JP2019140327A - プリント配線板、プリント回路板およびプリント回路板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着剤が電極パッド上に広がって正常なはんだ付けを阻害するといった問題の発生を防止できるプリント配線板を提供する。【解決手段】プリント回路板100は、表面を有する基板1と、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、絶縁膜4と、部品2と、第1導電部材7aと、第2導電部材7bと、接着部材6とを備える。部品2は、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとに接続される。部品2は、第1電極2aの端面2dが第1電極パッド3aに面するとともに、第2電極2bの端面2eが第2電極パッド3bに面するように配置される。接着部材6は、部品2の本体部2cと、基板1の表面の一部5とを接続する。第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2における第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2以上である。【選択図】図2
Description
この発明は、プリント配線板、プリント回路板およびプリント回路板の製造方法に関し、より特定的には、電子部品を実装するプリント配線板、当該プリント配線板を用いたプリント回路板およびプリント回路板の製造方法に関する。
電子機器の小型・高機能化の進展に伴い、電子回路実装基板を構成するプリント回路板の小型化・高密度化が進んでいる。プリント回路板を構成する配線基板であり、各種電子部品や電気部品などの部品を搭載する配線基板をプリント配線板と呼ぶ。当該プリント配線板には、電子部品との電気的接続部を形成するための複数の電極パッドと、当該電極パッド間を接続する配線パターンとが形成されている。
プリント配線板への高密度実装化を実現するため、搭載する部品の小型化も進展している。例えば、角チップ積層セラミックコンデンサや、角チップレジスタなどのチップ部品の寸法は、従来、3216サイズ(3.2mm×1.6mm)から1608サイズ(1.6mm×0.8mm)のものが主流であったのに対し、近年は1005サイズ(1.0mm×0.5mm)から0603サイズ(0.6mm×0.3mm)のものが主流になってきている。
チップ部品をプリント配線板にフローはんだ付け工法で実装する場合、あらかじめチップ部品をプリント配線板の所定の位置に固定するために接着剤が用いられる。小型のチップ部品をプリント配線板にフローはんだ付け実装する場合、チップ部品の両端部の電極と相対する位置に設置されたプリント配線板上の2つの電極パッドの間隔は極めて狭い。そのため、接着剤を当該2つの電極パッドの間に供給しようとした場合、接着剤の流動によって電極パッド上に接着剤が広がるという課題がある。また、2つの電極パッドの間に接着剤を供給した後に、チップ部品を当該接着剤上に搭載する時に、接着剤が押し広げられて電極パッド上にまで到達してしまうという課題もある。
この課題に対し、特許文献1では、チップ部品を搭載するための第1の電極パッドと第2の電極パッドとの間において、第1および第2の電極パッドの相対する縁部の間のレジストを除去し、プリント配線板の基板の表面を露出させている。この結果、露出した基板の当該表面は第1および第2の電極パッドの上面より下がった凹部となる。そのため、チップ部品を固定するための接着剤を当該プリント配線板の露出した基板の表面に供給した際に、接着剤は、第1の電極パッドと第2の電極パッドとの間の凹部に留まる。この結果、接着剤が第1および第2の電極パッド上に広がることを防止して適切にはんだ付けできるとしている。
しかしながら、角チップ部品が小型化し、たとえばそのサイズが1005サイズ以下になると、上述した第1の電極パッドと第2の電極パッドとの間隔は0.5mm以下になる。当該間隔は接着剤を供給するためには小さすぎるため、上述した特許文献1のように第1および第2の電極パッド間のレジストを除去する、あるいは、第1および第2の電極間の相対する縁部に接着剤の侵入防止剤を塗布する、といった対応のみでは、供給した接着剤が電極パッド上へ広がることを完全に防止することは困難であった。また、上述したような部品よりサイズの大きな部品を実装する場合においても、プリント配線板における第1の電極パッドと第2の電極パッドとの間の距離が十分確保されない場合には同様の問題が発生する。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、部品をプリント配線板上の電極パッドにフローはんだ付け工法を用いて実装する際、あらかじめ接着剤を用いて部品をプリント配線板上の所定の位置に固定する時に、接着剤が電極パッド上に広がって正常なはんだ付けを阻害するといった問題の発生を防止できるプリント配線板を提供することである。また、当該プリント配線板を用いたプリント回路板および当該プリント回路板の製造方法を提供することである。
本開示に従ったプリント回路板は、表面を有する基板と、第1電極パッドと、第2電極パッドと、絶縁膜と、部品と、第1導電部材と、第2導電部材と、接着部材とを備える。第1電極パッドは、基板の表面に設けられる。第2電極パッドは、基板の表面において、第1電極パッドと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜は、基板の表面上に設けられる。絶縁膜には、第1電極パッドと、第2電極パッドと、第1電極パッドと第2電極パッドとの間に位置する基板の表面の一部とを露出させる開口部が形成される。部品は、第1電極パッドと第2電極パッドとに接続される。部品は、本体部と、第1電極と、第2電極とを含む。第1電極は、本体部の一方端部に配置される。第2電極は、本体部において一方端部と反対側の他方端部に配置される。第1電極と第2電極とは、一方端部から他方端部に向かう方向における端面をそれぞれ有する。部品は、第1電極の端面が第1電極パッドに面するとともに、第2電極の端面が第2電極パッドに面するように配置される。第1導電部材は、第1電極の端面と第1電極パッドとを接続する。第2導電部材は、第2電極の端面と第2電極パッドとを接続する。接着部材は、部品の本体部と、基板の表面の一部とを接続する。第1電極パッドと第2電極パッドとの間の距離は、部品における第1電極の端面と第2電極の端面との間の距離以上である。
本開示に従ったプリント配線板は、部品を実装するためのプリント配線板であって、表面を有する基板と、第1電極パッドと、第2電極パッドと、絶縁膜とを備える。第1電極パッドは、基板の表面に設けられる。第2電極パッドは、基板の表面において、第1電極パッドと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜は、基板の表面上に設けられる。絶縁膜には、第1電極パッドと、第2電極パッドと、第1電極パッドと第2電極パッドとの間に位置する基板の表面の一部とを露出させる開口部が形成される。第1電極パッドと第2電極パッドとの間の距離は、第1電極パッドから第2電極パッドに向かう方向に対して垂直な第1方向における第1電極パッドの幅の2倍以上である。
本開示に従ったプリント回路板の製造方法は、プリント配線板を準備する工程を備える。プリント配線板は、表面を有する基板と、第1電極パッドと、第2電極パッドと、是有縁膜とを含む。第1電極パッドは基板の表面に設けられる。第2電極パッドは、基板の表面において、第1電極パッドと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜は、基板の表面上に設けられる。絶縁膜には、第1電極パッドと、第2電極パッドと、第1電極パッドと第2電極パッドとの間に位置する基板の表面の一部とを露出させる開口部が形成される。上記プリント回路板の製造方法は、さらに、プリント配線板における基板の表面の一部上に接着剤を供給する工程と、接着剤上に部品を配置する工程とを備える。部品は、本体部と、第1電極と、第2電極とを含む。第1電極は、本体部の一方端部に配置される。第2電極は、本体部において一方端部と反対側の他方端部に配置される。第1電極と第2電極とは、一方端部から他方端部に向かう方向における端面をそれぞれ有する。部品を配置する工程において、部品は、第1電極の端面が第1電極パッドに面するとともに、第2電極の端面が第2電極パッドに面するように配置される。部品を配置する工程において、接着剤は部品の本体部と基板の表面の一部とを接続する。さらに、上記プリント回路板の製造方法は、接着剤を硬化させて接着部材とする工程と、第1導電部材と第2導電部材とを形成する工程とを備える。第1導電部材は、第1電極の端面と第1電極パッドとを接続する。第2導電部材は、第2電極の端面と第2電極パッドとを接続する。第1電極パッドと第2電極パッドとの間の距離は、部品における第1電極の端面と第2電極の端面との間の距離以上である。
上記によれば、第1電極パッドと第2電極パッドとの間の距離が部品の第1電極の端面と第2電極の端面との間の距離以上となっているので、接着剤を用いて部品をプリント配線板上の所定の位置に固定する時に、接着剤が電極パッド上に広がって正常なはんだ付けを阻害するといった問題の発生を防止できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
実施の形態1.
