JP2019138039A - ビルの屋上構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工が容易で、大量生産が可能で、安価なパネルを使用すると共に、固定部材や押さえ部材の隙間からの漏水を十分に防ぐことができ、地震により破壊され難く、異臭を発生することによる環境に負担をかけることがないビルの屋上構造を提供する。【解決手段】ビルの屋上構造は、四辺形のパネルをビルの屋上に敷きつめたビルの屋上構造であり、パネルの四辺に一定幅で平坦なフランジ部19を形成し、フランジ部の内側を一以上の区画に分け、区画の中に、所定の傾斜角度で隆起させた稜線で形成する錐体状の凸形のパネル面20を形成し、パネルは硬質樹脂からなる表皮24を有し、表皮の裏面に発泡樹脂からなる断熱層を設け、断熱層の裏面には、多数の突起を形成し、屋上の床面との間に多くの通気層を形成し、敷きつめた該パネルの隣り合うフランジ部全体を覆う振動吸収性防水塗膜38を形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、本発明は、ビルの屋上構造の改良に関する。
ビルの屋上には、一般的に防水パネルが敷きつめられる。また、ビルの屋上、特に高層ビルにおいては、通常時においても相当に強い風が発生している。そして、台風時においても、敷きつめられた防水パネルが剥がれないようにしなければならない。そして更に、パネル自体が安価であり、かつ、施工が容易であることが要求される。
従来のビルの屋上の構造として、例えば特開平3−87467号公報(特許文献1)に開示されたものがある。その概略を図8に示して説明すると、パネル1aは表面材2と裏面材3との間に断熱材4を設けている。そして、パネル1aの目地9の部分は、互いにアリ溝状に係合した複雑な形状になっている。また、目地カバー取付け具5をそれぞれねじ7で固定し、目地9の部分にシールを目的としたコーキング材を充填しながら、パネル1aを敷きつめてアンカボルト8でビル屋上の床面に固定し、目地カバー6を目地カバー取付け具5に嵌着するようにしている。
また、他の従来例として、特開平9−279713号公報(特許文献2)に開示されたものがある。その概略を図9に示して説明すると、パネル1bの表面材2は、ボード11の掛け渡しが可能なように、かつ、アンカボルト8の頭部が入るように凹凸面を形成している。また、この凹凸面の部分には、アンカボルト8の固定力を保持するために、芯材13が断熱材4内に埋設されている。そしてまず、屋上床面10に目地板14をアンカボルト15で固定し、次にパネル1bをこの目地板14に合わせて敷きつめ、目地9にシール材を充填し、アンカボルト8にてパネル1bを屋上床面10に固定する。次に、両端に目地カバー取付け具5を設けたボード11を、パネル1bの段部に掛け渡すようにして、アンカボルト12にて屋上床面10に固定し、目地カバー6を目地カバー取付け具5に嵌着するようにしている。
次に、図10に示す従来例において、屋上床面10と垂直壁16との間に設ける隅パネル17は、屋上床面10から垂直壁16にかけて沿うように、小さな曲率半径でほぼ90度に曲げられている。そして、矢印Aで示すように、空気が抜けるようになっている。
上記従来例においてはいづれも、パネルの目地を形成する部分の形状が複雑であり、特に図8に示す従来例にあっては、目地の部分がメスとオスの係合になっていることから、パネル成形用金型が複雑で、かつ、二種類の金型が必要になり、高価なパネルになるという問題がある。また、このような複雑な形状をしたパネルを定形化した四辺形のパネルにして、屋上床面に敷きつめた場合に、四枚のパネルの角を互いに突き合わせた目地の部分が複雑になって、実質的に四辺形のパネルに定形化するのは不可能である。そのため、パネル自体は大型になって大量生産するのが困難になり、高価なパネルになるという問題がある。
また、実際の施工に際して、目地カバー、目地カバー取付け具、多数のアンカボルト、シール材の充填など部品点数が多くなって、施工工数が多くなり、ビル屋上構造として高価なものになるという問題がある。また、図11に示す従来例にあっては、目地板14をアンカボルト15で先に固定しなければならない。したがって、もしもこの目地板15の位置が不正確であった場合には、屋上床面10のコンクリートをはつり、アンカボルト15を抜いて、はつった部分を埋め戻し、改めて正規の位置にアンカボルト15を打ち直すといった作業が必要になり、施工性の点で問題がある。
次に、図10に示す従来例において、矢印BまたはC方向の風が吹いた場合に、矢印で示すような渦流がコーナ部に発生する。そして、コーナ部Dが負圧になる。この負圧によって、隅パネル17には垂直壁16から剥離する方向に力Fが働くことになる。そして、隅パネル17は小さな曲率半径でほぼ直角に折り曲げられているので、垂直壁16に沿って設けられている隅パネル17は、力F方向に曲がり易く、この部分が剥離する可能性が大きいという問題がある。そして、一旦隅パネル17が剥離した場合には、隅パネル17全体が剥離し、ついには屋上床面10のパネル1も剥離してしまうという問題がある。
