている。この操作部110は、主に、遊技者によって操作される部分となっている。遊技者が操作部110を操作するときの遊技機用操作ユニット100の動作については後で詳しく説明する。
操作部110は、筒状の操作ユニット筺体140の内側に挿入され、操作ユニット筺体140に対して前後方向(y軸方向)にスライド可能な状態となっているところ、図4に示すように、操作ユニット筺体140の内部には、前後方向(y軸方向)に延びるガイドポスト141を設けており、このガイドポスト141で操作部110をガイドすることによって、操作部110をより安定してスライドさせることができるようになっている。ガイドポスト141には、操作部110を操作方向逆側(y軸方向負側)に付勢するための操作部付勢手段143が外嵌されている。
このため、遊技者による操作力等が操作部110に加えられていないときには、操作部110は、操作方向逆側に変位し、図6に示す初期位置A0で保たれるようになっている。操作部付勢手段143は、操作部110を操作方向に付勢できるものであれば特に限定されず、板バネや弾性材等とすることができるが、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、ガイドポスト141に外嵌したコイルバネとしている。ところで、本発明の遊技機用操作ユニット100に係る構成は、押圧ボタンだけでなく、レバーやダイヤルやハンドル等の他の操作手段でも採用できることについては、既に述べた通りである。この点、操作部110を押圧ボタンとした第一実施態様の遊技機用操作ユニット100では、押し下げられた操作部110を初期位置A0に復帰させるために上記の操作部付勢手段143を設けたが、操作部110をレバーやダイヤルやハンドル等とする場合には、操作部110を初期位置A0へ復帰させるために操作部付勢手段143を設ける必要は特にない。操作部110をダイヤルやハンドル等とした場合には、専ら、遊技者による操作力と、後述する操作部駆動手段120の駆動装置121による駆動力とのみで、操作部110が移動する(初期位置A0へ復帰等する)ようにすることもできる。
操作部110の形態は、操作部110の操作態様等(遊技機用操作ユニット100を採用する操作手段の種類等)に応じて適宜決定される。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、図6に示すように、操作部前側部材111と、操作部中間部材112と、操作部後側部材113とを組み合わせることによって、操作部110を構成している。
操作部前側部材111は、前面部が閉塞されて後面部が開放された筒状を為し、その前面部は、遊技者によって操作される被操作面となる。操作部前側部材111の前面部の後側(裏側)には、通常、文字や図柄等を表わした表示シート114が配されている。操作部中間部材112は、前面部が開放されて後面部が閉塞された筒状を為し、操作部前側部材111の内側で支持されるようになっている。操作部後側部材113は、操作部前側部材111の後面部を閉塞する板状を為している。操作部後側部材113は、操作部中間部材112から後方に隙間を隔てた状態に配されている。このため、操作部110における、操作部中間部材112の後面と操作部後側部材113の前面との間には、隙間αが形成された状態となっている。
操作部110の内部であって、操作部中間部材112の後面部よりも前側に位置する箇所には、発光素子(発光ダイオード等)が実装された光源基板170を配している。操作部110(特に操作部前側部材111)は、透光性を有する素材(透明樹脂等)で形成されている。このため、光源基板170の発光素子を発光させると、遊技者には、操作部110が光った状態で見えるようになっている。これにより、操作部110の操作が有効なときに操作部110を明るく光らせる等の制御が可能になるだけでなく、所定の役(レギュラーボーナスやビッグボーナス等)に入賞したときに操作部110を点滅させる等の演出を行うことも可能となっている。操作部110は、上述したように、操作ユニット筺体140に対して操作方向に移動するようになっているところ、光源基板170は、操作ユニット筺体140に対して動かない状態で固定されたガイドポスト141の前端部に固定された状態となっている。このため、操作部110が操作方向に移動しても光源基板170は移動しないようになっている。
2.1.3 初期位置検出手段
初期位置検出手段190は、図6に示すように、操作部110が初期位置A0にあることを検出するためのものとなっている。初期位置検出手段190は、通常、操作ユニット筺体140の内部に設けられる。この初期位置検出手段190は、後述する第一位置検出手段191と同様のセンサを使用することができる。このため、初期位置検出手段190についての詳しい説明は割愛する。
2.1.4 第一位置検出手段
第一位置検出手段191は、図8に示すように、操作部110が第一位置A1まで変位したことを検出するためのものとなっている。第一位置検出手段191は、通常、操作ユニット筺体140の内部に設けられる。
第一位置検出手段191には、検出対象に接触する又は接触しなくなると検出信号を出力する接触型のセンサを用いてもよいが、通常、検出対象を非接触で検出することができる非接触型のセンサが用いられる。非接触型のセンサとしては、光学式センサ(光電センサ等)や近接センサ等が例示される。なかでも、光電センサは、安価であるだけでなく、検出対象が非金属(樹脂等)であっても検出可能であるために好ましい。
光電センサには、透過型と反射型のものとがあるが、いずれを採用するかは、第一位置検出手段191の取り付けスペース等を考慮して適宜決定される。取り付けスペース等の問題が特にない(透過型の光電センサの発光部と受光部とを対向して配置できる)のであれば、検出精度等を考慮して、透過型を採用すると好ましい。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においても、透過型の光電センサを第一位置検出手段191として用いている。具体的には、第一位置検出手段191を、図8の紙面奥側と紙面手前側に位置する一対の発光部及び受光部で構成しており、作動部品122に設けられた被検知部122dがその一対の発光部及び受光部の隙間に挿入されて、発光部からの出射光が受光部に入らなくなると、検出信号を出力するものとなっている。