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図1は、実施の形態1に係るプリント回路板の部分平面模式図である。図2は、図1の線分II−IIにおける部分断面模式図である。図3は、図1に示したプリント回路板を説明するための参考図である。図1〜図3を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図1は、実施の形態1に係るプリント回路板の部分平面模式図である。図2は、図1の線分II−IIにおける部分断面模式図である。図3は、図1に示したプリント回路板を説明するための参考図である。図1〜図3を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
図1および図2に示すプリント回路板100は、プリント配線板200に部品2を実装したものである。部品2としては、たとえばセラミックコンデンサやチップレジスタ、水晶振動子、半導体部品などの電子部品を用いることができる。
プリント配線板200は、部品2を実装するためのプリント配線板200であって、表面を有する基板1と、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、絶縁膜4とを備える。プリント回路板100は、上記プリント配線板200と、部品2と、第1導電部材7aと、第2導電部材7bと、接着部材6とを備える。
基板1は、例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂で構成されている。部品2は、プリント配線板に実装する電子部品で、例えば、1005と呼称される全長が1mm、幅が0.5mmの角チップ積層セラミックコンデンサ(以後、セラミックコンデンサと表記)である。部品2のサイズは上述したサイズ以下であってもよい。部品2は、本体部2cと、第1電極2aと、第2電極2bとを含む。本体部2cの両端には、プリント配線板の電極と接続するための第1電極2aと第2電極2bとが配置されている。第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3bは、プリント配線板200の基板1上に設けられた電極パッドである。第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2の全長である第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2と実質的に同一になっている。なお、上記距離L1を、距離L2を超える長さとしてもよい。また異なる観点から言えば、上記距離L1は、第1電極パッド3aから第2電極パッド3bに向かう方向に対して垂直な第1方向における第1電極パッド3aの幅W1の2倍以上であってもよい。当該幅W1は実装する電子部品である部品2の幅と同等以上であることが好ましい。
絶縁膜4は、基板1上に形成されている。絶縁膜4は、基板1の表面に形成された配線パターン(図示せず)を覆い、当該配線パターンの短絡や損傷を防止するために形成されている。絶縁膜4としてはたとえばソルダーレジストを用いてもよい。絶縁膜4は、一般に、プリント配線板200の基板1上において、上記第1および第2電極パッド3a、3bなどの電極パッド以外のほとんどの領域を覆うように形成されている。第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間に位置する基板1の表面の一部5は、基板1上の絶縁膜4を部分的に除去した部分である。当該表面の一部5は、部品2が実装される領域の直下に位置する。なお、絶縁膜4には、第1電極パッド3a、第2電極パッド3b、上記基板1の表面の一部5を露出させる開口部4aが形成されている。
接着部材6は、部品2と基板1とを直接接着固定する接着剤である。接着部材6としては、例えば、熱硬化型エポキシ接着剤を用いることができる。第1導電部材7aおよび第2導電部材7bは、部品2の第1電極2aおよび第2電極2bと、プリント配線板200の第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3bとを電気的、機械的に接続する。第1導電部材7aおよび第2導電部材7bとしてははんだを用いることができる。第1および第2導電部材7a、7bは、例えば鉛フリーはんだであってもよく、当該鉛フリーはんだの合金組成は、Sn−3.0mass%Ag−0.5mass%Cuであってもよい。
ここで、図24を参照しながら、比較例としてのプリント回路板を説明する。図24は、比較例に係るプリント回路板の部分断面模式図であって、比較例としてのプリント配線板1200に電子部品である部品2を実装したプリント回路板1100を示す。図24に示すように、比較例に係るプリント配線板1200は、基板1と、第1電極パッド103aと、第2電極パッド103bと、絶縁膜4とを備える。また、比較例に係るプリント回路板1100は、図24に示すように、プリント配線板1200と、部品2と、第1導電部材7aと、第2導電部材7bと、接着部材6とを備える。
図24に示したプリント配線板1200およびプリント回路板1100は、基本的には図1および図2に示したプリント配線板200およびプリント回路板100と同様の構成を備えるが、第1電極パッド103aおよび第2電極パッド103bの構成と、部品2の実装形態とが図1および図2に示したプリント配線板200およびプリント回路板100と異なっている。すなわち、図24に示したプリント配線板1200およびプリント回路板1100では、第1電極パッド103aと第2電極パッド103bとの間の距離L1は、部品2の全長である距離L2よりも短い。図24に示した構造では、第1電極パッド103aと第2電極パッド103bとが、部品2の第1電極2aおよび第2電極2bの直下の位置から部品2の外側にまで延長されるよう形成されている。接着部材6の延出部106は、部品2と基板1の表面の一部5とを直接接着固定する接着部材6の一部が、第1電極パッド103a上に意図せず広がった部分である。
第1導電部材107aは、部品2の第1電極2aとプリント配線板1200の第1電極パッド103aとを電気的、機械的に接続する。第2導電部材107bは、部品2の第2電極2bとプリント配線板1200の第2電極パッド103bとを電気的、機械的に接続する。図24に示すように、接着部材6の延出部106が第1電極パッド3a上に広がってしまった結果、第1導電部材107aの形状が変形している。具体的には、第1導電部材107aが第1電極パッド103aの表面と接続された接続部の面積は、第2導電部材107bが第2電極パッド103bの表面と接続された接続部の面積より小さくなっている。
まず、本実施形態に係るプリント回路板100およびプリント配線板200と、図24に示した比較例に係るプリント回路板1100およびプリント配線板1200とに共通する技術について説明する。
プリント配線板200、1200に、電子部品である部品2を実装する方法として、フローはんだ付け工法を用いる場合、プリント配線板200、1200上の第1電極パッド3a、103aおよび第2電極パッド3b、103bに面する位置に部品2をあらかじめ固定する。その後に、部品2を固定したプリント配線板200、1200の面を下にして、プリント配線板200、1200の下にした面全体を、溶融はんだ噴流に数秒間接触させる。この結果、部品2の第1電極2aおよび第2電極2bと、プリント配線板200、1200の第1電極パッド3a、103aおよび第2電極パッド3b、103bとをはんだ付けする。この時、部品2をプリント配線板200、1200上にあらかじめ固定する手段として、たとえば熱硬化エポキシ接着剤などの接着部材6が用いられる。
当該接着部材6により部品2をプリント配線板200、1200上に固定する工程としては、まず、プリント配線板200、1200上の第1電極パッド3a、103aと、第2電極パッド3b、103bとの間に、接着部材6となる熱硬化エポキシ接着剤を塗布する。この塗布工程においては、熱硬化エポキシ接着剤は硬化しておらず、流動性を有している。したがって、例えば、ディスペンサと呼ばれる液体吐出器を用いてシリンジなどの容器内から熱硬化エポキシ接着剤を適量取り出し、注射針状のノズルにより当該接着剤を塗布する方法が用いられる。あるいは、塗布工程において、熱硬化エポキシ接着剤を供給しようとする位置にだけ開口部を設けたステンシルと呼称される印刷マスク用いる方法を採用してもよい。具体的には、プリント配線板200、1200上にステンシルを位置合わせした後、スキージと呼称されるヘラを用いて、ステンシル上に置いた熱硬化エポキシ接着剤を擦り付けながら掻き取ることによって、ステンシルの開口部のみに熱硬化エポキシ接着剤を供給する。その後、ステンシルをプリント配線板200、1200から取り外すことで、プリント配線板200、1200の表面の意図した位置に熱硬化エポキシ接着剤を塗布できる。
その後、部品2を、マウンターと呼称される部品搭載機を用いて、部品2の第1電極2aがプリント配線板200、1200の第1電極パッド3a、103aと対向し、部品2の第2電極2bがプリント配線板200、1200の第2電極パッド3b、103bと対向するように配置する。このとき、部品2の本体部2cと基板1のレジストからなる絶縁膜4が除去された表面の一部5とに熱硬化エポキシ接着剤が接触する。その後に、この系全体を加熱して、熱硬化エポキシ接着剤を硬化させることによって、部品2と基板1とを接続固定する接着部材6とする。このようにして、フローはんだ付け前の準備を完了する。
ここで、熱硬化エポキシ接着剤の供給においては、部品2を基板1上に確実に固定するための十分な量の熱硬化エポキシ接着剤が必要である。しかし、図24に示した比較例のプリント配線板1200の場合、熱硬化エポキシ接着剤の量が過剰であると、流動性を有する熱硬化エポキシ接着剤が、基板1上のレジスト除去部である表面の一部5の範囲を超えて流動し、第1電極パッド103a上にまで広がってしまうことがある。このような状態のままで部品2をプリント配線板1200に搭載し、フローはんだ付けすると、第1電極パッド103aの表面において熱硬化エポキシ接着剤が存在している部分をはんだ付けすることが不可能になり、異常なはんだ付け部となった第1導電部材107aが形成されてしまう。図24に示した第1導電部材107aでは、有効なはんだ付け断面積が縮小するため、機械的強度が不十分になり、熱ひずみによる疲労寿命が低下する可能性がある。
