JP2019137671A - 皮膚外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた抗シワ効果を奏する抗シワ皮膚外用組成物を提供すること。【解決手段】レチノール及びオリーブ抽出物を含む、皮膚外用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚外用組成物等に関する。
皮膚老化に伴って肌にはシワが増える。シワには、眼の下に細く横に入り、深さが表皮レベルのシワ(表皮性シワ)から、目尻や額などの表情筋の方向と垂直の細かいひだとして現れ、シワの深さが真皮レベルのシワ(真皮性シワ)や、目や口の周り、顔の輪郭などの大きなひだとして現れるシワ(老人性シワ)などがある。このような、表皮や真皮などの部位に総合的に作用してシワの形成防止や改善に多面的に作用する解決を目指して、研究がなされている。
レチノールおよびその誘導体は、視覚をはじめとする生体機能の維持や、皮膚および粘膜などの正常上皮組織の再生機能などに関与することが知られているビタミンの一種であり、尋常性魚鱗癬などの角化異常皮膚疾患の外用医薬品として知られ、また、レチノール誘導体は、上皮組織の活性を維持し、紫外光線のシグナル透過を遮断することによって皮膚の老化を抑制することが知られており、皮膚老化防止用の化粧料などとして広く利用されている。
またさらに、特定のアミノ酸配列を有するペプチドユニットを縮合して得られるポリペプチド(ポリ(プロリン−ヒドロキシプロリン−グリシン))にコハク酸を介してレチノールを結合した物質は細胞毒性が低く、表皮におけるヒアルロン酸産生を増大し、また、真皮におけるコラーゲンの合成を促進できることが見出されている(特許文献1)。
国際公開第2011/158864号
本発明の目的は、優れた抗シワ効果(例えば、シワ形成防止効果、シワ改善効果、美肌効果、又は肌質改善効果等の効果)を奏する抗シワ皮膚外用組成物を提供することにある。
本発明者らは、レチノールにオリーブ抽出物を組み合わせて用いることにより、格段に高いHAS2遺伝子発現亢進効果を得られること、及び、高いHB−EGF遺伝子発現亢進効果も得られること、を見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
レチノール及びオリーブ抽出物を含む、皮膚外用組成物。
項2.
オリーブ抽出物が、オリーブ葉抽出物である、項1に記載の組成物。
項3.
オリーブ抽出物が、水、エタノール、又は水−エタノール混合液の抽出物である、項1又は2に記載の組成物。
項4.
抗シワ皮膚外用組成物である、項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項5.
表皮細胞ヒアルロン酸産生亢進用組成物である、項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項6.
皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該組成物に皮膚適用時抗シワ効果を付与若しくは増強する方法。
項7.
皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該レチノールの有する皮膚適用時抗シワ効果を増強する方法。
本発明の皮膚外用組成物を用いることにより、優れた抗シワ効果(より具体的には、例えば、シワ形成防止効果、シワ改善効果、美肌効果、又は肌質改善効果等)を得ることができる。
レチノール(10−5M)及び/又はオリーブ抽出物(0.001%、0.005%、0.01%、又は0.02%)がヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS2)の発現に与える影響をリアルタイムPCRにより解析した結果を示す。 レチノール(10−5M)及び/又はオリーブ抽出物(0.005%、0.01%、又は0.02%)が細胞増殖促進遺伝子(HB−EGF)の発現に与える影響をリアルタイムPCRにより解析した結果を示す。 三次元皮膚モデルにおいて、レチノール(0.05%)及び/又はオリーブ葉抽出物(1%又は2%)がヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS3)の発現に与える影響をリアルタイムPCRにより解析した結果を示す。 三次元皮膚モデルにおいて、レチノール(0.05%)及び/又はオリーブ葉抽出物(1%又は2%)が細胞増殖に関与する遺伝子(HB−EGF)の発現に与える影響をリアルタイムPCRにより解析した結果を示す。 三次元皮膚モデルにおいて、レチノール(0.05%)及び/又はオリーブ葉抽出物(0.1%、0.5%、又は1%)がヒアルロン酸合成に与える影響をヒアルロン酸量の定量により解析した結果を示す。
