JP2019137934A - ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤ - Google Patents

ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2019137934A
JP2019137934A JP2018020984A JP2018020984A JP2019137934A JP 2019137934 A JP2019137934 A JP 2019137934A JP 2018020984 A JP2018020984 A JP 2018020984A JP 2018020984 A JP2018020984 A JP 2018020984A JP 2019137934 A JP2019137934 A JP 2019137934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nylon
fiber
spinning
tire
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018020984A
Other languages
English (en)
Inventor
健一 杉本
Kenichi Sugimoto
健一 杉本
康夫 後藤
Yasuo Goto
康夫 後藤
山田 洋平
Yohei Yamada
洋平 山田
亮介 松山
Ryosuke Matsuyama
亮介 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2018020984A priority Critical patent/JP2019137934A/ja
Publication of JP2019137934A publication Critical patent/JP2019137934A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を製造することが可能な、ナイロン4繊維の製造方法を提供する。【解決手段】ナイロン4を溶媒に溶解させ、紡糸用溶液を得る工程と、前記紡糸用溶液を用いて乾式紡糸し、未延伸繊維を得る工程と、前記未延伸繊維を延伸し、ナイロン4繊維を得る工程と、を含み、前記ナイロン4は、重量平均分子量が550,000以上であり、前記紡糸用溶液は、溶解している前記ナイロン4の濃度が15質量%以上であり、前記延伸する工程における延伸温度が180℃以上240℃以下であり、且つ、延伸倍率が4倍以上である、ことを特徴とする、ナイロン4繊維の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤに関する。
ポリアミド樹脂の1つであるナイロン4は、より汎用的なポリアミド樹脂であるナイロン6及びナイロン66に比べ、アミド結合の密度が高く、熱的及び機械的に優れた特性を示す樹脂として期待されている。この点に関し、例えば非特許文献1では、ナイロン4の結晶の弾性率が他の既存のナイロンよりも優れることを予想している。
ナイロン6及びナイロン66は、一般的に溶融紡糸によって繊維にされる。その一方で、ナイロン4を原料とする繊維(ナイロン4繊維)は、古くから優れた特性のポテンシャルを知られながら、ナイロン4の融点と分解温度とが近接しているため、溶融紡糸による繊維化が困難とされてきた。
ここで、ナイロン繊維の強度の向上は、特にタイヤコードをはじめとする産業用途において、使用量の削減及び製品の軽量化につながるため好ましいと考えられている。また、ナイロン繊維の弾性率の向上は、例えばタイヤ用途において、操縦安定性、ロードノイズ、フラットスポット等の性能に好影響を与えるものと考えられている。そして、ナイロン4は、バイオ由来で合成されることが報告されており(非特許文献2、特許文献1)、将来的にはバイオ由来でナイロン4及びそれを用いた繊維を製造することも可能であると考えられることから、ナイロン4の採用は、環境への配慮という点で好ましい。
このような状況の下、ナイロン6及びナイロン66に代えてナイロン4を用い、タイヤを中心としたゴム補強用の繊維とするために、高強力で既存のナイロンよりも高弾性のナイロン4繊維を紡糸するための検討が行われている。
例えば、特許文献2〜4は、ナイロンの水素結合を弱める可塑剤のような働きをする薬剤を混入し、ナイロン4を溶融紡糸によって繊維化することを開示している。更に、特許文献5は、塩を添加することでナイロン4の融点を降下させ、分解することなく溶融紡糸を行う技術を開示している。
一方、溶融紡糸以外に、湿式紡糸、乾湿式紡糸又は乾式紡糸などによるナイロン4繊維の製造についてもこれまで検討されている。
例えば、特許文献6は、ギ酸及び塩化メチレンに溶解させて湿式紡糸する技術を開示し、特許文献7は、塩化亜鉛含有の水溶液に溶解させて湿式紡糸する技術を開示している。更に、特許文献8は、溶媒としてイオン液体を用い、湿式若しくは乾湿式紡糸又はゲル紡糸により、ナイロン4繊維を得ることを開示している。
特許文献9、10は、ナイロン4を乾式紡糸により繊維化することを開示している。
Anik Peetersら、Int. J. Quantam Chem., 87, 307-310 (2002) Norioki Kawasaki et al., Polymer, 46, 9987-9993 (2005)
特開2009−159840号公報 米国特許出願公開第3,009,893号明細書 特開昭50−6817号公報 特開昭50−12325号公報 国際公開第2012/157576号 米国特許出願公開第4,094,945号明細書 特公昭36−5165号公報 国際公開第2015/186364号 米国特許出願公開第3,076,774明細書 米国特許出願公開第3,324,061明細書
