JP2019140001A - 焼結型導電性ペーストとその製法及び回路配線の形成方法 - Google Patents

焼結型導電性ペーストとその製法及び回路配線の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性フィラーを焼結させて使用し、焼成時の収縮を抑制でき、かつ、高電導度の回路配線を形成することができる導電性ペーストとその製造方法、及び回路配線の形成方法を提供することである。【解決手段】ビヒクルと、ビヒクルの中に単分散状態で存在するCNT(カーボンナノチューブ)と、ビヒクルの中に分散している導電性フィラーと、を少なくとも含み、ビヒクルの酸化開始温度をT1、CNTの酸化開始温度をT2、導電性フィラーの焼結開始温度をT3としたとき、T1<T2かつT1<T3の関係を満足し、大気雰囲気でT2以上かつT3以上の温度で焼成して使用することを特徴とする導電性ペーストである。好ましくは、CNTの重量が、導電性フィラーと同体積の銀の重量に対して0.2wt%以上であり、かつ、CNTの重量が、ビヒクルの重量に対して10wt%以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、焼成により導電性フィラーを焼結させて回路配線を形成する、焼結型の導電性ペーストとその製法、及び、当該導電性ペーストを用いて回路配線を形成する方法に関する。
セラミックに回路配線を形成する方法として、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramic;低温同時焼成セラミック)法が知られている。LTCC法においては、グリーンシートと呼ばれるセラミックの未焼成体に、銀などの金属粒子を導電性フィラーとして含む導電性ペーストをスクリーン印刷等の方法で付着させ、同時に焼成することにより、セラミックに回路配線を形成する。同時焼成の際、セラミックの未焼成体と導電性ペーストの収縮挙動が異なるため、回路配線の断裂や剥離、割れ目、セラミック割れなどの問題が発生する。同時焼成ではふつう、導電性ペーストの収縮率が、セラミックの未焼成体の収縮率より大きいが、逆の場合もあり得る。
導電性ペーストの焼成時の収縮を抑制することにより、導電性ペーストとセラミックの未焼成体の収縮率を近づけて、上記の問題の解決を試みた従来技術がいくつかある。例えば、特開2008−147033号公報(特許文献1)、特開平5−290620号公報(特許文献2)、及び特開2016−139488号公報(特許文献3)には、熱収縮抑制剤としてアルミニウム粉末を導電性ペーストに添加する技術が開示されており、特開2009−87712号公報(特許文献4)には、同じく焼成収縮抑制剤として窒化ケイ素粉末を添加する技術が開示されている。
これらの従来技術においては、導電性ペーストに導電性フィラーとしてパラジウム粉末を加えたり、導電性ペーストにアルミニウム、ケイ素など酸化しやすい添加剤を加える。これらの加えた物質が、焼成時に酸化して膨張することにより、導電性ペーストの収縮を防ぐ。しかし、これらの従来技術の導電性ペーストには、加えた物質に由来する酸化物が焼成後に残るため、形成される回路配線の電気抵抗率が大きくなり、高電導度用途に利用できないという欠点がある。
特開平10−172345号公報(特許文献5)には、結晶セルロース等の、有機ビヒクルに溶けない不溶性樹脂粉末を導電性ペーストに添加することにより、焼成時における導体金属の収縮を遅らせる技術が開示されている。結晶セルロースは焼成後には酸化除去され、焼成後の導体金属には残らない。しかし、結晶セルロースの密度は1.5g/cm3と大きいから、焼成時の収縮抑制効果を発揮するためには、結晶セルロースを多量に導電性ペーストに添加しなければならない。そのため、焼成後の導体金属は多孔質となり、電気抵抗率が大きくなるため、この導電性ペーストには、高電導度用途に利用できないという欠点がある。また、同文献には、不溶性樹脂粉末について、結晶セルロース以外の物質は開示されていない。不溶性樹脂粉末は、細長い形状が望ましいとか、密度の小さい物質が望ましい、といった記載も示唆もない。
導電性フィラーとCNT(カーボンナノチューブ)をビヒクル中に分散させた導電性ペーストについて開示した特許文献がいくつか存在する。特開2010−165594号公報(特許文献6)、国際公開2009−102077号公報(特許文献7)、及び国際公開2012−086174号公報(特許文献8)には、200℃以下の低温で熱硬化させ、或いは、風乾して用いる導電性ペーストの発明が開示されている。これらの導電性ペーストにおいては、熱硬化等の際に、導電性フィラーの間をCNTが架橋して通電経路が生まれ、電気伝導性が確保される。CNT自体は良好な電気伝導性を有するが、上記架橋の接触抵抗が大きいため、熱硬化等の後の導電性ペーストの電気抵抗率は大きくなる。したがって、これらの非焼結型の導電性ペーストには、バルク金属並みの高電導度が求められる用途には利用できない欠点がある。
導電性フィラーとCNTをビヒクル中に分散させた導電性ペーストであって、焼成して用いるタイプのものについて開示した特許文献がいくつか存在する。特表2009−518806号公報(特許文献9)には、金属ナノ粒子である導電性フィラーをCNTの酸化開始温度より低い温度で焼結させて用いる導電性ペーストが開示されている。この導電性ペーストには、焼結後の金属導体にCNTが残留するため、電気抵抗率が大きくなる欠点がある。更に、この導電性ペーストには、CNTが金属ナノ粒子の凝集をあまり妨げないため、焼成時の収縮抑制効果が小さい欠点がある。
同様に、CNTが関連した従来技術として、特表2012−500865号公報(特許文献10)がある。その請求項1には、「0.1nm〜約100ミクロンの範囲の特徴的寸法を有する少なくとも1つの粒子を包含する粒子集団を含む流体を適用すること・・作業組成物を成形することを含む、製品を生産する方法」と記載され、その請求項20には、「粒子の前記集団が前記流体内に実質的に分散する」と記載されている。また、その請求項42には、「1以上の粒子が導電性材料を含む」とあり、その請求項43には、「前記導電性材料がカーボンナノチューブ、金属・・を含む」とあり、請求項62には、「前記作業組成物に埋め込まれた粒子の前記集団が単分散として特徴付けられる・・方法」と記載されている。つまり、特許文献10の導電性ペーストでは、CNTが金属と同様に導電性材料として添加され、粒子集団として単分散していると理解される。
