JP2008127898A - ウレタン塗膜防水構造とこれに使用する防水材およびトップコート材 - Google Patents

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Abstract

【課題】2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、速硬化性、環境対応低臭性、難燃性を有するうえ、従来のFRP(Fiber Reinforced Plastic)による防水のようなサンディングによる粉塵の発生がなく、特に木質系住宅のベランダ、バルコニー部分への適用に好適なウレタン塗膜防水構造を提供する。
【解決手段】下地、この下地上に速硬化性ならびにトルエン・キシレン以外の溶剤・希釈材により環境対応低臭性の2液反応型ウレタン防水材によるウレタン系防水層、この防水層上に環境対応低臭性を具現するトップコート材を塗工してなり、2液反応型ウレタン防水材は、主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤の架橋剤の主成分をDETDAおよび/またはMEDとして環境対応低臭性・速硬化性を具現し、防水剤および/又はトップコート材には難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を有するウレタン塗膜防水構造。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、施工時には環境対応型低臭性、速硬化性を有して、完工後は所定の難燃性を具備し、特に個人住宅におけるベランダ、バルコニー等の小規模面積の防水に対応したウレタン塗膜防水に関するものである。
従来、ウレタン防水材は、ビルの屋上、マンションの等集合住宅のベランダ、ルーフバルコニーといった、比較的大面積の建築物の防水材として普及してきた。その場合、通常2液(主剤、硬化剤)を計量、撹拌後に所定面積に均一に塗布作業ができるように、一定時間の可使時間(硬化前の塗布可能時間)と、硬化時間(次工程作業時間)とのバランスでは、可使時間が優先される傾向があり、一日1工程が原則となっていた。 また、防水材を2回に分けて塗工する場合、さらに、ウレタン防水材施工の前後にプライマー処理、トップコート塗布工程もあるため、施工には3−4日を要するのが一般的である。
一方、個人住宅のベランダ、バルコニー部は、比較的小面積であり、防水施工に要する日数は、1−1.5日程度が要求されており、これに対応してウレタン防水材の硬化時間を短縮させる必要がある。この硬化時間の短縮手法としては、ウレタン反応を促進させる触媒(効果促進剤)を多用する方法があるが、施工現場での反応の調整が容易ではないという問題がある。
また、ウレタン防水材については2液反応性MOCA架橋型防水材が施工時の可使時間が長くとれ、使い易いことから広く普及しているが、硬化時間が緩慢であり、次工程に移れるのは翌日となってしまい、これが冬季になると翌々日となる場合も少なくない。
このため、最近では、DETDAを架橋剤の主成分とする速硬化型防水材も使用され始めており、冬季でも翌日には次工程に移れるようになっている。しかしながら、可使時間確保のために硬化剤中の可塑剤の配合量を多くして強度発現が比較的穏やかとなり、当日中の次工程に移れるのは夏季に限られている。 また、可塑剤量が多いために、トップコート等他材料との接着性不全がみられ、特殊なトップコートが必要となる。 また、可塑剤が他材料に移行しやすいため、他材料との接着性の低下をもまねいている。
また、従来は施工面の多くがコンクリート下地であるため、防水層の難燃性に関してはあまり配慮されておらず、まれに、下地が木質系で難燃対応(対飛び火性能)を要する場合、通常のウレタン防水材を施工後に層間プライマーを塗り、さらに難燃性を付与したアクリルエマルジョン系仕上げ材を2回に分けて1.5kg/平方メートル以上塗布する手法や、不燃材料を通常のウレタン防水材の上に施す工法もあるがいずれにしても、時間がかかり施工能率の低下やコストの増大と言う問題がある。
他方、従来のウレタン防水工法では、トルエン、キシレンといった有害な溶剤がプライマー、ウレタン防水材、トップコートに配合されており、さらに、施工時に希釈材としてトルエン、キシレンを使用しているが、最近になり環境対応工法として、トルエン、キシレンのような毒性の強い溶剤を使用しない工法、水系のプライマー、トップコートを使用する工法、防水材として特化物であるTDIおよびMOCAの含有量を1%以下とした防水材も開発されている。
さらに、特に木質系住宅の、ベランダ、バルコニー部分の防水材料としてFRP(Fiber Reinforced Plastic)が多用されているが、これを用いる工法ではつぎのような問題を無視できない。 すなわち、まず、FRPを構成する材料であるスチレンモノマーの臭気の問題がある。 これは単に臭気だけでなく、スチレンモノマーの施工に関して規制を受けないのは屋外の場合であり、室内での施工に関しては厚生労働省の室内濃度指針値が設定されており、近年増加しているベランダ、バルコニー部分の改修時には、居住している状況下で施工されるため、なおのこと、人体への影響を配慮必要が増している。 FRPの次の問題としては、はサンディングによる粉塵の発生が挙げられる。すなわち、上塗り材との接着性確保のため、サンディングが不可欠であり、この際、多量の粉塵が発生し、騒音も看過しがたいものがある。
なお、上記背景技術に関連して以下の文献が存在する。
特開平08−143816号公報 特開2002−364128号公報 特開2003−31358号公報
本願発明の解決すべき課題は、以下のとおりである。
イ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、速硬化性を実現し、特に個人住宅のベランダ、バルコニー等の小面積の防水工事において、ほぼ1日前後の施工工程で完工可能にする。
ロ.環境対応低臭性を具現する2液反応型ウレタン防水材により、施工環境に配慮した低臭性を維持できる施工を可能にした塗膜防水技術を実現する。
ハ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、所定の難燃性を確保し、特に下地が木質系である場合に法規に適応する対飛び火性能を実現する。
ニ.木質系住宅のベランダ、バルコニー部分の防水材料として多用されておりサンディングによる粉塵の発生が不可避なFRP(Fiber Reinforced Plastic)による防水構造に替えて、粉塵の発生がなく静穏な施工環境を実現できる塗膜防水技術を提供する。
本願発明は、下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするとともに、前記防水材および/またはトップコート材に難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を有するウレタン塗膜防水構造を提供して、上記従来の課題を解決しようとするものである。
また、上記のウレタン塗膜防水構造において、前記2液反応型ウレタン防水材の主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して20〜60重量部の可塑剤を配合してウレタン系防水層における所定の機械的強度と必要充分な可使時間を確保しつつ速硬化性を得られるように構成することがある。
さらに、上記のウレタン塗膜防水構造において、主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して難燃剤として水酸化アルミニウムを10重量部ないし140重量部を配合することがある。
またさらに、上記いずれかのウレタン塗膜防水構造において、トップコート層を形成するトップコート材にはトルエン、キシレン、酢酸ブチル等の有機溶剤中毒予防規則第2種溶剤に替えて同規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則に該当しない溶剤を用いた環境配慮性行を有する2液反応型溶剤系アクリルウレタン塗料を用いることがある。