しかしながら、溶融紡糸の上記従来技術に関し、特許文献2〜4に開示の繊維の強力は、それぞれ約3g/d、2.7g/d、及び2.8g/dに留まり、いずれも十分に高いとはいえない。更に、特許文献5に開示の技術では、樹脂への塩の添加が困難であること、並びに、溶融紡糸の後に繊維を洗浄して塩を除去する必要があり、除去した箇所がボイドとなること等により、繊維の高強力化が困難である。
また、湿式紡糸又は乾湿式紡糸の上記従来技術に関し、特許文献6,7に開示の繊維の強力は、それぞれ4.21g/d及び3.44g/dに留まり、いずれも十分に高いとはいえない。更に、特許文献8に開示の技術では、比較的高強力のナイロン4繊維が得られるものの、非常に高価なイオン液体を使用するため、工業化が困難である。
そして、乾式紡糸の上記従来技術に関し、特許文献9,10は、ナイロン4を用いた乾式紡糸についての具体的な手順及び得られた繊維の具体的な物性を、何ら示していない。
以上より、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を製造する技術の開発が、強く望まれている。
そこで、本発明の目的は、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を製造することが可能な、ナイロン4繊維の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を提供することにある。更に、本発明の目的は、操縦安定性等の性能に優れるタイヤを提供することにある。
即ち、本発明のナイロン4繊維の製造方法は、
ナイロン4を溶媒に溶解させ、紡糸用溶液を得る工程と、
前記紡糸用溶液を用いて乾式紡糸し、未延伸繊維を得る工程と、
前記未延伸繊維を延伸し、ナイロン4繊維を得る工程と、を含み、
前記ナイロン4は、重量平均分子量が550,000以上であり、
前記紡糸用溶液は、溶解している前記ナイロン4の濃度が15質量%以上であり、
前記延伸する工程における延伸温度が180℃以上240℃以下であり、且つ、延伸倍率が4倍以上である、ことを特徴とする。本発明のナイロン4繊維の製造方法によれば、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を製造することができる。
本発明のナイロン4繊維の製造方法においては、入手容易性及び高い溶解度の観点から、前記溶媒がギ酸を含むことが好ましい。
本発明のナイロン4繊維の製造方法においては、前記溶媒が、ヘキサフルオロイソプロパノール及びトリフルオロ酢酸から選択される1種以上を更に含むことが好ましい。この場合、紡糸工程において、溶媒をより容易に揮発させることができる。
本発明のナイロン4繊維は、上記ナイロン4繊維の製造方法により製造される、ことを特徴とする。本発明のナイロン4繊維は、高い強度及び弾性率を有する。
本発明のタイヤは、上記ナイロン4繊維を補強部材に用いたことを特徴とする。本発明のタイヤは、操縦安定性等の性能に優れる。
本発明のタイヤにおいては、前記補強部材がベルト補強層を含むことが好ましい。この場合、操縦安定性が向上するとともに、ロードノイズ及びフラットスポットが抑制される。
本発明によれば、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を製造することが可能な、ナイロン4繊維の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を提供することができる。更に、本発明によれば、操縦安定性等の性能に優れるタイヤを提供することができる。
本発明のナイロン4繊維の製造方法で使用可能な、一実施形態の乾式紡糸装置の概略図である。 本発明のナイロン4繊維製造方法で使用可能な、一実施形態の延伸装置の概略図である。 本発明の一実施形態のタイヤの半部についての子午線断面図である。 本発明の一実施形態のナイロン4繊維についての、温度と貯蔵弾性率(E’)との関係曲線を示す図である。 本発明の一実施形態のナイロン4繊維の製造方法で得られる未延伸繊維の断面概略図である。 一比較例のナイロン4繊維の製造方法で得られる未延伸繊維の断面概略図である。 本発明のナイロン4繊維の製造方法で使用可能な、一実施形態のナイロン4の分子量分布を示す図である。
(ナイロン4繊維の製造方法)
本発明の一実施形態のナイロン4繊維の製造方法(以下、「本実施形態の製造方法」と称することがある。)は、樹脂であるナイロン4を溶媒に溶解させ、紡糸用溶液を得る工程(溶解工程)と、上記紡糸用溶液を用いて乾式紡糸し、未延伸繊維を得る工程(紡糸工程)と、上記未延伸繊維を延伸し、ナイロン4繊維を得る工程(延伸工程)と、を少なくとも含むことを一特徴とし、更に必要に応じて、延伸工程の前の未延伸繊維を乾燥する工程(乾燥工程)等の、その他の工程を含むことができる。また、本実施形態の製造方法においては、上記ナイロン4の重量平均分子量が550,000以上であること、及び、上記紡糸用溶液における溶解しているナイロン4の濃度が15質量%以上であること、も一特徴とする。
本実施形態の製造方法は、本発明者らがナイロン4繊維の乾式紡糸に着目し、鋭意検討を経て見出されたものである。そして、本実施形態の製造方法によれば、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を製造することができる。
なお、本明細書において「ナイロン4繊維」とは、ナイロン4を含む線状高分子の繊維を意味する。
また、本明細書において「乾式紡糸」とは、原料を溶媒に溶解させた状態で口金(ノズル)から吐出させ、熱雰囲気中で溶媒を蒸発させて繊維状にすることを意味する。
以下、本実施形態の製造方法で用いる原料について、具体的に説明する。
<ナイロン4>
