次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技媒体としてパチンコ球(遊技球)を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。なお、各図において符号Pはパチンコ球を示している。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前方へ開口するよう形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される基体11,12と、前記基体11,12の前側開口を覆うよう当該基体11,12に対して開閉可能に支持され遊技機前面を形成する前面部材13とを備えており、当該基体11,12や装飾体13を設置基材として各種部材を設置することで遊技機が構成されるようになっている。具体的に、パチンコ機10の基体は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、本体枠としての中枠12を開閉および着脱可能に組み付けて構成されており、当該中枠12に遊技盤20が着脱可能に配設されている。また、前記遊技盤20の裏側には、所定の始動条件の成立(後述する各始動口32,36へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動させる図柄変動演出や各種の表示演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(表示演出手段)17が着脱可能に配設されている。なお、実施例では、前記演出表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の演出表示装置17やドットマトリックス式の表示装置等の各種飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
そして、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された前記前面部材としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板(図示省略)が窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上下の位置関係で2つの球受け皿14(図1には上側の球受け皿14のみ図示)が組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14の一方または両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、球受け皿14を1つまたは3つ以上備える構成とすることもできる。また、前記前枠には、スピーカ150や発光演出装置152が配設されている。
また、図1に示すように、前記パチンコ機10(実施例では前枠13)の前面右部方位置には、中枠12に設けられた打球発射装置18を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域21においてパチンコ球が到達する位置(打出し位置)を任意に変更し得るようになっている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により板状に形成された板状部材80の裏側に箱状の設置部材(収容空間画成部材)81を配設して構成されており、当該板状部材80および設置部材81に対して各種の遊技盤設置部品が取り付けられている。具体的に、実施例の遊技盤20では、前記遊技盤設置部品として、演出表示装置17の表示部が前面側から視認可能に臨む装飾部材25や遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な入球部等が前記板状部材80に配設されると共に、当該板状部材80および設置部材81の間に画成される収容空間84に、可動体111〜116の動作による演出や発光による演出を行う後述の可動演出部101〜106や、前記入球部に入球したパチンコ球を外部に排出案内する球排出部(図示せず)等が配設されている。また、前記設置部材81の裏側には、前記遊技盤設置部品として前記演出表示装置17が取り付けられており、当該設置部材81に設けた後側表示窓部81aおよび板状部材80(枠状装飾体25)の前側表示窓部25aを介して遊技盤20の前側から視認可能に構成されている。なお、実施例では、遊技領域21を流下するパチンコ球が球入口に入ることを総称して「入球」と指称し、球入口にパチンコ球が入ること(入球すること)により、所定条件(例えば、賞球の払出条件や後述する特図当り判定条件、普図当り判定条件)が成立する場合に特に「入賞」と指称する場合がある。
また、前記遊技盤20(板状部材80)の前面には、略円形状等の適宜形状に形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。なお、前記打球発射装置18により発射されたパチンコ球が遊技領域21内に打ち出される発射口24は、当該遊技領域21の左上部位置において右上方へ向けて開口するよう構成されている。そして、前記遊技盤20(板状部材80)における遊技領域21の最下部位置に、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が開設されている。
前記装飾部材25は、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央に配設されたセンター役とも称される部材であって、前後に開口して前側表示窓部25aを有する枠状に形成されている。そして、前記装飾部材25の前側表示窓部25aの後方に表示部が位置するよう前記演出表示装置17が遊技盤20の裏側に配設されて、当該前側表示窓部25aを介して遊技盤20の前側から演出表示装置17の表示部を視認し得るよう構成される。なお、以下の説明では、演出表示装置17の表示部が臨む前記装飾部材を枠状装飾体25と指称するものとする。具体的に、前記枠状装飾体25は、前記遊技盤20の前面より前方に突出すると共に前側表示窓部25aを囲むよう延在し、前記遊技領域21と演出表示装置17の表示部17aを区切る区画壁部26と、該区画壁部26の後縁から外方に延出する薄板状の台板部27とを備える。そして、前記台板部27を遊技盤20の前面に当接した状態で、ネジ等の固定手段により前側から台板部27を遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられて、該枠状装飾体25の外側(具体的には区画壁部26と案内レール22との間)に、パチンコ球が流下する遊技領域21が画成されるようになっている。なお、前記台板部27は、枠状装飾体25を遊技盤20に取り付けた状態で前面側をパチンコ球が通過可能な厚みで形成されている。なお、前記枠状装飾体25の区画壁部26は、枠状装飾体25(台板部27)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記演出表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。なお、枠状装飾体25は、前後に前側表示窓部25aが開口する形態に限らず、当該前側表示窓部25aの全部または一部を透明板等で塞ぐ形態とすることも可能である。
すなわち、実施例の遊技盤20に画成される遊技領域21は、打ち出されたパチンコ球が前記枠状装飾体25の左側部を流下してアウト口23に至る第1球流下経路21aと、当該打ち出されたパチンコ球が枠状装飾体25の右側部を流下してアウト口23に至る第2球流下経路21bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、発射口24から打ち出されたパチンコ球が第1球流下経路21aを流下する遊技形態(左打ち)および当該パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。また、前記遊技領域21は、前記枠状装飾体25の下方位置において第1および第2球流下経路21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2球流下経路21a,21bの夫々を流下したパチンコ球を排出し得るよう前記アウト口23が合流する領域に設けられている。
また、前記遊技盤20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘Kが設けられると共に、遊技領域21を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材Rが回転自在に支持されており、遊技釘Kや回転案内部材Rとの接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材Rは、回転中心から放射状に複数(例えば3つ)の接触片(図示せず)を有する所謂「風車」とも称される部材であって、該接触片に対するパチンコ球の接触に伴って回転案内部材Rが回転することでパチンコ球を弾くように左右方向へ放出するようになっている。実施例では、前記枠状装飾体25の左側方(すなわち第1球流下経路21a)に回転案内部材Rを配設してある。
ここで、前記枠状装飾体25は、図2に示すように、当該枠状装飾体25の上部から右側部の間で前記案内レール22に近接するよう構成されている。すなわち、前記第2球流下経路21bは、前記枠状装飾体25の上方位置で前記第1球流下経路21aに接続する上側流路RAと、当該上側流路RAの下端部に接続すると共に上側流路RAより幅広な通路幅に形成された下側流路RBとに分けられて、当該下側流路RBに複数の入球部(実施例ではゲート部45や、第2始動部35等)が配置されている。ここで、前記上側流路RAは、前記枠状装飾体25の区画壁部26と案内レール22との間にパチンコ球が一列で通過し得る通路幅で形成された整列流路RA1と、当該整列流路RA1の下流部に設けられて区画壁部26と案内レール22との間に通路幅が拡大した拡大流路RA2とから構成されており、当該拡大流路RA2(すなわち第2球流下経路21b)に位置するよう特別入賞部40(後述)が配設されている。具体的には、整列流路RA1は、パチンコ球の直径より大きく、パチンコ球の直径の2倍よりも狭い通路幅に形成され、拡大流路RA2は、パチンコ球の直径の2倍よりも広い通路幅に形成されている。
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記第2球流下経路21bにおける上側流路RA(拡大流路RA2)の下流端部に、下流側に向かうにつれて案内レール22から離間して枠状装飾体25の区画壁部26に近接するよう湾曲する誘導部25bが設けられている。すなわち、第2球流下経路21bに打ち出されて上側流路RA(拡大流路RA2)を流下するパチンコ球は、前記特別入賞部40に入賞するか、或いは前記誘導部25bと区画壁部26との間の間隙(上側流路RAの球出口)Sを介して下側流路RBに流下するようになっている。ここで、上側流路RAの球出口Sは、1個のパチンコ球が通過可能な開口幅に形成されており、上側流路RA(拡大流路RA2)から下側流路RBへ殆ど同じ位置をパチンコ球が流下するようになっている。具体的には、前記上側流路RAの球出口Sは、パチンコ球の直径より大きく、パチンコ球の直径の2倍よりも狭い開口幅で形成されている。
また、前記枠状装飾体25には、図2に示すように、前記前側表示窓部25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)にステージ28が配設されると共に、当該前側表示窓部25aの左側部(第1球流下経路21a側の側部)を形成する区画壁部26に、前記遊技領域21に開口すると共にステージ28に連通する球導入部29が設けられ、前記遊技領域21(第1球流下経路21a)を流下するパチンコ球を、当該球導入部29の枠状装飾体25の内側(ステージ28)に取り込み得るよう構成されている。そして、前記ステージ28の上面を形成する転動面28aに、前方(遊技領域21)へ向けて下方傾斜する排出部28b〜28cが形成されて、当該転動面28aを転動するパチンコ球を排出部28b〜28cから遊技領域21に排出するよう構成される。ここで、前記ステージ28には、枠状装飾部材25の下方に配置された入球部の上方位置に複数の排出部28b〜28cが形成されて、何れかの排出部28b〜28cからパチンコ球が排出されるようになっている。具体的には、前記入球部として第1始動部31が設けられており、当該第1始動部31の第1始動口32(後述)の鉛直上方に位置する第1排出部28bと、当該第1排出部28bの左右側方に位置する2つの第2排出部28c,28cとがステージ28に設けられている。すなわち、ステージ28上のパチンコ球が第1排出部28bから排出されることで、第2排出部28c,28cから排出される場合よりも第1始動口32に入賞(入球)し易くなるよう構成されている。このように、ステージ28によりパチンコ球を後述する第1始動部31の配設位置上方まで誘導することで、球導入部29に取り込まれずに第1球流下経路21aを流下したパチンコ球よりも、球導入部29に取り込まれたパチンコ球の方が第1始動部31に入賞する確率が高くなるようにしている。
(入球部について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域21を流下するパチンコ球が入球可能な複数の入球部(具体的には、後述する第1始動部31、第2始動部35、特別入賞部40、ゲート部45、普通入賞部48)が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としての第1始動部31が前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられると共に、前記入球部としての第2始動部35、特別入賞部40およびゲート部45が、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。そして、実施例の遊技盤20には、前記第1および第2球流下経路21a,21bの夫々に位置するよう入球部としての普通入賞部48が配置されており、第1および第2球流下経路21a,21bを流下させたパチンコ球が普通入賞部48に入賞し得るようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10では、第2始動部35およびゲート部45が同じ部材に設けられてユニット化されている。
(第1始動部31について)
前記第1始動部31は、図2に示すように、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球が入球可能な位置で入球口としての第1始動口32が開口するよう設けられている。第1始動部31は、前記遊技領域21内において第1始動口32が一定の開口幅で開口するよう構成されており、第1始動部31の配置位置まで遊技領域21(具体的には第1球流下経路21a)を流下したパチンコ球が常時開口する第1始動口32に一定の確率で入球し得るようになっている。ここで、前記第1始動部31に入賞したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ(球検出手段)75に検出されるよう構成されており(図5参照)、当該球検出センサ75がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として後述する特図当り判定(当り判定)が実行されるよう設定されている。以下の説明では、前記第1始動部31に入賞したパチンコ球を検出する球検出センサを第1始動入賞検出センサ75と指称する。また、実施例のパチンコ機10では、前記第1始動部31にパチンコ球が入ること(第1始動入賞検出センサ75によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、第1始動入賞検出センサ75からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、特図当り判定条件は、所定の抽選に基づいて遊技を実行するための始動条件である。
(第2始動部35について)
前記第2始動部35は、図2に示すように、前記第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bの何れか一方に偏って位置するよう前記遊技盤20に配設されて、当該第1および第2球流下経路21a,21bの何れかを流下するパチンコ球が入球可能な位置で第2始動口(入球口)36が開口するよう設けられている。実施例では、前記遊技盤20における前記第1始動部31の右側方に位置するよう前記第2始動部35が前記第2球流下経路21b(具体的には下側流路RB)に配設されて、当該第2球流下経路21bを流下するパチンコ球のみが第2始動部35に入球し得るよう構成されている。
ここで、図2に示すように、前記第2始動部35は、パチンコ球が入球可能な入球口36を始動開閉部材(開閉部材)38により開閉可能に構成されており、始動開閉部材38の開閉に伴ってパチンコ球の入賞確率が変化(可変)するよう構成されている。ここで、前記第2始動部35は、始動開閉部材38に始動入賞ソレノイド(電動式駆動手段)37が接続されて、当該始動入賞ソレノイド37の駆動に伴い始動開閉部材38が開閉動作するよう構成されている。ここで、前記第2始動部35に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ76に検出されるよう構成されており(図5参照)、当該球検出センサ76がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として特図当り判定が実行されるよう設定されている。以下の説明では、第2始動部35に入球したパチンコ球を検出する球検出センサを第2始動入賞検出センサ76と指称する。また、実施例のパチンコ機10では、前記第2始動部35にパチンコ球が入ること(球検出センサ76によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、球検出センサ76からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部(特別入賞手段)40は、図2に示すように、前記第2球流下経路21b側に偏って位置するよう設けられて、当該第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が特別入賞部40に入賞し得るよう構成されている。具体的に、前記特別入賞部40は、前記枠状装飾体25の右側部に、前記第2球流下経路21bの上側流路RAにおける拡大流路RA2に位置するよう設けられている。従って、前記特別入賞部40に入賞することなく第2球流下経路21bの拡大流路RA2を流下したパチンコ球が第2始動部35に入球し得るようになっている。
ここで、前記特別入賞部40は、図2に示すように、遊技領域21(拡大流路RA2)に開口する入球口としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する特別開閉部材(開閉部材)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図5参照)の駆動に伴って特別開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、特別開閉部材43により特別入賞口41が閉鎖された状態を図2に示してある。また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入球したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ78(図5参照)が設けられて、当該特別入賞検出センサ78が前記メイン制御基板60に配線接続されている。そして前記特別入賞部40にパチンコ球が入ること(特別入賞検出センサ78によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、特別入賞検出センサ78からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記第1始動部31や第2始動部35の何れかへのパチンコ球の入球を契機として行われる特図当り判定の判定が当りの判定結果となることで、特別入賞部40を開放する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与されるようになっており、当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従って特別入賞ソレノイド42がメイン制御基板60によって駆動制御されるようになっている。なお、実施例のパチンコ機10では、当り遊技が付与されることを契機として、遊技状態(後述する確変状態や変短状態の付与状態)が当り遊技の前後で変更され得る大当り遊技のみが設定されているが、遊技状態が当り遊技の前後で維持される(変更されない)小当り遊技を設定することも可能である。
(ゲート部45について)
また、前記ゲート部45は、前記遊技領域21(第2球流下領域21b)内においてゲート口46が一定の開口幅で上下方向に開口するよう設けられており、ゲート部45の配置位置まで遊技領域21(具体的には第2球流下経路21b)を流下したパチンコ球が常時開口するゲート口46に一定の確率で入球し得るようになっている。具体的に、前記ゲート部45は、前記上側流路RAの球出口Sの鉛直下方でゲート口46が開口するよう設けられており、上側流路RAから下側流路RBに流下するパチンコ球がゲート口46に向かうよう構成されている。すなわち、実施例では、第2球流下領域21bを流下するパチンコ球が高確率でゲート部45のゲート口46に入球し得るようになっている。なお、前記ゲート部45は、遊技領域21(具体的には第2球流下経路21b)内で出口が常に開口するよう形成されて、ゲート口46に入球したパチンコ球がゲート部45を通過してそのまま遊技領域21(第2球流下経路21b)に排出されるようになっている。
ここで、前記ゲート部45に入球したパチンコ球は、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ77に検出されるよう構成されており(図5参照)、当該球検出センサ77がパチンコ球を検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを契機として後述する普図当り判定(開放作動を許容するか否かの開放判定)が実行されるよう設定されて、当該普図当り判定が普図当りの判定結果(開放作動を許容する判定結果)となることで第2始動部35の始動開閉部材38を開放作動するように始動入賞ソレノイド37が駆動されるようになっている。以下の説明では、前記ゲート部45に入球したパチンコ球を検出する球検出センサをゲートセンサ77と指称するものとする。なお、実施例では、前記ゲート部45にパチンコ球が入ることを契機として賞球の払出条件が成立しないよう設定されているが、賞球の払出条件が併せて成立するようにしてもよい。
すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路21aをパチンコ球が流下する場合(左打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する場合に較べて、第1始動部31(第1始動口32)にパチンコ球が入球(入賞)する可能性が高くなるよう構成されている。また、前記第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する場合(右打ち遊技の場合)に、パチンコ球が第1球流下経路21aを流下する場合に較べて、ゲート部45(ゲート口46)や第2始動部35(第2始動口36)、特別入賞部40(特別入賞口41)にパチンコ球が入球(入賞)する可能性が高くなるよう構成されている。従って、操作レバー16aの回動操作により左打ち遊技および右打ち遊技に遊技者が能動的に切り替えることで、パチンコ球が入賞可能な入賞部を切り替え得るようになっている。具体的には、実施例のパチンコ機10では、前記枠状装飾体25の形状や遊技釘Kの配置等により、前記第2球流下経路21bを流下したパチンコ球が第1始動部31に略入賞し得ないよう構成されると共に、前記第1球流下経路21aを流下したパチンコ球がゲート部45(ゲート口46)や第2始動部35(第2始動口36)、特別入賞部40(特別入賞口41)に略入賞し得ないようになっている。
(普通入賞部48について)
図2に示すように、前記普通入賞部48は、前記遊技領域21の左右下部位置において、パチンコ球が入賞(入球)可能な普通入賞口49が開口するよう前記遊技盤20に設けられている。前記普通入賞部48は、前記遊技領域21内において普通入賞口49が一定の開口幅で開口するよう設けられており、普通入賞部48の配置位置まで遊技領域21(具体的には第1または第2球流下経路21a,21b)を流下したパチンコ球が常時開口する普通入賞口49に一定の確率で入球し得るようになっている。実施例では、遊技盤20の第1球流下経路21aに3つの普通入賞部48が設けられ、第2球流下経路21bに1つの普通入賞部48が設けられている。ここで、各普通入賞部48には、普通入賞口49に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ79(図5参照)を備えており、当該普通入賞検出センサ79がメイン制御基板60に配線接続されている。そして、前記普通入賞部48にパチンコ球が入ること(普通入賞検出センサ79によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、普通入賞検出センサ79からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記第1始動入賞検出センサ75および第2始動入賞検出センサ76の何れかがパチンコ球を検出した検出信号がメイン制御基板60へ入力されることを契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、所定数の賞球を払い出させるようメイン制御基板60に設けられたメイン制御CPU60aが図示しない球払出装置を制御するよう設定されている。また、前記第1始動入賞検出センサ75、第2第2始動入賞検出センサ76によるパチンコ球の検出に伴って各種入賞情報(後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて特図当り判定(当り判定)が行われる。具体的には、センサ75,76の検出に伴って取得された各種入賞情報がメイン制御RAM60cに第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報として一時的に記憶されて、所定の特図当り判定を実行するタイミングでメイン制御RAM60cに記憶された第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報が読み出されて判定が行われるよう構成されている。そして、特図当り判定の結果に基づいて特図表示部50A,50B(後述)において特図変動表示が実行されると共に、前記演出表示装置17において図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、所定の当り表示となる図柄が確定停止表示されると共に、前記演出表示装置17での図柄変動演出の結果として、該演出表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞部40を所定の開放条件で開放して、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
(設置部材81について)
前記設置部材81は、前記板状部材80に対向する背面板82と、該背面板82の外周縁部から前方に突出する外周板83とから前方に開口した略矩形状の箱状に形成されて(図3参照)、該外周板83の開口前端部を板状部材80の裏面に当接させた状態で、当該設置部材81が板状部材80にネジ固定される。ここで、前記背面板82は、前記板状部材80の外郭形状より僅かに小さな形状に形成されており、当該板状部材80の裏側の大部分に、可動演出部101〜106等を収容する前記収容空間84が画成されている。また、前記設置部材81の背面板82には、前記枠状装飾体25の前側表示窓部25aと前後に整列する位置に、前後に開口する後側表示窓部81aが開設されると共に、該背面板82の裏側に取り付けられた演出表示装置17の表示部17aが前後の表示窓部25a,81aを介して設置部材81(遊技盤20)の前側から視認し得るようになっている。ここで、実施例の設置部材81には、個別に駆動可能に構成された複数の可動演出部101〜106が配設されており、各可動演出部101〜106の可動体111〜116を個別または連動して動作させて演出を行うよう構成されている。