以下、本発明の各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本発明に包含される皮膚外用組成物は、レチノール及びオリーブ抽出物を含む。以下、当該組成物を本発明の皮膚外用組成物とよぶことがある。
レチノールは、次の構造式で表される化合物であり、上述の通り、皮膚老化防止用化粧品等に利用されている。
本発明の皮膚外用組成物におけるレチノールの含有量は、本発明の効果が損なわれない限り、特に制限されないが、例えば0.005〜1質量%程度、0.01〜0.5質量%程度、又は0.02〜0.1質量%程度が好ましく挙げられる。また例えば組成物が液状である場合、10−6〜10−2M程度であることが好ましく、10−5〜10−2.5M程度であることがより好ましい。
本発明に用いるオリーブ抽出物を得るオリーブは、モクセイ科オリーブ属の植物であって本発明の効果を奏する抽出物を得られるものであれば特に限定されない。例えば、オリーブ(Oleaeuropaea Linne)やその同属種(Oleawelwitschii、Oleapaniculataなど)などが挙げられる。オリーブの品種の代表例としては、例えば、ネバディブロンコ、マンザニロ、ピクアル、ホジブランコ、アルベキナ、カタマラ、コロネイキ、ピッチョリーネ、パラゴン、ワッガベルダル、ミッション、ワシントン、ウエストオースラリアミッション、サウスオーストラリアベルダル、アザパ、バルネア、コルニカブラ、ゴルダル、フラントイオ、レッチーノ、チプレッシーノ、ルッカ、アスコラーナテレナ、コレッジョッラ、モロイオロ、ブラックイタリアン、コラティーナ、ヘレナ、ロシオーラ、ワンセブンセブン、エルグレコ、ハーディズマンモスなどを挙げることができる。
また、抽出物を得る部位も特に限定はされず、例えばオリーブの花、果皮、果実、葉、樹皮、根及び種子等が挙げられ、特に葉が好ましい。これら部位は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、葉を用いるか、あるいは葉を主体とした植物体を用いることが好ましい。また、抽出溶媒も特に限定されず、例えば水、エタノールのほか、石油エーテル、ヘキサン、ブタノール、プロパノール、メタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびこれら溶媒の混合液が挙げられるが、水(特に温水)、及び水−エタノール混合液が好ましい。水−エタノール混合液を用いる場合、その混合比(水:エタノール)は、体積比で好ましくは約100:1〜約1:200、より好ましくは約20:1〜約1:20であり、最も好ましくは約1:9〜1:1である。
抽出方法については、その溶媒の温度や原料に対する溶媒の重量比率、または抽出時間についても、種々の原料および使用する溶媒に対しそれぞれを任意に設定することができる。また、抽出時の溶媒の温度は約−4℃〜約200℃の範囲であればよいが、約30℃〜約150℃が好ましく、約40℃〜約80℃がより好ましい。
溶媒抽出で得られたオリーブ抽出物に、濃縮や精製処理を施してもよい。例えば、オリーブ葉から溶媒抽出した粗抽出液の溶媒を留去させた後、例えばスチレンジビニルベンゼン重合樹脂(ダイアイオンHP20:三菱化学)、アンバーライトXAD樹脂:ロームアンドハース社、デュオライトS樹脂:ダイアモンドシャムロック社などの樹脂カラムに通し、減圧下で濃縮し、高温乾燥させることができる。また、公知のその他の処理を施してもよく、例えば、酸(無機酸、有機酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等)の添加による分解、醗酵処理、微生物を用いた代謝変換処理、イオン交換樹脂や活性炭、ケイ藻土等による成分吸着、クロマトグラフィーを用いた分画、濾紙やメンブランフィルター、限外濾過膜などを用いた濾過、加圧または減圧、加温または冷却、スプレードライ、凍結乾燥、pH調整、脱臭、脱色、低温における静置処理後のろ過処理による夾雑物の除去などが例示でき、これらを任意に選択して組み合わせた処理を行ってもよい。また、本発明に用いるオリーブ抽出物は、市販されているものを用いることもできる。市販されているオリーブ抽出物としては、例えば、オリーブ葉抽出液BG(丸善製薬)、Oleanoline(オレアノリン)(アシュランド・ジャパン)、Oleanoline IS (オレアノリンIS)(アシュランド・ジャパン)、OLIVE HYDROGLYCOLIC EXTRACT(BG)(GREENTECH S.A.)