上述の通り、本実施形態の製造方法では、重量平均分子量が550,000以上であるナイロン4を用いる。一般に、繊維の高強力化及び高弾性化を達成するためには、高度な分子配向が必要となるが、従来の乾式紡糸の例では、高強力化及び高弾性化が十分に達成されたナイロン4繊維を得ることができなかった。このような状況下、本発明者らは、通常用いられるナイロン4は分子量が低く、そのために繊維化しても分子の絡まりが不十分であったことを突き止めたとともに、重量平均分子量が550,000以上のナイロン4を用いることで、乾式紡糸した繊維の分子の絡まりが高まり、より高倍率で延伸させることができることを見出した。
なお、ナイロン4の重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、ポリメチルメタクリレートを標準物質として用いて測定される。
本実施形態で用いるナイロン4の調製方法としては、所定の重量平均分子量が達成される限り、特に制限されない。例えば、ナイロン4は、Polymer,46,p9987−9993(2005)に記載の2−ピロリジノンの開環重合法により、調製することができる。また、高分子量のナイロン4は、特開平5−0201号公報に記載の製法を参考にして、モノマーとしての2−ピロリジノンから調製することができる。
原料の2−ピロリジノンとしては、例えば、石油から生産されるもの、微生物由来の酵素を用いてγ−アミノ酪酸等のバイオ由来資源から生産されるもの、などを用いることもできる。
<その他のポリアミド樹脂>
なお、本実施形態の製造方法では、上述した重量平均分子量が550,000以上でありナイロン4(以下、単に「ナイロン4」と称することがある。)とともに、その他のポリアミド樹脂を原料として用いてもよい。その他のポリアミド樹脂としては、例えば、重量平均分子量が550,000未満のナイロン4、ナイロン4以外の脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、全芳香族ポリアミド(アラミド等)、半芳香族ポリアミド(ナイロン6T/66、ナイロン6T/6I等)等が挙げられる。但し、環境への配慮の点等から、本実施形態の製造方法では、上記その他のポリアミド樹脂を用いないことが好ましい。
次に、本実施形態の製造方法に含まれる各工程について、具体的に説明する。
<溶解工程>
溶解工程は、上記ナイロン4を溶媒に溶解させ、紡糸用溶液を得る工程である。また、この溶解工程で得られる紡糸用溶液は、溶解している上記ナイロン4の濃度が15質量%以上である。換言すれば、この溶解工程では、紡糸用溶液における濃度が15質量%以上となるように、上記ナイロン4を溶媒に溶解させる。なお、得られる紡糸用溶液におけるナイロン4の濃度が15質量%未満であると、蒸発させる溶媒の量が多すぎて、乾式紡糸することができないか、或いは、得られる繊維にボイドが多く発生し、高強度なナイロン4繊維を最終的に得ることができない。
また、紡糸用溶液に溶解しているナイロン4の濃度は、使用する溶媒に対するナイロン4の溶解度にも依存するが、30質量%以下であることが好ましい。濃度が30質量%以下であることで、溶液粘度の上昇を抑制し、より容易に乾式紡糸を行うことができる。同様の観点から、紡糸用溶液におけるナイロン4の濃度は、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
溶媒としては、例えば25℃においてナイロン4が15質量%以上で溶解するものであれば、特に制限されないが、入手容易性及び高い溶解度の観点から、ギ酸を用いることが好ましい。換言すれば、溶解工程で用いる溶媒は、ギ酸を含むことが好ましい。また、溶媒としては、ギ酸以外に、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)及びトリフルオロ酢酸(TFA)等が挙げられ、これらをギ酸とともに併用することができる。換言すれば、溶解工程で用いる溶媒は、ギ酸に加えて、ヘキサフルオロイソプロパノール及びトリフルオロ酢酸から選択される1種以上を更に含むことができる。ヘキサフルオロイソプロパノール及びトリフルオロ酢酸は、沸点が比較的低いため、後述する紡糸工程において溶媒をより容易に揮発させることができる点で、好ましい。また、溶媒としてギ酸とヘキサフルオロイソプロパノール及びトリフルオロ酢酸から選択される1種以上とを併用する場合、溶媒におけるギ酸の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
<紡糸工程>
紡糸工程は、溶解工程で得られた紡糸用溶液を用いて乾式紡糸し、未延伸繊維を得る工程である。乾式紡糸の操作としては、特に制限されず、従来用いられている乾式紡糸装置により、乾式紡糸することができる。
一例として、図1に、本実施形態の製造方法で使用可能な乾式紡糸装置の概略図を示す。図1に示される乾式紡糸装置100においては、まず、シリンジ11に紡糸用溶液が充填される。シリンジ11に充填された紡糸用溶液は、プランジャー115により上部から圧力が加えられることで、シリンジ11の下端に取り付けられたノズル116から気中に吐出される。また、ノズル116の直下には、ヒーター12が設けられており、所定の温度に調整可能な熱雰囲気が形成される。そして、吐出後の溶液からは繊維が形成され、また、上記熱雰囲気により、当該繊維からの溶媒の蒸発が促進される。その後、繊維は、ノズルの鉛直下方に設けられた送りローラー13を含む1つ以上の送りローラーを介して順次送られ、巻き取りローラー15によって繊維(未延伸繊維)が巻き取られる。
なお、ヒーター12から鉛直下方の送りローラー13までは、図1に示すように、溶媒トラップ17が設けられた筒16(例えば、ポリカーボネート製の筒)により、繊維を囲ってもよい。また、図1に示すように、ローラー間(例えば、送りローラー13と送りローラー14との間、又は、送りローラー14と巻き取りローラー15との間)に外径測定器18を設け、乾式紡糸で得られた繊維の径を定期的に測れるようにしてもよい。更に、図1に示すように、一連の紡糸工程を、保護カバー19で覆われた乾式紡糸装置100で行ってもよい。