実施例では、組み合わせの異なる複数の可動演出部101〜106を所定の可動タイミングで連動して動作させることで、可動演出部101〜106の組み合わせ毎に異なる可動演出を実行し得るよう構成されている。具体的に、実施例では、全体として6つの可動演出部101〜106を備えており、その内の4つの可動演出部101〜104を連動して動作させることで所定の可動演出を実行し得るよう構成され(図3(a)(b)参照)、残りの2つの可動演出部(第5〜第6可動演出部)105〜106を連動して動作させることで異なる所定の可動演出を実行し得るよう構成されている(図2参照)。そこで、以下の説明では、連動して可動演出を実行可能な4つの可動演出部101〜104を総称して第1の連動演出部G1と指称すると共に、第1の連動演出部G1の各可動演出部を第1〜第4可動演出部101〜104として区別して指称する場合がある。同様に、連動して可動演出を実行可能な2つの可動演出部105〜106を総称して第2の連動演出部G2と指称すると共に、第2の連動演出部G2の各可動演出部を第5〜第6可動演出部105〜106として区別して指称する場合がある。そして、各可動演出部101〜106を構成する可動体111〜116等の構成部材に関して、対応する可動演出部101〜106に合わせて「第1」〜「第6」を付して区別する場合がある。
(可動演出部101〜106について)
図2または図3に示すように、前記可動演出部101〜106は、前記設置部材81に取り付けられる設置ベース部101a〜104aと、当該設置ベース部101a〜104aに設けられた駆動機構AM1〜AM4,MT1〜MT6と、当該駆動機構AM1〜AM4,MT1〜MT6に設けられた可動体111〜116とを備えており、駆動機構AM1〜AM4,MT1〜MT6の駆動に伴って対応する可動体111〜116が原位置および可動位置の間で移動するよう構成されている。ここで、前記第1の連動演出部G1を構成する可動演出部101〜104は、前記後側表示窓部81aを囲むように配置されており、各対応の駆動機構AM1〜AM4,MT1〜MT4の駆動に伴って、可動体111〜114が後側表示窓部81aの開口縁側に位置する原位置(図3(a)参照)と、当該原位置よりも後側表示窓部81aの開口中央側に位置して遊技盤20の前側から視認可能な可動位置(図3(b)参照)の間で往復移動するよう構成されている。また、前記第2の連動演出部G2を構成する可動演出部105〜106は、前記後側表示窓部81aを挟むように左右に離間して配置されており、各対応の駆動機構MT5〜MT6の駆動に伴って、可動体115〜116が相互に離間した原位置(図2の実線を参照)と、当該原位置よりも後側表示窓部81aの開口中央側に相互に近接した可動位置(図2の二点鎖線を参照)の間で往復移動するよう構成されている。なお、実施例において第2の連動演出部G2を構成する可動演出部105〜106は、前記原位置および可動位置の夫々において前記前側表示窓部25aの開口内側に臨むよう構成されており、原位置および可動位置の間において遊技盤20の前側から視認可能に構成されている。
前記可動演出部101〜106の各駆動機構AM1〜AM4,MT1〜MT6は、設置ベース部101a〜104aに配設された駆動手段としての駆動モータMT1〜MT4(図5参照)と、駆動モータMT1〜MT6を対応する可動体111〜114に接続する連係部AM1〜AM4とから構成されており、駆動モータMT1〜MT4を駆動することで対応する連係部AM1〜AM4を介して可動体111〜114が個別に動作するようになっている。なお、前記連係部AM1〜AM4の詳細な説明は省略するが、駆動モータMT1〜MT4に接続するギアや揺動アーム、リンク機構等の従来公知の連係機構により連係部AM1〜AM4が形成されている。なお、図3には、第1の連動演出部G1を構成する可動演出部101〜104において、対応する可動体111〜114が端部に支持された揺動アームAM1〜AM4を図示してあり、当該揺動アームAM1〜AM4が揺動することにより可動体111〜114が原位置および可動位置に移動するようになっている。また、第2の連動演出部G2を構成する可動演出部105〜106に関しては、設置ベース部101a〜104aや連係部の図示を省略してあるが、同様に駆動モータMT1〜MT4に接続するギアや揺動アーム、リンク機構等の従来公知の連係機構により原位置および可動位置の間で左右方向にスライド移動し得るよう構成されている。ここで、各可動演出部101〜106に設けられた第1〜第6駆動モータM1〜M6の夫々は、後述の演出制御基板65(演出制御CPU65a)の制御信号に基づいて夫々独立して駆動されて、各可動体111〜116を個別に動作させて演出を実行し得るようになっている。
また、実施例の第1〜第6可動演出部101〜106には、各対応の可動体111〜116の位置を検出する位置検出センサSE1a〜SE6a,SE1b〜SE6bを備えている(図5参照)。具体的に、第1〜第6可動演出部101〜106の夫々は、各対応の可動体111〜116が原位置にある場合に検出する第1〜第6原位置検出センサSE1a〜SE6aと、各対応の可動体111〜116が可動位置にある場合に検出する第1〜第6可動位置検出センサSE1b〜SE6bとが設けられている。すなわち、実施例の可動演出部101〜106は、可動体111〜116の原位置および可動位置の夫々を位置検出センサSE1a〜SE6a,SE1b〜SE6bで検出し得るよう構成されている。なお、第1〜第6原位置検出センサSE1a〜SE6aおよび第1〜第6可動位置検出センサSE1b〜SE6bの何れか一方のみを備える構成としてもよい。
ここで、前記原位置および可動位置の検出センサSE1a〜SE6a,SE1b〜SE6bは、発光部と受光部とを備えたフォトインタラプタが採用されて、前記演出制御基板65に配線接続されている。そして、前記第1〜第6可動体111〜116が原位置にある場合に、当該第1〜第6可動体111〜116に設けた検出片(図示せず)を対応の第1〜第6原位置検出センサSE1a〜SE6aで検出(検出状態)するよう構成されて、当該検出状態を示す検出信号が原位置検出センサSE1a〜SE6aから入力されることで、検出信号を出力した原位置検出センサSE1a〜SE6aに対応する可動体111〜116が原位置にあることを演出制御CPU65aが識別し得るようになっている。そして、検出片の非検出(非検出状態)を示す非検出信号が原位置検出センサSE1a〜SE6aから入力されることで、非検出信号を出力した原位置検出センサSE1a〜SE6aに対応する可動体111〜116が原位置にないことを演出制御CPU65aが識別し得るようになっている。可動位置検出センサSE1b〜SE6bに関しても同様に構成されており、前記第1〜第6可動体111〜116が可動位置にある場合に、当該第1〜第6可動体111〜116に設けた検出片を対応する第1〜第6可動位置検出センサSE1b〜SE6bで検出(検出状態)するよう構成されて、当該検出状態を示す検出信号が可動位置検出センサSE1b〜SE6bから入力されることで、検出信号を出力した可動位置検出センサSE1b〜SE6bに対応する可動体111〜116が可動位置にあることを演出制御CPU65aが識別し得るようになっている。そして、検出片の非検出(非検出状態)を示す非検出信号が可動位置検出センサSE1b〜SE6bから入力されることで、非検出信号を出力した可動位置検出センサSE1b〜SE6bに対応する可動体111〜116が可動位置にないことを演出制御CPU65aが識別し得るようになっている。なお、原位置検出センサSE1a〜SE6aおよび可動位置検出センサSE1b〜SE6bで検出される検出片は同じものであっても、異なるものであってもよい。
(第1〜第4可動演出部101〜104について)
実施例の第1可動演出部101は、前記設置部材81における後側表示窓部81aの左上部に配設されており、原位置の状態で後側表示窓部81aの左側縁部および上縁部の夫々に位置するよう第1可動体111を備えている。そして、第1可動演出部101が備える第1駆動モータM1の駆動に伴って両第1可動体111が一度に可動位置に移動するよう構成されている。すなわち、前記第1可動演出部101は、複数(実施例では2つ)の第1可動体111を備えており、対応する第1駆動モータM1の駆動に伴って両第1可動体111が一度に原位置および可動位置に移動するよう構成されている。また、第2可動演出部102は、前記後側表示窓部81aの右下部に配設されており、原位置の状態で後側表示窓部81aの右側縁部に位置するよう第2可動体112が設けられて、当該第2可動演出部102が備える第2駆動モータM2の駆動に伴って第2可動体112が可動位置に移動するよう構成されている。更に、第3可動演出部103は、前記後側表示窓部81aの左下部に配設されており、原位置の状態で後側表示窓部81aの左側縁部に位置するよう第3可動体113が設けられて、当該第3可動演出部103が備える第3駆動モータM3の駆動に伴って第3可動体113が可動位置に移動するよう構成されている。そして、第4可動演出部104は、前記後側表示窓部81aの右上部に配設されており、原位置の状態で後側表示窓部81aの上縁部に位置するよう第4可動体114が設けられて、当該第4可動演出部104が備える第4駆動モータM4の駆動に伴って第4可動体114が可動位置に移動するよう構成されている。なお、原位置にある第1可動体111の前側に、原位置にある第3可動体113および第4可動体114が重なるように位置している(図3(a)参照)。
ここで、前記第1〜第4可動体111〜114は、各可動体111〜114が可動位置に移動した状態で識別可能な特定の形態を形成するよう構成されており、前記枠状装飾部材25の前側表示窓部25aを介して可動体111〜114が形成する特定の形態を視認し得ることとで遊技演出に意外性を持たせ、遊技の興趣を高めるようにしている。ここで、可動位置に移動した第1〜第4可動体111〜114により形成される特定の形態としては、遊技者が識別可能な数字や漢字、欧文字等の各種の文字であったり、パチンコ機10がモチーフとするキャラクタの顔や形等が挙げられるが、これに限られるものではなく、可動体111〜114毎の意匠が見かけ上繋がって一体の意匠を形成するものであればよい。実施例の第1〜第4可動体111〜114の夫々は、特定の文字(具体的には「義」)の一部を象るように形成されており、可動位置に移動した第1〜第4可動体111〜114により特定の文字が形作られるよう構成してある。
(第5〜第6可動演出部105〜106について)
実施例の第5可動演出部105は、前記第1可動演出部101および第3可動演出部103の前側に重なるよう配設されており、原位置の状態で前側表示窓部25aの左側縁部側に位置するよう第5可動体115を備えている。そして、第5可動演出部105が備える第5駆動モータM5の駆動に伴って第5可動体115が右方向にスライド移動して前側表示窓部25aの開口中央側の可動位置に移動するよう構成されている。また、原位置にある第5可動体115は、原位置において後側表示窓部81aの左側縁部側に位置する第1および第3可動体111,113を前側から覆うように位置して、当該第1および第3可動体111,113を前側から視認し得ないに遮蔽するよう構成されている。また、第6可動演出部106は、前記第2可動演出部102および第4可動演出部104の前側に重なるよう配設されており、原位置の状態で前側表示窓部25aの右側縁部側に位置するよう第6可動体116を備えている。そして、第6可動演出部106が備える第6駆動モータM6の駆動に伴って第6可動体116が左方向にスライド移動して前側表示窓部25aの開口中央側の可動位置に移動するよう構成されている。
また、原位置にある第6可動体116は、原位置において後側表示窓部81aの右側縁部側に位置する第2および第4可動体112,114を前側から覆うように位置して、当該第2および第4可動体112,114を前側から視認し得ないに遮蔽するよう構成されている。すなわち、第1〜第4可動体111〜114は、原位置から可動位置に移動することで、前記第2の連動演出部G2を構成する可動体115〜116により隠された状態から、前記前側表示窓部25aを介して前側から視認し得る状態となるよう構成されている(図3(b)参照)。なお、原位置において後側表示窓部81aの上縁部側に位置する第1可動体111は、前記前側表示窓部25aの上縁部より上方に位置して板状部材80の裏側に隠れるようになっている。
(発光体基板について)
また、前記第1〜第6可動体111〜116は、図2または図3に示すように、光を透過可能な光透過部を有するケース体111a〜116aを備えると共に、当該ケース体111a〜116aの裏側に、発光体としてLED121a〜126aが実装された発光体基板121〜126を夫々備えている。ここで、前記第1〜第6可動体111〜116のケース体111a〜114aは、全体を光透過性の合成樹脂材等により形成して、当該ケース体111a〜116aの全体が光透過部を形成するようにしてもよく、またケース体111a〜116aの一部に光透過部を形成するようにしてもよい。実施例では、第1〜第4可動体111〜114のケース体111a〜114aには、各可動体111〜114が可動位置に移動した際に形成する前記特定の識別形態に合わせた形状をなすよう前面の一部に光透過部が形成されると共に、第5〜第6可動体115〜116ケース体15a〜116aは、全体が光透過部をなすよう形成されており、各ケース体111a〜116aの後方に、前方へ向けて光を照射する姿勢で前記LED121a〜126aを設けてある。
また、前記第1〜第6可動体111〜116の発光体基板121〜126は、後述の発光制御基板72に対して配線接続されており、当該発光制御基板72からの制御信号に基づいて、各発光体基板121〜126のLED121a〜126aが点灯や消灯、点滅等するよう構成されている。すなわち、発光制御基板72は、前記演出制御基板65(演出制御CPU65a)の制御信号に基づいて制御処理を実行するよう構成されているから、実施例の第1〜第6可動体111〜116の夫々は、当該演出制御基板65(演出制御CPU65a)の制御信号に基づいて、駆動モータM1〜M6の駆動による可動演出と、LED121a〜126aの発光による発光演出とを組み合わせた演出を行い得るようになっている。
(第1〜第6可動体111〜116の移動領域について)
ここで、第1および第2可動体111,112の夫々が原位置および可動位置の間で移動する際の移動領域と、第3および第4可動体113,114の夫々が原位置および可動位置の間で移動する際の移動領域とが重複しないよう構成されており、第3および第4可動体113,114の動作位置に関わらず第1および第2可動体111,112を動作させ得ると共に、同様に、第1および第2可動体111,112の動作位置に関わらず第3および第4可動体113,114を動作させ得るようになっている。具体的には、図3に示すように、前記第1可動演出部101の第1揺動アームAM1および第2可動演出部102の第2揺動アームAM2は、前後方向に延在する軸を中心として同一面で揺動するよう構成されて、各揺動アームAM1,AM2に支持された第1可動体111および第2可動体112が同一面内を移動するようになっている。同様に、前記第3可動演出部103の第3動アームAM3および第4可動演出部104の第4揺動アームAM4は、前後方向に延在する軸を中心として、前記第1および第2揺動アームAM1,AM2とは異なる同一面で揺動するよう構成されて、各揺動アームAM3,AM4に支持された第3可動体113および第4可動体114が、前記第1および第2可動体111,112がとは異なる同一面内を移動するようになっている。
一方で、前記第1可動体111が原位置および可動位置の間で移動する際の移動領域と、第2可動体112が原位置および可動位置の間で移動する際の移動領域とは、一部が重複するよう構成されており、当該第1および第2可動体111,112は、動作タイミングによって相互に接触(干渉)する可能性がある第1可動体グループGR1を構成している。同様に、前記第3可動体113が原位置および可動位置の間で移動する際の移動領域と、第4可動体114が原位置および可動位置の間で移動する際の移動領域とは、一部が重複するよう構成されており、当該第3および第4可動体113,114は、動作タイミングによって相互に接触する可能性がある第2可動体グループGR2を構成している。すなわち、第1の連動演出部G1を構成する複数の可動体111〜114は、原位置に戻るように移動する際の移動領域が重複する可動体毎に可動体グループGR1,GR2が定められている。
また、前記第5および第6可動体115,116は、原位置および可動位置の間で移動する際の移動領域が重ならないよう構成されている。当該可動体115,116の内で動作する可動体の数により当り遊技が付与される可能性を示唆するよう構成されており、第5可動体115のみを可動する可動演出よりも、第5および第6可動体115,116の両方を可動する可動演出が行われることで、当り遊技が付与される可能性が高くなるよう構成される。すなわち、第5および第6可動体115,116は、連動して可動演出を実行する可動体グループGR3を構成している。なお、可動演出による当り遊技が付与される可能性の示唆は、後述する可動演出パターンKP2および可動演出パターンKP3の選択割合によって定まるものである。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例実施例では、遊技領域21の外側右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55や普図保留表示部56等が設けられている。なお前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部について)
図2に示すように、前記特図表示部50A,50Bは、前記始動部(第1始動部31および第2始動部35の何れか)への入賞を契機として作動して特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動部31への入賞を契機として特図の変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動部35への入賞を契機として特図の変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)のLEDランプにより構成されている。そして、前記第1始動口32へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50AのLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的にLEDランプの点灯が確定停止した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動部35へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50BのLEDランプが点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的にLEDランプの点灯が確定停止した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の特図表示部50A,50BはLEDの点灯位置により特図を表示するよう構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して最終的に点灯表示し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の特図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、特図当り判定の当選を認識し得る当り表示(特図当り図柄)としての200種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(特図はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されており、特図当り判定の判定結果に応じて決定された1つの特図が特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図当り図柄や特図はずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示としての特図(特図当り図柄)が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。すなわち、実施例の特図表示部50A,50Bは、始動入賞検出センサ75,76の検出に伴い変動表示を行うと共に、特図当り判定(第1の当り判定)の判定結果を表示する変動表示手段として機能するものである。
なお「確定停止」とは、特図表示部50A,50Bが所定の特図変動インターバル時間(特図変動待機時間)に亘って継続して同じ点灯位置で表示(点灯)する状態である。すなわち、特図表示部50A,50Bに特図が特図インターバル時間に亘って点灯表示して確定停止表示させた後に、次回の特図変動表示を実行し得るようになっている。実施例では、第1始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間(特図変動待機時間)として1000ms(ミリ秒)が設定され、第2始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間(特図変動待機時間)として1000msが設定されている。なお、特図変動インターバル時間は、前述した時間に限られるものではなく特図が停止したことを識別可能な時間であればよく、また第1始動保留情報および第2始動保留情報の夫々に基づいて特図変動表示が行われる場合の特図変動インターバル時間を異なる時間とすることも可能である。例えば、第1始動保留情報に基づいて特図変動表示が行われる場合よりも第2始動保留情報に基づいて特図変動表示が行われる場合の特図インターバル時間を短くすることで、第2始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出の小気味よく進行させることができる。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動口32、第2始動口36にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動口36にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(保留されている特図当り判定の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、当該第1特図始動保留情報に基づいた特図当り判定(すなわち第1特図変動表示(図柄変動演出))が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動口36へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、当該第2特図始動保留情報に基づいた特図当り判定(第2特図変動表示(図柄変動演出))が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が所定の順序(例えば左側)で順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が所定の順序(例えば左側)で順に点滅することで、各特図始動保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、第2始動口36への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動口32への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく特図当り判定をメイン制御CPU60aが優先的に実行して、当該特図当り判定の判定結果に基づく図柄変動演出(特図変動表示)が演出表示装置17で実行されるよう構成される。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ77のパチンコ球の検出(ゲート部45のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(開放判定)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55は、複数個(実施例では3個)のLEDランプにより構成されており、ゲートセンサ77のパチンコ球の検出(ゲート部45のパチンコ球の通過)を契機として、普図表示部55のLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する普図の変動表示が行われ、最終的にLEDランプが確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の普図の内の1つを表示するようになっている。なお、実施例の普図表示部55はLEDの点灯位置により普図を表示するよう構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変して最終的に点灯表示し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の普図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、普図表示部55において表示し得る普図としては、普図当り判定の当選(普図当り)を認識し得る当り表示(普図当り図柄)としての所定数(例えば4種類)の普図と、はずれを認識し得るはずれ表示(普図はずれ図柄)としての1種類の普図とが設定されており、普図当り判定の判定結果に応じて決定された1つの普図が普図変動表示の結果として普図表示部55に確定停止表示される。なお、前述した普図表示部55おいて表示し得る普図当り図柄や普図はずれ図柄としての普図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記普図表示部55に当り表示としての普図が表示されることで、前記第2始動部35の開放制御が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。すなわち、実施例の普図表示部55は、ゲートセンサ77の検出に伴い変動表示を行うと共に、普図当り判定の判定結果を表示する変動表示手段として機能するものである。複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、3つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では5種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、普図当り判定の結果が普図はずれ(すなわち開放作動を許容しない判定結果)を示す1種類の普図はずれ図柄と、普図当り判定の結果が普図当りであることを示す4種類の普図当り図柄(図柄1〜図柄4)を表示し得るよう構成されている。すなわち、実施例の普図表示部55は、ゲートセンサ77(球通過検出手段)の検出に伴い図柄変動を行うと共に、普図当り判定(開放判定)の判定結果を表示する表示手段として機能するものである。
なお「確定停止」とは、普図表示部55が所定の普図変動インターバル時間(普図変動待機時間)に亘って継続して同じ点灯位置で表示(点灯)する状態である。すなわち、普図表示部55に普図が普図インターバル時間に亘って点灯表示して確定停止表示させた後に、次回の普図変動表示を実行し得るようになっている。実施例では、普図変動インターバル時間として500ms(ミリ秒)が設定されている。なお、普図変動インターバル時間は、前述した時間に限られるものではなく普図が停止したことを識別可能な時間であればよい。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部45をパチンコ球が通過した際に取得される開放判定情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部45をパチンコ球が通過すると1加算され、当該普図始動保留情報に基づく普図当り判定(普図変動表示)が行われる毎に1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(演出表示装置17について)
