本発明の実施の形態について図面を参照して以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の右遊技領域における遊技球の移動を示す図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。なお、この実施の形態では、ガラス窓枠102の一部(右遊技領域7aに対応する部分)が不透明な前面装飾部材390で構成されている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
遊技盤6は、遊技領域7が遊技盤6の遊技盤面6a側に形成された透光性の合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と、所定の厚み幅寸法を有する非透光性の合成樹脂材からなり、盤面板を取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材(図示略)と、から構成され、遊技盤6の背面側には、遊技盤6を背面から装飾する装飾ユニット(図示略)が遊技盤6に対して着脱可能に取り付けられている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、図3に示す演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15a及び第2入賞確認スイッチ15bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bの検出結果及び第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別可変入賞球装置20Aが設けられている。第1特別可変入賞球装置20Aは大入賞口扉20b(図2参照)を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21aによって大入賞口扉20bが開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口20a(図2参照)が開放状態になる。
第1大入賞口20a内には、第1大入賞口20a内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1カウントスイッチ23aと第3入賞確認スイッチ23b)が設けられている。この実施の形態では、第1大入賞口20a内で、第1カウントスイッチ23aと第3入賞確認スイッチ23bとが配置されている(本例では、第1カウントスイッチ23aが上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23bが下側に配置されている)。従って、この実施の形態では、第1大入賞口20a内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1カウントスイッチ23aで検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23bで検出される。
第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置20Aにおいて開放状態となった第1大入賞口20aを遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置20Aにおいて第1大入賞口20aが開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態(有利状態)となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置20Aにおいて第1大入賞口20aが閉鎖状態となれば、第1大入賞口20aに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態(不利状態)となる。
また、図2に示すように、可変入賞球装置15の右斜め上方には、第2特別可変入賞球装置20Bが設けられている(図1では、前面を前面装飾部材390に覆われている)。第2特別可変入賞球装置20Bは可動板20dを備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21bによって可動板20dが開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口20cが開放状態になる。
第2大入賞口20c内には、第2大入賞口20c内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2カウントスイッチ24aと第4入賞確認スイッチ24b)が設けられている。この実施の形態では、第2大入賞口20c内で、第2カウントスイッチ24aと第4入賞確認スイッチ24bとが配置されている(本例では、第2カウントスイッチ24aが上側に配置され、第4入賞確認スイッチ24bが下側に配置されている)。従って、この実施の形態では、第2大入賞口20c内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2カウントスイッチ24aで検出され、次いで第4入賞確認スイッチ24bで検出される。
第2カウントスイッチ24aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて開放状態となった第2大入賞口20cを遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて第2大入賞口20cが開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態(有利状態)となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて第2大入賞口20cが閉鎖状態となれば、第2大入賞口20cに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態(不利状態)となる。
図1に戻り、第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における第1特別可変入賞球装置20Aの開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
第1特別可変入賞球装置20Aの周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや第1大入賞口20a、第2大入賞口20cも、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第2特別入賞球装置20Bの周辺には遊技球が進入しない領域が形成されており、この領域に、遊技中に動作する可動装置40(可動演出機構)が設けられている。また、遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
図1では、図示を省略しているが、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「第1大当り」または「第2大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、第1特別可変入賞球装置20Aの大入賞口扉20bが、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて第1大入賞口20aを開放状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置20Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に第1大入賞口20aを開放状態とした大入賞口扉20bは、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に第1大入賞口20aを閉鎖状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置20Aを遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。
そして15ラウンド大当り状態では、第1大入賞口20aの開放サイクルであるラウンドの実行回数が所定ラウンド数(例えば「14」)となり、残りの1ラウンドは第2大入賞口20cが開放状態とされるラウンドとされている。例えば、所定ラウンド(この実施の形態では第9ラウンド)を除く第1〜8、10〜15ラウンドでは第1大入賞口20aが開放状態となり、所定ラウンドである第9ラウンドでは第2大入賞口20cが開放状態となる。
具体的には、特図ゲームにおける確定特別図柄として「第1大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第1大当り状態に移行する。第1大当り状態における第9ラウンドでは、第2特別可変入賞球装置20Bの可動板20dが、第2大当り状態における第2期間よりも短い第1期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口20cを開放状態とする制御を15回繰り返すことにより、第2特別可変入賞球装置20Bを遊技者にとって有利な第1状態(有利状態、開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に第2大入賞口20cを開放状態とした可動板20dは、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に第2大入賞口20cを閉鎖状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置20Bを遊技者にとって不利な第2状態(不利状態、閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。
このような第1大当り状態における第9ラウンドでは、第2大入賞口20cに遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、第2大入賞口20cの開放期間が第1期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第1大当り状態における第9ラウンドは実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第1大当り状態は第1特定遊技状態ともいう。
