JP2008127898A - ウレタン塗膜防水構造とこれに使用する防水材およびトップコート材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下地、この下地上に速硬化性ならびにトルエン・キシレン以外の溶剤・希釈材により環境対応低臭性の2液反応型ウレタン防水材によるウレタン系防水層、この防水層上に環境対応低臭性を具現するトップコート材を塗工してなり、2液反応型ウレタン防水材は、主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤の架橋剤の主成分をDETDAおよび/またはMEDとして環境対応低臭性・速硬化性を具現し、防水剤および/又はトップコート材には難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を有するウレタン塗膜防水構造。
【選択図】 図1
Description
イ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、速硬化性を実現し、特に個人住宅のベランダ、バルコニー等の小面積の防水工事において、ほぼ1日前後の施工工程で完工可能にする。
ロ.環境対応低臭性を具現する2液反応型ウレタン防水材により、施工環境に配慮した低臭性を維持できる施工を可能にした塗膜防水技術を実現する。
ハ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、所定の難燃性を確保し、特に下地が木質系である場合に法規に適応する対飛び火性能を実現する。
ニ.木質系住宅のベランダ、バルコニー部分の防水材料として多用されておりサンディングによる粉塵の発生が不可避なFRP(Fiber Reinforced Plastic)による防水構造に替えて、粉塵の発生がなく静穏な施工環境を実現できる塗膜防水技術を提供する。
イ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、速硬化性を実現し、特に個人住宅のベランダ、バルコニー等の小面積の防水工事において、ほぼ1日前後の施工工程で完工可能になる。
ロ.環境対応低臭性を具現するウレタン防水材、トップコート材、あるいはプライマー材により、施工環境に配慮した低臭性を維持できる施工を可能にした塗膜防水技術が実現できる。
ハ.2液反応型ウレタン防水材に係る塗膜防水構造において、所定の難燃性を確保し、特に下地が木質系である場合に法規に適応する対飛び火性能を付与できる。
ニ.木質系住宅のベランダ、バルコニー部分の防水材料として多用されておりサンディングによる粉塵の発生が不可避なFRP(Fiber Reinforced Plastic)による防水構造に替えて、粉塵の発生がなく静穏な施工環境が期待できる塗膜防水技術が可能になる。
種々検討の結果、硬化剤中の反応成分の主成分をDETDAまたは/およびテトラアルキルジアミノジフェニルメタンとすることにより、個人住宅ベランダ・バルコニー防水に要求される可使時間を保持したうえで、年間を通して2〜4時間で硬化し、しかも防水性能および歩行使用にも耐えうる耐久性を保持できる防水層が形成できることを見出した。
以上の中でも、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’ジアミノジフェニルメタンがDETDAとの溶解性も良く、反応性及び機械的強度の面に優れており好ましい。3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’ジアミノジフェニルメタンは、例えば、キュアハードMED(商品名、イハラケミカル株式会社製)として市販されている。
また、DETDAおよびキュアハードMEDともに、従来の防水材に使用されてきたMOCAと異なり、特定化学物質等障害予防規則の特定化学物質および化審法の指定化学物質の何れにも該当しない低毒性硬化剤であり、環境にも配慮された防水材となる。
また、テトラアルキルジアミノジフェニルメタンを併用することにより可使時間の延長ができ、硬化物の硬度を高くでき防水材にも適した物性にできるというメリットもある。
だだし、この方法は層間プライマーを必要とする場合が多く施工工程が増えるという問題がある。また、エマルション塗料に難燃剤を配合するため、塗膜の耐水性、耐摩耗、耐汚染性、耐水接着等が低下するという問題がある。
無機系難燃剤としては、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミック等を使用することができる。
トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルホスフェート(TPP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、トリアリルホスフェート、トリキシリルホスフェート(TXP)等の芳香族系リン酸エステル、
CR−733S(大八化学工業株式会社製)、CR−741C(大八化学工業株式会社製)、ホスフレックス574(アクゾ社製)等の芳香族系リン酸エステルの縮合タイプ、
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)等のトリアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート(DMMP)、ジエチルエチルホスフェート(DEEP)等のジアルキルアルキルホスフェート等の脂肪族系リン酸エステル
CR−107(大八化学工業株式会社製)、ファイロール−51(アクゾ社製)、アンチブレーズ−19(A&R社製)、サンドフラム5060(サンド社製)等の脂肪族系リン酸エステルの縮合タイプ、
トリス(クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、トリス(クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP)、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート(TDCP)、ファイヤ・マスター836(グレート・レークス社製)、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等の脂肪族系含ハロゲンリン酸エステル、
