以下、複数の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、他の実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
第一実施形態によるスパークプラグを図1〜7に基づいて説明する。第一実施形態によるスパークプラグ1は、図1に示す「内燃機関」としてのエンジン90に設けられる。エンジン90は、吸気系91、シリンダ92、ピストン93、クランクシャフト94、排気系95などを備える。なお、図1には、吸気系91に流入する空気の流れを矢印F1で示し、排気系95から流出する排気の流れを矢印F2で示す。
吸気系91が有する吸気通路910を流れる空気は、吸気系91に設けられている燃料噴射弁911が噴射する燃料と混合されると、混合気を形成する。吸気通路910を流れる混合気は、吸気ポート912を通ってシリンダ92及びピストン93によって形成される燃焼室900に流入する。燃焼室900への混合気の流入タイミングは、吸気ポート912に設けられている吸気弁913の開閉によって制御される。
燃焼室900に導入された混合気は、シリンダ92が有するシリンダヘッド921に設けられているスパークプラグ1によって点火し燃焼する。この混合気の燃焼による燃焼室900の圧力の増加によってピストン93が押し下げられ、ピストン93に連結するクランクシャフト94が回転する。このクランクシャフト94の回転トルクは、エンジン90の外部に伝達され、例えば、エンジン90を搭載する車両のタイヤを回転する。
燃焼室900の混合気が燃焼した後の排気は、排気系95が有する排気ポート951を通って排気通路950に排出される。燃焼室900からの排気の排出タイミングは、排気ポート951に設けられている排気弁952の開閉によって制御される。排気通路950を流れる排気は、大気に排出される。
次に、スパークプラグ1の構成について、図2〜7に基づいて説明する。スパークプラグ1は、ハウジング31、接地電極33、絶縁碍子35、中心電極40、及び、放熱部50を備える。スパークプラグ1は、図1に示すように、シリンダヘッド921が有する取付孔922に挿通され、シリンダヘッド921とねじ締結されている。なお、図2には、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたときの燃焼室側の方向を「燃焼室方向」とし、燃焼室900とは反対側の方向を「ターミナル方向」として示す。
ハウジング31は、筒状の金属部材であって、ハウジング第一筒部311、及び、ハウジング第二筒部312を有する。
ハウジング第一筒部311は、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、ハウジング31の燃焼室側に位置する部位である。ハウジング第一筒部311は、径方向外側の外壁にシリンダヘッド921とねじ結合可能なねじ溝を有する。ハウジング第一筒部311は、内壁にハウジング突部313を有する。ハウジング突部313は、ハウジング第一筒部311の内側において径内方向に向かって凸状に突出する部位である。ハウジング第一筒部311は、燃焼室方向の端部に接地電極33が設けられている。
ハウジング第二筒部312は、ハウジング第一筒部311のターミナル側に設けられる部位である。ハウジング第二筒部312の外径は、ハウジング第一筒部311の外径に比べ大きい。ハウジング第二筒部312は、ハウジング第二筒部312のハウジング第一筒部311側の段差面にガスケット314が設けられている。ガスケット314は、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、燃焼室900と外部との気密を維持する。ハウジング第二筒部312の内径は、ハウジング第一筒部311の内径に比べ大きい。
接地電極33は、ハウジング第一筒部311の燃焼室方向の端部に設けられる。接地電極33は、略L字状に形成されている。接地電極33は、ハウジング第一筒部311と接続する側とは反対側の端部と中心電極40の放電部41との間に所定のギャップが形成されるよう設けられている。
絶縁碍子35は、ハウジング31の内側に位置する筒状の部材である。絶縁碍子35は、ハウジング31と中心電極40との絶縁を維持する。絶縁碍子35は、小内径部351、大内径部352、大外径部353、及び、ターミナル支持部354を有する。
小内径部351は、ハウジング第一筒部311の内側であって、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、絶縁碍子35の燃焼室側に設けられる部位である。小内径部351は、筒状に形成されており、内側には一定の断面積を有する柱状空間が形成されている。小内径部351は、燃焼室900から離れるにしたがって外径が大きくなるよう形成されている。小内径部351の大内径部352側の端部は、外壁に段差面355を有する。
大内径部352は、ハウジング第一筒部311の内側であって、小内径部351のターミナル側に設けられる部位である。大内径部352は、筒状に形成されており、内側には小内径部351の内側の断面積に比べ大きい一定の断面積を有する柱状空間が形成されている。大内径部352は、外径が小内径部351の大内径部352側の端部の外径と同じになるよう形成されている。
大外径部353は、ハウジング第二筒部312の内側であって、大内径部352のターミナル側に設けられる部位である。大外径部353は、筒状に形成されており、内側には大内径部352の内側の断面積と同じ大きさの一定の断面積を有する柱状空間が形成されている。また、大外径部353は、外径が大内径部352の外径に比べ大きくなるよう形成されている。
ターミナル支持部354は、大外径部353のターミナル側に設けられる筒状の部位である。ターミナル支持部354は、内側にターミナル39が設けられている。ターミナル支持部354は、ターミナル39を所定の位置に支持する。ターミナル支持部354の外壁には、周方向に形成されている溝を複数有する。
中心電極40は、スパークプラグ1の燃焼室方向の絶縁碍子35の内側に位置する金属からなる部材である。中心電極40は、放電部41、軸部42、係合部43、及び、接続端子部44を有する。
放電部41は、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、中心電極40の燃焼室側に設けられる部位である。放電部41は、先端が比較的細くなるよう形成されている。放電部41は、ターミナル39を介して高電圧が印加されると、接地電極33との間のギャップに混合気を点火可能な火花を生成可能である。
軸部42は、放電部41のターミナル側に設けられる部位である。軸部42は、小内径部351の内側に位置する。軸部42は、放電部41に比べ外径が大きくなるよう形成されている。
係合部43は、軸部42のターミナル側に設けられる部位である。係合部43は、外径が軸部42の外径に比べ大きい。係合部43の燃焼室方向の端面431は、小内径部351の大内径部352側の端面356に当接可能に形成されている。これにより、中心電極40をターミナル支持部354の開口から絶縁碍子35の内側に挿入するとき、端面431と端面356とが当接し、中心電極40の燃焼室方向への移動が規制される。
接続端子部44は、係合部43のターミナル側に設けられる部位である。接続端子部44は、絶縁碍子35内に設けられるシール部材36と電気的に接続するよう形成されている。
シール部材36は、中心電極40のターミナル方向に設けられている。第一実施形態では、シール部材36は、ガラス粉末と銅粉との混合物であって、抵抗体37と中心電極40とを電気的に接続しつつ、絶縁碍子35と溶着され中心電極40と絶縁碍子35との間の隙間を介した燃焼室900の気密を維持する。