段落0061に、「溶液を蒸発させ、あるいは成形の間に燃焼除去さえすることができる」という記載がある。CNTが導電性ペーストに導電性材料として添加されていることを踏まえれば、燃焼除去されるのは溶液のみであり、導電材料として添加されているCNTは、燃焼除去後にも残留する、と言う意味に、段落0061の記載を理解することができる。そうすると、特許文献10の導電性ペーストは、焼結後の金属導体にCNTが残留するため、電気抵抗率が大きくなり、高電導用途に利用できない欠点がある。更に、特許文献10には、CNTを、焼成時の導電性ペーストの収縮抑制のために用いる旨の記載は一切ない。
また、CNTの単分散について述べれば、特許文献10にはCNTを使用した場合の組成比は一切記載も示唆もされておらず、どのような分量であれば単分散が可能であるのかさえ全く不明で予想すらできない。単に単分散という言葉を列記したに過ぎない。
特開2008−147033号公報 特開平5−290620号公報 特開2016−139488号公報 特開2009−87712号公報 特開平10−172345号公報 特開2010−165594号公報 国際公開2009−102077号公報 国際公開2012−086174号公報 特表2009−518806号公報 特表2012−500865号公報
特許文献1〜4には、焼成の際に酸化して膨張する物質を導電性ペーストに添加することにより、焼成時の導電性ペーストの収縮を防ぐ技術が開示されている。しかし、これらの従来技術の導電性ペーストには、加えた物質に由来する高電気抵抗率の酸化物が焼成後に残るため、高電導度用途に利用できないという欠点がある。
特許文献5には、焼成で酸化除去される結晶セルロースを導電性ペーストに添加することにより、焼成時の導電性ペーストの収縮を防ぐ技術が開示されている。しかし、この導電性ペーストは、焼成により多孔質になるため電気抵抗率が大きく、高電導度用途に利用できない。
特許文献6〜10には、導電性フィラーとCNTを含む導電性ペーストの技術が開示されている。しかし、これらの導電性ペーストはいずれも、熱硬化や焼成等の後に、導電性ペーストの中にCNTが残存し、CNTにより電導性を確保するものであり、高電導度用途に利用できない。
本発明の目的は、第1に、焼成により導電性フィラーを焼結させて使用する導電性ペーストであって、バルク金属並みに高電導度の回路配線を形成することができ、かつ、焼成時の収縮を防ぎ、若しくは、収縮度合を調製することができる導電性ペーストとその製造方法を提供することであり、第2に、当該導電性ペーストを用いた回路配線の形成方法を提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの形態は、ビヒクルと、前記ビヒクルの中に単分散状態で存在するCNT(カーボンナノチューブ)と、前記ビヒクルの中に分散している導電性フィラーと、を少なくとも含み、前記ビヒクルの酸化開始温度をT1,前記CNTの酸化開始温度をT2、前記導電性フィラーの焼結開始温度をT3としたとき、T1<T2かつT1<T3の関係を満足し、大気雰囲気でT2以上かつT3以上の温度で焼成して使用することを特徴とする導電性ペーストである。
本発明の別の形態は、前記CNTの重量が、前記導電性フィラーと同体積の銀の重量に対して0.2wt%以上であり、かつ、前記CNTの重量が、前記ビヒクルの重量に対して10wt%以下である導電性ペーストである。
本発明の更に別の形態は、前記単分散状態において、前記ビヒクルの中に単独で存在する多数のCNTの直径を計測したとき、計測されたCNTの直径の80%以上が、前記ビヒクルに添加される前のCNTの直径の範囲に含まれている導電性ペーストである。
本発明の更に別の形態は、前記導電性フィラーが、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Zn、Ti、Ru、Pd、Rhよりなる群から選ばれた一種以上の金属の粒子である導電性ペーストである。
本発明の更に別の形態は、前記ビヒクルが、液状の樹脂、又は、樹脂を溶剤に溶解させた溶液であり、
当該樹脂は、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ブチラールよりなる群から選ばれた一つ以上の物質である導電性ペーストである。
本発明の更に別の形態は、前記溶剤が、アセトン、トルエン、酢酸エチル、2−ブタノン、ジクロロメタン、ベンゼン、ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエチレン系もしくはプロピレン系のグリコールエーテル類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル等の2塩基酸のジエステル塩、テトラヒドロフラン、ヘキサン、エタノール、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸2−n−ブトキシエチル、エチルカルビトール、カルビトールアセテート、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、イソプロピルアルコール、1,2−ジクロロエタン、ジエトキシエタン、テルピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、テキサノールよりなる群から選ばれた一種以上の物質である導電性ペーストである。