前記パネルの問題点を解決したパネルを用いたビルの屋上構造として、特開2001−027017号公報(特許文献3)に開示されたものがある。このものは、パネルの形状を単純化することにより、安価かつ大量生産を可能にし、角錐状の凸形のパネル面を形成し、パネルを敷きつめた屋上の表面を凹凸面にして、風の強さを和らげることにより、風による隅パネルの剥離を防止することができ、パネルは硬質樹脂からなる表皮の裏面に発泡樹脂からなる断熱層を設けた単純な構造であるので、安価なパネルにすることができる。さらに、パネルの裏面には、多数の突起が形成されており、屋上の床面との間に多くの通気層を形成することにより、ビル屋上の床面のコンクリートから蒸発する水分を含んだ空気を逃がし、水蒸気圧によるパネルの膨らみを防止するという優れた効果を有するものである。
しかし、特開2001−027017号公報(特許文献3)に開示されたパネルは、隣合うフランジ間の目地や押さえ部材の隙間からの漏水を十分に防ぐことができないという問題があり、さらに地震により破壊され易いという問題を有するものであつた。
この問題を解決するために、特許文献4(特開2018−009435)においては、敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部全体を覆う補強材(ガラス繊維強化プラスチック)を貼着し、その上に振動吸収材(硬質ウレタン)を補強材を覆うように貼着することが開示されている。
特開平3−87467号公報 特開平9−279713号公報 特開2001−027017号公報 特開2018−009435号公報
しかし、特許文献4に開示されているビルの屋上構造は、漏水を防ぐと共に、地震により容易には破壊されないものであるが、施工時に異臭が発生し、環境に負担をかけるという問題を有するものであることを、本発明者は発見した。即ち、ガラス繊維強化樹脂は、通常、ガラス繊維で補強した不飽和ポリエステル樹脂であり、不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸とグリコールの縮合反応により得られるポリエステルを、スチレンモノマー、メチルメタクリレートなどに溶解したものを施工時に加熱硬化させる樹脂なので、施工後にスチレンモノマーなどが環境中に逸散し、悪臭により環境に被害を与えるおそれがあるものであることを本発明者は発見した。
本発明は、施工が容易で、大量生産が可能で、安価なパネルを使用すると共に、固定部材や押さえ部材の隙間からの漏水を十分に防ぐことができ、地震により破壊され難く、異臭を発生することによる環境に負担をかけることがないビルの屋上構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するための、請求項1の記載から把握されるビルの屋上構造は、
四辺形のパネルをビルの屋上に敷きつめたビルの屋上構造であり、
該パネルの四辺に一定幅で平坦なフランジ部を形成し、
該フランジ部の内側を一以上の区画に分け、
該区画の中に、所定の傾斜角度で隆起させた稜線で形成する錐体状の凸形のパネル面を形成し、
該パネルは硬質樹脂からなる表皮を有し、該表皮の裏面に発泡樹脂からなる断熱層を設け、該断熱層の裏面には、多数の突起を形成し、屋上の床面との間に多くの通気層を形成し、
敷きつめた該パネルの隣り合うフランジ部全体を覆う振動吸収性防水塗膜を形成することを特徴とする。
次に、請求項2に記載から把握されるビルの屋上構造は、前記振動吸収性防水塗膜を二以上の振動吸収性防水塗膜が重ねられた多層構造として形成することを特徴とする。
次に、請求項3に記載から把握されるビルの屋上構造は、前記振動吸収性防水塗膜を形成する材料が、ウレタンゴムであることを特徴とする。
次に、請求項4に記載から把握されるビルの屋上構造は、前記フランジ部の内側周縁に沿って、該内側周縁から、前記パネル面の傾斜角度より急な傾斜角度で隆起させた排水パネル面を形成し、
該排水パネル面の上側周縁に沿って平坦な補強フランジ部を形成し、
前記区画が二以上の場合には、各区画の対向する周縁の間にも、該補強フランジ部に繋がる平坦な補強フランジ部を形成し、
該各区画の内側に、前記パネル面の傾斜角度より急な傾斜角度で該補強フランジ部から立ち上がる斜面を形成し、
該斜面の上側端縁から前記稜線を隆起させて錐体状の凸形のパネル面を形成することを特徴とする。
次に、請求項5の記載から把握される手段は、敷きつめた該パネルの隣り合うフランジ部間に形成された目地の上、及び押え板の上を覆う絶縁シートを貼着し、その上に前記振動吸収性防水塗膜を形成することを特徴とする。
次に、請求項6の記載から把握される手段は、敷きつめたパネルの露出している表面、及び振動吸収性防水塗膜の露出している表面に遮熱塗料を塗布することを特徴とする。
次に、各請求項の記載から把握される手段によって、課題がどのように解決されるかについて説明する。まず、請求項1の記載から把握される手段において、四辺形のパネルをビルの屋上に敷きつめることにより、パネルを定形化し、そして、パネルの四辺に一定幅で平坦なフランジ部を形成することにより、パネルの形状を単純化すると共に、突き合わせた隣合うパネルのフランジを押さえて固定することができる。