本願発明はまた、下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするとともに、前記トップコート材は2液反応型アクリルウレタン塗料からなり、溶剤は有機溶剤中毒予防規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則該当外溶剤で構成するとともにさらに難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を具備させてなるウレタン塗膜防水構造を実現して上記従来の課題を解決しようとするものである。
また、上記いずれかのウレタン塗膜防水構造において、下地と前記ウレタン系防水層との間には下地用シ−トからなる下地緩衝層が介装され、この下地緩衝層は表面にウレタン系防水材との良好な接着性を確保するための親和手段を有し、通気手段ならびにム−ブメント吸収手段を介して下地面に接合手段により固着された構成となすことがある。
さらに、上記のウレタン塗膜防水構造において、下地用シ−トはアスファルト系、ゴム系または合成樹脂系のいずれかの材によるシ−トからなり、前記シ−トの表面に形成するウレタン系防水材との親和手段はエチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂層からなり、さらに通気手段ならびにム−ブメント吸収手段は前記下地用シ−トの裏面に形成した連通溝で構成することがある。
さらにまた、上記のウレタン塗膜防水構造において、防水シ−トの接合手段は接着剤で構成することがある。
また、上記いずれかのウレタン塗膜防水構造において、下地は合板を並列に敷設し各目地部分に遮蔽手段を形成することがある。
さらに、上記いずれかのウレタン塗膜防水構造において、下地は木質系の合板2枚重ねに構成し、各合板は目地が互いに重なり合わないように積層することがある。
本願発明はさらに、速硬化性ならびに環境対応低臭性を具現するとともに工期短縮工法に適した2液反応型ウレタン防水材であって、一方の主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、他方の硬化剤中の反応成分の主成分をDETDAおよび/またはテトラアルキルジアミノジフェニルメタンとすることにより、個人住宅ベランダ・バルコニー防水に要求される可使時間を保持したうえで、年間を通して数時間で硬化し、かつ防水性能および歩行使用にも耐えうる耐久性を保持できる防水層の形成を可能にする2液反応型ウレタン防水材を実現して上記従来の課題を解決する。
また、上記の2液反応型ウレタン防水材において、硬化剤の反応成分の主成分の混合比は、DETDA/テトラアルキルジアミノジフェニルメタン=100/0〜50/50(重量比)となすことがある。
さらに、上記いずれかの2液反応型ウレタン防水材において、主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対し、可塑剤量を20〜60重量部の範囲に設定して、トップコート等上塗り材との接着性およびタック性の改善に併せて速硬化性を具現できる構成となすことがある。
またさらに、上記いずれかの2液反応型ウレタン防水材において、主剤の主成分であるTDIプレポリマーに使用するTDIは2,4−TDIを80重量%以上含有するようにして、速硬化性と長い可使時間を併有できる構成となすことがある。
また、上記いずれかの2液反応型ウレタン防水材において、硬化剤中に難燃剤を添加して、建築基準法に係る飛び火試験に適合する防水層を形成できるようになすことがある。
さらに、上記の2液反応型ウレタン防水材において、難燃剤は水酸化アルミニウムとして、その配合量は主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対し、10〜140重量部の範囲に設定する構成となすことがある。
また、上記いずれかの2液反応型ウレタン防水材において、前記2液反応型ウレタン防水材の主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して20〜60重量部の可塑剤を配合してウレタン系防水層における所定の機械的強度と必要充分な可使時間を確保しつつ速硬化性を得られるように構成することがある。
本願発明はまた、下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするウレタン塗膜防水構造において、前記トップコート層を形成するトップコート材は、2液反応型アクリルウレタン塗料からなり、溶剤を有機溶剤中毒予防規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則該当外溶剤で構成するとともにさらに難燃剤の配合により防水層の難燃性の有無にかかわらず建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を具備するウレタン塗膜防水構造を構成できるトップコート材を提供して上記従来の課題を解決しようとするものである。
そして、上記のトップコート材において、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミックその他の粉体の無機系難燃剤を添加する構成となすことがある。
本願発明は上記構成により以下のような効果を奏する。
イ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、速硬化性を実現し、特に個人住宅のベランダ、バルコニー等の小面積の防水工事において、ほぼ1日前後の施工工程で完工可能になる。
ロ.環境対応低臭性を具現するウレタン防水材、トップコート材、あるいはプライマー材により、施工環境に配慮した低臭性を維持できる施工を可能にした塗膜防水技術が実現できる。
ハ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、所定の難燃性を確保し、特に下地が木質系である場合に法規に適応する対飛び火性能を付与できる。
ニ.木質系住宅のベランダ、バルコニー部分の防水材料として多用されておりサンディングによる粉塵の発生が不可避なFRP(Fiber Reinforced Plastic)による防水構造に替えて、粉塵の発生がなく静穏な施工環境が期待できる塗膜防水技術が可能になる。
本発明において、工期短縮工法に適したウレタン防水材は、主剤の主成分がイソシアネート末端TDIプレポリマーであり、一方の硬化剤中に含まれる反応成分の主成分がDETDAまたは/およびテトラアルキルジアミノジフェニルメタンである2液反応型ウレタン防水材である。
種々検討の結果、硬化剤中の反応成分の主成分をDETDAまたは/およびテトラアルキルジアミノジフェニルメタンとすることにより、個人住宅ベランダ・バルコニー防水に要求される可使時間を保持したうえで、年間を通して2〜4時間で硬化し、しかも防水性能および歩行使用にも耐えうる耐久性を保持できる防水層が形成できることを見出した。
DETDAとしては、具体的には、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン及びこれらの混合物などを挙げることができる。これらはいずれも常温で液状である。このような混合物は、例えばエタキュア100(アルベマールコーポレーション製)として市販されている。
テトラアルキルジアミノジフェニルメタンは次の式1で表される。
式1
Figure 2008127898
前記式1において、R1ないしR4は、それぞれメチル基、エチル基、イソプロピル基またはイソブチル基でありそれらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以上の中でも、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’ジアミノジフェニルメタンがDETDAとの溶解性も良く、反応性及び機械的強度の面に優れており好ましい。3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’ジアミノジフェニルメタンは、例えば、キュアハードMED(商品名、イハラケミカル株式会社製)として市販されている。