一方、特図ゲームにおける確定特別図柄として「第2大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第2大当り状態に移行する。第2大当り状態における第9ラウンドでは、第2特別可変入賞球装置20Bの可動板20dが、第1大当り状態における第1期間よりも長い第2期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口20cを開放状態とする制御を行うことにより、第2特別可変入賞球装置20Bを遊技者にとって有利な第1状態(有利状態、開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に第2大入賞口20cを開放状態とした可動板20dは、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に第2大入賞口20cを閉鎖状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置20Bを遊技者にとって不利な第2状態(不利状態、閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。
このような第2大当り状態における第9ラウンドでは、第2大入賞口20cに遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるとともに、第2大入賞口20cの開放期間が第2期間(29.5秒間)であるため、第2大当り状態における第9ラウンドは実質的には出玉(賞球)が得られる大当り遊技状態である。なお、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。
また、第2大当り状態は、第1大当り状態に比べて、第2大入賞口20cの開放ラウンドの実行回数が多いものであってもよい。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで第2大入賞口20cを開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも長い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも多い第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、「第1大当り」または「第2大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態、第2大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば30回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
そして第1大当り状態及び第2大当り状態において、第2大入賞口20cに遊技球が所定球数(例えば、1球)以上入賞した場合には、当該第1大当り状態及び第2大当り状態が終了した後に、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。
すなわち、この実施の形態では、第1大当り状態及び第2大当り状態のいずれにおいても、第2大入賞口20cに遊技球が入賞して当該大当り状態の終了後に確変状態に移行する可能性及び第2大入賞口20cに遊技球が入賞せずに当該大当り状態の終了後に確変状態に移行しない可能性があるが、第2大当り状態では、大当り状態中に第2大入賞口20cに遊技球が入賞する可能性が第1大当り状態よりも高い。
ここで、図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機1の遊技領域7は、演出表示装置9を中心として左右に分かれており、演出表示装置9の左側に打ち込んだ遊技球は左領域7aを流下し、右側に打ち込んだ遊技球は右領域7bを流下し、遊技領域7の下部で合流するようになっている。右領域7bに打ち込まれた遊技球の大半は、下方に向けて流下する遊技球を左右方向に誘導可能な誘導通路部材650a〜650cに形成された誘導面及び障害釘K,K1等により、後述する第2特別可変入賞球装置20Bの第2大入賞口20cの前方を通過するように構成されている。尚、特に図示はしないが、右打ちの場合は第1始動入賞口13aに遊技球が入賞しないように障害釘K1等が配列されている。
また、第2大入賞口20cに入賞しなかった遊技球は、さらに可変入賞球装置15に向けて誘導され、開放状態であれば入賞するようになっている。さらに、可変入賞球装置15に入賞しなかった遊技球は、さらに第1可変入賞球装置20Aに向けて誘導され、開放状態であれば入賞するようになっている。
よって、大当り遊技中は右打ちして右領域7bに遊技球を打ち込めば、第2特別可変入賞球装置20B及び可変入賞球装置15を通過し、入賞しなければ第1可変入賞球装置20Aに誘導されるようになっている。また、第9ラウンドでは、右打ちされた遊技球の大半が第2特別可変入賞球装置20Bの前方を通過するので、第2特別可変入賞球装置20Bに遊技球が入賞するチャンスとなる。
尚、この実施の形態では、特図ゲームにおける表示結果として第1大当り結果及び第2大当り結果が表示される確率は例えば約1/250であり、第1特図ゲームでは大当り時に約50%の割合で第1大当り結果、約50%の割合で第2大当り結果が表示され、また、第2特図ゲームでは大当り時に約20%の割合で第1大当り結果、約80%の割合で第2大当り結果が表示されるようになる。つまり、第2特図ゲームの方が第2大当り状態となる確率が高いので第1特図ゲームに比べて遊技者にとって有利であるが、通常状態において右打ちして場合、普図ゲームが開始されても時短制御は行われないので、第2始動入賞口13bに入賞することは殆どないとともに、第1始動入賞口13aへの流下が規制され不可であるので、通常状態では左領域7aに打ち込んで第1始動入賞口13aに入賞させる方が右領域7bに打ち込むよりも遊技者にとって有利となる。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口13bに遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口13bは、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、確変状態は、高確高ベース状態とも称される遊技状態である。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、第1カウントスイッチ23a、第3入賞確認スイッチ23b、第2カウントスイッチ24a、第4入賞確認スイッチ24bおよび各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1特別可変入賞球装置20Aを開閉するソレノイド21a、第2特別可変入賞球装置20Bを開閉するソレノイド21bと、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU(図示略)は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU(図示略)は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
さらに、演出制御用CPU(図示略)は、出力ポート(図示略)を介して可動装置ドライバ基板33に対して可動装置40を駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポートを介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。加えて、演出制御用CPUは、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
可動装置ドライバ基板33において、可動装置40を駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介して可動装置ドライバに入力される。可動装置ドライバは、駆動信号を可動装置40に出力する。なお、例えば可動装置40の動作姿勢を検出する姿勢検出センサなどが可動装置40に設けられている場合には、可動装置ドライバ基板33は、姿勢検出センサなどからの信号を入力し、入力した情報と演出制御基板80からの情報とに基づいて可動装置40を駆動する信号を出力するものとすればよい。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、第2特別可変入賞球装置20Bについて、図4〜図12に基づいて説明する。図4は、第2特別可変入賞装置20B周辺の構成の概要を示す図である。図5は、パチンコ遊技機1における第2特別可変入賞装置20Bの取り付け関係を後方から示す分解斜視図である。図6は、(a)は第2特別可変入賞球装置の開放状態を示す斜視図であり、(b)はベース部材を介して第2特別可変入賞球装置を示す斜視図である。図7は、第2特別可変入賞球装置の内部構造を示す分解斜視図である。図8は、(a)は可動板を示す斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)のA−A断面図、(d)は(b)のB−B断面図である。図9は、(a)は開放状態の第2特別可変入賞球装置の断面図、(b)は閉鎖状態の第2特別可変入賞球装置の断面図、(c)はガイド溝を示す図である。図10は、図9(b)のC−C断面図である。図11は、図9(b)のD−D断面図である。図12は、第2特別可変入賞球装置の遊技球の移動を説明するための図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右方向を説明する。
図2及び図4に示すように、パチンコ遊技機1の右遊技領域7bでは、遊技盤6の遊技盤面6aの一部を構成するベース部材380(ベース体)の前面に誘導通路部材650a〜650cが配設され、右遊技領域7bを流下する遊技球が第2特別可変入賞装置20Bの第2大入賞口20cの前方を通過しやすいように構成されている。この実施の形態では、第2特別可変入賞装置20Bや誘導通路部材650a〜650cの前面は、不透明な前面装飾部材390によって覆われており、遊技者が視認できないように構成されている(図1参照)。なお、第2特別可変入賞装置20B周辺の前面は不透明の前面装飾部材390で覆われるものに限定されず、前面装飾部材390の一部だけ(例えば第2特別可変入賞装置20Bの周辺だけ)を透明または半透明の部材で形成したり、こうした前面装飾部材390を設けないものとしてもよい。
図5に示すように、ベース部材380(ベース体)には、遊技球が進入可能な開口381が盤面に形成され、この開口から前方に臨むように第2特別可変入賞球装置20Bが後側から取り付けられている。また、ベース部材380には、誘導通路部材650a〜650cによって遊技球が進入不能な領域に開口382が形成されており、この開口から遊技者側に臨むように可動装置40が取り付けられている。可動装置40は、支持用部材384を介してベース部材380に後側から取り付けられている。また、可動装置40は、駆動源としてソレノイド430を備えており、このソレノイド430は、カバー450を介して支持用部材384に取り付けられている。可動装置40の詳細については後述する。
図6及び図7に示すように、第2特別可変入賞球装置20Bは、前面に遊技球が進入可能な第2大入賞口20cが形成された本体部300と、本体部300の外側を覆うように配設される透光性を有する合成樹脂材からなるカバー部材301と、本体部300内に設けられるソレノイド21bと、ソレノイド21bの動力を伝達する伝達部材302と、伝達部材302を介してソレノイド21bに連結される可動板20dと、本体部300に取り付けられて本体部300への遊技球の進入を規制する揺動部材350と、第2大入賞口20cから進入した遊技球を検出する第2カウントスイッチ24aと、第2大入賞口20cに連通する大入賞通路305を背面側から照らす装飾用LED304aが前面に設けられたLED基板304と、から主に構成されている。