前記演出表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列(図示省略)が複数列設定されており、前記始動部(第1始動部31、第2始動部35)への入賞を契機として、各図柄列の飾図を変動開始させるようになっている。実施例の演出表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の演出表示装置17には、3列の図柄列が左右横並び状に設定されると共に、各図柄列毎に飾図の有効停止位置が1箇所ずつ定められており、3個の飾図を同時に停止表示可能な状態で図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の演出表示装置17には、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた1つの停止図柄有効ラインが設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列、中図柄列、右図柄列と指称する場合がある。
また、前記演出表示装置17の各図柄列における飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置17の停止図柄有効ラインに停止表示された図柄組み合わせから当りかずれかを認識できる。
前記演出表示装置17は、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に移動するよう飾図が変動表示されて、変動表示されている飾図が予め定められた停止順序で各図柄列に確定停止するようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列、中図柄列、右図柄列の順で飾図が変動開始し、左図柄列、右図柄列、中図柄列の順で確定停止する飾図の変動タイミングを基本として、演出表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報の記憶数等に応じて各図柄列の飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
なお、「変動表示」とは、前記各図柄列において、有効停止位置に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。また「確定停止」とは、前記各図柄列の有効停止位置に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止した状態で表示された状態である。また、実施例の演出表示装置17では、特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない「仮停止」の状態で前記各図柄列の有効停止位置に飾図を停止表示し得るよう構成されており、演出表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて、飾図を仮停止表示させて、変動表示を再度開始する表示態様を行い得るようになっている。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置において飾図が僅かに揺れるよう変動する揺れ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと演出表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと演出表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、実施例では、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。また、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示を独立して同時に行われるようにすることもできる。
実施例に係る演出表示装置17には、各図柄列において変動表示される飾図が複数種類設定されており、該基本の飾図が各図柄列で順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図は、任意の数字や文字、絵柄等により遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態で表示される。
そして、前記演出表示装置17における各図柄列の有効停止位置(停止図柄有効ライン)に確定停止表示された各図柄列の飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りとなる図柄組み合わせとして、何れかの停止図柄有効ラインに同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせが設定されている。この当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示装置17に表示される当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な当り遊技が付与される。一方で、演出表示装置17の有効停止位置に確定停止表示された全列の飾図の内の1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせから、原則的には当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示装置17のはずれ表示となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列および右図柄列)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列および右図柄列に同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせとなる(「1↓1」、「4↓4」等)。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列および右図柄列)の飾図は、仮停止の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記演出表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、演出表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、演出表示装置17の各図柄列に飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、第1特図表示部50Aや第2特図表示部50Bに表示される特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り判定に当選する確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞部40の作動契機(当別入賞部へのパチンコ球の入賞契機)の発生割合を高くすることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態が付与された遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(特定図柄)であることを条件として、当り遊技の終了後に特図当り判定が当りの結果となる確率(当り確率)が低確率(例えば、1/399)から高確率(例えば、1/60)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない遊技状態を非確変状態というものとする。実施例では、当り遊技終了後に確変状態が付与される特図当りが確変当りであり、確変状態が付与されない特図当りが非確変当りとなる。このように、確変状態が付与されると、特図当り判定が当りの判定結果となる確率が高確率に変動して特図当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変当りになることを期待しつつ遊技を行っている。ここで、確変状態を付与するか否かは、後述するように特図当り図柄の種類に応じて定められている。そして、実施例では、確変状態が付与される特図当りの場合に、当り遊技終了後、次回の当り遊技に当選するまでの間継続して確変状態が付与される。なお、確変状態が付与される図柄変動演出(特図変動)の実行回数(変動回数)を所定回数(例えば70回等)に区切ることも可能である。ここで、確変状態を付与するか否かは、当り遊技において開放される特別入賞部40内に球検出センサによりパチンコ球を検出可能に構成された特定領域を形成して、特定領域を通過したパチンコ球を球検出センサが検出することを条件に確変状態を付与するようにすることができる。なお、この場合に、特定領域を通過したパチンコ球を検出する球検出センサはメイン制御基板60に配線接続される。この場合に、特定領域を備えた特別入賞部と、特定領域を備えない特別入賞部を備えるよう構成し、当り遊技の種類に応じて特定領域を備えた特別入賞部へのパチンコ球の入賞し易さ(特定領域を備えた特別入賞部の開放割合)を設定することができる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、始動開閉部材38により開閉される前記第2始動口36へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない遊技状態と較べて増加する入賞容易状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動口36を開放する始動開閉部材38の開放時間を増やすこと、により第2始動口36へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動口36を開放する始動開閉部材38の開放時間を増やすに際しては、始動開閉部材38の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動開閉部材38の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動口36へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞容易状態である。なお、実施例の変短状態では、当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、1/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させるよう設定してある。
また、1回の普図当りにおいて第2始動口36(第2始動口36)への入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記始動開閉部材38を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、始動開閉部材38の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄A、図柄B、図柄O)である場合に、次に当り遊技が生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた別の図柄(実施例において後述する図柄Xおよび図柄Y)である場合に、所定回数(実施例では7回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。ここで、変短状態の付与条件は、当り遊技(特図当り図柄)の種類毎に定められている。また、変短状態の付与期間(変短回数)は、上記期間に限られるものではなく、当該変短状態と併せて確変状態が付与されること(第1の付与条件)を満たす場合の変短回数として、所定の基準回数(例えば100回)を超える図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数に設定することができ、変短状態のみが付与されること(第2の付与条件)を満たす場合(確変状態が併せて付与されない場合)の変短回数として、前記基準回数(例えば100回)を上限とした範囲で変短回数を設定することができる。なお、前記第1の付与条件を満たす場合の変短状態の付与期間(変短回数)は、確変状態の付与期間(確変回数)と一致させる必要はなく、(変短回数)<(確変回数)として設定することも可能である。すなわち、前記特定領域を通過したパチンコ球を球検出センサが検出することを条件に確変状態を付与するよう構成した場合は、当該特定領域を通過することを条件として基準回数以上の変短回数を付与するよう構成することができ、特定領域を通過しない場合には基準回数を上限とした範囲の変動回数を付与するよう構成することができる。言い換えると、特定領域を通過するか否かに応じて、確変状態が付与されるか否かが変化すると共に、変短状態の付与期間が変化するよう構成される。
(当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される当り遊技について説明する。当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに特図当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した特図当り図柄の種類に応じて特別入賞部40の特別開閉部材43が開閉動作される。なお実施例の当り遊技では、特別入賞部40の特別開閉部材43を開放するラウンド遊技を、当り遊技の種類毎に定めた規定ラウンド数だけ実行することで、当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞(特別入賞検出センサ78が規定個数のパチンコ球を検出)するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(実施例では1秒)だけ特別開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間(閉鎖待機時間)が設定されている。
ここで、前記当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞部40の特別開閉部材43の開放動作は、パチンコ球を所定の発射間隔(実施例では0.6秒間隔)で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作、および該長時間開放動作よりも特別開閉部材43の開放時間が短く設定された短時間開放動作の何れかにより構成したり、当該長時間開放動作および短時間開放動作を適宜に組み合わせて構成することができる。この短時間開放動作としては、パチンコ球を所定の発射間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間(例えば40ミリ秒)に設定したり、或いはパチンコ球が入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間(例えば1秒)に設定することができる。実施例では、各ラウンド遊技において長時間開放動作または短時間開放動作の何れかのみを行うよう設定されている。なお1回のラウンド遊技において長時間開放動作や短時間開放動作を複数回行うよう設定することも可能である。
(当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図4に示すように、特図当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値(遊技価値)が異なる複数種類の当り遊技の中から1つの当り遊技が決定され、その決定された当り遊技が付与される。ここで、複数種類の当り遊技の内で何れの当り遊技が付与されるかは、特図当り判定が当りの結果になることを契機として決定される特図当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。
(第1始動部31への入賞に基づく特図当り図柄について)
前記第1始動部31へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の特図当り図柄の中から1つの特図当り図柄を決定するよう設定されている。ここで、複数種類の特図当り遊技の内で何れの特図当り遊技が付与されるかは、第1始動保留情報に基づく特図当り判定に当選した際に決定される特図当り図柄(特図1)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な200種類の特図当り図柄としての特図1は、3種類の特図当り図柄(図柄A〜図柄B、図柄X)に分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特図当り図柄としての特図1に応じた当り遊技が付与されるようになっている。具体的に、実施例では、第1始動口32へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて特図1に応じて、3種類の特図当り図柄(図柄A〜図柄B、図柄X)の中から1つの特図当り図柄を決定するようになっている。なお、実施例のパチンコ機10では、第1始動保留情報に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、49%の割合で特図当り図柄としての図柄Aが選択され、33%の割合で特図当り図柄としての図柄Bが選択され、18%の割合で特図当り図柄としての図柄Xが選択されるよう特図決定用判定値が割当てられている。なお、前述した特図当り図柄の設定数や振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第2始動部35への入賞に基づく特図当り図柄について)
同様に、前記第2始動口36へのパチンコ球の入賞に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の特図当り図柄の中から1つの特図当り図柄を決定するよう設定されている。ここで、複数種類の特図当り遊技の内で何れの特図当り遊技が付与されるかは、第2始動保留情報に基づく特図当り判定に当選した際に決定される特図当り図柄(特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な200種類の特図当り図柄としての特図2は、2種類の特図当り図柄(図柄O、図柄Y)に分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特図当り図柄としての特図2に応じた当り遊技が付与されるようになっている。具体的に、実施例では、第2始動部35へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて特図2に応じて、2種類の特図当り図柄(図柄O、図柄Y)の中から1つの特図当り図柄を決定するようになっている。なお、実施例のパチンコ機10では、第2始動保留情報に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、82%の割合で特図当り図柄としての図柄Oが選択され、18%の割合で特図当り図柄としての図柄Yが選択されるよう特図決定用判定値が割当てられている。なお、前述した特図当り図柄の設定数や振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(特図当り図柄と当り遊技との関係について)
前記特図当り図柄Aは、当該特図当り図柄Aが決定されることで第1の当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また、特図当り図柄Aは、第1の当り遊技の終了後に次の当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。すなわち、特図当り図柄Aは、特図当り判定の当選に伴って付与する付与特典として、第1の当り遊技を付与すること、第1の当り遊技の後に確変状態および変短状態を付与することが決定される特図当り図柄となっている。
ここで、前記第1の当り遊技は、規定ラウンド数が「13回」に設定された当り遊技である。この第1の当り遊技では、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を特別開閉部材43に行わせるよう設定されている。一方で、第1の当り遊技における5ラウンド目〜13ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放させるものの、4ラウンド目までに特別開閉部材43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口41の開放時間が短くなる短時間開放動作を特別開閉部材43に行わせるよう設定されている。ここで、第1の当り遊技における1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技において入賞が許容される規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜13ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が実質的に入賞不能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定されている。
具体的に、第1の当り遊技では、図4に示すように、1ラウンド目(1R)〜4ラウンド目(4R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別開閉部材43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、5ラウンド目(5R)〜12ラウンド目(12R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.4(秒)」が設定されている。なお、第1の当り遊技では、ラウンド間インターバル時間(Int)が「1.0(秒)」に設定されている。すなわち実施例において、第1の当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技におけるパチンコ球の入賞により500個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の特別開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
前記特図当り図柄Bは、当該特図当り図柄Bが決定されることで第2の当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また、特図当り図柄Bは、第2の当り遊技の終了後に次の当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。すなわち、特図当り図柄Bは、特図当り判定の当選に伴って付与する付与特典として、第2の当り遊技を付与すること、第2の当り遊技の後に確変状態および変短状態を付与することが決定される特図当り図柄となっている。
ここで、第2の当り遊技は、規定ラウンド数が「12回」に設定された当り遊技である。この第2の当り遊技の各ラウンド遊技における特別開閉部材43の開閉動作は、前述した第1の当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第2の当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技において入賞が許容される規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜12ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定されている。このように、実施例の第2の当り遊技は、第1の当り遊技と同様に500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の特別開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
前記図柄Xは、当該特図当り図柄Xが決定されることで第3の当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また特図当り図柄Xは、第3の当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。具体的に、実施例では、特図当り図柄X(第3の当り遊技)が決定された場合に変短状態を付与する付与期間は、当該第3の当り遊技終了後に所定の変動回数(例えば7回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの期間に設定されている。すなわち、特図当り図柄Xは、特図当り判定の当選に伴って付与する付与特典として、第3の当り遊技を付与すること、第3の当り遊技の後に変短状態を付与することが決定される特図当り図柄となっている。そして、特図当り図柄Xに定められた変短状態の付与期間が経過した場合には、確変状態および変短状態が付与されない通常遊技状態に移行するようになっている。
ここで、前記第3の当り遊技は、規定ラウンド数が「12回」に設定された当り遊技である。この第3の当り遊技の各ラウンド遊技における特別開閉部材43の開閉動作は、前述した第1の当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち、第3の当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技において入賞が許容される規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜12ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定されている。このように、実施例の第3の当り遊技は、第1および第2の当り遊技と同様に当該第3の当り遊技において500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の特別開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
前記図柄Oは、当該特図当り図柄Oが決定されることで第4の当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また、特図当り図柄Oは、第4の当り遊技の終了後に次の当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される特図当り図柄として設定されている。すなわち、特図当り図柄Oは、特図当り判定の当選に伴って付与する付与特典として、第4の当り遊技を付与すること、第4の当り遊技の後に確変状態および変短状態を付与することが決定される特図当り図柄となっている。
ここで、前記第4の当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された当り遊技である。この第4の当り遊技では、1ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技はラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を特別開閉部材43に行わせるよう設定されている。ここで、第4の当り遊技における1ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技に定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定されている。具体的に、第4の当り遊技では、図4に示すように、1ラウンド目(1R)〜15ラウンド目(15R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別開閉部材43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。すなわち実施例において、第4の当り遊技は、1ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技におけるパチンコ球の入賞により2000個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の特別開閉部材43を開閉させるよう構成されている。