抵抗体37は、シール部材36のターミナル方向に設けられている。抵抗体37は、例えば、鉄から形成されており、ターミナル39を介して供給される高圧電流によるノイズを低減する。
シール部材38は、抵抗体37のターミナル方向に設けられている。シール部材38は、ガラス粉末と銅粉の混合物であって、抵抗体37と中心電極40とを電気的に接続しつつ、絶縁碍子35と溶着されている。
ターミナル39は、シール部材38のターミナル方向に設けられる。ターミナル39は、シール部材38と電気的に接続している。ターミナル39は、シール部材38と接続する側とは反対側の端部がターミナル支持部354の外部に露出している。ターミナル39は、外部から供給される高圧電流を受電する。
放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられている。放熱部50は、第一放熱部材51、及び、第二放熱部材52を有する。第一放熱部材51及び第二放熱部材52は、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。第一放熱部材51及び第二放熱部材52は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金または銅等からなる。
図2に示すように、スパークプラグ1の燃焼室方向からターミナル方向に向かう仮想線を中心軸CA1と規定する。本実施形態では、第一放熱部材51の上端511と第二放熱部材52の上端521とは、中心軸CA1に沿う方向において略同じ位置に設けられている。また、第一放熱部材51の下端512と第二放熱部材52の下端522とは、中心軸CA1に沿う方向において略同じ位置に設けられている。この「略同じ位置」としたのは、第一放熱部材51の線熱膨張率が、第二放熱部材52よりも大きいためである。例えば、エンジン90の温度が比較的低い状態、例えば、中心電極40の温度が500度以下となる低負荷運転時では、スパークプラグ1の燃焼ガスからの受熱が比較的少ないため、第一放熱部材51及び第二放熱部材52の温度は比較的低い。第一放熱部材51及び第二放熱部材52の温度が比較的低いと、第一放熱部材51及び第二放熱部材52の熱膨張によるそれぞれの上端511,521及び下端512,522の位置の変化は小さい。一方、エンジン90の温度が比較的高い状態、例えば、中心電極40の温度が500度より高くなる高負荷運転時では、スパークプラグ1の燃焼ガスからの受熱が比較的多いため、第一放熱部材51及び第二放熱部材52の温度は比較的高くなる。第一放熱部材51及び第二放熱部材52の温度が比較的高くなると、第一放熱部材51及び第二放熱部材52の熱膨張によるそれぞれの上端511,521及び下端512,522の位置の変化は大きくなる。このように、エンジン90の運転条件によって第一放熱部材51及び第二放熱部材52の温度が変化するため、中心軸CA1に沿う方向における上端511と上端521との位置関係、及び、下端512と下端522との位置関係は、変更され得る。
第一放熱部材51は、第二放熱部材52から見てハウジング31側に設けられる略筒状の部材である。第一放熱部材51は、径方向の厚みがハウジング31に比べ薄くなるよう形成されている。第一放熱部材51は、図2に示すように、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング突部313の内壁面に至るまでハウジング31の内壁面に沿って配置されている。第一放熱部材51は、図2,4に示すように、延伸部513及び当接部514を有する。
延伸部513は、第一放熱部材51のターミナル方向に延びるよう形成されている。延伸部513は、径方向の厚みが比較的薄い略筒状の部位であって、ハウジング第一筒部311のターミナル側の内壁315、及び、ハウジング第二筒部312の燃焼室側の内壁316に沿うよう設けられている。
当接部514は、延伸部513の燃焼室側に設けられている。当接部514は、ハウジング突部313のターミナル側の内壁317に沿うよう設けられている。当接部514は、図4に示すように、スパークプラグ1の中心軸CA1を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。具体的には、延伸部513に接続する側の端部から燃焼室方向に向かうにしたがって内径が徐々に小さくなった後、最も内径が小さくなる最内端515から下端512に向かって内径が徐々に大きくなるよう形成されている。当接部514は、最内端515と下端512とを接続する「第一当接可能面」としての当接可能面516を有する。
第二放熱部材52は、第一放熱部材51から見て絶縁碍子35に設けられる略筒状の部材である。第二放熱部材52は、図2に示すように、絶縁碍子35の大外径部353の外壁面から絶縁碍子35の段差面355の燃焼室側に接続する小内径部351の外壁面に至るまで、絶縁碍子35の外壁面に沿って配置されている。第二放熱部材52は、線熱膨張率が第一放熱部材51の線熱膨張率より小さい材料から形成されている。第二放熱部材52は、図2,4に示すように、延伸部523及び当接部524を有する。
延伸部523は、第二放熱部材52のターミナル方向に延びるよう形成されている。延伸部523は、径方向の厚みが比較的薄い略筒状の部位であって、図2に示すように、小内径部351の段差面355、大内径部352の内壁357、及び、大外径部353の燃焼室側の内壁358に沿うよう設けられている。
当接部524は、延伸部523の燃焼室側に設けられている。当接部524は、小内径部351のターミナル側の内壁359に沿うよう設けられている。当接部524は、図4に示すように、スパークプラグ1の中心軸CA1を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。具体的には、延伸部523に接続する側の端部から燃焼室方向に向かうにしたがって外径が徐々に大きくなるよう形成されている。当接部524は、延伸部523に接続する側の端部から下端522までの間に、当接可能面516に対向するよう形成されている「第二当接可能面」としての当接可能面525を有する。当接可能面525は、当接可能面516に対して平行となるよう形成されている。
パッキン53は、第一放熱部材51と第二放熱部材52との間に配置されている金属製の円環状の部材である。パッキン53は、図2、4に示すように、第一放熱部材51の下端512及び第二放熱部材52の下端522の近傍に設けられている。パッキン53は、第一放熱部材51側に第一放熱部材51と当接する座面531を有する。パッキン53は、第二放熱部材52側に第二放熱部材52と当接する座面532を有する。パッキン53は、パッキン53が設けられている位置からターミナル方向の第一放熱部材51と第二放熱部材52との間の隙間500(図3参照)を、パッキン53が設けられている位置から燃焼室方向の第一放熱部材51と第二放熱部材52との間の隙間及びハウジング第一筒部311と絶縁碍子35の小内径部351との間の空間、いわゆる、ガスポケット15との間の気密を維持する。
次に、本実施形態における放熱部50の作用について、図4〜7に基づいて説明する。
エンジン90の低負荷運転時には、図4に示すように、当接可能面516と当接可能面525との間に隙間54が形成されている。エンジン90を運転させると、熱伝導性が良好でない絶縁碍子35に熱が篭りがちである。低負荷運転時の絶縁碍子35からの放熱経路を、矢印で示してみると、矢印H11,H12,H13で示すことができる。
矢印H11は、絶縁碍子35の熱が第二放熱部材52、パッキン53、第一放熱部材51、ハウジング31の順に伝達する放熱経路である。矢印H12は、絶縁碍子35の熱が絶縁碍子35の中で伝達する放熱経路である。矢印H13は、絶縁碍子35の熱が第二放熱部材52の当接部524に伝達する放熱経路である。
