まず、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技機の機械的構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機1の一例を示す正面図である。ここでは、本発明に係る遊技機が、パチンコ機1である場合について説明するが、本発明に係る遊技機が、その他の遊技機(例えば、パチスロ機)である形態でも良い。なお、図1では、便宜上、遊技盤2に配設された画像表示器21以外の種々の部材(可動役物22、盤ランプ23等:図2参照)の表記を省略している。
図1において、パチンコ機1(遊技機に相当する)は、遊技者の操作によって打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されている。このパチンコ機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2、及び、遊技盤2を囲む枠部材5を備えている。後述するように、枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に開閉自在に構成され、遊技盤2に対して着脱自在に取り付けられている。
枠部材5の前面側には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、及び、球貯留皿59等が配設されている。
遊技者によって、ハンドル51が把持されてレバー52が時計方向に回転されると、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図8参照)が遊技球を発射する。球貯留皿59(図4参照)は、パチンコ機1の前方に突出して配設され、発射装置211に供給する遊技球を一時的に貯留する。また、球貯留皿59には、上述した賞球が払い出される。そして、球貯留皿59に貯留された遊技球は、遊技者のレバー52操作に応じて、球供給装置(図示省略)によって1個ずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に配設され、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者によって押下された場合に、遊技球の発射を停止させるボタンである。取り出しボタン54は、球貯留皿59が設けられた位置近傍の前面に配設され、遊技者によって押下された場合に、球貯留皿59に溜まっている遊技球を箱(図示省略)に落下させるボタンである。
スピーカ55及び枠ランプ56は、それぞれ、パチンコ機1の遊技状態、遊技状況等を報知すると共に、各種の演出を行う。スピーカ55は、楽曲、音声、効果音等による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯、点滅による発光パターン、発光色の変化等によって光による各種の演出を行う。
図2は、図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤2の盤面の一例を示す盤面図である。遊技盤2は、その前面側に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211:図8参照)から発射された遊技球が遊技盤2の盤面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材2a、及び、上昇した遊技球を遊技領域20の右側下方に案内する釘、風車等の案内部材2bを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示器21が配設されている。画像表示器21(表示手段に相当する)は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知すると共に、キャラクタの登場、アイテムの出現等による予告演出を表示する。なお、画像表示器21は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、及び、7セグメント表示装置等によって構成されるが、他の種類の表示装置を利用しても良い。
更に、遊技盤2の前面側には、各種の演出に用いられる可動役物22及び盤ランプ23が設けられている。可動役物22(可動部材に相当する)は、遊技盤2に対して移動可能に構成され、ゲームの進行に応じて予め設定された所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。ここでは、図2に示すように、可動役物22は、携帯電話機を模した形状に構成されている。また、可動役物22は、図5〜図7を参照して後述するように、ここでは、予め設定された所定のストロークで左右方向に往復運動をするべく駆動される。更に、可動役物22に形成された窓孔221(切欠部に相当する:図5参照)は、携帯電話機のLCD等で構成されるメインディスプレイに相当する位置(可動役物22の上部)に形成され、窓孔221に嵌め込まれた透明な樹脂板223(図5参照)を透過して、背面側の画像表示器21に表示された画像が外部から視認可能に表示される。また、盤ランプ23は、ゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図2においては、入賞や抽選に関する役物の一例として、始動口25、ゲート27、大入賞口28、及び、普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。更に、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球の内、入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
始動口25は、該始動口25に遊技球が入ったことが検出されると特別図柄抽選(=大当たり抽選)が始動する入賞口である。すなわち、始動口25は、予め定められた特別図柄表示器(ここでは、後述する特別図柄表示器61)を変動させることとなる入賞口である。ゲート27は、該ゲート27を遊技球が通過したことが検出されると普通図柄抽選(=開閉抽選)が始動するものである。
また、始動口25は、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(図8参照:例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じている状態では、始動口25の入口へ案内される開口幅が相対的に狭いため、遊技球が始動口25へ入り難い。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開いた状態では、始動口25の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が始動口25へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が予め設定された所定時間(例えば、1秒間)だけ開き、予め設定された所定回数(例えば、3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、始動口25の下方に配設され、特別図柄抽選の結果に応じて開放する入賞口である。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の盤面から突出傾斜して開状態となり、遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、予め設定された所定条件(例えば、30秒経過、10個の遊技球の入賞、又は、累積開放時間が1.8秒以上)を満たすまで開状態が維持されるラウンドを、予め設定された所定回数(例えば、15回又は2回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない入賞口である。
また、遊技盤2の所定位置(ここでは、右下)に、上述した特別図柄抽選、普通図柄抽選の結果、及び、保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。表示器3の詳細については、図3を用いて後述する。
なお、図1に示したパチンコ機1は、遊技領域20に1つの始動口25が配設されているが、遊技球が入ると特別図柄抽選が開始される始動口を複数個だけ設けても良い。また、パチンコ機1は、遊技領域20に1つの大入賞口28が配設されているが、大入賞口28と同様の機能を有する大入賞口を複数個だけ設けても良い。
また、パチンコ機1は、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される確率である大当たり確率が変動する場合がある。例えば、パチンコ機1は、大当たり確率が相対的に低い状態(通常状態:例えば、大当たり確率が300分の1)から大当たり確率が相対的に高い状態(確率変動状態:例えば、大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、パチンコ機1は、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮される場合、普通図柄抽選時の当選する確率が高まる場合、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮される場合、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長される場合、及び、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増える場合(以下、「電チューサポート」という)ある。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。始動口25、大入賞口28、及び、普通入賞口29に遊技球が入る(=入賞する)と、遊技球が入賞した入賞口に応じて、1つの遊技球当たり所定個数の賞球が払い出される。例えば、始動口25に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球、がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
図3は、パチンコ機1に配設された表示器3の一例を示す説明図である。図3において、表示器3は、特別図柄表示器61、特別図柄保留表示器62、普通図柄表示器63、普通図柄保留表示器64、及び。遊技状態表示器65を備えている。
特別図柄表示器61は、始動口25に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される表示器である。例えば、特別図柄表示器61は、7セグメント表示装置等からなり、始動口25に遊技球が入賞した場合に、特別図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器63は、ゲート27を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される表示器である。例えば、普通図柄表示器63は、LED表示装置等からなり、遊技球がゲート27を通過した場合に、普通図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。
特別図柄保留表示器62は、特別図柄抽選を保留している回数を表示する表示器である。普通図柄保留表示器64は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する表示器である。例えば、特別図柄表示器61又は普通図柄表示器63によって表示図柄が変動表示されている期間(入賞1回分の変動表示が行われている間)に、更に他の遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球に対する表示図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する変動表示が終了するまで、予め設定された所定回数(ここでは、4回)を限度に保留される。このような保留がなされていること、及び、その保留の個数(=未抽選回数)が、特別図柄保留表示器62及び普通図柄保留表示器64に表示される。例えば、特別図柄保留表示器62及び普通図柄保留表示器64は、それぞれ、列設されたLED表示装置等からなり、その点灯態様によって保留回数を表示する。
遊技状態表示器65は、パチンコ機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。後述するように、パチンコ機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)が設定されている。そして、パチンコ機1の電源投入時点においては、遊技状態表示器65によってその遊技状態が報知される。例えば、遊技状態表示器65は、複数のLED表示装置等からなり、その点灯態様によって遊技状態を表示する。
図4は、パチンコ機1に配設され、遊技者からの操作を受け付ける操作部の一例を示す部分平面図である。図4に示すように、パチンコ機1には、操作部の一例として、演出ボタン57及び演出キー58が設けられている。
演出ボタン57及び演出キー58は、それぞれ、遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン57は、パチンコ機1の前方に突出した球貯留皿59の上面側方に設けられる。演出キー58は、中央キーと略十字に配列された複数のキーとを有し、演出ボタン57に隣接して球貯留皿59の上面側方に設けられる。例えば、演出キー58は、その中央に1つの中央キーを配置し、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。演出ボタン57及び演出キー58は、それぞれ、遊技者に押下されることによって、予め設定された所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、演出キー58の4つの周囲キーを操作することにより、画像表示器21に表示されている複数の画像の何れかを選ぶことが可能である。また、遊技者は、演出キー58の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、パチンコ機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンク、遊技球を球貯留皿59に払い出す払出装置(=払出駆動部311:図8参照)等が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の背面側には、メイン基板、サブ基板等を有する制御装置が配設されている。メイン基板には、図8を用いて後述するメイン制御基板100、発射制御基板200、払出制御基板300等が配設されている。このメイン基板は、開封された場合には、その痕跡が残るように透明部材で構成されたケースに密封されている。サブ基板には、図8を用いて後述する演出制御基板400、画像制御基板500、ランプ制御基板600等が配設されている。また、遊技盤2の背面側には、パチンコ機1に供給された24VのAC電源をDC電源に変換して上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
ここで、図5〜図7を参照して、可動役物22の駆動機構について説明する。図5は、可動役物22の駆動機構の一例を示す分解斜視図である。図6は、可動役物22の駆動機構の一例を示す説明図(正面図)である。図7は、可動役物22の駆動機構の一例を示す背面図である。図5に示すように、可動役物22の駆動機構は、隅角覆い板341に固着される台枠32と、台枠32に取り付けられる保持枠33と、を備えている。可動役物22は、保持枠33に取り付けられる。台枠32には、台板321の裏面の両側に一対のビス孔323が設けられ、台板321の両側縁に後方へ屈曲する側板322が設けられていると共に、一対の側板322の上端部及び下端部にそれぞれ軸孔324が設けられている。
保持枠33は、台枠32より大きく略縦長の長方形状に成形され、その前面板333の両側縁に前端縁がそれぞれ下方に進むに従い前方へ迫り出すような傾斜面に形成される側面板332が設けられ、一対の側面板332間に上下の各軸孔324に軸338が遊挿される。これら上下の軸338は、互いに平行であって、且つ、前面板333に対しても平行に配設されている。前面板333の両側であって、一対の側面板332の内側には、前面板333の中央部を残して縦長の切欠開口334が形成され、各切欠開口334に台枠32のビス孔323が対応している。また、前面板333の中央部は台枠32の後側に位置し、その中央部の所定位置に縦長の連通孔335が形成されている。保持枠33の下端縁から一対の側板332における前端縁の傾斜に沿って受止板部331が延設され、この受止板部331の中央に後述する配線基板31のコネクタ313を挿通させる透孔337が形成されている。透孔337の両側の受止板部331と、前面板333の上端両側には、ビス挿通孔336、333aが、それぞれ、形成されている。
