以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材であり、遊技盤2に対して開閉可能に構成されている。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球がハンドル31の回転角度に応じた打球力で不図示の発射装置から発射される。発射された遊技球は、遊技領域20の上部位置へ案内され、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、発射装置による遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を操作することによって一時的に停止される。また、皿39と近接配置された取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱へ落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、又は普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球が皿39に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口26を介して遊技領域20の外に排出される。
第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると、大当たり抽選(特別図柄抽選)が実行される。この特別図柄抽選に当選することで大入賞口23が開放され、遊技者が多量の賞球を得ることが可能な大当たり遊技を楽しむことができる。また、遊技球がゲート25を通過すると、電動チューリップ27の開閉抽選(普通図柄抽選)が実行される。この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27が作動して、第2始動口22が一時的に開放される。
遊技盤2又は枠部材3には、各種演出を行う液晶表示器5、盤ランプ8、枠ランプ36、2つの拳役物7、及びスピーカ35が設けられている。
液晶表示器5は、画像を表示する画像表示器である。この液晶表示器5は、遊技者による遊技中には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等を含む演出画像を表示する。また、液晶表示器5は、パチンコ遊技機1が遊技者によって遊技されていない客待ち状態のときには、演出画像に代えて客待ち画像を表示する。
盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することで光による演出を行う。枠ランプ36は、発光色、発光パターン、及び光の放射方向を変化させることで光による演出を行う。
拳役物7は、拳役物7自体の動きと光による演出を行う可動役物である。この拳役物7は、本実施形態では、パチンコ遊技機1を正面から見て左側に配置された拳役物7Aと、右側に配置された拳役物7Bの2つの可動役物によって構成されている。拳役物7A,7Bの構成については、後に詳述する。
スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
皿39と近接する位置に演出ボタン37及び演出キー38が設けられている。演出ボタン37は、遊技者が操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー38は、十字キーとして機能する周辺キーと、決定ボタンとして機能する中央キーとを有して構成されている。
ところで、可動役物を光らせるために、一般的に、電線が引き回された電飾基板を可動役物に搭載すると共に、その電飾基板に対して電線を介して制御信号を送信したり電源を供給するといった構成が採用されているが、この構成では、可動役物の動作の度に電線が撓んで変形し、可動役物の動作が繰り返された結果、電線が断線して可動役物の動作不良が発生するおそれがある。また、可動役物に電飾基板を搭載する構成では、可動役物に電飾基板等の電気的機器を設ける必要があるだけでなく、電飾基板に実装されたLEDを可動役物において発光させたい部分の真後ろに配置する必要があるため、構成上の制約が大きいという問題があった。そこで、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、可動役物としての拳役物7A,7Bに電飾基板等の電気的機器を搭載することなく拳役物7A,7Bを光らせる機能を有している。以下、このような機能を実現するためのパチンコ遊技機1の構成について、詳細に説明する。
[拳役物7A,7Bの概略構成]
以下、図2〜図4を参照しつつ、拳役物7A,7Bの概略構成について説明する。ここで、図2は、初期位置(第1の位置)に配置された拳役物7A,7Bを示す正面図である。図3は、突出位置に配置された拳役物7A,7Bを示す正面図である。図4は、拳役物7A,7Bの動作について説明するための説明図であり、(A)は拳役物7A,7Bが初期位置に配置された状態を示し、(B)は拳役物7A,7Bが突出位置(第2の位置)に配置された状態を示す。拳役物7A及び拳役物7Bは、いずれもロボットの拳を模した形状をしたものである。パチンコ遊技機1の奥行き方向(図1の紙面に垂直な方向)における遊技盤2と液晶表示器5の表示画面との間には、拳役物7A,7Bを配置するための空間が形成されている。拳役物7A及び拳役物7Bは、いずれも手の甲に相当する部分がパチンコ遊技機1の前方を向くように、この空間内に配置されている(図4参照)。遊技盤2の裏面側の所定位置には、駆動源としての役物モータ156(図7参照)が設けられている。役物モータ156としては、本実施形態ではステッピングモータが使用される。この役物モータ156は、所定の駆動伝達機構を介して拳役物7A及び拳役物7Bと接続されており、拳役物7A及び拳役物7Bは、駆動伝達機構を介して伝達される役物モータ156の駆動力により、パチンコ遊技機1の幅方向(図1における左右方向)に移動する。拳役物7A及び拳役物7Bは、本実施形態では、初期位置と突出位置との間を移動するように構成されている。ここで、初期位置は、拳役物7A及び拳役物7Bの大部分が遊技盤2及び遊技盤2の開口部の周縁部に設けられた装飾枠6(図1参照)に隠れる位置である(図2及び図4(A)参照)。突出位置は、拳役物7A及び拳役物7Bがそれぞれパチンコ遊技機1の幅方向の中央に向けて移動した位置である(図3及び図4(B)参照)。このように、拳役物7A及び拳役物7Bは、遊技盤2(遊技機本体)に対して可動に構成されている。