更に、フランジ部内側が一以上の区画に分けられ、各区画の内側に、所定の傾斜角度で隆起させて稜線で形成する錐体状の凸形のパネル面を形成し、パネルを敷きつめた屋上の表面を凹凸面にして抵抗を大きくすることにより、風の強さを和らげることができる。そして、パネルは硬質樹脂からなる表皮の裏面に発泡樹脂からなる断熱層を設けた単純な構造を有するものとする。さらに、断熱層の裏面には、多数の突起が形成されており、屋上の床面との間に多くの通気層を形成することにより、ビル屋上の床面のコンクリートから蒸発する水分を含んだ空気を逃がし、水蒸気圧によるパネルの膨らみを防止することができる。
さらに、敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部全体を覆う振動吸収性防水塗膜をビルの屋上構造全体にわたって形成し、貼着することにより、雨が降った場合にフランジ間や押さえ部材の隙間などからの漏水が効果的に防止され、さらに大きな地震が起きた場合であっても、振動吸収性防水塗膜が地震の揺れを吸収するので、パネルの破壊を効果的に防ぐことができる。特許文献4においては、ガラス繊維強化樹脂からなる補強材を、隣り合うフランジ部全体を覆うように貼着し、その上に硬質ウレタンからなる振動吸収材を貼着しているが、本発明においては、振動吸収性防水塗膜を形成するだけで、耐震性及び帯電防止性を発現することができる。さらに、振動吸収性防水塗膜を形成する材料として、異臭を発生しない材料を選択すれば、環境に易しいビルの屋上を構築することができる。
振動吸収性防水塗膜を形成する材料としては、ウレタンゴム、ポリマーセメント(EVA、SBR,メタクリル樹脂)、アクリルゴムを用いることができる。これらの中では、振動吸水性に優れ、レべリングが容易なことから、ウレタンゴムが好ましい。
次に、請求項2の記載から把握される手段によれば、前記振動吸収性防水塗膜を二以上の振動吸収性防水塗膜が重ねられた多層構造として形成することにより、多層構造の振動吸収性防水塗膜のどれかが破損しても、全体として、漏水が効果的に防止される。例えば振動吸収性防水塗膜のどれかに亀裂が入り、その亀裂が大きく広がって損傷し防水性が損なわれることがあっても、亀裂が他方の振動吸収性防水塗膜には広がらないので、振動吸収性防水塗膜全体としての防水性が確保される。
なお、以下の説明において、多層違構造として、第一の振動吸水性防水塗膜と第二の振動吸水性防水塗膜とが重ねられた二層構造の例について説明するが、本発明は二層に限定されるものではない。
次に、請求項3の記載から把握される手段によれば、振動吸収性防水塗膜を形成する材料として、ウレタンゴムが使用されており、ウレタンゴムは、ガラス繊維強化樹脂とは異なり、異臭を発生させることがないので、本発明のビルの屋上構造は環境に優しいものである。さらに、ウレタンゴムは振動吸水性に優れ、レベリング性に優れることから、表面平滑な振動吸収性防水塗膜を形成し、貼着することができる。形成された振動吸収性防水塗膜は、雨が降った場合にフランジ間や押さえ部材の隙間などからの漏水の防止、大きな地震が起きた場合における、振動吸収性を効果的に発現する。
ものの、
次に、請求項4の記載から把握される手段によれば、前記フランジ部の内側周縁に沿って、該内側周縁から、前記パネル面の傾斜角度より急な傾斜角度で隆起させた排水パネル面を形成することにより、排水パネル面とフランジ部とで囲まれた凹部が形成されるので、排水が効率よく行われ、振動吸水性防水塗膜、特に後述するウレタンゴムを用いた振動吸収性防水塗膜を容易に形成することができる。
さらに、前記排水パネル面の上側周縁に沿って平坦な補強フランジ部を形成し、前記区画が二以上の場合には、各区画の対向する周縁の間にも、該補強フランジ部に繋がる平坦な補強フランジ部を形成するので、パネル全体の強度が向上する。
さらに、各区画の内側に、該補強フランジ部から前記パネル面の傾斜角度より急な傾斜角度で立ち上がる斜面を形成し、該斜面の上側端縁から前記稜線を隆起させて錐体状の凸形のパネル面を形成することにより、該斜面と該補強フランジ部とが凹部を形成するので、パネル面から流れてきた雨水は効率よく排水される。
次に、請求項5の記載から把握される手段によれば、前記敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部間の目地の上、及び押え板の上を覆う絶縁シートを貼着することにより、振動吸収性防水塗膜をウレタンゴムを用いて形成する場合、ウレタン原液が、パネル間の隙間やアンカボルトを打ち込んだ隙間などから漏出することを防止することができる。また、雨水の漏水をより確実に防ぐことができる。絶縁シートとしては、塩ビシートやゴムシートを用いることができる。
次に、請求項6の記載から把握される手段によれば、敷きつめられたパネルの露出している表面、及び振動吸収性防水塗膜の露出している表面に遮熱塗料をビルの屋上構造全体にわたって塗布することにより、遮熱塗料が紫外線を吸収するので、ビルの屋上構造の耐久性を向上させることができる。