本体部300は、透光性を有する合成樹脂材により形成された左右一対の通路部材300a,300bが組み合わされて構成されている。通路部材300a,300bのそれぞれは、前後方向に向けて立設される側壁300cと該側壁300cの対向面に(つまり、内側に)立設される複数の板部300dとからなり、各通路部材300a,300bを互いに付き合わせることにより前面及び下面が開口する筒状の本体部300が構成される。
本体部300の内部には、図9〜図11に示すように、前面の開口を進入口とする大入賞通路305が形成されている。大入賞通路305は、前面開口の進入口が第2大入賞口20cを構成し、第2大入賞口20cから後方に延設される第1通路305aと、該第1通路305aの後端に連続して下方に屈曲した屈曲部305cと、該屈曲部305cの下端に連続して下方に向けて延設される第2通路305bとからなる。
また、第1通路305aの下部には、可動板20dが前後方向に移動可能に収容される収容部306が、第1通路305aから屈曲部305cにかけて設けられている。収容部306は、第1通路305aよりも左右幅寸法が幅広とされている(図6、図11参照)。また、第1通路305aの上壁前部には、遊技球の通過は不可とするが上部を僅かに突出可能な大きさを有する凹部310が形成されており、遊技球の浮き上がりを僅かに許容できるようになっている(図12(a)参照)。さらに、凹部310の左右両側壁には、左右方向に貫通する貫通孔314が形成されている。
屈曲部305cの後壁には開口307が形成されているとともに、その後方位置には装飾用LED304aが配設されており、装飾用LED304aから前方に向けて照射された光が開口307を介して大入賞口305内に入り込むようになっていることで、大入賞口305内に進入した遊技球が後方から照らされて装飾されるようになっている。
第2通路305bにおける屈曲部305cの直下には、第2カウントスイッチ24aが配設されており、この第2カウントスイッチ24aによって第2通路305bを通過する遊技球が検出される。
また、大入賞通路305の後方上部には、プランジャ308を前方に向けた状態でソレノイド21bが配設されている。プランジャ308の先端には連結部材309が取り付けられている。連結部材309は、下面に係合溝309aが形成された下向きコ字形をなしており、その係合溝309aに伝達部材302の連結軸321が挿通されている。
通路部材300aの側壁300c外面における開口310の後部に対応する位置には、伝達部材302を回動可能に支持する左右方向を向く回動軸311が立設されている。回動軸311の上方位置には、回動軸311を中心とする円弧状に形成された連結溝312が形成されている。
また、収容部306に対応する箇所には、可動板20dを前後方向に移動案内するための案内溝313Lが前後方向に向けて延設されている。案内溝313Lは、側壁300cの前端近傍位置から後方に向けて僅かに下側に傾斜して形成されている。
伝達部材302は棒状のアーム部材からなり、長手方向の略中心位置に回動軸311が挿通される軸孔320が形成されており、該回動軸311を中心として回動可能に通路部材300aに軸支される。上端には左右方向を向く連結軸321が内向きに突設され、下端には長手方向に長い長孔322が形成されている。
連結軸321は、軸孔320を回動軸311に挿通して通路部材300aに軸支された状態において、連結軸321が連結溝312を挿通して側壁300cの内側に突出し、連結部材309の係合溝309aに係合される。よって、ソレノイド21bの励磁及び解除に応じてプランジャ308が前後移動することにより、係合溝309aに係合された連結軸321が連結溝312内を前後移動するため、伝達部材302が回動軸311を中心として回動する。
また、プランジャ308及び連結部材309の前方には、揺動部材350が取り付けられている。揺動部材350は、第1通路305aの上壁前部の凹部310に設けられており、左右方向に延在する支軸351と、上端近傍が支軸351に連結する板状部352とからなる。揺動部材350は、支軸351が、本体部300の凹部310の左右両側壁に形成された貫通孔314を挿通することによって軸支され、支軸351を中心として板状部材352が後方に揺動可能なように設けられている。
揺動部材350は、可動板20dの進退状態にかかわらず、第2大入賞口305に進入しようとする遊技球と当接するように設けられている。具体的には、揺動部材350が遊技球からの球圧を受けていない初期状態で板状部材352の板面が略鉛直な方向に沿った姿勢のときに、板状部材352の下端と可動板20dとの遊技盤面に沿った距離が遊技球の直径2Rよりも短くなるように構成されている。
揺動部材350は、連結部材309が後退位置にあるときには、支軸351を中心として後方に揺動可能な揺動可能状態(第2状態)となり、連結部材309が進出位置にあるときには、連結部材309が揺動部材350に当接して揺動できず、大入賞通路305の上部を遮って遊技球の大入賞通路305への進入を規制する規制状態(第1状態)に変化する。なお、この実施の形態では、連結部材309が「プランジャ先端の当接部」に相当する。
揺動部材350の板状部352は、揺動部材350が揺動するときにベース部材380と干渉しないように上端前方部352aが丸角に形成されている。また、板状部352の前面下端には、前方に突出する突出部352bが形成されている。突出部352bは、上方が前方に向けて下側に傾斜した傾斜面となっており、前端が鋭角な凸形状となっている。こうした形状によって、遊技球が突出部352bに接触したときに揺動部材350をスムースに後方に揺動させることができる。また、遊技球が揺動部材350の下方をくぐり抜けるときにも遊技球と揺動部材350との接触する部位が小さいので遊技球が移動する抵抗を小さくすることができ、大入賞通路305における遊技球の移動をスムースにすることができる。
揺動部材350の支軸351は、板状部352が前後方向の中央よりも後方側を回転中心として揺動するように板状部352の上端後方に連結されている。これにより、板状部352は後方に揺動しやすくなっている。また、支軸351の各基部には、貫通孔314の径よりも大きい径のワッシャ部351aが形成され、揺動部材350の左右方向のガタツキが防止されている。
揺動部材350の裏面には、板状部351の板面に平行(または略平行)な被当接面353が形成されている。図9(a)に示すように、ソレノイド21bのプランジャ308および連結部材309が前方に進出したときには、連結部材309の前面が揺動部材350の被当接面353に当接し、揺動部材350は、後方から連結部材309に当接されることによって後方に揺動できない状態とされる。一方、図9(b)に示すように、プランジャ308および連結部材309が後退したときには、揺動部材350と連結部材309との当接が解除され、揺動部材350は支軸351を中心として後方に揺動できる状態となる。
カバー部材301は、左側の通路部材300aの外側に所定の隙間を隔てて取り付けられる左カバー301aと、右側の通路部材300bの外側に所定の隙間を隔てて取り付けられる右カバー301bと、通路部材300aの上部に取り付けられる上カバー301cと、から構成される。
左カバー301a及び右カバー301bの前端辺には取付片331が外向きに屈曲形成されており、該取付片331を介して遊技盤6の背面に第2特別可変入賞球装置20Bを、第2大入賞口20cがベース部材380(遊技盤6)に形成された開口381を介して前面側に臨むように取り付けできるようになっている(図5参照)。
また、左カバー301aと通路部材300aの側壁300cとの間に形成された空間部には、伝達部材302が回動可能に収容できるようになっている。回動軸311は、伝達部材302が挿通された状態において先端が軸孔320から突出する長さを有しており、左カバー301aが取り付けられたときに、該左カバー301aにおける回動軸311に対応する位置に形成された軸受330に回動可能に嵌合して、伝達部材302が軸支されるようになっている(図11参照)。
可動板20dは、図9に示すように、遊技領域7(この実施の形態では右領域7b)にて遊技球が進入可能な進入通路である大入賞通路305の下部に前後移動可能に設けられる板状部材にて構成されており、大入賞通路305から遊技領域7側に進出する進出位置(図9(b)参照)と、該進出位置から大入賞通路305内に退避する後退位置(図9(a)参照)と、の間で前後方向に往復移動可能に設けられる。
そして、第2特別可変入賞球装置20Bは、可動板20dが進出位置に位置することで遊技球が入賞しやすい開放状態(有利状態)となり、可動板20dが後退位置に位置することで入賞しないまたは入賞しにくい閉鎖状態(不利状態)に変化するようになっている。
図8に示すように、可動板20dは、上面に遊技球を受ける球受面340aが形成された球受部340と、球受部340の左右側から後側に向けて延設される二股状の被案内部341と、から構成されている。
球受部340は、遊技球の直径2Rよりも左右幅寸法L1が短寸に形成されるとともに、上面には、前後左右方向に平坦な球受面340aが形成され、上方から落下してくる遊技球を下方から受けることができるように形成されている。球受部340の先端面は、左右幅方向の中央位置から左右側に向けて後側に傾斜するとともに、板厚下方向に向けて後側に傾斜する左右一対の傾斜面340b,340cにて構成されている。
これにより、可動板20dが進出位置まで進出したときに、遊技領域7の前面に配設された前面装飾部材390との間に遊技球があっても、前面装飾部材390に対して傾斜面340b,340cが傾斜していることにより遊技球が左右または下方に逃がされるため、前面装飾部材390と傾斜面340b,340cとの間に遊技球が挟まれてしまい、ソレノイド21b等に負荷がかかってしまうことが防止される。
また、球受部340は、傾斜面340b,340cと左右側辺との間の角部が湾曲状に形成されているとともに、球受面340aにおける前後方向の略中央位置よりも前側の領域が、後側よりも先端側に向けて上方に屈曲する屈曲部340dとされている。このように球受部340の先端側に後側よりも傾斜角度が大きい屈曲部340dが形成されていることで、球受面340aの先端側で受けた遊技球が第2大入賞口20c側に向けて誘導されやすくなるため、退避移動時に遊技球を引き込みやすくなる。
被案内部341は、球受部340の左右後端部から後方に向けて延設される左右一対の棒状部341a,341bからなるとともに、これら棒状部341a,341bの間には、遊技球の直径2Rよりも長寸の左右幅寸法L2を有し、後側に開放する切欠部342が形成されている(L1<2R<L2)。
