JP2019138308A - ストラットアッパーマウント - Google Patents

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一高 大津
Kazutaka Otsu
一高 大津
鈴木 裕二
Yuji Suzuki
裕二 鈴木
圭 木村
Kei Kimura
圭 木村
洋紀 安達
Hiroki Adachi
洋紀 安達
健一郎 岩崎
Kenichiro Iwasaki
健一郎 岩崎
俊明 山野
Toshiaki Yamano
俊明 山野
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Abstract

【課題】操縦安定性および良好な乗り心地性を両立させる。【解決手段】内側にショックアブソーバ32のロッド33の上端部が差し込まれて固定される内筒部材11と、内筒部材を径方向の外側から囲う外筒部材12と、内筒部材と外筒部材とを連結する弾性部材13と、を備えるストラットアッパーマウント10であって、弾性部材は、径方向に交互に積層された剛体板21および弾性板22を備えるとともに、内筒部材と外筒部材との間に、周方向に間隔をあけて複数配設されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ストラットアッパーマウントに関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、内側にショックアブソーバのロッドの上端部が差し込まれて固定される内筒部材と、内筒部材を径方向の外側から囲う外筒部材と、内筒部材と外筒部材とを連結する弾性部材と、を備えるストラットアッパーマウントが知られている。
特開平7−280021号公報
この種のストラットアッパーマウントは一般に、径方向のばねが低いと操縦安定性が低下し、上下方向のばねが高いと乗り心地性が悪化することが知られている。したがって、操縦安定性および良好な乗り心地性を両立させることが困難であるという問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、操縦安定性および良好な乗り心地性を両立させることができるストラットアッパーマウントを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るストラットアッパーマウントは、内側にショックアブソーバのロッドの上端部が差し込まれて固定される内筒部材と、前記内筒部材を径方向の外側から囲う外筒部材と、前記内筒部材と前記外筒部材とを連結する弾性部材と、を備えるストラットアッパーマウントであって、前記弾性部材は、径方向に交互に積層された剛体板および弾性板を備えるとともに、前記内筒部材と前記外筒部材との間に、周方向に間隔をあけて複数配設されていることを特徴とする。
この発明によれば、弾性部材が、径方向に交互に積層された剛体板および弾性板を備えるので、弾性板が、内筒部材および外筒部材の相対的な上下方向の変位によりせん断変形し、かつ径方向(車両前後方向、および車両左右方向)の変位により圧縮変形することとなる。したがって、弾性部材における径方向のばねを高くしつつ、上下方向のばねを低く抑えることが可能になり、操縦安定性および良好な乗り心地性を具備させることができる。
特に、弾性部材が、周方向に間隔をあけて複数配設されているので、全周にわたって連続して延びる筒状の構成と比べて、ストラットアッパーマウントの上下方向のばねを確実に低くすることができる。
ここで、前記内筒部材の外周面、および前記外筒部材の内周面それぞれにおいて、前記弾性部材が接続する接続面は、上下方向から見て直線状に延びる平坦面となってもよい。
この場合、内筒部材の外周面、および外筒部材の内周面それぞれにおいて、弾性部材が接続する接続面が、上下方向から見て直線状に延びる平坦面となっているので、内筒部材および外筒部材が相対的に径方向に変位したときに、弾性板に応力集中箇所が生ずるのを抑えつつ、弾性部材の径方向のばねを確実に高めることができる。
また、前記弾性部材は、前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方に、非接着状態で圧接し、かついずれか他方に、前記弾性板を介して接着されてもよい。