前記図柄Yは、当該特図当り図柄Yが決定されることで第5の当り遊技を付与することが決定されるよう設定されている。また、特図当り図柄Yは、第5の当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図柄Y(第5の当り遊技)が決定された場合に変短状態を付与する付与期間として、当該第3の当り遊技終了後に所定の変動回数(例えば7回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの期間に設定されている。すなわち、特図当り図柄Yは、特図当り判定の当選に伴って付与する付与特典として、第5の当り遊技を付与すること、第5の当り遊技の後に変短状態を付与することが決定される特図当り図柄となっている。そして、特図当り図柄Yに定められた変短状態の付与期間が経過した場合には、確変状態および変短状態が付与されない通常遊技状態に移行するようになっている。
ここで、前記第5の当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された当り遊技である。この第5の当り遊技では、1ラウンド目〜2ラウンド目のラウンド遊技はラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する短時間開放動作を特別開閉部材43に行わせるよう設定されている。第5の当り遊技における1ラウンド目〜2ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が実質的に入賞不能な開放時間で特別開閉部材43が開放動作するよう設定されている。具体的に、第5の当り遊技では、図4に示すように、1ラウンド目(1R)〜2ラウンド目(2R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.4(秒)」が設定されている。すなわち実施例において、第5の当り遊技は、各ラウンド遊技においてパチンコ球が略入賞が不可能で賞球を殆ど獲得し得ない形態(例えば0〜50個程度)で特別入賞部40の特別開閉部材43を開閉させるよう構成される。
このように、前記第2始動部35の第2始動口36への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に、前記第1始動部31の第1始動口32への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に比べて、当り遊技で獲得可能な賞球数が多い当り遊技(遊技価値の高い当り遊技)を決定し易く設定されている。また、前記第2始動部35の第2始動口36への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に、前記第1始動部31の第1始動口32への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に比べて、当り遊技後に有利な遊技状態に移行し易い当り遊技(遊技価値の高い当り遊技)を決定し易く設定されている。すなわち、第2始動部35への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合に、前記第1始動部31への入賞を契機とした特図当り判定で当りとなる場合によりも遊技価値の高い付与特典を決定し得るよう構成されている。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図5に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60(遊技制御手段)と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板(演出制御手段)65と、演出表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10の前枠13や遊技盤20が備える各種発光演出装置152の発光制御を行う発光制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ150の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、発光制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、発光制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出装置152の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ150からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図5に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記第1始動入賞検出センサ75、第2始動入賞検出センサ76、特別入賞検出センサ78、ゲートセンサ77等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、普図表示部55等の各表示部が接続されて、各センサの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60a(開放制御手段)には、前記第2始動部35の始動入賞ソレノイド37および特別入賞部40に設けられた特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドの駆動制御が行われるようになっている。
(始動部への入賞に伴う入賞情報について)
メイン制御CPU60aは、始動部(第1始動部31、第2始動部35へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には始動検出センサ(第1始動入賞検出センサ75、第2始動入賞検出センサ76)がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ75,76の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、何れかの始動入賞検出センサ75,76の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1始動部31および第2始動部35の何れかにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して、当該第2始動保留情報に基づく特図当り判定(図柄変動演出)を優先して実行するよう構成されている。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1始動入賞検出センサ75の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2始動入賞検出センサ76の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域の夫々は、第1特図記憶領域〜第4特図記憶領域の4つの記憶領域から構成されており、始動入賞検出センサ75,76の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が対応する始動保留領域の第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、特図当り判定を行う場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で第1始動保留情報に優先して第2特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技を発生するか否か)(すなわち特図当りか否か)の特図当り判定で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、特図当りの当選を示す100種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ75の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ76の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記特図当り図柄としての特図1および特図2は、当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、当り遊技の種類毎に当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否か定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、当り遊技の種類毎に当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。すなわち、実施例において、入賞情報としての特図決定用乱数は、特図当り判定が特図当りの判定結果となることを契機として付与する付与特典の決定に用いる乱数(情報)となっている。
また、演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定の判定がはずれの判定結果となった場合に(当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、演出表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、演出表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、発光演出装置152の発光やスピーカ150から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン決定用乱数は、前記特図変動パターン決定用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、一次振分用乱数として、「0」〜「253」の全254通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン決定用乱数は、第1始動部31または第2始動部35へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ75または第2始動入賞検出センサ76がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動部31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動部35へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動口31,35への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(特図当り判定に関わる判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、当り遊技を発生することを示す特図当り判定値が記憶されている。特図当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて特図当りか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、特図当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される特図当り判定値の数(実施例では510個)は、非確変状態の場合に設定される特図当り判定値の数(実施例では509個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における特図当り判定値の設定数を多くすることで、当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が特図当りの判定結果の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した200種類の特図決定用乱数に対応した「1」〜「200」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(特図当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が演出表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点の遊技状態(確変状態や変短状態か否か)に応じて判定値の設定数が異なっている。すなわち、第1始動保留情報および第2始動保留情報に基づいて行われる演出実行判定の場合では、変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、演出実行判定値は、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するよう設定されている。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報およびの記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するよう設定されている。実施例のパチンコ機10では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数を合算した合算数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するよう設定されている。
具体的に、非確変状態かつ非変短状態(非確変非変短状態)または確変状態かつ非変短状態(確変非変短状態)において、特図始動保留情報の合算数が「0」の場合に32個の演出実行判定値が設定され、合算数が「1」の場合に25個の演出実行判定値が設定され、合算数が「2」の場合に22個の演出実行判定値が設定され、合算数が「3」〜「7」の場合に20個の演出実行判定値が設定されている。同様に、確変状態かつ変短状態(確変変短状態)において、特図始動保留情報の合算数が「0」の場合に40個の演出実行判定値が設定され、合算数が「1」の場合に30個の演出実行判定値が設定され、合算数が「2」の場合に25個の演出実行判定値が設定され、合算数が「3」〜「7」の場合に20個の演出実行判定値が設定されている。すなわち、変短状態の場合には、非変短状態の場合に比べてリーチ演出が発生し易くなるよう構成されており、変短状態で行われる図柄変動演出において特図当りが発生する期待感を高めるようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン決定用判定値が記憶されている。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン決定用乱数を用いて複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定の所定数の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン決定用乱数に対応する判定値が割当てられた特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより選択されるようになっている。
(特図変動パターンについて)
メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから飾図が確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の特図当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、特図当り用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチなしはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、演出表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、特図当りまたは特図はずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(ゲート部への入賞に伴う開放判定情報について)
メイン制御CPU60aは、ゲート部45をパチンコ球が通過したこと(具体的にはゲートセンサ77がパチンコ球を検出したこと)を契機として開放判定情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ77の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ77の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている開放判定情報を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲート部45に入球(ゲートセンサ77をパチンコ球が検出)した際に取得される開放判定情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する保留領域が定まっており、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。具体的に、メイン制御RAM60cには、普図始動保留情報を記憶可能な保留領域は、第1普図記憶領域〜第4普図記憶領域の4つの記憶領域から構成されており、ゲートセンサ77の1回の検出を契機に取得される開放判定情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で第1領域〜第4領域から普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
前記普図当り判定用乱数は、普図変動表示の結果として第2始動部35の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出表示が行われた結果として普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、取得した普図当り判定用乱数が普図当り判定値と一致する場合に、メイン制御CPU60aが普図当りと判定して、普図変動表示が行われた後に始動開閉部材38を開閉させるようになっている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かにより判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、非変短状態よりも普図当りが発生し易くなるよう構成される。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ77の検出を契機として開放作動を許容する開放判定手段としての機能を備えている。
普図決定用乱数は、普図当り判定が普図当りの判定結果定の場合に普図表示部55に確定停止表示させる普図当り図柄1〜普図当り図柄4を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、普図決定用乱数として、「1」〜「197」の全197通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。すなわち、ゲートセンサ77の検出を契機として取得される普図決定用乱数の値により、普図当りの場合に普図表示部55に確定停止表示される普図として前述した普図当り図柄1〜普図当り図柄4が特定される。なお、普図当り判定がはずれの判定結果の場合には、普図表示部55に確定停止表示させる普図として普図はずれ図柄が特定される。
メイン制御ROM60bには、普図決定用判定値が記憶されている。普図決定用判定値は、普図当り判定の結果が肯定の場合に、普図表示器55に確定停止させる普図当り図柄としての普図当り図柄1〜普図当り図柄4を、ゲートセンサ77によるパチンコ球の検出時に取得した普図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、普図決定用判定値には、197個の普図決定用乱数に対応した「1」〜「197」の197個の整数値が設定されており、普図決定用判定値の夫々に普図当り図柄1〜普図当り図柄4が対応付けられている。
(メイン制御基板での処理について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。メイン制御CPU60aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後に、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ms毎)に実行するようになっている。ここで、メイン制御CPU60aが実行する通常処理では、各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、遊技情報表示部Mでの表示内容に関する処理、フラグの設定処理、当り遊技の実行に関する処理等を実行すると共に、始動部への入賞に関する特図入力処理や、特図当り判定に関する特図開始処理を実行するようになっている。以下、特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図6に示すように、第1始動部31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動部31に対応する第1始動入賞検出センサ75がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、一次振分用乱数の値および二次振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動部35にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動部35に対応する第2始動入賞検出センサ76がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、一次振分用乱数の値および二次振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図7〜図9に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の制御周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび演出表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図8に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち特図当り確率)は、509/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(特図当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB22における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(当り遊技が発生する場合には)、特図当りとなる変動であることを示す特図当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図2の特図当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで特図当り図柄を決定することになる。そして、特図当り図柄(特図2)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動部35への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動部31への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により第1特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図9に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち特図当り確率)は、509/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(特図当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB32における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(当り遊技が発生する場合には)、特図当りとなる変動であることを示す特図当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図1の特図当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで特図当り図柄を決定することになる。そして、特図当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて特図当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(特図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。ここで、デモンストレーション指定コマンドが出力されると、演出制御CPU65aはデモ演出フラグを設定するよう構成され、デモ演出フラグに基づいてデモ演出の実行可能期間か否を演出制御CPU65aが判別し得るようになっている。なお、デモ演出の実行可能期間は、所定周期(例えば30秒周期)で演出制御CPU65aが演出表示装置17においてデモ演出を実行するようになっている。
ここで、特図開始処理において設定された各制御コマンドは、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力すると共に、タイマ更新処理において特図変動パターンで特定された変動時間の計測をメイン制御CPU60aが開始し、これと同時に、メイン制御CPU60aが特図変動表示を開始させるように対応する特図表示部50A,50Bを制御する。そして、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを演出制御基板65に出力する。
ここで、メイン制御CPU60aは、特図当り図柄が確変状態を付与する種類の特図当り図柄(特図当り図柄A,B,O)の場合には、フラグ設定処理において当り遊技の終了後に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定する。この確変フラグは、確変状態の終了条件が満たされることで、フラグ設定処理においてメイン制御CPU60aが確変フラグを「0」に設定するようになっている。実施例では、確変状態の終了条件は、次の特図当り遊技が開始することで成立するようになっており、メイン制御CPU60aが当り遊技を開始するタイミングで確変フラグを「0」に設定するようになっている。すなわち、遊技状態特定情報としての確変フラグを参照することでメイン制御CPU60aが遊技状態を特定し得るようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、特図当り図柄が変短状態を付与する特図当り図柄の場合には、フラグ設定処理において変短フラグを「1」に設定する。この変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされることで、フラグ設定処理においてメイン制御CPU60aが変短フラグを「0」に設定するようになっている。すなわち、遊技状態特定情報としての変短フラグを参照することでメイン制御CPU60aが遊技状態を特定し得るようになっている。実施例では、変短状態の終了条件は、次の特図当り遊技が開始するか、特図当りに当選した際に決定された変短状態の付与期間(変短回数)の図柄変動演出(特図変動表示)を実行することで成立するようになっており、メイン制御CPU60aが当り遊技を開始するタイミングまたは変短回数の次の図柄変動演出(特図変動表示)が行われる前に変短フラグを「0」に設定する。