図5に示すように可動役物22は、合成樹脂材等から成形され、複数の(ここでは、12個の)模擬テンキー224aが半透明な樹脂により成形される操作面部224と、その上部に連接され縦長の長方形状の窓孔221が開設された表示部222とを備え、窓孔221は透明な樹脂板223によって覆われている。また、操作面部224の裏面には、その上下部に各ビス挿通孔336、333aに対応する位置にビス孔225が設けられている。保持枠33と、可動役物22の操作面部224との間には、配線基板31が介設されている。配線基板31の前面には、各模擬テンキー224aに対応位置させてそれぞれLED311が配設されている。また、配線基板31の下端部両側には、可動役物22のビス孔225に対応する位置にビス挿通孔312が設けられている。これら一対のビス挿通孔312間の裏側には、コネクタ313が設けられている。
台枠32の下方であって隅角覆い板341の前面に、中央より少し下方を支軸45により軸着されて隅角覆い板341の前面に沿って揺動する作動杆46が配設されている。また、作動杆46の下側には、一側面(ここでは、前面)にカム溝42bを刻設した回転円板42が配設されている。回転円板42は、その裏側に隅角覆い板341に固着された電動アクチュエータとしての駆動モータ344(駆動手段に相当する)の駆動軸42a(図6参照)に軸着され、隅角覆い板341の前面に沿って回転自在に構成されている。作動杆46の上端前面に、保持枠33の連通孔335に係合する第一係合ピン343が突設され、下端後面に回転円板42のカム溝42bに嵌入する第二係合ピン43が突設されている。カム溝42bは、回転円板42の中心を囲うようにして略三角形状に形成される。また、フォトセンサ41は、回転円板42の外周縁に等間隔を保持して3つの透光性のスリット42cを形成し、回転円板42を両側から挟むように投光部41aと受光部41bとを配置することにより、回転円板42の回転状態を光学的に検知する回転検出用のフォトセンサである。
また、図6に示すように、隅角覆い板341の前面であって作動杆46の一方側、すなわち正面から見て右側に付勢手段としての圧縮スプリング47が配設されている。この圧縮スプリング47の一方端(図6の左側)は、作動杆46の支軸45よりも上部に支着され、その他方端(図6で右側)は、隅角覆い板341の前面に植設された固定ピン48に掛止されている。これにより、作動杆46すなわち可動役物22が常に一方側(図6で右側)へ付勢されている。
また、図5に示すように、一対のビス孔323が保持枠33に形成された一対の切欠開口334に対応するようにして、台枠32における一対の側板322の上部に形成された軸孔324に、軸338を遊挿すると共に、この軸338の両端部を保持枠33の一対の側面板332に固着することによって保持枠33が台枠32に取り付けられる。次に、ビス挿通孔312の位置が受止板部331のビス挿通孔336の位置と一致するように配線基板31を、保持枠33の前面に当接する。この際、コネクタ313は、透孔337から後方へ突出させておく。また、保持枠33の前面に、可動役物22の操作面部224を被せる。そして、保持枠33の裏側から各ビス挿通孔336を介して、操作面部224の裏面の各ビス孔225に、図略のビスを螺締する。
更に、可動役物22を隅角覆い板341の前面に配置し、台枠32のビス孔323に対応して隅角覆い板341に設けられたビス挿通孔342を介して、各ビス孔323にビス35を螺締する。台枠32の軸孔324に遊挿された一対の軸338は、画像表示器21の前面と平行に位置し、保持枠33(すなわち可動役物22)が画像表示器21の前面に沿って平行に且つ直線的に往復動することになる。保持枠33の前面板333は、その下部を前側へ少し窪ませ、その後側の隙間に作動杆46の上端部を位置させるようにしており、前面板333の後面は、この後面から作動杆46の上端部が後方へ突出することが無く平坦面となる。また、可動役物22の表示部222の後面も平坦面に形成される。よって、前面板333の後面を隅角覆い板341の前面に極力近づけることができ、しかも可動役物22の表示部222の後面を画像表示器21の前面に近づけることができる。可動役物22は、表示部222の下端に操作面部224が前方へ屈曲するように設けられる。
このようにして、可動役物22が各軸338に沿って自在に左右に揺動可能に構成され、駆動モータ344が駆動することにより、図6に示すように、回転円板42が回転して第二係合ピン43が無端状のカム溝42b内を回動し、作動杆46を小刻みに左右に揺動させる。これに伴い、可動役物22が、あたかも携帯電話器が鳴っているかのように、左右に直線的に往復運動する。
また、この場合、画像表示器21の表示の一部が可動役物22における表示部222の窓孔221と合致しており、しかも、後述する演出制御基板400(CPU401:図8参照)が、後述する画像制御基板500(CPU501)及びランプ制御基板600(CPU601)を介して、この表示の一部を可動役物22の揺動動作と同期して直線的に往復動作させるべく構成されている。よって、画像表示器21の表示の一部が、あたかも可動役物22における窓孔221に配設されたLCD等からなる画像表示器21とは別の表示手段に表示されたものであるかのように見える。
このようにして、演出制御基板400(CPU401)によって、表示部222に形成された窓孔221の外周部(枠部に相当する)の内側に別の表示手段が嵌め込まれているかのように、画像表示器21における窓孔221に対応する領域の画像が表示される。そこで、可動役物22に仮想的に嵌め込まれている表示手段(=画像表示器21の表示の内、可動役物22における表示部222の窓孔221に対応する位置の表示)が、あたかも、現実に携帯電話機を模した可動役物22に嵌め込まれているかのような演出を更にリアルに行うことができるので、簡素な構成で更に興趣性を高めることができる。
本実施形態では、可動役物22が携帯電話機を模した形状に構成されている場合について説明するが、可動役物22が、画像を表示するその他の種類の電子機器を模した形状に構成されている形態でも良い。例えば、可動役物22が、テレビ受像器、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータ、カメラ等を模した形状に構成されている形態でも良い。
また、本実施形態では、可動役物22が、方形状の窓孔221を有する場合について説明するが、可動役物22が、他の形状の窓孔を有する形態でも良い。例えば、可動役物22が、多角形状(6角形状、8角形状等)、円形状、楕円形状等の形状の窓孔を有する形態でも良い。
更に、本実施形態では、演出制御基板400(CPU401)が、可動役物22に形成された窓孔221の外周部の内側に別の表示手段が嵌め込まれているかのように、画像表示器21の窓孔221に対応する領域の画像を表示する場合について説明するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
すなわち、例えば、可動役物22が、画像表示器21に表示された画像を、前面側から視認可能とする切欠部を備え、演出制御基板400(CPU401)が、この切欠部に表示される画像が、予め設定された特定の状態となるタイミングで駆動モータ344を駆動するべく、ランプ制御基板600(CPU601)に対してコマンド(ここでは、第3制御情報)を出力する形態でも良い。この場合には、可動役物22に形成された切欠部に表示される画像に合わせて可動役物22を駆動することができるので、興趣性を高めることができる。なお、本実施形態では、切欠部(窓孔221)が方形状に形成され、且つ、切欠部を取り囲む枠部を有するが、切欠部は、このような形態に限らず、可動役物22の一部が切り欠かれており、その箇所に対応する領域の画像表示器21に表示された画像を前面側から視認できるものであれば良い。
加えて、本実施形態では、可動役物22が画像表示器21の前面に沿って左右方向委に移動する場合について説明したが、可動役物22がその他の方向に移動する形態でも良い。例えば、可動役物22が画像表示器21の前面を基準として、上下方向、前後方向及び左右方向に移動する形態でも良い。また、例えば、可動役物22が画像表示器21の前面を基準として、前後方向及び左右方向の内、いずれか2つの方向(例えば、上下方向及び左右方向)に移動する形態でも良い。
また、例えば、演出制御基板400(CPU401)が、可動役物22の周辺に表示される画像が、予め設定された特定の状態となるタイミングで、駆動モータ344を駆動するべく、ランプ制御基板600(CPU601)に対してコマンド(ここでは、第3制御情報)を出力する形態でも良い。この場合には、可動役物22の周辺に表示される画像に合わせて可動役物22を駆動することができるので、興趣性を高めることができる。
更に、例えば、演出制御基板400(CPU401)は、変動図柄が予め設定された特定の状態となるタイミングで駆動モータ344を駆動するべく、ランプ制御基板600(CPU601)に対してコマンド(ここでは、第3制御情報)を出力する形態でも良い。この場合には、変動図柄に合わせて可動役物22を駆動することができる。パチンコ機1では、変動図柄が表示され、変動図柄が、予め設定された特定の図柄となった場合に、遊技者にとって有利な遊技状態とされるため、遊技者は、変動図柄に注目して遊技をしている。そこで、変動図柄に合わせて可動役物22を駆動することによって、興趣性を高めることができる。
図8は、パチンコ機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。以下、図8を参照して、パチンコ機1での動作制御、信号処理等を行う制御装置について説明する。図8に示すように、パチンコ機1の制御装置は、メイン制御基板100、発射制御基板200、払出制御基板300、演出制御基板400、画像制御基板500、及び、ランプ制御基板600を備えている。
メイン制御基板100(主制御基板に相当する)は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、及び、RAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101(主制御手段に相当する)は、抽選及び当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の情報処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラム、各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御基板100の主な機能について説明する。
メイン制御基板100は、始動口25に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御基板400に出力する。また、メイン制御基板100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば、300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータ、及び、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御基板400に出力する。
メイン制御基板100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間、羽根部が開閉する回数、及び、羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御基板100は、遊技球が始動口25へ入賞したときの保留回数、遊技球がゲート27を通過したときの保留回数等を管理する。
メイン制御基板100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御基板100は、予め設定された所定条件(例えば、30秒経過、遊技球10個入賞、又は、累積開放時間が1.8秒以上)を満たすまで、大入賞口28が突出傾斜して開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回又は2回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御基板100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御基板100は、始動口25、大入賞口28、及び、普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御基板300に対して指示する。例えば、メイン制御基板100は、始動口25に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球、をそれぞれ払い出すように、払出制御基板300に指示命令(コマンド)を出力する。なお、メイン制御基板100は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御基板300に指示しない(=賞球の払い出しを行わない)。払出制御基板300がメイン制御基板100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御基板300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御基板100へ出力される。そして、メイン制御基板100は、払出制御基板300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御基板100には、始動口スイッチ111、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、特別図柄表示器61、特別図柄保留表示器62、普通図柄表示器63、及び、普通図柄保留表示器64が通信可能に接続されている。
始動口スイッチ111は、始動口25へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御基板100へ出力する。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御基板100から出力された制御信号に応じて、電動チューリップ26に配設された一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御基板100へ出力する。大入賞口スイッチ114は、遊技球が大入賞口28へ入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御基板100へ出力する。大入賞口開閉部115は、メイン制御基板100から出力された制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、遊技球が普通入賞口29へ入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御基板100へ出力する。
また、メイン制御基板100は、始動口25への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、特別図柄表示器61に表示する。メイン制御基板100は、始動口25への遊技球の入賞に応じて抽選(=特別図柄抽選)を保留している回数である保留回数を、特別図柄保留表示器62に表示する。メイン制御基板100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器63に表示する。そして、メイン制御基板100は、ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選(=普通図柄抽選)を保留している回数である保留回数を、普通図柄保留表示器64に表示する。更に、メイン制御基板100は、パチンコ機1を設置している店舗(=ホール)に配設されたホストコンピュータに対して、各種の情報を出力する。
発射制御基板200は、CPU201、ROM202、及びRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の情報処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラム、各種データ等を格納し、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御基板200に出力する。発射制御基板200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御基板200は、レバー52の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。