図5は、エンジン90の低負荷運転時におけるスパークプラグ1の略下半分の断面図である。上述したように、エンジン90の低負荷運転時には、隙間54が形成される。第一放熱部材51と第二放熱部材52との間にはパッキン53が設けられているため、パッキン53の燃焼室側の端部であって第二放熱部材52と接している角部533よりターミナル方向への気体の侵入が妨げられる。これにより、燃焼ガスにより受熱する絶縁碍子35は、下端350からパッキン53の配置位置までの「燃焼ガスと接触する部位の長さ」としての長さL1となる。
エンジン90を高負荷運転させエンジン90を高温にすることにより、隙間54は熱膨張により狭まる。若しくは、当接可能面516と当接可能面525とが熱膨張により当接し隙間54がなくなる。図6に示すように、隙間54は狭まる場合、第一放熱部材51と第二放熱部材52との間の熱抵抗の低下により、当接可能面516と当接可能面525との間の熱移動がなされやすくなる。隙間54がなくなる場合、当接可能面516と当接可能面525との当接により熱移動が盛んに行われるようになる。
図6に示すエンジン90の高負荷運転時の絶縁碍子35からの放熱経路を、矢印で示してみると、矢印H11,H12,H14,H15で示すことができる。矢印H11は、図4で説明したように、絶縁碍子35の熱が第二放熱部材52、パッキン53、第一放熱部材51、ハウジング31の順に伝達する放熱経路である。矢印H12は、図4で説明したように、絶縁碍子35の熱が絶縁碍子35の中で伝達する放熱経路である。
矢印H14は、隙間54がなくなり当接可能面516と当接可能面525とが当接しているため、絶縁碍子35の熱が第二放熱部材52の当接部524、第一放熱部材51の当接部514、ハウジング31の順に伝達する放熱経路である。矢印H15は、第二放熱部材52の熱が第一放熱部材51の当接部514に伝達する放熱経路である。これらのことから、エンジン90の高負荷運転時の図6の状態では、エンジン90の低負荷運転時の図4の状態に比べて、スパークプラグ1の放熱効率が高まっていることがわかる。
図7は、エンジン90の高負荷運転時におけるスパークプラグ1の略下半分の断面図である。エンジン90の高負荷運転時には、例えば、図6に示すように、隙間54がなくなる。これにより、燃焼ガスにより受熱する絶縁碍子35は、図7に示すように、下端350から放熱部50の下端512または下端522までの「燃焼ガスと接触する部位の長さ」としての長さL2となる。長さL2は、L1に比べて短い。
スパークプラグが受ける熱を発散する度合いを「熱価」という。
低熱価プラグは、いわゆる碍子脚部が長く、燃焼ガスにより受熱する表面積及びガスポケットの容積が大きくなる。また碍子脚部からハウジングに至る放熱経路が長くなっているので、熱放散が少なく、中心電極の温度は上昇しやすい。具体的には、中心電極の温度が、例えば、約500度以下の場合には、燃料が完全燃焼しない時に発生するフリーカーボンが絶縁碍子の表面に付着する(くすぶり)。フリーカーボンが絶縁碍子の表面に付着すると、絶縁碍子とハウジングとの間の絶縁が低下して電気の漏洩が起こりやすくなるため、ギャップでの飛火が不完全となり、着火ミスの原因になる。その点、低熱価プラグは、中心電極の温度が上昇しやすいため、低速でもカーボンが燃焼により自然に焼き切れる温度である自己清浄温度に達しやすく、絶縁碍子にカーボンが付着しにくい。なお、ここでは、くずぶりが生じる温度の例として、約500度以下を挙げたが、くすぶりが生じる温度は、エンジンの種類によって異なり、この温度に限られない。
また、高熱価プラグは、碍子脚部が短く、燃焼ガスにより受熱する表面積及びガスポケットの容積が小さい。また放熱経路が短いので、熱放散が多く、中心電極の温度は上昇しにくい。具体的には、中心電極が、例えば、約950度以上になると、スパークプラグの電極が熱源となって火花が飛ばなくても点火するプレイグニッション(過早着火)が発生する。このため、出力の低下を起こし、電極の溶損、碍子の破損にまで至ることがある。高熱価プラグは、中心電極の温度が上昇しにくく、プレイグニッション温度に達しにくい。なお、ここでは、プレイグニッションが発生する温度の例として、約950度以上を挙げたが、プレイグニッションが生じる温度は、エンジンの種類によって異なり、この温度に限られない。
(a)第一実施形態によるスパークプラグ1は、ハウジング31または絶縁碍子35の温度に応じて、絶縁碍子35とハウジング31との間に設けられている放熱部50が形成する隙間54の大きさが変化する。この隙間54の大きさの変化には、隙間54が完全に閉じた状態を含む。
第一実施形態によるスパークプラグ1では、低負荷運転時における第一放熱部材51及び第二放熱部材52の線膨張量が小さくなる。すると、第一放熱部材51と第二放熱部材52との間の隙間54が比較的大きくなる。この隙間54が大きくなると、第一放熱部材51と第二放熱部材52との間での熱抵抗が大きくなり、熱移動がなされにくくなる。すなわち、スパークプラグ1は、熱を発散する度合いが比較的小さくなるため、いわゆる低熱価プラグになっていると言える。これにより、絶縁碍子35の熱が放出されにくくなり、低負荷運転時に絶縁碍子35に付着したカーボンを焼き切り、いわゆる「くすぶり」を抑制することが可能になる。
また、第一実施形態によるスパークプラグ1では、高負荷運転時における第一放熱部材51及び第二放熱部材52の線膨張量が大きくなる。すると、線膨張する第一放熱部材51と第二放熱部材52との間の隙間54が小さくなり、場合によっては隙間54がなくなる。このように、第一放熱部材51と第二放熱部材52との間の隙間54が小さくなると、第一放熱部材51と第二放熱部材52との間の熱抵抗が小さくなり、熱移動がなされるようになる。すなわち、スパークプラグ1は、熱を発散する度合いが比較的大きくなるため、いわゆる高熱価プラグになっていると言える。これにより、絶縁碍子35の熱が放出され易くなり、高負荷運転時の熱による混合気のプレイグニッションを抑制することが可能になる。
このように、スパークプラグ1では、低負荷運転時に絶縁碍子35の熱を放出しにくくし、かつ、高負荷運転時に絶縁碍子35の熱を放出しやすくする。これにより、スパークプラグ1は、低負荷運転時における「くすぶり」を抑制しつつ、高負荷運転時のプレイグニッションの発生を防止することができる。
(b)第一実施形態によるスパークプラグ1は、放熱部50の熱膨張または熱収縮により、隙間54の大きさが変化する。低温では熱収縮しているため、隙間54が比較的大きく、高温になると熱膨張によって隙間54が狭くなる、これにより、絶縁碍子35からハウジング31に向けての熱抵抗が変化する。また低温では、隙間54が大きいため熱抵抗が大きく、熱引きの度合いが少ない。一方、高温では、隙間54が少ないまたは0となるため熱抵抗が小さく熱引きの度合いが大きくなる。これにより、スパークプラグ1は、低温の低負荷運転時におけるエンジン90の温度を維持しやすくなる一方、高温の高負荷運転時におけるエンジン90の熱を効率的に発散することができる。
(c)第一実施形態によるスパークプラグ1は、点火した燃料による燃焼ガスと接触する絶縁碍子35の長さが、隙間54が大きくなるほど長くなり、隙間54が小さくなるほど短くなる。燃焼ガスと接触する絶縁碍子35の長さは、隙間54の有無により変化する。低負荷運転時のように隙間54があると、燃焼ガスと接触する絶縁碍子35の長さが長くなり、スパークプラグ1は、いわゆる低熱価プラグになりやすい。高負荷運転時のように隙間54がなくなると、燃焼ガスと接触する絶縁碍子35の長さが短くなり、スパークプラグ1は、いわゆる高熱価プラグになりやすい。これにより、スパークプラグ1は、放熱部50が形成する隙間54の有無によって燃焼ガスに対する受熱の度合いを変化させることができる。