棒状部341a,341bの外面には、案内溝313Lに挿入可能な前後一対の案内軸343a〜343dがそれぞれ前後位置から左右外向きに突設されている。各案内軸343a〜343dは円柱状をなしており、各基部には、案内溝313L,313Rの上下幅よりも幅広とするためのワッシャ部344が形成され、左右方向のガタツキが防止されている。
また、左側の棒状部341aの前後の案内軸343a,343b間は、板状の連結部360aにて連結され、右側の棒状部341bの前後の案内軸343c,343d間は、板状の連結部360bにて連結されている。これにより、案内軸343a,343b、343c,343dの強度が増加するため、遊技球を受けた際の衝撃による破損等が防止される。
左側の案内軸343a,343bを連結する連結部360aには、案内軸343a、343bの先端が突出するように、切欠凹部360cが形成されており、前側の案内軸343aは、案内溝313Lを突出して伝達部材302の長孔322内に摺動可能に挿入される。つまり可動板20dは、伝達部材302を介してソレノイド21bに連結される。よって、可動板20dは、ソレノイド21bの励磁及び解除に応じてプランジャ308が前後移動して伝達部材302が回動軸311を中心として回動することで、進出位置と後退位置との間で前後移動する。尚、上述したように、伝達部材302は、プランジャ308に接続される連結軸321が上端に形成されるとともに可動板20dに接続される長孔322が下端に形成され、略中央で可動軸311に軸支されて回動するので、可動板20dは、プランジャ308が前方に進出したときに後退し、プランジャ308が後退したときに進出することになる。
案内軸343a〜343d及び連結部360a,360bは、左右の案内溝313L,313Rにそれぞれ挿入され、可動板20dの前後移動がガイドされる。具体的には、図9(a)に示すように、可動板20dが進出位置にあるときには、球受面340aのほぼ全域が第2大入賞口20cから前方の右領域7b側に突出する。このときには、球受面340aが第2大入賞口20c側に僅かに傾倒(先端に向けて上側に傾斜)しているので、右領域7bを流下してくる遊技球を受けることが可能となるともに受けた遊技球を大入賞通路305に向けて誘導可能な第1姿勢となる。また、このときには、揺動部材350が後方に揺動可能な状態(第2状態)となっており、大入賞通路305に誘導される遊技球の球圧によって揺動部材350は後方に揺動し、大入賞通路305の内部に進入する。
一方、可動板20dが後退位置にあるときには、球受面340aの全域が第2大入賞口20cの内部、つまり大入賞通路305内に退避して、該右領域7bを流下してくる遊技球を受けることが困難となる。また、可動板20dが後退位置にあるときには、揺動部材350に連結部材309が後方から当接して揺動部材350が後方に揺動できない規制状態(第1状態)となり、これにより揺動部材305が大入賞通路305の上部を遮って遊技球の大入賞通路305内への進入が規制される。
すなわち、可動板20dが後退位置にあるときは、可動板20dの上側に傾斜した屈曲部340dが大入賞通路305の進入口に位置して、第2大入賞口20cの上下幅寸法L3(可動板20dの屈曲部340dの上端と、大入賞通路305の前面開口(進入口)の上側の縁部との距離)が遊技球の直径2Rよりも短くなり、可動板20dが進出位置にあるときは、第2大入賞口20cの上下幅寸法L3(可動板20dの球受面340aと、大入賞通路305の前面開口(進入口)の上側の縁部との遊技盤面に沿った距離)が遊技球の直径2Rよりも長いくなる(L3<2R<L4)。よって、可動板20dが後退位置にあるときには、第2大入賞口20cが完全に閉鎖されていなくても、第2大入賞口20cからの遊技球の進入が規制される。しかも、可動板20dが後退位置にあるときには、プランジャ308および連結部材309が進出位置に位置して、揺動部材305が大入賞通路305の上部を遮るので、揺動部材305によっても遊技球の大入賞通路305内への進入が規制されて、遊技球の意図しない入賞や不正な入賞の発生が防止される。
なお、可動板20dが後退位置にあるときには、可動板20dの屈曲部340dの上端と大入賞通路305の進入口の上側の縁部との距離が遊技球の直径2Rよりも長いものの、揺動できない規制状態(第1状態)の揺動部材350の下端と可動板20dとの距離が遊技球の直径2Rよりも短くなるように構成されていてもよい。この場合においても、可動板20dが後退位置にあるときに揺動部材305によって遊技球の大入賞通路305への進入が規制されるので、遊技球の意図しない入賞などを防止することができる。
また、右領域7bを流下してくる遊技球を受けることが可能な進出位置では、第2大入賞口20cから球受面340aの先端までの突出長さL5が遊技球の半径Rよりも長ければよい(L5>R)。また、右領域7bを流下してくる遊技球を受けることが困難な進出位置では、第2大入賞口20cから球受面340aの先端までの突出長さL5が遊技球の半径Rよりも短ければよい(L5<R)。
続いて、第2特別可変入賞球装置20Bの閉成動作に伴う遊技球の進入状況について説明する。可動板20dが進出位置にある場合、球受面340aが若干大入賞通路305側に傾倒していることで、球受面340a上に落下した遊技球には大入賞通路305側に向けて誘導される作用が働く(図12(a)参照)。そして、このときには、揺動部材350が後方に揺動可能な状態(第2状態)となっており、大入賞通路305に誘導された遊技球は、揺動部材350を押して後方に揺動させ、大入賞通路305の内部に進入する(図12(b)参照)。
可動板20dが進出位置から後退位置側に向けて退避移動するときには、球受部340の先端側に後側よりも傾斜角度が大きい屈曲部340dが形成されているので、可動板20dの退避移動により、球受面340a上に載った遊技球が屈曲部340dに誘導されて大入賞通路305側に引き込まれる。
ここで、この実施の形態では、プランジャ308および連結部材309が進出位置まで移動して可動板20dが完全に大入賞通路305内に収納されるまでは、連結部材309が揺動部材350に当接しないように構成されており、可動板20dが進出位置から後退位置側に向けて退避移動している最中には、揺動部材350は揺動可能な状態(第2状態)となる。このため、可動板20dの退避動作に伴って可動板20dと揺動部材350との間に遊技球が挟まったとしても、揺動部材350が揺動して遊技球が移動することができるので、大入賞通路305において球詰りが発生するのを抑制することができる。
そして、可動板20dが後退位置まで移動すると、第2大入賞口20cの上下幅寸法L3が遊技球の直径2Rよりも短くなるので、大入賞通路305に進入した遊技球が第2大入賞口20cから零れ落ちなくなる。また、揺動部材305に連結部材309が当接して揺動部材309が揺動できない規制状態(第1状態)となり、遊技球の意図しない入賞や不正な入賞の発生が防止される(図12(c)参照)。
ここで、可動板20dが後退位置にて停止した状態において、可動板20dの切欠部342が屈曲部305c、つまり第2通路305bの直上に位置するようになっており、可動板20dとともに移動した遊技球は、切欠部342を通じて第1通路305aから第2通路305bに流入して第2カウントスイッチ24aによって検出される。こうした切欠部342が形成されていることで、可動板20dが屈曲部305cに対応する位置に配置されても、遊技球を切欠部342を介して第2通路313bに流入させることができるので、進入した遊技球を遠回りさせずに第2カウントスイッチ24aにて検出させることが可能となる。
よって、第2特別可変入賞球装置20Bを大型化(特に前後方向について大型化)することなく、第2大入賞口20cに進入した遊技球を直ちに第2カウントスイッチ24aにて検出させることが可能となるため、可動板20dを動作させているときにも賞球検出待ちをする期間を極力短縮化でき、これにより大当り状態をより高速で消化することが可能となるため、パチンコ遊技機1の稼働率を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、可動板20dが進出位置にあるときは、可動板20dによって遊技球が大入賞通路305に導かれるとともに、大入賞通路305に進入しようとうする遊技球の球圧によって揺動部材350が支軸351回りに後方に揺動して、遊技球が大入賞通路305に進入することができる。
一方、可動板20dが後退位置にあるときには、球受面340aの全域が第2大入賞口20cの内部、つまり大入賞通路305内に退避して、第2大入賞口90bの上下幅寸法L3が遊技球の直径2Rよりも短くなって遊技球が第2大入賞口90bに進入することができなくなるとともに、揺動部材305に連結部材309が当接して揺動部材305が揺動不能となるので遊技球の大入賞通路305内への進入が防止され、意図しない入賞や不正な入賞の発生が防止される。
さらに、可動板20dが進出位置から後退位置に移動するタイミングで遊技球が可動板20dに受け止められた場合には、屈曲部340によって遊技球が大入賞通路305内に導かれるので遊技球が零れ落ちてしまうのを抑制することができる。しかも、可動板20dが完全に後方位置まで退避移動するまでは、連結部材309が揺動部材350に当接せずに揺動部材350が揺動可能な状態(第2状態)とされるので、可動板20dと揺動部材350とによって遊技球を噛み込んで大入賞通路305で球詰りが生じてしまうのを抑制することができる。
また、大入賞通路305は、後退位置側に形成された屈曲部305cから下方に向けて延設される第2通路305bと、第2通路305bを流下する遊技球を検出する第2カウントスイッチ24aと、を有し、可動板20dは、案内軸343b,343dよりも進出位置側に突設され、進出位置と後退位置との間で第1案内部313aにのみ案内される補助被案内部としての案内軸343a,343cを有し、後退位置において屈曲部305cに対応する部位に、遊技球が通過可能な切欠部342が形成されているので、可動板20dが屈曲部305cに対応する位置に配置されても、遊技球を切欠部342を介して第2通路305bに流入させることができるので、進入した遊技球を遠回りさせずに第2カウントスイッチ24aにて検出させることが可能となる。
尚、この実施の形態では、可動板20dの後部には切欠部342が形成されていたが、遊技球を通過可能となれば、例えば開口部(孔部)等であってもよい。
また、球受面340aは、進出位置側の先端部に、大入賞通路305側に向けて傾倒する先端部側傾斜部としての屈曲部340dを有するので、進出位置において球受面340aにて受けた遊技球が先端部からこぼれ落ちにくくすることができるばかりか、退避する際において遊技球が先端部からこぼれ落ちにくくなる。さらに、後退位置において先端部の屈曲部340dが上向きに傾斜していることで遊技球が進入しにくくなる。
また、この実施の形態では、球受面340aは、移動方向に対し直交する幅方向(左右方向)に向けて平坦状に形成されていたが、移動方向に対し直交する幅方向(左右方向)の略中央から両端側に向けて上向きに傾斜する幅方向傾斜部(図示略)を設けてもよい。このようにすることで、進出位置にて受けた遊技球が幅方向の端部からこぼれ落ちにくくすることができる。