第一位置検出手段191は、操作部110が第一位置A1(図8)に達したときに、その発光部と受光部との間に被検知部122dが入る箇所に設けられている。一方、上述した初期位置検出手段190は、操作部110が初期位置A0(図6)にあるときに、その発光部と受光部との間に被検知部122dが入る箇所に設けられている。
ところで、第一位置検出手段191としては、上記のように、検出対象が第一位置に到達すると検出信号を出力する二値出力式(バイナリ出力式)のセンサだけでなく、例えば、検出対象(操作部110又は操作部110と一体的に変位する部材)までの距離を数値として出力する連続値出力式(アナログ出力式)のセンサを用いることもできる。これにより、初期位置検出手段190と、第一位置検出手段191と、後述する第二位置検出手段192とを、1つのセンサ(連続値出力式のセンサ)に集約することも可能になる。この構成は、操作ユニット筺体140の内部のスペースに余裕がない場合等に好適に採用することができる。
連続値出力式のセンサとしては、そのセンサの発光部から出射した光(赤外光等、その波長が不可視光領域にある光であることが一般的であるが、可視光領域にある光を除外しない。また、その光線束が収束するレーザー光であることが一般的であるが、非レーザー光を除外しない。)を検出対象で反射させ、そのセンサの受光部に戻ってきた反射光を評価等することで検出対象までの距離を求める光学式の測距センサ等が例示される。この種の測距センサには、どのような原理を用いて距離を算出するかによって、各種のもの(例えば、三角距離式のものや、タイム・オブ・フライト式のもの等)がある。また、測距センサとしては、上記のように、光を用いるもの(光学式のもの)だけでなく、検出対象までの距離が変化したときに生ずる静電容量の変化から検出対象までの距離を求める静電容量式のものや、検出対象で反射して返ってきた電磁波の位相等により検出対象までの距離を求める電磁波式のものや、検出対象で反射して返ってきた音波の移送等により検出対象までの距離を求める音波式のもの等もある。
これらの測距センサは、センサから検出対象までの距離を読み取ることができることに加えて、その距離が所定の閾値以上又は所定の閾値以下となったときに検出信号を出力する機能を有するものも多い。また、検出信号を出力する閾値をソフト的に変更可能となっているものもある。検出信号を出力する閾値をソフト的に変更可能な測距センサを用いれば、遊技状態等に応じて第一位置A1等の場所を変化させること等も可能である。
ただし、第一位置A1は、サブ制御基板ユニット31に信号を出力して所定の演出を実行する契機となる重要な位置(操作部110の操作結果が反映される位置)である。このため、スペース的な問題等が特にないのであれば、第一位置検出手段191は、初期位置検出手段190や第二位置検出手段192とは、独立して設けることが好ましい。
2.1.5 第二位置検出手段
第二位置検出手段192は、操作部110が第二位置A2(図8を参照)まで変位したことを検出するためのものとなっている。第二位置A2は、図8に示すように、初期位置A0と第一位置A1との間に設けられる。この第二位置A2は、操作部駆動手段120を駆動し、駆動装置121から作動部品122に作用する力を変化させることで、操作部110を操作方向に変位させる、又は、操作部110の操作抵抗を変化させる位置となっている。すなわち、操作部110を操作する遊技者に、操作部110を操作している途中から操作部110の操作感等が変化したと感じさせ始める位置となっている。以下においては、初期位置A0から第二位置A2までの区間を、「初期位置側区間」と呼ぶことがあり、第二位置A2から第一位置A1側の区間を、「第一位置側区間」と呼ぶことがある。
ここで、「操作部110を操作方向に変位させる」の概念には、操作部110を操作方向正側に移動させる態様だけでなく、操作部110を操作方向負側に移動させる態様や、操作部110を振動(操作方向正側と操作方向負側とに交互に移動)させる態様も含んでいる。また、「操作部110の操作抵抗を変化させる」の概念には、操作部110の操作抵抗が大きくなる態様(強い力を加えなければ操作部110を操作することができなくなる態様)だけでなく、操作部110の操作抵抗が小さくなる態様(小さい力で操作部110を操作することができるようになる態様)や、操作部110の操作抵抗が大きな状態と操作抵抗が小さな状態とが繰り返し発現するようにする態様等も含んでいる。
第二位置検出手段192は、上記の初期位置検出手段190や第一位置検出手段191と同様のものを採用することができる。しかし、第二位置A2は、操作部110の操作結果等には影響を及ぼさない位置であるため、それを設ける場所の設定自由度は第一位置A1等よりも高い。すなわち、遊技機用操作ユニット100の仕様等に応じて、第二位置A2の場所は、適宜変更することができる。また、操作部110の挙動自体で多様な演出を行うことができるよう、同じ遊技機用操作ユニット100であっても、遊技中のあるときと別のときとで、第二位置A2の場所を変化させたい場合もあり得る。
例えば、第二位置A2として複数の候補位置を設定しておき、遊技状態等に応じて当該複数の候補位置のうちいずれかが第二位置A2として更新設定されるようにすれば、遊技状態等に応じて第二位置A2の場所(操作部駆動手段120で操作部110を駆動する場所)を変化させる等、同一の操作部110であっても、第二位置A2の異なる多様な演出を行うことが可能になる。