払出制御基板300は、CPU301、ROM302、及びRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の情報処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラム、各種データ等を格納し、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。そして、払出制御基板300は、メイン制御基板100から送られた指示情報(=コマンド)に基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御基板300は、メイン制御基板100から、遊技球が入賞した場所に応じた予め設定された所定数の賞球を払い出す旨の指示情報(=コマンド)を取得する。そして、コマンドに指定された個数分の賞球を払い出すべく払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
また、払出制御基板300は、上記ホストコンピュータに対して各種の情報を出力する。例えば、払出制御基板300は、払出駆動部311に対して払い出す旨を指示した賞球の個数に関する情報、実際に払い出された賞球の個数に関する情報等を、ホストコンピュータに出力する。
演出制御基板400は、CPU401、ROM402、RAM403、及び、RTC(Real−Time Clock)404を備えている。CPU401(演出制御手段に相当する)は、演出を制御する際の情報処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラム、各種データ等を格納し、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、日時を計測する。ここで、CPU401は、ROM402に予め格納された制御プログラムを読み出して、実行することによって、演出制御手段として機能する。
演出制御基板400(CPU401)は、メイン制御基板100から出力される特別図柄抽選結果等を示す指示情報(第1制御情報に相当する)に基づいて、演出形態を設定する。その際、演出制御基板400は、遊技者によって演出ボタン57又は演出キー58が押下された場合、この操作入力(=押下)に応じて演出形態を設定する場合もある。また、演出制御基板400は、パチンコ機1に対する遊技が予め設定された所定期間(例えば、20秒)以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。更に、メイン制御基板100から、特別図柄抽選時の当選確率を変動させた旨の情報が入力された場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた旨の情報が入力された場合、又は、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた旨の情報が入力された場合、演出制御基板400は、それぞれ入力された情報が示す内容に対応させて、演出形態を設定する。そして、演出制御基板400は、設定した演出形態の実行を指示する指示情報(=コマンド)を画像制御基板500及びランプ制御基板600にそれぞれ出力する。
画像制御基板500は、CPU501、ROM502、及び、RAM503を備えている。CPU501(表示制御手段に相当する)は、演出内容を表現する画像及び音響を制御する際の情報処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラム、各種データ等を格納し、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。ここで、CPU501は、ROM502に予め格納された制御プログラムを読み出して、実行することによって、表示制御手段として機能する。
画像制御基板500(CPU501)は、演出制御基板400(CPU401)から出力された指示情報(第2制御情報に相当する)に基づいて、画像表示器21に表示する画像、及び、スピーカ55から出力する音声を制御する。具体的には、画像制御基板500のROM502には、画像表示器21において遊技中に表示する図柄画像、背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタ及びアイテム等の画像データが予め格納されている。また、画像制御基板500のROM502には、画像表示器21に表示される画像と同期させて(又は、表示される画像とは独立に)、スピーカ55から出力させる楽曲、音声、ジングル等の効果音等の各種音声データが予め格納されている。
画像制御基板500のCPU501は、ROM502に格納された画像データ、音声データの中から、演出制御基板400から出力された指示情報(=コマンド)に対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、及び、キャラクタ表示(又は、アイテム表示)等のための画像処理を行う。また、CPU501は、読み出した音声データを用いて、音声処理を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示器21に表示する。また、CPU501は、音声処理された音声データが示す音声をスピーカ55から出力する。
ランプ制御基板600(駆動制御基板に相当する)は、CPU601、ROM602、及び、RAM603を備えている。CPU601(駆動制御手段に相当する)は、盤ランプ23、枠ランプ56等の発光、及び、可動役物22の動作を制御する際の情報処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラム、各種データ等を格納し、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。ここで、CPU601は、ROM602に予め格納された制御プログラムを読み出して、実行することによって、駆動制御手段として機能する。
ランプ制御基板600(CPU601)は、演出制御基板400(CPU401)から出力された指示情報(第3制御情報に相当する)に基づいて、盤ランプ23、枠ランプ56の点灯、点滅、及び、発光色等を制御する。また、ランプ制御基板600は、演出制御基板400から出力された指示情報(=コマンド)に基づいて、可動役物22の動作を制御する。具体的には、ランプ制御基板600のROM602には、演出制御基板400にて設定される演出内容に応じた盤ランプ23、枠ランプ56等での点灯、点滅パターンデータ、及び、発光色パターンデータ(これらを総称して、「発光パターンデータ」という)が予め格納されている。
CPU601は、ROM602に格納された発光パターンデータの中から、演出制御基板400から出力された指示情報(=コマンド)に対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ23、枠ランプ56等の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御基板400にて設定される演出形態に応じた可動役物22の動作パターンデータが予め格納されている。CPU601は、ROM602に格納された動作パターンデータの中から、演出制御基板400から送られた指示情報(=コマンド)に対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
次に、パチンコ機1において行われる処理(具体的には、メイン制御基板100において行われる処理)の詳細を説明する。まず、図9、図10、及び、図11を参照して、処理において用いられる主なデータ及びプログラムについて説明する。なお、図9は、メイン制御基板100のRAM103に格納されるデータ及びプログラムの一例を示す図である。図10は、メイン制御基板100のRAM103に格納された種々の乱数データの一例を示す図表である。図10(a)は、RAM103に格納された大当たり乱数データD2の一例を示す図表である。図10(b)は、RAM103に格納された大当たり図柄乱数データD3の一例を示す図表である。図10(c)は、RAM103に格納されたリーチ乱数データD4の一例を示す図表である。図10(d)は、RAM103に格納された当たり乱数データD5の一例を示す図である。図11は、RAM103に格納されたテーブルデータD10の一例を示す図表である。図11(a)は、RAM103に格納されたテーブルデータD10の大当たり用テーブルの一例を示す図表である。図11(b)は、RAM103に格納されたテーブルデータD10の潜伏用テーブルの一例を示す図表である。図11(c)は、RAM103に格納されたテーブルデータD10のリーチ用テーブルの一例を示す図表である。図11(d)は、RAM103に格納されたテーブルデータD10の外れ用テーブルの一例を示す図表である。
図9に示すように、RAM103は、データ記憶領域103D及びプログラム記憶領域103Pを有している。データ記憶領域103Dには、乱数データD1、大当たり乱数データD2、大当たり図柄乱数データD3、リーチ乱数データD4、当たり乱数データD5、保留回数データD6、抽選結果乱数データD7、変動コマンドデータD8、変動時間データD9、テーブルデータD10、変動パターンデータD11、遊技状態データD12、図柄設定データD13、図柄データD14、時短変動回数データD15、開放ラウンド回数データD16、当たりコマンドデータD17、入賞個数データD18、及び、開放時間データD19等が格納される。また、プログラム記憶領域103Pには、パチンコ機1を動作させる各種プログラムが予め格納されている。
乱数データD1は、メイン制御基板100によって更新された各種乱数を示すデータを、それぞれ格納する。ここで、各種乱数は、具体的には、大当たり乱数(例えば、0〜299)、大当たり図柄乱数(例えば、0〜9)、リーチ乱数(例えば、0〜249)、当たり乱数(例えば、0〜9)、変動パターン乱数(例えば、0〜249)、及び、初期値乱数(例えば、0〜299)等である。
大当たり乱数データD2は、取得された大当たり乱数が大当たり、小当たり、外れ(はずれ)の内、どれに該当する乱数であるのかを判定するためのデータが格納されている。例えば、図10(a)に示すように、大当たり乱数データD2には、パチンコ機1が通常遊技状態又は時短遊技状態であるときに大当たりとなる乱数値、パチンコ機1が確変遊技状態又は潜伏遊技状態であるときに大当たりとなる乱数値、及び、小当たりとなる乱数値がそれぞれ予め設定されている。
具体的には、大当たり乱数の値の範囲は、0〜299である。そして、大当たり乱数データD2は、通常遊技状態又は時短遊技状態の場合、大当たりに当選する乱数値が1個だけ設定され、大当たりの当選確率が1/300となっている。また、大当たり乱数データD2は、確変遊技状態又は潜伏遊技状態の場合、大当たりに当選する乱数値が10個だけ設定され、大当たりの当選確率が10/300(=1/30)となっている。すなわち、図10(a)の例では、確変遊技状態又は潜伏遊技状態で始動口25に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常遊技状態又は時短遊技状態で特別図柄抽選が行われる場合と比較して、大当たりの当選確率が10倍となる。また、大当たり乱数データD2は、パチンコ機1の遊技状態によらず、小当たりに当選する乱数値が6個だけ設定され、小当たりの当選確率が6/300(=1/50)となっている。
大当たり図柄乱数データD3は、取得された大当たり図柄乱数が、通常図柄を示す大当たり、確変図柄Aを示す大当たり、及び、確変図柄Bを示す大当たりの内、どれに該当する乱数であるのかを判定するためのデータが格納されている。例えば、図10(b)に示すように、大当たり図柄乱数データD3には、通常図柄を示す大当たりとなる乱数値、確変図柄Aを示す大当たりとなる乱数値、及び、確変図柄Bを示す大当たりとなる乱数値が、それぞれ予め設定されている。
具体的には、大当たり図柄乱数の値の範囲は、0〜9である。そして、大当たり図柄乱数データD3は、通常図柄を示す大当たりとなる乱数値が4個だけ設定され、通常図柄を示す大当たりの当選確率が4/10(=2/5)となっている。また、大当たり図柄乱数データD3は、確変図柄Aを示す大当たりとなる乱数値が4個だけ設定され、確変図柄Aを示す大当たりの当選確率が4/10(=2/5)となっている。また、大当たり図柄乱数データD3は、確変図柄Bを示す大当たりとなる乱数値が2個だけ設定され、確変図柄Bを示す大当たりの当選確率が2/10(=1/5)となっている。
リーチ乱数データD4は、取得されたリーチ乱数がリーチ有を示す演出、及び、リーチ無を示す演出の内、どれに該当する乱数であるのかを判定するためのデータが格納されている。ここで、「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりに当選するという射幸心を煽るために、画像表示器21等にて行われる演出である。例えば、図10(c)に示すように、リーチ乱数データD4には、リーチ有を示す演出となる乱数値及びリーチ無を示す演出となる乱数値が、それぞれ予め設定されている。具体的には、リーチ乱数の値の範囲は、0〜249である。そして、リーチ乱数データD4は、リーチ有を示す演出となる乱数値が22個設定され、リーチ有を示す演出となる確率が22/250(=11/125)となっている。また、リーチ乱数データD4は、リーチ無を示す演出となる乱数値が228個設定され、リーチ有を示す演出となる確率が228/250(=114/125)となっている。
当たり乱数データD5は、取得された当たり乱数が、普通図柄抽選における当たりか否かを判定するためのデータが格納されている。例えば、図10(d)に示すように、当たり乱数データD5には、普通図柄抽選における当たりとなる乱数値が予め設定されている。具体的には、当たり乱数の値の範囲は、0〜9である。そして、当たり乱数データD5は、普通図柄抽選における当たりとなる乱数値が9個だけ設定され、当たりとなる確率が9/10となっている。
保留回数データD6には、特別図柄抽選が保留となっている回数(=特別図柄抽選保留回数U)及び普通図柄抽選が保留となっている回数(=普通図柄抽選保留回数G)を示すデータが含まれている。抽選結果乱数データD7としては、特別図柄抽選、普通図柄抽選等で決定された各乱数を示すデータが、当該抽選の時系列順にそれぞれ格納されている。変動コマンドデータD8としては、大当たり判定処理及び変動パターン判定処理によって設定された設定情報を含んだ変動開始コマンド、変動停止コマンド等を示すデータが格納されている。変動時間データD9としては、特別図柄抽選を行うための特別図柄変動時間及び普通図柄抽選を行うための普通図柄変動時間を示すデータが、それぞれ格納されている。
テーブルデータD10としては、取得された変動パターン乱数がどのような図柄変動パターンで演出するのかを判定するためのデータが格納されている。例えば、図11(a)〜図11(d)に示すように、テーブルデータD10には、変動パターンA(10秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、変動パターンB(30秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、変動パターンC(60秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、変動パターンD(90秒)で図柄変動する演出を行う乱数値、及び、変動パターンE(120秒)で図柄変動する演出を行う乱数値が、それぞれ予め設定されている。
具体的には、変動パターン乱数の値の範囲は、0〜249である。そして、図11(a)に示すように、テーブルデータD10には、パチンコ機1が大当たりする際に変動パターンBで図柄変動して演出する乱数値が25個だけ設定されており、変動パターンBとなる確率が25/250となっている。テーブルデータD10には、パチンコ機1が大当たりする際に変動パターンCで図柄変動して演出する乱数値が60個だけ設定されており、変動パターンCとなる確率が60/250となっている。テーブルデータD10には、パチンコ機1が大当たりする際に変動パターンDで図柄変動して演出する乱数値が110個だけ設定されており、変動パターンDとなる確率が110/250となっている。テーブルデータD10には、パチンコ機1が大当たりする際に変動パターンEで図柄変動して演出する乱数値が55個だけ設定されており、変動パターンEとなる確率が55/250となっている。
また、図11(b)に示すように、テーブルデータD10には、パチンコ機1が大当たりして潜伏遊技状態となる際に変動パターンCで図柄変動して演出する乱数値が250個だけ設定され、変動パターンCとなる確率が250/250(=100%)となっている。
更に、図11(c)に示すように、テーブルデータD10には、パチンコ機1がリーチ演出する際に変動パターンBで図柄変動して演出する乱数値が110個だけ設定されており、変動パターンBとなる確率が110/250となっている。テーブルデータD10には、パチンコ機1がリーチ演出する際に変動パターンC又は変動パターンDで図柄変動して演出する乱数値がそれぞれ60個だけ設定されており、変動パターンC又は変動パターンDとなる確率がそれぞれ60/250となっている。テーブルデータD10には、パチンコ機1がリーチ演出する際に変動パターンEで図柄変動して演出する乱数値が20個だけ設定されており、変動パターンEとなる確率が20/250となっている。