拳役物7A及び拳役物7Bは、通常は初期位置に配置されている。これに対して、特別図柄抽選に当選する信頼度が高いとき等に、左右両側から飛び出すように移動する(図4参照)。そして、拳役物7A,7Bが飛び出した状態では、拳役物7A及び拳役物7Bのそれぞれの4本の指(親指を除く)の関節部が所定の発光パターンで発光する。これにより、特別図柄抽選に当選する信頼度が高いことが、遊技者に対して報知される。
[拳役物7Aの構成及び動作]
以下、図5及び図6を参照しつつ、拳役物7Aの構成及び動作について説明する。ここで、図5は、初期位置に配置された拳役物7Aの斜視図である。図6は、突出位置に配置された拳役物7Aの斜視図である。なお、図5及び図6においては、説明の便宜上、拳役物7A、及び拳役物7Aを光らせる電飾基板157のみが表記され、その他の構成部材の図示が省略されている。
拳役物7Aには、親指を除く4本の指のそれぞれに対応して、4つの導光部材71が内蔵されている。この導光部材71は、パチンコ遊技機1本体に設けられたカラーLED158の光を拳役物7Aの親指を除く各指の関節部分へと導くレンズとして機能するものであり、例えばポリカーボネートやアクリルによって形成されている。導光部材71の構造としては、例えば光ファイバのような構造が挙げられる。図4には、拳役物7A,7Bを上方から見た場合の拳役物7A,7Bの周辺の構成が示されている。図4に示されるように、遊技盤2の裏面には、拳役物7Aと対応する位置に電飾基板157が固定されている。この電飾基板157は、拳役物7Aを光らせるものであって、拳役物7Aと対向する側の面に、カラーLED158(本発明における発光部の一例)が実装されている。すなわち、拳役物7Aを光らせるためのカラーLED158は、電飾基板157を介してパチンコ遊技機1の裏面側(図1における紙面の奥側)を向くように遊技盤2(パチンコ遊技機1の本体)に固定されている。
各導光部材71は、図4に示されるように、いずれも一端部72及び他端部73が電飾基板157と対向するように、電飾基板157側に露出されている。拳役物7Aの各指の導光部材71の構成は以下の通りである。すなわち、拳役物7Aの人差し指に対応する導光部材71は、図4及び図6に示されるように、拳役物7Aが突出位置に配置された状態でカラーLED158A(158)と対向する位置にその一端部72A(72)が設けられ、人差し指の付け根の関節に相当する位置に他端部73A(73)が設けられている。拳役物7Aの中指に対応する導光部材71は、図4及び図6に示されるように、拳役物7Aが突出位置に配置された状態でカラーLED158B(158)と対向する位置にその一端部72B(72)が設けられ、中指の付け根の関節に相当する位置に他端部73B(73)が設けられている。拳役物7Aの薬指に対応する導光部材71は、図4及び図6に示されるように、拳役物7Aが突出位置に配置された状態でカラーLED158C(158)と対向する位置にその一端部72C(72)が設けられ、薬指の付け根の関節に相当する位置に他端部73C(73)が設けられている。拳役物7Aの小指に対応する導光部材71は、図4及び図6に示されるように、拳役物7Aが突出位置に配置された状態でカラーLED158D(158)と対向する位置にその一端部72D(72)が設けられ、小指の付け根の関節に相当する位置に他端部73D(73)が設けられている。なお、各導光部材71の一端部72から他端部73の間の部分は、光を透過しない部材で覆われているので、図には表れていない。
拳役物7Aの初期位置(図4(A)参照)は、図5に示されるように、各導光部材71の一端部72A〜72DがカラーLED158A〜158Dと対向しない非対向位置である。このため、拳役物7Aが初期位置に配置された状態では、カラーLED158A〜158Dが発光してもその光が各導光部材71の一端部72A〜72Dに入射しないので、各導光部材71の他端部73A〜73Dが発光することはない。
一方、拳役物7Aの突出位置(図4(B)参照)は、図6に示されるように、各導光部材71の一端部72A〜72DがカラーLED158A〜158Dとそれぞれ対向する対向位置である。このため、拳役物7Aが突出位置に配置された状態では、カラーLED158A〜158Dからの光が各導光部材71の一端部72A〜72Dから入射して各導光部材71の内部を進み、各導光部材71の他端部73A〜73Dから出射する。その結果、各導光部材71の他端部73A〜73Dが発光する。図6には、カラーLED158からの光が導光部材71によって導かれる導光経路75が模式的に示されている。