<乾燥工程>
本実施形態の製造方法では、後述する延伸工程の前に、乾燥工程として、紡糸工程で得られた未延伸繊維を乾燥してもよい。乾燥の方法としては、特に制限されず、例えば所定の温度及び湿度に調整されたチャンバー内に繊維を放置する方法等が挙げられる。
<延伸工程>
延伸工程は、紡糸工程又は乾燥工程の後の未延伸繊維を延伸し、ナイロン4繊維を得る工程である。本実施形態の製造方法では、この延伸工程を経て、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を最終的に得ることができる。
延伸の操作としては、特に制限されず、従来用いられている延伸装置により、未延伸繊維を延伸することができる。
一例として、図2に、本実施形態の製造方法で使用可能な延伸装置の概略図を示す。図2に示される延伸装置200において、繊維は、送出ローラー21、ローラーガイド23によって順次送られる間に、所定の温度(延伸温度)に調整可能な加熱チャンバー22を通過することで加熱される。また、繊維は、巻き取りローラー25の巻き取り速度を、送出ローラー21の送り速度よりも大きくすることで、延伸される。このとき、延伸倍率は、巻き取り速度及び送り速度をそれぞれ変化させることで調整される。
なお、図2に示すように、巻き取りローラー25の前段に張力計24を設け、延伸繊維の張力を連続的に測れるようにしてもよい。
ここで、延伸工程に供される未延伸繊維は、溶媒の濃度が0.5質量%以下であることが好ましい。溶媒の濃度が0.5質量%以下であることで、最終的に得られるナイロン4繊維の強度及び弾性率をより向上させることができる。同様の観点から、未延伸繊維における溶媒の濃度は、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが更に好ましい。
なお、未延伸繊維における溶媒の濃度の低減は、例えば、上述した乾燥工程を実施する、紡糸用溶液に溶解しているナイロン4の濃度を高める、乾式紡糸装置における熱雰囲気の温度を高める、水蒸気を当てる等により、達成することができる。
延伸工程において、延伸温度は、180℃以上240℃以下であることを要する。延伸温度が180℃未満であると、糸斑が生じて、得られるナイロン4繊維の強度及び弾性率を高めることができない虞がある。また、延伸温度が240℃超であると、繊維が断線するなどの問題が生じる虞がある。また、延伸温度は、ナイロン4繊維の強度及び弾性率をより高める観点から、220℃以上であることが好ましい。
また、延伸工程において、延伸倍率は、4倍以上であることを要する。延伸倍率が4倍未満であると、得られるナイロン4繊維の強度及び弾性率を高めることができない虞がある。また、延伸倍率は、ナイロン4繊維の強度及び弾性率をより高める観点から、4.5倍以上であることが好ましく、5.0倍以上であることがより好ましい。
(ナイロン4繊維)
本発明の一実施形態のナイロン4繊維(以下、「本実施形態のナイロン4繊維」と称することがある。)は、上述したナイロン4繊維の製造方法により製造されることを特徴とする。本実施形態のナイロン4繊維は、上述した本実施形態の製造方法により製造されたため、高い強度及び弾性率を有する。そのため、本実施形態のナイロン4繊維は、衣料、ロープ、タイヤコード等の幅広い用途に適用可能である。
本実施形態のナイロン4繊維は、繊維強度が、好ましくは700MPa以上である。ナイロン4繊維の繊維強度が700MPa以上であれば、当該ナイロン4繊維を、例えばタイヤコードとして、特にはタイヤのベルト補強層に、好適に用いることができる。
なお、繊維強度は、実施例に記載の手順により求めることができる。
また、本実施形態のナイロン4繊維は、弾性率が、好ましくは6GPa以上である。ナイロン4繊維の弾性率が6GPa以上であれば、一般的にナイロン66よりも弾性率が高く、例えば既存のタイヤコードとして適用されているナイロン66の代替材料としての利用が期待できる。
なお、弾性率は、実施例に記載の手順により求めることができる。
(タイヤ)
本発明の一実施形態のタイヤ(以下、「本実施形態のタイヤ」と称することがある。)は、上述したナイロン4繊維を補強部材に用いたことを特徴とする。本実施形態のタイヤは、上述したナイロン4繊維が補強部材に用いられているため、操縦安定性の向上、ロードノイズの抑制、及びフラットスポットの抑制の少なくともいずれかを達成することができる。その上、本実施形態のタイヤは、上述の通り強度に優れるナイロン4繊維を用いているため、従来よりも軽量化を図ることができる。
なお、本実施形態のタイヤは、上記ナイロン4繊維を、タイヤを補強する任意の部材に用いたこと以外、特に制限はされない。但し、本実施形態のタイヤは、上記ナイロン4繊維を、ベルト補強層に用いることが好ましい。
以下、本発明の一好適例のタイヤを、図3を用いて説明する。図3は、当該タイヤの半部についての子午線断面図である。図3の示すタイヤ300は、トレッド部31と、トレッド部31の側部に連続してタイヤ径方向内方へ延びるサイドウォール部32と、サイドウォール部32のタイヤ径方向内方に連続するビード部33とを備える。また、タイヤ300においては、ビードコア34がビード33に埋設され、カーカス35が一対のビードコア間にトロイド状に延び、カーカス35のクラウン域の外周側にベルト層36が配設され、ベルト層36のタイヤ径方向外方にベルト補強層37が配設され、このベルト補強層37のタイヤ径方向外方にトレッド踏面38を形成するトレッドゴム39が配設されている。そして、タイヤ300においては、上記ナイロン4繊維がベルト補強層37(ベルト保護層、キャッププライとも呼ばれる)に用いられることで、操縦安定性が向上するとともに、ロードノイズ及びフラットスポットが抑制される。