これに対し、図1および図2に示した本実施形態に係るプリント配線板200の場合、基板1上の第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1が、部品2の全長である距離L2と同一また当該距離L2より長いため、基板1の表面の一部5の広さが、図24に示した比較例のプリント配線板1200の当該表面の一部5と比較して広くなる。このため、熱硬化エポキシ接着剤の供給に際して、当該熱硬化エポキシ接着剤が流動しても第1電極パッド3aまたは第2電極パッド3b上にまで当該接着剤が広がることを防止することが可能になる。そのため、部品2を熱硬化エポキシ接着剤で固定した後のフローはんだ付けにおいて、健全なはんだ接合部である第1導電部材7aおよび第2導電部材7bを得られる。
ところで、この実施の形態では、基板1上の電極パッド3aと別の電極パッド3bとの間の距離L1が部品2の全長と同じ場合について述べたが、この第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1を部品2の全長(距離L2)より長く設定することによって、熱硬化エポキシ接着剤が、第1電極パッド3aまたは第2電極パッド3b上に広がる可能性をさらに低減できる。ただし、この第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1を拡大し過ぎると、図3に示すように、部品2の第1電極2aと第1電極パッド3aとの間の距離L3、または部品2の第2電極2bと第2電極パッド3bとの間の距離L4が過大になる。このようにたとえば第2電極2bと第2電極パッド3bとの間の距離L4が過大になった場合、フローはんだ付けを行うと、図3に示すように部品2の第2電極2b上のはんだ7b1と、プリント配線板200の第2電極パッド3b上のはんだ7b2とが分離される。この結果、部品2の第2電極2bとプリント配線板200の電極パッド3bとを電気的、機械的に接続することができなくなってしまう。このような問題の発生を防止するために、図3に示す距離L3、L4は0.8mm以下に制限することが好ましい。従って、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2の全長である距離L2より1.6mm長い長さを最大値とすることが好ましい。すなわち、距離L1は、距離L2以上、距離L2に1.6mmを加えた長さ以下とすることが好ましい。また異なる観点から言えば、距離L1は、第1方向における第1電極パッド3aの幅W1(図1参照)の2倍以上、当該幅W1の2倍に1.6mmを加えた長さ以下としてもよい。
また、図24に示した比較例としてのプリント回路板1100の場合、部品2の第1電極2aおよび第2電極2bの下面と第1電極パッド103aおよび第2電極パッド103bとの間もはんだからなる第1および第2導電部材107a、107bで満たされた接合部形状となるよう設計されている。また、図24に示すように熱硬化エポキシ接着剤が、運良く第2電極パッド103b上に広がることなく、正常なはんだ付けが行えた場合でも、部品2の第2電極2bの下部と第2電極パッド103bとの間のはんだの厚さは、最大でも0.1mm程度であり、第2電極2bの下部と第2電極パッド103bとの間には極めて薄いはんだ接合部である第2導電部材107bが形成される。
このプリント回路板1100を使用中に、温度変化などによって、第1および第2導電部材107a、107bに熱ひずみが生じると、第2導電部材107bにおいて厚さの小さい部分、つまり第2電極2bの下部と第2電極パッド103bとの間に位置する第2導電部材107bの端部から疲労き裂が発生することがある。この疲労き裂は、容易に第2電極2bの下部と第2電極パッド103bとの間の第2導電部材107b全体に伝播する。ここで発生したき裂先端のノッチ効果、すなわち応力拡大効果により、部品2の第2電極2bの端面2e上に位置する第2導電部材107b中へもき裂が伝播しやすくなり、結果的にプリント回路板1100の疲労寿命が低下してしまう問題があった。
これに対し、本実施の形態に係るプリント回路板100の場合、部品2の第1電極2aの下部と第2電極2bの下部の直下には、プリント配線板200の第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3bはない。図1および図2に示したプリント回路板100では、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとは、部品2の第1および第2電極2a、2bの端面2d、2eのみと第1および第2導電部材7a、7bによりはんだ付けされる構造になる。そのため、第1および第2導電部材7a、7bにおいて特に薄い部分は形成されず、第1および第2導電部材7a、7bは滑らかな形状となっている。したがって、プリント回路板100に温度変化が生じても、第1および第2導電部材7a、7bに熱ひずみが集中することがなく、疲労寿命の低下を防止できる効果もある。
なお、本実施の形態の説明において、プリント配線板200の基板1としてガラス繊維強化エポキシ樹脂基板を用いた場合について述べたが、これに限るものでなく、基板1としてガラス不織布とエポキシ樹脂のコンポジット基板や、紙により強化したエポキシ樹脂基板、紙により強化したフェノール樹脂基板などを用いた場合でも同様の効果がある。また、プリント配線板200に実装する部品2として1005サイズの角チップ積層セラミックコンデンサを用いた場合について述べたが、これに限るものでないことは言うまでもない。部品2としては、角チップレジスタ、角チップインダクタ、チップダイオード、ミニモールドトランジスタなどの部品を用いた場合であっても同様の効果が得られる。さらに、部品2のサイズがさらに小さい0603サイズなどの場合に、本実施の形態に係るプリント回路板100は一層の効果がある。さらに、図2では、絶縁膜4と第1電極パッド3aまたは第2電極パッド3bとの間に、間隙が存在する場合について描画しているが、この形態に限るものでなく、絶縁膜4が、第1および第2電極パッド3a、3bの一部を覆う形状になっている場合でも、同様の効果があることは言うまでもない。
<特徴的な構成及び作用効果>
本実施の形態に従ったプリント回路板100は、表面を有する基板1と、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、絶縁膜4と、部品2と、第1導電部材7aと、第2導電部材7bと、接着部材6とを備える。第1電極パッド3aは、基板1の表面に設けられる。第2電極パッド3bは、基板1の表面において、第1電極パッド3aと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜4は、基板1の表面上に設けられる。絶縁膜4には、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間に位置する基板1の表面の一部5とを露出させる開口部4aが形成される。部品2は、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとに接続される。部品は、本体部2cと、第1電極2aと、第2電極2bとを含む。第1電極2aは、本体部2cの一方端部に配置される。第2電極2bは、本体部2cにおいて一方端部と反対側の他方端部に配置される。第1電極2aと第2電極2bとは、一方端部から他方端部に向かう方向における端面2d、2eをそれぞれ有する。部品2は、第1電極2aの端面2dが第1電極パッド3aに面するとともに、第2電極2bの端面2eが第2電極パッド3bに面するように配置される。第1導電部材7aは、第1電極2aの端面2dと第1電極パッド3aとを接続する。第2導電部材7bは、第2電極2bの端面2eと第2電極パッド3bとを接続する。接着部材6は、部品2の本体部2cと、基板1の表面の一部5とを接続する。第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2における第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2以上である。
本実施の形態に従ったプリント回路板100は、表面を有する基板1と、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、絶縁膜4と、部品2と、第1導電部材7aと、第2導電部材7bと、接着部材6とを備える。第1電極パッド3aは、基板1の表面に設けられる。第2電極パッド3bは、基板1の表面において、第1電極パッド3aと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜4は、基板1の表面上に設けられる。絶縁膜4には、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間に位置する基板1の表面の一部5とを露出させる開口部4aが形成される。部品2は、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとに接続される。部品は、本体部2cと、第1電極2aと、第2電極2bとを含む。第1電極2aは、本体部2cの一方端部に配置される。第2電極2bは、本体部2cにおいて一方端部と反対側の他方端部に配置される。第1電極2aと第2電極2bとは、一方端部から他方端部に向かう方向における端面2d、2eをそれぞれ有する。部品2は、第1電極2aの端面2dが第1電極パッド3aに面するとともに、第2電極2bの端面2eが第2電極パッド3bに面するように配置される。第1導電部材7aは、第1電極2aの端面2dと第1電極パッド3aとを接続する。第2導電部材7bは、第2電極2bの端面2eと第2電極パッド3bとを接続する。接着部材6は、部品2の本体部2cと、基板1の表面の一部5とを接続する。第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2における第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2以上である。