、OLIVE TREE LEAF HYDROGLYCOLIC EXTRACT(GREENTECH S.A.)、オリーブ葉エキス−HBG(株式会社ヤマダ薬研)、Olive leaf extract((株)ザビンサジャパン社製、オレウロペイン約12.5%含有)、Naturolive(Deretil Nature社製、オレウロペイン約15%含有)、Olive P.E.(Guilin Layn Natural Ingredient corp.社製、オレウロペイン約18〜20%含有)、オリーブ葉乾燥エキス(Frutarom Switzerland社製、オレウロペイン約20〜26%含有)、Oleuropein(Natac社製、オレウロペイン20%、22%若しくは40%含有)、オリーブ葉エキス(バイオアクティブジャパン社製、オレウロペイン26%含有)オリーブ葉エキス(タマ生化学社製、オレウロペイン35%含有)、オピエース(エーザイフードケミカル社製、オレウロペイン35%含有)等が挙げられる。
特に制限されるわけではないが、本発明の皮膚外用組成物に用いるオリーブ抽出物は、オレウロペインが含有されるものが好ましく、例えば少なくともオレウロペインが5質量%、10質量%、12質量%、15質量%、17.5質量%、20質量%、22.5質量%、25質量%、27.5質量%、30質量%、32.5質量%、又は35質量%以上含まれるものがより好ましい。
本発明の皮膚外用組成物に含まれるオリーブ抽出物の含有量は、本発明の効果が得られる範囲であれば、特に制限はされないが、例えば、0.0005〜2質量%程度が好ましく、0.001〜1質量%程度が依り好ましく、0.001〜0.5質量%程度がさらに好ましい。
また、本発明の皮膚外用組成物には、皮膚外用組成物(特に外用医薬品組成物及び化粧品組成物)に使用される公知の成分をさらに含有していてもよい。このような成分としては、例えば、水、油剤、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、各種粉体等の成分が挙げられる。これらの成分の配合量も、公知の皮膚外用組成物への配合量の情報に基づき、適宜設定することができる。特に制限されないが、例えば、1〜99.9質量%程度、又は50〜99.9質量%程度であり得る。
特に制限されるわけではないが、本発明の皮膚外用組成物は、液状組成物であることが好ましい。また、本発明の皮膚外用組成物の使用形態としては、例えば、フェイスパック、ペースト、軟膏、クリーム、ジェル、ローション、乳液、美容液、化粧水、スプレー剤、ヘアケア剤などが挙げられる。
このような本発明の皮膚外用組成物は、公知の方法又は公知の方法から容易に想到される方法により製造することができる。例えば、レチノール及びオリーブ抽出物並びにその他の皮膚外用組成物に使用される公知の成分を適宜混合することにより製造することができる。
また、本発明の皮膚外用組成物は、レチノール及びオリーブ抽出物を含有することにより、皮膚(特に表皮細胞)において、優れたヒアルロン酸合成酵素遺伝子(特にHAS2及び/又はHAS3)発現亢進効果、並びに/あるいは、細胞増殖促進遺伝子(特にHB−EGF遺伝子)発現亢進効果を奏する。また、本発明の皮膚外用組成物は、皮膚(特に表皮細胞)において、優れたヒアルロン酸産生亢進効果を奏する。
Hyaluronan Synthase(HAS)はヒアルロン酸合成酵素であり、HAS2及びHAS3はそれぞれがその1種である。HASの発現が亢進することで、ヒアルロン酸合成が促進され、これにより抗シワ効果が好ましく奏される。また、heparin−binding EGF−like growth factor(HB−EGF)は、皮膚細胞増殖に関わっていること、特にHB−EGFが増えれば皮膚ターンオーバーが早まり新しい皮膚に生まれ変わることが知られている。これにより、外傷や日焼け、あるいはシワやシミが解消され得る。
このため、本願発明は、レチノール及びオリーブ抽出物を含有するヒアルロン酸合成(産生ともいえる)亢進用組成物、及び、レチノール及びオリーブ抽出物を含有する細胞(特に皮膚細胞、中でも表皮細胞)増殖促進用若しくは皮膚ターンオーバー用組成物をも包含する。これらの組成物に含まれる各成分については、上述の記載が好ましく当てはまる。
また、本発明は、(i)皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該組成物に皮膚適用時抗シワ効果を付与若しくは増強する方法、並びに、(ii)皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該レチノールの有する皮膚適用時抗シワ効果を増強する方法、も好ましく包含する。