また、駆動手段は、第2特別可変入賞球装置20Bの本体部300内に配設されるソレノイド21bと、一端がソレノイド21bに連結されるとともに他端が可動板20dに連結され、本体部300外部に回動軸311を中心として回動可能に設けられた伝達部材302と、を含み、可動板20dは、移動方向に並設される案内軸343a〜343d及び連結部360a,360bにより安定して支持される。また、案内軸343a〜343dのいずれか(この実施の形態では案内軸343a)が伝達部材302との連結部を兼ねることで、部品点数が少なくなり製造コストを低減できるばかりか、伝達部材302を極力短寸化して装置を小型化することができる。
また、伝達部材302は、本体部300を外側から覆うカバー部材301の左カバー301aにより覆われていることで、伝達部材302を外側から不正に操作して可動板20dを動作させるといった不正行為を抑制することができる。
さらに、伝達部材302は、本体部300と左カバー301aとの間に形成された空間部内に配設され、少なくとも回動軸311の左端が軸受330に回動可能に軸支されていることで、左カバー301aを取り外して伝達部材302を外側から不正に操作して可動板20dを動作させようとしても、左カバー301aを取り外すことで伝達部材302の回動支持状態が解除されて回動動作が不安定になるので、不正行為を防止できる。
また、この実施の形態では、可動板20dは、被案内部としての案内軸343b,343dと補助案内部としての案内軸343a,343cとにより左右側が支持されていたが、被案内部や補助案内部が左右それぞれに複数設けられていてもよい。
また、この実施の形態では、伝達部材302を介して可動板20dとソレノイド21bが接続され、ソレノイド21bのプランジャ308が前方に進出するときには可動板20dが後退し、プランジャ308が後退するときには可動板20dが前方に進出するように構成されるのとしたが、例えば可動板20dの後端を左右方向を向く連結軸を介してソレノイド等の駆動手段に連結し、被案内部としての案内軸のみを案内溝313L,313Rに案内させるようにしてもよい。この場合には、プランジャ308の前方への進出移動に伴って可動板20dが前方に進出し、プランジャ308の後方への退避移動に伴って可動板20dが後方に進出する。また、この場合には、プランジャ308が前方に進出するときには揺動部材350が揺動不能な状態(または揺動し難い状態)とされ、プランジャ308が後退するときには揺動部材350が揺動可能な状態となるように構成すればよい。
尚、この実施の形態では、本発明の案内部は、左右それぞれ1本の案内溝313L,313Rにて構成され、被案内部としての案内軸343b,343dと、補助被案内部としての案内軸343a,343cと、案内軸343a,343cや案内軸343b,343dを連結する連結部360a,360bが案内溝313L,313Rに案内されていたが、連結部360a,360bを設けないものとして、案内軸343b,343dと案内軸343a,343cとはそれぞれ別個の案内溝にて構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、可動板20d側に被案内部としての案内軸343b,343dが形成され、本体300側に案内部としての案内溝313L,313Rが形成されていたが、可動板20d側に案内部としての案内溝313L,313Rが形成され、本体300側に被案内部としての案内軸343b,343dが形成されていてもよい。
また、可動板20dの駆動手段も、ソレノイドと回動可能に設けられた伝達部材に限定されるものではなく、例えば駆動源としてモータを適用するとともに、該モータの駆動力をギヤ部材等により伝達すること(例えば、ラックとピニオン)により進退移動及び姿勢変更可能としてもよい。
また、この実施の形態では、可動板20dを進退させるソレノイド21bが駆動されることにより揺動部材350が揺動可能な状態(第2状態)と揺動不能な状態(第1状態)とに変更されるものとしたが、ソレノイド21とは別に、揺動部材350を揺動可能な状態と揺動不能な状態(または揺動し難い状態)とに変更する駆動源を備えてもよい。この場合、ソレノイド21bによって可動板20dが進出位置から後退位置に移動したタイミングよりも後のタイミングにおいて、揺動部材350を揺動可能な状態(第2状態)から揺動不能な状態または揺動し難い状態(第1状態)に変更するように、主基板31が別の駆動源を制御してもよい。こうすれば、揺動部材350が揺動可能な状態(第1状態)から揺動不能な状態(第2状態)に変化するタイミングが可動板20dが後退位置に移動するタイミングよりも遅いので、大入賞通路305において遊技球の噛み込みが発生するのをより確実に抑制することができる。
また、揺動部材350を揺動可能な状態と揺動不能な状態(または揺動し難い状態)とに変更する駆動源として、可動板20dを駆動するソレノイド21とは別のソレノイドを備えてもよい。この場合には、別のソレノイドのプランジャを付勢するバネ(コイルスプリング)は、可動板20dを後退させるソレノイド21のバネ(図示せず)よりも付勢力が小さく設計されてもよい(例えば、コイルスプリングの巻き数を少なくするなど)。こうすれば、可動板20dが後退して揺動部材350が揺動不動な状態に変更されるときに、可動板20dを後退させる力よりも揺動部材350を揺動不能な状態にする力の方が小さくなる。そのため、可動板20dの後退に伴って遊技球が大入賞通路305に引き込まれたときに、遊技球の球圧よりも揺動部材350を揺動不能な状態にする力の方が小さいので、揺動部材350が揺動して、大入賞通路305において球詰りが発生するのを抑制することができる。
次に、第1変形例としての第2特別可変入賞球装置1020Bについて図13および図14に基づいて説明する。図13は、(a)は第1変形例の第2特別可変入賞球装置の開放状態を示す斜視図であり、(b)はベース部材を介して第1変形例の第2特別可変入賞球装置を示す斜視図である。図14は、第1変形例における第2特別可変入賞球装置の遊技球の移動を説明するための図である。
尚、第1変形例および後述する第2変形例、第3変形例としての第2特別可変入賞球装置1020B、2020B、3020Bについては、第2特別可変入賞球装置20Bと相違する部位に関する図示と説明をし、同一の構成部位に関しては同様の符号を付すこと等により説明を省略することとする。
第1変形例の第2特別可変入賞球装置1020Bは、揺動部材350に代えて揺動部材1350が取り付けられている点で、上述した第2特別可変入賞球装置20Bと相違する。第1変形例の揺動部材1350は、前後方向に伸縮可能なコイル状のスプリング354と、スプリング354の後端に取り付けられて連結部材309と当接する後方支持部材355とからなる。揺動部材1350は、スプリング354の内側に、ベース部材380の裏面に形成された図示しない支軸が挿通して、ベース部材380と連結部材309とに挟まれて支持される。スプリング354は、揺動部材350と同様に、可動板20dの進退状態にかかわらず第2大入賞口20cに進入しようとする遊技球と接触するように、前端部が第2大入賞口20cの上側縁部よりも下方に突出して設けられている(図13(b)参照)。つまり、揺動部材1350は、スプリング354の前端部の下端と、可動板20dの球受面340aとの遊技盤面に沿った距離が遊技球の直径2Rよりも小さくなるように形成されている。
第1変形例の第2特別可変入賞球装置1020Bでは、可動板20dが進出位置に位置するときには、図14(a)および(b)に示すように、プランジャ308先端の連結部材309が後方に位置して、スプリング354が第2大入賞口20cに進入しようとする遊技球の球圧によって伸縮可能な状態(第2状態)となる。上述したように、可動板20dや案内溝313L,313Rは、後方に向かって下側に若干傾いて形成されており、第2大入賞口20cに進入しようとする遊技球の球圧によってスプリング354が後方に縮むと、スプリング354の下端と可動板20dとの距離(大入賞通路305の上下幅寸法)が遊技球の直径2Rよりも大きくなる(図14(b)参照)。これにより、遊技球が揺動部材1350の下方を通って大入賞通路305を通過することができ、通過した遊技球が第2カウントスイッチ24aにて検出されることになる。
一方、可動板20dが後退位置にあるときには、図14(c)に示すように、プランジャ308先端の連結部材309が前方に位置して、ベース部材380と連結部材309とによりスプリング354が縮められ、スプリング354がそれ以上縮められにくい状態(第1状態)となる。これにより、揺動部材1350が大入賞通路305の上部を遮って遊技球の大入賞通路305内への進入が規制される。
続いて、第2特別可変入賞球装置1020Bの閉成動作に伴う遊技球の進入状況について説明する。可動板20dが進出位置から後退位置側に向けて退避移動を開始すると、球受部340の先端側に後側よりも傾斜角度が大きい屈曲部340dが形成されているので、可動板20dの退避移動により、球受面340a上に載った遊技球が屈曲部340dに誘導されて大入賞通路305側に引き込まれる。このとき、連結部材309の前方への移動に伴って、スプリング354は徐々に縮められるので、可動板20dが進出位置から後退位置側に向けて退避移動している最中には、揺動部材1350は、未だ大入賞通路305に進入する遊技球の球圧によって多少縮むことができる状態とされる。このため、可動板20dが進出位置から後退位置に向けて移動している最中に可動板20dと揺動部材1350との間に遊技球が挟まったとしても、スプリング354が縮むことによって遊技球が大入賞通路305を通過することができるので、大入賞通路305において遊技球の噛み込みが発生するのを抑制することができる。
次に、第2変形例としての第2特別可変入賞球装置2020Bについて図15および図16に基づいて説明する。図15は、(a)は第2変形例の第2特別可変入賞球装置の開放状態を示す斜視図であり、(b)はベース部材を介して第1変形例の第2特別可変入賞球装置を示す斜視図である。図16は、第2変形例における第2特別可変入賞球装置の遊技球の移動を説明するための図である。
第2変形例の第2特別可変入賞球装置2020Bは、揺動部材350,1350に代えて揺動部材2350が取り付けられている点で、上述した第2特別可変入賞球装置20B、1020Bと相違する。第2変形例の揺動部材2350は、前後方向に伸縮可能なコイル状のスプリング356と、スプリング356の前端に取り付けられて大入賞通路305の上部を遮る規制板357とからなる。規制板357は、中央に円形の貫通孔が形成された円形板状の部材からなり、揺動部材2350は、規制板357及びスプリング356の内側に、ベース部材380の裏面に形成された図示しない支軸が挿通して、ベース部材380と連結部材309とに挟まれて支持される。規制板357は、第2大入賞口20cに進入しようとする遊技球と接触するように、前端部が第2大入賞口20cの上側縁部よりも下方に突出して設けられている(図15(b)参照)。つまり、揺動部材1350は、規制板357の前端部の下端と、可動板20dの球受面340aとの距離(第2大入賞口20cの上下幅寸法)が遊技球の直径2Rよりも小さくなるように設けられている。また、第2変形例におけるスプリング356は、後端が連結部材309に固着されている。なお、スプリング356としては、規制板357の径と同じ又は小さい径ものが用いられればよく、図15及び図16に示す例では、規制板357よりも小さい径のスプリング356が用いられている。