すなわち、確変フラグの値を参照することで、確変状態が付与された遊技状態か確変状態が付与されていない非確変の遊技状態かをメイン制御CPU60aが特定し得るよう構成されている。また、遊技状態特定情報(確変フラグや変短フラグの値)を参照することで、入球容易状態(変短状態)が付与された遊技状態か、入球容易状態(変短状態)が付与されていない遊技状態かをメイン制御CPU60aが特定し得るようになっている。このように、メイン制御CPU60aは、複数の遊技状態を特定可能な遊技状態判定手段として機能するよう構成されている。また、変短状態の付与期間の経過に伴い変短状態の終了条件を満たした場合には、コマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが変短終了コマンドを演出制御基板65に出力するようになっている。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図5に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。そして、演出制御ROM65bには、発光制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
また、前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aからの制御信号の入力に基づいて前記第1〜第6駆動モータM1〜M6を駆動するドライバ回路(図示せず)が設けられている。前記演出制御CPU65aは、可動演出を実行する場合に、予め定められた制御周期で前記第1〜第6駆動モータM1〜M6の駆動制御をし得るよう構成されており、該制御周期毎に制御信号をドライバ回路に出力することで、対応のモータが駆動されるようになっている(図5参照)。ここで、前記第1〜第6駆動モータM1〜M6が接続されるドライバ回路は、演出制御CPU65aから制御信号が入力されたことを契機として、駆動対象として特定された駆動モータにパルス信号を出力するよう構成されており、演出制御CPU65aから出力される制御信号の周期により駆動モータが駆動されるようになっている。なお、実施例における第1〜第6駆動モータM1〜M6の夫々はパルスモータであって、より具体的には2相励磁のバイポーラ型ステッピングモータが採用されている。
また、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。各演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記演出表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から1つの演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄列の飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ150から適宜の効果音が出力されたり、発光演出装置152が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、前記前記演出制御ROM65bには、前記演出パターンとして、前記可動体111〜116を動作させて可動演出を行うことを特定する複数の可動演出パターンKP1〜KP3が設定されており、特図変動パターンに基づいて可動演出パターンKP1〜KP3の何れかが演出制御CPU65aにより決定されることで、可動体111〜116による可動演出が行われるようになっている。すなわち、可動演出パターンKP1〜KP3は、可動体111〜116での可動演出および前記演出表示装置17での表示演出の夫々が行われる可動表示演出を特定する演出パターンとして設定されている。また、可動演出パターンKP1〜KP3には、可動体111〜116に設けられたLED121a〜126aの発光態様を特定するよう設定されており、特図変動パターンに基づいて可動演出パターンKP1〜KP3の何れかが演出制御CPU65aにより決定されることで、当該可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて演出制御CPU65aが発光制御基板72に対して制御信号を出力することにより、可動体111〜116が備えるLED121a〜126aにより発光演出が行われるようよう構成されている。
すなわち、可動演出パターンKP1〜KP3は、可動体111〜116での可動演出およびLED121a〜126aの発光による発光演出の夫々が行われる可動発光演出を特定する演出パターンとして設定されている。このように、実施例の可動演出パターンKP1〜KP3には、前記演出表示装置17での表示演出の内容の他に、前記駆動モータM1〜M6の動作タイミングおよび前記LED121a〜126aの発光態様が設定されており、表示演出、可動演出および発光演出を組み合わせた演出を、決定された可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて実行し得るようになっている。
(可動演出パターンについて)
具体的に、前記可動演出パターンKP1〜KP3には、第1可動体グループGR1および第2可動体グループGR2に含まれる可動体111〜114(すなわち第1の連動演出部G1)による可動演出を行うことを特定した可動演出パターンKP1と、第3可動体グループGR3に含まれる可動体115,116(すなわち第2の連動演出部G2)による可動演出を行うことを特定した可動演出パターンKP2,KP3とが設定されている。また、第3可動体グループGR3に含まれる可動体115,116による可動演出を行うことを特定した可動演出パターンKP2,KP3には、第5可動体115および第6可動体116を可動して可動演出を行うことを特定する可動演出パターンKP2と、第5可動体115のみを可動して可動演出を行うことを特定する可動演出パターンKP3とが設定されている。すなわち、可動演出パターンKP1が決定された場合には、第1の連動演出部G1を構成する第1〜第4可動体111〜114が連動した可動演出が行われ、可動演出パターンKP2が決定された場合には、第2の連動演出部G2を構成する第5〜第6可動体115〜116が連動した可動演出が行われ、可動演出パターンKP3が決定された場合には、第2の連動演出部G2を構成する可動体の内の第5可動体115による単独の可動演出が行われるようになっている。またこのとき、可動演出パターンKP1〜KP3に定めた表示演出の内容を演出表示装置17で表示するよう演出制御CPU65aにより制御されると共に、当該可動演出パターンKP1〜KP3に定めた発光態様でLED121a〜126aを発光するよう発光制御基板72により制御される(図13(a)参照)。
ここで、複数の可動体による可動演出を特定する可動演出パターンKP1〜KP2には、可動する可動体111〜116に対応する駆動モータM1〜M6の動作タイミングが設定されており、当該可動演出パターンKP1〜KP2に定められた動作タイミングで演出制御CPU65aが制御信号を出力して駆動モータM1〜M6を駆動することにより、可動体111〜116が可動するようになっている。また、可動演出パターンKP1〜KP2には、前記可動体111〜116を原位置から可動位置へ移動させる際の可動順序が定められると共に、当該可動体111〜116を可動位置から原位置へ移動させる際の復帰動作順序が定められている。すなわち、後述する通常動作状態(すなわち、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定していない状態)では、前記可動演出パターンが決定された場合(可動体111〜116を移動させる場合)に、可動順序および復帰動作順序で可動体111〜116が動作するように、可動演出パターンKP1〜KP2に定められた動作タイミングで演出制御CPU65aが制御信号を出力して対応の駆動モータM1〜M6を駆動するようになっている(図13(a)参照)。
可動演出パターンKP1〜KP2における可動体111〜116の可動順序および復帰動作順序は、前記可動体グループGR1,GR2,GR3毎に定められている。具体的に、可動演出パターンKP1は、図10(a)に示すように、第1可動体グループGR1に含まれる第1可動体111および第2可動体112に対して、第1可動体111に対応する第1駆動モータM1を駆動(可動順位1)した後に第2可動体112に対応する第2駆動モータM2を駆動(可動順位2)するように可動順序が定められると共に、第2可動体112に対応する第2駆動モータM2を駆動(復帰順位1)した後に第1可動体111に対応する第1駆動モータM1を駆動(復帰順位2)するよう復帰動作順序が定められている。同様に、可動演出パターンKP1は、第2可動体グループGR2に含まれる第3可動体113および第4可動体114に対して、第3可動体113に対応する第3駆動モータM3を駆動(可動順位1)した後に第4可動体114に対応する第4駆動モータM4を駆動(可動順位2)するように可動順序が定められると共に、第4可動体114に対応する第4駆動モータM4を駆動(復帰順位1)した後に第3可動体113に対応する第3駆動モータM3を駆動(復帰順位2)するよう復帰動作順序が定められている。
すなわち、可動演出パターンKP1は、可動体111〜114の動作タイミングによって相互に接触する可能性がある第1可動体グループGR1に含まれる可動体111,112および第2可動体グループGR2に含まれる可動体113,114の夫々において、可動体同士が接触しないタイミングで動作するように可動順序および復帰動作順序が定められている。また、実施例の第1の連動演出部G1では、前記第1可動体グループGR1に含まれる可動体111,112と、前記第2可動体グループGR2に含まれる可動体113,114とでは、前述のように相互に接触しないよう構成されている。従って、可動演出パターンKP1は、第1可動体グループGR1に含まれる可動体111,112と、第2可動体グループGR2に含まれる可動体113,114との間では同時に駆動モータM1〜M4を駆動し得るよう設定される。すなわち、実施例の可動演出パターンKP1は、第1の連動演出部G1に含まれる可動体111〜114を原位置から可動位置に可動する際に、第1可動体グループGR1に含まれる第1可動体111と、第2可動体グループGR2に含まれる第3可動体113とが同時に可動するよう第1駆動モータM1および第3駆動モータM3が駆動され、第1の連動演出部G1に含まれる可動体111〜114を可動位置から原位置に可動する際には、第1可動体グループGR1に含まれる第2可動体112と、第2可動体グループGR2に含まれる第4可動体114とが同時に可動するよう第2駆動モータM2および第4駆動モータM4が駆動されるように、駆動モータM1〜M4の駆動タイミングが設定されている。
また、可動演出パターンKP2は、図10(a)〜図12に示すように、第3可動体グループGR3に含まれる第5可動体115および第6可動体116に対して、第5可動体115に対応する第5駆動モータM5を駆動(可動順位1)した後に第6可動体116に対応する第6駆動モータM6を駆動(可動順位2)するように可動順序が定められると共に、第5可動体115に対応する第5駆動モータM5および第6可動体116に対応する第6駆動モータM6を同時に駆動(復帰順位1)するよう復帰動作順序が定められている。ここで、同様に第3可動体グループGR3に含まれる第5可動体115が可動する可動演出パターンKP3は、第5可動体115に対応する第5駆動モータM5のみを駆動(可動順位1)するように可動順序が定められると共に、第5可動体115に対応する第5駆動モータM5のみを駆動(復帰順位1)するよう復帰動作順序が定められている。このように、可動演出パターンKP2は、第5可動体115を原位置から可動位置に移動した後に、第6可動体116を原位置から可動位置に移動する可動演出が行われるよう設定されており、第5可動体115が動作した後に第6可動体116が動作するか否かに関して、遊技者の期待感を持たせて遊技の興趣を高めるようになっている。また、前述のように、第5および第6可動体115,116は、移動領域が重複しないよう構成されて相互に接触しないようになっていることから、可動位置から原位置に戻す復帰動作においては、第5および第6可動体115,116に対応する駆動モータM5,M6を同時に駆動して可動体115,116を原位置に速やかに戻し得るようになっている。
(可動順序について)
ここで、第1および第2可動体グループGR1,G2の可動体111〜114を可動する場合に、可動順位1の可動体111,113を可動した後に可動順位2の可動体112,114を可動する駆動タイミングとしては、図11(a)に示すように、可動順位1の可動体111,113を原位置から可動位置に移動するよう駆動モータM1,M3を駆動した後に可動順位2の可動体112,114を原位置から可動位置に移動するよう駆動モータM2,M4を駆動するよう構成することができる。すなわち、接触する可能性がある可動体の一方を可動位置に移動してから他方の可動体を移動することで、相互に接触する可能性がある可動体同士の接触を防ぐことができる。
また、第1および第2可動体グループGR1,G2の可動体111〜114を可動する場合に、可動順位1の可動体111,113を可動した後に可動順位2の可動体112,114を可動する駆動タイミングとしては、図11(b)に示すように、可動順位1の可動体111,113を原位置から可動位置に移動するよう駆動モータM1,M3を駆動した後であって、当該駆動モータM1,M3を駆動している途中で、可動順位2の可動体112,114を原位置から可動位置に移動するよう駆動モータM2,M4を駆動するよう構成することができる。この場合に、可動順位1の可動体111,113に対応する駆動モータM1,M3を駆動してから、可動順位2の可動体112,114に対応する駆動モータM2,M4を駆動するまでの時間差TD1は、接触する可能性がある可動体の一方(可動順位1の可動体111,113)が他方の可動体(可動順位2の可動体112,114)と接触しない位置まで移動した後のタイミングで、当該他方の可動体(可動順位2の可動体112,114)が可動し始めるようにすることが好ましい。このように、接触する可能性がある可動体の一方を可動位置に移動する途中で他方の可動体を移動することで、相互に接触する可能性がある可動体同士の接触を防ぎつつ、展開の早い可動演出が可能となる。
(復帰動作順序について)
また、第1および第2可動体グループGR1,G2の可動体111〜114を可動する場合に、復帰順位1の可動体112,114を可動した後に可動順位2の可動体111,113を可動する駆動タイミングとしては、図12(a)に示すように、復帰順位1の可動体112,114を原位置に戻すよう駆動した駆動モータM2,M4を停止させた後に、復帰順位2の可動体111,113を原位置に戻すよう復帰動作順序に定められた次の駆動モータM1,M3を駆動開始するよう構成することができる。すなわち、接触する可能性がある可動体の一方を原位置に移動してから他方の可動体を移動することで、相互に接触する可能性がある可動体同士の接触を防ぐことができる。
また、第1および第2可動体グループGR1,G2の可動体111〜114を可動する場合に、復帰順位1の可動体112,114を可動した後に復帰順位2の可動体111,113を可動する駆動タイミングとしては、図12(b)に示すように、復帰順位1の可動体112,114を原位置に戻すよう駆動モータM2,M4を駆動した後であって、当該駆動モータM2,M4を駆動している途中で、復帰順位2の可動体111,113を原位置に戻すよう復帰動作順序に定められた次の駆動モータM1,M3を駆動開始するよう構成することができる。この場合に、復帰順位1の可動体112,114に対応する駆動モータM2,M4を駆動してから、復帰順位2の可動体111,113に対応する駆動モータM1,M3を駆動するまでの時間差TD2は、接触する可能性がある可動体の一方(復帰順位1の可動体112,114)が他方の可動体(復帰順位2の可動体111,113)と接触しない位置まで移動した後のタイミングで、当該他方の可動体(復帰順位2の可動体111,113)が可動し始めるようにすることが好ましい。このように、接触する可能性がある可動体の一方を原位置に戻す途中で他方の可動体を移動することで、相互に接触する可能性がある可動体同士の接触を防ぎつつ、展開の早い可動演出が可能となる。
(演出制御基板での処理について)
次に、演出制御基板65の演出制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。演出制御CPU65aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後に、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ms毎)に実行するようになっている。ここで、演出制御CPU65aが実行する通常処理では、演出制御用の各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、図柄変動時の演出実行に関する処理、フラグの設定処理、当り遊技時の演出実行に関する処理等を実行する。
すなわち、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)から入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて演出表示装置17に最終停止表示させる各図柄列の飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が特図当り図柄の場合には、特図当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列の飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変情報フラグおよび変短情報フラグを演出制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する特図当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変情報フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない特図当り図柄に対応する場合に確変情報フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する特図当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短情報フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない特図当り図柄に対応する場合に変短情報フラグを「0」に設定する。また、メイン制御基板60から出力される変短終了コマンドに基づいて変短情報フラグを「0」に設定する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、演出制御CPU65aが遊技状態を特定し得るよう構成されている。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列の飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列の飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列の飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列の飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70や発光制御基板72、音制御基板73等に出力する。
(演出制御について)
次に、演出制御基板65で実行される処理について説明する。演出制御基板65では、前記変動開始制御コマンドが入力された際に、図柄変動演出の変動開始に関わる処理が行われる。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを発光制御基板72や音制御基板73等に出力する。すなわち、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aの決定に基づいて演出の実行を制御する演出実行制御手段として機能する。
ここで、演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、特図変動パターン毎に分類されており、特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて演出表示装置17に最終停止表示させる各図柄列の飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が特図当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列の飾図が決定される。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列の飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを発光制御基板72や音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列の飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列の飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列の飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
(表示制御基板70について)
表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、演出表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、演出表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
(電源基板200について)
また、前記パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板200が配設されている。この電源基板200には、図5に示す如く、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ201と、制御RAM60c,65c,70cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ202が設けられている。また電源基板200には、前記電源スイッチ201に接続し、該電源スイッチ201のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路203が設けられると共に、前記クリアスイッチ202に接続するクリアスイッチ回路204が設けられている。実施例1では、クリアスイッチ202をON操作した状態で電源スイッチ201をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路204から制御基板60,65,70にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けた制御基板60,65,70が制御RAM60c,65c,70cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例1では、電源スイッチ201、クリアスイッチ回路204およびクリアスイッチ202からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路204とクリアスイッチ202とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ202をON操作したときにクリアスイッチ回路204から制御基板60,65,70にクリア信号を出力する構成を採用し得る。また、以後の説明において、クリア処理が実行されることを、RAMクリアと指称する場合がある。
図5に示す如く、前記電源基板200には、遊技場の外部電源(AC24V)をパチンコ機10の各種電気部品へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)205が設けられている。電源回路205には、各制御基板60,65,70が直接または間接的に接続されており、該電源回路205は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板60,65,70に対応する供給すべき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧を対応する制御基板60,65,70に供給するよう構成される。なお、電源回路205から各制御基板60,65,70に供給された電源電圧が、各制御基板60,65,70に配線接続される各種の電気機器に供給される。
前記電源基板200には、前記電源回路205に接続する前記電源断監視回路203が設けられ、該電源断監視回路203は、電源回路205に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路203は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10の電気部品(例えば、検出センサ)を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。なお、閾値電圧は、電気部品が動作停止する電圧に対して所定のマージンだけ高い値に設定されている。
前記電源基板200には、前記電源断監視回路203に接続するリセット信号回路206が設けられている。電源断監視回路203は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板60、演出制御基板65およびリセット信号回路206に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路206は、電力供給の開始時(電源投入時や復電時)および電源断信号の入力時に、メイン制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板70に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板70の動作を規制するようになっている。
前記電源基板200には、コンデンサ等のバックアップ電源207が設けられ、パチンコ機10の主電源が切られて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ201のOFFや停電等により外部電源からの電力供給の遮断により電源断監視回路203からの電源断信号が出力された場合)には、バックアップ電源207からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給される。バックアップ電源207は、両制御CPU60a,65aが、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている各種情報を後述するバックアップエリアに記憶(書き込み)するのに要する時間に亘って電力を供給し得るよう構成されている。また、両制御RAM60c,65cでは、電力供給が遮断された後もバックアップエリアに記憶されている各種情報は保持し得るよう構成されている。
(復電処理に関する構成について)