本発明の更に別の形態は、ビヒクルにCNTを混合したCNT混合液を形成するCNT混合工程と、当該CNT混合液に単分散処理を施すことにより、CNTがビヒクルの中に単分散状態で存在するCNT単分散液を形成するCNT単分散工程と、当該CNT単分散液に導電性フィラーを添加して、導電性フィラー添加CNT単分散液を形成する添加工程と、当該導電性フィラー添加CNT単分散液を混練して、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、前記CNTがビヒクル中で単分散状態を保持している導電性ペーストを形成する混練工程と、から構成される導電性ペーストの製造方法である。
本発明の更に別の形態は、ビヒクルにCNTと導電性フィラーを混合したCNT導電性フィラー混合液を形成する混合工程と、当該CNT導電性フィラー混合液に単分散処理を施すことにより、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、CNTがビヒクルの中に単分散状態で存在する導電性ペーストを形成する単分散工程と、から構成される導電性ペーストの製造方法である。
本発明の更に別の形態は、ビヒクルと、ビヒクルの中に分散した導電性フィラーと、ビヒクルの中に単分散状態で存在するCNTと、を少なくとも含む導電性ペーストを製造して、当該導電性ペーストをセラミックの未焼成体に付着させ、前記未焼成体と、付着させた前記導電性ペーストを一緒に大気雰囲気で焼成して、前記未焼成体から前記セラミックを得るとともに、前記ビヒクルと、前記CNTの全部又は一部を、酸化除去し、前記導電性フィラーを焼結させて、前記セラミックに回路配線を形成することを特徴とする回路配線の形成方法である。
本発明の更に別の形態は、セラミックの未焼成体に溝部又は孔部を形成し、当該溝部又は孔部に導電性ペーストを充填することにより、前記未焼成体に前記導電性ペーストを付着させる回路配線の形成方法である。
本発明の更に別の形態は、焼成時の前記未焼成体の収縮率が小さいほど、前記導電性ペーストにおける前記CNTの前記導電性フィラーに対する重量比を大きくして、前記未焼成体と前記導電性ペーストの焼成時の収縮率を適合させる回路配線の形成方法である。
本発明の更に別の形態は、前記CNTが、単層CNT、二層CNT、三層CNT、・・、m層CNTの群から選ばれた2種以上で構成され、ここでmは2以上の整数であり、前記導電性ペーストにおける前記CNTの前記導電性フィラーに対する重量比が一定の場合に、焼成時の前記未焼成体の収縮率が小さいほど、前記導電性ペーストにおける前記CNTの実効平均層数を小さくして、前記未焼成体と前記導電性ペーストの焼成時の収縮率を適合させる回路配線の形成方法である。
本発明の1つの形態によれば、ビヒクルと、前記ビヒクルの中に単分散状態で存在するCNT(カーボンナノチューブ)と、前記ビヒクルの中に分散している導電性フィラーと、を少なくとも含み、前記ビヒクルの酸化開始温度をT1,前記CNTの酸化開始温度をT2、前記導電性フィラーの焼結開始温度をT3としたとき、T1<T2かつT1<T3の関係を満足し、大気雰囲気でT2以上かつT3以上の温度で焼成して使用することを特徴とする導電性ペーストを提供できる。
ここで、単分散状態とは、媒質中に分散している粒子の凝集がなく、同じ直径の粒子しか存在していない状態を言う。分散しているCNTを観察して直径の分布を測定して評価する場合、ある直径のCNTが80%以上であれば、若しくはより厳しく評価するならば90%以上であれば、CNTは単分散状態と言ってよい。
本発明の導電性ペーストにおいては、CNTがビヒクルの中に単分散しており、導電性フィラーが当該ビヒクルの中に分散しているから、細長い針状構造を有し、強度の高い、CNTの個々の分子が、ビヒクルの中でいわば3次元不規則編目状構造を形成しており、その編目に導電性フィラーが束縛されて、導電性フィラーがビヒクル中を拡散したり、ビヒクル中で凝集することが妨げられる。
更に、T1<T2かつT1<T3の関係が満たされているから、本発明の導電性ペーストを大気雰囲気で焼成した場合、温度の上昇とともに、まず、ビヒクルが燃焼、すなわち酸化除去されて、CNTと導電性フィラーが残る。ビヒクルの種類によっては、酸化除去の前に、ビヒクルの少なくとも一部の蒸発が起きる場合もある。ビヒクルが除去されても、上記の3次元不規則編目状構造がある程度保たれているので、この編目による束縛のため、ビヒクルの蒸発や酸化除去に伴う導電性ペーストの収縮が、単分散状態のCNTを含まない導電性ペーストの場合に較べて抑制される。
さらに温度が上がって焼成が進む場合に生じる現象を、T2とT3の大小関係に応じて、場合分けして説明する。
第1に、T2<T3の関係が成り立つ場合には、まず、温度T2においてCNTの燃焼が始まり、CNTの一部又は全部が酸化除去される。その後、温度T3において、導電性フィラーの焼結が始まる。このとき、CNTで構成された上記編目に導電性フィラーが束縛されていた結果として、導電性フィラー同士が一カ所に凝集することなく、3次元的にほぼ一様に分布し、かつ、互いに点接触若しくは線接触しつつ多少の微細な隙間を保った状態で焼結が開始するので、焼成時の導電性ペーストの収縮が、単分散状態のCNTを含まない導電性ペーストの場合に較べて抑制される。
第2に、T2≧T3の関係が成り立つ場合には、まず、温度T3において導電性フィラーの焼結が始まり、それと同時に又はその後に、温度T2においてCNTの燃焼が始まり、CNTの一部又は全部が酸化除去される。このとき、CNTで構成された上記編目に導電性フィラーが束縛されている結果として、導電性フィラー同士が一カ所に凝集することなく、3次元的にほぼ一様に分布し、かつ、互いに点接触若しくは線接触しつつ多少の微細な隙間を保った状態で焼結が開始し、同時に又はその後にCNTの一部又は全部が酸化除去されるので、焼成時の導電性ペーストの収縮が、単分散状態のCNTを含まない導電性ペーストの場合に較べて抑制される。
導電性ペーストのビヒクル中にCNTが単分散状態で存在せず、CNT分子が凝集している場合には、3次元不規則編目状構造が形成されず、導電性フィラーの凝集が抑制されないので、焼成時に、導電性ペーストの収縮抑制効果が発現しない。