第2変形例の第2特別可変入賞球装置2020Bでは、可動板20dが進出位置に位置するときには、図16(a)および(b)に示すように、プランジャ308先端の連結部材309が後方に位置して、第2大入賞口20cに進入しようとする遊技球の球圧によってスプリング356が伸縮可能な状態となり、規制板357が前後に進退可能な状態(第2状態)となる。そして、第1変形例と同様に、第2大入賞口20cに進入しようとする遊技球の球圧によってスプリング356が縮んで規制板357が後方に移動すると、規制板357の下端と可動板20dとの距離(大入賞通路305の上下幅寸法)が遊技球の直径2Rよりも大きくなる(図16(b)参照)。これにより、遊技球が揺動部材2350の下方を通って大入賞通路305を通過することができ、通過した遊技球が第2カウントスイッチ24aにて検出されることになる。
一方、可動板20dが後退位置にあるときには、図16(c)に示すように、プランジャ308先端の連結部材309が前方に位置して、ベース部材380と連結部材309とによりスプリング356が縮められ、スプリング356がそれ以上縮められにくい状態となり、規制板357が後方に移動できない状態(第1状態)となる。これにより、揺動部材2350が大入賞通路305の上部を遮って遊技球の大入賞通路305内への進入が規制される。
続いて、第2特別可変入賞球装置1020Bの閉成動作に伴う遊技球の進入状況について説明する。可動板20dが進出位置から後退位置側に向けて退避移動を開始すると、球受面340a上に載った遊技球が屈曲部340dに誘導されて大入賞通路305側に引き込まれる。このとき、連結部材309の前方への移動に伴って、スプリング356は徐々に縮められ、可動板20dが進出位置から後退位置側に向けて退避移動している最中には、揺動部材2350は、未だ大入賞通路305に進入する遊技球の球圧によって多少縮むことができる状態とされる。このため、可動板20dが進出位置から後退位置に向けて移動している最中に可動板20dと揺動部材2350との間に遊技球が挟まったとしても、規制板357が後方に移動するによって遊技球が大入賞通路305を通過することができるので、大入賞通路305において遊技球の噛み込みが発生するのを抑制することができる。
なお、第1変形例では、スプリング354の後端に、連結部材309と当接する後方支持部材355が設けられるものとしたが、後方支持部材355と連結部材309が一体に形成されたりスプリング354が連結部材309に固着されるものとしてもよいし、後方支持部材355を備えることなくスプリング354の後端に連結部材309が当接するように構成されてもよい。また、第2変形例では、スプリング356の後端が連結部材309に固着されるものとしたが、スプリング356の後端に連結部材309が当接するように構成されてもよいし、第1変形例と同様にスプリング356の後端に連結部材309と当接する後方支持部材が設けられてもよい。
また、第1変形例と第2変形例では、スプリング354,356が前後方向に伸縮可能に配設されるものとしたが、こうした例に限定されるものではなく、例えば後方に向かって若干上側に傾いて伸縮可能に配設されてもよい。こうすれば、遊技球の球圧によってスプリング354,354が上側に傾いて縮むので、遊技球が揺動部材の下を通過しやすなり、遊技球の移動をスムースにすることができる。
次に、第3変形例としての第2特別可変入賞球装置について、図17及び図18に基づいて説明する。図17は、(a)は変形例としての可動板を示す斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)のE−E断面図、(d)は(b)のF−F断面図である。図18は、図17の可動板が進出位置から後退位置に退避する際の遊技球の進入状況を示す断面図である。
第3変形例の第2特別可変入賞球装置の可動板20d’は、上面に遊技球を受ける球受面340aが形成された球受部340と、球受部340の左右側から後側に向けて延設される二股状の被案内部341と、から構成されている。可動板20dと相違する点は、球受部340の形状と、前後の案内軸343a,343b、343c,343d間が板状の連結部材360a,360bにて連結されていない点である。
図17(b)に示すように、球受部340は、屈曲部340dが形成されることなく平たんに形成されている。このように球受部340に屈曲部340dを形成せずに平たんとすることにより、可動板20d’を容易に形成することができる。
図18(a)〜(c)に示すように、案内溝313L’,313R’は、可動板20dの移動方向(前後方向)に向けて延設される第1案内部313aと、第1案内部313aよりも後側に該第1案内部313aに対し傾斜して設けられる第2案内部313bと、第2案内部313bよりも後側に第1案内部313aに対し略平行に形成された第3案内部313cと、から構成されている。
具体的には、第1案内部313aは、本体部300の側壁300cの前端近傍位置から後方に向けて僅かに下側に傾斜するように延設される直線状の案内溝である。第2案内部313bは、第1案内部313aの後端から連設され、第1案内部313aよりも傾斜角度が大きい案内溝であり、屈曲部305cに対応する位置に形成されている。第3案内部313cは、第2案内部313bの後端から連設され、第1案内部313aに対し略平行に延設される直線状の案内溝であり、第1案内部313aよりも短寸とされている。
この案内溝313L’,313R’に可動板20d’の案内軸343a,343b、343c,343dがそれぞれ挿入され、被案内部341の前後左右の4点が案内溝313L,313Rにより支持されることで、前後移動時に姿勢が維持されるようになっている。
具体的には、図18(a)に示すように、可動板20d’が進出位置にあるときには、全ての案内軸343a〜343dが第1案内部313aに案内される。この状態において可動板20d’は、球受面340aのほぼ全域が第2大入賞口20cから前方の右領域7b側に突出して、該右領域7bを流下してくる遊技球を受けることが可能となるとともに、球受面340aが第2大入賞口20c側に僅かに傾倒(先端に向けて上側に傾斜)して受けた遊技球を第2大入賞口20c側に誘導可能な第1姿勢となる。
また、可動板20d’が退避位置にあるときには、前側の案内軸343a、343cが第1案内部313aに案内され、後側の案内軸343b、343dが第1案内部313aよりも下方位置にある第3案内部313cに案内される。この状態において可動板20d’は、球受面340aの全域が第2大入賞口20cの内部、つまり大入賞通路305内に退避して、該右領域7bを流下してくる遊技球を受けることが困難となるとともに、球受面340aが第1姿勢よりも大入賞通路305側に傾倒して、第2大入賞口20cから進入した遊技球を大入賞通路305内に進入不可とする第2姿勢となる。
すなわち、可動板20d’が進出位置にあるときは、第2大入賞口20cの上下幅寸法L3が遊技球の直径2Rよりも長いが、可動板20d’が退避位置にあるときは、可動板20dが傾倒して第2姿勢になることで、球受面340aの先端が上向きになって第2大入賞口20cの上下幅寸法L4が遊技球の直径2Rよりも短くなる。よって、退避位置において第2大入賞口20cが完全に閉鎖されていなくても、第2大入賞口20cからの遊技球の進入が規制されるので、遊技球を不正に入賞させることを防止できる。
また、退避位置においては、後側の案内軸343b、343dが第1案内部313aよりも下方位置にある第3案内部313cに案内されていることで、案内軸343b、343dが第3案内部313cの上縁辺に当接し、前側の案内軸343a、343cを中心とする可動板20d’の回転が規制されるため、球受部340の先端を強制的に押し下げて第2大入賞口20cの間口を広げることが困難となるため、遊技球を不正に入賞させることを防止できる。
また、進出位置から退避位置側に向けて退避移動する途中において、前側の案内軸343a、343cが第1案内部313aに案内され、後側の案内軸343b、343dが第2案内部313bに差し掛かると、可動板20dは、球受面340aの約2/3以上の領域が大入賞通路305内に退避して、該右領域7bを流下してくる遊技球を受けることが困難な状態となる(図18(b)参照)。
そして、さらに退避移動を続けて後側の案内軸343b、343dが第2案内部313bにより下方に移動案内されていくことで、球受面340aが前側の案内軸343a、343cを中心として回転することにより、第1姿勢から第2姿勢に漸次変更されていく。
このように可動板20dは、進出位置から退避位置まで移動する途中で第1姿勢から第2姿勢に姿勢が変更されるようになっている。特に第3変形例では、退避位置の直前において後側の案内軸343b、343dが第2案内部313bにより徐々に下方に移動案内されていくため、球受面340aがほぼ退避してから姿勢変更する。すなわち、ある程度遊技球を大入賞通路305内に引き込んだ状態で姿勢変更されるようになっている。
また、このように案内軸343a〜343dのうち前側の案内軸343a、343cは、進出位置と退避位置との間で第1案内部313aにしか移動案内されない案内軸であり、後側の案内軸343b、343dは第1案内部313a、第2案内部313b、第3案内部313cに移動案内される案内軸である。つまり、可動板20d’は、前側の案内軸343a、343cを中心として後側の案内軸343b、343dが上下に移動することにより上下方向に回転して姿勢変更する。
また、案内軸343a〜343dのうち前側の案内軸343aのみ、伝達部材302を介してソレノイド21bに連結される駆動伝達軸とされている。また、本実施例の場合、図18に示すように、前側の案内軸343a、343cは、進出位置及び退避位置のいずれも回動軸311からの距離P1はほぼ同じであるが、後側の案内軸343b、343dは、退避位置において、回動軸311からの距離P2が進出位置よりも長くなるとともに、距離P1よりも距離P2の方が長い。
よって、可動板20d’は、移動方向に並設される被案内部としての後側の案内軸343b、343dと補助被案内部としての前側の案内軸343a、343cとにより安定して支持されるとともに、退避位置側の案内軸343b、343dが第2案内部313bに差し掛かると、進出位置側の案内軸343a、343cを中心として回動することで第2姿勢に変更される。この第3変形例における可動板20d’によっても、上述した可動板20dと同様に遊技球の大入賞通路305への進入率を調整することができる。
尚、第2姿勢のまま進出位置に進出させる場合、第1姿勢のまま進出位置に進出させる場合に比べて進出位置側への移動量を増加させないと、落下してくる遊技球を受ける間口が小さくなるため、可動板20d’のように、第1姿勢で進出させて退避動作の途中で姿勢を第2姿勢に変更する方が好ましい。