このようにすれば、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1を部品2のサイズより長くして接着部材6を配置するのに十分なスペースを確保できる。すなわち、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとが、実装する部品2の第1電極2aおよび第2電極2bの直下より外側に配置されているため、接着部材6を配置するためのスペースを確保できる。また、絶縁膜4には第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間において基板1の表面の一部5を露出させる開口部4aが形成されているので、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間には当該基板1の表面の一部5を底とする凹部が形成される。このため、当該基板1の表面の一部5上に、接着部材6となるべき接着剤を配置した場合、当該接着剤は凹部内に配置されることになる。この結果、当該接着剤が第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3b上に広がるのを防止することができる。このため、第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3bと部品2の第1電極2aおよび第2電極2bとが第1導電部材7aおよび第2導電部材7bにより正常に接続されたプリント回路板100が得られる。
また、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとが、実装する部品2の第1および第2電極2a、2bの直下より外側に位置しているので、部品2の第1電極2aの端面2dと第1電極パッド3aとが第1導電部材7aにより接続され、部品2の第2電極2bの端面2eと第2電極パッド3bとが第2導電部材7bにより接続される。このため、部品2の第1電極2aと第1電極パッド3aとが平面視において重なる場合のように、第1電極2aの下面と第1電極パッド3aとが対向する狭い隙間部にはんだなどの導電部材が配置されない。ここで、部品2における温度サイクルなどによる熱ひずみが生じた場合には、当該隙間部に配置された導電部材が破損し易い。しかし、本実施の形態では当該隙間部に導電部材が配置されないので、このような熱ひずみに起因する導電部材の破損確率を低減できる。このため、プリント回路板100の疲労寿命の低下を抑制できる。
上記プリント回路板100において、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2における第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2に1.6mmを加えた長さ以下である。
この場合、第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3bと第1電極2aおよび第2電極2bとの間の距離が長くなり過ぎて、第1導電部材7aおよび第2導電部材7bにより上記電極パッドと電極との間を接続できないといった問題の発生を防止できる。このため、図24に示すように接着部材6が第1電極パッド103a上に広がるのを防止することができるとともに、たとえば第1導電部材7aおよび第2導電部材7bをフローはんだ付けにより形成されたはんだとする場合に、第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3bと第1電極2aおよび第2電極2bとの間をはんだにより確実に接続できる。
本開示に従ったプリント配線板200は、部品2を実装するためのプリント配線板200であって、表面を有する基板1と、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、絶縁膜4とを備える。第1電極パッド3aは、基板1の表面に設けられる。第2電極パッド3bは、基板1の表面において、第1電極パッド3aと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜4は、基板1の表面上に設けられる。絶縁膜4には、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間に位置する基板の表面の一部5とを露出させる開口部4aが形成される。第1電極パッド3aから第2電極パッド3bに向かう方向に対して垂直な第1方向における第1電極パッド3aの幅W1は実装する電子部品の幅と同等以上である、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、第1方向における第1電極パッド3aの幅W1の2倍以上である。
このようにすれば、上記のような極めてサイズの小さい第1電極パッド3aが形成されているプリント配線板において、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1を相対的に長くして接着部材6を配置するのに十分なスペースを確保できる。また、絶縁膜4には第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間において基板1の表面の一部5を露出させる開口部4aが形成されているので、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間には当該基板1の表面の一部5を底とする凹部が形成される。このため、当該基板1の表面の一部5上に、部品2を固定するための接着部材6となるべき接着剤を配置した場合、当該接着剤は凹部内に配置されることになる。この結果、当該接着剤が第1および第2電極パッド3a、3b上に広がるのを防止することができる。
上記プリント配線板200において、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、第1方向における第1電極パッド3aの幅W1の2倍に1.6mmを加えた長さ以下である。
この場合、第1および第2電極パッド3a、3bに接続される部品2の第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2が上記第1電極パッド3aの幅W1の2倍程度であるときに、第1および第2電極パッド3a、3bと第1および第2電極2a、2bとの間の距離が長くなり過ぎて、はんだなどの第1および第2導電部材7a、7bにより上記電極パッドと電極との間を接続できないといった問題の発生を防止できる。このため、接着部材6が第1および第2電極パッド3a、3b上に広がるのを防止することができるとともに、第1および第2電極パッド3a、3bと第1および第2電極2a、2bとの間を第1および第2導電部材7a、7bにより確実に接続できる。
実施の形態2.
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図4は、実施の形態2に係るプリント回路板の部分断面模式図である。図4を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図4は、実施の形態2に係るプリント回路板の部分断面模式図である。図4を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
図4に示すプリント回路板100およびプリント配線板200は、基本的には図1および図2に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と同様の構成を備えるが、絶縁膜4の構成が図1および図2に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と異なっている。すなわち、絶縁膜4は、第1延在部8aと第2延在部8bとを含む。第1延在部8aは、第1電極パッド3aと基板1の表面の一部5との間を区画する。第2延在部8bは、第2電極パッド3bと基板1の表面の一部5との間を区画する。第1延在部8aは、絶縁膜4と同一レイヤにより構成された部分4bからなる。第2延在部8bは、絶縁膜4と同一レイヤにより構成された部分4cからなる。第1延在部8aおよび第2延在部8bの厚さは、絶縁膜4において第1延在部8aおよび第2延在部8b以外の領域における厚さと同じでもよいし、当該厚さより薄くてもよい。
なお、第1延在部8aは、第1電極パッド3aと接着部材6が配置された基板1の表面の一部5との間を完全に区画してもよい。具体的には、第1延在部8aは、第1電極パッド3aにおいて上記基板1の表面の一部5に面する辺全体と対向するように、十分な長さを有していてもよい。また、第1電極パッド3aにおいて基板1の表面の一部5に面する辺の一部のみと対向するように第1延在部8aを形成してもよい。また、第2延在部8bは、第2電極パッド3bと基板1の表面の一部5との間を完全に区画するように、第2電極パッド3bにおいて上記基板1の表面の一部5に面する辺全体と対向するように、十分な長さを有していてもよいが、第2電極パッド3bにおいて基板1の表面の一部5に面する辺の一部のみと対向するように形成されてもよい。
<特徴的な構成および作用効果>
上記プリント回路板100または上記プリント配線板200において、絶縁膜4は、第1延在部8aと第2延在部8bとを含む。第1延在部8aは、第1電極パッド3aと基板1の表面の一部5との間を区画する。第2延在部8bは、第2電極パッド3bと基板1の表面の一部5との間を区画する。
上記プリント回路板100または上記プリント配線板200において、絶縁膜4は、第1延在部8aと第2延在部8bとを含む。第1延在部8aは、第1電極パッド3aと基板1の表面の一部5との間を区画する。第2延在部8bは、第2電極パッド3bと基板1の表面の一部5との間を区画する。
この場合、第1延在部8aおよび第2延在部8bが、基板1の表面の一部5上から第1電極パッド3aまたは第2電極パッド3bに向けて接着部材6となるべき接着剤の広がりを堰き止める障害物として機能する。したがって、当該接着剤が第1および第2電極パッド3a、3b上に広がることをさらに防止できる。
実施の形態3.