また、DETDAおよびキュアハードMEDともに、従来の防水材に使用されてきたMOCAと異なり、特定化学物質等障害予防規則の特定化学物質および化審法の指定化学物質の何れにも該当しない低毒性硬化剤であり、環境にも配慮された防水材となる。
また、硬化剤の反応成分の主成分の混合比は、DETDA/テトラアルキルジアミノジフェニルメタン=100/0〜50/50(重量比)とすることが、テトラアルキルジアミノジフェニルメタンの結晶析出性を改善し、特殊な溶媒を使用せずに安定した硬化剤が得られるようにできるため、好ましい。
また、テトラアルキルジアミノジフェニルメタンを併用することにより可使時間の延長ができ、硬化物の硬度を高くでき防水材にも適した物性にできるというメリットもある。
従来のDETDA硬化型防水材は、大面積施工にも対応するための可使時間を確保するために、イソシアネート成分100重量部に対して可塑剤量を70〜80重量部配合したものであり、可塑剤が多く配合されているために、トップコート等他材料との接着性が低下したり、トップコート等に可塑剤が移行しベタツキを発生させたり性能を低下させる傾向もある。
本発明で使用する防水材ではイソシアネート成分100重量部に対し、可塑剤量を20〜60重量部の範囲で使用することがより好ましく、さらには、20〜50重量部とすることがなお好ましい。可塑剤量をこの範囲にすることにより、トップコート等上塗り材との接着性およびタック性を改善できると同時に速硬化性となり、1〜1.5日の工期により適した防水材となる。
また、住宅のベランダ・バルコニーの施工は小面積であるため、屋上防水ほどの可使時間は必要としないが、速硬化性でありながら可使時間も出来るだけ長く確保できる方が良く、そのためには主剤の主成分であるTDIプレポリマーに使用するTDIが、2,4−TDIを80重量%以上含有するTDIを使用することが好ましく、さらには2,4−TDIが100重量%であるTDIを使用することがもっとも好ましい。
次に、住宅のベランダ・バルコニーは木質系下地であることが多く、建築基準法に定められた飛び火試験に適合することが必要とされる。本発明で用いる上記ウレタン防水材を塗布後に層間接着プライマーを塗布し、その後にアクリル系エマルション等エマルション系塗料に各種難燃剤を配合したトップコートを比較的厚めに(1〜1.5kg/平方メートル前後)塗布する方法により、飛び火試験に適合させることができる。
だだし、この方法は層間プライマーを必要とする場合が多く施工工程が増えるという問題がある。また、エマルション塗料に難燃剤を配合するため、塗膜の耐水性、耐摩耗、耐汚染性、耐水接着等が低下するという問題がある。
さらに検討を重ねた結果、工期1〜1.5日での施工を可能とし、飛び火試験に合格するには、速硬化性ウレタン防水層自身に難燃剤を配合する方法が好ましく、この方法では、従来から使用している2液反応型アクリルウレタン系トップコートを一層塗工するだけでも飛び火試験に適合することが見出された。
難燃剤としては、一般的に知られる難燃剤、例えば、無機系難燃剤、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃助剤等を使用することができ、これらは1種または2種以上使用できる。
無機系難燃剤としては、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミック等を使用することができる。
リン系難燃剤としては、具体的には、
トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルホスフェート(TPP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、トリアリルホスフェート、トリキシリルホスフェート(TXP)等の芳香族系リン酸エステル、
CR−733S(大八化学工業株式会社製)、CR−741C(大八化学工業株式会社製)、ホスフレックス574(アクゾ社製)等の芳香族系リン酸エステルの縮合タイプ、
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)等のトリアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート(DMMP)、ジエチルエチルホスフェート(DEEP)等のジアルキルアルキルホスフェート等の脂肪族系リン酸エステル
CR−107(大八化学工業株式会社製)、ファイロール−51(アクゾ社製)、アンチブレーズ−19(A&R社製)、サンドフラム5060(サンド社製)等の脂肪族系リン酸エステルの縮合タイプ、
トリス(クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、トリス(クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP)、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート(TDCP)、ファイヤ・マスター836(グレート・レークス社製)、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等の脂肪族系含ハロゲンリン酸エステル、
CR−530(大八化学工業株式会社製)、CR−505(大八化学工業株式会社製)、CR−504(大八化学工業株式会社製)、CR−570(大八化学工業株式会社製)、CR−509(大八化学工業株式会社製)、CR−387(大八化学工業株式会社製)、サンドフラム5085(サンド社製)、アムガードV−6(A&R社製)、サーモリン101(オーリン社製)、ファイロール25(アクゾ社製)等の脂肪族系含ハロゲンリン酸エステルの縮合タイプ、
トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート等の芳香族系含ハロゲンリン酸エステル、
テトラヒドロキシメチルホスホニウムサルフェート(THPS)、ピロバテックスCP(チバ・ガイギー社製)、ファイロール76(アクゾ社製)、CR−106(大八化学工業株式会社製)、AA−1000(日本曹達株式会社製)、トレビラCS(ヘキスト社製)、ハイム(東洋紡績株式会社製)、CR−104(大八化学工業株式会社製)、ファイロール6(アクゾ社製)、CR−757(大八化学工業株式会社)、FR−D(FMC社製)、FR−T(FMC社製)等の反応型リン酸エステル、等を使用することができる。
ハロゲン系難燃剤としては、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、デクラロンプラス(オキシデンタルケミカル社製)、テトラクロロ無水フタル酸、無水クロレンド酸、クロレンド酸等の塩素系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA、デカブロムジフェニルオキサイド、オクタブロムジフェニルオキサイド、テトラブロムジフェニルオキサイド、ヘキサブロムシクロドデカン、ビストリブロモフェノキシエタン、トリブロモフェノール、エチレンビステトラブロムフタルイミド等の臭素系難燃剤等を使用することができる。
また、アンチモン系難燃助剤としては、三酸化アンチモン、三酸化アンチモンの表面処理タイプ、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン系難燃助剤、アンチモン酸ソーダ等のアンチモン塩系難燃助剤、等を使用することができ、これらはハロゲン系難燃剤と併用することが好ましい。
以上の難燃剤は1種または2種以上を使用してもよい。