この場合、弾性部材が、内筒部材および外筒部材のうちのいずれか一方に、非接着状態で圧接し、かついずれか他方に、弾性板を介して接着されているので、弾性板が加硫成形後に収縮しても、内筒部材および外筒部材のうちのいずれか一方側から他方側に向けてほぼ拘束無く収縮することとなり、弾性板に引張の残留応力が生ずるのを抑制することが可能になり、耐久性を向上することができる。
また、前記弾性部材は、前記弾性板を複数備えるとともに、前記内筒部材および前記外筒部材にそれぞれ、前記弾性板を介して接続され、前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方に、非接着状態で圧接した前記弾性板の厚さは、いずれか他方に接着した前記弾性板の厚さより薄くてもよい。
この場合、内筒部材および外筒部材のうちのいずれか一方に、非接着状態で圧接した弾性板(以下、圧接弾性板という)の厚さが、いずれか他方に接着した弾性板(以下、接着弾性板という)の厚さより薄いので、内筒部材および外筒部材が上下方向に相対的に変位したときの、圧接弾性板の上下方向のせん断変形量を低く抑えることが可能になる。したがって、内筒部材および外筒部材の上下方向の相対変位に伴い、圧接弾性板が、自身の上下方向のせん断変形に引っ張られて、内筒部材および外筒部材のうちのいずれか一方に対して上下方向に位置ずれするのを抑制することができる。
しかも、圧接弾性板の厚さが、接着弾性板の厚さより薄いことから、圧接弾性板を硬くすることが可能になり、圧接弾性板を、内筒部材と外筒部材との間に進入させて、ストラットアッパーマウントを組み立てるときに、圧接弾性板を、内筒部材の外周面および外筒部材の内周面のうちのいずれか一方に容易に摺接させることができる。
また、前記弾性部材は、前記内筒部材の中心軸線を径方向に挟む両側に各別に配設されてもよい。
この場合、弾性部材が、内筒部材の中心軸線を径方向に挟む両側に各別に配設されているので、径方向のうち、2つの弾性部材が内筒部材を挟んで配置されている向きの力に対する、ストラットアッパーマウントのばねを確実に高めることができる。
また、前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方には、前記内筒部材および前記外筒部材が相対的に上下方向に変位したときに、他方に設けられたストッパ部材に当接するストッパ弾性体が配設され、前記ストッパ弾性体を形成する材料の静的ばね定数は、前記弾性板を形成する材料の静的ばね定数より高くてもよい。
この場合、ストッパ弾性体を形成する材料の静的ばね定数が、弾性板を形成する材料の静的ばね定数より高いので、内筒部材および外筒部材が相対的に上下方向に変位したときに、ストッパ弾性体をストッパ部材に当接させることにより、弾性板が上下方向に過度に大きくせん断変形するのを確実に抑えることが可能になるとともに、ストッパ弾性体の上下方向の圧縮変形も低く抑えることが可能になり、このストラットアッパーマウントの耐久性を確実に確保することができる。
また、内筒部材および外筒部材の相対的な上下方向の変位に伴いせん断変形する弾性板を形成する材料の静的ばね定数が、ストッパ弾性体を形成する材料の静的ばね定数より低いことから、弾性板の径方向の厚さを薄くしても、弾性部材の上下方向のばねを低く抑えることが可能になり、弾性部材の径方向のかさ張りを抑えつつ、上下方向のばねが低く抑えられたストラットアッパーマウントを得ることができる。
また、前記ストッパ弾性体は、前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方から、上方および下方に各別に突出してもよい。
この場合、ストッパ弾性体が、内筒部材および外筒部材のうちのいずれか一方から、上方および下方に各別に突出しているので、内筒部材および外筒部材の大きな上下方向の相対変位を抑えることが可能になり、上下方向のばねが低い弾性部材の耐久性を確実に確保することができる。
この発明によれば、操縦安定性および良好な乗り心地性を両立させることができる。
本発明の一実施形態に係るストラットアッパーマウントの上面図である。 図1に示すストラットアッパーマウントのA−A線矢視断面図である。
以下、本発明に係るストラットアッパーマウントの一実施形態を、図1および図2を参照しながら説明する。
まず、ストラットアッパーマウント10に取り付けられるショックアブソーバ32について説明する。