請求項1の記載に基づいて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、四辺形のパネルをビルの屋上に敷きつめるようにして、パネルを定形化し、パネルの四辺に一定幅で平坦なフランジ部を形成し、パネルの形状を単純化することにより、大量生産を可能にして安価なパネルにすることができる。更にフランジ部の内側を一以上の区画に分け、各区画において、排水パネル面の傾斜角度より緩い傾斜角度で隆起させて稜線で形成する角錐状の凸形のパネル面を形成し、パネルを敷きつめた屋上の表面を凹凸面にして、風の強さを和らげることができるので、風による隅パネルの剥離を防止し、しいては屋上全体のパネルの剥離を防止することができる。そして、パネルは硬質樹脂からなる表皮の裏面に発泡樹脂からなる断熱層を設けた単純な構造であるので、安価なパネルにすることができる。さらに、パネルの裏面には、多数の突起が形成されており、屋上の床面との間に多くの通気層を形成することにより、ビル屋上の床面のコンクリートから蒸発する水分を含んだ空気を逃がし、水蒸気圧によるパネルの膨らみを防止することができる。
また、敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部全体を覆う振動吸収性防水塗膜を設けているので、振動吸収性防水塗膜が効果的に漏水を防止し、さらに大きな地震が起きた場合でも、振動吸収性防水塗膜が地震の揺れを吸収するのでパネルの破壊を防止することができる。振動吸収性防水塗膜は、漏水の防止と耐震性を共に備えるものであり、特許文献4に開示されているビルの屋上構造に比べ、異臭を発生することが無い上に、ガラス繊維強化樹脂を使用しない分、厚い振動吸収性防水塗膜を形成できるので、より耐震性に優れるものである。
なお、特許文献4に開示されている、ガラス繊維強化樹脂を用いた補強材は初期硬化を有するので、施工時間が短くてすむ。それに比べると、補強材を形成、貼着することなく、振動吸収性防水塗膜を形成する工法は、施工に時間がかかるという欠点がある。しかし、異臭を発生することがないという効果、より優れる耐震性が得られるという、より大きな効果が得られることに本発明者は着目し、振動吸収性防水塗膜のみを形成するという構成を採用したものである。
請求項2の記載に基づいて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、振動吸水性防水塗膜が二以上の振動吸水性防水塗膜が重ねられた多層構造として形成されているので、どれかの層の振動吸収性防水塗膜が破損しても、全体として、漏水の効果的な防止、地震の揺れの吸収性が失われることがない。
請求項3の記載に基づいて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、振動吸収性防水塗膜を形成する材料として、ウレタンゴムが使用されているので、雨が降った場合にフランジ間や押さえ部材の隙間などからの漏水の防止、大きな地震が起きた場合における、振動吸収性が効果的に発現する。また、ウレタンゴムはレベリング性に優れているので、完成した振動吸収性防水塗膜は表面平滑性に優れたものである。更に、ウレタンゴムからはスチレンモノマーなどが揮散することによる異臭が発生することがないので、環境に優しいビルの屋上が提供される。なお、ウレタンゴムには、軟質ウレタンゴムと硬質ウレタンゴムがあり、適宜どちらかを選んで用いることができる。なお、ウレタンゴムは、特許文献4に開示されているガラス繊維強化樹脂と異なり初期硬化が起きないので、施工に時間がかかるという欠点がある。しかし、ウレタンゴムを用いることにより得られる、異臭を発生することがないという効果に加え、より優れる耐震性が得られるというより大きな効果が得られることに本発明者は着目し、ウレタンゴムで振動吸収性防水塗膜を形成するという構成を採用したものである。
請求項4の記載に基づいて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、パネル面より傾斜角度が急な排水パネル面が、フランジ部の内側周縁に沿って設けられていることにより、排水パネル面とフランジ部とで囲まれた凹部が形成されるので、排水が効率よく行われ、振動吸水性防水塗膜、特に後述するウレタンゴムを用いた振動吸収性防水塗膜を容易に形成することができる。
また、排水パネル面の上側周縁に沿って平坦な補強フランジ部を形成し、該補強フランジ部の内側が二以上の区画に分けられている場合には、各区画の対向する周縁の間にも、排水パネル面の上側周縁に沿った補強フランジ部に繋がる補強フランジ部を形成しているので、パネルの強度が向上し、パネル面から流れてきた雨水を効率よく排水することができる。
請求項5の記載に基づいて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、敷きつめたパネルのフランジ部間に形成された目地の上、及び押え板の上を覆う絶縁シートを貼着するので、雨水の漏水を防ぐことができる。また、絶縁シートが貼着された部分は、パネル本体と前記振動吸収性防水塗膜が直接接着していないので、地震の際に、パネル本体の動きに追随することなく自由に動くことができるので、振動吸収性が向上する。なお、ガラス繊維強化樹脂を用いた補強材であれば、絶縁シートをすることなく該目地の上などをガラス繊維強化樹脂で直接覆う工法を採用しても、ガラス繊維強化樹脂は初期硬化を有するので、樹脂が目地などから漏出する可能性は小さい。これに対し、施工の容易さから液状の材料用いてアクリルゴム製やウレタンゴム製の振動吸収性防水塗膜を目地の上に直接形成すると、特にウレタンゴム製の振動吸収性防水塗膜をウレタン原液を用いて形成すると、これらの材料は初期硬化が起きないので、液体の漏出が起きる可能性がある。この漏出を防ぐためには、絶縁シートを貼着することが好ましい。