なお、ベルト補強層37は、ベルト層36のタイヤ径方向外方に配設されていればよい。また、ベルト補強層37は、ベルト層36を全体的に覆っていてもよく、ベルト層36の一部のみを覆っていてもよいが、タイヤ性能の一層の向上の観点から、ベルト層36を全体的に覆っていることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(ナイロン4の調製)
以下に示す手順に従い、ナイロン4を調製した。
<モノマーの精製>
2−ピロリジノン(関東化学株式会社製、純度:98.0%)600gに硫酸4.0gを添加し、アルゴン気流中、100℃の油浴中で撹拌した。次いで、外浴温度150℃、1mmHgにて減圧蒸留し、初留約10mLを採った後、本留約570gを得た。このようにして、あらかじめモノマーとしての2−ピロリジノンの精製を行った。
<合成>
1Lのセパラブル4口フラスコに、撹拌羽根、セプタムキャップ、バルーンとアルゴンバブラーとを取り付けた三方コック、及び留去装置を取り付けた。このフラスコに、精製した2−ピロリジノンを570.0g投入し、減圧−アルゴン置換を3回行い、アルゴン雰囲気とした。その後、アルゴン気流中として、フラスコを30℃の油浴中に浸漬させ、100rpmにて撹拌した。
次いで、水酸化カリウム80.4gをフラスコに投入し、減圧して30分間減圧−撹拌を行った後、油浴温度を0.5℃/分の昇温速度で100℃まで昇温させた。そして、反応に伴って生じる水を、共沸されるピロリジノンと共に除いた。
次にアルゴン置換を行い、アルゴン気流中とした後、油浴温度を40℃とし、留去装置を取り除いた。そして、セプタムキャップからPFA製キャニュラを差し込み、炭酸ガスを60mL/分で供給し、75分間撹拌しながらバブリングした。
その後、撹拌羽根を液面から離し、アルゴン気流中、油浴温度は40℃のままで、40時間フラスコを放置した。このようにして、合成反応物を含む固体を得た。
<後処理>
得られた固体約500gを粉砕し、室温にて3Lの純水中で30分間撹拌した後、ろ過した。この操作をろ液のpHが中性になるまで繰り返し、洗浄した。その後、1Lの純水中における浸漬−撹拌を10時間行い、ろ液のpHが中性になっていることを確認して、樹脂を得た。この樹脂を、ミニスピードミルMS−05(ラボネクスト株式会社製)で粉砕し、100メッシュ以下に分級した。分級後、沸騰水中での5分間の洗浄を2回行った後、ろ過し、オーブン内で乾燥させた。このようにして、最終的にナイロン4を得た。
次いで、重合物として得られたナイロン4について、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、下記の条件にて、重量平均分子量及び数平均分子量の測定を行った。
溶離液:ヘキサフルオロイソプロパノール
前処理:メンブレンフィルター(0.2μm)でろ過
添加剤:トリフルオロ酢酸ナトリウム(5mmol/L)
標準物質:ポリメチルメタクリレート
濃度:0.05質量%
注入量:10μL
流速:0.3mL/min
カラム温度:40℃
使用装置:Shodex GPC−104(RI検出器使用)(昭和電工株式会社製)
カラム:Shodex GPC LF−404×2(昭和電工株式会社製)
その結果、上記ナイロン4は、重量平均分子量が564,335であり、数平均分子量が270,234であった。
また、参考までに、上記ナイロン4の分子量分布を図6に示す。
(実施例1)
上記の通り得られた乾燥済みのナイロン4を秤量し、溶媒としてのギ酸(99%ギ酸)と撹拌混合して、紡糸用溶液を得た。上記秤量は、紡糸用溶液に溶解しているナイロン4の濃度が20質量%となるように行った。また、上記撹拌は、吸湿したり、ギ酸が飛散して重量が減少したりしないようにするため、シーリングミキサーUZU(中村科学器械工業株式会社製)を用いて、外浴温度50℃でナイロン4が完全に溶媒に溶解するまで行った。
得られた紡糸用溶液を、密閉容器に入れた状態で40℃のオーブン内に約1時間放置し、溶液内の泡を除去した。次いで、溶液に泡が入らないように注意しながら、紡糸装置のシリンジに移し替えた。なお、紡糸装置としては、株式会社AIKIリオテック製の小型紡糸装置を用い、この紡糸装置で、乾式紡糸を行った。この紡糸装置の概略は、図1に示される通りである。具体的に、紡糸用溶液を40℃に保温し、シリンジ11に充填された紡糸用溶液に上部からプランジャー115にて圧力を加え、シリンジ11の下端に取り付けたノズル116(単孔ノズル、長さ:13mm、内径:0.26mm)から溶液を約0.05mL/分で吐出させた。紡糸線上の流動体表面を、紡糸に耐えうるだけの強度を発現する程度に乾燥固化するため、ノズル116の直下にヒーター12(加熱長10cmの透明ガラスヒーター)を設置し、70℃に設定して雰囲気加熱した。ノズル116から1つ目の送りローラー13までの距離を75cmとり、なるべく分子鎖を配向させないように、ほぼ自由落下の速度で糸を送り、後段の巻き取りローラー15により糸(未延伸繊維)を巻き取った。なお、この未延伸繊維を数本束ね、その断面を走査型電子顕微鏡で観察した。その断面の概略図を図5Aに示す。
得られた未延伸繊維を、温度20℃、相対湿度65%に調整した恒温恒湿室内に、残存溶媒濃度が0.0033質量%になるまで放置した。なお、残存溶媒濃度は、リガク社製の熱重量測定(TG)の装置を用い、試料3〜6mgを10℃/分の昇温速度で昇温し、100〜200℃における重量損失分が溶媒であるものとして測定した。