このように、拳役物7Aは、発光部を備える代わりに、一端部72に入射した光を他端部73から出射する導光部材71を備えているので、初期位置と突出位置とに移動可能に構成されると共に、突出位置に配置されたときにだけ光るように構成されている。なお、拳役物7Aが突出位置に配置された状態では、各導光部材71の他端部73はパチンコ遊技機1を正面から見て装飾枠6の内側に位置しているが、各導光部材71の一端部72は、装飾枠6の外側に位置している。このため、拳役物7Aが突出位置に配置された状態では、各導光部材71の他端部73は遊技盤2の前方から視認されるが、各導光部材71の一端部72は遊技盤2の前方から視認されない。このように、拳役物7Aが突出位置に配置された状態でカラーLED158から発せられた光が導光部材71に入射する様子が遊技者によって視認されることがないので、拳役物7Aによる演出効果が低下してしまうのを防止することができる。
なお、拳役物7Bは、拳役物7Aと左右対称に構成されると共に移動方向が反対である点を除いて拳役物7Aと同様のものであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図1の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図7を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図7は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図7に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、演出制御部130、画像音響制御部140、ランプ制御部150等を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
この遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、及び表示器4が接続されている。
遊技球が第1始動口21に入賞すると、その入賞が第1始動口スイッチ111によって検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。また、遊技球が第2始動口22に入賞すると、その入賞が第2始動口スイッチ112によって検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。これに対して、CPU101は、検出信号が入力されたタイミングで取得した乱数を用いて特別図柄抽選を実行し、特別図柄抽選に当選すると、大入賞口23への遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチ115からの検出信号に基づいて、電動ソレノイドを有する大入賞口制御部116を制御して大入賞口23を開閉する。また、CPU101は、特別図柄抽選の結果を示すデータを演出制御部130へ出力する。
遊技球がゲート25を通過すると、その通過がゲートスイッチ114によって検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。これに対して、CPU101は、普通図柄抽選を実行する。そして、この普通図柄抽選に当選すると、電動ソレノイドを有する電動チューリップ開閉部113を制御して電動チューリップ27を動作させる。
遊技球が普通入賞口24に入賞すると、その入賞が普通入賞口スイッチ117によって検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。CPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、又は普通入賞口スイッチ117からの検出信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを不図示の払出制御部に指示し、払出制御部からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
また、CPU101は、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果、これらの抽選の保留数、及びパチンコ遊技機1の遊技状態を表示器4(図1参照)に表示させる。なお、表示器4の構成は本発明とは直接関係しないので、ここでの詳細な説明は省略する。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130のCPU131は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37又は演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。CPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、及びRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor
)、及びスピーカ35から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal
Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンド及びROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPへ出力することにより、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理し、データ処理後の音響データをスピーカ35へ出力する。