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図5は、実施の形態3に係るプリント回路板の部分断面模式図である。図5を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図5は、実施の形態3に係るプリント回路板の部分断面模式図である。図5を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
図5に示すプリント回路板100およびプリント配線板200は、基本的には図4に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と同様の構成を備えるが、絶縁膜4の第1延在部8aおよび第2延在部8bの構成が図4に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と異なっている。すなわち、図5に示したプリント回路板100およびプリント配線板200では、第1延在部8aと第2延在部8bとが2層構造となっている。第1延在部8aは、絶縁膜4の部分4bと、当該部分4b上に積層された上層絶縁膜9aとを含む。第2延在部8bは、絶縁膜4の部分4cと、当該部分4c上に積層された上層絶縁膜9bとを含む。第1延在部8aおよび第2延在部8bは、上記のような2層構造に限られず、3層以上の多層構造であってもよい。
図5に示したプリント回路板100およびプリント配線板200では、第1延在部8aおよび第2延在部8bの最大厚さT2は、絶縁膜4において第1延在部8aおよび第2延在部8b以外の領域における厚さT1より厚い。また、第1延在部8aおよび第2延在部8bは、単一の層により構成されていてもよい。また、第1延在部8aおよび第2延在部8bは、図5に示すように局所的に厚さが異なっていてもよい。第1延在部8aは、絶縁膜4の部分4bの上面の一部上のみに上層絶縁膜9aが配置されている。このため、第1延在部8aにおいて、部分4bのみにより構成される領域の厚さT3は、部分4bと上層絶縁膜9aとが積層された領域の厚さである最大厚さT2より薄くなっている。
上層絶縁膜9aは、部分4bにおいて基板1の表面の一部5側の端部に配置されているが、当該上層絶縁膜9aの部分4b上での位置は任意に変更してもよい。たとえば、上層絶縁膜9aを、部分4bにおいて第1電極パッド3a側の端部に配置してもよい。また、部分4bの上部表面の全面を覆うように上層絶縁膜9aを形成してもよい。また、第2延在部8bは、上記第1延在部8aと同様に任意の形状とすることができる。すなわち、第2延在部8bは、絶縁膜4の部分4cの上面の一部上のみに上層絶縁膜9bが配置されている。このため、第2延在部8bにおいて、部分4cのみにより構成される領域の厚さは、部分4cと上層絶縁膜9bとが積層された領域の厚さである最大厚さより薄くなっている。上層絶縁膜9bは、部分4cにおいて基板1の表面の一部5側の端部に配置されているが、当該上層絶縁膜9bの部分4c上での位置は任意に変更してもよい。たとえば、上層絶縁膜9bを、部分4cにおいて第2電極パッド3b側の端部に配置してもよい。また、部分4cの上部表面の全面を覆うように上層絶縁膜9bを形成してもよい。この通常の絶縁膜4よりも厚い部分を含む第1および第2延在部8a、8bは、プリント配線板200の製造過程におけるシンボルプリント印刷によって形成することもできる。
<特徴的な構成および作用効果>
上記プリント回路板100またはプリント配線板200において、第1延在部8aおよび第2延在部8bの最大厚さT2は、絶縁膜4において第1延在部8aおよび第2延在部8b以外の領域における厚さT1より厚い。
上記プリント回路板100またはプリント配線板200において、第1延在部8aおよび第2延在部8bの最大厚さT2は、絶縁膜4において第1延在部8aおよび第2延在部8b以外の領域における厚さT1より厚い。
この場合、第1延在部8aおよび第2延在部8bにおける、基板1の表面の一部5上から第1電極パッド3aまたは第2電極パッド3bに向けて接着剤が広がることを堰き止める障害物としての機能を向上させることができる。
さらに、通常の絶縁膜4の厚さである厚さT1よりさらに厚い最大厚さT2を有する第1および第2延在部8a、8bが存在するため、部品2をプリント配線板200上に搭載した際に、第1および第2延在部8a、8bが部品2を支持する支柱の役目を果たす。この結果、部品2のプリント配線板200上への搭載高さを一定にできる効果がある。したがって、フローはんだ付けによって形成されるはんだ接合部である第1および第2導電部材7a、7bの形状が安定し、第1および第2導電部材7a、7bの機械的強度、疲労寿命を安定化できる効果もある。
上記プリント回路板100またはプリント配線板200において、第1延在部8aおよび第2延在部8bの最大厚さT2と、絶縁膜4において第1延在部8aおよび第2延在部8b以外の領域における厚さT1との差は10μm以上である。
この場合、第1延在部8aおよび第2延在部8bにおける、基板1の表面の一部5上から第1電極パッド3aまたは第2電極パッド3bに向けて接着剤が広がることを堰き止める障害物としての機能をより向上させることができる。
実施の形態4.