更に、本発明の導電性ペーストを焼成すると、ビークルが蒸発又は酸化除去され、CNTの一部又は全部が酸化除去されるので、焼成後には、導電性フィラーを構成する金属が焼結して、若干の微細な隙間を有するものの、バルク金属に近い状態で残る。そのため、本発明の導電性ペーストは、電気抵抗率がバルク金属なみに低い回路配線を形成する目的で使用することができる。
本発明の導電性ペーストにおいては、焼成により、ビヒクルと、CNTの全部又は一部を酸化等により除去して、導電性フィラーを焼結させて回路配線を形成するから、導電性ペーストにおけるビヒクルの重量比率があまりに大きいと、焼成時の収縮が大きすぎて、単分散状態のCNTを添加しても、収縮の抑制が十分ではなくなる。そのため、導電性ペーストの重量の多くの部分を導電性フィラーが構成している必要がある。導電性ペーストに占める導電性フィラーの重量比率は80〜96wt%程度であることが望ましく、より好ましくは84〜92wt%であることが望ましい。
カーボンナノチューブ(CNT)は、グラフェンシートが筒状になり、フラーレンの半球のような構造でその端部が閉じられたものであり、単層型、二層型、多層型といった層数、直径(2〜110nm)、長さ(2〜50μm)、カイラリティの異なる種々のものが存在する。また、カーボンナノチューブの先端を尖らせた、カーボンナノホーンもCNTの一種である。これらはすべて、本発明のCNTに含めて考えることができ、導電性ペースト中に単分散させることで、程度の差はあるものの、焼成時の収縮抑制効果を発揮する。
本発明の別の形態によれば、前記CNTの重量が、前記導電性フィラーと同体積の銀の重量に対して0.2wt%以上であり、かつ、前記CNTの重量が、前記ビヒクルの重量に対して10wt%以下である導電性ペーストを提供できる。
本発明の導電性ペーストは、CNTの重量が、導電性フィラーと同体積の銀の重量に対して0.2wt%以上であるから、焼成の際に、収縮抑制効果が発揮される。又、本発明の導電性ペーストは、CNTの重量が、前記ビヒクルの重量に対して10wt%以下であるから、CNTをビヒクルの中に単分散させることができ、かつ、焼成に先立つ塗布や印刷等に好適な、粘性のある液状若しくはペースト状の状態をとる。上述の重量比がこのような効果を奏する理由を、次に説明する。
本発明の導電性ペーストは、CNT自体の導電性を利用するものではなく、焼成によりCNTを酸化除去し、導電性フィラーを焼結させて、導電性を確保するものである。CNTを添加するのは、導電性を確保するためではなく、CNTがビヒクル中で形成する3次元不規則編目状構造の編目により導電性フィラーを拘束してその凝集を防止し、焼成時の収縮を抑制するためである。そのため、導電性ペーストが含有するCNTの重量は極めて少量で済み、前記導電性フィラーと同体積の銀の重量に対して概ね0.2wt%以上であれば、収縮抑制効果が発揮される。より詳しくは、CNTの含有量が概ね、単層CNTの場合で同0.2wt%以上、多層CNTの場合で同0.3wt%以上であれば、大きな収縮抑制効果が発揮される。
本発明の導電性ペーストは、焼成に先立ち、塗布や印刷等を容易にするため、粘性のある液状若しくはペースト状であることが望ましい。CNTの重量が、ビヒクルの重量に対して約10wt%を超えると、CNTを混合させることによりビヒクルが固くなってペースト状にできず、又、CNTをビヒクル中に単分散させることも難しくなる。単分散状態のペースト状にできる上限値は、同約10wt%であるが、より詳しく見ると、この上限値は、単層CNTでは小さく、多層CNTでは層数が増えるほど大きくなり、全体を包含する上限値が約10wt%である。薄層CNTの方が厚層CNTより上限値が低くなるのは、CNTの直径と長さが一定の場合、薄層CNTの方が厚層CNTより比重が小さく、同じ重量のCNTが占める体積が大きくなるからである。
本発明の更に別の形態によれば、前記単分散状態において、前記ビヒクルの中に単独で存在する多数のCNTの直径を計測したとき、計測されたCNTの直径の80%以上が、前記ビヒクルに添加される前のCNTの直径の範囲に含まれている導電性ペーストを提供できる。
ビヒクルに添加される前のCNT分子の直径の分布が、CNTの製造工程に起因する理由により、複数の直径にピークを有していたり、すそ野の広い分布である場合には、ビヒクルの中に分散したCNT分子が凝集することなく互いに孤立して存在していても、前述の意味での単分散の定義を満たさない場合がある。そのような場合でも、ビヒクルの中で互いに孤立して存在するCNT分子は、前記と同様に3次元不規則編目状構造を形成するから、導電性フィラーの凝集を妨げ、得られた導電性ペーストは焼成時に収縮抑制効果を発揮する。このような場合を包含するように「単分散状態」の定義を拡張しておくことが望ましい。そこで、「ビヒクルの中に単独で存在する多数のCNTの直径を計測したとき、計測されたCNTの直径の80%以上が、ビヒクルに添加される前のCNTの直径の範囲に含まれている」場合を「単分散状態」に含めて考えることとし、そのような場合が本発明の範囲に含まれることを明確にした。
本発明の更に別の形態によれば、前記導電性フィラーが、Au(金)、Ag(銀)、Pt(白金)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Zn(亜鉛)、Ti(チタン)、Ru(ルテニウム)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)よりなる群から選ばれた一種以上の金属の粒子である導電性ペーストを提供できる。
ここでは特に単体金属として好適な金属を挙げたが、導電性フィラーとしては、導電性を有する公知の金属の粒子の全種類が使用でき、単体金属の粒子でもよいし合金の粒子でもよく、それらの金属の粒子が更に、AgやAuなどの金属の被膜を有してもよいことは云うまでもない。
また、金属の粒子の形状は球状、針状、燐片状等いずれであってもよい。金属の粒子の粒子径は、印刷性の観点から50μm以下であることが望ましい。また、第1に、微粒子化により導電性ペーストの粘度が増大しすぎることを防ぐためと、第2に、ビヒクルの酸化開始温度T1より導電性フィラーの焼結開始温度T3の方が高いことが望ましいこと、という2つの理由で、上記粒子径は0.1μm以上であることが好ましい。