次に、請求項6の記載に基づいて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、敷きつめられたパネルの露出している表面、及び振動吸収性防水塗膜の露出している表面に遮熱塗料を塗布することにより、遮熱塗料が紫外線を吸収するのでパネル構造の劣化が防止され、耐久性が向上し、従来約5年であった使用可能期間が2倍程度長くなり、約10年になる。
本発明の一実施例であるパネルの平面図である。 図1に示すパネルの裏面図である。 図1のパネルを敷きつめて、アンカボルトでビル屋上の床面に固定した状態のビルの屋上構造の一例を示す平面図である。 本発明の一実施例であって、排水用パネル面とフランジ部により形成される凹部であって、凹部の底に絶縁シートが貼着された状態を示す縦断面図である。 図1のパネルを敷きつめて、アンカボルトでビル屋上の床面に固定し、フランジ部間の目地の上、及び押え板の上を覆う絶縁シートを貼着した状態のビルの屋上構造の一例を示す平面図である。 排水用パネル面とフランジ部により形成される凹部であって、絶縁シートと一層の振動吸収性防水塗膜が貼着された状態の一例を示す縦断面図である。 排水用パネル面とフランジ部により形成される凹部であって、絶縁シートと第一の振動吸収性防水塗膜と第二の振動吸収性防水塗膜とからなる二層の振動吸収性防水塗膜が形成された状態の一例を示す縦断面図である。 従来例を示す図である。 他の従来例を示す図である。 従来の角部構造を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。先ず、請求項1の記載から把握される本発明の実施の形態においては、図3に示すように、本発明は、四辺形のパネル18をビルの屋上床面10に敷きつめたビルの屋上構造であり、図1に示すように、パネル18の四辺に一定幅で平坦なフランジ部19を形成する。フランジ部19の内側は、一以上の区画に分けられ、該区画の中に、所定の傾斜角度で隆起させた稜線23で形成する錐体状の凸形のパネル面20が形成されている。なお、区画の数は、対象性の観点から、偶数が好ましく、全ての区画を正方形にするためには4(nは整数)がより好ましい。
パネル18においては図4に示すように、硬質樹脂からなる表皮24の裏面に発泡樹脂からなる断熱層25を設け、図4に示すようにパネル18の裏面(断熱層25の裏面)には、突起25aを形成し、屋上の床面10との間に多くの通気層25bを形成している。
また、図6に示すように、敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部19a、19b全体を覆うように振動吸収性防水塗膜38を、一方の排水用パネル面35aから他方の排水用パネル面5bまでを覆うようにビルの屋上構造全体にわたって形成し、貼着している。第一の振動吸収性防水塗膜としては、施工時に異臭を発生することがないものを選択する必要があり、例えばウレタンゴムが好ましく用いられる。
次に、請求項2の記載から把握される本発明の実施の形態においては、図7に示すように、敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部19a、19b全体を覆うように第一の振動吸収性防水塗膜38aを、一方の排水用パネル面35aから他方の排水用パネル面5bまでビルの屋上構造全体にわたって形成し、第二の振動吸収性防水塗膜38bを第一の振動吸収性防水塗膜38aを覆うように形成している。第二の振動吸収性防水塗膜としては、施工時に異臭を発生することがないものを選択する必要があり、例えばウレタンゴムが好ましく使用される。
ウレタンゴムからなる振動吸収性防水塗膜は、ポリイソシアネート成分、ポリアミン成分、ポリオール成分等を含むウレタン原液を、フランジ部19と排水パネル面35とにより形成される凹部の底を覆うように塗布し、重合反応させて硬化させることにより形成することができる。
次に、請求項3の記載から把握される本発明の実施の形態においては、前記振動吸収性防水塗膜を形成する材料が、ウレタンゴムであることにより、振動吸収性、表面平滑性に優れ、施工時に異臭を発生することがなく環境に優しい振動吸収性防水塗膜を形成することができる。
次に、請求項4の記載から把握される本発明の実施の形態においては、図1、図4に示すように、前記フランジ部19の内側周縁19cからパネル面20の傾斜角度より急な傾斜角度で隆起させた排水パネル面35を形成している。
また、図1、図4に示すように、排水パネル面35の上側周縁35cに沿って平坦な補強フランジ部36aを形成し、前記区画が二以上の場合には、各区画の対向する周縁の間にも、補強フランジ部36に繋がる平坦な補強フランジ部36bを形成している。