使用する難燃剤は、火災時の安全性も配慮し、ハロゲン系難燃剤よりも非ハロゲン系難燃剤の方が好ましい。非ハロゲン系難燃剤のなかでは、無機系難燃剤が好ましく、さらには水酸化アルミニウムが好ましく、本発明で使用するウレタン防水材に水酸化アルミニウムを多量に配合しても、物性面および性状面においてほとんど悪影響を与えないことを見出した。
また、水酸化アルミニウムは燃焼時に有毒ガスを発生させないという面からも個人住宅用防水材への難燃剤として適している。水酸化アルミニウムの配合量は主剤中のプレポリマー100重量部に対し、10〜140重量部の範囲で配合することが好ましい。
また、難燃性可塑剤として、リン系難燃剤を使用することができ、その中ではTCPが好ましいが、使用量が多くなると、トップコートによってはタック性を発生させるという問題もある。
ウレタン防水材の環境対応化であるが、本発明で使用する防水材で、主剤に使用するTDIは特定化学物質、指定化学物質であるが、プレポリマー化することによりフリーTDIの含有量を1%以下にすることができ、特にTDIとしてT−100を使用するとその反応特性よりフリーTDIを1%以下とすることが容易であり、特定化学物質・指定化学物質の問題はなく、好ましい。
一方、硬化剤については、現行汎用品は特定化学物質、指定化学物質であるMOCAを数重量%使用しているのに対し、本発明で使用するDETDAおよびMEDはいずれにも該当せず好ましい。
また、硬化剤にDETDAおよびMEDを使用した防水材は、オクチル酸鉛等のような有機金属触媒を含まずに設計できることからも好ましい。
また、ウレタン防水材の粘度調整用希釈剤については、従来品はトルエン・キシレン等を数重量%配合し、さらに施工現場ではトルエン・キシレン溶剤で数%希釈し施工し易い粘度に調整してから施工するのが一般的であるが、本発明では、特開2005−299103に記載されたようなトルエン・キシレンを含有しない溶剤、さらには有機溶剤中毒予防規則に該当しない溶剤が好ましい。
トルエン・キシレン以外の溶剤としては、沸点が85℃から230℃の脂肪族エステル類が溶解性に優れており使用することができる。具体的には酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、オクテン酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシ−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGEAC)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートといったモノカルボン酸エステル類、プロピレングリコールジアセテート、アジピン酸ジメチル、グルタミン酸ジメチル、コハク酸ジメチルといったジカルボン酸エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートといった、エチレングリコールおよびジエチレングリコールより合成されるエステル類等が使用できるが、溶剤の毒性情報および工業的に入手が容易であることより、酢酸プロピル、酢酸ブチル、オクテン酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシ−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルアセテート、3−メトキシ−3メチル−ブチルアセテートが好ましい。
しかし、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルは臭気が強く有機溶剤中毒予防規則で第2種溶剤に該当し、上記のそれ以外の脂肪酸エステル系溶剤は有機溶剤中毒予防規則にも該当せず臭気も比較的穏やかなため、本願発明に使用される溶剤としてはさらに好ましい。
また、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤も溶解性が比較的良好であり、また揮発性が高いわりに臭気も少なく、有機溶剤中毒予防規則外溶剤であり、好ましい。具体的にはメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、リカソルブ800(C8脂環族炭化水素、新日本理化株式会社製)リカソルブ900(C9脂環族炭化水素、新日本理化株式会社製)、リカソルブ1000(C10脂環族炭化水素、新日本理化株式会社製)、MC1000ソルベント(C9、C10脂環族炭化水素の混合物、三協化学株式会社製)等が挙げられる。
低沸点芳香族ナフサおよび芳香族含有石油系炭化水素溶剤は有機溶剤中毒予防規則で第2種あるいは第3種に該当し、やや芳香臭があるが、溶解性は比較的良好であり、使用することができる。具体的にはシェルゾールA(シェルケミカルズジャパン株式会社)、HAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社)、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社)、スワゾール1000(丸善石油化学株式会社)、Aソルベント(新日本石油株式会社)等が挙げられる。
脂肪族および脂環族石油系炭化水素溶剤は、低臭性であり有機溶剤中毒予防規則外のものが多いため、使用することができる。具体的には、シェルゾールD40(シェルケミカルズジャパン株式会社)、シェルゾールS(シェルケミカルズジャパン株式会社)、エクソールD30(エクソンモービル製)、エクソールD40(エクソンモービル製)、IPソルベント(出光石油化学製)等が挙げられ、シェルゾールS、IPソルベントが臭気も少なく有機溶剤中毒予防規則外溶剤であるため好ましい。
本願発明において、以上のような溶剤を使用でき、1種または2種以上の混合物を使用できる。
また、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといった比較的臭気が強い第2種溶剤(有機溶剤中毒予防規則)も一部使用することはできる。
トップコートとしては、従来からの、各種エマルションに難燃剤を配合したトップコートを使用することができる。具体的には、例えばHPトップ(高圧ガス工業株式会社製)が挙げられる。配合できる難燃剤としては、上記のウレタン防水材に配合できる難燃剤と同様のものが配合でき、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミック等の粉体の無機系難燃剤を使用することが好ましい。
しかし、接着性保持のために層間プライマーが必要となる場合が多い。層間プライマーとしては、後述する溶剤を使用した環境対応型の1液湿気硬化型ウレタンプライマーの使用が好ましい。また、2液反応型水系ウレタンプライマー、2液反応型水系エポキシプライマー、1液型水系エマルションプライマー等も使用することができる。
また、最近環境対応トップコートとして商品化されている、2液反応型水系アクリルウレタントップコートも使用することができる。具体的には、例えばオルタック水系コート(田島ルーフィング株式会社製)が挙げられる。この2液反応型水系アクリルウレタントップコートは、層間プライマーなしで塗布することが可能である。
2液反応型水系アクリルウレタントップコートにも、難燃剤を配合することができる。配合できる難燃剤としては、上記のウレタン防水材に配合できる難燃剤と同様のものが配合でき、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミック等の粉体の無機系難燃剤を使用することが好ましいが、塗膜性能が低下するため、多量には配合できない。
さらには、2液反応型アクリルウレタン塗料も使用することができる。2液反応型アクリルウレタン塗料は、無黄変型他官能イソシアネートを樹脂の主成分とする主剤と、アクリルポリオールを樹脂の主成分とする硬化剤とからなる。具体的には、例えばパティオコート(田島ルーフィング株式会社製)が挙げられる。
本発明に使用される2液反応型アクリルウレタン塗料は、層間プライマーなしで塗布することが可能であり、主剤、硬化剤の選択により、速乾性のトップコートとすることができ、1層塗布でも接着性、耐水接着性、耐摩耗性、耐候性等に優れた塗膜が形成できるため、工期1〜1.5日での施工に適したトップコートとして好ましい。