本発明の更に別の形態によれば、前記ビヒクルが、液状の樹脂、又は、樹脂を溶剤に溶解させた溶液であり、当該樹脂は、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂及び前述の複数の樹脂よりなる群から選ばれた一つ以上の物質である導電性ペーストを提供できる。
樹脂は、液状の樹脂、又は、溶剤に可溶な樹脂であればほとんどの樹脂を用いることができる。樹脂は、導電性ペーストに粘性を与え、又、CNTを単分散させるために必須である。
本発明の更に別の形態によれば、前記溶剤が、ブチルカルビトールアセテート、アセトン及び前述の複数の物質よりなる群から選ばれた一種以上の物質である導電性ペーストを提供できる。
溶剤は、上記樹脂が液状の場合には、必ずしも必要ではない。上記樹脂が固体状の場合には、その樹脂を溶解する溶剤を用いて、樹脂を溶剤に溶解させ、液状のビヒクルを形成する。
本発明の導電性ペーストは、更に、例えばリン酸エステル系の界面活性剤などの分散剤をビヒクルに対する重量比で1〜20wt%の範囲で含んでも良い。分散剤は、ビヒクルの中で、CNTを単分散状態に維持する働きをする。分散剤が20wt%を超えると、ビヒクルの中の固形成分の比率が減少して粘性が低下し、密度の小さいCNTが浮力のために重力分離しやすくなるので望ましくない。
本発明の更に別の形態によれば、ビヒクルにCNTを混合したCNT混合液を形成するCNT混合工程と、当該CNT混合液に単分散処理を施すことにより、CNTがビヒクルの中に単分散状態で存在するCNT単分散液を形成するCNT単分散工程と、当該CNT単分散液に導電性フィラーを添加して、導電性フィラー添加CNT単分散液を形成する添加工程と、当該導電性フィラー添加CNT単分散液を混練して、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、前記CNTがビヒクル中で単分散状態を保持している導電性ペーストを形成する混練工程と、から構成される導電性ペーストの製造方法を提供できる。
前記CNT混合液に施す単分散処理としては、各種の単分散処理方法が採用できる。例えば、前記CNT混合液を粉砕ボールであるジルコニア製ボールと一緒にポットに入れ、遊星ボールミルを回転駆動させ、粉砕ボールとCNT混合液を分離し、続いてCNT混合液を超音波ホモジナイザーで分散処理して、単分散されたCNT単分散液が得られる。又、前記混練工程としては、例えば、導電性フィラー添加CNT単分散液を3本ロール混練装置により混練して、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、CNTがビヒクル中で単分散状態を保持している導電性ペーストを形成することができる。CNTの単分散状態を安定化させるために、前記混練工程の前にCNT混合液に分散剤を添加し、又は、前記CNT単分散工程の前にCNT混合液に分散剤を添加してもよい。
本発明の更に別の形態によれば、ビヒクルにCNTと導電性フィラーを混合したCNT導電性フィラー混合液を形成する混合工程と、当該CNT導電性フィラー混合液に単分散処理を施すことにより、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、CNTがビヒクルの中に単分散状態で存在する導電性ペーストを形成する単分散工程と、から構成される導電性ペーストの製造方法を提供できる。
前記CNT導電性フィラー混合液に施す単分散処理としては、各種の単分散処理方法が採用できる。例えば、前記CNT導電性フィラー混合液を粉砕ボールであるジルコニア製ボールと一緒にポットに入れ、遊星ボールミルを回転駆動させ、粉砕ボールとCNT導電性フィラー混合液を分離し、続いてCNT導電性フィラー混合液を超音波ホモジナイザーで分散処理して、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、CNTがビヒクル中で単分散状態を保持している導電性ペーストが得られる。CNTの単分散状態を安定化させるために、前記単分散工程の前にCNT導電性フィラー混合液に、分散剤を添加してもよい。
本発明の更に別の形態によれば、ビヒクルと、ビヒクルの中に分散した導電性フィラーと、ビヒクルの中に単分散状態で存在するCNTと、を少なくとも含む導電性ペーストを製造して、当該導電性ペーストをセラミックの未焼成体に付着させ、前記未焼成体と、付着させた前記導電性ペーストを一緒に大気雰囲気で焼成して、前記未焼成体から前記セラミックを得るとともに、前記ビヒクルと、前記CNTの全部又は一部を、酸化除去し、前記導電性フィラーを焼結させて、前記セラミックに回路配線を形成することを特徴とする回路配線の形成方法を提供できる。
ここで、回路配線とは、一般に導体部のことを意味し、直線状や曲線状、板状の導体部の他、端子部、電極部、接続部、コンデンサーの極板部、コイル部、少なくとも一部が充填された貫通孔部、非貫通孔部、若しくは溝部など、任意の形状や用途を有する導体部を含む。また、導電性ペーストをセラミックの未焼成体に付着させるとは、塗布、スクリーン印刷等の印刷、散布、噴射、噴霧、滴下、浸漬、スピンキャスティング、注入、充填、圧延など、任意の手段で導電性ペーストと未焼成体の接触状態を実現することを含む。
セラミックの未焼成体と従来の導電性ペーストを同時焼成する場合には、通常は、セラミックより導電性ペーストの収縮率が大きく、この収縮率の差のために、形成される回路配線に、断裂や割れ目、剥離、脆弱性が生じることが問題となる。本発明の回路配線の形成方法では、導電性ペーストが単分散状態のCNTを含むから、細長くて強度の高いCNTが形成する3次元不規則編目状構造に導電性フィラーが束縛される結果、焼成によりCNTが酸化除去されるにも関わらず、既述の理由で、焼成時の導電性ペーストの収縮が抑制される。したがって、断裂や割れ目がなく、剥離しにくく、強度の高い回路配線をセラミックに形成することができる。