また、図1、図4に示すように、前記各区画の内側に、補強フランジ部36からパネル面20の傾斜角度より急な傾斜角度で立ち上がる斜面37を形成し、斜面37の上側端縁37cから稜線23を隆起させて錐体状の凸形のパネル面20を形成している。
次に、請求項5の記載から把握される本発明の実施の形態においては、図4、図5、図6、図7に示すように、敷きつめたパネル18の隣り合うフランジ部19間の目地の上、押さえ板28(28a、28b)の上を覆う絶縁シート30を貼着している。なお、図5は、縦方向にのみ絶縁シート30を貼着した状態を示す平面図であり、最終的には、横方向にも縁シート30を貼着し、パネルの角におけるフランジ部19が直交する部分においては、縦方向に貼着された絶縁シート30と横方向に貼着された絶縁シートとを二層に貼着する。なお、図6、図7に示す形態においては、絶縁シート30が貼着された場合について図示されているが、本発明においては、絶縁シート30の貼着を省略して、敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部19a、19b全体を覆うように振動吸収性防水塗膜を直接形成することができる。
次に、請求項6の記載から把握される本発明の実施の形態においては、敷きつめられたパネルの露出している表面、振動吸収性防水塗膜の露出している表面に遮熱塗料がビルの屋上構造全体にわたって塗布する(図示せず)。
以下、本発明の一実施例について説明する。図1はパネル18の正面図であり、概略正方形である。そして、四辺には平らなフランジ部19が形成されている。フランジ部19の幅は65mm、厚みは2mmとした。ただし、外周縁の強度を向上させるという本発明の目的が損なわれない限り、寸法を変更することができる。
図1、図4、図6、図7に示すように、フランジ部19の内側には、その周縁19aに沿って、内側周縁19cから、雨水を排水可能な傾斜角度で隆起する排水パネル面35が形成され、図4、図6、図7に示すように、排水パネル面35aと、排水パネル面35aに対向する排水パネル面35bと、フランジ部19とが凹部を形成することにより、雨が降っても、雨が貯まることなく流れ易くなっている。また、ウレタンゴムを用いた振動吸収性防水塗膜を容易に形成することができる。
なお、図4、図6、図7は、排水用パネル面35とフランジ部19により形成される凹部の断面図である。
図1に示すように、排水パネル面35の上側周縁35cに沿って平坦な補強フランジ部36aが形成され、補強フランジ部36aの内側が16の区画に分けられ、各区画の対向する周縁の間にも、平坦な補強フランジ部36bが形成されている。補強フランジ部36が設けられていることにおり、パネル18の強度が向上する。
16の区画の各々の内部には、補強フランジ部36から立ち上がる斜面37が形成され、斜面37の上側周縁37cから排水パネル面35の傾斜角度より緩い傾斜角度で隆起させた稜線23で形成する四角錐状の凸形のパネル面20が形成されている(図1)。
パネル面20の表面には凹凸が施されている。斜面37と対向する斜面37と補強フランジ部36bとが凹部を形成しているので、雨水の排水を容易に行うことができる。また、パネル面20を四角錐状の凸形にすると共に、パネル表面20に凹凸を設けることにより、パネル18を敷きつめた全体の屋上の凹凸を大きくし、屋上面を吹き抜ける風に対する抵抗を大きくして、隅パネルにかかる負圧力を軽減することができる。
図2は図1の裏面図であり、図4にも示すようにパネル18の裏面には、突起25aが形成されており、屋上の床面10との間に多くの通気層25bを形成し、ビル屋上の床面10のコンクリートから蒸発する水分を含んだ空気を逃がすことによって、水蒸気圧によるパネル18の膨らみを防止する。また、大きな突起25cを設け(本実施例では9個)、パネル18の上面にかかる荷重に対する強度を持たせるようにしている。
図4、図5、図6、図7に示す態様の実施例においては、敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部19aとフランジ部19bが突きあわされることにより形成された目地の上を覆う絶縁シート30が貼着されている。但し、絶縁シート30の貼着は省略することができる。
図6に示す態様の実施例においては、隣り合うフランジ部19a、19bと対向する排水用パネル面35a、35bにより凹部が形成され、凹部の底において隣り合うフランジ部19aとフランジ部19bとが突き合わされて形成された目地を覆うように絶縁シート30が貼着され、その上に振動吸収性防水塗膜38が一方の排水用パネル面35aから、他方の排水用パネル面35bまで、フランジ部19a、19b全体を覆うように形成されている。絶縁シート30が貼着されていることにより、振動吸収性防水塗膜をウレタンゴムで形成する際に、ウレタン原液がフランジ部19aとフランジ部19bを突きあわされた隙間から漏れることを防止することができる。