この点、上述した連続値出力式のセンサを第二位置検出手段192として用いると、上記のような第二位置A2の変更にも容易に対応することができる。しかし、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100では、後述するように、駆動装置121として、現在の変位量を出力可能なモーターを採用している。このため、その駆動装置121(変位量を出力可能なモーター。より正確には、そのモーターに据え付けられたロータリーエンコーダ)が第二位置検出手段192として機能するようにしている。これにより、第二位置検出手段192を駆動装置121と共用し、遊技機用操作ユニット100の部品点数を削減することや、操作ユニット筺体140の内部スペースを有効活用することが可能になる。
2.1.6 操作部駆動手段
操作部駆動手段120は、図5に示すように、駆動装置121と作動部品122とで構成される。駆動装置121は、作動部品122を駆動するためのものとなっている。操作部駆動手段120は、駆動装置121から作動部品122に作用する力を変化させることによって、操作部110(図6)を操作方向(操作方向正側又は操作方向負側)に変位させる、又は、操作部110の操作抵抗を変化させるものとなっている。
駆動装置121は、電気等の動力により駆動できるものであれば特に限定されない。駆動装置121としては、モーターやソレノイド等が例示される。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、正逆回転可能であって、その変位量(回転変位量)を出力可能なモーターを、駆動装置121として用いている。
斯様なモーターとしては、その相対的な回転変位量を出力可能なインクリメンタルエンコーダを備えたもの(ステッピングモーター)や、その絶対的な回転変位量を出力可能なアブソリュートエンコーダを備えたもの(サーボモーター)等が挙げられる。しかし、ステッピングモーターで採用されるインクリメンタルエンコーダは、振動等に起因するパルスの検出漏れ等で、それから出力される回転変位量に誤差が生じる虞がある。このため、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100では、アブソリュートエンコーダを備えたサーボモーターを駆動装置121として採用している。既に述べたように、このサーボモーター(駆動装置121)のアブソリュートエンコーダは、第二位置検出手段192(図6)としても機能し得るようになっている。
作動部品122は、駆動装置121によって駆動されて動作するものであれば特に限定されない。作動部品122の構成は、駆動装置121の種類や、作動部品122にさせたい動作態様等に応じて適宜決定される。作動部品122は、単一の部材のみで構成されるものに限定されず、複数の部材で構成されるものであってもよい。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100において、作動部品122は、図5に示すように、モーター(駆動装置121)の出力軸121aが連結される駆動力伝達用の歯車122aと、駆動力伝達用の歯車122aに接するガイド用の歯車122bと、駆動力伝達用の歯車122aに噛み合うラック部122c1を有するスライド部材122cとで構成している。
駆動力伝達用の歯車122aは、大径歯車122a1と小径歯車122a2,122a3とで構成されている。小径歯車122a2は、駆動装置121から見て、大径歯車122a1の手前側に位置しており、大径歯車122a1と同心で大径歯車122a1に固定されている。小径歯車122a3は、駆動装置121から見て、大径歯車122a1の奥側に位置しており、大径歯車122a1と同心で大径歯車122a1に固定されている。駆動装置121の出力軸121aが回転中心線L2を中心として回転すると、大径歯車122a1及び小径歯車122a2,122a3も回転中心線L2を中心として回転するようになっている。上記のラック部122c1は、小径歯車122a3と噛み合っており、駆動力伝達用の歯車122aが回転すると、操作方向にスライドするようになっている。このような機構は、一般的に「ラックアンドピニオン機構」と呼ばれる。
第一実施態様の遊技機用操作ユニット100において、上記のラックアンドピニオン機構におけるスライド部材122cは、図6に示すように、その一端部(y軸方向負側の端部)に設けられた当接用頭部122c2が、初期位置A0にある操作部110の第一当接部β1に当接した状態から、図10に示すように、上記の当接用頭部122c2が、操作限界位置ALにある操作部110の第二当接部β2に当接した状態となるまでの範囲において、操作方向(y軸方向)に移動できるようになっている。すなわち、図6のスライド部材122cは、操作方向負側(y軸方向負側)の限界位置に達した状態となっており、図10のスライド部材122cは、操作方向正側(y軸方向正側)の限界位置に達した状態となっている。
一方、ガイド用の歯車122bは、大径歯車122b1と小径歯車122b3とで構成されている。小径歯車122b3は、駆動装置121から見て、大径歯車122a1の奥側に位置しており、大径歯車122b1と同心で大径歯車122b1に固定されている。ガイド用の歯車122bにおける大径歯車122b1は、駆動力伝達用の歯車122aにおける小径歯車122a2と噛み合っており、ガイド用の歯車122bにおける小径歯車122b3は、駆動力伝達用の歯車122aにおける大径歯車122a1と噛み合っている。ガイド用の歯車122bは、駆動力伝達用の歯車122aが回転すると、上記の噛み合いによりその中心線回りに回転するようになっている。このガイド用の歯車122bは、駆動力伝達用の歯車122aをガイドすることで、駆動力伝達用の歯車122aのガタツキを抑えるためのものとなっている。
スライド部材122cは、ラック部122c1が設けられた帯板状の部分の操作方向負側の端部に、板状を為す当接用頭部122c2が設けられている。この当接用頭部122c2は、図6に示すように、操作部110における、操作部中間部材112の後面と操作部後側部材113の前面との間の隙間αに収容された状態とされる。当接用頭部122c2の厚さ(操作方向での厚さ)は、隙間αの操作方向での幅よりも小さくなっている。このため、当接用頭部122c2は、隙間α内で操作方向に移動できるようになっている。当接用頭部122c2は、操作部110における第一当接部β1や第二当接部β2に当接させるためのものとなっている。