ショックアブソーバ32は、上下方向に延設され、ロッド33および不図示のシリンダを備える。ロッド33およびシリンダは、共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸をロッド軸Oといい、また、ロッド軸O方向(上下方向)から見てロッド軸Oに交差する方向を径方向といい、ロッド軸O回りに周回する方向を周方向という。ロッド33は、シリンダから上方に突出している。ロッド33の上端部に雄ねじ部が形成されている。
ストラットアッパーマウント10は、内側にショックアブソーバ32のロッド33の上端部が差し込まれて固定される内筒部材11と、内筒部材11を径方向の外側から囲う外筒部材12と、内筒部材11と外筒部材12とを連結する弾性部材13と、を備える。
内筒部材11、外筒部材12および弾性部材13それぞれのロッド軸O方向の中央部の位置は、互いに一致している。
内筒部材11は、ロッド軸O方向から見て、外周面がロッド軸Oと同軸に配設された矩形状を呈し、かつ内周面がロッド軸Oと同軸に配設された円形状を呈する筒状に形成されている。内筒部材11の外周面は、ロッド軸O方向から見て矩形状を構成する4つの辺部11aを備える。辺部11aは、内筒部材11の外周面におけるロッド軸O方向の全長にわたって配置されている。なお、内筒部材11の外周面は、辺部11aを有しない円形状に形成してもよい。
外筒部材12は、ロッド軸O方向から見て、内周面がロッド軸Oと同軸に配設された矩形状を呈する本体筒15と、本体筒15の上端部から径方向の外側に向けて突出し、全周にわたって連続して延びる上フランジ部16と、本体筒15の下端部から径方向の外側に向けて突出し、全周にわたって連続して延びる下フランジ部17と、を備える。
本体筒15の内周面は、ロッド軸O方向から見て矩形状を構成する4つの辺部15aを備える。辺部15aは、本体筒15の内周面におけるロッド軸O方向の全長にわたって配置されている。本体筒15の内周面の辺部15aは、内筒部材11の外周面の辺部11aに径方向で対向している。なお、本体筒15の内周面は、辺部15aを有しない円形状に形成してもよい。上フランジ部16は、下フランジ部17より径方向の外側に突出している。
図示の例では、ストラットアッパーマウント10は、本体筒15および下フランジ部17を径方向の外側から囲繞する囲繞筒26を備える。囲繞筒26は、上フランジ部16の下方に配設されている。囲繞筒26は、ロッド軸Oと同軸に配設されている。囲繞筒26は、連結弾性体25を介して外筒部材12に連結されている。囲繞筒26の上端部に、径方向の外側に向けて突出した受フランジ部26aが形成されている。受フランジ部26aの下面に、不図示のコイルスプリングの上端部が支持される。受フランジ部26aの外周縁は、外筒部材12の上フランジ部16の外周縁より径方向の内側に位置している。連結弾性体25は、囲繞筒26の内周面、および受フランジ部26aの上面と、本体筒15の外周面、上フランジ部16の下面、および下フランジ部17の上面と、を連結している。連結弾性体25は、例えばゴム材料等で形成されている。
そして、本実施形態では、弾性部材13は、径方向に交互に積層された剛体板21および弾性板22を備える。剛体板21および弾性板22それぞれの表裏面は、径方向を向いている。弾性部材13は、内筒部材11と外筒部材12との間に、周方向に間隔をあけて複数配設されている。
弾性部材13は、径方向に延びる柱状に形成されている。弾性部材13は、内筒部材11の外周面の辺部11aと、この辺部11aと径方向で対向する、外筒部材12の内周面の辺部15aと、を連結している。すなわち、内筒部材11の外周面、および外筒部材12の内周面それぞれにおいて、弾性部材13が接続する接続面は、ロッド軸O方向から見て直線状に延びる平坦面となっている。弾性部材13は、周方向に等間隔をあけて複数配設されている。
周方向で互いに隣り合う弾性部材13同士の間の間隔は、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、広くなっている。弾性部材13の周方向の大きさは、周方向で互いに隣り合う弾性部材13同士の間の間隔のうち、径方向の内端部における広さより大きく、かつ径方向の外端部における広さより小さくなっている。
弾性部材13における剛体板21および弾性板22それぞれの表裏面は、内筒部材11の外周面の辺部11a、および外筒部材12の内周面の辺部15aとほぼ平行になっている。