2液反応型アクリルウレタン塗料の主剤の主成分である無黄変型他官能イソシアネートとしては、具体的には、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の無黄変型多官能イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体、ダイマー体、プレポリマー及びこれらの変性体、非極性溶剤への溶解性を付与させるための変性体等が使用でき、これらは1種または2種以上使用できる。この中でも、無黄変型多官能イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体及びこれらの変性体が好ましく、さらには、主剤のイソシアネート成分の20重量%以上がヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートであると、飛び火試験においてトップコート層が炭化する傾向となり、難燃性に非常に有利であることからより好ましい。
2液反応型アクリルウレタン塗料の硬化剤の主成分であるアクリルポリオールは、有機溶剤中毒予防規則の第3種溶剤や有機溶剤中毒予防規則該当外の溶剤に溶解できるようにアクリルモノマーを選択したり、あるいは比較的低分子量化したアクリルポリオールを使用することが好ましい。
また、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社製)のような、一般的にミネラルターペンと呼ばれる比較的低極性の石油系炭化水素溶剤にアクリル系NAD(非水分散型)樹脂を分散させたビニル重合体を配合することも出来る。
2液反応型アクリルウレタン塗料にも、難燃剤を配合することができる。配合できる難燃剤としては、上記のウレタン防水材に配合できる難燃剤と同様のものが配合でき、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミック等の粉体の無機系難燃剤を使用することが好ましいが、塗膜性能が低下するため、多量には配合できない。
2液反応型アクリルウレタン塗料の溶剤として、従来品はトルエン・キシレン等を数十重量%配合しているが、本発明では、前述の防水材に使用される溶剤と同様の、トルエン・キシレンを含有しない溶剤、さらには有機溶剤中毒予防規則に該当しない溶剤が好ましい。
使用できる溶剤としては、具体的には、沸点が85℃から230℃の脂肪族エステル類、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤、低沸点芳香族ナフサおよび芳香族含有石油系炭化水素溶剤、脂肪族および脂環族石油系炭化水素溶剤等の溶剤が使用でき、1種または2種以上の混合物を使用してもよい。
新築の場合、下地は一部コンクリート下地の場合もあるが、木質下地がほとんどで、通気緩衝シートの粘着剤層との接着性向上のためにプライマーが必要となる。改修の場合では、下地は既存FRPの場合がほとんどで、密着工法では防水材との接着性向上のために、また通気緩衝工法では通気緩衝シートの粘着剤層との接着性向上のためにプライマーが必要となる。使用できるプライマーとしては、新築、改修ともに各種のプライマーが使用できるが、環境に配慮したプライマーが好ましい。具体的には、特開2005−299103に記載されるような、環境対応型の1液湿気硬化型ウレタンプライマーが、毒性が低いため好ましい。
1液湿気硬化型ウレタンプライマーに使用できる溶剤としては、前述の防水材に使用できる溶剤と同様の、トルエン、キシレンを含有しない溶剤、さらには有機溶剤中毒予防規則に該当しない溶剤が好ましい。具体的には、沸点が85℃から230℃の脂肪族エステル類、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤、低沸点芳香族ナフサおよび芳香族含有石油系炭化水素溶剤、脂肪族および脂環族石油系炭化水素溶剤等の溶剤が使用でき、沸点85℃から230℃の脂肪族エステル類、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤が、プライマーの溶解性、硬化性が良好であることから好ましい。これら溶剤は1種または2種以上の混合物を使用してもよい。
1液湿気硬化型ウレタンプライマーのイソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート成分としては、TDI、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)などの多官能イソシアネートが使用でき、TDI単独系でも良いが、より速硬性にできることから、TDIとMDIの併用系及びMDI単独系が好ましい。
また、エポキシエマルションと水溶性アミンとからなる2液型水系エポキシプライマーも使用することができる。
以下、本願発明の実施例を説明する。図1は、ウレタン塗膜防水構造の1実施例に係る断面図である。 図において、11は木質系下地、12は木質系下地1上に固着された下地緩衝層としての下地用シート、31は下地用シート12表面に塗工される2液反応型ウレタン防水材によるウレタン塗膜防水層、41はウレタン塗膜防水層31上に2液反応型ウレタントップコート材によるトップコート層である。 下地緩衝層としての下地用シート12は、アスファルト系材、ゴム系材または合成樹脂系材を合成繊維不織布等の基材に含浸させその両面に前記アスファルト系材等を被覆してなる基層12bと、この基層12b上面に固着したウレタン系防水材との親和手段12cと、前記基層12b下面に設けた通気手段ならびにム−ブメント吸収手段12aとからなっている。
図2は、緩衝層としての前記下地用シート12を示す断面図である。この実施例において、前記基層12bは改質アスファルトコンパウンドを基材に含浸させてなり、前記通気手段ならびにム−ブメント吸収手段12aは下地と下地用シート12を接合するアスファルト系粘着層21と前記アスファルト系基層12bの下面に縦横に形成される連通溝22とにより構成されている。これら連通溝22は通気手段を攻勢する一方、前記粘着層21と協働して下地の動きを緩衝・吸収してアスファルト系基層12bに動きが直接伝導することを防止する。
また、図2において前記親和手段12cは、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂フィルムにより形成されていて、この上に塗工されるウレタン防水層との接合性を確保するようになっている。
図3は、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂フィルムにより構成される前記親和手段12cの一部切欠斜視図である。 この親和手段12c表面には格子が描画されていてウレタン防水材の塗工に際して膜厚を均一にする基準となるマーカーMを構成している。すなわち、ウレタン防水材の塗工はこのマーカーMが視認できなくなるまで自在になせばよく、施工能率が向上し、また膜厚も均一が容易であり、所定の膜厚を実現するのに必要充分な塗布量のみで高品質な塗膜を形成できる。
上記実施例に係るウレタン塗膜防水構造において、前記木質系下地11は合板を用いており、各合板は次のよう形態で下地を形成している。
すなわち、合板を並列に敷設し各目地部分にシーリング剤を充填するかあるいはテープを帖付するなどの処理遮蔽手段を施して下地を形成する。 あるいはまた、木質系の合板を2枚重ねにし、各合板は目地が互いに重なり合わないように積層して下地を構成することになる。
さらに、上記実施例に係るウレタン塗膜防水層31は、下地用シート12上に積層された構成(複合工法)を有しているが、に際して、不織布、メッシュ材などの基材を核に使用して、下地にウレタン防水材を直接塗工する(密着工法)ようにしてもよい。
また、防水層とシート間、シートと下地間には、後述のように適宜プライマー層を形成することがある
上記実施例に係るウレタン塗膜防水構造における2液反応型ウレタン防水材の実施例を説明する。