2.1.7 駆動装置制御手段
駆動装置制御手段は、操作部110が第二位置A2(図8を参照)に到達したことが第二位置検出手段192により検出されると、駆動装置121から作動部品122に作用する力を変化させるものとなっている。
この駆動装置制御手段は、ROM等の記憶装置に格納されたプログラムか、又は、電子部品における電子回路(IC回路等)として設けられる。駆動装置制御手段としての機能を発揮する記憶装置や電子回路は、操作ユニット筺体140の内部に収容することもできるが、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、サブ制御基板ユニット31(図3)に設けている。
操作部110が第二位置A2に到達した後(操作部110が第一位置側区間にあるとき)に、駆動装置121から作動部品122に作用する力をどのように変化させるかは、操作部110でどのような演出を実行させたいのかに応じて適宜決定する。駆動装置121から作動部品122に作用する力を変化させることにより操作部110で実行可能な演出としては、例えば、以下の操作抵抗増大演出や、操作抵抗減少演出や、操作抵抗増減演出や、操作部振動演出等が挙げられる。サブ制御基板ユニット31は、実行する演出を、メイン制御基板ユニット30(図3)からの信号に基づいて決定し、その一環として、操作部110での演出も決定する。
[操作抵抗増大演出]
操作抵抗増大演出は、第一位置側区間にあるときの操作部110の操作抵抗を、初期位置側区間にあるときの操作部110の操作抵抗よりも増大させる演出である。これにより、操作部110を操作する遊技者に、操作部110を操作している途中から操作部110が重くなったと感じさせることで、遊技者に違和感を与え、遊技の趣向を凝らすことが可能になる。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、上記のように、操作部駆動手段120の駆動装置121として正逆回転可能なモーターを用いているところ、操作部110が第一位置側区間にあるときのモーターで、操作部110を操作方向負側に付勢する向きのトルクを発生するようにすれば、操作抵抗増大演出を実行することができる。
[操作抵抗減少演出]
操作抵抗減少演出は、第一位置側区間にあるときの操作部110の操作抵抗を、初期位置側区間にあるときの操作部110の操作抵抗よりも減少させる演出である。これにより、操作部110を操作する遊技者に、操作部110を操作している途中から操作部110が軽くなったと感じさせることで、遊技者に違和感を与え、遊技の趣向を凝らすことが可能になる。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、上記のように、操作部駆動手段120の駆動装置121として正逆回転可能なモーターを用いているところ、操作部110が第一位置側区間にあるときのモーターで、操作部110を操作方向正側に付勢する向きのトルクを発生するようにすれば、操作抵抗減少演出を実行することができる。モーター(駆動装置121)のトルクをさらに大きくすれば、操作部110を操作する遊技者の手等から操作部110が離れて操作方向正側に移動させる演出(遊技者の手等よりも操作部110を先行して変位させる操作部先行変位演出)も可能である。
[操作抵抗増減演出]
操作抵抗増減演出は、操作部110が初期位置側区間にあるときには略一定であった操作部110の操作抵抗を、操作部110が第一位置側区間にあるときに繰り返し増減させる演出である。これにより、操作部110を操作する遊技者に、操作部110を操作している途中から操作部110の操作にガリガリ感(繰り返し形成された複数の凸部に順次引っ掛かりながら操作部110が変位しているような感覚)を感じさせることで、遊技者に違和感を与え、遊技の趣向を凝らすことが可能になる。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、上記のように、操作部駆動手段120の駆動装置121として正逆回転可能なモーターを用いているところ、操作部110が第一位置側区間にあるときのモーターで、操作部110を操作方向正側に付勢する向きのトルク(正側トルク)と操作部110を操作方向負側に付勢する向きのトルク(負側トルク)とを交互に発生するか、正側トルクか負側トルクの一方を断続的に発生するようにすれば、操作抵抗増減演出を実行することができる。
上記の操作抵抗増減演出においては、例えば、操作部110が0.5mm変位する毎に操作抵抗が大きな状態と小さな状態とを切り替える等、操作部110の変位に応じて操作抵抗が大きな状態と小さな状態とを切り替えるようにすることが好ましい。これにより、操作抵抗増減演出において、上記のガリガリ感をよりリアルな感触で遊技者に感じさせることが可能になる。また、本発明の遊技機用操作ユニット100は、図5で説明したラックアンドピニオン機構を構成する歯車の構成(特に小径歯車122a3の径)や、後述するリンク機構130によって、作動部品122の変位を増大して操作部110に伝達し、操作部110の変位(ストローク幅)を大きく確保する際に好適に採用することができる。というのも、操作部110のストローク幅を大きく確保できると、操作抵抗が大きな状態と小さな状態とを切り替える回数を、遊技者に上記のガリガリ感を感じさせる程度に多く確保することが可能であるからである。
ただし、操作抵抗増減演出において、操作部110の変位に応じて操作抵抗が大きな状態と小さな状態とを切り替えるようにするためには、第一位置側区間における操作部110の位置を複数点で検出する必要がある。この点、二値出力式(バイナリ出力式)のセンサで操作部110の位置を複数点で検出しようとすると、センサも複数個設ける必要が生じるため、センサの配置スペースやコスト等の関係から現実的ではない。このため、操作抵抗増減演出において、操作部110の変位に応じて操作抵抗が大きな状態と小さな状態とを切り替えるようにするのであれば、変位量を連続的又は断続的に出力可能なセンサを用いることが好ましい。これにより、1つのセンサで操作部110の位置を複数点で検出することが可能になる。