CR−530(大八化学工業株式会社製)、CR−505(大八化学工業株式会社製)、CR−504(大八化学工業株式会社製)、CR−570(大八化学工業株式会社製)、CR−509(大八化学工業株式会社製)、CR−387(大八化学工業株式会社製)、サンドフラム5085(サンド社製)、アムガードV−6(A&R社製)、サーモリン101(オーリン社製)、ファイロール25(アクゾ社製)等の脂肪族系含ハロゲンリン酸エステルの縮合タイプ、
テトラヒドロキシメチルホスホニウムサルフェート(THPS)、ピロバテックスCP(チバ・ガイギー社製)、ファイロール76(アクゾ社製)、CR−106(大八化学工業株式会社製)、AA−1000(日本曹達株式会社製)、トレビラCS(ヘキスト社製)、ハイム(東洋紡績株式会社製)、CR−104(大八化学工業株式会社製)、ファイロール6(アクゾ社製)、CR−757(大八化学工業株式会社)、FR−D(FMC社製)、FR−T(FMC社製)等の反応型リン酸エステル、等を使用することができる。
以上の難燃剤は1種または2種以上を使用してもよい。
一方、硬化剤については、現行汎用品は特定化学物質、指定化学物質であるMOCAを数重量%使用しているのに対し、本発明で使用するDETDAおよびMEDはいずれにも該当せず好ましい。
また、硬化剤にDETDAおよびMEDを使用した防水材は、オクチル酸鉛等のような有機金属触媒を含まずに設計できることからも好ましい。
また、ウレタン防水材の粘度調整用希釈剤については、従来品はトルエン・キシレン等を数重量%配合し、さらに施工現場ではトルエン・キシレン溶剤で数%希釈し施工し易い粘度に調整してから施工するのが一般的であるが、本発明では、特開2005−299103に記載されたようなトルエン・キシレンを含有しない溶剤、さらには有機溶剤中毒予防規則に該当しない溶剤が好ましい。
また、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤も溶解性が比較的良好であり、また揮発性が高いわりに臭気も少なく、有機溶剤中毒予防規則外溶剤であり、好ましい。具体的にはメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、リカソルブ800(C8脂環族炭化水素、新日本理化株式会社製)リカソルブ900(C9脂環族炭化水素、新日本理化株式会社製)、リカソルブ1000(C10脂環族炭化水素、新日本理化株式会社製)、MC1000ソルベント(C9、C10脂環族炭化水素の混合物、三協化学株式会社製)等が挙げられる。
また、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといった比較的臭気が強い第2種溶剤(有機溶剤中毒予防規則)も一部使用することはできる。
2液反応型水系アクリルウレタントップコートにも、難燃剤を配合することができる。配合できる難燃剤としては、上記のウレタン防水材に配合できる難燃剤と同様のものが配合でき、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミック等の粉体の無機系難燃剤を使用することが好ましいが、塗膜性能が低下するため、多量には配合できない。
2液反応型アクリルウレタン塗料の主剤の主成分である無黄変型他官能イソシアネートとしては、具体的には、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の無黄変型多官能イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体、ダイマー体、プレポリマー及びこれらの変性体、非極性溶剤への溶解性を付与させるための変性体等が使用でき、これらは1種または2種以上使用できる。この中でも、無黄変型多官能イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体及びこれらの変性体が好ましく、さらには、主剤のイソシアネート成分の20重量%以上がヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートであると、飛び火試験においてトップコート層が炭化する傾向となり、難燃性に非常に有利であることからより好ましい。
使用できる溶剤としては、具体的には、沸点が85℃から230℃の脂肪族エステル類、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤、低沸点芳香族ナフサおよび芳香族含有石油系炭化水素溶剤、脂肪族および脂環族石油系炭化水素溶剤等の溶剤が使用でき、1種または2種以上の混合物を使用してもよい。
また、図2において前記親和手段12cは、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂フィルムにより形成されていて、この上に塗工されるウレタン防水層との接合性を確保するようになっている。
すなわち、合板を並列に敷設し各目地部分にシーリング剤を充填するかあるいはテープを帖付するなどの処理遮蔽手段を施して下地を形成する。 あるいはまた、木質系の合板を2枚重ねにし、各合板は目地が互いに重なり合わないように積層して下地を構成することになる。
また、防水層とシート間、シートと下地間には、後述のように適宜プライマー層を形成することがある
防水材の主剤の調製
次の表1の配合に従って、2リットルの四つ口フラスコにポリオールと溶剤を仕込み、次いでジイソシアネートを仕込んだ。その後窒素気流下、攪拌しながら90〜100℃で7時間反応させた後、室温まで冷却して収缶し、防水材主剤1、防水材主剤2を得た。収缶後の防水材主剤1のNCO含有量は2.83重量%、防水材主剤2のNCO含有量は3.48重量%であった。
PP−2000:サンニックスPP−2000、三洋化成工業株式会社製、ポリオキシプロピレンジオール、OH価56.1mgKOH/g
GP−3000:サンニックスGP−3000、三洋化成工業株式会社製、ポリオキシプロピル化グリセリン、OH価56.1mgKOH/g
GP−1000:サンニックスGP−1000、ポリオキシプロピル化グリセリン、三洋化成工業株式会社製、OH価168.3mgKOH/g