(d)第一実施形態によるスパークプラグ1では、放熱部50は、ハウジング31側に設けられる第一放熱部材51と、絶縁碍子35側に設けられる第二放熱部材52を有する。このとき、隙間54は、第一放熱部材51と第二放熱部材52との間に形成される。これにより、熱膨張または熱収縮しやすい第一放熱部材51及び第二放熱部材52によって隙間54を形成するため、隙間54の大きさを設計しやすいだけでなく、隙間54の大きさの変化を比較的大きくすることができる。
(e)また、第一実施形態によるスパークプラグ1では、第一放熱部材51の線熱膨張率が第二放熱部材52の線熱膨張率よりも大きい。これにより、エンジン90の低温作動時には、第一放熱部材51と第二放熱部材52との隙間54が大きくなり、低温作動時よりも高温の高温作動時には、第一放熱部材51の熱膨張により第二放熱部材52を当接することで、隙間54が小さくなる。したがって、スパークプラグ1では、隙間54の大きさの変化をさらに大きくすることができる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態によるスパークプラグを図8に基づいて説明する。第二実施形態は、第一放熱部材の形状が第一実施形態と異なる。
第二実施形態によるスパークプラグ2が備える放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられ、第一放熱部材55、及び、第二放熱部材52を有する。第一放熱部材55は、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
スパークプラグ2が有するハウジング31は、ハウジング第一筒部311が内壁にハウジング突部323を有する。ハウジング突部323は、後述する第一放熱部材55が有する平行部553の当接面557に当接する案内面324、及び、第一放熱部材55が有する当接部554の径方向外側の端面559に当接する当接面325を有する。案内面324は、パッキン53の座面531に対して平行となるよう形成されている。
第一放熱部材55は、第二放熱部材52から見てハウジング31側に設けられる略筒状の部材である。第一放熱部材55は、径方向の厚みがハウジング31に比べ薄くなるよう形成されている。第一放熱部材55は、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング突部323の内壁面に至るまでハウジング31の内壁面に沿って配置されている。第一放熱部材55は、上端がスパークプラグ2の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の上端521と略同じ位置に設けられている。また、第一放熱部材55は、図8に示すように、下端552がスパークプラグ2の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の下端522と略同じ位置に設けられている。
第一放熱部材55は、延伸部513、平行部553、及び、当接部554を有する。
平行部553は、延伸部513の燃焼室側に設けられている。平行部553は、ハウジング突部323の案内面324に当接する当接面557、及び、パッキン53の座面531に当接する当接面558を有する。当接面551と当接面558とは、平行となるよう形成されている。本実施形態では、パッキン53の座面531と座面532とは平行に形成されている。平行部553は、第一放熱部材55が熱膨張または熱収縮するときの変位が案内面324によって案内される。
当接部554は、平行部553の燃焼室側に設けられている。当接部554は、ハウジング突部323の当接面325に沿うよう設けられている。当接部554は、図8に示すように、スパークプラグ2の中心軸を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。具体的には、平行部553に接続する側の端部に位置する最内端555から下端552に向かって内径が徐々に大きくなるよう形成されている。当接部554は、最内端555と下端552とを接続する「第一当接可能面」としての当接可能面556を有する。当接可能面556は、第二放熱部材52が有する当接可能面525に対して平行となるよう形成されている。エンジン90の低負荷運転時には、当接可能面556と当接可能面525との間に隙間54が形成されている。
第二実施形態によるスパークプラグ2は、エンジン90の低負荷運転時には第一放熱部材55の当接可能面556と第二放熱部材52の当接可能面525との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、第二実施形態によるスパークプラグ2は、第一放熱部材55が有する平行部553が当接する案内面324と座面531とは、平行となるよう形成されている。これにより、平行部553が熱膨張または熱収縮によって変位してもパッキン53がずれることを抑制することができる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態によるスパークプラグを図9、10に基づいて説明する。第三実施形態は、第一放熱部材の当接可能面及び第二放熱部材の当接可能面の形状が第一実施形態と異なる。
第三実施形態によるスパークプラグ3が備える放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられ、第一放熱部材56、及び、第二放熱部材57を有する。第一放熱部材56及び第二放熱部材57は、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。本実施形態では、第一放熱部材56の上端と第二放熱部材57の上端とは、スパークプラグ3の中心軸に沿う方向において略同じ位置に設けられている。また、第一放熱部材56の下端562と第二放熱部材57の下端572とは、図9、10に示すように、スパークプラグ3の中心軸に沿う方向において略同じ位置に設けられている。
第一放熱部材56は、第二放熱部材57から見てハウジング31側に設けられる略筒状の部材である。第一放熱部材56は、径方向の厚みがハウジング31に比べ薄くなるよう形成されている。第一放熱部材56は、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング突部313の内壁面に至るまでハウジング31の内壁面に沿って配置されている。第一放熱部材56は、延伸部513及び当接部564を有する。
当接部564は、延伸部513の燃焼室側に設けられている。当接部564は、ハウジング突部313のターミナル側の内壁317に沿うよう設けられている。当接部564は、図9,10に示すように、スパークプラグ3の中心軸を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。当接部564は、最も内径が小さくなる最内端565から下端562に向かって内径が徐々に大きくなるよう形成されている。当接部564は、最内端565と下端562とを接続する「第一当接可能面」としての当接可能面566を有する。当接可能面566は、図9,10に示すように、凹凸状に形成されている。
第二放熱部材57は、第一放熱部材56から見て絶縁碍子35に設けられる略筒状の部材である。第二放熱部材57は、絶縁碍子35の大外径部353の外壁面から絶縁碍子35の段差面355の燃焼室側に接続する小内径部351の外壁面に至るまで、絶縁碍子35の外壁面に沿って配置されている。第二放熱部材57は、線熱膨張率が第一放熱部材56の線熱膨張率より小さい材料から形成されている。第二放熱部材57は、延伸部523及び当接部574を有する。