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図6は、実施の形態4に係るプリント回路板の部分平面模式図である。図6を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
<プリント回路板およびプリント配線板の構成>
図6は、実施の形態4に係るプリント回路板の部分平面模式図である。図6を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板およびプリント配線板の構成を説明する。
図6に示すプリント回路板100およびプリント配線板200は、基本的には図1および図2に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と同様の構成を備えるが、絶縁膜4の構成が図1および図2に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と異なっている。すなわち、絶縁膜4では、基板1の表面の一部5を露出させている開口部4aの幅W2が、部品2の本体部2cの幅W3より大きくなっている。開口部4aの幅W2は、第1電極2aから第2電極2bに向かう方向に対して垂直な第1方向における開口部4aの幅である。当該開口部4aの幅W2は、実質的に開口部4aから露出している基板1の表面の一部5の第1方向における幅に相当する。
図7は、実施の形態4に係るプリント回路板の第1の変形例を示す部分平面模式図である。図7に示すプリント回路板100およびプリント配線板200は、基本的には図6に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と同様の構成を備えるが、絶縁膜4の構成が図6に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と異なっている。すなわち、図7に示した絶縁膜4は、図4に示した第1延在部8aおよび第2延在部8bを有する。すなわち、絶縁膜4は複数の開口部4a1、4a2、4a3を有する。絶縁膜4の開口部4a1は、第1電極パッド3aと重なる位置に形成され、当該第1電極パッド3aを露出させている。絶縁膜4の開口部4a2は、第2電極パッド3bと重なる位置に形成され、当該第2電極パッド3bを露出させている。絶縁膜4の開口部4a3は、基板1の表面の一部5と重なる位置に形成され、当該基板1の表面の一部5を露出させている。開口部4a3の内部には接着部材6が配置されている。第1延在部8aは開口部4a1と開口部4a3との間に配置され、当該開口部4a1と開口部4a3とを区画する。第2延在部8bは開口部4a2と開口部4a3との間に配置され、当該開口部4a2と開口部4a3とを区画する。絶縁膜4では、基板1の表面の一部5を露出させている開口部4a3の幅W2が、部品2の本体部2cの幅W3より大きくなっている。
図8は、実施の形態4に係るプリント回路板の第2の変形例を示す部分平面模式図である。図8に示すプリント回路板100およびプリント配線板200は、基本的には図7に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と同様の構成を備えるが、絶縁膜4の構成が図7に示したプリント回路板100およびプリント配線板200と異なっている。すなわち、図8に示した絶縁膜4では、開口部4a3の第1方向における幅W2が、部品2の本体部2cの幅W3より大きくなっているとともに、開口部4a1、4a2の第1方向における幅よりも大きくなっている。図8に示したプリント回路板100およびプリント配線板200では、絶縁膜4が第1延在部8aおよび第2延在部8bを有することで、開口部4a3のサイズと開口部4a1、4a2のサイズとを独立して設定できる。
<特徴的な構成および作用効果>
上記プリント回路板100において、第1電極2aから第2電極2bに向かう方向に対して垂直な第1方向における基板1の表面の一部5の幅W2は、部品2の本体部2cの第1方向における幅W3より大きい。また、上記プリント配線板200において、第1電極パッド3aから第2電極パッド3bに向かう方向に対して垂直な第1方向における基板1の表面の一部5の幅W2は、第1電極パッド3aの第1方向における幅W1(図1参照)より大きい。
上記プリント回路板100において、第1電極2aから第2電極2bに向かう方向に対して垂直な第1方向における基板1の表面の一部5の幅W2は、部品2の本体部2cの第1方向における幅W3より大きい。また、上記プリント配線板200において、第1電極パッド3aから第2電極パッド3bに向かう方向に対して垂直な第1方向における基板1の表面の一部5の幅W2は、第1電極パッド3aの第1方向における幅W1(図1参照)より大きい。
この場合、基板1の表面の一部5上に配置された接着部材6となるべき接着剤の量が過剰であっても、当該接着剤の余剰分が第1方向に沿って部品2の本体部2cより外側に流動できる。このため、接着剤の余剰分が第1および第2電極パッド3a、3b上に流れることを防止できる。さらに、部品2を実装して接着剤が硬化し接着部材6となった時に、当該接着部材6の一部が第1方向に沿って部品2の本体部2cより外側にはみ出した状態となるので、接着部材6により部品2が基板1に対して固定されていることを外観検査により容易に確認できる。
なお、本実施の形態では、絶縁膜4の開口部4a、4a3の平面形状を四角形状とした場合について述べたが、これに限るものでなく、当該開口部4a、4a3の平面形状を長円形状や楕円形状、円形状などとしても、同様の効果を奏することができる。
実施の形態5.
<プリント回路板の製造方法>
図9〜図23は、本実施の形態に係るプリント回路板の製造方法を説明するための模式図である。図9〜図23を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板の製造方法を説明する。
<プリント回路板の製造方法>
図9〜図23は、本実施の形態に係るプリント回路板の製造方法を説明するための模式図である。図9〜図23を参照しながら、本実施の形態に係るプリント回路板の製造方法を説明する。
図9〜図11は、本実施の形態における、接着部材6となるべき未硬化の接着剤12である熱硬化エポキシ接着剤を基板1の表面上に配置する工程を説明する模式図である。図9〜図11では、粘性流体定量吐出機を用いて第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間に位置する基板1の表面の一部5に接着剤12を供給する。
具体的には、まず本実施の形態に係るプリント配線板200を準備する。図9に示すように、プリント配線板200の基板1の表面の一部5上に、吐出ノズル11から接着剤12を供給する。吐出ノズル11は、一般にニードルノズルと呼称される吐出ノズルである。吐出ノズル11は、図示していない未硬化の熱硬化エポキシ接着剤が封入された注射器の筒状のシリンジに接続されている。該シリンジにおいて吐出ノズル11が取り付けられた側とは反対側が、図示していない粘性流体定量吐出機とチューブで接続されている。
次に、未硬化の接着剤12の供給手順についてより具体的に説明する。まず、吐出ノズル11を、基板1の表面の一部5の上方であって、当該表面の一部5から一定の距離に配置する。この状態で、粘性流体定量吐出機が、所定の圧力を所定の時間発生させる。その圧力がチューブを通じてシリンジに伝達されることにより、吐出ノズル11から未硬化の接着剤12が吐出される。この結果、図9に示すように、基板1の表面の一部5上に、未硬化の接着剤12が接触する。
その後に、図10の矢印に示す方向である上方に、吐出ノズル11を引き上げる。この結果、未硬化の接着剤12には、上方に糸を引くように吐出ノズル11の直下において角状の突起が生じる。当該突起は、数秒から数十秒の間に、未硬化の接着剤12が持つ表面張力によって縮小される。この結果、図11に示すように、接着剤12の形状は表面が滑らかな形状に変化する。このようにして、基板1の表面の一部5上への未硬化の接着剤12の供給が完了する。
なお、上述した接着剤12の供給方法としては、他の方法を用いてもよい。図12から15は、未硬化の接着剤12を印刷法を用いて基板1上の表面の一部5に供給する、他の方法を示している。具体的には、図12に示すように、プリント配線板200の表面上に印刷マスク13を配置する。印刷マスク13は、例えばステンレス製の板であり、未硬化の接着剤12を供給しようとする個所に上下面を貫通する開口部13aが設けられている。
プリント配線板200上に重ねられた印刷マスク13は、開口部13aが基板1の表面の一部5の中央付近の上方に位置する様に位置合わせされる。そして、印刷マスク13とプリント配線板200上の絶縁膜4の表面とを密着させる。そして、印刷マスク13の開口部13aが形成されていない領域上に、未硬化の接着剤12を供給する。その後、図12〜図14に示すように、スキージ14を印刷マスク13の表面に押し当て、印刷マスク13の面に沿って滑らせる。なお、スキージ14は、印刷マスク13上に供給した未硬化の接着剤12を掻き取るへらである。このようにして、未硬化の接着剤12を掻き取りながら印刷マスク13の開口部13a内に当該接着剤12を充填する。
その後、図15に示すように、印刷マスク13をプリント配線板200上から矢印で示す方向である真上方向に引き上げる。このような方法によっても、基板1の表面の一部5上への、未硬化の接着剤12の供給が完了する。
なお、図9〜図11に示す吐出ノズル11を用いる場合に比較して、印刷マスク13を用いて未硬化の接着剤12を供給する場合は、接着剤12の粘度が高い方が好ましい。たとえば、吐出ノズル11を用いる場合、接着剤12の粘度は65Pa・s程度であることが好ましい。また、印刷マスク13を用いる場合、接着剤12の粘度は130Pa・s程度であることが好ましい。