また、可動板20d’が退避動作を開始して直ぐに姿勢変更する場合、未だ大入賞通路305内に引き込まれていない遊技球が姿勢変更により上方に浮き上がってしまう虞がある。よって、大入賞通路305内に引き込まれ始めた遊技球を奥側に押し込むタイミングで姿勢変更されることが好ましい。
具体的には、例えば第2大入賞口20cからの球受面340aの突出長さが、進出位置における突出長さに対して約1/2以下になったときに姿勢変更されるようにすることが好ましい。あるいは、第2大入賞口20cからの球受面340aの突出長さが、遊技球の半径R以下になったときに姿勢変更されるようにすることが好ましい。
また、案内溝313L,313Rは、第2案内部313bよりも退避位置側に第1案内部313aに対し略平行に形成された第3案内部313cを有し、可動板20dは、退避位置で案内軸343b,343dが第3案内部313cに案内されることにより、第2姿勢に維持されることで、退避位置にて傾倒する可動板20dの遊技領域7側の端部を押し下げても、第3案内部313cにより案内軸343b,343dの回動が規制されるため、可動板20dを大入賞通路305内から強制的に進出させるといった不正行為を抑制できる。
また、大入賞通路305は、退避位置側に形成された屈曲部305cから下方に向けて延設される第2通路305bと、第2通路305bを流下する遊技球を検出する第2カウントスイッチ24aと、を有し、可動板20dは、案内軸343b,343dよりも進出位置側に突設され、進出位置と退避位置との間で第1案内部313aにのみ案内される補助被案内部としての案内軸343a,343cを有し、退避位置において屈曲部305cに対応する部位に、遊技球が通過可能な切欠部342が形成されているとともに、該切欠部342に対応する位置に案内軸343b,343dが突設されていることで、可動板20dは、移動方向に並設される案内軸343b,343dと案内軸343a,343cとにより安定して支持されるとともに、退避位置側の案内軸343b,343dが第2案内部313bに差し掛かると、進出位置側の案内軸343a,343cを中心として回動することで第2姿勢に変更される。
このように可動板20dの姿勢を安定化させるとともに、補助被案内部としての案内軸343a,343cを中心として姿勢を傾倒させやすくするために案内軸343b,343dと案内軸343a,343cとを極力離間させようとすると、可動板20dが移動方向に長寸となり、退避位置において屈曲部305cを閉鎖してしまうことになるが、可動板20dが屈曲部305cに対応する位置に配置されても、遊技球を切欠部342を介して第2通路305bに流入させることができるので、進入した遊技球を遠回りさせずに第2カウントスイッチ24aにて検出させることが可能となる。
また、第3変形例では、退避位置において第2姿勢に維持されるようになっていたが、退避動作の途中で姿勢が変更されるようになっていれば、必ずしも退避位置において第2姿勢に維持されなくてもよい。
また、本実施例では、進出動作及び退避動作双方において、動作途中で姿勢が変更するように構成されていたが、少なくとも退避動作においてのみ姿勢が変更するようになっていれば、進出動作途中で姿勢が変更されないように構成してもよい。
尚、第3変形例における可動板20d’や案内溝313L,313Rは、第1変形例、第2変形例の第2特別可変入賞球装置1020B、2020Bにも適用可能である。
また、この実施の形態では、本発明を第2特別可変入賞球装置20Bに適用した例を説明したが、第1特別可変入賞球装置20A、可変入賞球装置15や他の入賞口にも本発明を適用可能である。
次に、第2特別可変入賞球装置20Bの可動板20dを開閉させるソレノイド21bの駆動制御について図19及び図20に基づいて説明する。なお、第1変形例から第3変形例の第2特別可変入賞球装置20Bについても同様の制御を適用することができる。図19は、可動板20dを一定時間にわたって開放状態とする制御を複数回繰り返すときのソレノイド駆動信号と第2大入賞口20cの開閉状態とを示す図であり、図20は、可動板20dを変動する時間にわたって開放状態とする制御を複数回繰り返すときのソレノイド駆動信号と第2大入賞口20cの開閉状態とを示す図である。
上述したように、この実施の形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として「第1大当り」に対応する大当り図柄が停止表示されて第1大当り状態に移行したときには、第9ラウンドにて、第2特別可変入賞球装置20Bの可動板20dを第1期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口20cを開放状態とする制御を15回繰り返す。このときには、図19および図20に示すように、主基板31からソレノイド21bにON信号を送信してソレノイド21bを励磁させることによりプランジャ308を後退させて可動板20dを進出させ、主基板31からソレノイド21bにOFF信号を送信して(ON信号を送信しないで)ソレノイド21bの励磁を解除させることによりプランジャ308を図示しないバネの付勢力によって進出させて可動板20dを後退させる。
具体的には、第2特別可変入賞球装置20Bの可動板20dを第1期間にて第2大入賞口20cを開放状態とする制御を15回繰り返すときには(つまり、所定個数(例えば3個)の入賞球が発生しないときには)、主基板31は、図19に示すように、予め定められたタイミング毎(例えば、1秒ごと)に、ソレノイド21bにON信号を送信して可動板20dを進出させ、ON信号を送信してから第1期間(例えば、0.5秒)が経過したときにOFF信号を送信する(ON信号の送信を解除する)。このようにソレノイド21bにON信号が送信または解除されることにより、可動板20dの開閉動作が開始される。また、主基板31は、図20に示すように、ソレノイド21bにON信号を送信して第2大入賞口20cを開放状態としている状態で第1期間が経過する前に所定個数(例えば3個)の入賞球が発生したときには、ソレノイド21bにOFF信号を送信する(図20中、「12回目」、「14回目」参照)。
そして、この実施の形態では、1回のラウンド(例えば第9ラウンド)において、最後に可動板20dを開放状態から閉鎖状態に変更するときには(つまり、第1大当り状態では15回目、第2大当り状態では1回目)、可動板20dを閉鎖状態に変更するためにソレノイド21bにOFF信号を送信(ON信号の送信を解除)した後に、短時間(例えば数十ms(ミリセカンド)や数百msなど)のON信号を送信して可動板20dを若干開放させる(図19及び図20の「15回目」参照)。これにより、1回のラウンドにおいて最後に可動板20dを閉鎖状態に変更したときに、大入賞通路305にて球詰りが生じていたとしても、可動板20dを若干開放させることによって球詰りを解消させることができる。
また、ラウンドの最後以外にて可動板20dを開放状態から閉鎖状態に変更するときには、大入賞通路305にて球詰りが生じたとしても、短い期間後に可動板20dが開放状態とされるので、長期にわたって球詰りが生じることはない。このため、上述したようにラウンドにおける最後に可動板20dを閉鎖状態に変更するときにだけ可動板20dを若干開放させる制御を行うことにより、長期にわたって球詰りが生じるのを抑制することができるとともに、制御を簡易なものとすることができる。
また、この実施の形態では、第2大入賞口20cを複数回開閉させるときには、第2大入賞口20cが開放状態とされる時間にかかわらず予め定められたタイミング毎(例えば、1秒ごと)に、ソレノイド21bにON信号を送信して第2大入賞口20cを開放状態に変更するので(図20中、t1=t2=t3)、ソレノイド21bを駆動する制御を簡易なものとすることができる。
なお、可動板20dを開放状態から閉鎖状態に変更するときには、ラウンドにおける最後か否かにかかわらず、ソレノイド21bにOFF信号を送信(ON信号の送信を解除)した後、短時間(例えば数十ms(ミリセカンド)や数百msなど)のON信号を送信する制御を行うものとしてもよい。
また、可動板20dを開放状態から閉鎖状態に変更するときには、図19(a)や図20に示すように、可動板20dが完全に後退して閉鎖状態となる前にソレノイド21bにON信号を送信して可動板20dを若干進出させるものとしてもよいし、図19(b)に示すように、可動板20dが完全に後退して閉鎖状態となった後にソレノイド21bにON信号を送信して可動板20dを若干進出させるものとしてもよい。さらに、可動板20dを若干進出させる制御としては、ソレノイド21bに短時間のON信号を1回だけ送信するものに限定されず、ON信号を複数回送信しても構わない。
また、可動板20dの開閉は、変動期間(例えば、数秒などの比較的長い時間と、1秒などの比較的短い時間とを交互に繰り返すなど)の経過あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にてなされるものとしてもよい。また、この場合にも、図20に示すように、第2大入賞口20cが開放状態とされる時間にかかわらず予め定めたタイミング毎(例えば10秒ごと)に、ソレノイド21bにON信号を送信するものとすれば、第2特別可変入賞球装置20Bの制御を簡易なものとすることができる。
次に、第2特別可変入賞球装置20Bの近傍に配設された可動装置40について図21〜図24に基づいて説明する。図21は、可動装置40の構造を前方から示す分解斜視図であり、図22は、可動装置40の構造を後方から示す分解斜視図である。図23は、可動装置40の動作を示す斜視図であり、図24は、可動装置の動作40を側方から見た断面図である。尚、図21,図22,図24では、可動装置40を支持する支持用部材384についても示している。
可動装置40は、図21及び図22に示すように、前方に配置されて可動する装飾部材400と、装飾部材400の裏面に取り付けられて装飾部材400と一体に可動する可動体410と、可動体を支持用部材384に支持するための左右支持部材420L、420Rと、駆動源としてのソレノイド430と、ソレノイド430からの動力を可動体410に伝達する伝達部材440と、ソレノイド430を上方から覆うカバー450と、を備える。
装飾部材400は、可動体410の前方に取り付けられ、可動装置40の前面を構成する。装飾部材400は、所定のモチーフ(例えば、文字などの記号やイラスト又はその一部など)を構成するように、外形が形成されて装飾が施されている。また、装飾部材400の裏面には、可動体410との取り付けのためのビス孔が形成されている。
可動体410は、装飾部材400の後方に取り付けられて、装飾部材400と一体に可動する。可動体410は、装飾部材400及び可動体410が動作するときに可動体410が支持用部材384と干渉しないように、上端の裏面側が前方に傾斜して形成されている(図22参照)。また、可動体410の下端には、左右方向に伸びる支軸部411が後方に若干突出して設けられており、可動体410の裏面には、左右方向(図21や図22の例では右方向)に突出する係合軸412aを有する係合部412が形成されている。また、可動体410の裏面の係合軸412aに対応する位置には、可動体410の動作時に伝達部材440が干渉しないように溝部413が形成されている。可動体410は、装飾部材400のビス孔400aに対応する位置に貫通孔410aが形成されており、後方から装飾部材400にビス止めされる。