当接部574は、延伸部523の燃焼室側に設けられている。当接部574は、小内径部351のターミナル側の内壁359に沿うよう設けられている。当接部574は、スパークプラグ3の中心軸を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。当接部574は、延伸部523に接続する側の端部から下端572までの間に、当接可能面566に対向するよう形成されている「第二当接可能面」としての当接可能面575を有する。当接可能面575は、当接可能面566の凹凸に噛み合い可能なよう凹凸状に形成されている。
図10は、エンジン90の高負荷運転時の絶縁碍子35からの放熱経路を示す図である。エンジン90の低負荷運転時には、図9に示すように、第一放熱部材56の当接可能面566と第二放熱部材57の当接可能面575との間には隙間54が形成されている。
エンジン90を高負荷運転させ、エンジン90を高温にすることにより、隙間54は第一放熱部材56及び第二放熱部材57のそれぞれの熱膨張により狭まる。若しくは、当接可能面566と当接可能面575とが熱膨張により当接し噛み合った状態となる。隙間54は狭まる場合、熱抵抗の低下により、当接可能面566と当接可能面575との間は、熱移動しやすくなる。隙間54がなくなる場合は、当接可能面566と当接可能面575との当接により熱移動がより盛んに行われるようになる。
放熱経路を矢印H31,H32,H33,H34で示す。矢印H31は、絶縁碍子35の熱が第二放熱部材57、パッキン53、第一放熱部材56、ハウジング31の順に伝達する放熱経路である。矢印H32は、絶縁碍子35の熱が絶縁碍子35の中で伝達する放熱経路である。矢印H33は、絶縁碍子35の熱が第二放熱部材57の当接部574、第一放熱部材56、ハウジング31の順に伝達する放熱経路である。矢印H34は、絶縁碍子35の熱が第二放熱部材57の当接部574、第一放熱部材56の順に伝達する放熱経路である。
第三実施形態によるスパークプラグ3は、エンジン90の低負荷運転時には第一放熱部材56の当接可能面566と第二放熱部材57の当接可能面575との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、第三実施形態によるスパークプラグ3では、第一放熱部材56の当接可能面566及び第二放熱部材57の当接可能面575は、それぞれ噛み合い可能なよう凹凸状に形成されている。これにより、第一放熱部材56と第二放熱部材57とが当接するとき、第一放熱部材56と第二放熱部材57との間の伝熱面積が大きくなるため、図10における放熱経路H33,H34の放熱を促進させることができる。したがって、第三実施形態は、エンジン90の高負荷運転時にさらに絶縁碍子35の熱を効率的に伝達することができる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態によるスパークプラグを図11に基づいて説明する。第四実施形態は、第一放熱部材の形状が第一実施形態と異なる。
第四実施形態によるスパークプラグ4が備える放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられ、第一放熱部材59、及び、第二放熱部材52を有する。第一放熱部材59は、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
第一放熱部材59は、第二放熱部材52から見てハウジング31側に設けられる略筒状の部材である。第一放熱部材59は、径方向の厚みがハウジング31に比べ薄くなるよう形成されている。第一放熱部材59は、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング突部323の内壁面に至るまでハウジング31の内壁面に沿って配置されている。第一放熱部材59は、上端がスパークプラグ4の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の上端521と略同じ位置に設けられている。また、第一放熱部材59は、下端がスパークプラグ4の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の下端522と略同じ位置に設けられている。
第一放熱部材59は、延伸部513及び当接部594を有する。
当接部594は、延伸部513の燃焼室側に設けられている。当接部594は、ハウジング突部313のターミナル側の内壁317に沿うよう設けられている。当接部594は、第二放熱部材52の当接可能面525に当接可能な「第一当接可能面」としての当接可能面596を有する。当接可能面596は、図11に示すように、切り欠き状の凹部597を周方向に略等間隔に八つ有している。エンジン90の低負荷運転時には、図11に示すように、当接可能面596と当接可能面525との間には隙間54が形成されている。
第四実施形態によるスパークプラグ4は、エンジン90の低負荷運転時には第一放熱部材59の当接可能面596と第二放熱部材52の当接可能面525との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第四実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、第四実施形態によるスパークプラグ4では、凹部597の形状を調整することによって、第一放熱部材59と第二放熱部材52との当接面積を調整することができる。これにより、第一放熱部材59と第二放熱部材52との間での熱移動量、すなわち、スパークプラグ4の放熱量を調整できる。したがって、第四実施形態は、スパークプラグ4の熱価を調整することができる。
(第五実施形態)
次に、第五実施形態によるスパークプラグを図12〜14に基づいて説明する。第五実施形態は、第一放熱部材の形状が第一実施形態と異なる。
第五実施形態によるスパークプラグ5が備える放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられ、第一放熱部材61、及び、第二放熱部材52を有する。第一放熱部材61は、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
第一放熱部材61は、第二放熱部材52から見てハウジング31側に設けられる略筒状の部材である。第一放熱部材61は、径方向の厚みがハウジング31に比べ薄くなるよう形成されている。第一放熱部材61は、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング突部323の内壁面に至るまでハウジング31の内壁面に沿って配置されている。第一放熱部材61は、上端がスパークプラグ5の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の上端521と略同じ位置に設けられている。また、第一放熱部材61は、下端612がスパークプラグ5の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の下端522と略同じ位置に設けられている。
第一放熱部材61は、延伸部513、及び、複数の当接部614を有する。
当接部614は、延伸部513の燃焼室側に設けられている。当接部614は、図12に示すように、ハウジング突部313のターミナル側の内壁317に沿うよう設けられている。当接部614は、図13に示すように、スパークプラグ5の中心軸CA5に垂直な仮想平面上の断面形状が、中心軸CA5上の点を中心とする略円弧状に形成されている。本実施形態では、当接部614は、中心軸CA5上の点を中心として等間隔に四つ設けられている。複数の当接部614のそれぞれは、第二放熱部材52の当接可能面525に対向する「第一当接可能面」としての当接可能面616を有する。エンジン90の低負荷運転時には、図13に示すように、当接可能面616と当接可能面525との間に隙間54が形成されている。