又、本発明の回路配線の形成方法では、導電性ペーストの構成成分のうち、ビークルが蒸発又は酸化除去され、CNTの一部又は全部が酸化除去されるので、焼成後に形成される回路配線には、導電性フィラーを構成する金属が焼結により、若干の微細な隙間を有するものの、バルク金属に近い状態で残る。したがって、本発明によれば、電気抵抗率がバルク金属なみに低い回路配線を形成することができる。
本発明の更に別の形態によれば、セラミックの未焼成体に溝部又は孔部を形成し、当該溝部又は孔部に導電性ペーストを充填することにより、前記未焼成体に前記導電性ペーストを付着させる回路配線の形成方法を提供できる。
本発明の更に別の形態によれば、焼成時の前記未焼成体の収縮率が小さいほど、前記導電性ペーストにおける前記CNTの前記導電性フィラーに対する重量比を大きくして、前記未焼成体と前記導電性ペーストの焼成時の収縮率を適合させる回路配線の形成方法を提供できる。
未焼成体と導電性ペーストの、焼成時の収縮率を比べたとき、導電性ペーストの収縮率の方が大きい場合には既述の問題が生じるが、逆に、未焼成体の収縮率の方が大きい場合にも、形成される回路配線に、剥離や脆弱性の問題が生じるとともに、セラミックに割れ目が生じるという問題がある。本発明の回路配線の形成方法によれば、収縮率が適合する結果、断裂や割れ目がなく、剥離しにくく、強度の高い回路配線をセラミックに形成することができ、セラミック割れも生じない。
本発明の更に別の形態によれば、前記CNTが、単層CNT、二層CNT、三層CNT、・・、m層CNTの群から選ばれた2種以上で構成され、ここでmは2以上の整数であり、前記導電性ペーストにおける前記CNTの前記導電性フィラーに対する重量比が一定の場合に、焼成時の前記未焼成体の収縮率が小さいほど、前記導電性ペーストにおける前記CNTの実効平均層数を小さくして、前記未焼成体と前記導電性ペーストの焼成時の収縮率を適合させる回路配線の形成方法を提供できる。
ここで、平均実効層数とは、導電性ペーストにおける単層CNT、二層CNT、三層CNT、・・、m層CNTの各種CNTの導電性フィラーに対する重量比率(a1、a2、・・、amとする)に、各種CNTの単位重量当たりの収縮抑制効率(b1、b2、・・、bmとする)を掛けた量(a1・b1、a2・b2、・・、am・bm)を重みとして、各種CNTの層数(1、2、・・、m)を、重み付き平均した量である。例えば、単層CNTと二層CNTのみが、導電性フィラーの重量に対して順に0.2wt%と0.5wt%存在し、各CNTの単位重量当たりの収縮抑制効率が任意単位で計って、順に1.0と0.5である場合、これらの積である上記の重みは、順に0.20と0.25であるから、次式が示すように、この導電性ペーストにおけるCNTの平均実効層数は1.56層となる。
平均実効層数 = (0.20×1+0.25×2)/(0.20+0.25)
= 1.56(層)
上記の重みの計算に登場する、各種CNTの単位重量当たりの収縮抑制効率は、例えば実験的に求める必要がある。ただ、特別な場合として、各種CNTの直径と長さが同一の場合には、k層CNTの単位重量当たりの収縮抑制効率は、およそ1/kに比例すると考えられる。この場合には、k層CNTの密度がおよそkに比例するゆえ、単位重量のk層CNTの数は、単位重量の単層CNTの数の、およそ1/k倍となり、導電性フィラーの凝集を抑制する3次元不規則編目の数密度も、およそ1/k倍となるからである。
本発明においては、導電性ペーストにおけるCNTの、導電性フィラーに対する重量比が一定の場合に、焼成時の未焼成体の収縮率が小さいほど、導電性ペーストにおけるCNTの実効平均層数を小さくして、未焼成体と導電性ペーストの焼成時の収縮率を適合させるから、断裂や割れ目がなく、剥離しにくく、強度の高い回路配線をセラミックに形成することができ、セラミック割れも生じない。
カーボンナノチューブ(CNT)単体の熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA)の結果を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態である、CNTの構成比が異なるいくつかの導電性ペーストの、熱機械分析(TMA)の結果を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態である、CNTの構成比が異なるいくつかの導電性ペーストの、焼成後の電気抵抗率と、CNTのAgに対する重量比との関係を、比較例の導電性ペーストとともに示したグラフ図である。
以下に、本発明に係る焼結型の導電性ペーストとその製造方法、及び回路配線の形成方法の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の導電性ペーストには、収縮抑制剤としてカーボンナノチューブ(CNT)が添加される。当該導電性ペーストを使用する際には、大気雰囲気で焼成する。その際の焼成温度は、CNTの酸化開始温度である約600℃より高い温度であり、例えば800〜900℃である。したがって、焼成によりCNTの全部又は一部が酸化除去され、焼成後に生じる導体部(回路配線)の中にCNTはほとんど残存しない。
図1は、CNT自体の酸化特性の温度依存性を調べた、熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA)の結果を示すグラフ図である。CNTとしてCnano社製の直径分布が15〜17nmの範囲のFT9000を使用した。
図1によれば、約600℃〜650℃の温度付近で、サンプルの重量が急激に減少し、また、発熱反応が生じていることがわかる。これは、約600℃〜650℃の温度付近でCNTが発火し、燃焼することを示している。なお、最終的にCNTの重量変化が−80%に落ち着き、CNTの重量が開始時重量の20%で一定となるのは、CNT粉末の製造時に触媒として用いられるFeが、CNT粉末中に残存しており、CNTが燃焼しても除去されず、Feの酸化物として残るためである。
<実施例1:試料の作成>