前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cには、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。このバックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。実施例1では、乱数(保留内容)、保留数、特図、普図、タイマ値、フラグ(確変フラグ,変短フラグ,大当りフラグ,普図当りフラグ)等の遊技状態を特定可能な各種情報が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶されると共に、電力供給が遮断された場合においては該常用記憶エリアに記憶されている各種情報がバックアップエリアに記憶されるようになっている。また、バックアップエリアへの記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の読み出し(常用記憶エリアへの記憶)は、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
また、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aには、電源基板200のバックアップ電源207が接続されている。そして、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源207から供給される電源電圧(例えば、DC5V)によって動作が保証されている間に、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報をバックアップエリアに記憶し、電源回路205からの電力供給の遮断後も各種情報を記憶保持し得るように構成されている。すなわち、電力供給の遮断時におけるパチンコ機10の遊技状態、すなわち確変状態や変短状態が付与されているか否か、大当り遊技中であるか否か、普図当り遊技中であるか否か、保留数等、各種情報をバックアップすることが可能となっている。実施例1では、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cが、電源回路205からの電力供給が遮断されるときの遊技情報を記憶して電力供給の遮断後も保持するバックアップ手段としての機能を有している。
(電源断処理について)
次に、電力供給が遮断された際に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが実行する電源断処理について説明する。
メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、電源断監視回路203からの電源断信号が入力されると、対応する制御RAM60c,65cに記憶された制御プログラムのうちの電源断処理プログラムに基づき、電源断処理を実行する。前記電源断監視回路203は、監視電源電圧が閾値電圧まで降下したタイミングにおいて、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aおよびリセット信号回路206に電源断信号を出力する。これにより、パチンコ機10の各種構成部材が動作不能となる前に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが夫々電源断処理を実行する。
電源断処理では、電源基板200のバックアップ電源207からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給されるもとで、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報を、制御RAM60c,65cのバックアップエリアに記憶保持させる。次に、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路206からのリセット信号の入力を待機する。そして、各制御CPU60a,65aは、リセット信号が入力されると、制御CPU60a,65aの動作を規制する。そして、電力供給が遮断した後は、電源断処理によってバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
(電源投入時の起動処理について)
パチンコ機10へ電源投入(電力供給の開始)された場合は、前記リセット信号回路206は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、演出制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対してリセット信号を継続出力する。メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、対応する制御ROM60b,65bに記憶されている起動処理プログラムに基づき、起動処理(復電処理)を実行する。このように、電源基板200(リセット信号回路206)からのリセット信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)および演出制御基板65(演出制御CPU65a)の起動を指示する起動指示信号として機能し、電源基板200のリセット信号回路206が起動指示信号(リセット信号)を出力する起動指示手段として機能している。すなわち、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの夫々は、電源基板200のリセット信号回路206からのリセット信号起動指示信号の入力に基づいて起動処理を実行するよう構成されている。また、演出制御CPU65aは、起動処理を開始した際に起動処理フラグを設定する(例えば「1」にする)と共に、起動処理が終了した際に起動処理フラグをクリアする(例えば「0」にする)よう構成されている。すなわち、起動処理において起動処理フラグを参照することで、起動処理の実行中か否かを判別し得るようになっている。
また、この起動処理では、前記クリアスイッチ202が操作されているか否かを判定し、否定の場合は対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる。また、起動処理において前記クリアスイッチ202が操作されていると判定された場合は、各制御RAM60c,65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。電力供給の遮断前の状態に復帰した演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cにて記憶管理されている制御情報を指定する各種制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。そして、表示制御CPU70aは、演出制御CPU65aからの入力された制御コマンドに基づいて演出表示装置17の表示内容を制御する。
また、演出制御CPU65aが実行する起動処理では、各可動体111〜116の初期動作チェックを行う初期動作処理が実行されるようになっている。この初期動作処理では、前記各可動体111〜114に対応する駆動モータM1〜M6に対して、演出制御CPU65aが初期可動信号を出力して、各可動体111〜116が正常に動作するか否か(動作異常か否か)を確認するよう構成される。ここで、初期可動信号は、原位置から可動位置に移動すると共に可動位置から原位置に戻す動作を各可動体111〜116が行うように所定のタイミングで各対応の駆動モータM1〜M6に出力される制御信号(パルス信号)である。そして、この起動処理の初期動作処理において何れかの可動体111〜116の動作異常と判定された場合には、後述する異常停止処理を演出制御CPU65aが実行して、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6の可動演出パターンKP1〜KP3に基づく駆動を停止するよう構成されている。
(可動体の動作異常に関する制御について)
次に、前記可動体111〜116の何れかに動作異常が発生した場合の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10は、可動演出を行う際に可動体111〜116内の何れかに動作異常が発生した場合に、後述する所定の解除条件が成立するまでの間、動作異常が発生した可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6の駆動を停止(禁止)する異常停止処理を演出制御CPU65aが行うよう構成されている。すなわち、前記可動体111〜116を可動するよう所定の駆動条件(可動演出パターンKP1〜KP3)で駆動モータM1〜M6を駆動するよう演出制御CPU65aが制御信号を出力した際に、当該駆動条件に合った動作を可動体111〜116が行っているかを演出制御CPU65aが位置検出センサSE1a〜SE6,SE1b〜SE6bの検出信号に基づいて判定し、駆動条件に合わない動作を可動体111〜116がしている場合に可動体111〜116の動作異常と判定するよう構成されている。そして、可動体111〜116の動作異常の場合に、演出制御CPU65aが異常停止処理を実行して、解除条件が成立するまでの間、動作異常が発生した可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6を可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて駆動しないよう構成されている。
言い換えると、可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、所定の解除条件が成立するまでの間、当該動作異常が発生した可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6に対して、可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて演出制御CPU65aが駆動信号を出力するのを停止するようになっている。実施例では、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、演出制御RAM65cの所定領域に駆動停止フラグを演出制御CPU65aが設定(例えば「1」または「2」に設定)するよう構成されており、当該駆動停止フラグが設定されている場合には、可動演出パターンKP1〜KP3に基づく動作タイミングで演出制御CPU65aが駆動信号を出力しないよう構成されている。そして、駆動停止フラグが設定されていない(例えば「0」)場合に、演出制御CPU65aが駆動信号を出力し得るよう構成されている。すなわち、駆動モータM1〜M6を駆動する場合に、演出制御CPU65aが駆動停止フラグを参照するよう構成されて、当該駆動停止フラグの設定状態に応じて駆動モータM1〜M6に対する駆動信号の出力が許容されるか否かが定まるようになっている。なお、以下の説明では、前記演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定する所定の条件を異常判定条件と指称する場合がある。すなわち、異常判定条件が成立したと演出制御CPU65aが判定することで、異常停止処理が行われるようになっている。
ここで、実施例では、前記可動体111〜116に動作異常が発生したか否かは、決定された可動演出パターンKP1〜KP3に基づく動作タイミングまたは起動処理の初期動作処理において各駆動モータM1〜M6を駆動するよう演出制御CPU65aが制御信号を出力した際の位置検出センサSE1a〜SE6a,SE1b〜SE6bの検出状態に基づいて行われる。実施例では、原位置から可動位置に向けて移動させるよう演出制御CPU65aが制御信号を出力した際に、移動させる可動体111〜116に対応した原位置検出センサSE1a〜SE6aが検出状態から非検出状態に切り替わらない(すなわち原位置から移動しない)ことが第1の異常判定条件として設定されており、当該第1の異常判定条件の成立に伴って演出制御CPU65aが異常停止処理を実行するよう構成されている。また、原位置から可動位置まで移動するのに必要な駆動量となるパルス数が出力されるだけの制御信号を演出制御CPU65aが出力した際に、移動させる可動体111〜116に対応した可動位置検出センサSE1b〜SE6bが非検出状態から検出状態に切り替わらない(すなわち可動位置に移動しない)ことが第2の異常判定条件として設定されており、当該第2の異常判定条件の成立に伴って演出制御CPU65aが異常停止処理を実行するよう構成されている。そして、可動位置から原位置に向けて移動させるよう演出制御CPU65aが制御信号を出力した際に、移動させる可動体111〜116に対応した可動位置検出センサSE1b〜SE6bが検出状態から非検出状態に切り替わらない(すなわち可動位置から移動しない)ことが第3の異常判定条件として設定されており、当該第3の異常判定条件の成立に伴って演出制御CPU65aが異常停止処理を実行するよう構成されている。更に、可動位置から原位置まで移動するのに必要な駆動量となるパルス数が出力されるだけの制御信号を演出制御CPU65aが出力した際に、移動させる可動体111〜116に対応した原位置検出センサSE1a〜SE6aが非検出状態から検出状態に切り替わらない(すなわち原位置に移動しない)ことが第4の異常判定条件として設定されており、当該第4の異常判定条件の成立に伴って演出制御CPU65aが異常停止処理を実行するよう構成されている。
また、実施例のパチンコ機10では、演出制御CPU65aが何れかの可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、異常停止処理において、動作異常が発生した可動体111〜116を含む複数の可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6の駆動を停止(禁止)するよう構成されている。具体的には、可動体111〜116の動作異常が発生した場合に、当該動作異常が発生した可動体111〜116が含まれる可動体グループGR1〜GR3の可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6を駆動停止させるように演出制御CPU65aが制御するよう構成される。このように、動作異常が発生した可動体111〜116が含まれる可動体グループGR1〜GR3の可動体に対応した駆動モータM1〜M6の駆動を停止することで、動作異常が発生した可動体111〜116の動作により動作異常の原因が悪化するのを防止して、可動体の動作異常に伴う不具合を回避できる。
具体的に実施例では、図13(b)に示すように、第1可動体グループGR1に含まれる第1可動体111および第2可動体112の何れかに動作異常が発生した場合には、所定の解除条件が成立するまでの間、当該第1および第2可動体111,112の夫々に対応した駆動モータM1,M2を駆動停止させるよう構成され、第2可動体グループGR2に含まれる第3可動体113および第4可動体114の何れかに動作異常が発生した場合には、所定の解除条件が成立するまでの間、当該第3および第4可動体113,114の夫々に対応した駆動モータM3,M4を駆動停止させるよう構成されている。すなわち、動作異常が発生した場合に、動作異常が発生した可動体111〜114と移動領域が重複する可動体グループGR1,GR2毎に含まれる可動体111〜114に対応した全ての駆動モータM1〜M4の駆動を停止することで、可動体111〜114が位置しない状態で停止した場合でも、可動体111〜114の接触を防止できる。
また実施例では、図13(b)に示すように、第1および第2可動体グループGR1,GR2の何れかに含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合には、対応のグループGR1,GR2に含まれる可動体だけでなく、当該第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる第1〜第4可動体111〜114の夫々に対応した駆動モータM1〜M4を駆動停止させるよう構成される。そして、第3可動体グループGR3に含まれる第5可動体115および第6可動体116の何れかに動作異常が発生した場合には、所定の解除条件が成立するまでの間、当該第5および第6可動体115,116の夫々に対応した駆動モータM5,M6を駆動停止させるよう構成されている。すなわち、第1および第2可動体グループGR1,GR2の何れかに含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合には、所定の解除条件が成立するまでの間、第1の連動演出部G1による可動演出が行われないよう構成され、また第3可動体グループG3に含まれる第5可動体115および第6可動体116の何れかに動作異常が発生した場合には、所定の解除条件が成立するまでの間、第2の連動演出部G2による可動演出が行われないよう構成されている。
ここで実施例では、第1および第2可動体グループGR1,GR2の何れかに含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合に、前記演出制御CPU65aが前記駆動停止フラグを第1の値(例えば「1」)に設定するよう構成されている。すなわち、駆動停止フラグが第1の値の場合に、可動演出パターンKP1〜KP3に基づく動作タイミングで演出制御CPU65aが第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる第1〜第4可動体111〜114の夫々に対応した駆動モータM1〜M4に駆動信号を出力しないよう構成してある。同様に、第3可動体グループGR3の何れかに含まれる可動体115〜116の何れかに動作異常が発生した場合に、前記演出制御CPU65aが前記駆動停止フラグを第2の値(例えば「2」)に設定するよう構成されている。これにより、駆動停止フラグが第2の値の場合に、可動演出パターンKP1〜KP3に基づく動作タイミングで演出制御CPU65aが第3可動体グループGR3に含まれる第5〜第6可動体115〜116の夫々に対応した駆動モータM5〜M6に駆動信号を出力しないよう構成してある。
このように、第1〜第4可動体111〜114が可動位置に移動することで特定の形態を形成することで所定の可動演出を実行する第1の連動演出部G1は、一部の可動体111〜114に動作異常が生じた場合に、当該第1の連動演出部G1を構成する全ての可動体111〜114の可動を停止することで、当該第1〜第4可動体111〜114により意図しない形態を形成して可動演出に不整合が生じるのを防止している。また、第5〜第6可動体115〜116の内で可動する可動体の順序や可動数により当り遊技が生起される期待度を示唆する可動演出を実行する第2の連動演出部G2は、一部の可動体115〜116に動作異常が生じた場合に、当該第2の連動演出部G2を構成する全ての可動体115〜116の可動を停止することで、通常は起こりえない可動演出が外形上行われてしまうことを防止している。
また、図10(b)に示すように、第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合には、第3可動体グループGR3に含まれる可動体115〜116に対応する駆動モータMT5〜MT6の駆動が許容されるよう構成されると共に、第3可動体グループGR3に含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合には、第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる可動体111〜114に対応する駆動モータMT1〜MT6の駆動が許容されるよう構成されている。すなわち、駆動停止フラグが前記第1の値の場合には、可動演出パターンKP1〜KP3に基づく動作タイミングで演出制御CPU65aが第3可動体グループGR3に含まれる第5〜第6可動体115〜116に対応した駆動モータM5〜M6に駆動信号を出力することが許容されるようになっている。同様に、前記駆動停止フラグが前記第2の値の場合には、可動演出パターンKP1〜KP3に基づく動作タイミングで演出制御CPU65aが第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる第1〜第4可動体111〜114の夫々に対応した駆動モータM1〜M6に駆動信号を出力することが許容されるよう構成される。
すなわち、図10(b)に示すように、第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合に、可動演出パターンKP2〜KP3が決定された場合には、当該可動演出パターンKP2〜KP3に基づいて第3可動体グループGR3に含まれる第5および第6可動体115〜116に対応する駆動モータM5〜MT6が演出制御CPU65aにより駆動されて、第2の連動演出部G2による可動演出が行われるようになっている。同様に、第3可動体グループGR3に含まれる可動体115〜116の何れかに動作異常が発生した場合に、可動演出パターンKP1が決定された場合には、当該可動演出パターンKP1に基づいて第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる第1〜第4可動体111〜114に対応する駆動モータM1〜MT4が演出制御CPU65aにより駆動されて、第1の連動演出部G1による可動演出が行われるようになっている。このように、解除条件が成立する前でも可動演出が行われるようにすることで、実行される可動演出が極端に減少して遊技の興趣が損なわれてしまうのを防止している。また、可動体111〜116に動作異常が生じた状況下でも、可動演出が行われる場合に動作異常と判定する以前の駆動条件(可動演出パターンKP1〜KP3に定められた駆動タイミング)で駆動モータM1〜M6を駆動させることで、違和感のない遊技演出を行うことができる。また、別の可動体グループにおいて通常通りの可動演出が行われることで、動作異常が生じたことを遊技者が気付き難くしている。
(表示演出および発光演出について)
ここで、可動体111〜116の動作異常と判定した後の状態で、演出制御CPU65aが可動演出パターンKP1〜KP3(すなわち可動表示演出)を決定した場合には、可動体111〜116の動作異常が発生する前と同じ条件(可動演出パターンKP1〜KP3に定められた内容)で表示演出が表示されるように演出制御CPU65aが演出表示装置17を制御するようになっている(図13(b)参照)。すなわち、可動体111〜116の動作異常と判定された状況下でも同じ表示演出を行うことで、遊技の興趣が損なわれるのを防止できる。同様に、可動体111〜116の動作異常と判定した後の状態で、演出制御CPU65aが可動演出パターンKP1〜KP3(すなわち可動発光演出)を決定した場合には、可動体111〜116の動作異常が発生する前と同じ条件(可動演出パターンKP1〜KP3に定められた発光態様)でLED121a〜126aを発光するよう発光制御基板72により制御される(図13(b)参照)。すなわち、可動体111〜116の動作異常と判定された状況下でも同じ発光演出を行うことで、遊技の興趣が損なわれるのを防止できる。
また、実施例のパチンコ機10は、可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた駆動モータM1〜M6の駆動を停止する前に、当該動作異常が発生した可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動するよう構成されている。すなわち、何れかの可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該動作異常が発生した可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動させた後に、所定の解除条件が成立するまでの間、可動体111〜116を原位置に戻すように駆動した駆動モータM1〜M6の駆動を停止する異常停止処理を演出制御CPU65aが行うよう構成されている。すなわち、異常停止処理は、動作異常が発生した可動体111〜116と移動領域が重複する各可動体111〜116について原位置に戻すように各可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6を駆動する原位置復帰処理を実行した後に、所定の解除条件が成立するまで各駆動モータM1〜M6の駆動を停止(禁止)する停止処理を実行するよう設定された処理である。このように、可動体111〜116の動作異常時には、動作異常が発生した可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動することで、可動体111〜116が不自然な位置で停止してしまうのを防ぎ、演出表示装置17での表示演出等の可動演出以外の遊技演出が可動体111〜116で阻害されるのを防止している。
ここで、動作異常時と判定した場合に可動体111〜116を原位置に戻すように駆動される駆動モータM1〜M6は、動作異常に伴って動作が停止される駆動モータM1〜M6と同じ可動体111〜116となるよう構成される。すなわち、第1および第2可動体グループGR1,GR2の何れかに含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合には、当該第1および第2可動体グループGR1,GR2に含まれる第1〜第4可動体111〜114の夫々に対応した駆動モータM1〜M4の夫々が駆動されて、第1〜第4可動体111〜114の夫々を戻すよう構成され、第3可動体グループGR3に含まれる可動体115〜116の何れかに動作異常が発生した場合には、当該第3可動体グループGR3に含まれる第5〜第6可動体115〜116の夫々に対応した駆動モータM5〜M6の夫々が駆動されて、第5〜第6可動体115〜116の夫々を戻すよう構成される。すなわち、可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、動作異常が発生した可動体111〜116だけでなく、動作異常が発生した可動体111〜116が含まれる可動体グループGR1〜GR3を単位(より正確には、連動演出部G1,G2を単位)として第1〜第6可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6が駆動されるようになっている。
また、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該動作異常の発生した可動体111〜116を含む可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6を前記復帰動作順序で駆動させるように当該動作異常の発生した可動体111〜116を含む可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6を、所定の復帰動作順序で駆動させるように演出制御CPU65aが制御するよう構成されている。なお動作異常の場合の復帰動作順序は、前述のように可動体グループGR1,GR2,GR3毎に定められた順序である(図10(a)参照)。
すなわち、動作異常に復帰動作順序で駆動モータM1〜M4を駆動することで、相互に接触する可能性がある第1可動体グループGR1に含まれる可動体111,112および第2可動体グループGR2に含まれる可動体113,114の夫々において、動作異常ではない通常動作状態の時と同様に、各可動体同士が接触しないタイミングで動作させることができる。また、動作異常に伴って第1および第2可動体グループGR1,G2の可動体111〜114を原位置に戻す場合に、通常動作状態の時と同様に、復帰順位1の可動体112,114を原位置に戻すよう駆動した駆動モータM2,M4を停止させた後に、復帰順位2の可動体111,113を原位置に戻すよう復帰動作順序に定められた次の駆動モータM1,M3を駆動する構成を採用できる(図12(a)参照)。これにより、動作異常に伴って可動体111〜114を原位置に戻す過程で、相互に接触する可能性がある可動体同士の接触を防ぐことができる。同様に、動作異常に伴って第1および第2可動体グループGR1,G2の可動体111〜114を原位置に戻す場合に、復帰順位1の可動体112,114を原位置に戻すよう駆動モータM2,M4を駆動した後であって、当該駆動モータM2,M4を駆動している途中で、復帰順位2の可動体111,113を原位置に戻すよう復帰動作順序に定められた次の駆動モータM1,M3を駆動開始する構成を採用できる(図12(b)参照)。この場合には、動作異常に伴って原位置に戻す可動体同士の接触を防ぎつつ、速やかに可動体111〜114を原位置まで退避させることができ、表示演出等の他の遊技演出を阻害するのを防止し得る。