本実施形態では、延伸部513は、図14に示すように、中心軸CA5に垂直な仮想平面上の断面形状が、中心軸CA5上の点を中心とする略円環状に形成されている。
第五実施形態によるスパークプラグ5は、エンジン90の低負荷運転時には第一放熱部材61の当接可能面616と第二放熱部材52の当接可能面525との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第五実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、第五実施形態によるスパークプラグ5では、第一放熱部材61は、四つに分割された当接部614を有する。四つの当接部614のそれぞれは、第二放熱部材52の当接可能面525との間に隙間54を形成可能な当接可能面616を有する。これにより、当接部614の形状を調整することによって、第一放熱部材61と第二放熱部材52との当接面積を調整することができる。また、スパークプラグ5の放熱状態に関する設計の自由度を高めることができる。
(第六実施形態)
次に、第六実施形態によるスパークプラグを図15〜17に基づいて説明する。第六実施形態は、第一放熱部材の形状が第一実施形態と異なる。
第六実施形態によるスパークプラグ6が備える放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられ、複数の第一放熱部材66、及び、第二放熱部材52を有する。複数の第一放熱部材66のそれぞれは、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
第一放熱部材66は、第二放熱部材52から見てハウジング31側に設けられる。第一放熱部材66のそれぞれは、図16、17に示すように、スパークプラグ6の中心軸CA6に垂直な仮想平面上の断面形状が、中心軸CA6上の点を中心とする略円弧状に形成されている。本実施形態では、第一放熱部材66は、中心軸CA6上の点を中心として等間隔に四つ設けられている。第一放熱部材66は、径方向の厚みがハウジング31に比べ薄くなるよう形成されている。第一放熱部材66は、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング突部323の内壁面に至るまでハウジング31の内壁面に沿って配置されている。第一放熱部材66は、上端がスパークプラグ5の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の上端521と略同じ位置に設けられている。また、第一放熱部材66は、下端662がスパークプラグ5の中心軸に沿う方向において第二放熱部材52の下端522と略同じ位置に設けられている。
第一放熱部材66のそれぞれは、延伸部663、及び、当接部664を有する。
延伸部663は、第一放熱部材66のターミナル方向に延びるよう形成されている。延伸部663は、図17に示すように、径方向の厚みがハウジング第一筒部311の径方向の厚みに比べ薄い。延伸部663は、ハウジング第一筒部311のターミナル側の内壁315、及び、ハウジング第二筒部312の燃焼室側の内壁316に沿うよう設けられている。延伸部663は、パッキン53に当接する部位よりターミナル側において、第二放熱部材52との間に隙間500を形成している。
当接部664は、延伸部663の燃焼室側に設けられている。当接部664は、図15に示すように、ハウジング突部313のターミナル側の内壁317に沿うよう設けられている。当接部664は、図16に示すように、第二放熱部材52の当接可能面525に対向する「第一当接可能面」としての当接可能面666を有する。エンジン90の低負荷運転時には、図16に示すように、当接可能面666と当接可能面525との間に隙間54が形成されている。
第六実施形態によるスパークプラグ6は、エンジン90の低負荷運転時には第一放熱部材66の当接可能面666と第二放熱部材52の当接可能面525との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第六実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、第六実施形態によるスパークプラグ5は、四つの第一放熱部材66を有する。四つの第一放熱部材66のそれぞれは、第二放熱部材52の当接可能面525との間に隙間54を形成可能な当接可能面666を有する。これにより、第一放熱部材66の形状を調整することによって、第一放熱部材66と第二放熱部材52との当接面積を調整することができる。また、スパークプラグ6の放熱状態に関する設計の自由度を高めることができる。
(第七実施形態)
次に、第七実施形態によるスパークプラグを図18及び図19に基づいて説明する。第七実施形態は、放熱部の構成が第一実施形態と異なる。
第七実施形態によるスパークプラグ7が備える「放熱部」としての放熱部材67は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられている一つの筒状の部材である。放熱部材67は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金または銅等の線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
放熱部材67は、絶縁碍子35の大外径部353の外壁面から絶縁碍子35の段差面355の燃焼室側に接続する小内径部351の外壁面に至るまで、絶縁碍子35の外壁面に沿って配置されている。本実施形態では、放熱部材67の上端は、大外径部353の外壁面に位置している。また、放熱部材67の下端672は、小内径部351の大内径部352側の端部の外壁面に位置している。放熱部材67は、延伸部673及び当接部674を有する。
延伸部673は、放熱部材67においてターミナル方向に延びるよう形成されている。延伸部673は、径方向の厚みが比較的薄い略筒状の部位であって、小内径部351の段差面355、大内径部352の内壁357、及び、大外径部353の燃焼室側の内壁358に沿うよう設けられている。
当接部674は、延伸部673の燃焼室側に設けられている。当接部674は、小内径部351のターミナル側の内壁359に沿うよう設けられている。当接部674は、図19に示すように、スパークプラグ7の中心軸を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。具体的には、延伸部673に接続する側の端部から燃焼室方向に向かうにしたがって外径がある程度一定となるよう形成されている。当接部674は、延伸部673に接続する側の端部から下端672までの間に、ハウジング突部313の径方向内側の端面318に対向するよう形成されている当接可能面675を有する。当接可能面675は、端面318に対して平行となるよう形成されている。エンジン90の低負荷運転時には、図19に示すように、当接可能面675と端面318との間に隙間54が形成されている。
パッキン53の座面531は、ハウジング突部313の内壁317に当接している。パッキン53の座面532は、放熱部材67の延伸部673に当接している。
第七実施形態によるスパークプラグ7は、エンジン90の低負荷運転時には放熱部材67の当接可能面675とハウジング突部313の端面318との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第七実施形態は、第一実施形態の効果(a)〜(c)と同じ効果を奏する。