次いで、未延伸繊維を、延伸装置を用いて延伸した。この延伸装置の概略は、図2に示される通りである。用いた延伸装置200は、非接触式気中加熱延伸機(井元製作所製)であり、送出ローラー21、加熱チャンバー22(長さ:2m)、ローラーガイド23、張力計24及び巻き取りローラー25を備える。延伸条件としては、加熱チャンバー22における温度(延伸温度)を220℃に調整するとともに、巻き取り速度を一定(1.6m/分)に固定し、送出ローラー21の送り速度を変化させることで、延伸倍率を5.5倍に調整した。このようにして、最終的にナイロン4繊維(延伸繊維)を得た。
得られた延伸繊維について、以下の測定を行った。
<繊度>
延伸繊維を、温度20℃、相対湿度65%に調整した恒温恒湿室に一晩放置した後、サーチ株式会社製の繊度測定器「DENICON DC−21」を用い、繊度(dtex)を測定した。結果を表1に示す。
<弾性率>
延伸繊維を恒温恒湿室に放置した後、島津製作所株式会社製の小型卓上試験機「EZTest EZ−SX」を用いて、試料チャック間長20mm、引張速度20mm/分の条件で引張試験を行い、応力−歪み曲線を求めた。そして、曲線初期の直線部分の傾きを計算し、弾性率(GPa)を求めた。結果を表1に示す。
<繊維強度>
延伸繊維を恒温恒湿室に放置した後、島津製作所株式会社製の小型卓上試験機「EZTest EZ−SX」を用いて、試料チャック間長20mm、引張速度20mm/分の条件で引張試験を行い、この引張試験における破断強力(cN)を求めた。そして、上記で測定した繊度を用いて算出される強度(単位:cN/dtex)を、延伸繊維の密度を用いてPaの単位に変換し、繊維応力(MPa)を繊維強度の尺度として求めた。結果を表1に示す。
ここで、延伸繊維の密度については、学術文献(C.E.Barnes, Lenzinger Berrichte, p62-66, March, 1987)に記載されている「1.25g/cm」を代表値として採用した。なお、本実施例においても、浮沈法(トルエン−四塩化炭素系、25℃)によりいくつかの延伸繊維の密度測定を行った結果、1.252〜1.255g/cmの範囲内にあることを確認した。
<貯蔵弾性率(E’)>
アイティー計測制御株式会社製の動的粘弾性測定装置「DVA−200」を用い、延伸繊維について80℃における貯蔵弾性率(E’)を測定した。なお、測定においては、試料チャック間長:10mm、測定モード:引張り、昇温速度:10℃/分、周波数:10Hz、静/動力比:1.5とした。また、吸湿によるE’の低下の影響を除去するため、乾燥気流下、110℃まで一旦加熱した後、50℃未満に温度を下げて水分を除去し、再び昇温して融点付近(約260℃)まで加熱してデータを得た。結果を表1に示す。
また、昇温速度の条件を10℃/分として、温度と貯蔵弾性率との関係曲線を求めた。この関係曲線を、既存のタイヤコードとして用いられるナイロン66繊維の関係曲線とともに、図4に示す。
(実施例2)
実施例1において、紡糸用溶液に溶解しているナイロン4の濃度、未延伸繊維中の残存溶媒濃度、及び延伸倍率を、表1に示すように調整又は変更したこと以外は実施例1と同様にして、最終的にナイロン4繊維(延伸繊維)を得た。そして、得られた延伸繊維について、各測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、紡糸用溶液に溶解しているナイロン4の濃度を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、乾式紡糸を試みたが、紡糸することができなかった。
(比較例2)
実施例2と同様にして得られた紡糸用溶液を用い、湿式紡糸を行った。具体的に、紡糸用溶液を、凝固槽中の凝固液としてのメタノールに吐出し、凝固させて、未延伸繊維を得た。なお、この未延伸繊維を数本束ね、その断面を走査型電子顕微鏡で観察した。その断面の概略図を図5Bに示す。
次いで、得られた未延伸繊維の延伸を試みたが、延伸することができなかった。
(実施例3)
実施例2において、溶媒として、ギ酸に代えてギ酸及びヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)の混合液(ギ酸:70質量%、HFIP:30質量%)を用いたこと、並びに、未延伸繊維中の残存溶媒濃度を表1に示すように調整又は変更したこと以外は実施例2と同様にして、最終的にナイロン4繊維(延伸繊維)を得た。そして、得られた延伸繊維について、各測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、溶媒として、ギ酸に代えて酢酸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、紡糸用溶液の調製を試みたが、ナイロン4が酢酸に十分に溶解しなかったため、紡糸用溶液を調製することができなかった。
(実施例4,5)
実施例1において、延伸温度を表1に示すように調整又は変更したこと以外は実施例1と同様にして、最終的にナイロン4繊維(延伸繊維)を得た。そして、得られた延伸繊維について、各測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、未延伸繊維中の残存溶媒濃度及び延伸温度を表1に示すように調整又は変更したこと以外は実施例1と同様にして、最終的にナイロン4繊維(延伸繊維)を得た。そして、得られた延伸繊維について、各測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、未延伸繊維中の残存溶媒濃度及び延伸温度を表1に示すように調整又は変更したこと以外は実施例1と同様にして、未延伸繊維の延伸を試みたが、繊維の断線が生じ、延伸することができなかった。
(比較例5)