VDPは、液晶表示器5に表示される演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5へ出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、フレームバッファに描画された演出画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5へ出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36、駆動回路155、及び電飾基板157の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータ、及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ36、盤ランプ8、電飾基板157に実装されたカラーLED158(158A〜158D)のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、拳役物7(役物モータ156)の動作パターンを示すデータである。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、及び枠ランプ36の発光を制御する。また、CPU151は、演出制御部130から送られたコマンドに応じた発光パターンデータをROM152から読み出して、その発光パターンでの発光動作をカラーLED158に実行させるための制御信号を生成して電飾基板157へ出力する。
また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータを選択して読み出す。そして、読み出した動作パターンデータに応じたパルス信号を駆動回路155へ出力する。これにより、駆動回路155からパルス信号に応じた励磁信号が役物モータ156へ出力され、役物モータ156の回転が制御される。その結果、拳役物7A,7Bが、CPU151がROM152から読み出した動作パターンで動作する。
[演出制御部130による演出制御処理]
以下、図8を参照しつつ、演出制御部130によって実行される演出制御処理について説明する。ここで、図8は、演出制御部130によって実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130の処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131が発行する命令に従って行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22への遊技球の入賞が第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112によって検出されると、遊技制御部100によって特別図柄抽選に必要な各種乱数が取得される。そして、特別図柄抽選として、取得された各種乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する処理、大当たりである場合にはその種類を判定する処理、大当たり図柄又はハズレ図柄を設定する処理、特別図柄の変動パターンを設定する処理等が遊技制御部100によって実行され、これらの一連の処理の結果を示す情報を含む変動開始コマンドが演出制御部130へ送信される。
図8に示されるように、演出制御部130のCPU131は、例えば遊技制御部100から送信された変動開始コマンドを受信してからの経過時間に基づいて、液晶表示器5における装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS101)。
CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS101:NO)、装飾図柄の変動表示の開始を指示する変動開始コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS102)。そして、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、変動開始コマンドを解析する(ステップS103)。このステップS103の処理が行われることにより、表示器4の特別図柄表示器(不図示)において特別図柄が変動表示される変動時間が取得される。後述するステップS105の演出パターン決定処理では、この変動時間と同一の再生時間を有する演出パターンが決定される。その結果、特別図柄の変動表示/停止表示に伴って、液晶表示器5において装飾図柄が変動表示/停止表示されることになる。
ステップS103の処理に続いて、CPU131は、演出パターンを決定するために必要な演出乱数を取得してRAM133に格納する(ステップS104)。具体的には、CPU131は、演出制御処理を実行する周期であるCTC周期よりも短い周期で演出乱数を「1」ずつ加算して更新する乱数更新処理を実行しており、このステップS104において、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を演出乱数として取得する。
ステップS104の処理に続いて、CPU131は、変動開始コマンドに含まれている情報、ステップS104の処理で取得した演出乱数に基づいて、演出パターンを決定する(ステップS105)。