第七実施形態によるスパークプラグ7では、絶縁碍子35の温度変化によって、絶縁碍子35に沿うよう設けられている放熱部材67が熱膨張または熱収縮する。このとき、絶縁碍子35の温度は比較的高くなりやすいため、放熱部材67の当接部674は、熱膨張しやすい。これにより、隙間54の大きさの変化を比較的大きくすることができる。
また、第七実施形態によるスパークプラグ7では、当接部674の熱膨張または熱収縮による変形が絶縁碍子35から見て径方向外側への変形となる。これにより、絶縁碍子35が圧迫されにくくなるため、絶縁碍子35の破損を防止することができる。
また、第七実施形態によるスパークプラグ7では、放熱部材67は、一つの部材から構成されている。これにより、少ない部品数でスパークプラグ7の熱価を調整することができる。
(第八実施形態)
次に、第八実施形態によるスパークプラグを図20に基づいて説明する。第八実施形態は、放熱部の構成が第一実施形態と異なる。
第八実施形態によるスパークプラグ8が備える「放熱部」としての放熱部材68は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられている一つの筒状の部材である。放熱部材68は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金または銅等の線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
スパークプラグ8が有するハウジング31は、ハウジング第一筒部311が内壁にハウジング突部328を有する。ハウジング突部328は、図20に示すように、スパークプラグ8の中心軸を含む仮想平面上の断面形状が、略三角形状をなすよう形成されている。ハウジング突部328のターミナル側の内壁327は、パッキン53の座面531が当接している。ハウジング突部328の燃焼室側の端面329は、後述する放熱部材68の当接部684が有する当接可能面685に対向するよう形成されている。端面329は、第七実施形態のハウジング突部313の端面318に比べ面積が大きい。
放熱部材68は、絶縁碍子35の大外径部353の外壁面から絶縁碍子35の段差面355の燃焼室側に接続する小内径部351の外壁面に至るまで、絶縁碍子35の外壁面に沿って配置されている。本実施形態では、放熱部材68の上端は、大外径部353の外壁面に位置している。また、放熱部材68の下端682は、小内径部351の大内径部352側の端部の外壁面に位置している。放熱部材68は、延伸部683及び当接部684を有する。
延伸部683は、放熱部材68においてターミナル方向に延びるよう形成されている。延伸部683は、径方向の厚みが比較的薄い略筒状の部位であって、小内径部351の段差面355、大内径部352の内壁357、及び、大外径部353の燃焼室側の内壁358に沿うよう設けられている。
当接部684は、延伸部683の燃焼室側に設けられている。当接部684は、小内径部351のターミナル側の内壁359に沿うよう設けられている。当接部684は、図20に示すように、スパークプラグ8の中心軸を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。具体的には、延伸部683に接続する側の端部から燃焼室方向に向かうにしたがって外径が大きくなるよう形成されている。当接部684は、延伸部683に接続する側の端部から下端682までの間に、ハウジング突部328の端面329に対向するよう形成されている当接可能面685を有する。当接可能面685は、面積が第七実施形態の放熱部材67の当接可能面675の面積に比べ大きく、かつ、端面329に対して平行となるよう形成されている。エンジン90の低負荷運転時には、図20に示すように、当接可能面685と端面329との間に隙間54が形成されている。
第八実施形態によるスパークプラグ8は、エンジン90の低負荷運転時には放熱部材68の当接可能面685とハウジング突部328の端面329との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第八実施形態は、第七実施形態と同じ効果を奏する。
また、第八実施形態によるスパークプラグ7では、端面329は、第七実施形態のハウジング突部313の端面318に比べ面積が大きく、当接可能面685は、面積が第七実施形態の放熱部材67の当接可能面675の面積に比べ大きい。これにより、当接可能面685と端面329とが当接すると、放熱部材68とハウジング31との当接面積が第七実施形態に比べ大きくなる。したがって、絶縁碍子35の放熱を効率的に行うことができる。
(第九実施形態)
次に、第九実施形態によるスパークプラグを図21、22に基づいて説明する。第九実施形態は、放熱部の構成が第一実施形態と異なる。
第九実施形態によるスパークプラグ9が備える「放熱部」としての放熱部材71は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられている一つの筒状の部材である。放熱部材71は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金または銅等の線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
放熱部材71は、図21に示すように、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング突部323の内壁面に至るまでハウジング31の内壁面に沿って配置されている。本実施形態では、放熱部材71の上端は、ハウジング第二筒部312の内壁面に位置している。また、放熱部材71は、図21に示すように、下端712がハウジング第一筒部311に設けられているハウジング突部328の最も径方向内側の先端320に位置している。
放熱部材71は、延伸部713、及び、当接部714を有する。
延伸部713は、放熱部材71のターミナル方向に延びるよう形成されている。延伸部713は、径方向の厚みが比較的薄い略筒状の部位であって、ハウジング第一筒部311のターミナル側の内壁315、及び、ハウジング第二筒部312の燃焼室側の内壁316に沿うよう設けられている。
当接部714は、延伸部713の燃焼室側に設けられている。当接部714は、ハウジング突部328の内壁327に当接する当接面717、及び、パッキン53の座面531に当接する当接面718を有する。当接面717と当接面718とは、平行となるよう形成されている。本実施形態では、パッキン53の座面531と座面532とは平行に形成されている。当接部714は、放熱部材71が熱膨張または熱収縮するときの変位がハウジング突部328の内壁327によって案内される。
当接部714は、径方向内側に当接可能面716を有する。当接可能面716は、小内径部351のターミナル側の内壁359に対して対向かつ平行となるよう形成されている。エンジン90の低負荷運転時には、当接可能面716と内壁359との間に、図22に示すように、隙間54が形成されている。
第九実施形態によるスパークプラグ9は、エンジン90の低負荷運転時には放熱部材67の当接可能面716と絶縁碍子35の内壁359との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第九実施形態は、第一実施形態の効果(a)〜(c)と同じ効果を奏する。
第九実施形態によるスパークプラグ9では、放熱部材71が有する当接部714が当接するハウジング突部328の内壁327とパッキン53の座面531とは、平行となるよう形成されている。これにより、当接部714が熱膨張または熱収縮によって変位してもパッキン53がずれることを抑制することができる。
また、第九実施形態によるスパークプラグ9では、放熱部材71は、一つの部材から構成されている。これにより、少ない部品数でスパークプラグ9の熱価を調整することができる。
(第十実施形態)