[操作部振動演出(限界位置振動を含む。)]
操作部振動演出は、操作部110が初期位置側区間にあるときには遊技者の操作に応じて操作方向正側に単調に変位していた操作部110を、第一位置側区間において、遊技者の操作とは関係なく強制的に振動させる演出である。これにより、操作部110を操作している途中から操作部110を振動させる等、遊技者に違和感を与え、遊技の趣向を凝らすことが可能になる。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、上記のように、操作部駆動手段120の駆動装置121として正逆回転可能なモーターを用いているところ、操作部110が第一位置側区間にあるときのモーターを、操作部110が操作方向正側に移動する向きに回転(正側回転)させる状態と、操作部110が操作方向負側に移動する向きに回転(負側回転)させる状態とを繰り返し切り替えるようにすれば、操作部振動演出を実行することができる。
ところで、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、上述したように、操作部110における、操作部中間部材112の後面と操作部後側部材113の前面との間の隙間α(図6)に、スライド部材122cの当接用頭部122c2を収容し、図10に示すように、操作部110がそれ以上操作方向正側へ変位できない操作限界位置ALに到達した後でも、当接用頭部122c2を隙間α内で操作方向に移動(矢印γの範囲で往復動)できるようにしたため、操作限界位置ALまで操作された操作部110を振動(限界位置振動)させることも可能である。これについては、後で詳しく説明する。
2.1.8 第一実施態様の遊技機用操作ユニットの動作
続いて、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100の動作について説明する。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100において、操作部110は、主に、遊技者によって操作される。このため、以下においては、遊技者が操作部110を操作する場合を例に挙げて説明する。
遊技者によって力が加えられる前の操作部110は、図6に示すように、初期位置A0に位置している。操作部110が初期位置A0にあるときには、作動部品122に設けられた被検知部122dが初期位置検出手段190に重なっており、初期位置検出手段190がオンの状態(検出状態)となっている。操作部110が初期位置A0にあるときのスライド部材122cは、その当接用頭部122c2が操作部110の隙間αのいずれかに位置している。
図6では、説明の便宜上、操作部中間部材112の後面(操作方向正側の面)に設けられた第一当接部β1に、当接用頭部122c2の前面(操作方向負側の面)が当接した状態に描いているが、こうなるとは限らない。例えば、操作部付勢手段143の付勢力が、非駆動時の駆動装置121の抵抗力よりも強ければ、操作部付勢手段143によって操作方向負側に付勢された操作部110が当接用頭部122c2を操作方向負側に引っ張る状態になり、操作部後側部材113の前面(操作方向負側の面)に設けられた第二当接部β2に、当接用頭部122c2の後面(操作方向正側の面)が当接した状態となる。いずれにしても、操作部110を初期位置A0から操作方向正側に操作して少し移動させれば、図6に示すように、第一当接部β1に当接用頭部122c2が当接した状態となる。
図6に示す状態から、操作部110を操作方向正側に操作し続けると、そのうち、図7に示すように、操作部110が位置A0.1に達し、作動部品122に設けられた被検知部122dが初期位置検出手段190から外れ、初期位置検出手段190はオフの状態(非検出状態)となる。図6に示す初期位置A0から図7に示す位置A0.1に至るまでは、遊技者の操作力によって操作部中間部材112の後面(第一当接部β1)が当接用頭部122c2の前面を操作方向正側に押し続けるため、第一当接部β1は、当接用頭部122c2の前面に当接したままの状態で維持されている。
図7に示す状態から、操作部110を操作方向正側にさらに操作し続けると、図8に示すように、操作部110が第二位置A2を通過し、第一位置A1に達する。操作部110が第二位置A2に達すると、上記の操作抵抗増大演出や、操作抵抗減少演出や、操作抵抗増減演出や、操作部振動演出等の演出が開始される。また、操作部110が第一位置A1に達すると、作動部品122に設けられた被検知部122dが第一位置検出手段191に重なって、第一位置検出手段191がオンの状態(検出状態)となる。第一位置検出手段191の検出信号は、サブ制御基板ユニット31(図3)に入力される。サブ制御基板ユニット31は、第一位置検出手段191から検出信号が入力されると、表示装置16(図1)や、発光ランプや、スピーカー17等の所定の出力機器において、所定の演出の実行を開始する。このときの第一当接部β1も、当接用頭部122c2の前面に当接したままの状態で維持されている。
第一位置検出手段191の検出信号がサブ制御基板ユニット31に入力された際に実行される演出(前記所定の演出)としては、表示装置16の表示内容を変化させたり(表示画面を切り替える、又は、表示画面に表示されるキャラクター等を移動させる等)することや、発光ランプの点灯状態を変化させたり、スピーカー17から出力される音声を変化させたり等の態様が例示される。第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、後述するように、図11(a)及び図11(b)に示すライフル射撃演出や、図12(a)及び図12(b)に示す骨切断演出を実行することができる。この点、ライフル射撃演出では、第一位置検出手段191の検出信号がサブ制御基板ユニット31に入力されたタイミングで、スピーカー17から「ダダダダダ・・・」という射撃音(効果音)が出力され、その後、表示装置16の表示画面が図11(a)から図11(b)に切り替わるようにすることができる。また、骨切断演出では、第一位置検出手段191の検出信号がサブ制御基板ユニット31に入力されたタイミングで、スピーカー17から「ギコギコギコ・・・」という切断音(効果音)が出力され、その後、表示装置16の表示画面が図12(a)から図12(b)に切り替わるようにすることができる。