防水材の主剤の調製
次の表1の配合に従って、2リットルの四つ口フラスコにポリオールと溶剤を仕込み、次いでジイソシアネートを仕込んだ。その後窒素気流下、攪拌しながら90〜100℃で7時間反応させた後、室温まで冷却して収缶し、防水材主剤1、防水材主剤2を得た。収缶後の防水材主剤1のNCO含有量は2.83重量%、防水材主剤2のNCO含有量は3.48重量%であった。
Figure 2008127898
上記表1中の原材料の説明:
PP−2000:サンニックスPP−2000、三洋化成工業株式会社製、ポリオキシプロピレンジオール、OH価56.1mgKOH/g
GP−3000:サンニックスGP−3000、三洋化成工業株式会社製、ポリオキシプロピル化グリセリン、OH価56.1mgKOH/g
GP−1000:サンニックスGP−1000、ポリオキシプロピル化グリセリン、三洋化成工業株式会社製、OH価168.3mgKOH/g
TDI−80:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業株式会社製、2,4−トリレンジイソシアネート80%含有品、NCO含有量48.3重量%
TDI−100:コロネートT−100、日本ポリウレタン工業株式会社製、2,4−トリレンジイソシアネート100%含有品、NCO含有量48.3重量%
防水材の硬化剤の調製
以下の表2の配合に従って、2リットルの金属容器にDETDA、DINP、添加剤類の液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根の直径50mm)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して防水材硬化剤1を得た。
防水材硬化剤2は、表2の配合に従って、2リットルの金属容器にDETDA、DINP、添加剤類の液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根の直径50mm)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して得た。
防水材硬化剤3は、表2の配合に従って、2リットルの金属容器にDETDA、DINP、添加剤類の液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根の直径50mm)で低速混合し均一にした後、水酸化アルミニウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して硬化剤3を得た。
防水材硬化剤4は、表2の配合に従って、2リットルの金属容器に所定のDINPに溶解させたDETDAとMEDを配合し、さらに添加剤類を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根の直径50mm)で低速混合し均一にした後、水酸化アルミニウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して得た。
防水材硬化剤5は、表2の配合に従って、2リットルの金属容器にDETDA、DINP、添加剤類の液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根の直径50mm)で低速混合し均一にした後、水酸化アルミニウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して得た。
防水材硬化剤6は、表2の配合に従って、2リットルの金属容器に所定のT−500に溶解させたMOCAを仕込み、さらにDINP、オクチル酸鉛、添加剤類、シェルゾールSの液物を仕込み攪拌機(直径50mm)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して得た。
Figure 2008127898
上記表2中の原材料の説明:
MOCA:イハラキュアミンMT、イハラケミカル工業株式会社製、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)
DETDA:エタキュア100、アルベマールコーポレーション製
MED:キュアハードMED、イハラケミカル工業株式会社製、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’ジアミノジフェニルメタン
T−500:ポリハードナーT−500、第一製薬工業株式会社製、ポリオキシプロピル化グリセリン、OH価33.7mgKOH/g
DINP:サンソサイザーDINP、新日本理化株式会社製、ジイソノニルフタレート
オクチル酸鉛:ミニコーP−20S、ハリマ化成株式会社製、2-エチルヘキシル酸鉛、Pbとして20%含有
添加剤類:楠本化成株式会社製
炭酸カルシウム:NS#100、日東粉化工業株式会社製、
水酸化アルミニウム:B−103、日本軽金属株式会社製
トナー:御国色素株式会社製、
防水材の調製
次の表3に示す配合にて、防水材1〜6を得た。
Figure 2008127898
トップコート
次の表4に示した配合のトップコート1〜4を得た。
Figure 2008127898
表4の説明
HPトップ:1液型水系難燃アクリルトップコート、高圧ガス化学工業株式会社製
オルタック水系コート:2液型水系アクリルウレタントップコート、田島ルーフィング株式会社製
パティオコート:環境対応2液型アクリルウレタントップコート、田島ルーフィング株式会社製
オルタックコート:2液型アクリルウレタントップコート、田島ルーフィング株式会社製
フィライト52/7FG:アルミノシリケート系中空バルーン、日本フィライト株式会社製
次いで、以下の表5に従って、防水積層構造の実施例1〜5及び比較例1ならびにその性能を説明する。ここで、防水積層構造とは、トップコート層、防水層、プライマー層(層間のものを含む)による積層部構造を意味している。
Figure 2008127898
表5の説明
オルタックプライマープラスMWタイプ:環境対応1液湿気硬化型プライマー(田島ルーフィング株式会社製)
オルタックプライマープラスM:環境対応1液湿気硬化型プライマー(田島ルーフィング株式会社製)
以下、本願発明に係る防水材、トップコート材について実施例を説明する。
実施例1
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプ(田島ルーフィング株式会社製)を0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、難燃剤を配合していない防水材硬化剤1とからなる防水材1を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2.5時間で歩行可能となった(注1)。
次いで層間プライマーとして、オルタックプライマープラスMを0.10kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
翌日、トップコートとして、難燃剤既配合であり、1液型水系難燃アクリルトップコートであるトップコート1をウィンナーローラーで0.75kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内で歩行できるほど硬化していた。その後、さらにトップコート1をウィンナーローラーで0.75kg/平方メートル塗布し、2時間以内で歩行可能となり、1.5日で施工が終了した。
また、トップコートの接着性(注3)をチェックしたところ、良好な接着性が得られていた(評価:○)。
さらには、上記工程による防水構造における飛び火試験(注4)は合格であった(評価:○)。

注1)防水材の硬化性
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、防水材主剤と防水材硬化剤を所定の割合で攪拌・混合後、2.5kg/平方メートル塗布し、次工程に進めるまでの時間を測定した。
注2)可使時間