次の表1に示すように、本発明に係る、CNT濃度の異なる導電性ペーストの3つの試料(#1〜#3)を作成した。導電性ペーストはいずれも、導電性フィラーであるAg粉末と、CNT、樹脂、溶剤、分散剤からなる。例えば、試料#1の場合には、Ag粉末100重量部に対して、CNTが0.10重量部、樹脂が3.96重量部、溶剤が7.94重量部、分散剤が0.60重量部だけ含まれる。試料#1の構成成分は合計112.60重量部であって、それに対するAg粉末100重量部の割合は88.81wt%であるから、試料#1にはAg粉末が重量比率にして88.81wt%含まれていることになる。
Ag粉末として、大研化学製造販売(株)製の50%粒子径が5μmで微粉末を除去したAg粉末HP50Wを使用した。CNTとして、Cnano社製の直径分布が15〜17nmの範囲のFT9000を用いた。樹脂として、エチルセルロース樹脂を、溶剤としてブチルカルビトールアセテートを用いた。
実施例である試料#1〜#3については、これらの構成成分を表1に示す重量部だけ計りとり、CNT、樹脂、溶剤、分散剤を混合したCNT混合液を作成し(CNT混合工程)、粉砕用のジルコニア製ボールと一緒にポットに入れて遊星ボールミルで混練し、ジルコニア製ボールとCNT混合液を分離した後、CNT混合液を超音波ホモジナイザーで分散処理して、樹脂が溶剤に溶解してなるビヒクルの中に、CNTが単分散状態で存在するCNT単分散液を形成し(CNT単分散工程)、得られたCNT単分散液に導電性フィラーとしてAg粉末を添加して、導電性フィラー添加CNT単分散液を形成し(添加工程)、得られた導電性フィラー添加CNT単分散液を3本ロール混練装置により混練して、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、CNTがビヒクル中で単分散状態を保持している導電性ペーストを形成した(混練工程)。
また、比較例として、Ag粉末100重量部に対して、CNTの代わりに、カーボンブラック(CB)0.5重量部を添加した導電性ペースト(試料#11)と、CNTもCBも添加しない導電性ペースト(試料#12)と、上記試料#3と構成成分は同じであるが、上記CNT単分散工程において、CNT混合液を超音波ホモジナイザーで分散処理する工程を省いた導電性ペースト(試料#13:単分散せず)を用意した。
単分散状態であるか否かの判断はSEM像に基づいて行う。すなわち、Ag粉末を添加する前のCNT単分散液の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察してSEM像を得、CNTの凝集がなければ単分散状態であると判断する。試料#1〜#3はこのようにして単分散状態であると認めた。また、CNTがいくらか凝集している場合には、SEM像に見られるCNTの直径を数十本のCNTについて、無作為に計測して、添加する前のCNTの直径の範囲、即ち今の場合には15〜17nmの範囲に属するCNTの割合が80%未満である場合には、単分散状態にないものと判断する。試料#13の場合、SEM像で30本のCNTの直径を計測して、15〜17nmの範囲に属するCNTの割合が半分に満たなかったので、明らかに単分散状態にないものと判断した。
<実施例2:熱機械分析(TMA)>
本発明に係る導電性ペーストの試料#1〜#3と比較試料#11について、熱機械分析(TMA)を行った。その結果を図2に示す。いずれの試料も、温度上昇とともに収縮するが、まず350℃付近で最初の収縮が始まる。これは、ビヒクルの燃焼に伴う収縮である。次に、試料#1〜#3では、600℃までは収縮スピードは遅いが、600℃を超えると収縮スピードが速くなる。つまり、600℃まではCNTが燃焼せずに導電性ペースト中に残り、収縮を抑制していると考えられる。収縮抑制効果はCNT濃度が高いほど大きい。CNTの代わりにCBを添加した比較試料#11では、そのような収縮抑制効果は見られない。900℃における体積変化率は、試料#1では−23%、試料#2では−18%、試料#3では−16%、比較試料#11では−22%であった。また、TMA曲線は示していないが、比較試料#12(C成分なし)と比較試料#13(試料#3と同構成だが単分散せず)も、概ね、比較試料#11と似通ったTMA曲線を描く。これらの結果から、ビヒクルの中に単分散したCNTが、焼成時に収縮抑制効果を発現し、その効果は、単分散したCNTの濃度が高いほど大きいことが分かる。焼成時に収縮抑制効果を発揮するためには、単分散したCNTがAgに対する重量比で0.2wt%以上含まれる必要があり、より好ましくは、同0.3wt%以上含まれることが望ましい。
<実施例3:焼成後の電気抵抗率>
本発明に係る導電性ペーストの試料#1〜#3と比較試料#11〜#13について、焼成後の電気抵抗率(比抵抗)を測定した。測定方法としては、各導電性ペーストを用いて、アルミナ基板上にスクリーン印刷で、抵抗測定用の電極パターンを印刷し、大気雰囲気下、900℃で1時間焼成した後、両端から形成された電極の抵抗を測定し、電極の幅と長さ、及び厚さの実測値から、電気抵抗率を計算した。測定を3回行い、平均値を求めた。その結果を表2と図3に示す。
試料#1〜#3においては、Agに対する炭素成分の重量比にほぼ比例して、言い換えれば、CNT濃度が高くなるほどそれに比例して、焼成により形成された電極の電気抵抗率が大きくなる。しかし、Agに対するCNTの重量比が0.5wt%の場合でも、形成された電極の電気抵抗率は約4μΩ・cmであり、バルク金属の状態のAgの電気抵抗率1.59μΩ・cmの3倍に満たない。つまり、実施例である試料#1〜#3の導電性ペーストを焼成することにより、バルク金属並みに電気抵抗率が小さい回路配線を形成することができる。
また、比較試料#11〜#13の導電性ペーストを焼成しても、同様に電気抵抗率の低い回路配線を形成することができるが、これらのペーストの場合には、単分散状態のCNTが含まれていないから、焼成時の収縮が大きく、既述のような問題が生じる。なお、比較試料#13(単分散されず)の場合には、形成された電極の電気抵抗率は、試料#3(単分散)と比較試料#11(CNTの替わりにCB)の中間的な電気抵抗率を示す。