また、図11(d)に示すように、テーブルデータD10には、パチンコ機1が外れとなる際に変動パターンAで図柄変動して演出する乱数値が250個だけ設定されており、変動パターンAとなる確率が250/250(=100%)となっている。
変動パターンデータD11としては、演出する図柄変動パターンを設定する処理で決定された変動パターン乱数を示すデータが、当該設定の時系列順にそれぞれ格納されている。遊技状態データD12としては、パチンコ機1において現時点で設定されている遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態等)を示すデータが格納されている。図柄設定データD13としては、特別図柄抽選や普通図柄抽選等で決定され、変動表示された後に停止して表示される各図柄(特別図柄、普通図柄)を示すデータが格納されている。図柄データD14としては、特別図柄表示器61に表示される各図柄を示すデータがそれぞれ格納されている。
時短変動回数データD15としては、時短状態で特別図柄が変動する回数(時短変動回数J)を示すデータが格納されている。開放ラウンド回数データD16としては、大入賞口28が開放状態となるラウンド回数(開放ラウンド回数R)を示すデータが格納されている。当たりコマンドデータD17としては、大入賞口28の開放動作等を制御する大当たりの動作制御に関する設定情報を示す大当たりコマンド、及び、電動チューリップ26の羽根部の開閉動作等を制御する小当たりの動作制御に関する設定情報を示す小当たりコマンドを示すデータが、それぞれ格納されている。入賞個数データD18としては、大入賞口28に入賞した遊技球個数(入賞個数C)を示すデータが格納されている。開放時間データD19としては、大入賞口28の開放時間を示すデータが格納されている。
次に、図12〜図24を参照して、メイン制御基板100において行われる処理の詳細を説明する。なお、図12は、メイン制御基板100において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13は、図12のステップS702における始動口スイッチ処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図14は、図12のステップS703におけるゲートスイッチ処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図15は、図12のステップS704における特別図柄処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図16は、図15のステップS743における大当たり判定処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図17は、図15のステップS744における変動パターン判定処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図18は、図15のステップS752における停止中処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。
図19は、図18のステップS807における確変遊技状態設定処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図20は、図12のステップS705における普通図柄処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図21は、図12のステップS706における大入賞口処理の一部分の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図22は、図12のステップS706における大入賞口処理の残り部分の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図23は、図21のステップS865における小当たり処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。図24は、図12のステップS707における電動チューリップ処理の詳細な動作を示す詳細フローチャートである。なお、図12〜図24に示すフローチャートにおいては、本願発明と直接関連しない他の処理については、その説明を省略する。また、図12〜図24及び以下の説明では、メイン制御基板100が実行する各ステップを「S」と表記する。
パチンコ機1の電源が投入されると、パチンコ機1の各CPUは、図略のブート(Boot)ROMに格納されている起動プログラムを実行し、これによってメモリ等が初期化される。そして、各ROMに格納されたプログラムが、各RAMに読み込まれ、各CPUによって当該プログラムの実行が開始される。例えば、メイン制御基板100のCPU101は、図略のブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってRAM103等が初期化される。そして、ROM102に記憶されたプログラムがRAM103に読み込まれ、CPU101によって当該プログラムの実行が開始される。図12に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
図12において、メイン制御基板100は、以降の処理で用いる各種乱数を更新して(ステップS701)、次のステップに処理を進める。例えば、メイン制御基板100は、乱数データD1に格納されている大当たり乱数(ここでは、0〜299)、大当たり図柄乱数(ここでは、0〜9)、リーチ乱数(ここでは、0〜249)、及び、当たり乱数(ここでは、0〜9)にそれぞれ「1」を加算してそれぞれ更新し、更新された乱数を用いて乱数データD1を更新する。なお、メイン制御基板100は、各乱数が最大値の場合、乱数を「0」に戻して更新する。また、メイン制御基板100は、大当たり乱数が一巡した場合(例えば、大当たり乱数が100から始まって99まで一巡した場合)、乱数データD1に格納されている初期値乱数(ここでは、0〜299)を読み出して、読み出された初期値乱数に大当たり乱数を更新する。
次に、メイン制御基板100は、始動口スイッチ111の状態を監視して始動口スイッチ111がオンとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する(ステップS702)。以下、図13を参照して、ステップS702で行われる始動口スイッチ処理の詳細な動作について説明する。
図13のステップS721において、メイン制御基板100は、始動口25に遊技球が入賞して始動口スイッチ111がオンとなったか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、始動口スイッチ111がオンとなったと判定された場合(ステップS721でYES)には、次のステップS722に処理を進める。一方、始動口スイッチ111がオフであると判定された場合(ステップS721でNO)には、メイン制御基板100は、図13に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS703に進める。
ステップS722において、メイン制御基板100は、保留回数データD6を参照して、特別図柄抽選保留回数Uが上限値Umax未満であるか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、上限値Umaxを4回に設定している。そして、メイン制御基板100は、特別図柄抽選保留回数Uが上限値Umax未満である場合(ステップS722でYES)には、次のステップS723に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、特別図柄抽選保留回数Uが上限値Umax以上である場合(ステップS722でNO)には、図13に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS703に進める。
ステップS723において、メイン制御基板100は、特別図柄抽選保留回数Uに「1」を加算して更新し、次のステップS724に処理を進める。例えば、メイン制御基板100は、保留回数データD6に格納されている特別図柄抽選保留回数Uに「1」を加算し、加算後の特別図柄抽選保留回数Uを用いて保留回数データD6を更新する。
次に、ステップS724において、メイン制御基板100は、今回の入賞による抽選のための乱数をそれぞれ取得し、抽選結果乱数データD7に時系列順に格納し、図13に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS703に進める。ここで、メイン制御基板100は、乱数データD1を参照して、ステップS701で更新された乱数の内、特別図柄抽選に係る乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数)を取得して抽選結果乱数データD7に記録する。なお、過去の入賞に応じて、既に特別図柄抽選のための乱数が抽選結果乱数データD7に格納されている場合、入賞順にそれぞれの乱数を抽選結果乱数データD7に記録する。後述するように、ステップS724で取得されたそれぞれの乱数によって、特別図柄抽選の結果が確定される。
図12に戻り、ステップS702における始動口スイッチ処理の後、ステップS703において、メイン制御基板100は、ゲートスイッチ113の状態を監視してゲートスイッチ113がオンとなった場合に、普通図柄抽選に係る処理を実行する。以下、図14を参照して、ステップS703で行うゲートスイッチ処理の詳細な動作について説明する。
図14のステップS731において、メイン制御基板100は、ゲート27を遊技球が通過してゲートスイッチ113がオンとなったか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、ゲートスイッチ113がオンとなったと判定された場合(ステップS731でYES)には、次のステップS732に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、ゲートスイッチ113がオフであると判定された場合(ステップS731でNO)には、図14に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS704に進める。
ステップS732において、メイン制御基板100は、保留回数データD6を参照して、普通図柄抽選保留回数Gが上限値Gmax未満であるか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、上限値Gmaxを4回に設定している。そして、メイン制御基板100は、普通図柄抽選保留回数Gが上限値Gmax未満であると判定された場合(ステップS732でYES)には、次のステップS733に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、普通図柄抽選保留回数Gが上限値Gmax以上であると判定された場合(ステップS732でNO)には、図14に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS704に進める。
ステップS733において、メイン制御基板100は、普通図柄抽選保留回数Gに「1」を加算して更新して、次のステップS734に処理を進める。例えば、メイン制御基板100は、保留回数データD6に格納されている普通図柄抽選保留回数Gに「1」を加算し、加算後の普通図柄抽選保留回数Gを用いて保留回数データD6を更新する。
次に、ステップS734において、メイン制御基板100は、今回の入賞による抽選に係る乱数を取得し、抽選結果乱数データD7に記録し、図14に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS704に進める。ここで、メイン制御基板100は、乱数データD1を参照して、ステップS701で更新された乱数の内、普通図柄抽選に係る乱数(=当たり乱数)を取得して、抽選結果乱数データD7に記録する。後述するように、ステップS734で取得された乱数によって、普通図柄抽選の結果が決定される。
図12に戻り、ステップS703におけるゲートスイッチ処理の後、ステップS704において、メイン制御基板100は、特別図柄処理を行う。以下、図15を参照して、上記ステップS704で行う特別図柄処理の詳細な動作について説明する。
図15のステップS741において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が大当たり(=特別図柄抽選での当選)中であるか否かを判定する。例えば、大当たり中の場合、既に何らかの大当たりを表す特別図柄が選択されて、選択された特別図柄が特別図柄表示器61に表示されて停止している状態となっている。そして、メイン制御基板100は、大当たり中でないと判定された場合(ステップS741でNO)には、次のステップS742に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、大当たり中であると判定された場合(ステップS741でYES)には、図15に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。以下、パチンコ機1に設定されている「当たり」の一例について説明する。
「大当たり」には、大当たり遊技の時間が相対的に長く多量の遊技球の払い出しが期待できる「長当たり」と、大当たり遊技の時間が相対的に短い「短当たり」とがある。例えば、「長当たり」は、大入賞口28の開状態が所定条件(例えば、30秒経過、又は、遊技球10個の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが、例えば15回だけ繰り返される。また、「短当たり」は、大入賞口28での上記ラウンドが、例えば2回だけ繰り返される。
更に、「長当たり」には、大当たり遊技の終了後に確率変動(=確変)遊技状態及び時間短縮(=時短)遊技状態の両方を発生させる、いわゆる、「15ラウンド確変大当たり」と呼ばれる大当たりと、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみを発生させ、確変遊技状態を発生させない、いわゆる「15ラウンド通常大当たり」と呼ばれる大当たりと、がある。また、「短当たり」は、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態を発生させ、時短遊技状態を発生させない、いわゆる「2ラウンド確変当たり」と呼ばれる大当たりである。
また、大当たりに当選していない場合の状態として、「小当たり」、「外れ」がある。「小当たり」は、「2ラウンド確変当たり」と同様に大入賞口28での上記ラウンドが、例えば2回だけ繰り返されるが、前の遊技状態を変更しない(=前の遊技状態が維持される)「当たり」である。また、「外れ」は、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも発生させない、いわゆる「外れ」である。
再び、図15に戻って、特別図柄処理の詳細な動作について説明する。ステップS742において、メイン制御基板100は、変動コマンドデータD8を参照して、パチンコ機1の現在の状態が特別図柄変動中であるか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、変動コマンドデータD8が特別図柄変動中を示している場合には、パチンコ機1の現在の状態が特別図柄変動中であると判定する。そして、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が特別図柄変動中でないと判定された場合(ステップS742でNO)には、次のステップS743に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が特別図柄変動中であると判定された場合(ステップS742でYES)には、次のステップS750に処理を進める。
ステップS743において、メイン制御基板100は、保留回数データD6を参照して、特別図柄抽選保留回数Uが「1」以上であるか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、特別図柄抽選保留回数Uが「1」以上であると判定された場合(ステップS743でYES)には、次のステップS744に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、特別図柄抽選保留回数Uが「0」である場合(ステップS743でNO)には、特別図柄抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、図15に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。