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、防水材主剤と防水材硬化剤を所定の割合で攪拌・混合開始から、BH型粘度計で2rpmにおける粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を測定した。
注3)トップコートの接着性
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、防水材を2.5kg/平方メートル塗布・硬化後、トップコートを所定量塗布した。
各々の試験体はトップコート塗布後7日目に接着試験を行った。
接着試験はトップコートの面の同じ場所を、ゴムベラ先端を厚さ5mmにカットした角の部分で10往復(5cm巾で移動)こすった後のトップコートの剥がれを観察するラビング試験を行った。
評価○:まったく剥がれない場合、評価△:一部分(30%以下)剥がれる場合、評価×:30%以上剥がれる場合
注4)飛び火試験
建築基準法で定められた飛び火性能の性能評価試験。
評価○:合格、評価×:不合格
実施例2
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、難燃剤として水酸化アルミニウムを配合している防水材硬化剤2とからなる防水材2を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2.5時間で歩行可能となった。
翌日、トップコートとして、2液型水系アクリルウレタントップコートに、難燃剤としてアルミノシリケート系中空バルーンであるフィライト52/7FGを10%配合したトップコート2をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内で、歩行できるほど硬化していた。その後、さらにトップコート2をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布し、2時間以内で歩行可能となり、1.5日で施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、良好な接着性が得られていた(評価:○)。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
実施例3
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、難燃剤として水酸化アルミニウムを配合している防水材硬化剤3とからなる防水材3を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2.5時間で歩行可能となった。
その後、トップコートとして、環境対応2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート3をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間以内で、歩行可能となり、当日中に施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、良好な接着性が得られていた(評価:○)。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
実施例4
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、MEDを使用し、難燃剤として水酸化アルミニウムを配合している防水材硬化剤4とからなる防水材4を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、3.0時間で歩行可能となった。
その後、トップコートとして、環境対応2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート3をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間で、歩行できるほど硬化し、当日中に施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、良好な接着性が得られていた(評価:○)。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
実施例5
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、難燃剤として水酸化アルミニウムを配合している防水材硬化剤5とからなる防水材5を2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、4.0時間で歩行可能となった。
翌日、トップコートとして、環境対応2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート3をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間で、歩行できるほど硬化していて、1.5日で施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、○〜△であったが、実用上問題ないレベルである。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
次に上記各実施例に係る比較実験を説明する。
比較例1
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
プライマー硬化後、直ちに、防水材主剤2と、MOCAを配合し、難燃剤を配合していない防水材硬化剤6とからなる防水材6を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。しかし、硬化剤中の反応成分の主成分がMOCAであるためか、当日中には硬化せず、次工程(トップコートの塗布)に移れなかった。
翌日、防水材6の硬化を確認した後、トップコートとして、通常の2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート4をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間以内で、歩行できるほど硬化していて、1.5日で施工が終了した。しかし、トップコート4は、溶剤にトルエン、キシレンを含んでいるため、臭気や毒性の問題があり、環境対応の観点からすると、本発明のトップコートには適していない。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は不合格であった(評価:×)。
本願発明のウレタン塗膜防水構造の1実施例に係る断面図である。 緩衝層としての前記下地用シート12を示す断面図である。 エチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂フィルムにより構成される前記親和手段12cの一部切欠斜視図である。
符号の説明
11.........木質系下地
12.........下地緩衝層としての下地用シート
12a........ム−ブメント吸収手段
12b........アスファルト系基層
12c........親和手段
22.........連通溝
31.........2液反応型ウレタン防水材によるウレタン塗膜防水層
41.........2液反応型ウレタントップコート材によるトップコート層

Claims (19)