次に、第十実施形態によるスパークプラグを図23に基づいて説明する。第十実施形態は、第一放熱部材が設けられる位置が第一実施形態と異なる。
第十実施形態によるスパークプラグ10が備える放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられ、第一放熱部材76、及び、第二放熱部材77を有する。第一放熱部材76及び第二放熱部材77は、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
第一放熱部材76は、ハウジング第二筒部312の内壁面からハウジング第一筒部311のハウジング突部328の燃焼室側の端面329に至るまで、ハウジング31の内壁面に沿って配置されている。本実施形態では、第一放熱部材76の上端761は、ハウジング突部328の燃焼室側の端面329に位置している。また、第一放熱部材76の下端762は、小内径部351の大内径部352側の端部の外壁面に位置している。第一放熱部材76は、延伸部763及び当接部764を有する。
延伸部763は、第一放熱部材76において燃焼室方向に延びるよう形成されている。延伸部763は、径方向の厚みが比較的薄い略筒状の部位であって、ハウジング第一筒部311の内壁面であってハウジング突部328より燃焼室側の内壁に沿うよう設けられている。
当接部764は、延伸部763のターミナル側に設けられている。当接部764は、ハウジング突部328の端面329に沿うよう設けられている。当接部764は、図23に示すように、スパークプラグ10の中心軸を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。当接部764は、径方向内側に「第一当接可能面」としての当接可能面766を有する。
第二放熱部材77は、絶縁碍子35の大外径部353の外壁面から絶縁碍子35の段差面355の燃焼室側に接続する小内径部351の外壁面に至るまで、絶縁碍子35の外壁面に沿って配置されている。本実施形態では、第二放熱部材77の上端は、大外径部353の外壁面に位置している。また、第二放熱部材77の下端772は、小内径部351の大内径部352側の端部の外壁面に位置している。第二放熱部材77は、延伸部773及び当接部774を有する。
延伸部773は、第二放熱部材77においてターミナル方向に延びるよう形成されている。延伸部773は、径方向の厚みが比較的薄い略筒状の部位であって、小内径部351の段差面355、大内径部352の内壁357、及び、大外径部353の燃焼室側の内壁358に沿うよう設けられている。
当接部774は、延伸部773の燃焼室側に設けられている。当接部774は、小内径部351のターミナル側の内壁359に沿うよう設けられている。当接部774は、図23に示すように、スパークプラグ10の中心軸を含む仮想面上の断面形状が略矩形状に形成されている。当接部774は、第一放熱部材76が有する当接可能面766に対向するよう形成されている「第二当接可能面」としての当接可能面775を有する。エンジン90の低負荷運転時には、当接可能面775と当接可能面766との間に隙間54が形成されている。
パッキン53の座面531は、ハウジング突部328の内壁327に当接している。パッキン53の座面532は、放熱部材67の延伸部673に当接している。
第十実施形態によるスパークプラグ10は、エンジン90の低負荷運転時には第一放熱部材76の当接可能面766と第二放熱部材77の当接可能面775との間に隙間54が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には隙間54は小さくなり、場合によっては隙間54はなくなる。これにより、第十実施形態は、第一実施形態の効果と同じ効果を奏する。特に、ハウジング31の熱を効率的にシリンダヘッド921に伝達することができる。
また、第十実施形態によるスパークプラグ10では、第一放熱部材76が第一実施形態の第一放熱部材に比べ燃焼室に近い側に設けられる。これにより、第一放熱部材76は、燃焼ガスの熱を銃熱しやすいため、熱膨張しやすくなる。したがって、隙間54の大きさの変化を比較的大きくすることができる。
また、第十実施形態によるスパークプラグ10では、パッキン53の座面531、532に熱膨張しやすい第一放熱部材76が設けられていないため、パッキン53のずれを防止することができる。
また、第十実施形態によるスパークプラグ10では、沿面放電の発生を抑制することができる。
(第十一実施形態)
次に、第十一実施形態によるスパークプラグを図24に基づいて説明する。第十一実施形態は、放熱部の長さが第一実施形態と異なる。
第十一実施形態によるスパークプラグ11が備える放熱部50は、ハウジング31と絶縁碍子35との間に設けられ、第一放熱部材81、及び、第二放熱部材82を有する。第一放熱部材81及び第二放熱部材82は、線熱膨張率がハウジング31の線熱膨張率に比べ大きい材料から形成されている。
図24に示すように、スパークプラグ11の燃焼室方向からターミナル方向に向かう仮想線を中心軸CA11と規定する。本実施形態では、第一放熱部材81の上端811と第二放熱部材82の上端821とは、ハウジング第一筒部311のハウジング第二筒部312に接続する側の端部近傍に位置し、中心軸CA11に沿う方向において略同じ位置に設けられている。また、第一放熱部材81の下端812と第二放熱部材82の下端822とは、ハウジング突部313のターミナル側の内壁317の近傍に位置し、中心軸CA11に沿う方向において略同じ位置に設けられている。本実施形態では、第一放熱部材81の下端812の近傍に形成されている当接可能面と第二放熱部材82の下端822の近傍に形成されている当接可能面との間に絶縁碍子35の温度によって大きさが変化する隙間が形成されている。
第十一実施形態によるスパークプラグ11は、エンジン90の低負荷運転時には第一放熱部材81と第二放熱部材82との間に隙間が形成される。また、エンジン90の高負荷運転時には当該隙間は小さくなり、場合によっては当該隙間はなくなる。これにより、第十一実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(他の実施形態)
(a)上述の実施形態では、第一放熱部材を第二放熱部材よりも線熱膨張率が大きい部材としている。しかしながら、第二放熱部材の方が第一放熱部材よりも線熱膨張率が大きい部材としても良い。また、第一放熱部材及び第二放熱部材は、線熱膨張率がハウジングよりも大きいとした。しかしながら、第一放熱部材及び第二放熱部材は、線熱膨張率がハウジングよりも小さくても良い。
上述した二つの平面に関係における「平行」は、厳密な平行ではなく、一見して平行と認められる関係であればよい。結果的に二つの平面がくっついた際に熱移動が促進される程度の位置関係であれば良い。
第四実施形態では、第一放熱部材の当接可能面は、切り欠き状の凹部を周方向に略等間隔に八つ有している。しかし、凹部の形状または数などの特性は適宜決定できる。
第六実施形態では、第一放熱部材は、四つの略同一形状の板状部材を周方向に略等間隔に並べ、上述の四つに分割された形状を実現している。しかし、第一放熱部材の数等は適宜決定できる。
第二〜六実施形態を、第十一実施形態に適用してもよい。また、第十一実施形態で、第二放熱部材はなくてもよい。
上述の実施形態では、一例として中心電極の温度が500℃以下となる状態をエンジン90の低負荷運転時とした。また、一例として中心電極の温度が500℃より高くなる状態をエンジン90の高負荷運転時とした。しかし、これらの数値はあくまでも一例であって、スパークプラグまたはエンジンに求められる特性等によって、低負荷運転時及び高負荷運転時の定義は変わる。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。