図には示されていないが、演出制御部130のROM132には、長当たり演出テーブル、短当たり演出テーブル、小当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチなし演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御部100で決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、ハズレリーチ無し演出テーブルには、4秒用、8秒用、12秒用のテーブルが設けられており、長当たり演出テーブルには、1分、1分30秒、2分のテーブルが設けられている。CPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報(図柄、変動パターン等)に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「ハズレ」を示す情報、「リーチ無し演出」を行うことを示す情報、特別図柄の「変動時間」が4秒であることを示す情報が含まれている場合、CPU131は、4秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。CPU131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS104の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出す。これにより、液晶表示器5に表示される装飾図柄の変動パターン、拳役物7を作動させる場合には役物モータ156の動作パターンやカラーLED158の発光パターン、盤ランプ8や枠ランプ36の発光パターン、スピーカ35から出力される音声の出力パターンといった遊技演出の内容が決定される。
続いて、CPU131は、ステップS105の処理によって演出パターンを決定した後、この演出パターンに対応する演出の開始を指示する変動演出開始コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する(ステップS106)。これにより、ステップS105の処理で決定された演出パターンに対応する演出が、画像音響制御部140及びランプ制御部150によって開始される。
このように、CPU131は、ステップS103〜ステップS105の処理による演出抽選の結果に応じた演出の実行を指示する変動演出開始コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信して、特別図柄の変動表示に伴う演出を液晶表示器5やスピーカ35、拳役物7、枠ランプ36、盤ランプ8等に実行させる。
一方、CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であると判定した場合(ステップS101:YES)、装飾図柄の変動表示の停止を指示する変動停止コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS107)。この変動停止コマンドは、遊技制御部100が変動開始コマンドを送信してからその変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に対応する変動時間が経過したタイミングで、遊技制御部100から演出制御部130へ送信される。CPU131は、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS107:YES)、変動演出終了コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する(ステップS108)。このステップS108の処理が行われることにより、液晶表示器5において特別図柄抽選の結果に対応する装飾図柄が停止表示されると共に、ステップS106の処理に応じて開始された変動演出が終了する。このステップS108の処理が行われた場合、又は変動停止コマンドを受信していないとCPU131によって判定された場合(ステップS107:NO)、一連の演出制御処理が終了して、処理がステップS101に戻される。
[ランプ制御部150によるランプ制御処理]
以下、図9を参照しつつ、ランプ制御部150によって実行されるランプ制御処理について説明する。ここで、図9は、ランプ制御部150によって実行されるランプ制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートに基づいて説明するランプ制御部150の処理は、ROM152に記憶されているプログラムに基づいてCPU151が発行する命令に従って行われる。
CPU151は、上記ステップS106の処理で送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS201)。CPU151は、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS201:YES)、盤ランプ8及び枠ランプ36の発光制御を開始する(ステップS202)。
次に、CPU151は、演出制御部130から受信した変動演出開始コマンドを解析して、拳役物7の動作が指示されたか否かを判定する(ステップS203)。CPU151は、拳役物7の動作が指示されたと判定した場合(ステップS203:YES)、動作開始タイミングになったか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、変動演出開始コマンドに含まれている情報に基づいて、その変動演出開始コマンドを受信してから拳役物7の動作を開始するまでの時間差を判断する。そして、RTC134が計測した時間情報を演出制御部130から定期的に取得して、変動演出開始コマンドを受信してからその時間差に相当する時間が経過したか否かを判定する。
移動手段として機能するCPU151は、拳役物7の動作開始タイミングになったと判定した場合(ステップS204:YES)、拳役物7の動作制御を開始する(ステップS205)。具体的には、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信した変動演出開始コマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出す。そして、その読み出した動作パターンデータに応じたパルス信号を駆動回路155(図7参照)へ出力する。その結果、役物モータ156の回転が制御されて、拳役物7が初期位置(図2及び図4(A)参照)から突出位置(図3及び図4(B)参照)への移動を開始する。