操作部110は、図8に示す第一位置A1よりもさらに操作方向正側には移動できない(第一位置A1が操作限界位置となる)ように構成してもよい。しかし、その場合には、第一位置検出手段191の位置決めに高い精度が要求されるようになる。このため、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、操作部110を第一位置A1よりも操作方向正側に移動させることができるようにしている。これにより、第一位置検出手段191の位置決めに高い精度が要求されなくなるだけでなく、後述する限界位置振動が実行されているときに、第一位置検出手段191がオンとオフを無暗に繰り返さないようにして、遊技機の誤動作を防ぐことも可能となっている。
図8に示す第一位置A1から、操作部110を操作方向正側にさらに操作し続けると、図9に示すように、操作部110の後面がストッパー部材144(通常、ゴム等の緩衝性を有する素材で形成される。)に当接し、操作部110がそれ以上操作方向正側には移動させることができない操作限界位置ALに達する。このときの第一当接部β1も、当接用頭部122c2の前面に当接したままの状態で維持されている。しかし、操作部110はそれ以上操作方向正側には移動できなくても、作動部品122は、そのストローク幅の途中にあるようになっている。このため、駆動装置121(モーター)を正側回転させ続けると、作動部品122の当接用頭部122c2が操作部110から独立して操作方向に移動するようになっている。
図9に示すように、操作部110が操作限界位置ALに到達した状態から駆動装置121(モーター)を正側回転させ続けると、作動部品122の当接用頭部122c2が隙間α内を操作方向正側に移動し、そのうち、図10に示すように、当接用頭部122c2の後面(操作方向負側の面)が操作部後側部材113の前面(操作方向正側の面)に設けられた第二当接部β2に当接する。この当接の衝撃によって操作部110には振動が生じる。以降、駆動装置121(モーター)の回転方向を切り替えて、作動部品122の当接用頭部122c2を隙間α内で往復動(第一当接部β1に当接する位置と第二当接部β2に当接する位置との間で往復動)させれば、操作部110には継続的な振動が生ずるようになる。すなわち、上述した限界位置振動による演出を、それ用の駆動源(バイブレータ等)を別途設けることなく実行することが可能となる。したがって、優れた演出効果を奏することができる。
2.1.9 その他
第一実施態様の遊技機用操作ユニット100は、上述した構成のほか、さらに以下のような構成を採用することができる。
例えば、次の構成を採用することもできる。すなわち、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100は、操作ユニット筺体140における外面を形成する筒状の部分(以下において、「操作ユニット筺体140の筒状部分」と呼ぶことがある。)が、一体的に連続して形成された1つの部材により構成されていた。この点、操作ユニット筺体140の筒状部分を、操作部110を案内する部分(操作部案内部)と操作部駆動手段120が格納される部分(操作部駆動手段格納部)とに分離可能な構造とすることも好ましい。このような構造は、例えば、操作ユニット筺体140の筒状部分における操作部案内部と操作部駆動手段格納部とを、螺合(捩じ込み)や嵌合やネジ止め等することによって互いに組み付けるようにすると、実現することができる。これにより、遊技機用操作ユニット100の仕様が変わる等しても、必要最低限のパーツ(ユニット)を交換するだけで対応することが可能になる。
2.1.10 演出例
続いて、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100を用いて実行し得る演出について説明する。以下においては、説明の便宜上、ライフル射撃演出と骨切断演出とを例に挙げて説明する。しかし、後述するライフル射撃演出や骨切断演出は、飽くまで例として挙げているに過ぎない。本発明の遊技機用操作ユニット100における演出は、後述するライフル射撃演出や骨切断演出以外の態様で実行することも可能である。また、後述するライフル射撃演出や骨切断演出を実行するタイミングは、遊技機の種類や仕様等によって異なり、特に限定されない。例えば、回胴式遊技機10においては、レギュラーボーナスやビッグボーナスへの当選を遊技者に報知等するために、スタートレバー20やストップボタン21,22,23等、遊技の進行に必要な操作手段の受付を不能にし、遊技を一時的に停止するフリーズ状態を発現させる機種があるが、このような回胴式遊技機10においては、上記のフリーズ状態が発生したときに、後述するライフル射撃演出や骨切断演出等の演出を好適に実行することができる。
[ライフル射撃演出]
まず、ライフル射撃演出について説明する。図11は、ライフル射撃演出を示した図である。図11(a),(b)における長方形の枠は、図1に示す表示装置16における表示画面の表示領域を示している。
ライフル射撃演出が開始されると、図11(a)に示すように、表示装置16の表示画面に、「MISSION マシンガンで撃ちまくれ!」という文字表示とともに、複数のキャラクター201〜204と、マシンガンのターゲット250が表示される。キャラクター201〜204としては、敵キャラクター203と、非敵キャラクター201,202,204とが表示されており、ターゲット250は、一のキャラクターに重なった状態から当該一のキャラクターの隣にいる他のキャラクターに重なった状態となるよう、表示画面上を移動している。ターゲット250の位置を固定して、キャラクター201〜204が移動(スクロール等)するようにしてもよいし、ターゲット250及びキャラクター201〜204の双方が移動するようにしてもよい。