また、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、動作異常ではない通常動作状態において可動体111〜116を可動位置から原位置に戻す際に必要な駆動量(通常駆動量)以上に設定された原位置復帰駆動量で対応する駆動モータM1〜M6を演出制御CPU65aが駆動するよう構成されている。そして、通常駆動量および原位置復帰駆動量は、可動体111〜116毎に設定された値であり、動作異常と判定した場合に可動体111〜116を可動位置から原位置に戻す際には、各可動体111〜116に応じた通常駆動量で対応する駆動モータM1〜M6が駆動され、動作異常と判定した場合に可動体111〜116を可動位置から原位置に戻す際には、各可動体111〜116に応じた原位置復帰駆動量で対応する駆動モータM1〜M6が駆動されるようになっている。なお、前記通常駆動量は、通常動作状態において可動体111〜116を原位置から可動位置に移動する際に必要な駆動モータM1〜M6の駆動量と一致するよう設定される。すなわち、通常動作状態では、原位置にある可動体111〜116の駆動モータM1〜M6を通常駆動量で駆動することにより当該可動体111〜116が可動位置まで移動すると共に、可動位置にある可動体111〜116の駆動モータM1〜M6を通常駆動量で駆動することにより当該可動体111〜116が原位置まで戻るようになっている。
例えば、通常動作状態において可動位置にある第1可動体111を原位置に戻す際に対応する第1駆動モータM1を200ステップ分の通常駆動量で駆動するよう設定された場合には、動作異常に第1可動体111を可動位置から原位置に戻す原位置復帰駆動量として200ステップ以上の駆動量(例えば250ステップ)が設定され、通常動作状態において可動位置にある第2可動体112を原位置に戻す際に対応する第2駆動モータM2を300ステップ分の通常駆動量で駆動するよう設定された場合には、動作異常に第2可動体112を可動位置から原位置に戻す原位置復帰駆動量として300ステップ以上の駆動量(例えば380ステップ)が設定される。また、第3〜第6可動体113〜116についても同様に、動作異常に第3〜第6可動体113〜116を可動位置から原位置に戻す原位置復帰駆動量は、通常動作状態において可動位置にある対応の第3〜第6可動体113〜116を原位置に戻すのに必要な駆動モータM3〜M6の通常駆動量以上に設定される。
そして、可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、原位置に戻す可動体111〜116に合わせて設定された原位置復帰駆動量(ステップ数)で駆動するよう演出制御CPU65aが対応の駆動モータM1〜M6に制御信号を出力して、駆動モータM1〜M6の駆動を制御するようになっている。すなわち実施例では、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該可動体111〜116の判定時点における位置に関わらず、原位置復帰駆動量で対応の駆動モータM1〜M6を動作させて可動体111〜116を原位置に戻すように演出制御CPU65aに制御される。このように、可動位置から原位置へ可動体111〜116を移動させるのに要する通常駆動量以上の原位置復帰駆動量で駆動モータM1〜M6を駆動することで、動作異常が生じている可動体111〜116を原位置まで戻しやすくしている。ここで、通常動作状態での通常駆動量と、動作異常状態での原位置復帰駆動量の差は、通常駆動量の値に応じて適宜に定めることができ、通常駆動量が大きく設定された可動体111〜116ほど、原位置復帰駆動量との差が大きくなるよう設定することが好適である。
また、実施例のパチンコ機10では、可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、パチンコ機10の遊技の進行状態に関わらず異常停止処理が行われるよう構成されている。すなわち、可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた表示演出が演出表示装置17で行われている間に演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、当該表示演出が行われる途中において当該動作異常の発生した可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動させるように制御される。同様に、LED121a〜126aにより可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた発光演出が行われている間に演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、当該発光演出が行われる途中において当該動作異常の発生した可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動させるように制御される。このように、遊技演出の進行状態に関わらず異常停止処理を実行することで、動作異常の発生した可動体111〜116を含む可動体を速やかに原位置まで戻すことができ、当該可動体111〜116が遊技演出(表示演出や発光演出)の妨げにならないようにしている。
また、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、パチンコ機10で行われる遊技演出が終了した後に異常停止処理が行われるよう構成することも可能である。この場合には、可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた表示演出が演出表示装置17で行われている間に演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、当該可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた表示演出が終了した後(すなわち図柄変動演出の終了後)に当該動作異常の発生した可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動させるように制御される。同様に、LED121a〜126aにより可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた発光演出が行われている間に演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、当該可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた発光演出が終了した後(すなわち図柄変動演出の終了後)に当該動作異常の発生した可動体111〜116を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動させるように制御される。このように、可動演出を伴う遊技演出が行われている途中で可動体111〜116の動作異常が発生した場合に、遊技演出(表示演出や発光演出)が終了した後に動作異常の発生した可動体を原位置に戻すことで、遊技演出の途中で可動体111〜116が原位置に戻る不自然さをなくすことが可能である。
(解除条件について)
ここで、実施例のパチンコ機10では、可動演出を行う際に可動体111〜116内の何れかに動作異常が発生した場合に、動作異常の発生(演出制御CPU65aによる動作異常の判定)から所定の駆動停止時間が経過することで、前記駆動モータM1〜M6の駆動停止を演出制御CPU65aが解除し得るよう構成されている。このように、実施例では、動作異常の発生(演出制御CPU65aによる動作異常の判定)から所定の駆動停止時間が経過することが、前記駆動モータM1〜M6の駆動停止を解除する解除条件と設定されている。すなわち、パチンコ機10に対する振動等に起因して駆動モータM1〜M6の脱調が生じることにより可動体111〜116内の何れかに動作異常が発生した場合のように、一定時間が経過することで動作異常が発生する要因が解消される場合がある。このような場合には、動作異常の発生から駆動停止時間が経過することにより駆動モータM1〜M6の駆動停止を解除することで、駆動モータM1〜M6の駆動停止された可動体111〜116による可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた可動演出を早期に再開することができる利点がある。
具体的に、実施例のパチンコ機10では、演出制御基板65に駆動停止時間を計測するタイマ手段66が設けられており、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した場合に当該タイマ手段66が駆動停止時間の計測を開始するよう構成されている。そして、前記タイマ手段66が駆動停止時間を計測することで、前記演出制御CPU65aが前記駆動停止フラグをクリア(「0」に設定)するよう構成され、可動演出パターンKP1〜KP3に定められた動作タイミングで各駆動モータM1〜M6を駆動するよう演出制御CPU65aが制御可能となるよう構成されている。ここで、駆動停止時間は任意に設定することができるが、実施例ではタイマ手段66が駆動停止時間として5分間を計測するよう構成してある。なお、可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて駆動モータM1〜M6を駆動した際に、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、前述したように、次に解除条件が成立するまでの間、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6の可動演出パターンKP1〜KP3に基づく駆動を停止するように前記演出制御CPU65aが制御するよう構成されている。
また、実施例のパチンコ機10では、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した回数を計数する累積カウンタ67が演出制御基板65に設けられている。この累積カウンタ67は、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定する毎にカウント値が増加するよう構成されており、当該累積カウンタ67のカウント値が所定の閾値に達した場合には、タイマ手段66が駆動停止時間を計測した際に駆動モータM1〜M6の駆動停止を演出制御CPU65aが解除しないよう構成されている。すなわち、前記演出制御CPU65aが前記駆動停止フラグをクリア(「0」に設定)しない(当該フラグを「1」に維持する)よう構成され、可動演出パターンKP1〜KP3に定められた動作タイミングで駆動モータM1〜M6を駆動しないようになっている。なお、実施例では前記閾値が3回に設定されており、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と2回判定した以降は駆動停止時間の経過により駆動モータM1〜M6の駆動停止が解除されないよう構成してある。すなわち、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定する回数が一定回数を超えるような場合は、動作異常が発生する要因が一定時間の経過により解消されるものではないとして演出制御CPU65aに判断され、駆動モータM1〜M6の駆動停止を維持するようになっている。
また、実施例のパチンコ機10では、可動演出を行う際に可動体111〜116内の何れかに動作異常が発生した場合に、起動処理の実行を指示するリセット信号が演出制御基板65(演出制御CPU65a)に入力されることで、前記駆動モータM1〜M6の駆動停止を演出制御CPU65aが解除し得るよう構成されている。このように、起動処理の実行を指示するリセット信号の入力が、前記駆動モータM1〜M6の駆動停止を解除する解除条件として設定されている。すなわち、可動体111〜116内の何れかに動作異常が発生した要因がノイズ等である場合のように、パチンコ機10(演出制御基板65)の起動処理を実行することで動作異常が発生する要因が解消される場合がある。このような場合には、起動処理の実行を指示するリセット信号が入力されて演出制御基板65の起動処理を実行することにより駆動モータM1〜M6の駆動停止を解除することで、駆動モータM1〜M6の駆動停止された可動体111〜116による可動演出パターンKP1〜KP3に基づいた可動演出を再開することができる利点がある。
具体的に、パチンコ機10の電源投入(RAMクリアや復電時)に伴って電源基板200からリセット信号が演出制御基板65に入力された場合に実行される演出制御基板65の起動処理において、前記演出制御CPU65aが前記駆動停止フラグをクリア(「0」に設定)するよう構成されており、可動演出パターンKP1〜KP3に定められた動作タイミングで駆動モータM1〜M6を駆動するよう演出制御CPU65aが制御可能となるよう構成されている。また、演出制御基板65の起動処理において、前記累積カウンタ67のカウント値がクリアされるようになっている。なお、演出制御基板65の起動処理において、駆動停止フラグのクリアは、前記初期動作処理が行われる前に実行するよう構成されており、当該初期動作処理において前記演出制御CPU65aが駆動モータM1〜M6を駆動する初期可動信号を出力し得るよう構成されている。
(動作異常の報知について)
また、実施例のパチンコ機10は、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、演出制御CPU65aが報知手段を作動して可動体111〜116の動作異常を報知するよう構成されている。ここで、報知手段としては、演出表示装置17やスピーカ150、発光演出装置152等を採用することができる。例えば、報知手段として演出表示装置17を用いる場合には、演出表示装置17の表示部17aの縁部等に「可動体の動作異常」等の報知表示をするよう演出制御CPU65aが制御することで、当該演出表示装置17により動作異常の発生を報知することができる。また、報知手段としてスピーカ150を用いる場合には、当該スピーカ150から「可動体の動作異常」等の音声出力をしたり、通常の遊技演出では出力しない警報音等を発するよう演出制御CPU65aが制御することで、当該スピーカ150により動作異常の発生を報知することができる。更に、報知手段として発光演出装置152を用いる場合には、当該発光演出装置152のLED等の発光体を、通常の遊技演出とは異なる発光態様で発光させるよう演出制御CPU65aが制御することで、当該発光演出装置152により動作異常の発生を報知することができる。ここで、演出表示装置17やスピーカ150、発光演出装置152の全てを報知手段としてもよく、何れか1つまたは2つを報知手段とするようにしてもよい。また、各報知手段による報知態様は一例であり、動作異常の発生を報知し得る形態であれば任意に設定することができることは当然である。
実施例では、報知手段として前枠13に設けた発光演出装置152を採用しており、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該発光演出装置152を演出制御CPU65aが特定の発光態様で発光するようになっている。具体的には、前枠13の発光演出装置152の全ての発光体を特定の発光色(例えば赤色)で発光(点灯)させることで、動作異常の発生を報知するよう構成されている。
また、実施例のパチンコ機10では、前記動作異常時処理において演出制御CPU65aが判別する状態に応じて前記報知手段としての発光演出装置152を作動するよう構成されている。具体的に、演出制御CPU65aが判別する状態が演出制御基板65の起動処理の実行中である場合に、可動体111〜116の動作異常と判定するのを契機として所定の発光態様(報知態様)で発光演出装置152を作動するよう演出制御CPU65aが制御するよう構成されている。すなわち、演出制御基板65の起動処理が行われるケースの殆どは、遊技店の営業開始前にパチンコ機10に電源投入されることで行われることから、当該起動処理において動作異常と判定した場合に、当該動作異常を報知して適切な可動演出が実行されるように適切な対処を促すようにしてある。ここで、演出制御基板65の起動処理の実行中であるか否かは、当該起動処理の開始時に設定される起動処理フラグに基づいて演出制御CPU65aが判別することができる。すなわち、演出制御基板65の起動処理(初期動作処理)において動作異常が発生した場合の異常停止処理において起動処理フラグが設定されている場合に、演出制御CPU65aが発光演出装置152を作動して動作異常を報知するよう構成されている。
また、実施例では、前記演出制御CPU65aが判別する状態が起動処理後の遊技可能な状態である場合(起動処理の実行中でない場合)に、発光演出装置152による報知を行わないよう構成されている。すなわち、演出制御基板65の起動処理(初期動作処理)以外で動作異常が発生した場合の異常停止処理では、演出制御CPU65aが発光演出装置152を作動して動作異常を報知しないよう構成されている。このように、パチンコ機10が遊技可能な状態になった後は、発光演出装置152による報知を行わないことで、当該発光演出装置152の発光により可動演出以外の遊技演出(表示演出や発光演出)の妨げになるのを防止して、遊技に供し得るようにしてある。
ここで、前記演出制御CPU65aが判別する状態が、起動処理フラグがクリアされた起動処理後の遊技可能な状態である場合(起動処理の実行中でない場合)に、発光演出装置152による報知を実行可能に構成することも可能である。例えば、演出制御CPU65aが判別する状態としては、可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定する割合が高い遊技状態か否かを基準にして発光演出装置152を作動して動作異常を報知するよう構成することができる。ここで、遊技状態は、前述した確変情報フラグや変短情報フラグに基づいて演出制御CPU65aが判別することができる。
具体的に、遊技状態が通常状態(確変状態および変短状態の何れも付与されていない遊技状態)の場合に可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定する割合と、非通常状態(確変状態または変短状態)の場合に可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定する割合とで、何れか一方が低くなる(または一方を可動演出パターンKP1〜KP3が決定されないように)設定し、可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定する割合が高い遊技状態の場合に、報知手段17,150,152を作動して動作異常を報知するよう構成する。すなわち、可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定する割合が高い遊技状態の場合は、発光演出装置152により動作異常が報知されることで、早期に動作異常の解消することを促して可動演出の実行を再開させることが可能となる。また、可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定する割合が低い(または決定されない)遊技状態の場合は、可動演出が行われ難い(または行われない)ことから、発光演出装置152により動作異常が報知されないようにすることで、遊技演出を阻害するのを防ぐことができる。また、可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定する割合が低い遊技状態の場合に、発光演出装置152を作動して動作異常を報知するよう構成することも可能である。
更に、演出制御CPU65aが判別する状態として、前記デモ演出の実行可能期間か否かを基準にして報知手段17,150,152を作動することができる。ここで、デモ演出の実行可能期間か否かは、前述したデモ演出フラグに基づいて演出制御CPU65aが判別することができる。この場合には、デモ演出の実行可能期間の場合(デモ演出フラグが設定されている場合)にのみ報知手段17,150,152を作動して動作異常を報知するよう構成することで、遊技演出を阻害することなく動作異常を報知することができる。
(異常停止処理について)
次に、演出制御CPU65aが実行する前述した異常停止処理の一例を説明する。図14に示すように、異常停止処理では、可動体111〜116の何れかの動作異常か否かを演出制御CPU65aが判定し(ステップC11)、動作異常が発生していない場合には異常停止処理を終了する。可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、演出制御CPU65aが原位置復帰処理を実行する(ステップC12)。この原位置復帰処理では、動作異常が発生した可動体111〜116に応じた組み合わせの可動体を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動するように演出制御CPU65aが制御信号を出力する。そして、原位置復帰処理を実行すると、所定の解除条件が成立するまでの間、当該可動体111〜116を原位置に戻すように駆動した駆動モータM1〜M6の駆動を停止(禁止)する停止処理を実行する(ステップC13)。
この停止処理では、可動体111〜116を原位置に戻すように駆動した駆動モータM1〜M6に対応する可動体グループGR1〜GR3毎に、演出制御CPU65aが駆動停止フラグを設定するようになっている。すなわち、第1および第2可動体グループGR1,GR2の何れかに含まれる可動体111〜114の何れかに動作異常が発生した場合に、前記演出制御CPU65aが前記駆動停止フラグを第1の値(例えば「1」)に設定され、第3可動体グループGR3の何れかに含まれる可動体115〜116の何れかに動作異常が発生した場合に、前記演出制御CPU65aが前記駆動停止フラグを第2の値(例えば「2」)に設定される。これにより、可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて可動演出を実行する際に、駆動停止フラグに基づいて駆動を停止(禁止)する必要がある駆動モータM1〜M6を演出制御CPU65aが識別することができる。そして、駆動停止フラグが設定される間、可動体グループGR1〜GR3に含まれる可動体111〜116に対応する駆動モータM1〜M6に対する制御信号の出力を演出制御CPU65aが停止する(出力しない)ことで、駆動モータM1〜M6の駆動が停止した状態が維持される。
ここで、前記停止処理は、動作異常が発生した可動体111〜114と移動領域が重複する全ての可動体111〜114について原位置に戻すように各可動体111〜114に対応した駆動モータM1〜M4を駆動する原位置復帰処理を実行した後に実行するよう設定することができる。このように、動作異常が発生した可動体111〜114と移動領域が重複する全ての可動体について原位置に戻す原位置復帰処理の後に、対応の駆動モータM1〜M4の駆動を規制することで、原位置に戻す際に可動体111〜114同士が接触するのを防ぐことができる。また、前記異常停止処理は、復帰動作順序で実行するよう設定することもできる。すなわち、動作異常が発生した場合に、原位置に戻す可動体111〜116に対応する駆動モータM1〜M6毎に異常停止処理(原位置復帰処理および停止処理)を実行するようにしてもよい。このように、可動体111〜114を原位置に戻した後に駆動手段の駆動を禁止する処理を、復帰動作順序で実行することで、原位置に戻す際に可動体同士が接触するのを防ぐことができる。
また図14に示すように、停止処理を実行すると、報知手段(発光演出装置152)による動作異常の報知に関する報知処理を実行する(ステップC14,C15)。この報知処理では、所定の報知条件(実施例では、起動処理フラグが設定されている状態であること)が成立するか否かを演出制御CPU65aが判定して、報知条件が成立する場合(起動処理の実行中である場合)に、演出制御CPU65aが報知手段(発光演出装置152)を作動して動作異常を報知する一方、報知条件が成立しない場合(起動処理の実行中以外の場合)に、演出制御CPU65aが報知手段(発光演出装置152)を作動することなく異常停止処理を終了する。
このように、メイン制御CPU60aや演出制御CPU65aは、制御プログラムに基づいて制御処理を実行することで、各種の機能を発揮するようになっている。すなわち、始動部31,131,132への入賞(何れかの始動検出手段の検出に伴う始動条件の成立を契機として)を契機として入賞情報を取得する入賞情報取得手段、始動条件の成立を契機として当りか否か(当り遊技を生起するか否か)を判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出の終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて、前記図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の変動時間を特定する変動パターンを複数から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、第1特典遊技(確変状態)を付与するか否かを決定する第1特典遊技決定手段として機能すると共に、第1特典遊技(確変状態)の付与条件の成立を契機として当り遊技終了後に第1特典遊技を付与する第1特典遊技付与手段として機能するよう構成されている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、前記当り判定が当りの判定結果となることを契機として、前記第2始動部への遊技球の入球が容易な第2特典遊技状態(入球容易状態としての変短状態)を付与するか否かを決定する第2特典遊技状態決定手段(入球容易状態決定手段)として機能している。そして、入球容易状態を付与する場合に、入球容易状態を付与する期間を決定する付与期間決定手段として機能すると共に、第2特典遊技状態(入球容易状態としての変短状態)の付与条件の成立を契機として当り遊技終了後に変短状態を付与する第2特典遊技状態付与手段(入球容易状態付与手段)としても機能している。そして、メイン制御CPU60aは、所定の遊技状態特定情報を参照することで遊技状態を特定する遊技状態判定手段として機能する。なお、遊技状態特定情報としては、確変状態の付与状況を特定する情報や、変短状態の付与状況を特定する情報を設定することができ、特定情報の組み合わせにより複数の遊技状態を特定可能である。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、前記当り判定手段が当りの判定結果となることを契機として当り遊技を含む付与特典を決定する付与特典決定手段として機能する。
また、実施例のメイン制御CPU60aは、前記遊技領域21を流下するパチンコ球が所定の入球部(ゲート部45)に入球することを契機として開放作動を許容する開放判定手段として機能しており、当該開放判定手段が開放作動を許容する判定結果となることを契機に始動開閉部材38,136が開放作動することで第2始動口36に入賞可能になるよう構成されている。
また、前記メイン制御RAM60cは、第1始動部への遊技球の入球を契機として入球毎に取得した情報および前記第2始動部への遊技球の入球を契機として入球毎に取得した情報の夫々を始動保留情報として個別に複数記憶可能な記憶手段として機能する。具体的に、メイン制御RAM60cは、表示手段(演出表示装置17や第1特図表示部50A)において変動表示が行われている間に第1始動部への入球(第1始動入賞検出センサ75の検出)を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する記憶手段として機能し、表示手段(演出表示装置17や第2特図表示部50B)において変動表示が行われている間に第2始動部への入球(第2始動入賞検出センサ76の検出)を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する記憶手段として機能する。
また、演出制御CPU65aは、当り判定手段の判定結果に応じて前記演出表示手段等の演出実行手段で行わせる演出内容を決定する演出決定手段としての機能を有すると共に、決定した演出を実行させる演出実行制御手段として機能している。また、演出制御CPU65aは、可動体に対応して設けた駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段として機能すると共に、可動体に動作異常が発生したかを判定する動作異常判定手段として機能するようになっている。更に、演出制御CPU65aは、表示制御手段演出表示手段の表示を制御する演出表示制御手段として機能すると共に、可動体に備えた発光手段の発光を制御する発光制御手段として機能している。