このように、CPU151は、駆動回路155を介して役物モータ156の動作を制御することにより、拳役物7を初期位置から突出位置へと移動させる。なお、拳役物7が移動する動作は、初期位置から突出位置へと一定の速度で移動する動作の他、初期位置と突出位置との間の所定の位置で拳役物7を一時的に停止させてから突出位置へと移動させる動作や、初期位置と突出位置との間で往復移動を所定回数繰り返してから最終的に突出位置へと移動する動作が挙げられる。
CPU151は、ステップS205の処理を実行した場合、ステップS201の処理で「NO」と判定した場合、ステップS203の処理で「NO」と判定した場合、又はステップS204の処理で「NO」と判定した場合、駆動回路155の動作状態に基づいて、拳役物7(役物モータ156)が動作中であるか否かを判定する(ステップS206)。
判定手段として機能するCPU151は、拳役物7が動作中であると判定した場合(ステップS206:YES)、拳役物7が突出位置(導光部材71の一端部72がカラーLED158と対向する対向位置:図6参照)に配置されたか否かを判定する(ステップS207)。この判定処理は、駆動回路155を介して役物モータ156のステップ数を監視することによって行うことができる。
発光制御手段として機能するCPU151は、拳役物7が突出位置に配置されたと判定した場合(ステップS207:YES)、発光部(本実施形態ではカラーLED158)を発光させる発光制御を実行する(ステップS208)。具体的には、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信した変動演出開始コマンドに対応する発光パターンデータを読み出す。そして、その発光パターンでカラーLED158を発光させるための制御信号を生成して電飾基板157へ出力する。その結果、電飾基板157に実装されている各カラーLED158A〜158Dが、CPU151が決定した発光パターンで発光する。
ここまでの説明から明らかなように、ステップS205の処理が行われることにより、拳役物7が突出位置に移動し、その結果、各カラーLED158A〜158Dがそれぞれ導光部材71の一端部72A〜72Dと対向する(図4(B)及び図6参照)。そして、この状態でステップS208の処理が行われることにより、各カラーLED158(158A〜158D)からの光が一端部72A〜72Dから各導光部材71に入射する。この光は、図6の導光経路75に示されるように各導光部材71に導かれて他端部73A〜73Dから出射する。これにより、拳役物7の他端部73A〜73Dが発光する(図6参照)。
CPU151は、ステップS208の処理を行った場合、ステップS206の処理で「NO」と判定した場合、又はステップS207の処理で「NO」と判定した場合、演出制御部130から変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS209)。CPU151は、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS209:YES)、ランプ制御終了処理を実行する(ステップS210)。具体的には、初期位置に位置していない拳役物7を初期位置に戻すための駆動回路155の制御や、盤ランプ8、枠ランプ8、カラーLED158を消灯させる処理を行う。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、拳役物7A,7Bを発光させるカラーLED158を実装した電飾基板157が遊技機本体(本実施形態では遊技盤2)に設けられているので、制御信号を送信するための信号線や電源供給用の電源線等の電線を拳役物7A,7Bから引き回す必要がない。このため、拳役物7A,7Bの動作が繰り返されることによって電線が疲労断線するという問題が生じるのを確実に防止することができる。また、拳役物7A,7Bに導光部材71を設ける必要があるものの、拳役物7A,7Bを光らせる電飾基板を拳役物7A,7Bに搭載する必要がない。このため、拳役物7A,7Bの設計上の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態では、拳役物7A,7Bが初期位置(非対向位置)から突出位置(対向位置)へ移動する動作が完了したタイミングで各カラーLED158A〜158Dが発光するので、導光部材71の一端部72がカラーLED158と対向していないにも拘わらずカラーLED158が発光するといった無駄な処理が行われるのを防止することができる。
また、本実施形態では、拳役物7A,7Bが突出位置に配置された状態では、導光部材71の他端部73はパチンコ遊技機1の前方から視認されるものの、導光部材71の一端部72はパチンコ遊技機1の前方から視認されない。したがって、拳役物7A,7Bが突出位置に配置された状態でカラーLED158から発せられた光が導光部材71に入射する様子が遊技者によって視認されて拳役物7A,7Bによる演出効果が低下してしまうのを防止することができる。
[第1の変形例]
上記実施形態では1つの導光部材71に対して1つの発光部(カラーLED158)が設けられている場合について説明したが、1つの導光部材71に対して複数の発光部が設けられていてもよい。