(i)の方法では、皮膚外用組成物において、レチノール及びオリーブ抽出物という特定の成分を組み合わせて含ませることによって、当該組成物自体の皮膚適用時抗シワ効果を増強させるか、あるいは当該組成物自体にレチノール及びオリーブ抽出物以外には皮膚適用時抗シワ効果を奏する成分が含まれていない場合には、当該効果を付与することができる。また、(ii)の方法では、もともとレチノール自体に皮膚適用時の抗シワ効果が期待されるところ、オリーブ抽出物をレチノールと組み合わせて用いる(つまり、皮膚外用剤にレチノール及びオリーブ抽出物を含ませる)ことによって、当該レチノールの抗シワ効果を増強することができる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下、特に断らない限り、%は質量(w/w)%を表す。CO濃度の%はv/v%である。またレチノールはシグマアルドリッチ社から、オリーブ抽出物はエーザイフードケミカル社(商品名:オピエース;オリーブ葉抽出物)から、それぞれ購入して用いた。
ヒアルロン酸合成酵素遺伝子及び細胞増殖促進遺伝子の発現検討
NHEK細胞(正常ヒト表皮角化細胞;新生児由来)を用いて、レチノールとオリーブ抽出物併用時にヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS2)並びに細胞増殖促進遺伝子(HB−EGF)の発現が変化するかを検討した。なお、細胞、培地及び培地関連試薬については、全て市販品を購入して用いた(倉敷紡績株式会社又はシグマアルドリッチ)。
<増殖培地調製方法>
37℃に恒温化したHuMedia−KB2培地 500mLに同じく恒温化したインスリン 0.5ml、hEGF 0.5ml、ハイドロコ−チゾル 0.5ml、BPE(ウシ脳下垂体抽出液)2ml、ゲンタマイシン/アンフォテリシンB 0.5ml(抗菌剤)を加えた。これを緩やかに混合した後、4℃に保存した。
<凍結NHEK細胞の解凍及び培地交換方法>
凍結NHEK細胞の入ったアンプル2本を37℃の恒温槽で解凍した。解凍後、予め15mlチューブに分注した4℃のHumedia−KG2培地 6mlに細胞溶液を混合した。予め37℃に恒温化したHumedia−KG2培地 39mlを13mlずつ3つのフラスコに移した。混合した細胞溶液を接着細胞培養フラスコ(SUMILON 250mL)に2mlずつ移し、細胞が均一になるように混合させてから、しばらく静置した。37℃、5%COインキュベーターで培養した。翌日以降、細胞密度が80%コンフルエントになるまで1日1回培地交換を行なった。
<NHEK細胞の継代培養方法>
増殖培地を吸引し、37℃に恒温化したHEPES緩衝液を5mL加え、軽く細胞層を洗浄した。HEPES緩衝液を吸引し、0.25%トリプシン溶液を2mL加え、37℃、5%COインキュベーターで3分静置した。その後、フラスコ底面に接着している細胞をはがした(フラスコの淵を軽く叩き、細胞をはがす)。そこに37℃に恒温化したトリプシン中和液を4mL加えてトリプシン酵素の反応を停止させた。細胞懸濁液を50mlファルコンに回収し、遠心した(RT、1,000rpm、5min)。上清を吸引し、Humedia−KG2培地10mlに混合した後、血球計算盤で細胞数を計測した。その後、接着細胞24wellプレートに培地量950μL、細胞数が1.2×10個になるよう蒔いた。翌日、培地交換を行なった。
<試料添加方法>
増殖培地を吸引し、PBS 1mlで洗浄した後、Humedia−KB2培地 1mlに混合した検討試料(レチノール及び/又はオリーブ抽出物)を添加し、24時間培養した。なお、レチノールは10−5Mの終濃度となるよう培地に添加した。オリーブ抽出物は、HAS2遺伝子の発現解析時には終濃度0.001%、0.005%、0.01%、又は0.02%となるように培地に添加し、HB−EGF遺伝子の発現解析時には終濃度0.005%、0.01%、又は0.02%となるように培地に添加した。また、レチノールの代わりにDMSO(ジメチルスルホキシド)を培地中で1/1000に希釈される容量加えたものも同様に24時間培養した。
<細胞回収方法>
Humedia−KB2培地を吸引し、PBS 1mlで洗浄した。PBSを吸引し、RLT(細胞溶解液) 350μlを加え、プレートシェイカーで3min振盪した。24wellプレートの周りをビニールテープで覆い、−80℃へ保存した。
<cDNAの作製>