TDI−80:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業株式会社製、2,4−トリレンジイソシアネート80%含有品、NCO含有量48.3重量%
TDI−100:コロネートT−100、日本ポリウレタン工業株式会社製、2,4−トリレンジイソシアネート100%含有品、NCO含有量48.3重量%
以下の表2の配合に従って、2リットルの金属容器にDETDA、DINP、添加剤類の液物を仕込み、攪拌機(ディゾルバー羽根の直径50mm)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して防水材硬化剤1を得た。
MOCA:イハラキュアミンMT、イハラケミカル工業株式会社製、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)
DETDA:エタキュア100、アルベマールコーポレーション製
MED:キュアハードMED、イハラケミカル工業株式会社製、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’ジアミノジフェニルメタン
T−500:ポリハードナーT−500、第一製薬工業株式会社製、ポリオキシプロピル化グリセリン、OH価33.7mgKOH/g
DINP:サンソサイザーDINP、新日本理化株式会社製、ジイソノニルフタレート
オクチル酸鉛:ミニコーP−20S、ハリマ化成株式会社製、2-エチルヘキシル酸鉛、Pbとして20%含有
添加剤類:楠本化成株式会社製
炭酸カルシウム:NS#100、日東粉化工業株式会社製、
水酸化アルミニウム:B−103、日本軽金属株式会社製
トナー:御国色素株式会社製、
次の表3に示す配合にて、防水材1〜6を得た。
次の表4に示した配合のトップコート1〜4を得た。
HPトップ:1液型水系難燃アクリルトップコート、高圧ガス化学工業株式会社製
オルタック水系コート:2液型水系アクリルウレタントップコート、田島ルーフィング株式会社製
パティオコート:環境対応2液型アクリルウレタントップコート、田島ルーフィング株式会社製
オルタックコート:2液型アクリルウレタントップコート、田島ルーフィング株式会社製
フィライト52/7FG:アルミノシリケート系中空バルーン、日本フィライト株式会社製
オルタックプライマープラスMWタイプ:環境対応1液湿気硬化型プライマー(田島ルーフィング株式会社製)
オルタックプライマープラスM:環境対応1液湿気硬化型プライマー(田島ルーフィング株式会社製)
実施例1
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプ(田島ルーフィング株式会社製)を0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、難燃剤を配合していない防水材硬化剤1とからなる防水材1を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2.5時間で歩行可能となった(注1)。
次いで層間プライマーとして、オルタックプライマープラスMを0.10kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
翌日、トップコートとして、難燃剤既配合であり、1液型水系難燃アクリルトップコートであるトップコート1をウィンナーローラーで0.75kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内で歩行できるほど硬化していた。その後、さらにトップコート1をウィンナーローラーで0.75kg/平方メートル塗布し、2時間以内で歩行可能となり、1.5日で施工が終了した。
さらには、上記工程による防水構造における飛び火試験(注4)は合格であった(評価:○)。
注1)防水材の硬化性
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、防水材主剤と防水材硬化剤を所定の割合で攪拌・混合後、2.5kg/平方メートル塗布し、次工程に進めるまでの時間を測定した。
注2)可使時間
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、防水材主剤と防水材硬化剤を所定の割合で攪拌・混合開始から、BH型粘度計で2rpmにおける粘度が60,000mPa・sになるまでの時間を測定した。
注3)トップコートの接着性
23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内において、防水材を2.5kg/平方メートル塗布・硬化後、トップコートを所定量塗布した。
各々の試験体はトップコート塗布後7日目に接着試験を行った。
接着試験はトップコートの面の同じ場所を、ゴムベラ先端を厚さ5mmにカットした角の部分で10往復(5cm巾で移動)こすった後のトップコートの剥がれを観察するラビング試験を行った。
評価○:まったく剥がれない場合、評価△:一部分(30%以下)剥がれる場合、評価×:30%以上剥がれる場合
注4)飛び火試験
建築基準法で定められた飛び火性能の性能評価試験。
評価○:合格、評価×:不合格
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
翌日、トップコートとして、2液型水系アクリルウレタントップコートに、難燃剤としてアルミノシリケート系中空バルーンであるフィライト52/7FGを10%配合したトップコート2をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内で、歩行できるほど硬化していた。その後、さらにトップコート2をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布し、2時間以内で歩行可能となり、1.5日で施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、良好な接着性が得られていた(評価:○)。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、難燃剤として水酸化アルミニウムを配合している防水材硬化剤3とからなる防水材3を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、2.5時間で歩行可能となった。