弾性部材13は、ロッド軸Oを径方向に挟む両側に各別に配設されている。2つの弾性部材13は、ロッド軸O方向から見て、ロッド軸Oに交差する直線L上に配置されており、4つの弾性部材13は、ロッド軸O方向から見て十字状を呈する。各弾性部材13は、ロッド軸O方向から見て前記直線Lに対して対称に配置されている。
弾性部材13は、外筒部材12の内周面に非接着状態で圧接し、内筒部材11の外周面に弾性板22を介して接着されている。
なお、弾性部材13は、内筒部材11の外周面に非接着状態で圧接し、外筒部材12の内周面に弾性板22を介して接着されてもよい。また、弾性部材13は、内筒部材11の外周面および外筒部材12の内周面の双方に、非接着状態で圧接してもよいし、弾性板22を介して接着されてもよい。
各弾性部材13は、弾性板22を複数備えるとともに、内筒部材11および外筒部材12にそれぞれ、弾性板22を介して接続されている。外筒部材12の内周面に非接着状態で圧接した弾性板(以下、圧接弾性板という)22の厚さは、内筒部材11の外周面に接着した弾性板(以下、接着弾性板という)22の厚さより薄い。弾性板22は、例えばゴム材料等で形成され、内筒部材11および剛体板21に加硫接着されている。
なお、圧接弾性板22の厚さを、接着弾性板22の厚さ以上としてもよい。弾性部材13において、内筒部材11および外筒部材12に非接着状態で圧接する部分を、剛体板21としてもよい。内筒部材11の外周面、および外筒部材12の内周面のうち、弾性部材13が、非接着状態で圧接する部分に、例えば、ショットブラスト等を施して粗くしたり、弾性部材13が嵌められる凹部を形成したりする等してもよい。
各弾性部材13は、剛体板21を複数(例えば2つ以上4つ以下)備える。複数の弾性板22のうち、径方向で互いに隣り合う剛体板21同士の間に位置する介在弾性板22、および接着弾性板22は、互いに同じ形状で同じ大きさに形成されている。介在弾性板22および接着弾性板22の各厚さは、剛体板21の厚さより厚い。接着弾性板22および介在弾性板22の周方向およびロッド軸O方向の各大きさは、圧接弾性板22の周方向およびロッド軸O方向の各大きさより小さい。
弾性部材13は、複数の弾性板22が径方向に圧縮変形した状態で、内筒部材11と外筒部材12との間に配設されている。複数の弾性板22は、通常の振動入力時では引張応力が生じない程度まで圧縮変形した状態で配設されている。
外筒部材12に、内筒部材11および外筒部材12が相対的に上下方向に変位したときに、内筒部材11に設けられたストッパ部材18に当接するストッパ弾性体19が配設されている。
なお、ストッパ部材18を外筒部材12に配設し、ストッパ弾性体19を内筒部材11に配設してもよい。
ストッパ弾性体19は、外筒部材12における上フランジ部16の上面および下フランジ部17の下面に各別に配設されている。すなわち、ストッパ弾性体19は、外筒部材12から上方および下方に各別に突出している。各ストッパ弾性体19の厚さは互いに同等とされ、弾性部材13における介在弾性板22および接着弾性板22の各厚さより薄くなっている。各ストッパ弾性体19は、全周にわたって連続して延びる環状に形成されている。各ストッパ弾性体19の径方向の位置は互いに同等になっている。
ストッパ弾性体19は、連結弾性体25を形成する材質と同じ材質で形成されている。ストッパ弾性体19、および連結弾性体25は、例えばゴム材料等で形成されている。ストッパ弾性体19は、外筒部材12に加硫接着され、連結弾性体25は、外筒部材12および囲繞筒26に加硫接着されている。2つのストッパ弾性体19のうち、少なくとも下側に位置するストッパ弾性体19は、連結弾性体25と一体に形成されている。
ストッパ弾性体19を形成する材料の静的ばね定数は、弾性部材13の弾性板22を形成する材料の静的ばね定数より高い。
静的ばね定数は、JIS K 6385:2012における6「静的ばね特性試験」の6.5「試験方法」の「往復方式」に規定された方法によって測定することができる。測定条件(JIS K 6385:2012における6.4「試験条件」)については、試験温度を適用車両での使用環境相当とすることができる。
なお、各ストッパ弾性体19の厚さを互いに異ならせてもよく、弾性部材13における介在弾性板22および接着弾性板22の各厚さ以上としてもよい。ストッパ弾性体19は、連結弾性体25と別体に形成されてもよい。ストッパ弾性体19は、外筒部材12における上フランジ部16の上面および下フランジ部17の下面のうちのいずれか一方にのみ形成してもよい。ストッパ弾性体19を形成する材料の静的ばね定数を、弾性部材13の弾性板22を形成する材料の静的ばね定数以下としてもよい。