上記の状況のもと、遊技機用操作ユニット100の操作部110(図6)が操作されると、マシンガンから弾が発射されている効果音(例えば「ダダダダダ・・・」という効果音)がスピーカー17(図1)から出力される。このとき、所定の役(レギュラーボーナスやビッグボーナス)に当選している状態であった場合には、図11(b)に示すように、ターゲット250が敵キャラクター203に重なる位置まで移動して停止し、敵キャラクター203が「うわぁー!」等と叫び、表示画面には「MISSION成功!」等の文字が表示される。一方、上記の所定の役に当選していない状態であった場合には、ターゲット250が敵キャラクター203から外れた位置(非敵キャラクター201,202,204のいずれかに重なる位置)まで移動して停止し、その非敵キャラクター201,202,204が「キャー!」等と叫び、表示画面には「MISSION失敗!」等の文字が表示される。
すなわち、上記のライフル射撃演出では、遊技機用操作ユニット100の操作部110がライフルのトリガとして機能するようになっているのであるが、この操作部110を操作している途中や操作限界位置まで操作したときに、操作部110を振動させる動作(上記の操作部振動演出)を実行することができる。これにより、操作部110を操作する遊技者に対して、恰もライフルで弾を打っているかのような感触を与えることが可能になり、演出効果を高めることができる。
[骨切断演出]
続いて、骨切断演出について説明する。図12は、骨切断演出を示した図である。図12(a),(b)における長方形の枠は、図1に示す表示装置16における表示画面の表示領域を示している。
骨切断演出が開始されると、図12(a)に示すように、表示装置16の表示画面に、「MISSION ノコで骨を切れ!」という文字表示とともに、鋸300と骨350が表示される。このような状況のもと、遊技機用操作ユニット100の操作部110(図6)が操作されると、鋸300で骨350が切断されている効果音(例えば「ギコギコギコ・・・」という効果音)がスピーカー17(図1)から出力され、骨350に切れ目が入っていく。操作部110の1回の操作は、例えば、鋸300の往復動1回分に対応される。所定時間内等に骨350を切断し終えると、図12(b)に示すように、表示画面には骨350が切断された状態で表示され、「MISSION成功!」等の文字が表示される。一方、所定時間内等に骨350を切断し終えなかった場合には、表示画面には「MISSION失敗!」等の文字が表示される。
すなわち、上記の骨切断演出では、遊技機用操作ユニット100の操作部110による操作が鋸300の操作に対応するようになっているのであるが、この操作部110を操作している途中に、操作部110の操作抵抗を増減させる演出(上記の操作抵抗増減演出)を実行することができる。これにより、操作部110を操作する遊技者に対して、恰も鋸300で骨350を切断しているかのような感触を与えることが可能になり、演出効果を高めることができる。
上記のライフル射撃演出と同様、この骨切断演出においても、ミッションに成功(骨350の切断に成功)したときに、そのときの操作部110の動作態様によって、レギュラーボーナスやビッグボーナスへの当選の期待度が判別できるようにすることも可能である。例えば、レギュラーボーナスやビッグボーナスへ当選しているときには、操作部110を振動させる演出(上記の操作部振動演出)を実行する一方、レギュラーボーナスやビッグボーナスへ当選していないときには、操作部110を振動させる演出を実行しないようにすることも可能である。これによっても、遊技者が操作部110の挙動に注意するようになり、遊技の興趣をさらに高めることが可能になる。
2.2 第二実施態様の遊技機用操作ユニット
続いて、第二実施態様の遊技機用操作ユニット100について説明する。第二実施態様の遊技機用操作ユニット100については、上述した第一実施態様の遊技機用操作ユニット100と異なる部分についてのみ説明し、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100と共通する部分についての説明は割愛する。図13は、第二実施態様の遊技機用操作ユニット100を、その中心線L1に平行な平面で切断した断面図である。
上述した第一実施態様の遊技機用操作ユニット100では、図5に示すように、操作部駆動手段120の駆動装置121としてモーターを用い、作動部品122として駆動力伝達用の歯車122a等を用いたラックアンドピニオン機構としていた。これに対し、第二実施態様の遊技機用操作ユニット100では、図13に示すように、操作部駆動手段120の駆動装置121としてソレノイド装置を用い、作動部品122として、リンク機構130等を用いたものとなっている。ここで、「リンク機構」とは、一般的に、リンク(節)と呼ばれる変形しない複数の部材が、ジョイント(関節)と呼ばれる部材を介して、互いに相対移動可能な状態で連結される機構のことを云う。「リンク機構」には、リンク(節)やジョイント(関節)の本数や配置等に応じて各種のものが存在する。
ソレノイド装置(駆動装置121)は、図13に示すように、ソレノイド121bと、ソレノイド121bで発生する磁場が変化するとスライド変位するスライドピン121cと、スライドピン121cを付勢するスライドピン付勢部材121dとで構成されている。リンク機構130は、スライドピン121cの変位を増大して操作部110に伝達するためのものとなっている。