ステップS744において、メイン制御基板100は、特別図柄抽選保留回数Uから「1」を減算して更新し、次のステップS745に処理を進める。例えば、メイン制御基板100は、保留回数データD6に格納されている特別図柄抽選保留回数Uから「1」を減算し、減算後の特別図柄抽選保留回数Uを用いて保留回数データD6を更新する。次に、ステップS745において、メイン制御基板100は、大当たり判定処理を行い、次のステップS746に処理を進める。以下、図16を参照して、ステップS745で行われる大当たり判定処理について説明する。
図16のステップS761において、メイン制御基板100は、ステップS724で取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり乱数の内、入賞が最も古い(=最古の)大当たり乱数を参照して、特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、大当たり乱数データD2に含まれる乱数値(図19(a)参照)を参照して、最古の大当たり乱数が、大当たり乱数データD2に含まれる何れかの乱数値と一致するか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、判定された大当たり乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。次に、メイン制御基板100は、ステップS761において大当たりであると判定された場合(ステップS762でYES)には、次のステップS763に処理を進める。また、メイン制御基板100は、ステップS761における判定が小当たりである場合(ステップS769でYES)には、次のステップS770に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、上記ステップS761における判定が大当たりでも小当たりでもない(すなわち、外れである)場合には、(ステップS762及びS769で何れもNO)、次のステップS771に処理を進める。
ステップS763において、メイン制御基板100は、ステップS724で取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり図柄乱数の内、入賞が最も古い(=最古の)大当たり図柄乱数を参照して、特別図柄抽選で大当たりした種類を判定する。例えば、メイン制御基板100は、大当たり図柄乱数データD3に含まれる乱数値(図10(b)参照)を参照して、最古の大当たり図柄乱数が、大当たり図柄乱数データD3に含まれる何れかの乱数値と一致するか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、判定された大当たり図柄乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。次に、メイン制御基板100は、ステップS763における判定が確変図柄Aである場合(ステップS764でYES)には、次のステップS765に処理を進める。また、メイン制御基板100は、ステップS763における判定が確変図柄Bである場合(ステップS766でYES)には、次のステップS767に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、ステップS763における判定が確変図柄Aでも確変図柄Bでもない(すなわち、通常図柄である)場合(ステップS764及びS766で何れもNO)には、次のステップS768に処理を進める。
以上の処理の後、メイン制御基板100は、判定結果に応じた図柄を設定情報として図柄設定データD13に記録(=セット)して、図16に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図15に示す詳細フローチャートのステップS746に進める。例えば、ステップS765において、メイン制御基板100は、確率変動を伴う大当たりであることを表す確変図柄Aを設定情報として図柄設定データD13に記録する。ステップS767において、メイン制御基板100は、確率変動を伴う大当たりであることを表す確変図柄Bを設定情報として図柄設定データD13に記録する。ステップS768において、メイン制御基板100は、確率変動を伴わない大当たりであることを表す通常図柄を設定情報として図柄設定データD13に記録する。ステップS770において、メイン制御基板100は、確率変動も時間短縮も伴わない当たりであることを表す小当たり図柄を設定情報として図柄設定データD13に記録する。そして、ステップS771において、メイン制御基板100は、特別図柄抽選に外れたことを表す外れ図柄を設定情報として図柄設定データD13に記録する。
より詳しくは、図25及び図26に示すように、上述した各図柄は、それぞれ異なる形態を有しており、変動表示後に停止して特別図柄表示器61に表示される。例えば、通常図柄は、確率変動を伴わない大当たりであることを表す図柄であり、パチンコ機1が時短遊技状態となることを示している。確変図柄Aは、確率変動を伴う大当たりであることを表す図柄であり、パチンコ機1が確変遊技状態となることを示している。確変図柄Bは、確率変動を伴う大当たりであることを表す図柄であり、パチンコ機1が確変遊技状態又は潜伏遊技状態となることを示している。小当たり図柄は、前の遊技状態を変更しない(=前の遊技状態が維持される)当たりであることを表す図柄であり、パチンコ機1が上述した小当たり状態となることを示している。そして、外れ図柄は、特別図柄抽選に外れたことを表す図柄であり、パチンコ機1が遊技者に有利となる遊技状態とならないこと示している。
図15に戻り、ステップS745における大当たり判定処理の後、ステップS746において、メイン制御基板100は、変動パターン判定処理を行い、次のステップS747に処理を進める。以下、図17を参照して、ステップS746で行われる変動パターン判定処理について説明する。
図17のステップS781において、メイン制御基板100は、乱数データD1を参照して、後述するステップS711(図12参照)において更新された変動パターン乱数を取得する。次に、メイン制御基板100は、ステップS745における大当たり判定処理において、大当たりと判定されたか否か(ステップS782)、小当たりと判定されたか否か(ステップS787)、及び確変図柄Bがセットされたか否か(ステップS783)、をそれぞれ判定する。そして、メイン制御基板100は、ステップS745における大当たり判定処理において、大当たりと判定されて確変図柄Bがセットされなかった(すなわち、確変図柄A又は通常図柄がセットされた)場合(ステップS782でYES、ステップS783でNO)には、次のステップS784に処理を進める。また、メイン制御基板100は、ステップS745における大当たり判定処理において、大当たりと判定されて確変図柄Bがセットされた場合(ステップS782及びS783で何れもYES)、又は、小当たりと判定された場合(ステップS787でYES)には、次のステップS788に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、ステップS745における大当たり判定処理において、大当たりでも小当たりでもないと判定された場合(ステップS782及びS787で何れもNO)、次のステップS789に処理を進める。
ステップS789において、メイン制御基板100は、ステップS724で取得して抽選結果乱数データD7に格納されたリーチ乱数の内、入賞が最も古い(=最古の)リーチ乱数を参照して、リーチ状態であるか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、リーチ乱数データD4に含まれる乱数値(図10(c)参照)を参照して、最古のリーチ乱数が、リーチ乱数データD4に含まれる何れかの乱数値と一致するかを判定する。そして、メイン制御基板100は、判定されたリーチ乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。次に、メイン制御基板100は、ステップS789における判定がリーチ有である場合(ステップS790でYES)には、次のステップS791に処理を進める。また、メイン制御基板100は、上記ステップS789における判定がリーチ無である場合(ステップS790でNO)には、次のステップS792に処理を進める。
以上の処理の後、メイン制御基板100は、判定結果に応じて、テーブルデータD10から変動パターン乱数判定に使用するテーブルを選択して、次のステップS785に処理を進める。例えば、ステップS784において、メイン制御基板100は、大当たり用テーブル(図11(a)参照)を選択し、ステップS785において、変動パターン乱数判定を行う。また、例えば、ステップS788において、メイン制御基板100は、潜伏用テーブル(図11(b)参照)を選択し、ステップS785において、変動パターン乱数判定を行う。更に、例えば、ステップS791において、メイン制御基板100は、リーチ用テーブル(図11(c)参照)を選択し、ステップS785において、変動パターン乱数判定を行う。また、例えば、ステップS792において、メイン制御基板100は、外れ用テーブル(図11(d)参照)を選択し、ステップS785において、変動パターン乱数判定を行う。
ステップS785において、メイン制御基板100は、ステップS781で取得した変動パターン乱数を用いて、変動パターンを決定する。例えば、メイン制御基板100は、現在選択されているテーブル含まれる乱数値(図8(a)〜図8(d)参照)を参照して、変動パターン乱数が何れの乱数値に一致するかを判定する。次に、ステップS786において、メイン制御基板100は、変動パターン乱数に対応付けられている変動パターンを示す設定情報を変動パターンデータD11に記録(=セット)し、図17に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図15に示すフローチャートのステップS747に進める。
図15に戻り、ステップS746における変動パターン判定処理の後、ステップS747において、メイン制御基板100は、大当たり判定処理及び変動パターン判定処理によって設定された設定情報を含んだ変動開始コマンドを生成し、生成された変動開始コマンドを用いて変動コマンドデータD8を更新(=セット)する。例えば、変動開始コマンドには、他の処理で決定された変動パターン(変動時間を含む)、図柄(通常図柄、確変図柄A、確変図柄B、小当たり図柄、外れ図柄)、及び、遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)等が設定情報として含まれている。次に、ステップS748において、メイン制御基板100は、変動コマンドデータD8にセットされた設定情報に基づいて、特別図柄を変動させて特別図柄表示器61(図2)に表示する表示制御処理を開始する。そして、メイン制御基板100は、設定情報で設定されている変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄変動表示を行うために、変動パターンが示す変動時間に変動時間データD9に格納された特別図柄変動時間を更新し、ステップS749において、変動時間の計測を開始して、図15に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。なお、ステップS747でセットされた変動開始コマンドは、後述するステップS709の出力処理において、演出制御基板400へも出力される。
一方、ステップS742においてパチンコ機1の現在の状態が特別図柄変動中であると判定された場合(ステップS742でYES)には、ステップS750において、メイン制御基板100は、特別図柄変動時間が終了したか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、ステップS749からカウントが開始されている変動時間が、変動時間データD9に格納された特別図柄変動時間に到達している場合(ステップS750でYES)には、次のステップS751に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、変動時間が、変動時間データD9に格納された特別図柄変動時間に到達していない場合(ステップS750でYES)には、特別図柄変動表示が継続されるため、図15に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。
ステップS751において、メイン制御基板100は、変動停止コマンドを生成し、生成された変動停止コマンドを用いて変動コマンドデータD8を更新(=セット)する。次に、ステップS752において、メイン制御基板100は、特別図柄変動表示を終了して、特別図柄表示器61に図柄設定データD13に格納されている特別図柄を表示して停止させる。そして、ステップS753において、メイン制御基板100は、ステップS749からカウントが開始されている変動時間を初期化(=リセット)し、次のステップ754に処理を進める。なお、ステップS751でセットされた変動停止コマンドは、後述するステップS709の出力処理において、演出制御基板400へも出力される。
次に、ステップS754において、メイン制御基板100は、停止中処理を行い、図15に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。以下、図18を参照して、ステップS754で行われる停止中処理について説明する。
図18のステップS801において、メイン制御基板100は、図15に示す詳細フローチャートのステップS752で変動を停止した特別図柄変動表示処理における特別図柄抽選結果を判定する。そして、メイン制御基板100は、特別図柄抽選結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップS801でNO)には、次のステップS802に処理を進める。また、メイン制御基板100は、特別図柄抽選結果が大当たりの場合(ステップS801及びステップS806で何れもNO)には、次のステップS807に処理を進める。また、メイン制御基板100は、特別図柄抽選結果が小当たりの場合(ステップS801でNO、ステップS806でYES)には、次のステップS810に処理を進める。
ステップS802において、メイン制御基板100は、時短変動回数データD15を参照して、時短変動回数Jが「0」であるか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、時短変動回数が「0」ではないと判定された場合(ステップS802でNO)には、次のステップS803に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、時短変動回数が「0」であると判定された場合(ステップS802でYES)には、図18に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。
ステップS803において、メイン制御基板100は、時短変動回数データD15に格納されている時短変動回数Jから「1」を減算して時短変動回数Jを更新し、更新された時短変動回数Jを用いて時短変動回数データD15を更新する。そして、メイン制御基板100は、ステップS804において、時短変動回数データD15を参照して、再び時短変動回数Jが「0」であるか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、開放回数が「0」であると判定された場合(S804でYES)には、次のステップS805に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、時短変動回数が「0」でないと判定された場合(S804でNO)には、図18に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。
ステップS805において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の遊技状態を通常遊技状態(=確率変動も時間短縮もしていない通常の遊技状態)に設定し、遊技状態データD12を、通常遊技状態を示すデータに更新して、図18に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示すフローチャートのステップS705に進める。
また、特別図柄抽選結果が大当たりである場合(ステップS801でYES、ステップS806でNO)には、ステップS807において、メイン制御基板100は、確変遊技状態設定処理を行い、次のステップS808に処理を進める。以下、図19を参照して、ステップS807で行う確変遊技状態設定処理について説明する。