ストッパ部材18は、内径が内筒部材11の内径と同等とされた環状に形成され、ロッド軸Oと同軸に配設されている。ストッパ部材18は、内筒部材11におけるロッド軸O方向の両端開口縁に各別に配設されている。ストッパ部材18のうち、内周部は内筒部材11に支持され、外周部は、内周部よりロッド軸O方向の外側に位置し、かつストッパ弾性体19とロッド軸O方向で対向している。
2つのストッパ部材18、および内筒部材11の各内側に、ショックアブソーバ32のロッド33が挿通された状態で、ロッド33の上端部にナット31が螺着されることにより、ストラットアッパーマウント10にショックアブソーバ32が取り付けられるとともに、ストッパ部材18が内筒部材11に取り付けられる。
ここで、ロッド33のうち、上端部は、上端部より下方に位置する部分より小径に形成され、この境界部分に上方を向く段部が形成されている。2つのストッパ部材18のうち、下側に位置するストッパ部材18は、ロッド33の前記段部と、内筒部材11の下端開口縁と、によりロッド軸O方向に挟まれて固定され、上側に位置するストッパ部材18は、ナット31と、内筒部材11の上端開口縁と、によりロッド軸O方向に挟まれて固定されている。
以上説明したように、本実施形態によるストラットアッパーマウント10によれば、弾性部材13が、径方向に交互に積層された剛体板21および弾性板22を備えるので、弾性板22が、内筒部材11および外筒部材12の相対的なロッド軸O方向の変位によりせん断変形し、かつ径方向(車両前後方向、および車両左右方向)の変位により圧縮変形することとなる。したがって、弾性部材13における径方向のばねを高くしつつ、ロッド軸O方向のばねを低く抑えることが可能になり、操縦安定性および良好な乗り心地性を具備させることができる。
特に、弾性部材13が、周方向に間隔をあけて複数配設されているので、全周にわたって連続して延びる筒状の構成と比べて、ストラットアッパーマウント10のロッド軸O方向のばねを確実に低くすることができる。
また、内筒部材11の外周面、および外筒部材12の内周面それぞれにおいて、弾性部材13が接続する接続面が、ロッド軸O方向から見て直線状に延びる平坦面となっているので、内筒部材11および外筒部材12が相対的に径方向に変位したときに、弾性板22に応力集中箇所が生ずるのを抑えつつ、弾性部材13の径方向のばねを確実に高めることができる。
また、弾性部材13が、外筒部材12に非接着状態で圧接し、かつ内筒部材11に弾性板22を介して接着されているので、弾性板22が加硫成形後に収縮しても、外筒部材12側から内筒部材11側に向けてほぼ拘束無く収縮することとなり、弾性板22に引張の残留応力が生ずるのを抑制することが可能になり、耐久性を向上することができる。
また、外筒部材12に非接着状態で圧接した圧接弾性板22の厚さが、内筒部材11に接着した接着弾性板22の厚さより薄いので、内筒部材11および外筒部材12がロッド軸O方向に相対的に変位したときの、圧接弾性板22のロッド軸O方向のせん断変形量を低く抑えることが可能になる。したがって、内筒部材11および外筒部材12のロッド軸O方向の相対変位に伴い、圧接弾性板22が、自身のロッド軸O方向のせん断変形に引っ張られて、外筒部材12に対してロッド軸O方向に位置ずれするのを抑制することができる。
しかも、圧接弾性板22の厚さが、接着弾性板22の厚さより薄いことから、圧接弾性板22を硬くすることが可能になり、圧接弾性板22を、内筒部材11と外筒部材12との間に進入させて、ストラットアッパーマウント10を組み立てるときに、圧接弾性板22を、外筒部材12の内周面に容易に摺接させることができる。
また、弾性部材13が、ロッド軸Oを径方向に挟む両側に各別に配設されているので、径方向のうち、2つの弾性部材13が内筒部材11を挟んで配置されている向きの力に対する、ストラットアッパーマウント10のばねを確実に高めることができる。
また、ストッパ弾性体19を形成する材料の静的ばね定数が、弾性板22を形成する材料の静的ばね定数より高いので、内筒部材11および外筒部材12が相対的にロッド軸O方向に変位したときに、ストッパ弾性体19をストッパ部材18に当接させることにより、弾性板22がロッド軸O方向に過度に大きくせん断変形するのを確実に抑えることが可能になるとともに、ストッパ弾性体19のロッド軸O方向の圧縮変形も低く抑えることが可能になり、このストラットアッパーマウント10の耐久性を確実に確保することができる。