尚、この実施の形態では、装飾部材400及び可動体410は、後方からLEDなどの図示しない発光部材によって照射された光を遊技者側に透過させることができるように、透光性の合成樹脂材で形成されている。これにより、可動装置40は、装飾部材400及び可動体410の動作に伴って、または独立して、装飾部材400を発光させて演出を行うことができる。ただし、装飾部材400及び可動体410は、透光性の合成樹脂材で形成されるものに限定されず、透光性を有しない部材で形成されてもよい。また、装飾部材400は、例えばアルミニウムなどによって表面に金属薄膜層が形成され、外側からの光を反射させるとともに内側からの光を透過させる半透明状に構成されてもよい。
左右支持部材420L,420Rは、支持用部材384に取り付けられて可動体410を支持する。左右支持部材420L,420Rのそれぞれの裏面には、ビス孔421が形成されており、支持用部材384の後方からビスが挿通されて支持用部材384に固定される。左右支持部材420L,420Rのそれぞれには、左右方向に貫通する貫通孔422が形成されている。また、左右支持部材420L,420Rには、それぞれの部材を支持用部材384の誤った位置に取り付けないように前面に識別情報が付されている(図21の例では、「L」,「R」,矢印が付されている)。左右支持部材420L,420Rは、貫通孔422に可動体410の支軸部412が挿通した状態で支持用部材384にビス止めされ、これにより可動体410が支持用部材384に支持される。
ソレノイド430は、前方にプランジャ431が位置するように設けられ、カバー450を介して支持用部材384に支持される。カバー450は、ソレノイド430を支持した状態で、裏面から支持用部材384にビス止めされることで支持用部材384に取り付けられる。ソレノイド430のプランジャ431には、伝達部材440が取り付けられる。伝達部材440は、前方に突出して前端が下方に折れ曲がった伝達係合部441を有し、この伝達係合部441が可動体410の係合軸412aと係合する。
可動装置40を支持する支持用部材384には、左右支持部材420L,420Rをビス止めするための貫通孔が形成されているとともに、カバー450をビス止めするためのビス孔が形成されている。また、支持用部材384には、装飾部材400の動作に伴って装飾部材400の下端部401(被接触部)と当接する接触部385が前方に突出して形成されている(図21参照)。
可動装置40では、図23に示すように、可動体410の支軸部412が支持用部材384(図23では不図示)に軸支されて、ソレノイド430のプランジャ431が進退することにより可動体410及び装飾部材400が支軸部412を中心として揺動する。具体的には、この実施の形態では、可動装置ドライバ基板33からソレノイド430にOFF信号が送信されているときには(ON信号が送信されていないときには)、図23(a)に示すように、図示しないバネの付勢力によってプランジャ431が前方に進出し、装飾部材400が前方に回動した状態となる。一方、可動装置ドライバ基板33からソレノイド430にON信号が送信されているときには、図23(b)に示すように、ソレノイド430が励磁してプランジャ431が後退し、装飾部材400が後方に回動した状態となる。このように可動装置40では、ソレノイド430を駆動することによって装飾部材430を揺動させることで演出動作を行うことができる。
そして、この実施の形態では、装飾部材400が前方に回動した状態では、装飾部材400の下端部401が支持用部材384の接触部385と当接し(図24(a)参照)、装飾部材400が後方に回動した状態では、装飾部材400と支持用部材384の接触部385との接触が解除される(図24(b)参照)。つまり、装飾部材400が後方に回動した状態から前方に回動すると、装飾部材400の下端部401が接触部385に接触して、支持用部材384に衝撃が作用することになる。これにより、装飾部材400の動作に伴って装飾部材400と支持用部材384との接触音が生じるので、可動装置40では、装飾部材400を動作させることによって、視覚及び聴覚によって演出を行うことができる。尚、装飾部材400と支持用部材384とが接触しない範囲で装飾部材400を動作させ、接触音が生じない演出態様を備えるものとしてもよい。
しかも、可動装置40は、第2特別可変入賞球装置20Bと共通するベース部材380に取り付けられているとともに、第2特別可変入賞球装置20Bの近傍に配置されているので、装飾部材400と支持用部材384との接触による振動をベース部材380を介して第2特別可変入賞球装置20Bまで効果的に伝達させることができる。このため、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて、球詰まりが生じたときに、可動装置40を駆動することによって球詰まりを解消させることができる。
このため、この実施の形態では、第2特別可変入賞球装置20Bで球詰まりが生じる可能性があるときに、球詰まりが解消される振動を可動装置40から第2特別可変入賞球装置20Bに与える球詰まり解消動作を実行する。具体的には、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて、可動板20dを後退させることによって遊技球が入賞口に入賞しやすい開放状態(図9(b)参照)から入賞しないまたは入賞しにくい閉鎖状態(図9(a)参照)に変更するときに、装飾部材400と支持用部材384とを接触させるものとする。このときには、例えば、可動板20dを駆動するソレノイド21bに主基板31からOFF信号が送信されたときに、OFF信号が送信されてから所定期間(例えば0.5秒など)が経過するまでに装飾部材400を支持用部材384に複数回(例えば数度など)連続して衝突させるなどとすることができる。また、球詰まり解消動作は、可動板20dを後退させる少し前(例えば0.1秒前)から行うものとしてもよい。こうした可動装置40の球詰まり解消動作は、例えば実際に第2特別可変入賞球装置20Bに球詰まりが生じた状態で可動装置40を駆動する実験などを行うことによって設定すればよい。
また、可動装置40では、可動装置40による演出動作が、演出表示装置9や、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cといった他の演出機構による演出動作と同期して行われ、その演出動作の一部として球詰まり解消動作が行われることが好ましい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄として「第1大当り」に対応する大当り図柄が停止表示されて第1大当り状態に移行し、所定ラウンド(例えば第9ラウンド)において第2可変入賞球装置20Bによる開閉動作が実行されるときに、第2可変入賞球装置20Bによる開閉動作に伴って演出表示装置9や、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cによる演出が実行され、これらの演出に合わせて可動装置40による演出動作が行われて、その演出動作の一部として球詰まり解消動作が行われるものとすることができる。
また、この実施の形態では、図20に示すように、第2大入賞口20cを複数回開閉させるときには、第2大入賞口20cが開放状態とされる時間にかかわらず予め定められたタイミング毎(例えば、1秒ごと)に、ソレノイド21bにON信号を送信して第2大入賞口20cを開放状態に変更するので(図20中、t1=t2=t3)、演出表示装置9や可動装置40による演出動作を簡易なものとすることができる。
ただし、可動装置40による演出動作や球詰まり解消動作は、演出表示装置9や天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの演出に同期させるものに限定されず、例えば第2可変入賞球装置20Bにおいて開放状態から閉鎖状態に変更されるときに独立して可動装置40による球詰まり解消動作が実行されるものとしてもよい。
また、例えば、第2可変入賞球装置20Bにおいて開放状態から閉鎖状態に変更されるときであっても、再び直ぐに開放状態に変更されるときには(例えば第1大当り状態の所定ラウンドにおいてラウンドの最後以外にて可動板20dを開放状態から閉鎖状態に変更するときなど)、可動装置40による球詰まり解消動作が実行されないものとしてもよい。こうすれば、長期にわたって球詰りが生じるのを抑制することができるとともに、制御を簡易なものとすることができる。
尚、この実施の形態では、可動体410に左右方向に伸びる支軸部412が形成されるとともに、左右支持部材420L,420Rに支軸部412が貫通する貫通孔422が形成されるものとしたが、左右支持部材420L,420Rに左右方向に伸びる支軸が形成されて可動体410に支軸が挿通する貫通孔が形成されてもよい。
また、この実施の形態では、装飾部材400及び可動体410は、可動体410の支軸部412が左右装飾部材420L,420Rに軸支されて揺動するものとしたが、こうした例に限定されるものではなく、例えば、装飾部材400が前後方向に移動して装飾部材400が支持用部材384に接触するものとしてもよいし、装飾部材400が前後方向を回転軸に回動して支持用部材384に接触するものとしてもよい。
また、この実施の形態では、ソレノイド430の励磁を解除しているときに、装飾部材400の下端部401が支持用部材384の接触部385と当接するように構成されるものとしたが、こうした例に限定されるものではなく、例えばソレノイド430が励磁されるときに装飾部材400の上端部が支持用部材384に当接するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、支持用部材384に装飾部材400と当接する接触部385が形成されるものとしたが、装飾部材400に後方に突出する当接部が形成されるものとしてもよい。また、可動装置40から第2特別可変入賞球装置20Bに球詰まりが解消される振動を与えることができれば、例えば装飾部材400が移動することによって慣性による振動がベース部材380を介して第2特別可変入賞球装置20Bに与えられるなど、支持用部材384と装飾部材400とが接触しないものとしてもよい。
また、この実施の形態では、可動装置40は、第2可変入賞球装置20Bが取り付けられたベース部材380に、支持用部材384を介して間接的に取り付けられるものとしたが、支持用部材384を介することなく直接的に取り付けられてもよい。
また、この実施の形態では、可動板20dが進退する第2特別可変入賞球装置20Bを例に可動装置40の説明をしたが、可動装置40は、開閉部材が動作することにより遊技球が入賞口に入賞しやすい開放状態と入賞しないまたは入賞しにくい閉鎖状態とに変化する可変入賞装置の近傍に設けられればよく、第2特別可変入賞球装置20B以外の可変入賞球装置にも適用することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。