その後、トップコートとして、環境対応2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート3をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間以内で、歩行可能となり、当日中に施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、良好な接着性が得られていた(評価:○)。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、MEDを使用し、難燃剤として水酸化アルミニウムを配合している防水材硬化剤4とからなる防水材4を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、3.0時間で歩行可能となった。
その後、トップコートとして、環境対応2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート3をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間で、歩行できるほど硬化し、当日中に施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、良好な接着性が得られていた(評価:○)。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
次いで、防水材主剤1と、難燃剤として水酸化アルミニウムを配合している防水材硬化剤5とからなる防水材5を2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、4.0時間で歩行可能となった。
翌日、トップコートとして、環境対応2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート3をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間で、歩行できるほど硬化していて、1.5日で施工が終了した。
また、トップコートの接着性をチェックしたところ、○〜△であったが、実用上問題ないレベルである。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は合格であった(評価:○)。
比較例1
気温23℃、湿度50%の空気循環型環境試験室内で、既存FRP下地にプライマーとしてオルタックプライマープラスMWタイプを0.15kg/平方メートルとなるようにウィンナーローラーで塗布し、経時で硬化性をチェックしたところ、2時間以内でタックフリーとなり歩行可能となった。
プライマー硬化後、直ちに、防水材主剤2と、MOCAを配合し、難燃剤を配合していない防水材硬化剤6とからなる防水材6を、2.5kg/平方メートルとなるようにゴムベラで均一に塗布した。しかし、硬化剤中の反応成分の主成分がMOCAであるためか、当日中には硬化せず、次工程(トップコートの塗布)に移れなかった。
翌日、防水材6の硬化を確認した後、トップコートとして、通常の2液型アクリルウレタントップコートであるトップコート4をウィンナーローラーで0.2kg/平方メートル塗布した。経時で硬化性をチェックしたところ、1時間以内で、歩行できるほど硬化していて、1.5日で施工が終了した。しかし、トップコート4は、溶剤にトルエン、キシレンを含んでいるため、臭気や毒性の問題があり、環境対応の観点からすると、本発明のトップコートには適していない。
さらには、上記工程の防水構造における飛び火試験は不合格であった(評価:×)。
12.........下地緩衝層としての下地用シート
12a........ム−ブメント吸収手段
12b........アスファルト系基層
12c........親和手段
22.........連通溝
31.........2液反応型ウレタン防水材によるウレタン塗膜防水層
41.........2液反応型ウレタントップコート材によるトップコート層
Claims (19)
- 下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするとともに、前記防水材および/またはトップコート材に難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を有していることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項1記載のウレタン塗膜防水構造において、前記2液反応型ウレタン防水材の主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して20〜60重量部の可塑剤を配合してウレタン系防水層における所定の機械的強度と必要充分な可使時間を確保しつつ速硬化性を得られるように構成したことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項2記載のウレタン塗膜防水構造において、主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して難燃剤として水酸化アルミニウムを10重量部ないし140重量部を配合したことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項1ないし3いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、トップコート層を形成するトップコート材にはトルエン、キシレン、酢酸ブチル等の有機溶剤中毒予防規則第2種溶剤に替えて同規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則に該当しない溶剤を用いた環境配慮性行を有する2液反応型溶剤系アクリルウレタン塗料を用いたことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするとともに、前記トップコート材は2液反応型アクリルウレタン塗料からなり、溶剤は有機溶剤中毒予防規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則該当外溶剤で構成するとともにさらに難燃剤の