次に、図16〜図18を参照しながら、セラミックコンデンサである部品2の搭載と接着の手順について説明する。図16〜図18は、部品2の搭載と接着の手順を説明する模式図である。
上述のように吐出ノズル11、あるいは、印刷マスク13を用いて未硬化の接着剤12を基板1の表面の一部5上に供給した後、図16および図17に示すように部品2の底面が未硬化の接着剤12の上面に接触するように、図示していないマウンタ等の装置を用いて上方から部品2をプリント配線板200に搭載する。この時、部品2の自重、あるいは、マウンタの装着圧力によって、未硬化の接着剤12が上下方向に潰れて形状が変化する。この結果、未硬化の接着剤12の底面積が拡大する。なお、接着剤12が潰れても部品2の長さである距離L2(図16参照)より接着剤12の寸法が大きくならないよう、未硬化の接着剤12の供給量を調整している。このため、部品2の両端の第1および第2電極2a、2bより外部に接着剤12がはみ出ることがない。
部品2を搭載した後、図示していない温風加熱炉、あるいは、赤外線加熱炉に当該プリント配線板200を投入し、図18の曲線15で模式的に示されるように全体を加熱することにより、未硬化の接着剤12(図17参照)を加熱して、硬化させる。この結果、部品2は硬化した接着部材6により基板1に接着される。
最後に、図19〜図23を参照しながら、第1および第2導電部材7a、7bを形成する工程であるはんだ付け工程について説明する。図19〜図23は、部品2を接着したプリント配線板200を、部品2を搭載した面を下にして、プリント配線板200の下側面を溶融はんだ17に浸漬してはんだ付けする、浸漬はんだ付けの手順を示す模式図である。
上述のように基板1への部品2の接着を完了した後、図19に示すように、プリント配線板200の上下を逆さにし、図示していない液状のフラックスを、例えば、矢印20で示すようにスプレーによって、プリント配線板200の下側面に塗布する。この時、プリント配線板200上の第1および第2電極パッド3a、3bと部品2の両端の第1および第2電極2a、2bとには、確実にフラックスが塗布されているようにする。
その後に、図20に示すように、プリント配線板200の下側面を溶融はんだ17に浸漬し、数秒から数十秒の後に、図21〜図23に示すようにプリント配線板200をゆっくりと引き上げて、溶融はんだ17から離脱させる。なお、溶融はんだ17ははんだ槽16に保持されている。溶融はんだ17としては、たとえば合金組成がSn−3.0Ag−0.5Cuの鉛フリーはんだを用いることができる。はんだ槽16に保持される溶融はんだ17の温度は、たとえば250℃である。
この時、部品2の第1および第2電極2a、2b、およびプリント配線板200の第1および第2電極パッド3a、3bにおいて溶融はんだ17と接触していた面では、溶融はんだ17と合金化反応を起こし、いわゆる「濡れ」現象が生じる。このため、プリント配線板200を溶融はんだ17から離脱させても、部品2の第1および第2電極2a、2bと、プリント配線板200の第1および第2電極パッド3a、3bとについては、はんだとの接続が切れることはない。一方、上述した電極または電極パッド以外の部分、すなわち、絶縁膜4や基板1の表面の一部5、接着部材6、および部品2の本体部2cなどは、溶融はんだ17と合金化反応を起こさない。このため、プリント配線板200を溶融はんだ17から離脱させると、図21および図22に示すように、これらの部分から溶融はんだ17は重力で下方向に下がってゆく。さらに、プリント配線板200を溶融はんだ17から引き上げると、図23に示すように、部品2の両端の第1および第2電極2a、2bの下方部分ではんだ槽16の溶融はんだ17とつながっていた部分のはんだが切れて、部品2が溶融はんだ17から完全に離脱する。この時、部品2の両端の第1および第2電極2a、2bと、相対するプリント配線板200上の第1および第2電極パッド3a、3bとの間に溶融はんだ17の一部が滞留する。この滞留した溶融はんだ17の一部は、はんだ槽16中の溶融はんだ17からの離脱後、周辺に存在する空気によって冷却されて凝固する。この結果、部品2の両端の第1および第2電極2a、2bと、相対するプリント配線板200上の第1および第2電極パッド3a、3bとの間に滞留した溶融はんだ17が凝固したはんだ継手である第1および第2導電部材7a、7bが形成される。このようにして、はんだ付け工程が完了する。
本実施の形態におけるプリント回路板100の製造方法は、以上のように構成されているため、プリント配線板200について、基板1上の第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1(図16参照)が、部品2の全長である距離L2(図16参照)と同一であり、基板1の表面の一部5の広さが、従来のプリント配線板に比較して広くなっている。このため、硬化していない接着剤12の供給に際して、該接着剤12が流動しても、当該接着剤12が第1および第2電極パッド3a、3b上にまで広がることを防止することが可能になる。そのため、部品2を接着部材6で固定した後のフローはんだ付けにおいて、健全なはんだ接合部を得られる。
なお、本実施の形態では、溶融はんだ17として、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだを用いた場合について述べたが、これに限るものでなく、溶融はんだ17として、Sn−1.0Ag−0.5Cu、Sn−0.3Ag−0.7CuなどのSn−Ag−Cu系合金、Sn−0.7CuなどのSn−Cu系合金、あるいはSn−37PbなどのSn−Pb系合金、さらには、これらの合金系に、Ni、Ge、Bi、Sbなどを少量添加した多元系合金を用いてもよい。この場合も、同様の効果が得られる。
<特徴的な構成および作用効果>
本実施の形態に係るプリント回路板の製造方法は、プリント配線板200を準備する工程を備える。プリント配線板200は、表面を有する基板1と、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、絶縁膜4とを含む。第1電極パッド3aは基板1の表面に設けられる。第2電極パッド3bは、基板1の表面において、第1電極パッド3aと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜4は、基板1の表面上に設けられる。絶縁膜には、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間に位置する基板1の表面の一部5とを露出させる開口部4aが形成される。上記プリント回路板の製造方法は、さらに、図9〜図15に示すプリント配線板200における基板1の表面の一部5上に接着剤12を供給する工程と、図16〜図17に示すように接着剤12上に部品2を配置する工程とを備える。部品2は、本体部2cと、第1電極2aと、第2電極2bとを含む。第1電極2aは、本体部2cの一方端部に配置される。第2電極2bは、本体部2cにおいて一方端部と反対側の他方端部に配置される。第1電極2aと第2電極2bとは、一方端部から他方端部に向かう方向における端面2d、2eをそれぞれ有する。部品2を配置する工程において、部品2は、第1電極2aの端面2dが第1電極パッド3aに面するとともに、第2電極2bの端面2eが第2電極パッド3bに面するように配置される。部品2を配置する工程において、接着剤12は部品2の本体部2cと基板1の表面の一部5とを接続する。さらに、上記プリント回路板の製造方法は、図18に示すように接着剤12を硬化させて接着部材6とする工程と、図19〜図23に示すように第1導電部材7aと第2導電部材7bとを形成する工程とを備える。第1導電部材7aは、第1電極2aの端面2dと第1電極パッド3aとを接続する。第2導電部材7bは、第2電極2bの端面2eと第2電極パッド3bとを接続する。第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2における第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2以上である。
本実施の形態に係るプリント回路板の製造方法は、プリント配線板200を準備する工程を備える。プリント配線板200は、表面を有する基板1と、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、絶縁膜4とを含む。第1電極パッド3aは基板1の表面に設けられる。第2電極パッド3bは、基板1の表面において、第1電極パッド3aと間隔を隔てて設けられる。絶縁膜4は、基板1の表面上に設けられる。絶縁膜には、第1電極パッド3aと、第2電極パッド3bと、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間に位置する基板1の表面の一部5とを露出させる開口部4aが形成される。上記プリント回路板の製造方法は、さらに、図9〜図15に示すプリント配線板200における基板1の表面の一部5上に接着剤12を供給する工程と、図16〜図17に示すように接着剤12上に部品2を配置する工程とを備える。部品2は、本体部2cと、第1電極2aと、第2電極2bとを含む。第1電極2aは、本体部2cの一方端部に配置される。第2電極2bは、本体部2cにおいて一方端部と反対側の他方端部に配置される。第1電極2aと第2電極2bとは、一方端部から他方端部に向かう方向における端面2d、2eをそれぞれ有する。部品2を配置する工程において、部品2は、第1電極2aの端面2dが第1電極パッド3aに面するとともに、第2電極2bの端面2eが第2電極パッド3bに面するように配置される。部品2を配置する工程において、接着剤12は部品2の本体部2cと基板1の表面の一部5とを接続する。さらに、上記プリント回路板の製造方法は、図18に示すように接着剤12を硬化させて接着部材6とする工程と、図19〜図23に示すように第1導電部材7aと第2導電部材7bとを形成する工程とを備える。第1導電部材7aは、第1電極2aの端面2dと第1電極パッド3aとを接続する。第2導電部材7bは、第2電極2bの端面2eと第2電極パッド3bとを接続する。第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1は、部品2における第1電極2aの端面2dと第2電極2bの端面2eとの間の距離L2以上である。