−80℃から24wellプレートを取り出し、恒温槽で解凍した。70% EtOH 350μlを加え、プレートシェイカーで3分振盪した。Total RNAサンプルはRNeasy Mini Kit(キアゲン社)を用いて抽出した。NANODROP 2000 Spectriphotometer(Thermo SCIENTIFIC)でRNA濃度を測定し、PrimeScript RT reagent Kit(タカラバイオ社)を用いて、約500ngのTotal RNAからcDNAを作製した。
<リアルタイムPCR>
Primix Ex Taq(タカラバイオ社)10μlにプライマー、ROX DyeIIとRNA Free水を加え、18μlの混液を調製し、2μl(約50ng)のcDNAサンプルを加えて、Real−Time PCR測定サンプルを各プライマーごとに調製した。内在性コントロールとしてβ−actin、ターゲット遺伝子としてHAS2及びHB−EGFを選択した。Real−Time PCR Standard7500(Applied Biosystems)により、ターゲット遺伝子の発現解析(相対定量)を検量線法により行なった。
HAS2遺伝子の発現解析結果(DMSO添加時を1としたときの遺伝子発現割合)を図1に、HB−EGF遺伝子の発現解析結果(DMSO添加時を1としたときの遺伝子発現割合)を図2に、それぞれ示す。図において、+、*、**、***は、それぞれ、コントロール(DMSO添加)と比較して有意差が有ることを示す(+:P<0.1、*:P<0.05、**:P<0.01、***:P<0.001)。また、図において、棒グラフの上部の+、*、**、***は、コントロール(DMSO添加)と比べて有意差があることを、横棒上部の+、***は、当該横棒の端部に位置するサンプルどうしを比較して有意差があることを、それぞれ示す。
皮膚三次元モデルを用いたヒアルロン酸合成及び細胞増殖促進遺伝子の発現検討
皮膚三次元モデルを用いて、レチノール及びオリーブ抽出物 により、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS3)及び細胞増殖促進遺伝子(HB−EGF)の発現が変化するかを検討した。さらに、最終産物であるヒアルロン酸産生量の発現が変化するかについても検討した。なお、細胞、培地及び培地関連試薬については、全て市販品を購入して用いた(MatTek又は倉敷紡績株式会社又はシグマアルドリッチ)。
<皮膚三次元モデルの培養方法>
MatTek社のキット(EPI−200)を用いて、三次元皮膚モデルを培養した。具体的には、37℃に恒温化したAssay培地を24wellプレートに500μlずつ加え、そこにMatTek社により調製されたNHEK細胞(正常ヒト表皮角化細胞;新生児由来)からなる三次元皮膚モデルをのせた。37℃、5%COインキュベーターで1日培養した。
<試料添加方法>
皮膚三次元モデルに検討試料(レチノール及び/又はオリーブ抽出物)50μlを添加し、24時間(リアルタイムPCRによる遺伝子の発現解析実験)あるいは48時間(ヒアルロン酸産生の定量実験)培養した(皮膚全体に添加試料がまんべんなく浸るように添加した)。レチノールは0.05%の濃度となるよう調整してから、三次元皮膚モデルに添加した。オリーブ抽出物は、HAS3遺伝子及びHB−EGF遺伝子の発現解析時には濃度1%又は2%となるように調整してから三次元皮膚モデルに添加し、ヒアルロン酸産生の定量実験時には濃度0.1%、0.5%、又は1%となるように調整してから三次元皮膚モデルに添加した。また、無添加の条件においても24時間あるいは48時間培養した。
なお、添加するレチノール溶液の濃度調整は、Decaglyn 1−L、1,3−BG及びイオン交換水の混合液にレチノール1%の濃度となるよう溶解した濃縮液をまず調製し、これをイオン交換水で希釈することにより、行った。また、添加するオリーブ抽出物の濃度調整は、イオン交換水でオリーブ葉抽出物20%の濃縮液をまず調整し、これをさらにイオン交換水で希釈することにより、行った。
<皮膚三次元モデルの回収方法>
新たな24wellプレートにPBSを500μL加え、皮膚三次元モデルを移した。皮膚上に残っている液体をアスピレーターで軽く吸引し、PBSで洗浄した。ピンセットでカップから皮膚三次元モデルを切り離し、ピンセットを使ってメンブレンを剥がした。耐熱チューブに剥がした皮膚三次元モデルを入れ、液体窒素で凍結した後、−80℃へ保存した。
<皮膚三次元モデルからのRNA抽出及びcDNAの作製>