図7に示す態様の実施例においては、隣り合うフランジ部19a、19bと対向する排水用パネル面35a、35bにより凹部が形成され、凹部の底において隣り合うフランジ部19aとフランジ部19bとが突き合わされて形成された目地を覆うように絶縁シート30が貼着され、その上に第一の振動吸収性防水塗膜38aが一方の排水用パネル面35aから、他方の排水用パネル面35bまで、フランジ部19a、19b全体を覆うように形成されている。更に、第一の振動吸収性防水塗膜38aを覆うように、第二の振動吸収性防水塗膜38bが一方の排水用パネル面35aから、他方の排水用パネル面35bまで形成されている
なお、第一の振動吸収性防水塗膜38aと第二の振動吸収性防水塗膜38bとをあわせた厚みと、図6に示す、一層の振動吸収性防水塗膜38の厚みとは同じにすることが好ましい。
図3に示す態様においては、パネル18を敷きつめ、パネル18の角にアンカボルトを打ち込んで、アンカボルトの頭27aと押え板28aでフランジ部19を押え付けて四枚のパネルを固定し、パネルの外周側面が向い合っている中間の部分にアンカボルトを打ち込んで、アンカボルトの頭27bと押え板28bでフランジ部19を押え付け、一枚のパネルに合計8個のアンカボルトを打ち込むことにより、隣り合うパネル18を固定している。
図示はしないが、敷きつめられたパネルの露出している表面、及び振動吸収性防水塗膜の露出している表面に遮熱塗料が塗布されている。
以上のように構成した本実施例の作用について次に説明する。図3に示すように四辺形のパネル18をビルの屋上床面10に敷きつめ、互いの平らなフランジ部19の角部を一つの押さえ板28で固定することにより、パネル18を定形化した単純な形状にすることができる。そして、図1に示すように、パネル18の四辺に一定幅で平坦なフランジ部19を形成した形状にすることにより、パネル18の形状を単純化し、更にフランジ部19の内側には、特定の稜線23で形成する四角錐状の凸形のパネル面20を形成することにより、パネル18を敷きつめた屋上の表面は凹凸面になり、屋上を吹き流れる風の抵抗を大きくして、風の強さを和らげることができる。そして、パネル18は硬質樹脂からなる表皮24の裏面に発泡樹脂からなる断熱層25を設けた単純な構造にすることにより定形化できる。
フランジ部19の内側に、稜線23で形成する角錐状の凸形のパネル面20が一以上形成されているので、パネル18を敷きつめた屋上の表面は凹凸面になり、屋上を吹き流れる風の抵抗を大きくして、風の強さを和らげることができる。
図1に示すように、フランジ19の内側に形成された各区画の内側には、凸状のパネル面20が形成されているので、雨水がパネル面20に貯まることがない。さらに、パネル面20の下部には、パネル面20で形成された凸部を囲むように斜面37が設けられており、斜面37の下部には、平坦な補強フランジ部36が設けられており、対向する二つの斜面と補強フランジ部36とで凹部を形成しているので、パネル面20を下ってきた雨水は、斜面37を下って流れ、さらに該凹部を流れ、排水パネル面35に流れ込むので、効率的な排水が可能である。また、補強フランジ部36が設けられることによりパネル18の強度が向上する。
対向するパネル面35aとパネル面35bとフランジ19とは凹部を形成し、排水溝として働くので、排水パネル面35に流れ込んだ雨水は、下り坂の排水パネル面35を下って、排水溝としての凹部に流れ込み、外部に排水される。また、振動吸収性防水塗膜をウレタンゴムで形成する場合、ウレタン原液を該凹部に流しこんで凹部の底を覆い、重合反応を起こして固化させることにより、所望される振動吸収性防水塗膜を容易に形成することができる。
図6に示す態様の実施例においては、隣り合うフランジ部19a、19b全体を覆うように、振動吸収性防水塗膜38が排水パネル面35aから排水用パネル面20bに達するまでビルの屋上構造全体にわたって設けられていることにより、フランジ間の目地や、押さえ部材の隙間からの漏水が確実に防止され、さらに大きな地震が起きた場合であっても、振動吸収性防水塗膜38が地震の揺れを吸収するので、個々のパネル、さらにビルの屋上構造全体の破壊を効果的に防ぐことができる。振動吸収性防水塗膜を形成する材料としては異臭を発生することが無いものを選択すべきであり、例えばウレタンゴムを用いることができる。また、特許文献4に開示されているビルの屋上構造に比べると、ガラス強化繊維による補強材に代えて、振動吸収性防水塗膜を形成することができるので、より耐震性に優れる振動吸収性防水塗膜を形成することができる。
図7に示す態様の実施例においては、隣り合うフランジ部19a、19b全体を覆うように、第一の振動吸収性防水塗膜38aが排水パネル面35aから排水パネル面35bに達するまでビルの屋上構造全体にわたって設けられ、さらにビルの屋上構造全体にわたって、第一の振動吸収性防水塗膜38aが第二の振動吸収性防水塗膜38bにより覆われているので、フランジ間の目地や、押さえ部材の隙間からの漏水が確実に防止され、さらに大きな地震が起きた場合であっても、第一の振動吸収性防水塗膜38a及び第二の振動吸収性防水塗膜38bが地震の揺れを吸収するので、個々のパネル、さらにビルの屋上構造全体の破壊を効果的に防ぐことができる。また、振動吸収性防水塗膜が、第一の振動吸収性防水塗膜38aと第二の振動吸収性防水塗膜38bとからなる二層構造を有するので、第一と第二のどちらかの振動吸収性防水塗膜に傷が入り損傷することがあっても、振動吸収性防水塗膜全体としては、防水性及び耐震性が損なわれることがない。第一及び第二の振動吸収性防水塗膜を形成する材料としては異臭を発生することが無いものを選択すべきであり、例えばウレタンゴムを用いることができる。また、特許文献4に開示されているビルの屋上構造に比べると、ガラス強化繊維による補強材に代えて、第一の振動吸収性防水塗膜を形成することができるので、より耐震性に優れる振動吸収性防水塗膜を形成することができる。