このようにすれば、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間の距離L1を部品2のサイズより長くして接着部材6を配置するのに十分なスペースを確保できる。また、絶縁膜4には第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間において基板1の表面の一部5を露出させる開口部4aが形成されているので、第1電極パッド3aと第2電極パッド3bとの間には当該基板1の表面の一部5を底とする凹部が形成される。このため、接着剤12を供給する工程において、当該基板1の表面の一部5上に接着剤12を配置した場合、当該接着剤12は凹部内に配置されることになる。この結果、接着剤12が第1および第2電極パッド3a、3b上に広がるのを防止することができる。このため、第1電極パッド3aおよび第2電極パッド3bと部品2の第1電極2aおよび第2電極2bとが第1および第2導電部材7a、7bにより正常に接続されたプリント回路板100が得られる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、2 部品、2a 第1電極、2b 第2電極、2c 本体部、2d,2e 端面、3a,103a 第1電極パッド、3b,103b 第2電極パッド、4 絶縁膜、4a1,4a2,4a3,4a,13a 開口部、4b,4c 部分、5 一部、6 接着部材、7a,107a 第1導電部材、7b,107b 第2導電部材、7b2,7b1 はんだ、8a 第1延在部、8b 第2延在部、9a,9b 上層絶縁膜、11 吐出ノズル、12 接着剤、13 印刷マスク、14 スキージ、15 曲線、16 はんだ槽、17 溶融はんだ、20 矢印、100,1100 プリント回路板、106 延出部、200,1200 プリント配線板。
Claims (13)
- 表面を有する基板と、
前記基板の前記表面に設けられた第1電極パッドと、
前記基板の前記表面において、前記第1電極パッドと間隔を隔てて設けられた第2電極パッドと、
前記基板の前記表面上に設けられた絶縁膜とを備え、
前記絶縁膜には、前記第1電極パッドと、前記第2電極パッドと、前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間に位置する前記基板の前記表面の一部とを露出させる開口部が形成され、さらに、
前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとに接続された部品を備え、
前記部品は、本体部と、前記本体部の一方端部に配置された第1電極と、前記本体部において前記一方端部と反対側の他方端部に配置された第2電極とを含み、
前記第1電極と前記第2電極とは、前記一方端部から前記他方端部に向かう方向における端面をそれぞれ有し、
前記部品は、前記第1電極の前記端面が前記第1電極パッドに面するとともに、前記第2電極の前記端面が前記第2電極パッドに面するように配置され、さらに、
前記第1電極の前記端面と前記第1電極パッドとを接続する第1導電部材と、
前記第2電極の前記端面と前記第2電極パッドとを接続する第2導電部材と、
前記部品の前記本体部と、前記基板の前記表面の前記一部とを接続する接着部材とを備え、
前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間の距離は、前記部品における前記第1電極の前記端面と前記第2電極の前記端面との間の距離以上である、プリント回路板。 - 前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間の前記距離は、前記部品における前記第1電極の前記端面と前記第2電極の前記端面との間の前記距離に1.6mmを加えた長さ以下である、請求項1に記載のプリント回路板。
- 前記絶縁膜は、
前記第1電極パッドと前記基板の前記表面の前記一部との間を区画する第1延在部と、
前記第2電極パッドと前記基板の前記表面の前記一部との間を区画する第2延在部と、を含む、請求項1または2に記載のプリント回路板。 - 前記第1延在部および前記第2延在部の最大厚さは、前記絶縁膜において前記第1延在部および前記第2延在部以外の領域における厚さより厚い、請求項3に記載のプリント回路板。
- 前記第1延在部および前記第2延在部の前記最大厚さと、前記絶縁膜において前記第1延在部および前記第2延在部以外の領域における前記厚さとの差は10μm以上である、請求項4に記載のプリント回路板。
- 前記第1電極から前記第2電極に向かう方向に対して垂直な第1方向における前記基板の前記表面の前記一部の幅は、前記部品の前記本体部の前記第1方向における幅より大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント回路板。
- 部品を実装するためのプリント配線板であって、
表面を有する基板と、
前記基板の前記表面に設けられた第1電極パッドと、
前記基板の前記表面において、前記第1電極パッドと間隔を隔てて設けられた第2電極パッドと、
前記基板の前記表面上に設けられた絶縁膜とを備え、
前記絶縁膜には、前記第1電極パッドと、前記第2電極パッドと、前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間に位置する前記基板の前記表面の一部とを露出させる開口部が形成され、
前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間の距離は、前記第1電極パッドから前記第2電極パッドに向かう方向に対して垂直な第1方向における前記第1電極パッドの幅の2倍以上である、プリント配線板。 - 前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間の前記距離は、前記第1方向における前記第1電極パッドの前記幅の2倍に1.6mmを加えた長さ以下である、請求項7に記載のプリント配線板。
- 前記絶縁膜は、
前記第1電極パッドと前記基板の前記表面の前記一部との間を区画する第1延在部と、
前記第2電極パッドと前記基板の前記表面の前記一部との間を区画する第2延在部と、を含む、請求項7または8に記載のプリント配線板。 - 前記第1延在部および前記第2延在部の最大厚さは、前記絶縁膜において前記第1延在部および前記第2延在部以外の領域における厚さより厚い、請求項9に記載のプリント配線板。
- 前記第1延在部および前記第2延在部の前記最大厚さと、前記絶縁膜において前記第1延在部および前記第2延在部以外の前記領域における前記厚さとの差は10μm以上である、請求項10に記載のプリント配線板。
- 前記第1電極パッドから前記第2電極パッドに向かう方向に対して垂直な第1方向における前記基板の前記表面の前記一部の幅は、前記第1電極パッドの前記第1方向における前記幅より大きい、請求項7〜11のいずれか1項に記載のプリント配線板。
- プリント配線板を準備する工程を備え、
前記プリント配線板は、
表面を有する基板と、
前記基板の前記表面に設けられた第1電極パッドと、
前記基板の前記表面において、前記第1電極パッドと間隔を隔てて設けられた第2電極パッドと、
前記基板の前記表面上に設けられた絶縁膜とを含み、
前記絶縁膜には、前記第1電極パッドと、前記第2電極パッドと、前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間に位置する前記基板の前記表面の一部とを露出させる開口部が形成され、さらに、
前記プリント配線板における前記基板の前記表面の前記一部上に接着剤を供給する工程と、
前記接着剤上に部品を配置する工程とを備え、
前記部品は、本体部と、前記本体部の一方端部に配置された第1電極と、前記本体部において前記一方端部と反対側の他方端部に配置された第2電極とを含み、
前記第1電極と前記第2電極とは、前記一方端部から前記他方端部に向かう方向における端面をそれぞれ有し、
前記部品を配置する工程において、前記部品は、前記第1電極の前記端面が前記第1電極パッドに面するとともに、前記第2電極の前記端面が前記第2電極パッドに面するように配置され、前記接着剤は前記部品の前記本体部と前記基板の前記表面の前記一部とを接続し、さらに、
前記接着剤を硬化させて接着部材とする工程と、
前記第1電極の前記端面と前記第1電極パッドとを接続する第1導電部材と、前記第2電極の前記端面と前記第2電極パッドとを接続する第2導電部材とを形成する工程とを備え、
前記第1電極パッドと前記第2電極パッドとの間の距離は、前記部品における前記第1電極の前記端面と前記第2電極の前記端面との間の距離以上である、プリント回路板の製造方法。
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