そして、演出制御CPU65aは、可動体の動作異常と判定した際の状態を判別する状態判別手段として機能する。また、演出制御RAM65cは、状態判別手段としての演出制御CPU65aが動作異常と判定した際の状態を判別するための判別情報を記憶する判別情報記憶手段として機能すると共に、演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cに対して判別情報を記憶させる判別情報設定手段としても機能している。なお、判別情報としては、具体的に起動処理フラグや確変情報フラグ、変短情報フラグ、デモ演出フラグ等が挙げられるが、これに限られるものではなく、動作異常と判定した際に判別を必要とするために設定される各種情報が含まれる。また、演出制御CPU65aは、報知手段の作動を制御する報知制御手段として機能している。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
遊技者による操作ハンドル16の操作により左打ちの遊技形態において遊技が行われることで、前記遊技盤20の遊技領域21(第1球流下領域21a)に打ち出されたパチンコ球が第1始動部31の第1始動口32へ入賞すること(第1の開始条件の成立)を契機として取得した第1始動保留情報に基づいて特図当り判定が行われる。また、前記遊技盤20の遊技領域21(第2球流下領域21b)に打ち出されたパチンコ球が第2始動部35の第2始動口36へ入賞すること(第2の開始条件の成立)を契機として取得した第2始動保留情報に基づいて特図当り判定が行われ、当該特図当り判定の結果に応じて決定される特図変動パターンに応じて、演出制御CPU65aが演出パターンを決定することで、決定された演出パターンに基づいた演出(演出表示装置17における図柄変動演出や可動体111〜116による可動演出、LED121a〜126aや発光演出装置152による発光演出、スピーカ150からの音演出等)が行われる。そして、当該特図当り判定が特図当りの判定結果となることで、成立した開始条件に応じた特図当り図柄の何れかがメイン制御CPU60aにより決定されて、図柄変動演出(特図変動表示)が行われた後に、特図当り図柄に応じた種類の特典(当り遊技や、当り遊技後の確変状態や変短状態)が付与される。
このように、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定していない状態では、演出パターンとして可動表示演出および可動発光演出を特定する可動演出パターンKP1〜KP3が決定された場合に、当該演出制御CPU65aの制御に基づいて駆動モータM1〜M6を駆動することで可動体111〜116による可動演出が行われると共に演出表示装置17で表示演出が行われ、更には発光制御基板72の制御に基づいてLED121a〜126aによる発光演出が行われる。すなわち、可動体111〜116の動作異常と判定していない状態では、決定された可動演出パターンKP1〜KP3に定めた動作タイミングで駆動モータM1〜M6を動作するよう演出制御CPU65aが駆動信号を出力すると共に、当該可動演出パターンKP1〜KP3に定めた表示演出の内容を演出表示装置17で表示するよう演出制御CPU65aが表示制御基板72に演出制御信号を出力すると共に、当該可動演出パターンKP1〜KP3に定めた発光態様でLED121a〜126aを発光するよう演出制御CPU65aが発光制御基板72に発光制御信号を出力する。このように、可動体111〜116の動作異常と判定していない状態では、演出表示装置17での表示演出と、可動体111〜116の可動演出と、LED121a〜126aによる発光演出とを組み合わせた多彩な遊技演出を行い得るようになっている。
ここで、演出制御CPU65aが可動体111〜116の動作異常と判定した場合には、当該演出制御CPU65aが異常停止処理を実行して、所定の解除条件が成立するまでの間、当該動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6の駆動を停止するように演出制御CPU65aが制御している。すなわち実施例では、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6を、可動体グループGR1〜GR3を単位(より正確には連動演出部G1,G2を単位)として駆動を停止することで、可動体111〜116の動作により動作異常の原因が悪化するのを防止して、可動体111〜116の動作異常に伴う不具合を回避できる。また、解除条件が成立するまでの間、動作異常が発生した可動体111〜116以外の可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6の駆動を停止することで、他の可動体111〜116に動作異常が拡大するのを防止できる。
このように、可動体111〜116の動作異常が発生する前は、可動体111〜116での可動演出と、演出表示装置17での表示演出、LED121a〜126aでの発光演出とを組み合わせた遊技演出が可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて行われることで、遊技の興趣を高めることができる。また、可動体111〜116の動作異常が発生した後は、可動体111〜116の動作異常が発生する前と同じ条件で表示演出や発光演出を可動演出パターンKP1〜KP3に基づいて行うことで、遊技の興趣を損なうのを防ぎつつ、可動体111〜116の動作異常が発生した後は、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6の駆動を可動演出パターンに定めた動作タイミングで駆動しないようにすることで、動作異常が発生した可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6の駆動を停止することで、可動体111〜116の動作により動作異常の原因が悪化するのを防止して、可動体111〜116の動作異常に伴う不具合を回避できる。
また、第1可動体グループGR1に含まれる可動体111〜112は原位置に戻るように移動する際の移動領域が重複すると共に、同様に第2可動体グループGR2に含まれる可動体113〜114は原位置に戻るように移動する際の移動領域が重複している。そして、第1可動体グループGR1に含まれる可動体111〜112の何れかに動作異常が発生した場合には、第1可動体グループGR1に含まれる可動体111〜112に対応する駆動モータM1〜M2の全ての駆動が停止される。なお、第2可動体グループGR2に含まれる可動体113〜114の何れかに動作異常が発生した場合も同様である。すなわち、動作異常が発生した場合に、動作異常が発生した可動体111〜116と移動領域が重複する可動体グループGR1〜GR2毎の可動体111〜114に対応した全ての駆動モータM1〜M4の駆動を停止することで、可動体111〜114の接触を確実に防止できる。
また、第1可動体グループGR1および第2可動体グループG2に含まれる各可動体111〜114は、前記第1の連動演出部G1を構成し、当該4つの可動体111〜114により連動した可動演出が行われる。同様に、前記第3可動体グループG3に含まれる可動体115〜116は、前記第2の連動演出部G2を構成し、当該2つの可動体115〜116により連動した可動演出が行われる。すなわち動作異常が発生した場合に、動作異常が発生した可動体111〜116と連動して可動演出を実行する可動体グループGR1〜GR3(正確には連動演出部G1,G2毎)に含まれる可動体111〜116を単位とした全ての駆動モータM1〜M6の駆動を停止することで、複数の可動体111〜116(第1の連動演出部G1や第2の連動演出部G2)を利用した可動演出に不整合が生じたり、通常は起こりえない可動演出が外形上行われてしまうことを防止でき、遊技の興趣が損なわれるのを防ぐことができる。
このとき、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体グループGR1〜GR3とは別の可動体グループGR1〜GR3(より正確には他の連動演出部G1,G2を単位とする可動体グループGR1〜GR3)に含まれる可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6に関しては、所定の駆動条件(可動演出パターンKP1〜KP3)に基づいて駆動するようにすることで、解除条件が成立する前でも一定の可動演出を行うことができるから、遊技の興趣が損なわれるのを防止できる。すなわち、第1の連動演出部G1の可動体111〜114による可動演出が停止された状況下でも、第2の連動演出部G2の可動体115〜116による可動演出が許容され、第2の連動演出部G2の可動体115〜116による可動演出が停止された状況下でも、第1の連動演出部G1の可動体111〜114による可動演出が許容されることで、可動演出により遊技の興趣を高めることができる。このように、動作異常と判定された可動体グループGR1〜GR3(連動演出部G1,G2)とは別の可動体グループGR1〜GR3(連動演出部G1,G2)に含まれる可動体111〜116に対応した駆動モータM1〜M6を、動作異常と判定する以前の駆動条件で駆動させることで、動作異常が生じた状況下でも違和感の少ない遊技演出を行うことができる。また、別の可動体グループGR1〜GR3(連動演出部G1,G2)において通常通りの可動演出が行われることで、動作異常が生じたことを遊技者が気付き難くすることができる。
また、可動体111〜116の動作異常が発生することで実行される異常停止処理では、駆動モータM1〜M6を停止する停止処理の前に、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動する原位置復帰処理が行われる。このように、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体を原位置に戻すように対応の駆動モータM1〜M6を駆動することで、可動体111〜116が不自然な位置で停止してしまうのを防ぎ、可動体111〜116の動作以外の遊技演出が可動体111〜116で阻害されるのを防止できる。このとき、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6を、可動体グループGR1〜GR3を単位(より正確には連動演出部G1,G2を単位)として可動体111〜116を原位置に戻すよう駆動されることで、連動した可動演出を行う可動体111〜116の一部が不自然な位置で停止するのを防止できる。
ここで、動作異常に伴って可動体111〜116を原位置に戻す場合に、可動体111〜116を原位置へ戻すよう駆動を開始した駆動モータM1〜M6の駆動停止後に、復帰動作順序に定められた次の駆動モータM1〜M6の駆動を開始させることで、可動体111〜116同士の接触をより効果的に防ぐことができる。一方で、動作異常に伴って可動体111〜116を原位置に戻す場合に、可動体111〜116を原位置へ戻すよう駆動を開始した駆動モータM1〜M6の駆動途中で、復帰動作順序に定められた次の駆動モータM1〜M6の駆動を開始させることで、可動体111〜116同士の接触を効果的に防ぎつつも、各可動体111〜116を短時間で原位置まで戻すことが可能となる。
また、動作異常に伴って可動体111〜116を原位置に戻す場合には、可動位置から原位置へ可動体111〜116を移動させるのに要する通常駆動量以上に設定された原位置復帰駆動量で駆動モータM1〜M6を駆動するようにすることで、動作異常が発生した時点での各可動体111〜116の位置に関わらず、可動体111〜116を原位置まで戻すことができる。また、各可動体111〜116毎に対応する駆動モータM1〜M6の原位置復帰駆動量を定めることで、各駆動モータM1〜M6の原位置復帰駆動量を対応する可動体111〜116毎に最適化することができるから、動作異常に伴って各可動体111〜116を原位置に戻すのに適した駆動量で対応の駆動モータM1〜M6を駆動することが可能となる。すなわち、少ない駆動量で可動位置から原位置まで戻ることができる可動体に対する駆動モータを必要以上に駆動する必要がなく、当該モータの加熱等の不具合を防ぐことができる。
ところで、動作異常が発生した可動体111〜116を含む可動体に対応する駆動モータM1〜M6をランダムに駆動して可動体111〜116を原位置に復帰させた場合には、原位置に戻す際に相互に接触する可能性がある可動体111〜116同士が接触して所定の原位置まで復帰させ得ない事態が発生しかねない。ここで、実施例のように、動作異常の発生した可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6を、所定の復帰動作順序で駆動させることで、可動体111〜116同士の接触を効果的に防ぐことができる。すなわち、可動体グループGR1〜GR3毎に定められた復帰動作順序で、可動体111〜116同士の接触を効果的に防ぐことができ、また可動体グループGR1〜GR3毎に、動作異常ではない通常動作状態の時と同じ復帰動作順序で駆動モータM1〜M6駆動するよう設定することで、演出制御ROM65bの記憶容量を無駄に圧迫することはなく、遊技演出の実行に必要なデータやプログラム等の記憶領域を確保し得る。
また、演出表示装置17で表示演出が行われる間に可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該表示演出が行われる途中において可動体111〜116を原位置に戻すように駆動モータM1〜M6を駆動させるよう構成することにより、動作異常の発生した可動体111〜116を速やかに原位置まで戻すことが可能となる。一方で、演出表示装置17で表示演出が行われる間に可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該表示演出が終了した後に可動体111〜116を原位置に戻すように駆動モータM1〜M6を駆動させるよう構成することにより、表示演出の途中で可動体111〜116が不自然に動作するのを防止することが可能となる。
同様に、LED121a〜126aにより発光演出が行われる間に可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該発光演出が行われる途中において可動体111〜116を原位置に戻すように駆動モータM1〜M6を駆動させるよう構成することにより、動作異常の発生した可動体111〜116を速やかに原位置まで戻すことが可能となる。一方で、LED121a〜126aで発光演出が行われる間に可動体111〜116の動作異常と判定した場合に、当該発光演出が終了した後に可動体111〜116を原位置に戻すように駆動モータM1〜M6を駆動させるよう構成することにより、発光演出の途中で可動体111〜116が不自然に動作するのを防止することが可能となる。
また、前記異常停止処理は、可動体111〜116の動作異常と判定した場合に演出制御CPU65aが判別する状態に応じて実行されることで、動作異常の原因が悪化するのを防止して可動体111〜116の動作異常に伴う不具合を回避できる。また、動作異常が発生した場合に、演出制御CPU65aが判別する状態に合わせて報知手段としての発光演出装置152を作動することで、可動体111〜116の動作異常を遊技店の作業者に報知することができる。ここで、演出制御基板65の起動処理の実行時に可動体111〜116の動作異常が生じた場合に発光演出装置152が報知するよう構成することで、作業者が速やかに可動体111〜116の動作異常を認識して適切に対処することができる。一方で、遊技機の起動処理が行われて遊技が可能な状態となっている場合に発光演出装置152が報知を行わないよう構成することで、発光演出装置152による報知により遊技の進行が妨げられるのを防止できる。
(別実施例1)
次に、別実施例1に係るパチンコ機の構成を説明する。なお、基本的構成は前述の実施例に係るパチンコ機10と同じであるから、異なる部分についてのみ説明する。
前述した実施例では、可動体111〜116を原位置から可動位置に向けて移動させる駆動モータM1〜M6の通常駆動量および原位置復帰駆動量は、各可動体111〜116毎に予め設定するよう構成したが、別実施例1では、演出制御CPU65aが判別する状態に応じて、可動体111〜116を原位置から可動位置に向けて移動させる駆動モータM1〜M6の通常駆動量および原位置復帰駆動量が異なるよう設定される。この場合に、各原位置復帰駆動量は、演出制御CPU65aが判別する状態に応じた通常駆動量以上に設定されている。
ここで、演出制御CPU65aが判別する状態としては、前述と同様に、演出制御基板65の起動処理の実行中であるか否か判別したり、遊技状態を判別したり、デモ演出の実行可能期間解中を判別することが挙げられ、これらの場合毎に通常駆動量および原位置復帰駆動量を異ならせるよう設定される。例えば、演出制御CPU65aが判別する状態が演出制御基板65の起動処理の実行中である場合の通常駆動量(第1通常駆動量)を、演出制御CPU65aが判別する状態が起動処理以外の状態である場合の通常駆動量(第2通常駆動量)よりも大きく設定することで、初期動作処理の初期動作チェックにおいて各可動体111〜116を十分に動作させて動作異常がないかを確認することができる。この場合に、演出制御CPU65aが判別する状態が演出制御基板65の起動処理の実行中である場合の原位置復帰駆動量(第1原位置復帰駆動量)は、前記第1通常駆動量以上に設定され、演出制御CPU65aが判別する状態が起動処理以外の状態である場合の原位置復帰駆動量(第2原位置復帰駆動量)は、前記第2通常駆動量以上に設定される。なお、演出制御CPU65aが判別する状態としては、前述したものに限られるものではない。
そして、動作異常と判定した場合には、異常停止処理において演出制御CPU65aが判別する状態に応じて設定された復帰駆動量で可動体111〜116を原位置に戻すように駆動モータM1〜M6を駆動させるよう構成されている。このように、可動体111〜116の動作異常が発生した場合には、演出制御CPU65aが判別する状態に応じて設定された適切な原位置復帰駆動量で駆動モータM1〜M6を駆動して、可動体111〜116を原位置に戻すことができる。
(別実施例2)
次に、別実施例2に係るパチンコ機の構成を説明する。なお、基本的構成は前述の実施例に係るパチンコ機10と同じであるから、異なる部分についてのみ説明する。
前述した実施例では、演出制御CPU65aが判別する状態に関わらず各可動体111〜116を動作させ得るよう構成されているが、別実施例2では、演出制御CPU65aが判別する状態に応じて、可動可能な可動体111〜116(可動体グループGR1〜GR3)が異なる(一致しない)よう構成されている。例えば、演出制御CPU65aが判別する状態として、遊技状態が通常状態(確変状態および変短状態の何れも付与されていない遊技状態)の場合に、特図変動パターンに基づいて前記可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定し得るよう構成される一方で、演出制御CPU65aが判別する状態として、遊技状態が非通常状態(確変状態または変短状態)の場合に、特図変動パターンに基づいて前記可動演出パターンKP1のみを演出制御CPU65aが決定し得るよう構成することができる。なお、演出制御CPU65aが判別する状態が通常状態の場合に、特図変動パターンに基づいて前記可動演出パターンKP2,KP3のみを演出制御CPU65aが決定し得るよう構成すると共に、演出制御CPU65aが判別する状態が非通常状態(確変状態または変短状態)の場合に、特図変動パターンに基づいて前記可動演出パターンKP1のみを演出制御CPU65aが決定し得るよう構成して、演出制御CPU65aが判別する状態に応じて可動可能な可動体111〜116を完全に異ならせるようにしてもよい。
そして、動作異常と判定した場合には、異常停止処理において演出制御CPU65aが判別する状態に応じて移動可能に定めた可動体111〜116を原位置に戻すように対応する駆動モータM1〜M6を駆動させるよう構成されている。すなわち、前述の例において、演出制御CPU65aが判別する状態が通常状態の場合に特図変動パターンに基づいて前記可動演出パターンKP1〜KP3を演出制御CPU65aが決定し得る構成では、動作異常と判定した場合に、第1〜第6可動体111〜116の内で、動作異常と判定された可動体111〜116を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M6を、可動体グループGR1〜GR3を単位(より正確には連動演出部G1,G2を単位)として可動体111〜116を原位置に戻すよう駆動される。一方で、演出制御CPU65aが判別する状態が非通常状態の場合に特図変動パターンに基づいて前記可動演出パターンKP1のみを演出制御CPU65aが決定し得る構成では、動作異常と判定した場合に、第1〜第4可動体111〜116の内で、動作異常と判定された可動体111〜114を含む可動体に対応した駆動モータM1〜M4を、可動体グループGR1〜GR2を単位(より正確には連動演出部G1を単位)として可動体111〜114を原位置に戻すよう駆動される。なお、この場合は、動作異常と判定した場合に常に第1〜第4駆動モータM1〜M4が駆動されることになる。このように、可動体111〜116の動作異常が発生した場合に、演出制御CPU65aが判別する状態に応じて移動可能に定めた可動体111〜116に対応する駆動モータM1〜M6を駆動することで、必要な可動体111〜116を原位置に戻すことができる。
(変更例)
なお、遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、複数備えた何れかの可動体の動作異常と判定した場合に、所定の解除条件が成立するまでの間、当該動作異常が発生した可動体を含む複数の可動体に対応した駆動モータの駆動を停止するよう構成したが、動作異常が発生した可動体に対応した駆動モータの駆動だけを停止するようにしてもよい。例えば、実施例では、第1可動体111の動作異常の場合に、第1〜第4可動体111〜114に対応する駆動モータM1〜M4の駆動を停止したが、第1可動体111に対応する第1駆動モータM1の駆動のみを停止するようにしてもよい。
(2) 実施例では、何れかの可動体の動作異常と判定した場合に、所定の解除条件が成立するまでの間、当該動作異常が発生した可動体が含まれる可動体グループの可動体に対応した駆動モータと、動作異常が発生した可動体が含まれる可動体グループとは別の可動体グループの可動体に対応した駆動モータとを駆動停止させるように構成したが、可動体グループの単位で対応する駆動モータを駆動停止させるようにすることもできる。例えば、実施例で第1可動体グループGR1に含まれる第1または第2可動体111〜112の動作異常の場合に、第1および第2可動体グループGR1〜GR2に含まれる第1〜第4可動体111〜114に対応する駆動モータM1〜M4の駆動を停止したが、この場合に第1可動体グループGR1に含まれる第1および第2可動体111〜112に対応する駆動モータM1〜M2の駆動のみを停止するようにしてもよい。この場合は、第1可動体グループGR1に含まれる可動体が相互に接触するのを防止できる。なお、第2可動体グループGR2に含まれる第3〜第4可動体113〜114の動作異常の場合にも同様に構成することができる。
(3) 実施例では、複数備えた何れかの可動体の動作異常と判定した場合に、動作異常が発生した可動体以外の一部の可動体に対応した駆動モータの駆動を許容するよう構成したが、全ての可動体に対応した駆動モータの駆動を停止する構成も採用できる。例えば、実施例では、第1可動体111の動作異常の場合でも、第5〜第6可動体115〜116に対応する駆動モータM5〜M6の駆動を許容するよう構成したが、当該第5〜第6可動体115〜116に対応する駆動モータM5〜M6の駆動も停止するようにしてもよい。
(4) 可動体グループに含まれる可動体の数は2つに限られるものではなく、津以上にすることができる。また複数の可動体グループにおける各可動体グループに含まれる可動体の数を異ならせてもよい。例えば、実施例の第2可動体グループG2に3つの可動体が含まれるよう構成し、第3可動体グループに4つの可動体が含まれるようにすることもできる。また可動体グループは、1つの可動体で構成するようにしてもよい。
(5) 実施例の異常停止処理は、動作異常が発生した可動体を原位置に戻すように対応した駆動モータを駆動する原位置復帰処理と、当該原位置復帰処理を実行した後に行われて所定の解除条件が成立するまで動作異常が発生した可動体に対応する駆動モータの駆動を規制する停止処理を実行するようにしたが、原位置復帰処理を省略してもよい。例えば、一定位置で回転する可動体のように、可動演出に伴って位置が移動しない可動体は、可動体を原位置に戻さない状態でも他の遊技演出を妨げ難いことから、当該可動体を原位置に戻すことなく対応する駆動モータの駆動を規制することができる。
(6) 実施例では、動作異常と判定した場合に可動体を原位置に戻すように駆動する駆動モータの駆動量(原位置復帰駆動量)を、動作異常と判定していない場合に可動位置から原位置へ可動体を移動させるのに要する駆動量(通常駆動量)よりも大きくなるよう設定したが、原位置復帰駆動量と通常駆動量とを同じ値にすることもできる。
(7) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例1では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例1のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(8) また、演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を演出制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、演出制御手段(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、演出制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(9) 演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(10) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。なお、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を備えた遊技機に対して好適に適用することができる。
例えば、スロットマシン機(回胴式遊技機)は、前方へ開口する箱状の筐体に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能にヒンジ接続され、図柄が配列された複数のリール(回転体)が前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、所定数の遊技メダルを投入した状態(遊技開始待機状態)で遊技者が所定の開始操作手段(スタートレバー)の操作を行うことを始動条件として、当該始動条件の成立を契機にリール(回転体)が回転して図柄が変動開始すると共に当否に関連した当り判定を行い、所定の停止操作手段(ストップボタン)の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止制御を実行し、停止した図柄の組み合わせによって遊技利益が付与されるように制御される遊技機である。
また、本願には例えば次の技術的思想が含まれている。
請求項2記載の構成を含む遊技機に関し、
前記発光手段(121a〜126a)で発光演出が行われる間に前記動作異常判定手段(65a)が可動体(111〜116)の動作異常と判定した場合に、当該発光演出が行われる途中において当該動作異常の発生した可動体(111〜116)を原位置に戻すように対応の駆動手段(M1〜M6)を駆動させるように前記駆動制御手段(65a)が制御することを要旨とする。
これによれば、動作異常の発生した可動体を速やかに原位置まで戻すことが可能となる。