図10は、1つの導光部材71に対して2つの発光部(カラーLED158,159)が設けられている場合の拳役物7A,7Bの動作について説明するための説明図であり、(A)は拳役物7A,7Bが初期位置に配置された状態を示し、(B)は拳役物7A,7Bが第1の突出位置に配置された状態を示し、(C)は拳役物7A,7Bが第2の突出位置に配置された状態を示す。
図10に示される例では、1つの導光部材71に対して、拳役物7A,7Bの移動方向(図10における左右方向)に2つのカラーLED159,159が所定の間隔を隔てて並べて配置されている。図10(A)に示されるように拳役物7A,7Bが初期位置に配置された状態では、導光部材71の一端部72がカラーLED158及びカラーLED159のどちらとも対向していないので、仮にカラーLED158及びカラーLED159の両方を発光させたとしても導光部材71の他端部73が発光することはない。
一方、図10(B)に示されるように拳役物7A,7Bが第1の突出位置に配置された状態では、導光部材71の一端部72がカラーLED159と対向する。このため、カラーLED159を発光させることによって、導光部材71の他端部73を発光させることができる。
また、図10(C)に示されるように拳役物7A,7Bが第2の突出位置に配置された状態では、導光部材71の一端部72がカラーLED158と対向する。このため、カラーLED158を発光させることによって、導光部材71の他端部73を発光させることができる。
このように、1個の導光部材71に対して配置すべき発光部の数を増加させることにより、拳役物7A,7Bに関する対向位置の数を増加させることができ、その結果、拳役物7A,7Bによる演出のバリエーションを増加させることができる。
[第2の変形例]
上記実施形態では1つのカラーLED158に対して1つの導光部材71が設けられている場合について説明したが、1つのカラーLED158に対して複数の導光部材71,77が設けられていてもよい。
図11は、1つのLED158に対して2つの導光部材71,77が設けられている場合の拳役物7A,7Bの動作について説明するための説明図であり、(A)は拳役物7A,7Bが初期位置に配置された状態を示し、(B)は拳役物7A,7Bが導光部材77に対する突出位置に配置された状態を示し、(C)は拳役物7A,7Bが導光部材71に対する突出位置に配置された状態を示す。
図11に示される例では、拳役物7A,7Bの移動方向における導光部材71の一端部72と他端部73との間に一端部78と他端部79とが位置するように、導光部材71とは別の導光部材77が設けられている。この導光部材77は、一端部78と他端部79との間隔や形状を除いて導光部材71と同様のものである。また、パチンコ遊技機1の上下方向(図11における紙面に垂直な方向)における導光部材77の配置位置は、導光部材71と同じである。図11(A)に示されるように拳役物7A,7Bが初期位置に配置された状態では、導光部材71の一端部72及び導光部材77の一端部78がどちらもカラーLED158と対向していないので、仮にカラーLED158を発光させたとしても、導光部材71の他端部73又は導光部材77の他端部79が発光することはない。
一方、図11(B)に示されるように拳役物7A,7Bが導光部材77に対する突出位置に配置された状態では、導光部材77の一端部78がカラーLED158と対向する。このため、カラーLED158を発光させることによって、導光部材77の他端部79を発光させることができる。
また、図11(C)に示されるように拳役物7A,7Bが導光部材71に対する突出位置に配置された状態では、導光部材71の一端部72がカラーLED158と対向する。このため、カラーLED158を発光させることによって、導光部材71の他端部73を発光させることができる。
このように、1個のカラーLED158に対する導光部材の数を増加させることにより、カラーLEDを追加することなく、拳役物7A,7Bの発光点数を増加させて、拳役物7A,7Bによる演出効果を向上させることができる。
[第3の変形例]
上記実施形態では、導光部材71の他端部73が1つである場合について説明したが、図12に例示されるように、他端部73を複数(図12に示される例では2つ)に分岐させるようにしてもよい。この構成によれば、導光部材の数を増加させることなく、拳役物7(ここでは拳役物7A)の発光点数を増加させることができる。
[第4の変形例]
上記実施形態では、発光部(カラーLED158)の光が一端部72から入射して導光部材71内部を伝搬して他端部73から放射される場合について説明した(図4(B)参照)。しかし、これに加えて、発光部(カラーLED158)と他端部73とが近い位置にある場合において発光部を発光させ、発光部の光を他端部73表面で反射させて他端部73を光らせてもよい。具体的には、拳役物7A,7Bが初期位置に配置されているときに、発光部158と導光部材71の他端部73とが互いに対向する位置関係を有している。ここで言う発光部158と導光部材71の他端部73とが対向する位置関係とは、LED158から照射される光が導光部材71の他端部73に直接照射される位置関係に設定されていればよく、発光部158と導光部材71の他端部73とが遊技機の正面からみて重なる位置にあってもいいし、遊技機の正面から見て若干ずれた位置にあってもよい。
図13は、発光部の光が導光部材71の他端部73表面で反射して他端部73が光る動作について説明するための説明図である。図13は図4(A)に対応しており、図13では、カラーLED158が装飾枠6の内周部分の裏側端部に配置されている。また、図13に示されるように、拳役物7A,7Bは、初期位置に配置されているとき、装飾枠6を介して導光部材71の他端部73が遊技者(つまり遊技機1の前面)から視認でき、他端部73がカラーLED158の光を遊技者方向に反射できる位置にある。