また、内筒部材11および外筒部材12の相対的なロッド軸O方向の変位に伴いせん断変形する弾性板22を形成する材料の静的ばね定数が、ストッパ弾性体19を形成する材料の静的ばね定数より低いことから、弾性板22の径方向の厚さを薄くしても、弾性部材13のロッド軸O方向のばねを低く抑えることが可能になり、弾性部材13の径方向のかさ張りを抑えつつ、ロッド軸O方向のばねが低く抑えられたストラットアッパーマウント10を得ることができる。
また、ストッパ弾性体19が、外筒部材12から上方および下方に各別に突出しているので、内筒部材11および外筒部材12の大きなロッド軸O方向の相対変位を抑えることが可能になり、ロッド軸O方向のばねが低い弾性部材13の耐久性を確実に確保することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、前記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 ストラットアッパーマウント
11 内筒部材
12 外筒部材
13 弾性部材
18 ストッパ部材
19 ストッパ弾性体
21 剛体板
22 弾性板
32 ショックアブソーバ
33 ロッド
O ロッド軸(中心軸線)

Claims (7)

  1. 内側にショックアブソーバのロッドの上端部が差し込まれて固定される内筒部材と、
    前記内筒部材を径方向の外側から囲う外筒部材と、
    前記内筒部材と前記外筒部材とを連結する弾性部材と、を備えるストラットアッパーマウントであって、
    前記弾性部材は、径方向に交互に積層された剛体板および弾性板を備えるとともに、前記内筒部材と前記外筒部材との間に、周方向に間隔をあけて複数配設されていることを特徴とするストラットアッパーマウント。
  2. 前記内筒部材の外周面、および前記外筒部材の内周面それぞれにおいて、前記弾性部材が接続する接続面は、上下方向から見て直線状に延びる平坦面となっていることを特徴とする請求項1に記載のストラットアッパーマウント。
  3. 前記弾性部材は、前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方に、非接着状態で圧接し、かついずれか他方に、前記弾性板を介して接着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のストラットアッパーマウント。
  4. 前記弾性部材は、前記弾性板を複数備えるとともに、前記内筒部材および前記外筒部材にそれぞれ、前記弾性板を介して接続され、
    前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方に、非接着状態で圧接した前記弾性板の厚さは、いずれか他方に接着した前記弾性板の厚さより薄いことを特徴とする請求項3に記載のストラットアッパーマウント。
  5. 前記弾性部材は、前記内筒部材の中心軸線を径方向に挟む両側に各別に配設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のストラットアッパーマウント。
  6. 前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方には、前記内筒部材および前記外筒部材が相対的に上下方向に変位したときに、他方に設けられたストッパ部材に当接するストッパ弾性体が配設され、
    前記ストッパ弾性体を形成する材料の静的ばね定数は、前記弾性板を形成する材料の静的ばね定数より高いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のストラットアッパーマウント。
  7. 前記ストッパ弾性体は、前記内筒部材および前記外筒部材のうちのいずれか一方から、上方および下方に各別に突出していることを特徴とする請求項6に記載のストラットアッパーマウント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021255912A1 (ja) * 2020-06-19 2021-12-23 株式会社青山製作所 ボルトのかしめ固定構造、かしめボルトのかしめ固定方法及びかしめダイス

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