図19のステップS821及びステップS823において、メイン制御基板100は、図柄設定データD13を参照して、図柄設定データD13に、それぞれ、確変図柄A及び確変図柄Bが設定されているか否かを判定する。そして、図柄設定データD13に確変図柄Aが設定されていると判定された場合(ステップS821でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS822に処理を進める。また、メイン制御基板100は、図柄設定データD13に確変図柄Aでも確変図柄Bでもない図柄(すなわち、通常図柄)が設定されていると判定された場合(ステップS821及びステップS823で何れもNO)には、次のステップS826に処理を進める。更に、図柄設定データD13に確変図柄Bが設定されていると判定された場合(ステップS821でNO、ステップS823でYES)には、ステップS824において、メイン制御基板100は、遊技状態データD12を参照してパチンコ機1の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、パチンコ機1の遊技状態が通常遊技状態であると判定された場合(ステップS824でYES)には、次のステップS825に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、パチンコ機1の遊技状態が通常遊技状態でないと判定された場合(ステップS824でNO)には、次のステップS822に処理を進める。
以上の処理の後、メイン制御基板100は、判定結果に応じた遊技状態にパチンコ機1を設定し、遊技状態データD12を、遊技状態を示すデータに更新する。すなわち、例えば、ステップS822において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の遊技状態を確変遊技状態に設定し、遊技状態データD12を、確変遊技状態を示すデータに更新して、図19に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図18に示す詳細フローチャートのステップS808に進める。ここで、確変遊技状態とは、特別図柄抽選において当選確率を高確率にシフトさせ(=確率変動させ)、普通図柄の変動時間を短縮すると共に、電動チューリップ26の開放時間を延長する(=長い開放時間に設定する)遊技状態である。
また、例えば、ステップS826において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の遊技状態を時短遊技状態に設定し、遊技状態データD12を、時短遊技状態を示すデータに更新する。そして、ステップS827において、メイン制御基板100は、時短変動回数Jを初期値Js(例えばJs=100)に設定し、初期値Jsを用いて時短変動回数データD15を更新して、図19に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図18に示す詳細フローチャートのステップS808に進める。ここで、時短遊技状態とは、普通図柄の変動時間を短縮(以下、時間短縮)すると共に、電動チューリップ26の開放時間を延長する(=長い開放時間に設定する)遊技状態である。時短遊技状態は、時短変動回数Jが初期値Jsに設定されるので、大入賞口28がJs回開放すると時短遊技状態が終了する。
更に、例えば、ステップS825において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の遊技状態を潜伏遊技状態に設定し、遊技状態データD12を、潜伏遊技状態を示すデータに更新して、図19に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図18に示す詳細フローチャートのステップS808に進める。ここで、潜伏遊技状態とは、確変遊技状態と同様に特別図柄抽選において当選確率を高確率にシフトさせる(=確率変動させる)が、普通図柄の変動時間を短縮(以下、時間短縮)すること、及び、電動チューリップ26の開放時間を延長する(=長い開放時間に設定する)ことは共に実施しない遊技状態である。しかしながら、潜伏遊技状態は、潜伏遊技状態であることを報知する態様が、遊技者に容易に潜伏遊技状態であることを認識できない態様とされている。
ここで、潜伏遊技状態であることを報知する態様について説明する。例えば、確率変動させる遊技状態に移行する際に動作する役物は、遊技者の視線を集め易く、このような役物を用いて確率変動させる遊技状態であることを報知すると、遊技者はその役物の動作に対する関心が強くなる。しかしながら、確率変動させる遊技状態を報知する態様が遊技者にとって容易に認識できる態様である場合には、遊技者が確率変動させる遊技状態であることを見つけ出す興趣性、意外性が低減し、遊技者の遊技に対する集中力、興味を長く継続させることが難しくなる。逆に、当選条件の異なる遊技状態に関する報知の態様を同一内容とし、遊技者にとって遊技状態の何れが設定されているかを全く把握できないこととしている場合には、遊技者は、現在の遊技状態を推定する判断材料をパチンコ機1から得ることができない。そこで、遊技者が当選条件の異なる遊技状態の何れが設定されているかを推定する楽しみが少なくなる。従って、潜伏遊技状態は、潜伏遊技状態であることを報知する態様を遊技者に容易に認識できない態様とすることによって、遊技者が、現在の遊技状態が確率変動させる遊技状態であることを見つけ出すように仕向けられるため、遊技者の集中力等を長く継続させることができるのである。
図18に戻り、ステップS807の確変遊技状態設定処理の後、ステップS808において、メイン制御基板100は、大当たり処理等に関する設定情報を含んだ大当たりコマンドを生成し、生成された大当たりコマンドを用いて当たりコマンドデータD17を更新(セット)する。そして、ステップS809において、メイン制御基板100は、大当たりの動作制御を開始して、図18に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS705に進める。ここで、大当たりの動作制御とは、大入賞口28の開放動作の制御である。そして、上述した確変遊技状態、潜伏遊技状態、及び、時短遊技状態に基づく大当たりの動作制御は、それぞれ、相異なる動作で制御する。なお、ステップS808でセットされた大当たりコマンドは、後述するステップS709の出力処理において、演出制御基板400へも出力される。
また、特別図柄抽選結果が小当たりの場合(ステップS801及びステップS806で何れもYES)には、ステップS810において、メイン制御基板100は、小当たり処理等に関する設定情報を含んだ小当たりコマンドを生成し、生成された小当たりコマンドを用いて当たりコマンドデータD17を更新(=セット)する。そして、ステップS811において、メイン制御基板100は、小当たりの動作制御を開始して、図18に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS705に進める。ここで、小当たりの動作制御とは、大入賞口28の開放動作の制御である。そして、小当たりの動作制御には、上述した大当たりの動作制御とは相異なる動作で制御する。なお、上記ステップS810でセットされた小当たりコマンドは、後述するステップS709の出力処理において、演出制御基板400へも出力される。
図12に戻り、ステップS704における特別図柄処理の後、ステップS705において、メイン制御基板100は、普通図柄処理を行う。以下、図20を参照して、ステップS705で行われる普通図柄処理の詳細な動作について説明する。
図20のステップS831において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が、補助遊技(=普通図柄抽選の当選に応じた動作)中であるか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が補助遊技中ではないと判定された場合(ステップS831でNO)には、次のステップS832に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が補助遊技中であると判定された場合(ステップS831でYES)には、既に何らかの普通図柄が選択されて、その普通図柄が普通図柄表示器63に表示されて停止している状態となっているため、図20に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS706に進める。
ステップS832において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が普通図柄変動中であるか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が普通図柄変動中ではないと判定された場合(ステップS832でNO)には、次のステップS833に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が普通図柄変動中であると判定された場合(ステップS832でYES)には、次のステップS844に処理を進める。
ステップS833において、メイン制御基板100は、保留回数データD6を参照して、普通図柄抽選保留回数Gが「1」以上であるか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、普通図柄抽選保留回数Gが「1」以上であると判定された場合(ステップS833でYES)には、次のステップS834に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、普通図柄抽選保留回数Gが「0」であると判定された場合(ステップS833でNO)には、普通図柄抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、図20に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS706に進める。
ステップS834において、メイン制御基板100は、普通図柄抽選保留回数Gから「1」を減算して更新し、次のステップS835に処理を進める。例えば、メイン制御基板100は、保留回数データD6に格納されている普通図柄抽選保留回数Gから「1」を減算し、減算後の普通図柄抽選保留回数Gを用いて保留回数データD6を更新する。
次に、ステップS835において、メイン制御基板100は、ステップS734(図14参照)で取得した抽選結果乱数データD7に格納された当たり乱数の内、入賞が最も古い(=最古の)当たり乱数を参照して、普通図柄抽選で当たったか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、当たり乱数データD5に含まれる乱数値(図10(d)参照)を参照して、最古の当たり乱数が、当たり乱数データD5に含まれる何れかの乱数値と一致するかを判定する。そして、メイン制御基板100は、判定された当たり乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。次に、メイン制御基板100は、ステップS835における判定が当たりである場合(ステップS836でYES)には、次のステップS837に処理を進める。また、メイン制御基板100は、上記ステップS835における判定が外れである場合(ステップS836でNO)には、次のステップS838に処理を進める。
以上の処理の後、メイン制御基板100は、判定結果に応じた図柄を設定情報として図柄設定データD13に記録(=セット)して、次のステップS839に処理を進める。すなわち、例えば、ステップS837において、メイン制御基板100は、普通図柄抽選に当選したことを表す当たり図柄を設定情報として図柄設定データD13に記録する。また、例えば、ステップS838において、メイン制御基板100は、普通図柄抽選に外れたことを表す外れ図柄を設定情報として図柄設定データD13に記録する。
ステップS839において、メイン制御基板100は、遊技状態データD12を参照して、現在のパチンコ機1の状態が確変遊技状態又は時短遊技状態に該当するか否かを判定する。そして、現在のパチンコ機1の状態が確変遊技状態又は時短遊技状態に該当すると判定された場合(ステップS839でYES)には、メイン制御基板100は、ステップS840において、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間を変動時間T1(例えば、T1=3秒)に更新し、次のステップS842に処理を進める。一方、現在のパチンコ機1の状態が確変遊技状態及び時短遊技状態に該当しないと判定された場合(ステップS839でNO)には、メイン制御基板100は、ステップS841において、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間を変動時間T2(ここで、T1<T2:例えば、T2=29秒)に更新し、次のステップS842に処理を進める。
ステップS842において、メイン制御基板100は、図柄設定データD13にセットされた図柄に基づいて、普通図柄を変動させて普通図柄表示器63(図3参照)に表示する表示制御処理を開始する。そして、ステップS843において、メイン制御基板100は、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間だけ普通図柄変動表示を行うために、変動時間の計測を開始して、図20に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS706に進める。
一方、ステップS832においてパチンコ機1の現在の状態が普通図柄変動中であると判定された場合(ステップS832でYES)には、ステップS844において、メイン制御基板100は、普通図柄変動時間が終了したか否かを判定する。例えば、メイン制御基板100は、ステップS843からカウントが開始されている変動時間が、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間に到達している場合(ステップS844でYES)には、次のステップS845に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、変動時間が、変動時間データD9に格納された普通図柄変動時間に到達していない場合(ステップS844でNO)には、普通図柄変動表示が継続されるため、図20に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS706に進める。
ステップS845において、メイン制御基板100は、普通図柄変動表示を終了して、普通図柄表示器63に図柄設定データD13に格納されている普通図柄を表示して停止させる。そして、ステップS846において、メイン制御基板100は、ステップS843からカウントが開始されている変動時間を初期化(=リセット)し、次のステップS847に処理を進める。
次に、ステップS847において、メイン制御基板100は、ステップS845で変動を停止した普通図柄変動表示処理における普通図柄抽選結果を判定する。そして、普通図柄抽選結果が当たりであると判定された場合(ステップS847でYES)には、ステップS848において、メイン制御基板100は、補助遊技の動作制御を開始して、図20に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS706に進める。一方、普通図柄抽選結果が外れであると判定された場合(ステップS847でNO)には、メイン制御基板100は、図20に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS706に進める。
図12に戻り、ステップS705における普通図柄処理の後、ステップS706において、メイン制御基板100は、大入賞口処理を行う。以下、図21及び図22を参照して、ステップS706で行われる大入賞口処理の詳細な動作について説明する。
図21のステップS851及びステップS864において、メイン制御基板100は、当たりコマンドデータD17を参照して、パチンコ機1の現在の状態が大当たり中(すなわち、大当たりの動作制御中)であるか否か、及び、パチンコ機1の現在の状態が小当たり中(すなわち、小当たりの動作制御中)であるか否かをそれぞれ判定する。そして、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が大当たり中であると判定された場合(ステップS851でYES)には、次のステップS852に処理を進める。また、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が小当たり中であると判定された場合(ステップS851でNO、ステップS864でYES)には、次のステップS865に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が大当たり中でも小当たり中でもない場合(ステップS851及びステップS864で何れもNO)、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