15mLファルコンプラスティックチューブにRLT(細胞溶解液)を600μL添加し、氷冷した。−80℃で保存していた凍結サンプルを液体窒素で冷やした後、RLTに入れ、ホモジナイザーPOLYTRON(KINEMATICA社)を用いて40秒間ホモジナイズした。皮膚三次元モデル破砕液を1.5mlチューブに回収し、遠心した(RT、14,000rpm、5min)。上清を回収し、等量の70% EtOH 350μlを加え、ボルテックスで攪拌した。Total RNAサンプルはRNeasy Mini Kit(キアゲン社)を用いて抽出した。NANODROP 2000 Spectriphotometer(Thermo SCIENTIFIC)でRNA濃度を測定し、PrimeScript RT reagent Kit(タカラバイオ社)を用いて、約500ngのTotal RNAからcDNAを作製した。
<リアルタイムPCR>
リアルタイムPCRは上記と同様にして行った。すなわち、Primix Ex Taq(タカラバイオ社)10μlにプライマー、ROX DyeIIとRNA Free水を加え、そこに約50ng のcDNAサンプルを加えて、Real−Time PCR測定サンプルをプライマーごとに20μlずつ調製した。内在性コントロールとしてβ−actin、ターゲット遺伝子としてHAS3及びHB−EGFを選択した。Real−Time PCR Standard7500(Applied Biosystems)により、ターゲット遺伝子の発現解析(相対定量)を検量線法により行なった。
HAS3遺伝子の発現解析結果(コントロール(無添加)を1としたときの遺伝子発現割合)を図3に示す。また、HB−EGF遺伝子解析の結果(コントロール(無添加)を1としたときの遺伝子発現割合)を図4に示す。図3及び図4において、***、*、及び+は、有意差が有ることを示す(***:P<0.001、*:P<0.05、+:P<0.1)。棒グラフの上部のこれらの記号は、コントロール(無添加))と比べて有意差があることを示す。また、横棒上部のこれらの記号は、当該横棒の端部に位置するサンプルどうしを比較して有意差があることを、それぞれ示す。
<皮膚三次元モデルからのヒアルロン酸抽出>
−80℃で保存していた凍結サンプル(皮膚三次元モデル)を凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器械株式会社)で3時間凍結乾燥させ、乾燥重量を測定した。乾燥重量10mgに対し、2.5%アクチナーゼE(科研製薬株式会社)/10mM Tris−HCl(pH 8.0)溶液を1ml添加し、ヒートブロックにて55℃で24時間反応させ、タンパク質分解処理を行なった。ヒートブロックにて100℃で10分反応させ、アクチナーゼを煮沸失活させた。その後、遠心して(RT、12,000rpm、10min)、上清を回収した。
<ヒアルロン酸産生の定量>
得られた上清中のヒアルロン酸量をHyaluronan Quantikine ELISA Kit(funakoshi)を用いて定量した。結果を図5に示す。図5において、**及び*は、有意差が有ることを示す(**:P<0.01、*:P<0.05)。横棒上部のこれらの記号は、当該横棒の端部に位置するサンプルどうしを比較して有意差があることを、それぞれ示す。
なお、各PCRに用いた各プライマーの塩基配列は次の通りである。(F:はフォワードプライマーを、R:はリバースプライマーを示す。)
β−actin
F:TTGTTACAGGAAGTCCCTTGCC
R:ATGCTATCACCTCCCCTGTGTG
HAS2
F:AGTCATGTACACAGCCTTCAGAGCA
R:CACCTCCAACCATGGGATCTTC
HAS3
F:TCGGCGATTCGGTGGACTA
R:CCTCCAGGACTCGAAGCATCTC
HB−EGF
F:GGGACCCATGTCTTCGGAAATA
R:CCAGGATGGTTGTGTGTGGTCATAG

Claims (7)

  1. レチノール及びオリーブ抽出物を含む、皮膚外用組成物。
  2. オリーブ抽出物が、オリーブ葉抽出物である、請求項1に記載の組成物。
  3. オリーブ抽出物が、水、エタノール、又は水−エタノール混合液の抽出物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 抗シワ皮膚外用組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
  5. 表皮細胞ヒアルロン酸産生亢進用組成物である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該組成物に皮膚適用時抗シワ効果を付与若しくは増強する方法。
  7. 皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該レチノールの有する皮膚適用時抗シワ効果を増強する方法。
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