実施例1において、延伸倍率を表1に示すように調整又は変更したこと以外は実施例1と同様にして、最終的にナイロン4繊維(延伸繊維)を得た。そして、得られた延伸繊維について、各測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1において、未延伸繊維中の残存溶媒濃度、延伸温度及び延伸倍率を表1に示すように調整又は変更したこと以外は実施例1と同様にして、最終的にナイロン4繊維(延伸繊維)を得た。そして、得られた延伸繊維について、各測定を行った。結果を表1に示す。
表1より、本発明に従う実施例1〜6では、繊維強度及び弾性率がいずれも高いナイロン4繊維が得られていることが分かる。
また、図4より、実施例1のナイロン4繊維は、既存のタイヤコードとして多用されるナイロン66繊維と比較して、貯蔵弾性率(E’)が高いことが分かる。なお、貯蔵弾性率(E’)が高いと、タイヤにおける操縦安定性、ロードノイズ、フラットスポット等の性能に好影響を与えるものと考えられる。
更に、図5A及び図5Bから、実施例1の未延伸繊維はボイドが少ないのに対し、比較例2の未延伸繊維は、ボイドが多いことが分かる。このことより、比較例2では、ボイドが多く存存していたことにより、高強力の繊維が得られなかったとともに、延伸時に延伸倍率を上げることが困難であったものと考えられる。
(実施例7)
実施例1で得られたナイロン4繊維を用い、1400dtex/2、撚り数26×26(回/10cm)のタイヤコードを得た。そして、このタイヤコードをベルト補強層に用い、195/65R15のサイズのタイヤモデルを作製した。
(比較例7)
ナイロン4繊維に代えてナイロン66を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、195/65R15のサイズのタイヤモデルを作製した。
得られたタイヤモデルについて、タイヤ性能予測計算システムを用いて、タイヤ性能(ロードノイズ、フラットスポット、操縦安定性)の予測計算を行った。結果を表2に示す。なお、全てのタイヤ性能において、比較例7に係る性能を100として実施例7に係る性能を指数化し、値が大きいほど良好であることを示す。
表2より、タイヤのベルト補強層に本発明のナイロン4繊維を用いることで、既存のタイヤコードとして用いられるナイロン66繊維を用いた場合に比べ、操縦安定性をより向上させることができるとともに、ロードノイズ及びフラットスポットをより抑制させることができることが分かる。
本発明によれば、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を製造することが可能な、ナイロン4繊維の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、高い強度及び弾性率を有するナイロン4繊維を提供することができる。更に、本発明によれば、操縦安定性等の性能に優れるタイヤを提供することができる。
100 乾式紡糸装置
11 シリンジ
115 プランジャー
116 ノズル
12 ヒーター
13,14 送りローラー
15 巻き取りローラー
16 筒
17 溶媒トラップ
18 外径測定器
19 保護カバー
200 延伸装置
21 送出ローラー
22 加熱チャンバー
23 ローラーガイド
24 張力計
25 巻き取りローラー
300 タイヤ
31 トレッド部
32 サイドウォール部
33 ビード部
34 ビードコア
35 カーカス
36 ベルト層
37 ベルト補強層
38 トレッド踏面
39 トレッドゴム

Claims (6)

  1. ナイロン4を溶媒に溶解させ、紡糸用溶液を得る工程と、
    前記紡糸用溶液を用いて乾式紡糸し、未延伸繊維を得る工程と、
    前記未延伸繊維を延伸し、ナイロン4繊維を得る工程と、を含み、
    前記ナイロン4は、重量平均分子量が550,000以上であり、
    前記紡糸用溶液は、溶解している前記ナイロン4の濃度が15質量%以上であり、
    前記延伸する工程における延伸温度が180℃以上240℃以下であり、且つ、延伸倍率が4倍以上である、
    ことを特徴とする、ナイロン4繊維の製造方法。
  2. 前記溶媒がギ酸を含む、請求項1に記載のナイロン4繊維の製造方法。
  3. 前記溶媒が、ヘキサフルオロイソプロパノール及びトリフルオロ酢酸から選択される1種以上を更に含む、請求項2に記載のナイロン4繊維の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン4繊維の製造方法により製造される、ことを特徴とする、ナイロン4繊維。
  5. 請求項4に記載のナイロン4繊維を補強部材に用いたことを特徴とする、タイヤ。
  6. 前記補強部材がベルト補強層を含む、請求項5に記載のタイヤ。
JP2018020984A 2018-02-08 2018-02-08 ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤ Pending JP2019137934A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018020984A JP2019137934A (ja) 2018-02-08 2018-02-08 ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018020984A JP2019137934A (ja) 2018-02-08 2018-02-08 ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019137934A true JP2019137934A (ja) 2019-08-22

Family