ステップS852において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が、図18に示す詳細フローチャートのステップS809で開始された大当たりの動作制御におけるオープニング演出中であるか否かを判定する。ここで、オープニング演出とは、大当たり遊技の開始直前にパチンコ機1の画像表示器21への画像表示等を用いて行われる演出であり、遊技者に大入賞口28への遊技球の入賞を促すものである。このオープニング演出によって、遊技者は、大当たり遊技状態の開始タイミングが判る。そして、メイン制御基板100は、オープニング演出中であると判定された場合(ステップS852でYES)には、次のステップS853に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、オープニング演出中ではないと判定された場合(ステップS852でNO)には、図22に示すステップS866に処理を進める。
ステップS853において、メイン制御基板100は、予め設定された大当たりのオープニング演出が行われる時間(=大当たりオープニング演出時間)が経過したか否かを判定する。そして、メイン制御基板100は、大当たりオープニング演出時間が経過したと判定された場合(ステップS853でYES)には、次のステップS854に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、大当たりオープニング演出時間が経過していないと判定された場合(ステップS853でNO)には、大当たりのオープニング演出が継続されるため、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
ステップS854において、開放ラウンド回数データD16に含まれている開放ラウンド回数Rに「1」を加算して開放ラウンド回数Rを更新し、更新された開放ラウンド回数Rを用いて開放ラウンド回数データD16を更新する。そして、ステップS855において、メイン制御基板100は、大入賞口開閉部115を駆動させて大入賞口28を開放状態にして、次のステップ856に処理を進める。
次に、ステップS856において、メイン制御基板100は、大入賞口28の開放状態が予め設定された時間(=開放時間:例えば、確変図柄A、通常図柄による大当たりでは30秒、確変図柄Bによる大当たりでは2回の開放で累積開放時間が1.8秒以内となる時間)を経過したか否かを判定する。次に、大入賞口28の開放状態が開放時間を経過していないと判定された場合(ステップS856でNO)には、ステップS857において、メイン制御基板100は、入賞個数データD18を参照して、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax(例えば、Cmax=9)以上であるか否かを判定する。そして、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax以上であると判定された場合(ステップS857でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS858に処理を進める。一方、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax未満であると判定された場合(ステップS857でNO)には、メイン制御基板100は、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。また、大入賞口28の開放状態が開放時間を経過したと判定された場合(ステップS856でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS858に処理を進める。
ステップS858において、メイン制御基板100は、大入賞口開閉部115を駆動させて大入賞口28を閉口状態にし、入賞個数データD18が示す入賞個数Cを「0」に初期化して、次のステップ859に処理を進める。ステップS859において、メイン制御基板100は、開放ラウンド回数データD16を参照して、開放ラウンド回数Rが開放ラウンド最大回数Rmax(例えば、確変図柄Aや通常図柄による大当たりではRmax=15、確変図柄Bによる大当たりではRmax=2)に到達したか否かを判定する。そして、開放ラウンド回数Rが開放ラウンド最大回数Rmaxに到達したと判定された場合(ステップS859でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS860に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、開放ラウンド回数Rが開放ラウンド最大回数Rmaxに到達していないと判定された場合(ステップS859でNO)には、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
ステップS860において、メイン制御基板100は、開放ラウンド回数Rを「0」に設定し、「0」に設定された開放ラウンド回数Rを用いて開放ラウンド回数データD16を更新する。そして、ステップS861において、メイン制御基板100は、大当たりの動作制御における大当たりのエンディング演出を開始し、次のステップS862に処理を進める。ここで、大当たりのエンディング演出とは、大当たり遊技の終了時にパチンコ機1の画像表示器21への画像表示等を用いて行われる演出であり、遊技者に大当たり遊技状態が終了することを報知するものである。この大当たりのエンディング演出により、遊技者は、大当たり遊技状態の終了タイミングが判る。
次に、ステップS862において、メイン制御基板100は、予め設定された大当たりエンディング演出が行われるべき時間(大当たりエンディング演出時間)が経過したか否かを判定する。そして、大当たりエンディング演出時間が経過したと判定された場合(ステップS862でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS863に処理を進める。一方、大当たりエンディング演出時間が経過していないと判定された場合(ステップS862でNO)には、メイン制御基板100は、大当たりのエンディング演出が継続されるため、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
ステップS863において、メイン制御基板100は、大当たりの動作制御を終了し、大当たり動作制御が終了したことを示すデータを用いて当たりコマンドデータD17を更新して、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
一方、ステップS852において、オープニング演出中でないと判定された場合(ステップS852でNO)には、図22のステップS8566において、メイン制御基板100は、大入賞口28が開放状態か否かを判定する。そして、大入賞口28が開放状態であると判定された場合(ステップS866でYES)には、メイン制御基板100は、図21のステップS856に処理を進める。一方、大入賞口28が閉口状態であると判定された場合(ステップS866でNO)には、メイン制御基板100は、ステップS867に処理を進める。
ステップS867において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が図21のステップS861で開始された大当たりの動作制御におけるエンディング演出中か否かを判定する。そして、エンディング演出中であると判定された場合(ステップS867でYES)には、メイン制御基板100は、図21のステップS862に処理を進める。一方、エンディング演出中でないと判定された場合(ステップS867でNO)には、メイン制御基板100は、次のステップS868に処理を進める。
ステップS868において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が大当たりの動作制御におけるインターバル時間か否かを判定する。ここで、インターバル時間とは、大入賞口28が閉口状態となってから次の開放状態となるまでの時間(すなわち、ラウンドの実施間隔)である。そして、インターバル時間中であると判定された場合(ステップS868でYES)には、メイン制御基板100は、図21のステップS854に処理を進める。一方、インターバル時間中でないと判定された場合(ステップS868でNO)には、メイン制御基板100は、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
また、図21のステップS864において、パチンコ機1の現在の状態が小当たり中であると判定された場合(ステップS864でNO)、ステップS865において、メイン制御基板100は、小当たり処理を行い、図21及び図22に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。以下、図23を参照して、図21のステップS865で行われる小当たり処理について説明する。
図23のステップS871において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が図18のステップS811で開始された小当たりの動作制御におけるオープニング演出中か否かを判定する。ここで、オープニング演出とは、小当たり遊技の開始直前にパチンコ機1の画像表示器21への画像表示等を用いて行われる演出であり、遊技者に大入賞口28への遊技球の入賞を促すものである。このオープニング演出により、遊技者は、小当たり遊技状態の開始タイミングが判る。そして、オープニング演出中であると判定された場合(ステップS871でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS872に処理を進める。一方、オープニング演出中ではないと判定された場合(ステップS871でNO)には、メイン制御基板100は、次のステップS880に処理を進める。
ステップS872において、メイン制御基板100は、予め設定された小当たりのオープニング演出が行われるべき時間(=小当たりオープニング演出時間)が経過したか否かを判定する。そして、小当たりオープニング演出時間が経過したと判定された場合(ステップS872でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS873に処理を進める。一方、メイン制御基板100は、小当たりオープニング演出時間が経過していないと判定された場合(ステップS872でNO)には、小当たりのオープニング演出が継続されるため、図23に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
ステップS873において、メイン制御基板100は、大入賞口開閉部115を駆動させて大入賞口28を小当たり開閉パターンで開閉させる動作制御で作動を開始させ、次のステップS874に処理を進める。ここで、小当たり開閉パターンで大入賞口28を作動させる際の開放回数は、ステップS851〜S863で処理する確変図柄Bの大当たりに対応させて大入賞口28を連続作動させる開放ラウンド回数R(すなわち、2回)と一致させて設定する。そして、確変図柄Bの大当たりに対応させて大入賞口28を2ラウンド連続作動させる際の大入賞口28の開放パターンが、小当たりに当選した場合に大入賞口28を作動させる際の大入賞口28の開放パターンと類似するように作動する。
より具体的には、確変図柄Bの大当たりにおいては、大入賞口28を2ラウンド以上連続作動させなければならないことが法令により定められている。また、小当たり図柄の小当たりにおいては、大入賞口28の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。そこで、確変図柄Bの大当たりでの開放ラウンド回数を2ラウンド(開放ラウンド最大回数Rmax=2)に設定して、2ラウンドの開放での開放累積時間が1.8秒以内とする「2ラウンド確変当たり」とする。また、小当たり開閉パターンを、1回の作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で2回の大入賞口28の開放を行う作動パターンに設定して、両者を類似させるのである。
次に、ステップS874において、メイン制御基板100は、小当たり開閉パターンで予め設定されている1回の作動の時間(作動時間:例えば、2ラウンドで開放累積時間が1.8秒以内となる時間)を経過したか否かを判定する。次に、作動時間を経過していないと判定された場合(S874でNO)には、ステップS875において、メイン制御基板100は、入賞個数データD18を参照して、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax(例えば、Cmax=9)以上であるか否かを判定する。そして、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax以上であると判定された場合(S875でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS876に処理を進める。一方、入賞個数Cが入賞個数最大値Cmax未満であると判定された場合(S875でNO)には、メイン制御基板100は、図23に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。また、作動時間を経過したと判定された場合(S874でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS876に処理を進める。
ステップS876において、メイン制御基板100は、小当たり開閉パターンによる動作制御を終了して大入賞口28を閉口状態にし、入賞個数データD18が示す入賞個数Cを「0」に初期化して、次のステップ877に処理を進める。次に、ステップS877において、メイン制御基板100は、小当たりの動作制御における小当たりのエンディング演出を開始し、次のステップS878に処理を進める。ここで、小当たりのエンディング演出とは、小当たり遊技の終了時にパチンコ機1の画像表示器21への画像表示等を用いて行われる演出であり、遊技者に小当たり遊技状態が終了することを報知するものである。この小当たりのエンディング演出により、遊技者は、小当たり遊技状態の終了タイミングが判る。
次に、ステップS878において、メイン制御基板100は、予め設定された小当たりエンディング演出が行われるべき時間(=小当たりエンディング演出時間)が経過したか否かを判定する。そして、小当たりエンディング演出時間が経過したと判定された場合(S878でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS879に処理を進める。一方、小当たりエンディング演出時間が経過していないと判定された場合(S878でNO)には、メイン制御基板100は、小当たりのエンディング演出が継続されるため、図23に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。ステップS879において、メイン制御基板100は、小当たりの動作制御を終了し、小当たり動作制御が終了したことを示すデータを用いて当たりコマンドデータD17を更新して、図23に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS707に進める。
図12に戻り、ステップS706における大入賞口処理の後、ステップS707において、メイン制御基板100は、電動チューリップ処理を行う。以下、図24を参照して、ステップS707で行う電動チューリップ処理の詳細な動作について説明する。
図24のステップS891において、メイン制御基板100は、パチンコ機1の現在の状態が図20のステップS848で開始された補助遊技中であるか否かを判定する。そして、パチンコ機1の現在の状態が補助遊技中であると判定された場合(S891でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS892に処理を進める。一方、パチンコ機1の現在の状態が補助遊技中でないと判定された場合(S891でNO)には、メイン制御基板100は、電動チューリップ26を開放しないため、図24に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS708に進める。
ステップS892において、メイン制御基板100は、電動チューリップ26の一対の羽根部が開いている状態(=開放状態)であるか否かを判定する。そして、電動チューリップ26が開放状態であると判定された場合(S892でYES)には、メイン制御基板100は、ステップS897に処理を進める。一方、電動チューリップ26の一対の羽根部が閉じている状態であると判定された場合(S892でNO)には、メイン制御基板100は、次のステップS893に処理を進める。
ステップS893において、メイン制御基板100は、遊技状態データD12を参照して、現在のパチンコ機1の状態が確変遊技状態又は時短遊技状態に該当するか否かを判定する。そして、現在のパチンコ機1の状態が確変遊技状態又は時短遊技状態に該当すると判定された場合(S893でYES)には、ステップS896において、メイン制御基板100は、開放時間データD19に格納された開放時間を、開放時間T3(例えば、T3=3.5秒)に更新(=セット)し、次のステップS896に処理を進める。一方、現在のパチンコ機1の状態が確変遊技状態及び時短遊技状態に該当しないと判定された場合(S893でNO)、ステップS895において、メイン制御基板100は、開放時間データD19に格納された開放時間を、開放時間T4(T3>T4;例えば、T4=0.2秒)に更新(=セット)し、次のステップS896に処理を進める。