配合により建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を具備させたことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項1ないし5いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、下地と前記ウレタン系防水層との間には下地用シ−トからなる下地緩衝層が介装され、この下地緩衝層は表面にウレタン系防水材との良好な接着性を確保するための親和手段を有し、通気手段ならびにム−ブメント吸収手段を介して下地面に接合手段により固着されてなることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項6記載のウレタン塗膜防水構造において、下地用シ−トはアスファルト系、ゴム系または合成樹脂系のいずれかの材によるシ−トからなり、前記シ−トの表面に形成するウレタン系防水材との親和手段はエチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂層からなり、さらに通気手段ならびにム−ブメント吸収手段は前記下地用シ−トの裏面に形成した連通溝で構成したことを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項7記載のウレタン塗膜防水構造において、防水シ−トの接合手段は接着剤であることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項1ないし8いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、下地は合板を並列に敷設し各目地部分に遮蔽手段を形成してなることを特徴とするウレタン塗膜防水構造。
- 請求項1ないし9いずれか記載のウレタン塗膜防水構造において、下地は木質系の合板2枚重ねに構成し、各合板は目地が互いに重なり合わないように積層してなるウレタン塗膜防水構造。
- 速硬化性ならびに環境対応低臭性を具現するとともに工期短縮工法に適した2液反応型ウレタン防水材であって、一方の主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、他方の硬化剤中の反応成分の主成分をDETDAおよび/またはテトラアルキルジアミノジフェニルメタンとすることにより、個人住宅ベランダ・バルコニー防水に要求される可使時間を保持したうえで、年間を通して数時間で硬化し、かつ防水性能および歩行使用にも耐えうる耐久性を保持できる防水層の形成を可能にしたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
- 請求項11記載の2液反応型ウレタン防水材において、硬化剤の反応成分の主成分の混合比は、DETDA/テトラアルキルジアミノジフェニルメタン=100/0〜50/50(重量比)としたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
- 請求項11又は12いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対し、可塑剤量を20〜60重量部の範囲に設定して、トップコート等上塗り材との接着性およびタック性の改善に併せて速硬化性を具現できるようにした2液反応型ウレタン防水材。
- 請求項11ないし13いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、主剤の主成分であるTDIプレポリマーに使用するTDIは2,4−TDIを80重量%以上含有するようにして、速硬化性と長い可使時間を併有できるようにしたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
- 請求項11ないし14いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、硬化剤中に難燃剤を添加して、建築基準法に係る飛び火試験に適合する防水層を形成できるようにしたことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
- 請求項15記載の2液反応型ウレタン防水材において、難燃剤は水酸化アルミニウムとして、その配合量は主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対し、10〜140重量部の範囲に設定したことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
- 請求項11ないし16いずれか記載の2液反応型ウレタン防水材において、前記2液反応型ウレタン防水材の主剤中のイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して20〜60重量部の可塑剤を配合してウレタン系防水層における所定の機械的強度と必要充分な可使時間を確保しつつ速硬化性を得られるように構成したことを特徴とする2液反応型ウレタン防水材。
- 下地と、この下地上に形成した低毒性・速硬化性2液反応型ウレタン防水材による防水層と、この防水層上にトップコート材を塗工形成してなるトップコート層とを具えてなり、前記2液反応型ウレタン防水材を構成する主剤の主成分をTDIプレポリマーとし、硬化剤に含有される反応成分の主成分をDETDAおよび/またはMEDとするウレタン塗膜防水構造において、前記トップコート層を形成するトップコート材は、2液反応型アクリルウレタン塗料からなり、溶剤を有機溶剤中毒予防規則第3種溶剤および/または有機溶剤中毒予防規則該当外溶剤で構成するとともにさらに難燃剤の配合により防水層の難燃性の有無にかかわらず建築基準法に係る飛び火性能試験に適合する難燃性を具備するウレタン塗膜防水構造を構成できるトップコート材。
- 請求項17記載のトップコート材において、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、無機系中空バルーン、セラミックその他の粉体の無機系難燃剤を添加したことを特徴とするトップコート材。
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