リンク機構130は、操作部駆動手段120のスライドピン121cの変位を増大して操作部110に伝達する変位増大機構として機能するものとなっている。このため、リンク機構130は、操作部110とソレノイド装置(駆動装置121)のスライドピン121cとの間に介在される。このリンク機構130によって、操作部110を、スライドピン121cよりも大きな変位で動作させ、遊技者が認識しやすい態様の演出を操作部110で行うことが可能になる。特に、上述した操作抵抗増減演出において操作部110の変位に応じて操作部110の操作抵抗を切り替える演出を行う場合に、その演出を遊技者が認識しやすい態様で行うことが可能になる。また、上記「2.1.5 第二位置検出手段」の欄で述べたように、遊技状態等に応じて第二位置の場所(操作部駆動手段120で操作部110を駆動する場所)を変化させる等、同一の操作部110であっても、第二位置の異なる多様な演出を行いやすくすることも可能となる。
リンク機構130による伝達態様としては、入力側(スライドピン121c)の直線運動を直線運動として出力側(操作部110)に伝達するものが典型的であり、押圧ボタンである第二実施態様の遊技機用操作ユニット100においても、そのような伝達態様となっている。しかし、リンク機構130による伝達態様は、遊技機用操作ユニット100や操作部駆動手段120の種類や仕様等に応じて適宜変更することができる。例えば、遊技機用操作ユニット100の操作部110が、回転操作をするもの(ダイヤル等)である場合において、操作部駆動手段120がスライドピン121cを直線運動させるものであるときには、スライドピン121cの直線運動をリンク機構130によって回転運動に変換して伝達するようにすることもできる。また、遊技機用操作ユニット100の操作部110が、回転操作をするもの(ダイヤル等)である場合において、操作部駆動手段120がスライドピン121cを回転運動させるものであるときには、スライドピン121cの回転運動をリンク機構130によって回転運動として伝達するようにすることもできる。
第二実施態様の遊技機用操作ユニット100において、リンク機構130は、図13に示すように、第一リンク131と第二リンク132とを備えたものとなっている。第一リンク131は、互いに傾斜された長アーム部131aと短アーム部131bとを有する「L」字状(図13では逆「L」字状)の部材となっている。第一リンク131と第二リンク132は、第一リンク131の長アーム部131aの中途部分における点P2と第二リンク132の一側の端部における点Q1とにおいて、互いに回動可能な状態で連結されている。また、第一リンク131は、その長アーム部131aと短アーム部131bとの連結部分における点P1において操作ユニット筺体140(又は操作ユニット筺体140に対して動かない部材)に軸支されている。このため、第一リンク131は、操作ユニット筺体140に対して点P1を中心として回動することができるようになっている。第二リンク132の他側(点Q1とは反対側)の端部は、その点Q2においてリンク出力可動部材160から後側に突出する突片に軸支されている。リンク出力可動部材160の前面(y軸方向負側の面)側は、上記の操作部110に連結されている。
加えて、第一リンク131の短アーム部131bには、長孔状の案内孔131b1が設けられている。案内孔131b1は、後述する可動部材150の移動方向(y軸方向)に対して非平行な方向に延びている。この案内孔131b1には、板状の可動部材150から前方(y軸方向負側)に突出する突起151の先端部に設けられた被案内部151aが挿入されている。可動部材150は、操作ユニット筺体140の内部に操作方向(y軸方向)に移動可能な状態で収容されている。この可動部材150における後面(y軸方向正側を向く面)側には、既に述べた操作部駆動手段120のスライドピン121cの前端部が固定されている。このため、可動部材150は、スライドピン121cと一体的に動作するようになっている。すなわち、スライドピン121cの変位が可動部材150を介して第一リンク131に伝達される一方、逆に、第一リンク131が変位した際には、その変位が可動部材150を介してスライドピン121cに伝達される構造となっている。
第二実施態様の遊技機用操作ユニット100においては、スライドピン121cが図13に示す状態からy軸方向正側に変位すると、被案内部151aが、案内孔131b1内を点P1から離反する側に移動しながら、第一リンク131に点P1を中心とする反時計回りの回転力を与えるようになっている。また、第一リンク131が図13に示す状態から点P1を中心として反時計回りに回動変位した際には、被案内部151aが、案内孔131b1内を点P1から離反する側に移動しながら、後側(y軸方向正側)に変位し、スライドピン121cもy軸方向正側に変位するようになっている。
さらに、第一リンク131の長アーム部131aにおける、操作部110側の端部には、被案内部131a1が設けられている。この被案内部131a1は、上記のリンク出力可動部材160から後側に突出する突片に長孔状に設けられた案内孔161に挿入されている。案内孔161は、操作部110の操作方向(y軸方向)に対して非平行な方向に延びている。このため、操作部110を図13に示す状態から操作方向正側(y軸方向正側)に操作すると、被案内部131a1が、案内孔161内を一側(図13においてはx軸方向負側)に移動しながら、操作方向正側(y軸方向正側)に変位するとともに、第一リンク131が点P1を中心として反時計回りに回動変位するようになっている。また、第一リンク131が図13に示す状態から点P1を中心として反時計回りに回動した際には、被案内部131a1が、案内孔161内を他側(図13においてはx軸方向正側)に移動しながら操作方向負側(y軸方向負側)に変位し、操作部110も操作方向負側に変位するようになっている。
第二実施態様の遊技機用操作ユニット100のように、駆動装置121がソレノイド装置からなり、作動部品122がリンク機構130からなるものであっても、例えば、操作部110に、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100のような隙間αを形成し、リンク出力可動部材160に、このような隙間α内で往復動する部分を作れば、第一実施態様の遊技機用操作ユニット100と同様の動作を行わせることが可能である。