ステップS896において、メイン制御基板100は、電動チューリップ開閉部112(図8参照)を駆動させて電動チューリップ26を開放状態にして、次のステップ897に処理を進める。次に、ステップS897において、メイン制御基板100は、開放時間データD19を参照して、電動チューリップ26の開放時間が終了したか否かを判定する。ステップS896で開放状態となってからの経過時間が、開放時間データD19に格納された開放時間に到達していると判定された場合(S897でYES)には、メイン制御基板100は、次のステップS898に処理を進める。一方、上記経過時間が、開放時間データD19に格納された開放時間に到達していないと判定された場合(S897でNO)には、メイン制御基板100は、電動チューリップ26の開放状態が継続されるため、図24に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS708に進める。
ステップS898において、メイン制御基板100は、電動チューリップ開閉部112を駆動させて電動チューリップ26の一対の羽根部が閉じている状態にする。そして、ステップS899において、メイン制御基板100は、補助遊技を終了して、図24に示す詳細フローチャートによる処理を終了し、処理を図12に示す詳細フローチャートのステップS708に進める。
図12に戻り、ステップS707における大入賞口処理の後、ステップS708において、メイン制御基板100は、賞球処理を行い、次のステップ709に処理を進める。例えば、賞球処理においては、メイン制御基板100は、始動口25、大入賞口28、及び、普通入賞口29に、それぞれ入賞した遊技球数を管理する。例えば、メイン制御基板100は、大入賞口スイッチ114から大入賞口28に遊技球が入賞したことを示す検出信号を取得した場合、メイン制御基板100は、入賞個数データD18に格納されている入賞個数Cに入賞が検出された遊技球数を加算し、加算後の入賞個数Cを用いて入賞個数データD18を更新する。そして、メイン制御基板100は、始動口25、大入賞口28、及び、普通入賞口29に、それぞれ入賞した遊技球数に応じた賞球の払出数を設定する。
次に、ステップS709において、メイン制御基板100は、発射制御基板200、払出制御基板300、及び、演出制御基板400に対して、それぞれ制御情報(=コマンド)を出力し、次のステップに処理710を進める。例えば、メイン制御基板100は、払出個数を示すコマンドを払出制御基板300に出力することによって、払出個数を払出制御基板300に対して指示する。また、メイン制御基板100は、演出に関するコマンド(第1制御情報に相当する:例えば、変動開始コマンド、変動停止コマンド、大当たりコマンド、小当たりコマンド等)を演出制御基板400に出力することによって、パチンコ機1における演出形態を決定させる。以下、演出に関するコマンドを取得した演出制御基板400の動作の一例について説明する。
例えば、演出制御基板400は、メイン制御基板100から変動開始コマンドを取得した場合、当該変動開始コマンドで示された変動パターンに基づいて、演出内容を決定する。そして、演出制御基板400は、画像表示、音声出力、及び、ランプの点灯等による演出を行うために、決定した演出形態の実行を指示するコマンド(第2制御情報、第3制御情報に相当する)を、画像制御基板500及びランプ制御基板600にそれぞれ出力する。また、演出制御基板400は、メイン制御基板100から変動終了コマンドを取得した場合、実行中の演出を終了するために演出終了を指示するコマンドを画像制御基板500及びランプ制御基板600にそれぞれ出力する。なお、演出制御基板400、画像制御基板500及びランプ制御基板600の機能及び動作に関しては、図28、図29を用いて後述する。
図12に戻り、ステップS710において、メイン制御基板100は、初期値乱数を更新して、次のステップ711に処理を進める。例えば、メイン制御基板100は、乱数データD1に格納されている初期値乱数(ここでは、0〜299)に「1」を加算して更新し、更新された初期値乱数を用いて乱数データD1を更新する。次に、ステップS711において、メイン制御基板100は、変動パターン乱数を更新して、次のステップ712に処理を進める。例えば、メイン制御基板100は、乱数データD1に格納されている変動パターン乱数(ここでは、0〜249)に「1」を加算して更新し、更新された変動パターン乱数を用いて乱数データD1を更新する。
次に、ステップS712において、メイン制御基板100は、ステップS701を実行してから予め設定された所定時間(例えば、4msec)が経過したか否かを判定する。そして、所定時間が経過したと判定された場合(S712でYES)には、メイン制御基板100は、ステップS701に戻り、ステップS701以降の処理を繰り返し実行する。一方、所定時間が経過していないと判定された場合(S712でNO)には、メイン制御基板100は、上記ステップS710に戻って、ステップS710以降の処理を繰り返し実行する。つまり、ステップS701〜S709の処理は、所定時間毎に繰り返される処理となり、ステップS710〜S712は、その残余時間(すなわち、所定時間からステップS701〜S709の処理時間を減じた時間)で繰り返される処理となる。従って、ステップS701と、ステップS710及びステップS711と、で行われる乱数更新処理の処理周期が相違することとなるため、各乱数がランダムに更新されていくことになり、遊技者が、大当たり等が生じる時点を予想し難くなり、興趣性が向上する。
ここで、再び図8を参照して、本発明に係る、画像表示器21への画像表示処理、及び、可動役物22の駆動処理の概要について説明する。演出制御基板400(CPU401)は、メイン制御基板100からの特別図柄抽選の抽選結果情報を含む第1制御情報αに基づき、予め設定された複数の画像の中から1つの画像を選択する。そして、演出制御基板400(CPU401)は、選択された1つの画像を、画像制御基板500(CPU501)を介して画像表示器21に表示させるべく、画像制御基板500(CPU501)に対して、第2制御情報βを出力する。また、演出制御基板400(CPU401)は、選択された1つの画像が予め設定された特定の画像状態となるタイミングである第1タイミングTB(図27参照)で、駆動モータ344を駆動するべく、ランプ制御基板600(CPU601)に対して、第3制御情報γを出力する。
画像制御基板500(CPU501)は、演出制御基板400(CPU401)から入力される第2制御情報βに基づき、画像表示器21に画像を表示する。ランプ制御基板600(CPU601)は、演出制御基板400(CPU401)から入力される第3制御情報γに基づき、駆動モータ344を制御する。
図27は、画像表示器21に表示される変動表示、及び、可動役物22の駆動、のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。図27の横軸は、時間Tであって、上側に、画像表示器21に表示される画像が変動表示であるか停止画像であるかを示すタイミングチャートを表記し、下側に、可動役物22が駆動状態であるか停止状態であるかを示すタイミングチャートを表記している。
図27に示すように、演出制御基板400(CPU401)は、画像制御基板500(CPU501)に対して第2制御情報βを出力するタイミングと同一タイミングである第2タイミングTAで、ランプ制御基板600(CPU601)に対して第3制御情報γを出力する。また、第3制御情報γは、第2タイミングTAから第1タイミングTBまでの期間T3を示す情報、及び、可動役物22を駆動する期間T4を示す情報を含んでいる。
画像制御基板500(CPU501)は、演出制御基板400(CPU401)からの第2制御情報β(変動開始コマンド)を受信した第2タイミングTAから変動表示を開始する。そして、画像制御基板500(CPU501)は、演出制御基板400(CPU401)からの変動終了コマンドを受信した第4タイミングTDで変動表示を終了する。
ランプ制御基板600(CPU601)は、演出制御基板400(CPU401)からの第3制御情報γ(駆動指示コマンド)を受信した第2タイミングTAから、期間T3だけ経過後の第1タイミングTBで、可動役物22の駆動を開始する。そして、ランプ制御基板600(CPU601)は、第1タイミングTBから期間T4だけ経過後の第3タイミングTCで、可動役物22の駆動を終了する。
図28は、画像制御基板500(CPU501)において実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、全て、画像制御基板500のCPU501によって実行される。また、図28に示すフローチャートにおいては、本願発明と直接関連しない他の処理については、その説明を省略する。更に、図28及び以下の説明では、画像制御基板500のCPU501が実行する各ステップを「S」と表記する。まず、ステップS901において、変動表示をしているか否かを示すフラグである変動フラグが「ON」であるか否かの判定を行う。ここで、変動フラグが「ON」であるとは、変動表示をしていることを示し、変動フラグが「OFF」であるとは、変動表示をしていないこと(=画像停止状態であること)を示している。変動フラグが「ON」であると判定された場合(S901でYES)には、処理がステップS906に進められる。変動フラグが「OFF」であると判定された場合(S901でNO)には、処理がステップS902に進められる。
ステップS902において、演出制御基板400(CPU401)から変動開始コマンドを受信したか否かの判定を行う。変動開始コマンドを受信していないと判定された場合(S902でNO)には、処理をステップS901に戻し、ステップS901以降の処理を繰り返し実行する。変動開始コマンドを受信したと判定された場合(S902でYES)には、処理がステップS903に進められる。ステップS903において、ステップS902において受信した変動開始コマンドの解析を行い、処理をステップS904に進める。そして、ステップS904において、ステップS902において受信した変動開始コマンドに基づいて、予め設定された複数の画像の中から1つの画像を選択し、選択された画像の画像表示器21への変動表示を開始して、処理をステップS905に進める。次に、ステップS905において、変動フラグを「ON」に設定して、処理をステップS906に進める。
ステップS901でYESの場合、又は、ステップS905の処理が終了した場合には、ステップS906において、演出制御基板400(CPU401)から変動終了コマンドを受信したか否かの判定を行う。変動終了コマンドを受信していないと判定された場合(S906でNO)には、処理をステップS901に戻し、ステップS901以降の処理を繰り返し実行する。変動終了コマンドを受信したと判定された場合(S906でYES)には、ステップS907において、変動フラグを「OFF」に設定して、処理をステップS908に進める。そして、ステップS908において、画像表示器21への変動表示を終了して、処理をステップS901に戻し、ステップS901以降の処理を繰り返し実行する。
図29は、ランプ制御基板600(CPU601)において実行される可動役物22の駆動処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、全て、ランプ制御基板600のCPU601によって実行される。また、図29に示すフローチャートにおいては、本願発明と直接関連しない他の処理については、その説明を省略する。更に、図29及び以下の説明では、ランプ制御基板600のCPU601が実行する各ステップを「S」と表記する。まず、ステップS911において、画像制御基板500(CPU501)から駆動指示コマンドを受信したか否かの判定を行う。駆動指示コマンドを受信していないと判定された場合(S911でNO)には、処理を待機状態とする。駆動指示コマンドを受信したと判定された場合(S911でYES)には、処理をステップS912に進める。
ステップS912において、ステップS911で受信された駆動指示コマンドを解析して、処理をステップS913に進める。そして、ステップS913において、ステップS911で駆動指示コマンドを受信したタイミング(=第2タイミングTA)から、駆動指示コマンドよって規定される待ち時間T3が経過したか否かの判定を行う。待ち時間T3が経過していないと判定された場合(S913でNO)には、処理を待機状態とする。待ち時間T3が経過したと判定された場合(S913でYES)には、処理をステップS914に進める。
ステップS914において、可動役物22の駆動を開始して、処理をステップS915に進める。そして、ステップS915において、ステップS914で可動役物22の駆動を開始したタイミング(=第1タイミングTB)から駆動指示コマンドよって規定される駆動時間T4が経過したか否かの判定を行う。駆動時間T4が経過していないと判定された場合(ステップS915でNO)には、処理を待機状態とする。駆動時間T4が経過したと判定された場合(ステップS915でYES)には、処理をステップS916に進める。ステップS916において、可動役物22の駆動を停止して、処理をステップS911に戻し、ステップS911以降の処理を繰り返し実行する。
このようにして、演出制御基板400(CPU401)によって、画像表示器21に表示する1つの画像が選択されると共に、可動役物22を駆動するタイミング(ここでは、駆動を開始するタイミングTB:図27参照)が指示されるので、可動役物22を画像の変化に正確に合わせて駆動することができる。
また、演出制御基板400(CPU401)によって、画像制御基板500(CPU501)に対して第2制御情報を出力するタイミングと同一タイミングである第2タイミングTAで、ランプ制御基板600(CPU601)に対して第3制御情報が出力されるため、演出制御基板400(CPU401)の処理が簡素化される。
本実施形態では、演出制御基板400(CPU401)が、第2制御情報を出力するタイミングである第2タイミングTAで、第3制御情報を出力する場合について説明したが、演出制御基板400(CPU401)が、第2制御情報を出力するタイミングである第2タイミングTAと略同一のタイミングで第3制御情報を出力する形態であれば良い。
例えば、演出制御基板400(CPU401)が、第2タイミングTAから予め設定された遅延時間ΔTだけ経過後に、第3制御情報を出力する形態でも良い。この場合には、ランプ制御基板600(CPU601)は、遅延時間ΔTを考慮して、可動役物22を駆動する必要がある。すなわち、ランプ制御基板600(CPU601)は、第2タイミングTAを起点として、第3制御情報に含まれる期間情報に対応する期間T3から遅延時間ΔTを減じた差の期間(=T3−ΔT)だけ経過後に、可動役物22を駆動すれば良い。
更に、ランプ制御基板600(CPU601)が、演出制御基板400(CPU401)から第3制御情報が入力されたタイミング(=第2タイミングTA)から、第3制御情報に含まれる期間情報に対応する期間T3だけ経過後に、可動役物22を駆動することによって、簡素な構成で、且つ、適正なタイミングで可動役物22を動かすことができる。
加えて、第3制御情報γが、可動役物22を駆動する期間T4を示す情報を含んでおり、ランプ制御基板600(CPU601)が、可動役物22の駆動を開始したタイミング(=第1タイミングTB)から期間T4だけ経過後に、可動役物22の駆動を停止するため、適正なタイミングで可動役物22を停止することができる。
本実施形態では、ランプ制御基板600(CPU601)が、可動役物22の駆動を開始したタイミング(=第1タイミングTB)から期間T4だけ経過後に、可動役物22の駆動を停止する場合について説明したが、ランプ制御基板600(CPU601)が、第3制御情報を取得したタイミング(=第2タイミングTA)から、所定期間T5(=T3+T4)だけ経過後に、可動役物22の駆動を停止する形態でも良い。この場合には第3制御情報γが、可動役物22を駆動する期間T4を示す情報に換えて、期間T5を示す情報を含んでいる形態でも良い。
また、本実施形態では、遊技機がパチンコ機1である場合について説明したが、遊技機が、その他の種類の遊技機(例えば、パチスロ機、ゲーム機等)である形態でも良い。更に、本実施形態では、演出制御手段として機能するCPU401が演出制御基板400に配設され、表示制御手段として機能するCPU501が画像制御基板500に配設され、駆動制御手段として機能するCPU601がランプ制御基板600に配設されている場合について説明したが、CPU401、CPU501及びCPU601が、基板に他の態様で配設されている形態でも良い。例えば、CPU401、CPU501及びCPU601の内、2個のCPU(例えば、CPU501及びCPU601)が1個の基板上に搭載されている形態でも良いし、3個のCPUが全て1個の基板上に搭載されている形態でも良い。