図6、図7に示す態様の実施例においては、敷きつめたパネル18の隣り合うフランジ部19とフランジ部19の間に形成された目地の上、及び押え板の上を覆う絶縁シートが貼着されているので、振動吸収性防水塗膜、特にウレタンゴムを用いた振動吸収性防水塗膜を形成する際に、ウレタン原液が、パネル間の隙間やアンカボルトを打ち込んだ隙間などから漏出することを防止することができる。また、漏水をより確実に防水することができる。
また、図3に示すように、ほぼ正方形に定形化したパネル18を敷きつめ、パネル18をフランジ部19から隆起させ、屋上の上面を凹凸にし、屋上を吹き流れる風の抵抗を大きくして、風の強さ(風圧)を弱めることと相俟って、隅パネルの整流効果と、剥離方向への曲げ強度を高めることにより、隅パネルの剥離をより確実に防止し、しいては屋上に張られたパネル18全体の剥離も防止することができる。
また、図3に示すように、パネルの角や辺をアンカボルト27と押え板28を用いて固定することにより、パネルを用いたビルの屋上構造を容易に構築することができ、完成した屋上構造は長期間安定して維持されるものである。
図示はしないが、ビルの屋上構造全体が遮熱塗料で塗布されているので、紫外線による劣化が抑制され、使用可能年数が大幅に伸びる。
1a、1b 従来のパネル
2 表面材
3 裏面材
4 断熱材
5 目地カバー取付け具
6 目地カバー
7 ねじ
8 アンカボルト
9 目地
10 ビル屋上の床面
11 ボード
12 ボルト
13 芯材
14 目地板
16 垂直壁
17 隅パネル
18 パネル
19、19a、19b フランジ部
19c フランジ部の内側周縁
20、20a、20b パネル面
23 錐体の稜線
24 表皮
25 断熱層
25a 突起
25c 大きな突起
25b 通気層
27 アンカボルト
27a アンカボルトの頭
28、28a、28b 押さえ板
30 絶縁シート
35、35a、35b 排水パネル面
35c 排水パネル面35の上側周縁
36、36a、36b 補強フランジ部
37 斜面
37c 斜面の上側端縁
38 振動吸収性防水塗膜
38a 第一の振動吸収性防水塗膜
38b 第二の振動吸収性防水塗膜

Claims (6)

  1. 四辺形のパネルをビルの屋上に敷きつめたビルの屋上構造であり、
    該パネルの四辺に一定幅で平坦なフランジ部を形成し、
    該フランジ部の内側を一以上の区画に分け、
    該区画の中に、所定の傾斜角度で隆起させた稜線で形成する錐体状の凸形のパネル面を形成し、
    該パネルは硬質樹脂からなる表皮を有し、該表皮の裏面に発泡樹脂からなる断熱層を設け、該断熱層の裏面には、多数の突起を形成し、屋上の床面との間に多くの通気層を形成し、
    敷きつめた該パネルの隣り合うフランジ部全体を覆う振動吸収性防水塗膜を形成することを特徴とするビルの屋上構造。
  2. 前記振動吸収性防水塗膜を二以上の振動吸収性防水塗膜が重ねられた多層構造として形成することを特徴とする請求項1に記載のビルの屋上構造。
  3. 前記振動吸収性防水塗膜を形成する材料が、ウレタンゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のビルの屋上構造。
  4. 前記フランジ部の内側周縁に沿って、該内側周縁から、前記パネル面の傾斜角度より急な傾斜角度で隆起させた排水パネル面を形成し、
    該排水パネル面の上側周縁に沿って平坦な補強フランジ部を形成し、
    前記区画が二以上の場合には、各区画の対向する周縁の間にも、該補強フランジ部に繋がる平坦な補強フランジ部を形成し、
    該各区画の内側に、前記パネル面の傾斜角度より急な傾斜角度で該補強フランジ部から立ち上がる斜面を形成し、
    該斜面の上側端縁から前記稜線を隆起させて錐体状の凸形のパネル面を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビルの屋上構造。
  5. 前記敷きつめたパネルの隣り合うフランジ部間に形成された目地の上、及び押え板の上を覆う絶縁シートを貼着し、その上に前記振動吸収性防水塗膜を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビルの屋上構造。
  6. 前記敷きつめたパネルの露出している表面及び振動吸収性防水塗膜の露出している表面に遮熱塗料を塗布することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビルの屋上構造。

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