本発明に係る、導電性フィラーと単分散状態のCNTを含む導電性ペーストを焼成して、CNTを酸化除去することにより、バルク金属並みに高電導度の回路配線を形成することが可能である。さらに、本発明の導電性ペーストは、焼成の際に、単分散状態のCNTが導電性ペーストの収縮を抑制するので、低温同時焼成セラミック(LTCC)に使用すると、形成される回路配線に割れ目や断線、剥離、脆弱性が生じることを防止することができる。したがって、回路基板の信頼性向上に繋がる。本発明は、エレクトロニクス分野に関係する多くの業界において広く利用できるものである。
1 試料#1 (CNT 0.1wt%)
2 試料#2 (CNT 0.3wt%)
3 試料#3 (CNT 0.5wt%)
11 比較試料#11(CB 0.5wt%)
12 比較試料#12(C添加せず)
13 比較試料#13(CNT 0.5wt%、単分散せず)

Claims (11)

  1. ビヒクルと、前記ビヒクルの中に単分散状態で存在するCNT(カーボンナノチューブ)と、前記ビヒクルの中に分散している導電性フィラーと、を少なくとも含み、前記ビヒクルの酸化開始温度をT1,前記CNTの酸化開始温度をT2、前記導電性フィラーの焼結開始温度をT3としたとき、T1<T2かつT1<T3の関係を満足し、大気雰囲気でT2以上かつT3以上の温度で焼成して使用することを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記CNTの重量が、前記導電性フィラーと同体積の銀の重量に対して0.2wt%以上であり、かつ、前記CNTの重量が、前記ビヒクルの重量に対して10wt%以下である請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記単分散状態において、前記ビヒクルの中に単独で存在する多数のCNTの直径を計測したとき、計測されたCNTの直径の80%以上が、前記ビヒクルに添加される前のCNTの直径の範囲に含まれている請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記導電性フィラーは、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Zn、Ti、Ru、Pd、Rhよりなる群から選ばれた一種以上の金属の粒子である請求項1〜3に記載の導電性ペースト。
  5. 前記ビヒクルは、液状の樹脂、又は、樹脂を溶剤に溶解させた溶液であり、当該樹脂は、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ブチラールよりなる群から選ばれた一つ以上の物質である請求項1〜4に記載の導電性ペースト。
  6. 前記溶剤は、アセトン、トルエン、酢酸エチル、2−ブタノン、ジクロロメタン、ベンゼン、ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエチレン系もしくはプロピレン系のグリコールエーテル類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル等の2塩基酸のジエステル塩、テトラヒドロフラン、ヘキサン、エタノール、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸2−n−ブトキシエチル、エチルカルビトール、カルビトールアセテート、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、イソプロピルアルコール、1,2−ジクロロエタン、ジエトキシエタン、テルピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、テキサノールよりなる群から選ばれた一種以上の物質である請求項1〜5に記載の導電性ペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法であり、ビヒクルにCNTを混合したCNT混合液を形成するCNT混合工程と、当該CNT混合液に単分散処理を施すことにより、CNTがビヒクルの中に単分散状態で存在するCNT単分散液を形成するCNT単分散工程と、当該CNT単分散液に導電性フィラーを添加して、導電性フィラー添加CNT単分散液を形成する添加工程と、
    当該導電性フィラー添加CNT単分散液を混練して、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、前記CNTがビヒクル中で単分散状態を保持している導電性ペーストを形成する混練工程と、から構成される導電性ペーストの製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法であり、ビヒクルにCNTと導電性フィラーを混合したCNT導電性フィラー混合液を形成する混合工程と、当該CNT導電性フィラー混合液に単分散処理を施すことにより、導電性フィラーがビヒクルの中に分散し、かつ、CNTがビヒクルの中に単分散状態で存在する導電性ペーストを形成する単分散工程と、から構成される導電性ペーストの製造方法。
  9. ビヒクルと、ビヒクルの中に分散した導電性フィラーと、ビヒクルの中に単分散状態で存在するCNTと、を少なくとも含む導電性ペーストを製造して、当該導電性ペーストをセラミックの未焼成体に付着させ、前記未焼成体と、付着させた前記導電性ペーストを一緒に大気雰囲気で焼成して、前記未焼成体から前記セラミックを得るとともに、前記ビヒクルと、前記CNTの全部又は一部を、酸化除去し、前記導電性フィラーを焼結させて、前記セラミックに回路配線を形成することを特徴とする回路配線の形成方法。
  10. セラミックの未焼成体に溝部又は孔部を形成し、当該溝部又は孔部に導電性ペーストを充填することにより、前記未焼成体に前記導電性ペーストを付着させる請求項9に記載の回路配線の形成方法。
  11. 焼成時の前記未焼成体の収縮率が小さいほど、前記導電性ペーストにおける前記CNTの前記導電性フィラーに対する重量比を大きくして、前記未焼成体と前記導電性ペーストの焼成時の収縮率を適合させる請求項9又は10に記載の回路配線の形成方法。
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