  1. 下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするとともに、前記防水材および/またはトップコート材に難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を有していることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  2. 請求項1記載のウレタン塗膜防水構造において、前記2液反応型ウレタン防水材の主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して20〜60重量部の可塑剤を配合してウレタン系防水層における所定の機械的強度と必要充分な可使時間を確保しつつ速硬化性を得られるように構成したことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  3. 請求項2記載のウレタン塗膜防水構造において、主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して難燃剤として水酸化アルミニウムを10重量部ないし140重量部を配合したことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、トップコート層を形成するトップコート材にはトルエン、キシレン、酢酸ブチル等の有機溶剤中毒予防規則第2種溶剤に替えて同規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則に該当しない溶剤を用いた環境配慮性行を有する2液反応型溶剤系アクリルウレタン塗料を用いたことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  5. 下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするとともに、前記トップコート材は2液反応型アクリルウレタン塗料からなり、溶剤は有機溶剤中毒予防規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則該当外溶剤で構成するとともにさらに難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を具備させたことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、下地と前記ウレタン系防水層との間には下地用シ−トからなる下地緩衝層が介装され、この下地緩衝層は表面にウレタン系防水材との良好な接着性を確保するための親和手段を有し、通気手段ならびにム−ブメント吸収手段を介して下地面に接合手段により固着されてなることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  7. 請求項6記載のウレタン塗膜防水構造において、下地用シ−トはアスファルト系、ゴム系または合成樹脂系のいずれかの材によるシ−トからなり、前記シ−トの表面に形成するウレタン系防水材との親和手段はエチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂層からなり、さらに通気手段ならびにム−ブメント吸収手段は前記下地用シ−トの裏面に形成した連通溝で構成したことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  8. 請求項7記載のウレタン塗膜防水構造において、防水シ−トの接合手段は接着剤であることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、下地は合板を並列に敷設し各目地部分に遮蔽手段を形成してなることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
  10. 請求項1ないし9いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、下地は木質系の合板2枚重ねに構成し、各合板は目地が互いに重なり合わないように積層してなるウレタン塗膜防水構造。
  11. 速硬化性ならびに環境対応低臭性を具現するとともに工期短縮工法に適した2液反応型ウレタン防水材であって、一方の主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、他方の硬化剤中の反応成分の主成分をDETDAおよび/またはテトラアルキルジアミノジフェニルメタンとすることにより、個人住宅ベランダ・バルコニー防水に要求される可使時間を保持したうえで、年間を通して数時間で硬化し、かつ防水性能および歩行使用にも耐えうる耐久性を保持できる防水層の形成を可能にしたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
  12. 請求項11記載の2液反応型ウレタン防水材において、硬化剤の反応成分の主成分の混合比は、DETDA/テトラアルキルジアミノジフェニルメタン=100/0〜50/50(重量比)としたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
  13. 請求項11又は12いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対し、可塑剤量を20〜60重量部の範囲に設定して、トップコート等上塗り材との接着性およびタック性の改善に併せて速硬化性を具現できるようにした2液反応型ウレタン防水材。
  14. 請求項11ないし13いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、主剤の主成分であるTDIプレポリマーに使用するTDIは2,4−TDIを80重量%以上含有するようにして、速硬化性と長い可使時間を併有できるようにしたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
  15. 請求項11ないし14いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、硬化剤中に難燃剤を添加して、建築基準法に係る飛び火試験に適合する防水層を形成できるようにしたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
  16. 請求項15記載の2液反応型ウレタン防水材において、難燃剤は水酸化アルミニウムとして、その配合量は主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対し、10〜140重量部の範囲に設定したことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
  17. 請求項11ないし16いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、前記2液反応型ウレタン防水材の主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して20〜60重量部の可塑剤を配合してウレタン系防水層における所定の機械的強度と必要充分な可使時間を確保しつつ速硬化性を得られるように構成したことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
  18. 下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするウレタン塗膜防水構造において、前記トップコート層を形成するトップコート材は、2液反応型アクリルウレタン塗料からなり、溶剤を有機溶剤中毒予防規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則該当外溶剤で構成するとともにさらに難燃剤の配合により防水層の難燃性の有無にかかわらず建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を具備するウレタン塗膜防水構造を構成できるトップコート材。
  19. 請求項17記載のトップコート材において、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミックその他の粉体の無機系難燃剤を添加したことを特徴とするトップコート材。
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