ID=67695014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018020984A Pending JP2019137934A (ja) 2018-02-08 2018-02-08 ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019137934A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021255957A1 (ja) * 2020-06-19 2021-12-23 国立大学法人京都工芸繊維大学 ポリアミド4繊維の製造方法
WO2022259843A1 (ja) 2021-06-08 2022-12-15 株式会社クレハ モノフィラメントおよびその製造方法
WO2022259844A1 (ja) * 2021-06-08 2022-12-15 株式会社クレハ モノフィラメント、およびその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002339154A (ja) * 2001-05-22 2002-11-27 Foundation For Advancement Of Science & Technology 高強度・高弾性率のポリアミド繊維及びその製造方法、並びに該製造方法に用いられる溶融延伸装置
WO2015186364A1 (ja) * 2014-06-06 2015-12-10 株式会社ブリヂストン タイヤ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002339154A (ja) * 2001-05-22 2002-11-27 Foundation For Advancement Of Science & Technology 高強度・高弾性率のポリアミド繊維及びその製造方法、並びに該製造方法に用いられる溶融延伸装置
WO2015186364A1 (ja) * 2014-06-06 2015-12-10 株式会社ブリヂストン タイヤ

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
TAKEDA HIROMU: "Drawing of Nylon 4 Fiber at a Temperature a Few Degrees Below the Melting Point.", REPORTS ON PROGRESS IN POLYMER PHYSICS IN JAPAN, vol. 39, JPN6021047381, 1996, JP, pages 461 - 464, ISSN: 0004649013 *
竹田弘: "ナイロン4の乾式紡糸(3)", 繊維学会予稿集, JPN6021047380, 1995, JP, pages 4, ISSN: 0004649012 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021255957A1 (ja) * 2020-06-19 2021-12-23 国立大学法人京都工芸繊維大学 ポリアミド4繊維の製造方法
WO2022259843A1 (ja) 2021-06-08 2022-12-15 株式会社クレハ モノフィラメントおよびその製造方法
WO2022259844A1 (ja) * 2021-06-08 2022-12-15 株式会社クレハ モノフィラメント、およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3883510B2 (ja) ポリケトン繊維及びその製造方法
JP3717405B2 (ja) ポリケトン溶液
KR100960049B1 (ko) 폴리케톤 섬유의 제조방법
JP2019137934A (ja) ナイロン4繊維の製造方法、ナイロン4繊維、及び、タイヤ
JP3902211B2 (ja) ポリケトン繊維およびその製造方法
JP4342056B2 (ja) ポリケトン繊維及びその製造法
JP2021031790A (ja) ナイロン4繊維の製造方法、及びナイロン4繊維
JP4118721B2 (ja) ポリケトン繊維の製造方法
JP2007303056A (ja) 高耐熱ポリエステル繊維材料、タイヤコード、ディップコード、および高耐熱ポリエステル繊維材料の製造方法
KR100595990B1 (ko) 폴리케톤 섬유 및 그의 제조 방법
KR100607086B1 (ko) 폴리케톤 섬유
KR101551418B1 (ko) 폴리케톤 섬유의 제조 방법
JPS6128015A (ja) ポリパラフエニレンベンゾビスチアゾ−ル繊維の製造方法
KR101725811B1 (ko) 폴리케톤 섬유의 제조 방법
KR20090114689A (ko) 아라미드 멀티필라멘트의 제조방법
JP2000345431A (ja) ポリケトン繊維及びその製造方法
KR100958512B1 (ko) 폴리케톤 섬유의 제조방법
KR20070031063A (ko) 내피로성이 우수한 폴리케톤 딥코드
KR100949602B1 (ko) 폴리케톤 섬유의 제조방법
KR101551425B1 (ko) 고강력 폴리에스터 원사 및 타이어코드의 제조방법
JP4025742B2 (ja) ポリビニールアルコール架橋繊維及びその製造方法
KR20120064933A (ko) 폴리케톤 섬유의 제조 방법
KR20110009366A (ko) 폴리케톤 섬유의 효과적인 연신방법
JPS59116411A (ja) 新規なポリアミド繊維およびその製法
JP2006001285A (ja) 繊維強化複合材料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20190305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190305

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221115