本変形例によれば、図13に示されるようにカラーLED158の光が他端部73の表面で反射してその反射光を遊技者が視認できるので、図4(B)に示した構成によって導光部材71の他端部73を光らせる場合と同様に、電線を拳役物7A,7Bから引き回したり拳役物7A,7Bを光らせる電飾基板を拳役物7A,7Bに搭載することなく他端部73を光らせることができる。
また、拳役物7A,7Bが突出位置にあるときだけでなく初期位置あるときにも同じLED158を兼用することによって導光部材71の他端部73を光らせることができる。これにより、遊技機の部品点数を少なくでき、ひいては製造コストを低減することができる。
なお、本変形例において、拳役物7A,7Bは、例えば、初期位置から突出位置に移動(又は突出位置から移動)する過程において図13に示す状態となって他端部73が光るものとしてもよい。また、本変形例において、他端部73の表面は、発光部の光を適度に反射できるハーフミラーであることが好ましい。例えば、他端部73に光反射面を有するフィルムを貼り付けたり、光を反射させることができる表面処理を施すことによって、他端部73の表面をハーフミラーにすることができる。ハーフミラーとすれば、拳役物7A,7Bが初期位置にあるときにLED158から照射される光を導光部材71の他端部73にて効率よく反射することができると共に、突出位置にあるときにも導光部材71を介してその他端部73から光の輝度を低下させることなく外部へと照射することができる。
[第5の変形例]
上記実施形態では、発光部(カラーLED158)を備えた電飾基板157が遊技盤2の背面に配置される場合について説明した(図4参照)。しかし、電飾基板157を他の位置に配置して、より自由度の高い動作を拳役物7A,7Bにさせてもよい。
図14は、拳役物7Aに拳カバー80Aが加えられた本変形例について説明するための説明図である。図14は図5に対応しており、図14では、一例として断面がコの字形状の破線で示す拳カバー80Aが、拳役物7Aに追加されている。また、図14に示されるように、電飾基板157は、拳カバー80Aの内側(拳役物7A側)に配置されている。なお、拳カバー80Bが加えられた拳役物7B側の構成については、図14と対称であるので、その説明を省略する。
図15は、本変形例における、拳役物7A側および拳役物7B側の動作について説明するための説明図である。動作が開始すると、まず、図15(A)に示される動作前の状態(拳役物7A,7B及び拳カバー80A,80Bが格納された状態)から、図15(B)に示されるように、拳カバー80Aが加えられた拳役物7Aおよび拳カバー80Bが加えられた拳役物7Bがそれぞれ姿勢を変化させて回転移動することによって、装飾枠6の内側(液晶表示器5の表示画面の前面)に出現する。その後、図15(C)に示されるように、拳カバー80Aから拳役物7Aがスライドして飛び出し、同様に、拳カバー80Bから拳役物7Bがスライドして飛び出す。そして、その際に、拳役物7A側および拳役物7B側において、導光部材71の一端部72と発光部(カラーLED158)とが対向位置となり、導光部材71の他端部73が発光する。その後、以上の動作を逆順序で行うことによって、図15(A)に示される動作前の状態に戻る。以上のように、本変形例によれば、より自由度の高い複雑な動作を実現できる。
[第6の変形例]
上記実施形態では、拳形状の拳役物7を可動役物の一例に挙げて、拳役物7が移動する場合について説明した。しかし、可動役物はこの形状に限らず、又、可動役物の動作は移動動作に限らず、例えば、以下に説明する図16に示すものであってもよい。
図16は、本変形例の可動役物の一例である円柱役物85について説明するための説明図である。図16に示されるように、円柱役物85は、円柱形状であり、内部に導光部材81を備えている。導光部材81の一端部82及び他端部83は、円柱役物85の表面に露出している。
図16の矢印で示されるように、円柱役物85は、一点鎖線で示す回転軸を中心に回転動作する。そして、図16に示されるように、導光部材81の一端部82が電飾基板157のカラーLED158と対向する対向位置にくると、カラーLED158が発光して導光部材81の他端部83(遊技者に視認可能な位置にある他端部83)が光る。
[その他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態や以上の変形例に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態や第1〜第3、第5、第6の変形例では、可動役物(拳役物や円柱役物)が対向位置に配置されたか否かを判定し、対向位置に配置された場合にカラーLED158,159を発光させる場合について説明したが、可動役物の位置(又は姿勢や状態)とは無関係にカラーLED158等を発光させてもよい。
また、上記実施形態や以上の変形例では、本発明の発光部がカラーLEDにより構成される場合について説明したが、本発明の発光部は単色のLEDやELランプ、蛍光ランプ等のその他の発光手段により構成されてもよい。
また、上記実施形態や第1及び第2の変形例では、本発明の可動役物が左右にスライドする拳役物7A,7Bである場合について説明したが、本発明の可動役物は他の形状や動作のものであってもよい。すなわち、本発明の可動役物は、本発明における非対向位置と対向位置とに可動可能なものであればどのようなものであっても構わない。
また、上記実施形態や第1及び第2の変形例では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
また、上記実施形態や以上の変形例によって説明した特徴を組み合わせて多様な構成が実現できることは言うまでもない。